JP5846445B2 - 冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷延鋼板およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、高い引張強度と適正な降伏強度を有しながらも、高い成形性が必要な複合成形を実施する場合において良好な成形性を実現することを可能にする、成形性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法に関する。
排気ガスによる地球温暖化の防止、有限資源の節約の観点から、近年、自動車の軽量化が非常に重要視されている。また、1990年頃から衝突安全基準が厳格化してきており、衝突安全性向上と車重軽量化の双方の面から、高強度鋼板の使用比率は急激に増加している。これに伴い、これまで衝突対応部材に多く用いられてきた引張強度980MPa以上の高強度鋼板についても、シート部品やピラー類等といった高い成形性が要求される車体部品へ適用が拡大されつつある。特にシート部品では、非常に厳しい曲げ成形性やバーリング加工性、伸びフランジ成形性が求められるだけでなく、高い降伏強度による部品剛性も求められる。しかし、降伏強度が高すぎると部品成形時のスプリングバック量が増大し、部品寸法精度不良の原因となるため、降伏強度は適正な範囲に制御する必要がある。
従来から高い引張強度と優れた成形性を両立するため、次に述べるように、さまざまな試みが実施されている。
(1)成形性に優れた高強度鋼板として、フェライトを主相とし、マルテンサイトやベイナイト等の低温変態相を第二相とする複合組織鋼板が提案されている。例えば、特許文献1には、フェライトを主相とする複合組織を有し、引張強度が80kgf/mm以上で降伏比が60%以下である溶融亜鉛めっき鋼板が開示されている。しかし、このような硬質な低温変態相を利用した高強度鋼板は、フェライト中に可動転位が多く導入されているために降伏比が低く、シート部品などに求められる剛性が確保できない。さらに、硬質相と軟質相との硬度差が大きいために両相の界面で亀裂が生じやすく曲げ成形やバーリング加工時に割れが発生しやすい。
(2)部品剛性を確保し、上述したような亀裂発生を抑制するには、硬度差が小さい均一な組織とする必要がある。特許文献2にはベイナイト組織を主体とすることで980N/mm以上の引張強さと優れた曲げ性を両立する鋼板が開示されている。しかし、この鋼板は、降伏強度が900MPa以上と非常に高く、成形時のスプリングバック量が大きくなる傾向にあるため、部品寸法精度の観点からは改善の余地がある。
(3)特許文献3には、引張強度が780N/mm2以上で、かつ伸びと穴広げ性に優れた鋼板が開示されている。しかし、引張強度980N/mm2以上の鋼板については、連続焼鈍時の冷却終点後に再加熱する例しか開示されておらず、斯かる製造方法は負荷が大きい。
(4)特許文献4には、粒径が10nm未満の微細析出物が分散したフェライト単相組織を有し、引張強度が550MPa以上の鋼板が開示されており、該鋼板は熱延鋼板であっても冷延鋼板であってもよいとされている。しかし、具体的に開示されているのは熱延鋼板のみであり、冷延鋼板については具体的な開示はなされていない。そして冷延鋼板の製造プロセスは、熱延鋼板の製造プロセスと異なるため、熱延鋼板の技術思想を単純に冷延鋼板に適用できるものではない。すなわち、冷延鋼板は冷間圧延後に焼鈍を施すことにより最終製品を得るため、特許文献4に開示されているような多量の炭窒化物形成元素を添加する方法では、再結晶温度の上昇により、高温焼鈍が必要となるため、析出物の粗大化や冷延焼鈍板組織の粗粒化が起こり、したがって成形性が劣化してしまうのである。
(5)特許文献5には、残留オーステナイトの加工誘起変態を利用した、一様変形能の高い鋼板とその製造方法が開示されている。しかし、加工誘起変態後は硬質なマルテンサイトを含む組織になり、組織間硬度差が大きく、通常は曲げ性が劣化するという問題がある。
(6)特許文献6には、鋼板表層付近のMn濃度偏析比を小さくすることにより、優れた曲げ性を有する鋼板とその製造方法が開示されている。しかし、所定の化学組成を備える鋼材を1200〜1350℃で5〜30時間保持する製造方法は、製造コストが大きくなるため製造負荷が大きい。
このように、従来用いられてきた手法のうち、適正な降伏強度と優れた全伸び、曲げ性を両立するものは製造負荷が大きく、シート部品のように、高い部品剛性と部品寸法精度とを確保することを可能にする適正な降伏強度と、優れた成形性とが同時に求められるような部品の素材として好適な高強度鋼板を、焼鈍後の焼戻し工程を経由せずに低コストで得ることは困難であった。
特開平4−236741号公報 特開平6−65685号公報 特開平7−188767号公報 特開2002−322539号公報 特開昭61−157625号公報 特開2009−221519号公報
上述した従来技術に鑑み、本発明は、適正な降伏強度を有し、延性および曲げ性に優れた、低コストの高強度冷延鋼板およびその製造方法を提供することを課題とする。具体的には、引張強度が980MPa以上、降伏強度が690MPa以上850MPa以下、全伸びが12%以上かつ、曲げ性がR/t≦1.0(Rは曲げ角度を90°としたVブロック法による曲げ試験において割れの発生しない最小の内側半径、tは板厚である)を満たすという、成形性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、以下のように鋭意検討を重ねた。
適正な降伏強度と、所定の全伸びを確保するには、適度な降伏強度の向上を可能にするベイナイトを主体とし、延性を向上させるフェライトを含む組織とする必要がある。
しかし、従来の一般的な製造方法では、単に上記構成を有する組織としても、フェライトとベイナイトやその他の硬質相間との組織間硬度差が大きいために、優れた曲げ性を確保することは困難であった。
すなわち、従来の一般的な製造方法は、高い強度を確保するためにMnを含有させた化学組成を採用し、常法にて連続鋳造により製造したスラブを熱間圧延し、酸洗および冷間圧延を施した後、フェライトとオーステナイトとが共存する2相域で焼鈍することにより、フェライトからCを排出させてオーステナイトへCを濃縮させ、次いで急冷することにより、オーステナイトの一部を低温変態相に変態させるものである。
このような製造方法では、スラブ表層に形成されたMn偏析に起因する硬度むらが焼鈍後まで残存するため、曲げ成形時において、Mnの少ない軟質な部分に応力が集中し、割れが発生しやすくなる。また、2相域焼鈍によりフェライトからオーステナイトへCが濃縮されるため、フェライトとベイナイトやその他の硬質相間との組織間硬度差が大きくなる。これらのことに起因して、優れた曲げ性を確保することが困難となるのである。
そこで、ベイナイトを主体とし、フェライトを含む組織を確保するとともに、上記Mn偏析の影響を緩和し、曲げ成形時の応力集中を緩和することにより、優れた曲げ性をも具備させることを着想した。
そして、上記Mn偏析の影響を緩和するための具体的手法について検討し、まずはスラブを製造する際の表層部の凝固速度を高めることによって、デンドライト樹間を狭めて、Mn偏析自体を抑制することを着想した。
さらに、熱間圧延に供する際にスラブを高温域に保持することにより、スラブ表層部のMnの拡散を促してMnの偏析を緩和するとともに、スラブ表層部のMnをスラブ表面に形成される酸化スケールに濃化させて低減させ、熱間圧延工程を適正化して当該酸化スケールを着実に除去することで、鋼板表層部のMn濃度を低減させ、これにより、Mn偏析の影響を緩和することを着想した。
さらにまた、焼鈍工程における最高到達温度を、従来の一般的な製造方法よりも高温であるオーステナイト単相域とすることで、熱間圧延工程以前における組織の影響を排除するとともに、2相域焼鈍において生じるフェライトからオーステナイトへのCの濃縮を防ぐことができ、これによりフェライトとベイナイトやその他の硬質相間との組織間硬度差を小さくすることを着想した。
さらに、主たる組織であるベイナイトおよびフェライトの微細化することにより、曲げ成形時の応力集中を抑制して、曲げ成形性を向上させることを着想し、これを実現するための具体的手段として、熱延圧延条件および焼鈍条件を適正化することを着想した。
これらの着想に基づいて、さらなる検討を進めた結果、適正な降伏応力と優れた全伸び・曲げ性を両立することができることを新たに知見した。
本発明は、上記新知見に基づくものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.09%以上0.16%以下、Si:0.05%以上0.60%以下、Mn:1.95%以上3.00%以下、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.02%以上0.45%以下、Ti:0.01%以上0.2%以下、N:0.01%以下を含有するとともに下記式(1)を満たし、さらにCr:0.02%以上1.0%以下、Mo:0.01%以上2.0%以下およびB:0.0003%以上0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成と、面積%で、下部ベイナイト:60%以上、フェライト:6%以上40%以下、残留オーステナイト:3%以下であるとともに、前記下部ベイナイトおよびフェライトの平均粒径が5μm以下、前記下部ベイナイトおよびフェライトの粒径の最大値が9μm以下である鋼組織とを有し、鋼板表面から5μm深さまでの表層部における平均Mn濃度であるMnsur(単位:質量%)が下記式(2)および(3)を満足し、引張強度が980MPa以上、降伏強度が690MPa以上850MPa以下、全伸びが12%以上、曲げ性が下記式(4)を満足する機械特性を有することを特徴とする冷延鋼板:
0.15≦[Si]+[Al]≦0.64 (1)
Mnsur≦2.60 (2)
Mnsur/[Mn]≦0.90 (3)
R/t≦1.0 (4)
ここで、[M]は元素Mの含有量(単位:質量%)であり、Mnsurは上記の通りであり、Rは曲げ角度を90°としたVブロック法による曲げ試験において割れの発生しない最小の内側半径(単位:mm)、tは板厚(単位:mm)である。
(2)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下からなる群から選択された1種または2種を含有する上記(1)に記載の冷延鋼板。
(3)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Nb:0.10%以下およびV:0.10%以下からなる群から選択された1種または2種を含有する上記(1)または(2)に記載の冷延鋼板。
(4)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.10%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の冷延鋼板。
(5)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、Bi:0.05%以下を含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の冷延鋼板。
(6)下記工程(A)〜(D)を有することを特徴とする、面積%で、下部ベイナイト:60%以上、フェライト:6%以上40%以下、残留オーステナイト:3%以下であるとともに、前記下部ベイナイトおよびフェライトの平均粒径が5μm以下、前記下部ベイナイトおよびフェライトの粒径の最大値が9μm以下である鋼組織とを有し、鋼板表面から5μm深さまでの表層部における平均Mn濃度であるMn sur (単位:質量%)が下記式(2)および(3)を満足し、引張強度が980MPa以上、降伏強度が690MPa以上850MPa以下、全伸びが12%以上、曲げ性が下記式(4)を満足する機械特性を有する冷延鋼板の製造方法:
(A)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の化学組成を有する溶鋼を、鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度が10℃/秒以上となる条件で鋳造する鋳造工程;
(B)前記鋳造工程により得られた鋳片を1180℃以上1280℃以下の温度域に2時間以上5時間以下保持した後に粗熱間圧延を施して厚さ36mm以上の粗バーとなし、前記粗バーを1100℃以上として脱スケール処理を施し、さらに、860℃以上950℃以下の温度域で圧延を完了する仕上熱間圧延を施し、次いで、420℃以上570℃以下の温度域で巻き取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(C)前記熱間圧延工程により得られた熱延鋼板に酸洗および冷間圧延を施して冷延鋼板とする酸洗・冷間圧延工程;および
(D)前記酸洗・冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に、1.0℃/秒以上の平均加熱速度でAc点以上880℃以下の温度域まで加熱して前記温度域に10秒間以上200秒間以下保持し、次いで、1℃/秒以上15℃/秒以下の平均冷却速度で600℃以上740℃以下の温度域まで冷却し、さらに、20℃/秒以上200℃/秒以下の平均冷却速度で330℃以上500℃以下の温度域まで冷却して前記温度域に20秒間以上500秒以下保持する熱処理を施す焼鈍工程:
0.15≦[Si]+[Al]≦0.64 (1)
Mn sur ≦2.60 (2)
Mn sur /[Mn]≦0.90 (3)
R/t≦1.0 (4)
ここで、[M]は元素Mの含有量(単位:質量%)であり、Mn sur は上記の通りであり、Rは曲げ角度を90°としたVブロック法による曲げ試験において割れの発生しない最小の内側半径(単位:mm)、tは板厚(単位:mm)である

ここで、曲げ成形時における「割れ」とは、曲げ成形後に曲げ部表面に、深さ10μm以上、幅15μm以上の亀裂が発生している状態をいう。
以下、本発明についてより詳細に説明する。以下の説明において、鋼の化学組成に関する%はすべて質量%である。
1.化学組成
(C:0.09%以上0.16%以下)
Cは、フェライト変態を抑制してベイナイト変態を促進する作用を有し、後述する鋼組織を得るのに寄与する元素である。また、鋼板の強度を高める作用を有する元素である。C含有量が0.09%未満では、所定の特性を確保することが困難となる。したがって、C含有量は0.09%以上とする。一方、C含有量が0.16%超では、抵抗溶接のナゲット部の硬度上昇により溶接部強度の低下が著しくなる。したがって、C含有量は0.16%以下とする。好ましくは0.15%以下である。
(Si:0.05%以上0.60%以下)
Siは、強度向上に寄与する元素であるとともに、フェライト生成を促進する作用を有し、後述する鋼組織を得るのに寄与する元素である。Si含有量が0.05%未満では、980MPa以上の引張強度を安定して確保することが困難となるだけでなく、フェライト生成量が不足する場合がある。したがって、Si含有量は0.05%以上とする。好ましくは0.2%以上である。一方、Si含有量が0.60%超では、フェライト面積率が過大となり、所望の降伏強度が得られない場合がある。したがって、Si含有量は0.60%以下とする。
(Mn:1.95%以上3.00%以下)
Mnは、フェライト変態を抑制することにより、ベイナイト変態を促進する作用を有し、後述する鋼組織を得るのに寄与する元素である。Mn含有量が1.95%未満では、所定の特性を確保することが困難となる。したがって、Mn含有量は1.95%以上とする。一方、Mn含有量が3.00%超では、抵抗溶接のナゲット部の硬度上昇により溶接部強度の低下が著しくなる。したがって、Mn含有量は3.00%以下とする。
(P:0.02%以下)
Pは、不純物として含有される元素であり、抵抗溶接のナゲット内で偏析を生じてナゲット部の靭性を低下させる作用を有する。P含有量が0.02%超では、抵抗溶接のナゲット部の靭性低下が著しくなる。したがって、P含有量は0.02%以下とする。
(S:0.01%以下)
Sは、不純物として含有される元素であり、抵抗溶接のナゲット部の靭性を低下させる作用を有する。また、鋼中にMnSを形成して鋼板の加工性を低下させる。S含有量が0.01%超では、抵抗溶接のナゲット部の靭性低下が著しくなったり、鋼板の加工性低下が著しくなったりする。したがって、S含有量は0.01%以下とする。
(Al:0.02%以上0.45%以下)
Alは、鋼の精錬過程において鋼を脱酸して鋼材を健全化する作用を有する元素である。また、Siと同様、フェライト変態を促進する元素である。Al含有量が0.02%未満では、上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、Al含有量は0.02%以上とする。Al含有量が0.45%超では、酸化物系介在物増加に起因する表面性状の劣化や加工性の劣化が顕著となる。したがって、Al含有量は0.45%以下とする。好ましくは0.40%以下である。本発明における鋼中のAl含有量は、酸可溶性Al(sol.Al)のことである。
(Ti:0.01%以上0.2%以下)
Tiは鋼中に微細な析出物を形成して鋼板の結晶粒を微細化することにより、鋼板の加工性を高める作用を有する。Ti含有量が0.01%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、Ti含有量は0.01%以上とする。好ましくは0.02%以上である。一方、Ti含有量が0.20%超では、上記作用による効果が飽和して、コスト的に不利となる。したがって、Ti含有量は0.2%以下とする。好ましくは0.08%以下である。
(N:0.01%以下)
Nは、不純物として含有される元素であり、鋼中に粗大な窒化物を形成して鋼板の加工性を低下させる作用を有する。N含有量が0.01超では、鋼板の加工性低下が著しくなる。したがって、N含有量は0.01%以下とする。
(Cr:0.02%以上1.0%以下、Mo:0.01%以上2.0%以下およびB:0.0003%以上0.01%以下から選択された1種または2種以上)
これらの元素は、鋼板の焼入れ性を高め、フェライト変態を抑制することにより、ベイナイト変態を促進する作用を有し、後述する鋼組織を得るのに寄与する元素である。Cr含有量が0.02%未満、Mo含有量が0.01%未満、かつ、B含有量が0.0003%未満では、上記作用による効果を得ることが困難である。したがって、Cr:0.02%以上、Mo:0.01%以下およびB:0.0003%以上からなる群から選択される1種または2種以上を含有させる。Crを含有させる場合には、Cr含有量を0.1%以上とすることが好ましく、Moを含有させる場合には、Mo含有量を0.05%以上とすることが好ましく、Bを含有させる場合には、B含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。しかし、Cr含有量が1.0%超では、化成処理性の劣化が著しくなる。したがって、Cr含有量は1.0%以下とする。好ましくは0.9%以下である。また、Mo含有量を2.0%超としたり、B含有量を0.01%超としたりしても、上記作用による効果は飽和してしまい、いたずらに製造コストの上昇を招く。したがって、Mo含有量は2.0%以下、B含有量は0.01%以下とする。Mo含有量は1.6%以下、B含有量は0.008%以下とすることが好ましい。
(0.15≦[Si]+[Al]≦0.64)
上述のとおり、SiおよびAlはフェライト生成を促進する元素であり、フェライト面積率を高めて全伸びを高める作用を有する。SiおよびAlの合計含有量である[Si]+[Al]の値が0.15%未満では、所定のフェライト面積率を確保して、優れた全伸びを確保することが困難である。したがって、SiおよびAlの合計含有量は0.15%以上とする。好ましくは0.30%以上である。一方、[Si]+[Al]の値が0.64%超では、フェライト面積率が過剰となり、目的とする降伏強度を確保することが困難となる場合がある。したがって、SiおよびAlの合計含有量は0.64%以下とする。
(Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下から選択された1種または2種)
これらの元素は、任意元素であり、鋼板の焼入れ性を高めることにより、鋼板の強度を高める作用を有する。したがって、980MPa以上の引張強度を確保することを容易にするために、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、Cu含有量を1.0%超としたり、Ni含有量を1.0%超としたりしても、上記作用による効果は飽和してしまい、いたずらに製造コストの上昇を招く。したがって、Cu含有量は1.0%以下、Ni含有量は1.0%以下とする。Cu含有量は0.8%以下、Ni含有量は0.8%以下とすることがさらに好ましい。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Cuについては0.05%以上、Niについては0.05%以上の量で含有させることが好ましい。
(Nb:0.10%以下およびV:0.10%以下から選択された1種または2種)
これらの元素は、任意元素であり、Tiと同様に鋼中に微細な析出物を形成して鋼板の結晶粒を微細化することにより、鋼板の加工性を高める作用を有する。したがって、より良好な加工性を確保するために、これらの元素の1種または2種含有させてもよい。しかし、Nb含有量を0.10%超としたり、V含有量を0.10%超としたりしても、上記作用による効果は飽和してしまい、いたずらにコストの上昇を招く。したがって、Nb含有量は0.10%以下、V含有量は0.10%以下とする。Nb含有量は0.05%以下、V含有量は0.08%以下とすることが好ましい。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Nbについては0.02%以上、Vについては0.02%以上の量で含有させることが好ましい。
(REM:0.10%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下から選択された1種または2種以上)
これらの元素は、任意元素であり、硫化物、酸化物等の介在物を球状化して介在物による成形性の劣化を無害化することができる元素である。また、TiNなどの窒化物の生成核となる酸化物になるため、TiNを微細分散化でき、成形性の劣化に関して無害化することができる。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、REM含有量を0.10%超としたり、Mg含有量を0.01%超としたり、Ca含有量を0.01%超したりとしても、上記作用による効果は飽和してしまい、いたずらに製造コストの上昇を招く。したがって、REM含有量は0.10%以下、Mg含有量は0.01%以下、Ca含有量は0.01%以下とする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、REMについては0.0001%以上、Mgについては0.0001%以上、Caについては0.0001%以上の量で含有させることが好ましい。
ここで、REMとは、Sc、Y及びランタノイドの合計17元素を指し、ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。なお、本発明では、REMの含有量はこれらの元素の合計含有量を指す。
(Bi:0.05%以下)
Biは、凝固の接種核となり、凝固時のデンドライトアーム間隔を小さくし、凝固組織を細かくする作用がある。その結果、MnやSi等の偏析し易い元素の偏析を抑制し、鋼板の局所的な強度差を改善し、曲げ加工性を向上させる作用を有する。したがって、Biを含有させてもよい。しかし、Biは鋼中に酸化物を形成するため、Bi含有量が0.05%超では、鋼中の酸化物が多くなり、当該酸化物が割れの起点となり、曲げ加工性を劣化させる。したがって、Bi含有量は0.05%以下とする。好ましくは0.03%以下である。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Bi含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。
2.鋼組織
本発明において、鋼組織とは、鋼中の平均的な鋼組織を示す鋼板表面から板厚の1/4の位置における鋼組織を意味する。
(ベイナイト面積率:60%以上、フェライト面積率:6%以上40%未満、残留オーステナイト体積率:3%以下)
降伏強度を適正な範囲とするために、ベイナイト面積率を60%以上、フェライト面積率を6%以上40%以下とする。ここで、フェライト面積率を6%以上とすることは、優れた全伸びを確保するためにも重要である。
また、優れた曲げ性を確保するために、残留オーステナイト面積率を3%以下とする。残留オーステナイトは、加工時に塑性誘起変態を起こして硬質なマルテンサイトとなり、曲げ性の低下をもたらすからである。したがって、残留オーステナイト面積率は小さいほど好ましく、0%であってもよい。
(ベイナイトおよびフェライトの平均粒径:5μm以下、ベイナイトおよびフェライトの粒径の最大値:9μm以下)
ベイナイトおよびフェライトの粒径は、曲げ性を確保するために非常に重要である。
ベイナイトおよびフェライトの粒径を小さくすることにより、曲げ加工時の歪が分散され、優れた曲げ性を得ることができる。したがって、ベイナイトおよびフェライトの平均粒径を5μm以下とし、さらに、ベイナイトおよびフェライトの粒径の最大値を9μm以下とする。
3.鋼板表面から5μm深さまでの表層部における平均Mn濃度(Mnsur
(Mnsur≦2.60、かつMnsur/[Mn]≦0.90)
鋼板表層部のMn濃度が高いと、スラブ製造時のMn偏析に起因して、曲げ成形時に応力集中が生じやすくなり、割れが発生しやすい。鋼板表面から5μm深さまでの表層部における平均Mn濃度であるMnsur(単位:質量%)が2.60%超では、後述する製造方法により鋼板表層部のMn濃度の低減を図ることで、Mnsurが下記式(3)を満足しても、鋼板表層部のMn偏析に起因する曲げ性の低下を抑制することが困難となり、優れた曲げ性を確保することが困難である。したがって、Mnsurは下記式(2)を満足するものとする。
一方、Mnsurが下記式(2)を満足しても、Mnsur/[Mn]>0.90では、鋼板表層部のMn偏析に起因する曲げ性の低下を抑制することが困難となり、優れた曲げ性を確保することが困難である。したがって、Mnsurは下記式(3)をも満足するものとする。
Mnsur≦2.60 (2)
Mnsur/[Mn]≦0.90 (3)
ここで、[Mn]は鋼中のMn含有量(単位:質量%)、Mnsurは、上記の通り、鋼板表面から5μm深さ位置までの表層部における平均Mn濃度(質量%)である。
4.機械特性
(引張強度:980MPa以上)
引張強度が980MPa未満の冷延鋼板については、本発明が目的とする降伏強度を適正範囲とした際の成形性低下という課題が生じることは少ない。したがって、本発明の対象を明確にするため、引張強度を980MPa以上とする。
(降伏強度:690MPa以上850MPa以下)
降伏強度が690MPa未満では、特にシートレール用途においては部品の剛性が不足し、衝突時の安全性を確保できない。したがって、降伏強度は690MPa以上とする。一方、降伏強度が850MPa超では、スプリングバック量が大きくなり、部品の寸法精度が確保できない。したがって、降伏強度は850MPa以下とする。
(全伸び:12%以上)
全伸びが12%未満では、伸びフランジ成形時や絞り成形時に、割れが発生する可能性がある。したがって、全伸びは12%以上とする。
(曲げ性:R/t≦1.0)
R/t>1.0では、厳しい曲げ成形を施した際に割れが発生する場合がある。したがって、下記式(4)を満足する曲げ性を有するものとする。好ましくは下記式(4−1)を満足する曲げ性を有することである。
R/t≦1.0 (4)
R/t≦0.5 (4−1)
ここで、Rは曲げ角度を90°としたVブロック法による曲げ試験において割れの発生しない最小の内側半径、tは板厚であり、単位はいずれもmmである。また、前述した通り、「割れ」とは、前記曲げ試験における曲げ成形後に、曲げ部の表面に深さ10μm以上、幅15μm以上の亀裂が発生している状態をいう。
5.めっき層
本発明に係る冷延鋼板は、鋼板の表面に耐食性の向上等を目的としてめっき層を備えさせた表面処理鋼板としてもよい。めっき層は電気めっき層であってもよく溶融めっき層であってもよい。電気めっきとしては、電気亜鉛めっき、電気Zn−Ni合金めっき等が例示される。溶融めっきとしては、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、溶融アルミニウムめっき、溶融Zn−Al合金めっき、溶融Zn−Al−Mg合金めっき、溶融Zn−Al−Mg−Si合金めっき等が例示される。めっき付着量は特に制限されず、従来と同様でよい。また、めっき後に適当な化成処理(例えば、シリケート系のクロムフリー化成処理液の塗布と乾燥)を施して、耐食性をさらに高めることも可能である。
6.製造方法
本発明に係る冷延鋼板は、上記化学組成、鋼組織、鋼板表層部の元素濃度および機械特性を満足するものであればよく、その製造方法は特に限定する必要はないが、以下に説明する方法により製造することが好適である。
この製造方法は、一般的な冷延鋼板の製造方法と同様に、鋳造工程、熱間圧延工程、酸洗・冷間圧延工程、および焼鈍工程からなる。
(鋳造工程)
鋳造工程においては、鋳造過程で生じる表層部のMn偏析を抑制するように、上記化学組成を有する溶鋼を、鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度を10℃/秒以上となる条件で鋳造する。
液相線温度から固相線温度までの温度域とは、凝固開始から凝固終了までの温度域のことである。従って、この温度域での平均冷却速度とは、鋳片の平均凝固速度を意味する。鋳片表面から10mmの深さの位置における凝固速度を指標とするのは、無論、冷却媒体(通常は冷却水)と接触する鋳片表面の温度は変動が大きく、冷却速度の指標として不適当であるからである。鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度は、得られた鋳片の断面をピクリン酸にてエッチングし、鋳片表面から10mmの深さの位置におけるデンドライト2次アーム間隔λ(μm)を測定し、次式に基づいて、その値から溶鋼の液相線温度から固相線温度までの温度範囲における平均冷却速度A(℃/秒)を求めることができる。
λ=710×A−0.39
上記温度域での平均冷却速度が10℃/秒未満では、凝固が遅すぎるため、スラブデンドライト樹間が広がり、最終製品において圧延方向に展伸したMnの幅方向偏析が大きくなり、曲げ加工性を劣化させる。したがって、上記平均冷却速度を10℃/秒以上とする。好ましくは15℃/秒以上である。上記の平均冷却速度は、例えば、鋳込み直後において、水冷に用いる冷却水量を増大させるなどの手段により達成できる。
(熱間圧延工程)
熱間圧延工程においては、表層部のMn濃度の低下を図るとともに、最終製品において目的とする鋼組織を得るため、鋳造工程により得られた鋳片を1180℃以上1280℃以下の温度域に2時間以上5時間以下保持した後に粗熱間圧延を施して厚さ36mm以上の粗バーとなし、前記粗バーを1100℃以上として脱スケール処理を施し、さらに、860℃以上950℃以下の温度域で圧延を完了する仕上熱間圧延を施し、次いで、420℃以上570℃以下の温度域で巻き取って熱延鋼板とする。
ア)粗熱間圧延前の温度保持
粗熱間圧延に供する鋳片は、表層部のMnを酸化スケール中に濃化させ、このスケールを後工程の脱スケール工程で除去することにより表層部のMn濃度の低下を図るためと、Mnを十分に拡散させることにより表層部のMn偏析を緩和するため、1180℃以上の温度域に2時間以上保持する。一方、スケールの過生成による歩留り低下を回避し、加熱コストの低減を図るため、温度域の上限は1280℃、保持時間の上限は5時間とする。
イ)粗熱間圧延〜脱スケール
上記のように温度保持した鋳片に粗熱間圧延を施して、厚さ36mm以上の粗バーにした後、得られた粗バーは、その表面に形成された酸化スケールを除去するため、1100℃以上として脱スケール処理を施す。この脱スケール処理は、典型的には高圧水噴射により行われる。
粗バー表面と酸化スケールとの界面には、ファイヤライトが膜状に生成していることから、粗バーの温度をファイヤライトの融点付近の温度とすることにより、仕上熱間圧延前および仕上熱間圧延時の脱スケール処理において、ファイヤライトおよび酸化スケールが粗バー表面から容易に除去されるようになる。
粗バー表面に酸化スケールが残存していると、仕上熱間圧延後の鋼板表面の酸化スケール厚が大きくなり、その後の結晶粒界の酸化速度が大きくなってしまい、焼鈍後の鋼板表面にクラックを生じ、曲げ性を低下させる原因となる。このため、仕上圧延の前に、粗バーの酸化スケールを一旦除去するのである。この酸化スケールの除去時に、スケール中に濃化されたMnが除去されるため、表層部のMn濃度の低下を達成することができる。
ここで、粗バーの厚さが36mm未満では、仕上熱間圧延における圧下率が低くなるため、仕上熱間圧延に供する粗バーの通板速度が速くなり、仕上げ圧延前の再加熱が不十分となり、コイル全長で脱スケールに必要な1100℃以上を確保することが困難となる場合がある。したがって、粗バーの厚さは36mm以上とする。
ウ)仕上熱間圧延
脱スケール処理された粗バーに仕上熱間圧延を施して、所定の厚みの熱延鋼板を得る。仕上熱間圧延の完了温度は、熱間圧延中のフェライト変態に起因するハンチングを抑制するとともに、冷間圧延および焼鈍後の鋼板について良好な加工性を確保するため、860℃以上とする。また、過剰な粒成長を抑制して、冷間圧延および焼鈍後の鋼板について目的とする機械特性を得るために、950℃以下とする。
エ)仕上熱間圧延から巻取まで
仕上熱間圧延完了から巻取までの条件は特に規定しないが、仕上熱間圧延完了後10秒以内に熱延鋼板の表面温度が600℃以下となるように冷却すれば、熱延鋼板の組織中にフェライトやパーライトが生成されるのが抑制されて、鋼組織の均一化・微細化が一層図られ、最終製品において好適な鋼組織を得ることが容易になるので好ましい。このような冷却は、仕上熱間圧延完了後10秒以内の冷却水量を増加させることにより達成できる。
オ)巻取
巻取温度は、熱延鋼板の組織を均一・微細化し、その後の焼鈍において組織を制御し、目的とする組織を得るうえで非常に重要である。巻取温度が570℃超では、熱延鋼板の組織中にフェライト、パーライトが生成し、組織の均一化・微細化が困難となる。また、鋼板表層部の全体的な酸化や粒界酸化の進行が著しくなり、酸洗および冷間圧延後において、鋼板表面に微細クラックが生成し、曲げ性が低下する場合がある。したがって、巻取温度は570℃以下とする。好ましくは520℃以下である。一方、巻取温度が420℃未満では、熱延鋼板中にマルテンサイトが生成してしまい、冷間圧延における鋼板の平坦くずれや破断を生じやすくなる。また、焼鈍後の組織の微細化・均一化が困難となる。したがって、巻取温度は420℃以上とする。好ましくは440℃以上である。
(酸洗・冷間圧延工程)
上記熱間圧延工程により得られた熱延鋼板に酸洗および冷間圧延を施して冷延鋼板とする。酸洗および冷間圧延は常法に従って実施すればよい。冷間圧延の条件は特に規定する必要はないが、加工性を具備させるために適正な集合組織を得るとの観点からは圧下率を20%以上とすることが好ましい。圧下率はより好ましくは30%以上である。圧下率の上限は特に特定されないが、通常は90%以下である。
(焼鈍工程)
上記酸洗・冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に、1.0℃/秒以上の平均加熱速度でAc点以上880℃以下の温度域まで加熱して前記温度域に10秒間以上200秒間以下保持し、次いで、1℃/秒以上15℃/秒以下の平均冷却速度で600℃以上740℃以下の温度域まで冷却し、さらに、20℃/秒以上200℃/秒以下の平均冷却速度で330℃以上500℃以下の温度域まで冷却して前記温度域に20秒間以上500秒以下保持する熱処理を施す。この熱処理は焼鈍を目的とし、一般には連続焼鈍設備において実施される。
Ac点以上880℃以下の温度域までの平均加熱速度(昇温速度ともいう)が1.0℃/秒未満では、析出物が粗大化してしまい、Ac点以上880℃以下の温度域に保持した際にオーステナイトが粗大に粒成長してしまい、最終製品の成形性が劣化する。したがって、Ac点以上880℃以下の温度域までの平均加熱速度は1.0℃/秒以上とする。好ましくは5.0℃/秒以上である。上記平均加熱速度の上限は特に規定する必要はないが、工業的生産の観点からは設備制約上100℃/秒以下とすることが好ましい。
Ac点以上の温度域まで加熱せずに、焼鈍工程における最高到達温度を二相域温度にすると、オーステナイト中へのC濃化が過剰に進行してしまい、組織間の硬度差が大きくなり、また、冷延組織の影響が残存してバンド組織を形成してしまうため、最終製品の曲げ性が劣化する。したがって、焼鈍工程における最高到達温度はAc点以上とする。一方、焼鈍工程における最高到達温度を880℃超とすると、結晶粒が粗大化し、最終製品において目的とする特性が得られない。したがって、焼鈍工程における最高到達温度は880℃以下とする。好ましくは870℃以下である。
したがって、焼鈍工程においては、Ac点以上880℃以下の温度域に保持することになるが、この際の保持時間(焼鈍時間ともいう)が10秒間未満では、熱延鋼板の組織の影響が強く残存するため、最終製品の組織が不均一となり、最終製品において成形性が劣化する。したがって、上記保持時間は10秒間以上とする。好ましくは30秒間以上である。一方、上記保持時間が200秒間超では、結晶粒が粗大化し、最終製品において目的とする特性が得られない。したがって、上記保持時間は200秒間以下とする。
Ac点以上880℃以下の温度域から600℃以上740℃以下の温度域までの平均冷却速度が1℃/秒未満では、冷却過程でパーライトが生成してしまい、最終製品において所定の特性を得られない場合がある。したがって、上記平均冷却速度は1℃/秒以上とする。一方、上記平均冷却速度が15℃/秒超では、フェライトの生成が不十分となり、連続焼鈍後の鋼板の降伏強度が所望される強度よりも高くなる場合がある。したがって、上記平均冷却速度は15℃/秒以下とする。
600℃以上740℃以下の温度域から330℃以上500℃以下の温度域までの平均冷却速度が20℃/秒未満では、冷却過程でフェライトが過剰に生成する可能性がある。したがって、上記平均冷却速度は20℃/秒以上とする。一方、上記平均冷却速度が200℃/秒超では、鋼板内で冷却速度のムラが生じやすく、特性変動の原因となる。したがって、上記平均冷却速度は200℃/秒以下とする。
すなわち、焼鈍温度からの冷却は、まず600℃以上740℃以下の温度域までは平均冷却速度が1℃/秒以上15℃/秒以下の緩冷却とし、その後330℃以上500℃以下の温度域への冷却は平均冷却速度が20℃/秒以上200℃/秒以下の急冷却とする。一般に緩冷却はガスジェット冷却、急冷却は気水冷却やロール冷却により実施すればよい。冷却速度の制御は当業者には周知である。
330℃以上500℃以下の温度域における保持時間が20秒間未満では、ベイナイトの変態量が不十分となり、マルテンサイトもしくは残留オーステナイトが過剰に生成してしまい、所定の特性を確保することが困難となる場合がある。したがって、上記保持時間は20秒間以上とする。好ましくは40秒間以上である。一方、上記保持時間が500秒間超では、エネルギーロスが顕著となるとともに、生産性の低下を招く。したがって、上記保持時間は500秒間以下とする。
保持温度が330℃未満では、ベイナイトの変態量が不十分となり、マルテンサイト変態が過剰に進行したり、未変態オーステナイトが過剰に残留したりして、所定の特性を確保することが困難となる。したがって、保持温度は330℃以上とする。好ましくは340℃以上である。一方、保持温度が500℃超では靭性が非常に低い上部ベイナイトが生成してしまうため、所定の特性が得られない。したがって、保持温度は500℃以下とする。好ましくは460℃以下である。
この温度保持後は、室温付近まで冷却して巻き取ればよいが、次に述べるように溶融めっきを施す場合には、前記の温度保持後にそのまま溶融めっきを実施してもよい。その場合には、焼鈍工程は連続溶融めっき設備内の焼鈍装置において実施することができる。
(めっき工程−任意)
上述したように、本発明に係る冷延鋼板はその表面にめっき層を形成して表面処理鋼板としてもよい。その場合には、上記方法で製造された冷延鋼板に常法に従ってめっきを施す。めっき種は特に制限されないが、耐食性に優れた亜鉛系めっき(亜鉛めっきまたは亜鉛合金めっき)とするのが一般的である。めっき手法も特に制限されないが、一般的には溶融めっきまたは電気めっきである。めっきが溶融めっきである場合には、前記焼鈍工程に続けて溶融めっきを実施することができる。
表1に示す化学組成の鋼を溶製してスラブに鋳造し、このスラブに熱間圧延を施し、得られた熱延鋼板に常法にて酸洗を施した後、冷間圧延および連続焼鈍を施して、各種冷延鋼板を得た。鋳造、熱間圧延、冷間圧延、および連続焼鈍の各工程の条件を、表2にまとめて示す。
表2中、鋳造工程における鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度は、鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度は、得られた鋳片の断面をピクリン酸にてエッチングし、鋳片表面から10mmの深さの位置におけるデンドライト2次アーム間隔λ(μm)を測定し、次式に基づいて、その値から溶鋼の液相線温度から固相線温度までの温度範囲における平均冷却速度A(℃/秒)を求めた。
λ=710×A−0.39
熱間圧延工程における粗バー加熱温度は、脱スケールのための加熱温度であり、この加熱後に常法に従って高圧水ジェットにより脱スケール処理してから、仕上圧延を実施した。仕上圧延完了後の冷却は水冷により実施した。
仕上熱間圧延完了10秒後の鋼板温度(表2中の圧延10秒後温度)を、仕上げ圧延出口、ROT(ランアウトテーブル)、および巻取り位置に設置された放射温度計のデータと通板速度のデータの内挿により算出した。前述したように、この鋼板温度が600℃以下であると、鋼組織の均一化・微細化が図られる。
連続焼鈍工程では、表示の昇温速度(平均加熱速度)で表示の焼鈍温度まで加熱し、この温度に焼鈍時間として表示されている時間だけ保持した後、冷却した。冷却は、焼鈍温度(発明例ではオーステナイト単相状態)から600℃以上740℃以下の温度域まで表示の平均冷却速度(1)でガスジェット冷却により行い、その後は気水冷却に切り換えて表示の冷却停止・低温保持温度まで表示の平均冷却速度(2)で冷却し、この冷却停止温度に低温保持時間として表示されている時間だけ保持し、その後は室温まで空冷した。
表2において、連続焼鈍工程の「焼鈍中の組織」は、各冷延鋼板から採取した試験片を表2に示す昇温速度、焼鈍温度および焼鈍時間で熱処理し、その際の膨張率変化を解析することによって、オーステナイト単相(表中のγ)であるか、またはオーステナイトと他の組織の複相組織(表中のγ+αは、オーステナイトとフェライトの複相組織)であるかを判定した結果を示す。
Figure 0005846445
Figure 0005846445
得られた冷延鋼板について以下の試験を行った。これらの試験結果を表3にまとめて示す。
(1)引張試験
各冷延鋼板から、圧延方向に直角な方向を長手方向とするJIS5号引張試験片を採取し、引張特性(降伏強度YP、引張強度TS、全伸びEl)を調査した。
(2)鋼板断面観察
鋼板の組織は、板幅方向の1/4位置の鋼板表面から板厚1/4の位置において、圧延に平行および垂直な方向の断面を、SEMを用いて2000倍で50視野観察し、画像解析により各相および組織の面積分率およびフェライトおよびベイナイトの粒径を測定した。粒径の測定は、JISG0552の交差線分法に準拠して実施し、平均値および最大値で表した。
残留オーステナイトの体積率は、各鋼板を化学研磨により0.3mm減厚し、化学研磨後の表面に対しX戦回折を施し、残留オーステナイト量を算出した。
(3)曲げ性
各冷延鋼板から圧延方向に直角方向を長手方向とするJIS1号曲げ試験片を採取し、JIS Z 2248の規定に準拠したVブロック法により、曲げ性を調査した。割れの判定は、光学顕微鏡およびSEMを用いて曲げ部表面、断面を調査し、上述の基準で実施した。
(4)鋼板表面から表層5μm深さまでのMn濃度の平均値(Mnsur
GDSを用いて、鋼板表面から表層5μm深さまでのMn濃度を測定し(n=10)、平均値を算出した。
Figure 0005846445
鋼板No.1および14〜22は本発明に従った例であり、引張強度TSが980MPa以上、降伏強度YPが690MPa以上850MPa以下、全伸びElが12%以上、かつ曲げ性がR/t≦1.0(Rは曲げ角度を90°としたVブロック法による曲げ試験において割れの発生しない最小の内側半径、tは板厚)という所定の特性のすべてを満たしており、成形性に優れた高強度冷延鋼板であることが実証された。
これに対し、比較例をみると、鋼板No.2〜9では曲げ性が低かった。その原因は、鋼板No.2は鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度が低すぎたため、鋼板No.3はスラブ加熱時間が短く、表層Mn濃度が高かったため、鋼板No.4は粗圧延後の再加熱温度が不十分であったため、鋼板No.5は巻取り温度が高く、熱延段階で不均一な組織となって焼鈍後に粗大な結晶粒が生成したため、鋼板No.6は巻取り温度が低く、熱延段階で不均一な組織となって焼鈍後に粗大な結晶粒が生成したため、鋼板No.7は焼鈍時の昇温速度が遅く、結晶粒が粗大となったため、鋼板No.8は二相域焼鈍であるため冷延組織の影響が残存してバンド組織を形成してしまったため、鋼板No.9は焼鈍温度が高すぎて焼鈍時のオーステナイトが粒成長し、冷却後の結晶粒径が大きくなったためである。
鋼板No.10はオーステナイト単相組織状態から600〜740℃の温度域までの平均冷却速度が高すぎたためにフェライトの生成が不十分となり、連続焼鈍後の鋼板の降伏強度が高すぎ、全伸びが低くなった。鋼板No.11は600〜740℃の温度域から330〜500℃の温度域までの平均冷却速度が低すぎたために、冷却過程でフェライトが過剰に生成し、降伏強度が低くなるとともに曲げ性も低かった。鋼板No.12は冷却停止および低温保持温度が低すぎるため、鋼板No.13は低温保持時間が短すぎるため、いずれもベイナイト生成が不十分となってマルテンサイト変態が過剰に進行してしまい、No.11と同様に所定の特性が得られなかった。
鋼板No.23〜28は鋼の化学組成が本発明の範囲外であった比較例である。No.23はC量が少ないため、所望の強度が得られなかった。No.24はSi量が少ないため、所望の金属組織および特性が得られなかった。No.25はSiとAlの合計量が多すぎ、所望の金属組織と特性が得られなかった。No.26はMn量が少ないため、所望の強度が得られなかった。No.27はTi量が少ないため、結晶粒が粗大化し所望の特性が得られなかった。No.28はCr,Mo,Bの添加がないため、所望の強度が得られなかった。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.09%以上0.16%以下、Si:0.05%以上0.60%以下、Mn:1.95%以上3.00%以下、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.02%以上0.45%以下、Ti:0.01%以上0.2%以下、N:0.01%以下を含有するとともに下記式(1)を満たし、さらにCr:0.02%以上1.0%以下、Mo:0.01%以上2.0%以下およびB:0.0003%以上0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成と、
    面積%で、下部ベイナイト:60%以上、フェライト:6%以上40%以下、残留オーステナイト:3%以下であるとともに、前記下部ベイナイトおよびフェライトの平均粒径が5μm以下、前記下部ベイナイトおよびフェライトの粒径の最大値が9μm以下である鋼組織とを有し、
    鋼板表面から5μm深さまでの表層部における平均Mn濃度であるMnsur(単位:質量%)が下記式(2)および(3)を満足し、
    引張強度が980MPa以上、降伏強度が690MPa以上850MPa以下、全伸びが12%以上、曲げ性が下記式(4)を満足する機械特性を有することを特徴とする冷延鋼板。
    0.15≦[Si]+[Al]≦0.64 (1)
    Mnsur≦2.60 (2)
    Mnsur/[Mn]≦0.90 (3)
    R/t≦1.0 (4)
    ここで、[M]は元素Mの含有量(単位:質量%)であり、Mnsurは上記の通りであり、Rは曲げ角度を90°としたVブロック法による曲げ試験において割れの発生しない最小の内側半径(単位:mm)、tは板厚(単位:mm)である。
  2. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下およびNi:1.0%以下からなる群から選択された1種または2種を含有する請求項1に記載の冷延鋼板。
  3. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Nb:0.10%以下およびV:0.10%以下からなる群から選択された1種または2種を含有する請求項1または請求項2に記載の冷延鋼板。
  4. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.10%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下からなる群から選択される1種または2種以上を含有する請求項1から請求項3までのいずれかに記載の冷延鋼板。
  5. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、Bi:0.05%以下を含有する請求項1から請求項4までのいずれかに記載の冷延鋼板。
  6. 下記工程(A)〜(D)を有することを特徴とする、面積%で、下部ベイナイト:60%以上、フェライト:6%以上40%以下、残留オーステナイト:3%以下であるとともに、前記下部ベイナイトおよびフェライトの平均粒径が5μm以下、前記下部ベイナイトおよびフェライトの粒径の最大値が9μm以下である鋼組織とを有し、鋼板表面から5μm深さまでの表層部における平均Mn濃度であるMn sur (単位:質量%)が下記式(2)および(3)を満足し、引張強度が980MPa以上、降伏強度が690MPa以上850MPa以下、全伸びが12%以上、曲げ性が下記式(4)を満足する機械特性を有する冷延鋼板の製造方法:
    (A)請求項1から請求項5までのいずれかに記載の化学組成を有する溶鋼を、鋳片表面から10mmの深さの位置における液相線温度から固相線温度までの温度域内の平均冷却速度が10℃/秒以上となる条件で鋳造する鋳造工程;
    (B)前記鋳造工程により得られた鋳片を1180℃以上1280℃以下の温度域に2時間以上5時間以下保持した後に粗熱間圧延を施して厚さ36mm以上の粗バーとなし、前記粗バーを1100℃以上として脱スケール処理を施し、さらに、860℃以上950℃以下の温度域で圧延を完了する仕上熱間圧延を施し、次いで、420℃以上570℃以下の温度域で巻き取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
    (C)前記熱間圧延工程により得られた熱延鋼板に酸洗および冷間圧延を施して冷延鋼板とする酸洗・冷間圧延工程;および
    (D)前記酸洗・冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に、1.0℃/秒以上の平均加熱速度でAc点以上880℃以下の温度域まで加熱して前記温度域に10秒間以上200秒間以下保持し、次いで、1℃/秒以上15℃/秒以下の平均冷却速度で600℃以上740℃以下の温度域まで冷却し、さらに、20℃/秒以上200℃/秒以下の平均冷却速度で330℃以上500℃以下の温度域まで冷却して前記温度域に20秒間以上500秒以下保持する熱処理を施す焼鈍工程。
    0.15≦[Si]+[Al]≦0.64 (1)
    Mn sur ≦2.60 (2)
    Mn sur /[Mn]≦0.90 (3)
    R/t≦1.0 (4)
    ここで、[M]は元素Mの含有量(単位:質量%)であり、Mn sur は上記の通りであり、Rは曲げ角度を90°としたVブロック法による曲げ試験において割れの発生しない最小の内側半径(単位:mm)、tは板厚(単位:mm)である。
  7. 前記焼鈍工程(D)の後にめっき工程を有する請求項6に記載の冷延鋼板の製造方法。
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