JP2013253318A - 高加工性鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で、C:0.08%以上0.15%以下、Si:0.01%以上1.5%以下、Mn:1.0%以上2.5%以下、P:0.080%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.010%以上0.5%以下、N:0.005%以下、V:0.15%以上0.45%以下と、Nb:0.003%以上0.05%以下およびTi:0.003%以上0.05%以下のうちの少なくとも1種とを含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼スラブを、仕上温度860℃以上で熱間圧延後、圧下率30%以上で冷間圧延し、冷延板とした後、該冷延板に、950℃以上で1s以上10s以下保持の焼鈍を施し、平均冷却速度15℃/s以上で冷却を行った後、550℃以上700℃以下で300s以上1000s以下保持の熱処理を施すことを特徴とする高加工性鋼板の製造方法。
【選択図】なし
Description
以下、成分元素の含有量の単位である%は、質量%を意味するものとする。
Cは、上述したように、高温・短時間焼鈍とそれに続く熱処理により極めて微細なVの炭化物を形成し、その析出強化により高強度化に寄与する。780MPa以上のTSを得るためには、0.08%以上のC量が必要である。しかし、その量が0.15%を超えるとVの炭化物の溶解が困難になり、析出強化に効果的な極めて微細なVの炭化物を形成できなくなる。したがって、C量は0.08%以上0.15%以下とする。より好ましくは0.08%以上0.12%以下である。
Siは、固溶強化元素であり、母相であるフェライト組織の延性を向上させる効果がある。このような効果を得るには、Si量を0.01%以上とする必要がある。しかし、その量が1.5%を超えると赤スケールの生成により鋼板の表面外観が悪化するだけでなく、溶融亜鉛めっきを施す際にめっきの濡れ性が低下し、めっき不良を招く。したがって、Si量は0.01%以上1.5%以下とする。より好ましくは0.7%以上1.2%以下である。
Mnは、固溶強化元素であり、高強度化に寄与するだけでなく、変態点を下げる効果があり、より低温でフェライト変態を起こさせるので、Vの炭化物を低温で析出させることができ、その微細化を図れる。このような効果を得るには、Mn量を1.0%以上とする必要がある。しかし、その量が2.5%を超えるとマルテンサイトのような硬質相が形成されやすくなり、穴広げ性の劣化を招く。したがって、Mn量は1.0%以上2.5%以下とする。
P量が0.080%を超えると溶接継ぎ手強度を低下させるだけでなく、溶融亜鉛めっきを施す際にめっきの合金化を阻害する。したがって、P量は0.080%以下とする。より好ましくは0.030%以下である。
S量が0.03%を超えると熱間延性の低下や鋼板の表面外観の悪化を招く。したがって、S量は0.03%以下とする。より好ましくは0.01%以下である。
sol.Alは、鋼の脱酸元素として有用である他、固溶Nを固定して耐常温時効性を向上させる作用がある。そのため、sol.Al量は0.010%以上とする。しかし、その量が0.5%を超えるとコスト増を招くだけでなく、鋳造時起因の表面欠陥の原因となる。したがって、sol.Al量は0.010%以上0.5%以下とする。より好ましくは0.010%以上0.3%以下である。
Nは、Vの窒化物を形成するため、極めて微細なVの炭化物の析出量を減少させ、高強度化を阻害する。したがって、N量は0.005%以下とするが、極力少なくすることが好ましい。
Vは、本発明において最も重要な元素であり、上述したように、高温・短時間焼鈍とそれに続く熱処理により極めて微細なVの炭化物を形成し、その析出強化により高強度化に寄与する。780MPa以上のTSを得るためには、0.15%以上のV量が必要である。しかし、その量が0.45%を超えるとコスト増を招くだけでなく、Vの炭化物の溶解が困難になり、析出強化に効果的な極めて微細なVの炭化物を形成できなくなる。したがって、V量は0.15%以上0.45%以下とする。より好ましくは0.20%以上0.40%以下である。
NbやTiは、炭化物として析出し、高温・短時間焼鈍とそれに続く熱処理において、オーステナイト粒成長を抑制し、冷却後微細なフェライト主体の組織を形成し、穴広げ性を向上させる。80%以上のλを得るためには、Nb、Tiのうちの少なくとも1種の量を0.003%以上にする必要がある。しかし、Nb、Tiのうちの少なくとも1種の量が0.05%を超えるとコスト増を招くだけでなく、全伸びが低下する。したがって、Nb量は0.003%以上0.05%以下、Ti量は0.003%以上0.05%以下とする。より好ましくはそれぞれ0.01%以上0.05%以下である。
Cr、Mo、CuおよびNiは、変態点を低下させ、より低温でフェライト変態を起こさせるので、Vの炭化物を低温で析出させることができ、その微細化を図れる。そのため、Cr、Mo、CuおよびNiのうちの少なくとも1種を0.1%以上1%以下の範囲で含有させることが好ましい。
Bは、粒界に偏析することによりフェライト変態を抑制し、Cr、Mo、Cu、Niと同様な効果を有する。そのため、Bを0.0003%以上0.01%以下の範囲で含有させることが好ましい。
REMやCaは、硫化物系介在物の形態を制御する効果があり、穴広げ性を向上できる。そのため、REMおよびCaのうちの少なくとも1種を0.003%以上0.01%以下の範囲で含有させることが好ましい。
本発明では、上記組成を有する鋼スラブを、連続鋳造法や造塊法で製造後、直接あるいは保熱や再加熱して粗圧延と仕上圧延からなる熱間圧延を施し、熱延板とする。このとき、圧延荷重の増大や材質劣化やエッジ割れを招く変態点以下の圧延を防止するため、仕上温度は860℃以上にする必要がある。なお、仕上温度が980℃を超えると組織が粗大化し、穴広げ性が劣化する傾向にあるので、仕上温度は980℃以下にすることが好ましい。
熱間圧延後の熱延板は、酸洗などによりスケールを除去した後、30%以上の圧下率で冷間圧延され、冷延板となる。これは、圧下率が30%未満では、その後の焼鈍で粗粒が形成され、穴広げ性の劣化を招くためである。なお、圧延ロールの負荷を軽減するため、圧下率は90%以下とすることが好ましい。
冷間圧延後の冷延板は、連続焼鈍ラインを用いて、950℃以上の焼鈍温度で1s以上10s以下の保持時間の焼鈍が施される。これは、950℃以上で1s以上保持すれば、析出強化のために利用するVの炭化物を十分に溶解させることができ、その後の熱処理で極めて微細に再析出させ、析出強化能を確保できるためである。しかし、焼鈍炉の長命化の観点からは、保持時間を10s以下とする必要がある。また、同様な理由で、焼鈍温度は1100℃以下とすることが好ましい。
焼鈍後の冷却は、冷却時にVの炭化物の析出を極力抑制し、次の熱処理時に極めて微細なVの炭化物を析出させるため、平均冷却速度15℃/s以上で行う。好ましくは25℃/s以上である。なお、該焼鈍後の冷却は炭化物粗大化防止のため、750℃以下まで行うことが好ましい。
冷却後は、極めて微細なVの炭化物を析出させるために、550℃以上700℃以下の熱処理温度で300s以上1000s以下の熱処理時間の熱処理を施す必要がある。これは、熱処理温度が700℃を超えたり、熱処理時間が1000sを超えるとVの炭化物が粗大になり、また、熱処理温度が550℃未満であったり、熱処理時間が300s未満だとVの炭化物の析出が不十分となり、780MPa以上のTSを得ることができなくなるためである。好ましくは550℃以上700℃以下の熱処理温度で300s以上600s以下である。
引張特性:圧延方向に対して90°方向にJIS 5号試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して、クロスヘッド速度10mm/minで引張試験を行い、TS、全伸びElを測定した。
穴広げ性:100mm角の試験片を採取して、日本鉄連規格JFST1001に準拠して穴広げ試験を行い、穴広げ率λを測定した。
組織:圧延方向に平行な板厚断面について、光学顕微鏡を用いて組織観察し、画像解析装置で組織の種類を特定するとともに、フェライトの面積率を求めた。
Claims (1)
- 質量%で、C:0.08%以上0.15%以下、Si:0.01%以上1.5%以下、Mn:1.0%以上2.5%以下、P:0.080%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.010%以上0.5%以下、N:0.005%以下、V:0.15%以上0.45%以下と、Nb:0.003%以上0.05%以下およびTi:0.003%以上0.05%以下のうちの少なくとも1種とを含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼スラブを、仕上温度860℃以上で熱間圧延後、圧下率30%以上で冷間圧延し、冷延板とした後、該冷延板に、950℃以上で1s以上10s以下保持の焼鈍を施し、平均冷却速度15℃/s以上で冷却を行った後、550℃以上700℃以下で300s以上1000s以下保持の熱処理を施すことを特徴とする高加工性鋼板の製造方法。
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