JP2013253318A - 高加工性鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】TSが780MPa以上、λが80%以上の高加工性鋼板を、焼鈍炉を短命化することなく製造できる方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.08%以上0.15%以下、Si:0.01%以上1.5%以下、Mn:1.0%以上2.5%以下、P:0.080%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.010%以上0.5%以下、N:0.005%以下、V:0.15%以上0.45%以下と、Nb:0.003%以上0.05%以下およびTi:0.003%以上0.05%以下のうちの少なくとも1種とを含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼スラブを、仕上温度860℃以上で熱間圧延後、圧下率30%以上で冷間圧延し、冷延板とした後、該冷延板に、950℃以上で1s以上10s以下保持の焼鈍を施し、平均冷却速度15℃/s以上で冷却を行った後、550℃以上700℃以下で300s以上1000s以下保持の熱処理を施すことを特徴とする高加工性鋼板の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車車体部品等に好適な、引張強度TSが780MPa以上で、かつ加工性に優れた高強度鋼板の製造方法に関する。
近年、地球環境保全の観点からCO2の排出量を規制するため、自動車の燃費改善が要求されている。また、衝突時に乗員の安全を確保するため、衝突特性を中心にした自動車の安全性向上も要求されている。このため、自動車車体の軽量化および高強度化が積極的に進められている。
自動車車体の軽量化と高強度化を同時に満たすためには、車体部品に使用される鋼板を高強度化し、剛性を阻害しない範囲でその板厚を減少して軽量化を図ることが効果的である。そのため、最近では高強度鋼板が車体部品に積極的に使用されている。特に、車体部品の軽量化効果は、使用する鋼板が高強度であるほど大きくなるため、より高強度の鋼板が使用される動向にあり、例えば、骨格構造部品には、TSが780MPa以上、さらには980MPa以上の高強度鋼板が求められている。
一方、鋼板を素材とする車体部品の多くは、プレス加工によって製造されるため、素材の鋼板には、高強度だけではなく、優れたプレス加工性を有していることが必要とされる。特に、骨格構造部品では、伸びフランジ性、具体的にはその評価に用いられる穴広げ性に優れた鋼板が要求されており、TSが780MPa以上の高強度鋼板には、穴広げ性の指標である穴広げ率λが80%以上であることが望まれている。
そのため、穴広げ性に優れた高強度鋼板に関する技術がいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、質量%でC:0.06〜0.6%、Si+Al:0.5〜3%、Mn:0.5〜3%、P:0.15%以下、S:0.02%以下と、さらにTi:0.1%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%の少なくとも1種とを含有する鋼を、熱間圧延後、冷間圧延し、連続焼鈍工程にて、A1変態点以上A3変態点以下の温度で加熱保持し、10℃/s以上の平均冷却速度でMs点以下の温度まで冷却後、連続焼鈍工程あるいはめっき工程にて、A1変態点以上A3変態点以下の温度で10〜600s加熱保持し、3℃/s以上の平均冷却速度で300℃以上480℃以下の温度まで冷却し、該温度域で1s以上保持する加工性に優れた高強度鋼板の製造方法が開示されている。特許文献2には、質量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.5〜2.5%、V:0.15〜1.0%、Al:0.005〜0.1%、N:0.003%以下およびS:0.01%以下と、さらにTiおよび/またはNb:0.1%以下とを含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、熱間圧延後、30%以上の圧下率で冷間圧延したのち、850℃以上で焼鈍し、その焼鈍温度から750℃までの平均冷却速度X(℃/s)が、鋼中Mn量[%Mn]との関係で、X≧50-20[%Mn]を満足する条件で冷却し、引き続き750〜550℃の温度範囲で20s以上保持する穴広げ性に優れる高強度鋼板の製造方法が開示されている。
特開2003-171735号公報 特開2005-256141号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法で製造された高強度鋼板では、フェライトに比べ硬質な焼戻マルテンサイトを多量に含むミクロ組織を有するためと思われるが、780MPa以上のTSを得ようとすると80%以上のλが得られない。特許文献2に記載の製造方法では、850℃以上の高い温度で100s以上の焼鈍が必要であり、焼鈍炉の耐火物の劣化が促進され、炉寿命が短い。
本発明は、TSが780MPa以上、λが80%以上の高加工性鋼板を、焼鈍炉を短命化することなく製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的とする高加工性鋼板の製造方法について検討したところ、VとNbやTiの炭化物形成元素を複合添加し、冷間圧延後の高温・短時間焼鈍とそれに続く熱処理を組み合わせることが効果的であることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、質量%で、C:0.08%以上0.15%以下、Si:0.01%以上1.5%以下、Mn:1.0%以上2.5%以下、P:0.080%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.010%以上0.5%以下、N:0.005%以下、V:0.15%以上0.45%以下と、Nb:0.003%以上0.05%以下およびTi:0.003%以上0.05%以下のうちの少なくとも1種とを含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼スラブを、仕上温度860℃以上で熱間圧延後、圧下率30%以上で冷間圧延し、冷延板とした後、該冷延板に、950℃以上で1s以上10s以下保持の焼鈍を施し、平均冷却速度15℃/s以上で冷却を行った後、550℃以上700℃以下で300s以上1000s以下保持の熱処理を施すことを特徴とする高加工性鋼板の製造方法を提供する。
本発明により、TSが780MPa以上、λが80%以上の高加工性鋼板を、焼鈍炉を短命化することなく製造できるようになった。本発明で製造された高加工性鋼板は、自動車車体部品のみならずパイプ素材としても好適である。
本発明のポイントは、冷間圧延後の高温・短時間焼鈍とそれに続く熱処理により、NbやTiの炭化物で粒成長を抑制しつつ、Vの炭化物の溶解・再析出を図って、微細なフェライト主体の組織中に極めて微細なVの炭化物を形成させて、焼鈍炉を短命化することなく高強度化と優れた穴広げ性を両立させたことにある。
以下に、その詳細を説明する。
1) 組成
以下、成分元素の含有量の単位である%は、質量%を意味するものとする。
C:0.08%以上0.15%以下
Cは、上述したように、高温・短時間焼鈍とそれに続く熱処理により極めて微細なVの炭化物を形成し、その析出強化により高強度化に寄与する。780MPa以上のTSを得るためには、0.08%以上のC量が必要である。しかし、その量が0.15%を超えるとVの炭化物の溶解が困難になり、析出強化に効果的な極めて微細なVの炭化物を形成できなくなる。したがって、C量は0.08%以上0.15%以下とする。より好ましくは0.08%以上0.12%以下である。
Si:0.01%以上1.5%以下
Siは、固溶強化元素であり、母相であるフェライト組織の延性を向上させる効果がある。このような効果を得るには、Si量を0.01%以上とする必要がある。しかし、その量が1.5%を超えると赤スケールの生成により鋼板の表面外観が悪化するだけでなく、溶融亜鉛めっきを施す際にめっきの濡れ性が低下し、めっき不良を招く。したがって、Si量は0.01%以上1.5%以下とする。より好ましくは0.7%以上1.2%以下である。
Mn:1.0%以上2.5%以下
Mnは、固溶強化元素であり、高強度化に寄与するだけでなく、変態点を下げる効果があり、より低温でフェライト変態を起こさせるので、Vの炭化物を低温で析出させることができ、その微細化を図れる。このような効果を得るには、Mn量を1.0%以上とする必要がある。しかし、その量が2.5%を超えるとマルテンサイトのような硬質相が形成されやすくなり、穴広げ性の劣化を招く。したがって、Mn量は1.0%以上2.5%以下とする。
P:0.080%以下
P量が0.080%を超えると溶接継ぎ手強度を低下させるだけでなく、溶融亜鉛めっきを施す際にめっきの合金化を阻害する。したがって、P量は0.080%以下とする。より好ましくは0.030%以下である。
S:0.03%以下
S量が0.03%を超えると熱間延性の低下や鋼板の表面外観の悪化を招く。したがって、S量は0.03%以下とする。より好ましくは0.01%以下である。
sol.Al:0.010%以上0.5%以下
sol.Alは、鋼の脱酸元素として有用である他、固溶Nを固定して耐常温時効性を向上させる作用がある。そのため、sol.Al量は0.010%以上とする。しかし、その量が0.5%を超えるとコスト増を招くだけでなく、鋳造時起因の表面欠陥の原因となる。したがって、sol.Al量は0.010%以上0.5%以下とする。より好ましくは0.010%以上0.3%以下である。
N:0.005%以下
Nは、Vの窒化物を形成するため、極めて微細なVの炭化物の析出量を減少させ、高強度化を阻害する。したがって、N量は0.005%以下とするが、極力少なくすることが好ましい。
V:0.15%以上0.45%以下
Vは、本発明において最も重要な元素であり、上述したように、高温・短時間焼鈍とそれに続く熱処理により極めて微細なVの炭化物を形成し、その析出強化により高強度化に寄与する。780MPa以上のTSを得るためには、0.15%以上のV量が必要である。しかし、その量が0.45%を超えるとコスト増を招くだけでなく、Vの炭化物の溶解が困難になり、析出強化に効果的な極めて微細なVの炭化物を形成できなくなる。したがって、V量は0.15%以上0.45%以下とする。より好ましくは0.20%以上0.40%以下である。
Nb:0.003%以上0.05%以下、Ti:0.003%以上0.05%以下のうちの少なくとも1種
NbやTiは、炭化物として析出し、高温・短時間焼鈍とそれに続く熱処理において、オーステナイト粒成長を抑制し、冷却後微細なフェライト主体の組織を形成し、穴広げ性を向上させる。80%以上のλを得るためには、Nb、Tiのうちの少なくとも1種の量を0.003%以上にする必要がある。しかし、Nb、Tiのうちの少なくとも1種の量が0.05%を超えるとコスト増を招くだけでなく、全伸びが低下する。したがって、Nb量は0.003%以上0.05%以下、Ti量は0.003%以上0.05%以下とする。より好ましくはそれぞれ0.01%以上0.05%以下である。
残部はFeおよび不可避的不純物とするが、以下の理由で、Cr、Mo、CuおよびNi、B、REMおよびCaを、同時にあるいは個別に含有させることできる。
Cr、Mo、CuおよびNiのうちの少なくとも1種:0.1%以上1%以下
Cr、Mo、CuおよびNiは、変態点を低下させ、より低温でフェライト変態を起こさせるので、Vの炭化物を低温で析出させることができ、その微細化を図れる。そのため、Cr、Mo、CuおよびNiのうちの少なくとも1種を0.1%以上1%以下の範囲で含有させることが好ましい。
B:0.0003%以上0.01%以下
Bは、粒界に偏析することによりフェライト変態を抑制し、Cr、Mo、Cu、Niと同様な効果を有する。そのため、Bを0.0003%以上0.01%以下の範囲で含有させることが好ましい。
REMおよびCaのうちの少なくとも1種:0.003%以上0.01%以下
REMやCaは、硫化物系介在物の形態を制御する効果があり、穴広げ性を向上できる。そのため、REMおよびCaのうちの少なくとも1種を0.003%以上0.01%以下の範囲で含有させることが好ましい。
なお、不可避的不純物としては、例えば、Sb:0.01%以下、Sn:0.1%以下、Zn:0.01%以下、Co:0.1%以下を挙げることができる。
2) 熱間圧延:仕上温度860℃以上
本発明では、上記組成を有する鋼スラブを、連続鋳造法や造塊法で製造後、直接あるいは保熱や再加熱して粗圧延と仕上圧延からなる熱間圧延を施し、熱延板とする。このとき、圧延荷重の増大や材質劣化やエッジ割れを招く変態点以下の圧延を防止するため、仕上温度は860℃以上にする必要がある。なお、仕上温度が980℃を超えると組織が粗大化し、穴広げ性が劣化する傾向にあるので、仕上温度は980℃以下にすることが好ましい。
なお、鋼スラブの再加熱温度は、1100℃未満では圧延荷重が増大し、1300℃を超えるとエネルギーコストやスケールロスが増大するので、1100℃以上1300℃以下とすることが好ましい。粗圧延後のシートバーは、鋼スラブの再加熱温度を低下したり、仕上温度低下による圧延荷重の変動を防止するために、シートバーヒーターで加熱後、仕上圧延することが好ましい。熱間圧延時の圧延荷重を低減するために、仕上圧延の一部または全部のパスを潤滑剤を用いて圧延することができる。潤滑剤を用いると、鋼板の形状を良好にしたり、均質化を図れる。潤滑剤を用いた熱間圧延の摩擦係数は0.10〜0.25の範囲とするのが好ましい。相前後するシートバー同士を接合して連続的に仕上圧延する連続圧延プロセスを適用することも、熱間圧延の操業安定性の観点から望ましい。
熱間圧延後の巻取温度は、特に限定しないが、200℃以上750℃以下とすることが好ましい。これは、巻取温度が200℃未満では巻取り時に形状不良が生じやすく、750℃を超えると粗大なVの炭化物が析出するので、高温・短時間焼鈍におけるVの炭化物の溶解が困難になるだけでなく、コイルの焼き付きが生じるためである。
3) 冷間圧延:圧下率30%以上
熱間圧延後の熱延板は、酸洗などによりスケールを除去した後、30%以上の圧下率で冷間圧延され、冷延板となる。これは、圧下率が30%未満では、その後の焼鈍で粗粒が形成され、穴広げ性の劣化を招くためである。なお、圧延ロールの負荷を軽減するため、圧下率は90%以下とすることが好ましい。
4) 焼鈍:950℃以上で1s以上10s以下
冷間圧延後の冷延板は、連続焼鈍ラインを用いて、950℃以上の焼鈍温度で1s以上10s以下の保持時間の焼鈍が施される。これは、950℃以上で1s以上保持すれば、析出強化のために利用するVの炭化物を十分に溶解させることができ、その後の熱処理で極めて微細に再析出させ、析出強化能を確保できるためである。しかし、焼鈍炉の長命化の観点からは、保持時間を10s以下とする必要がある。また、同様な理由で、焼鈍温度は1100℃以下とすることが好ましい。
5) 焼鈍後の冷却:平均冷却速度15℃/s以上
焼鈍後の冷却は、冷却時にVの炭化物の析出を極力抑制し、次の熱処理時に極めて微細なVの炭化物を析出させるため、平均冷却速度15℃/s以上で行う。好ましくは25℃/s以上である。なお、該焼鈍後の冷却は炭化物粗大化防止のため、750℃以下まで行うことが好ましい。
6) 冷却後の熱処理:550℃以上700℃以下で300s以上1000s以下
冷却後は、極めて微細なVの炭化物を析出させるために、550℃以上700℃以下の熱処理温度で300s以上1000s以下の熱処理時間の熱処理を施す必要がある。これは、熱処理温度が700℃を超えたり、熱処理時間が1000sを超えるとVの炭化物が粗大になり、また、熱処理温度が550℃未満であったり、熱処理時間が300s未満だとVの炭化物の析出が不十分となり、780MPa以上のTSを得ることができなくなるためである。好ましくは550℃以上700℃以下の熱処理温度で300s以上600s以下である。
なお、この熱処理は、焼鈍後平均冷却速度15℃/s以上で550℃以上700℃以下の温度範囲まで冷却し、該温度で300s以上1000s以下保持しても、一旦室温まで冷却後550℃以上700℃以下の温度範囲に再加熱し、300s以上1000s以下保持してもよく、同様な効果が得られる。熱処理後の冷却については、特に限定されることはなく、設備の冷却能力等にあわせて適宜冷却すればよく、空冷などでも十分である。
また、熱処理後の鋼板には電気めっき処理や溶融めっき処理等のめっき処理を施すことができる。例えば、自動車用鋼板に広く用いられる溶融亜鉛めっき処理を行う場合には、連続溶融めっきラインを用い、上記の焼鈍、冷却、熱処理に引き続いて溶融亜鉛めっき浴に浸漬して、めっき層を形成すればよく、さらには合金化処理を施すこともできる。あるいは、上記の焼鈍、冷却までを連続焼鈍ラインで行い、一旦室温まで冷却した後、連続溶融亜鉛めっきラインにて550℃以上700℃以下の温度域で300s以上1000s以下保持の熱処理を施した後、溶融亜鉛めっきを施したり、あるいはさらに合金化処理を行うこともできる。めっき層は、純亜鉛および亜鉛系合金めっきに限らず、AlやAl系合金めっきなど、従来、鋼板表面に施されている各種めっき層とすることも可能である。
熱処理後の鋼板やめっき処理後の鋼板には、形状矯正、表面粗度等の調整の目的で調質圧延またはレベラー加工を施してもよい。このとき、調質圧延やレベラー加工における伸び率は合計で0.2%以上3%以下とすることが好ましい。これは、0.2%未満では形状矯正、粗度調整の所期の目的が達成できなかったり、3%を超えると延性の低下を招く場合があるためである。
本発明の製造方法により、微細なフェライト主体の組織中に極めて微細なVの炭化物を形成させることができ、TSが780MPa以上で、λが80%以上の穴広げ性に優れた高強度冷延鋼板や高強度めっき冷延鋼板といった高加工性鋼板を製造することができる。ここで、フェライト主体の組織とは、ポリゴナルフェライトやアシキュラーフェライトからなるフェライトの面積率が80%以上、好ましくは90%以上の組織を意味する。また、フェライト以外には、セメンタイトやパーライトやベイナイト等が含まれても本発明の目的を達成できる。
表1に示す組成の鋼A〜Gを溶製し、スラブとなした後、1250℃に加熱し、表2に示す仕上温度で熱間圧延し、表2に示す巻取温度で巻取って熱延板とした。次いで、熱延板を酸洗後、圧下率65%で冷間圧延し、板厚1.4mmの冷延板とし、連続焼鈍ラインを用い、表2に示す焼鈍温度・時間で焼鈍し、表2に示す平均冷却速度で冷却後、表2に示す熱処理温度・時間で熱処理を施し、鋼板No.1〜27を作製した。なお、表2に示す平均冷却速度は、焼鈍温度から750℃までの平均冷却速度である。そして、伸び率0.5%の調質圧延後、以下の方法で引張特性、穴広げ性および組織を調査した。
引張特性:圧延方向に対して90°方向にJIS 5号試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して、クロスヘッド速度10mm/minで引張試験を行い、TS、全伸びElを測定した。
穴広げ性:100mm角の試験片を採取して、日本鉄連規格JFST1001に準拠して穴広げ試験を行い、穴広げ率λを測定した。
組織:圧延方向に平行な板厚断面について、光学顕微鏡を用いて組織観察し、画像解析装置で組織の種類を特定するとともに、フェライトの面積率を求めた。
結果を表2に示す。
本発明例は、いずれもTSが780MPa以上、Elが15%以上、λが80%以上であり、加工性に優れた高強度鋼板であることがわかる。これに対して、比較例の鋼板では、目的とするTSあるいはλが得られていない。
なお、本発明例は、高温であるが、2sの短時間焼鈍であるため、焼鈍炉が短命化することはない。
Figure 2013253318
Figure 2013253318

Claims (1)

  1. 質量%で、C:0.08%以上0.15%以下、Si:0.01%以上1.5%以下、Mn:1.0%以上2.5%以下、P:0.080%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.010%以上0.5%以下、N:0.005%以下、V:0.15%以上0.45%以下と、Nb:0.003%以上0.05%以下およびTi:0.003%以上0.05%以下のうちの少なくとも1種とを含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼スラブを、仕上温度860℃以上で熱間圧延後、圧下率30%以上で冷間圧延し、冷延板とした後、該冷延板に、950℃以上で1s以上10s以下保持の焼鈍を施し、平均冷却速度15℃/s以上で冷却を行った後、550℃以上700℃以下で300s以上1000s以下保持の熱処理を施すことを特徴とする高加工性鋼板の製造方法。
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