JP2013251166A - ワイヤーハーネス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤーハーネスの止水部に可塑剤が移行して止水性能が低下するのを防止して、良好な止水性能を長期にわたり発揮することが可能なワイヤーハーネス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】導体2が絶縁体からなる被覆材3により被覆された絶縁電線4が複数本束ねられた電線束7を有し、被覆材3の一部が除去された導体露出部5に、被覆材3に含有する可塑剤と同種の可塑剤が添加されている紫外線硬化型樹脂からなる止水剤40を供給し、光透過性を有する保護シート30により前記止水剤40の表面を被覆した状態で光照射を行い止水剤40を硬化させ、止水剤40の表面が保護シート30により被覆された止水部10を有するワイヤーハーネス1を得た。
【選択図】図1
【解決手段】導体2が絶縁体からなる被覆材3により被覆された絶縁電線4が複数本束ねられた電線束7を有し、被覆材3の一部が除去された導体露出部5に、被覆材3に含有する可塑剤と同種の可塑剤が添加されている紫外線硬化型樹脂からなる止水剤40を供給し、光透過性を有する保護シート30により前記止水剤40の表面を被覆した状態で光照射を行い止水剤40を硬化させ、止水剤40の表面が保護シート30により被覆された止水部10を有するワイヤーハーネス1を得た。
【選択図】図1
Description
本発明は、ワイヤーハーネス及びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは自動車用ワイヤーハーネス等に使用される電線やシールド線の中間スプライス部分、電線の中間被覆除去部分或いは端子部分等の止水方法に好適に用いられるワイヤーハーネス及びその製造方法に関するものである。
従来、自動車用ワイヤーハーネス等の中間スプライス部の止水方法として、例えば下記の特許文献1に記載の方法が公知である。
特許文献1に記載の方法は、絶縁樹脂シートの粘着材を塗布したスプライス部を載置し、粘度10Pa・s〜100Pa・s程度の低粘度の光硬化性シリコーン樹脂を塗布し、前記絶縁樹脂シートをスプライス部に巻付け、シリコーン樹脂を硬化させる方法である。
また、本願発明者は、上記特許文献1に記載のワイヤーハーネスの改良技術として、止水部に光硬化性と熱硬化性を有する硬化性樹脂組成物を塗布し、該止水部に光透過性を有する保護シート(ラップフィルム)を巻付けて該保護シートの上から光照射して硬化性樹脂組成物の表層部を硬化させた後、加熱して止水部の内部を硬化させてなるワイヤーハーネスを先に提案している(特願2011−122026号、平成23年5月31日出願)。
ワイヤーハーネスにおいて、スプライス部分の防水は、スプライス部分そのものの銅等の導体部分はもちろんのこと、電線(被覆材)も防水のために保護する必要がある。従来、被覆材としては、車載環境特性上、バランスのとれた材料である塩化ビニル樹脂が用いられてきた。通常、塩化ビニル樹脂には、低温脆性改善の観点から可塑剤が添加されている。
このため、ワイヤーハーネスの止水部が高温になると、塩化ビニル樹脂に含まれる可塑剤が止水剤の樹脂に急速に移行してくる。被覆材の可塑剤が止水剤の樹脂に移行すると、止水部の被覆材と止水剤の界面の接着力が低下する。更に、被覆材から可塑剤が減少すると、電線が痩せて細くなり、水の侵入経路が生じてしまう。
このように上記従来技術では、絶縁電線の被覆材の可塑剤が止水剤側に移行すると、防水に必要な気密性が損なわれてしまい、止水性能が低下するという問題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決しようとするものであり、ワイヤーハーネスの止水部の可塑剤の移行による止水性能が低下するのを防止して、良好な止水性能を長期にわたり発揮することが可能である、ワイヤーハーネス及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のワイヤーハーネスは、
導体が絶縁体からなる被覆材により被覆された絶縁電線が複数本束ねられた電線束を有し、前記被覆材の一部が除去されて内部の導体が露出した導体露出部が紫外線硬化型樹脂からなる止水剤により被覆され、前記止水剤の表面が光透過性の保護シートにより被覆されている止水部を有するワイヤーハーネスであって、
前記電線被覆材に含有する可塑剤と同種の可塑剤が、前記止水剤に添加されていることを要旨とするものである。
導体が絶縁体からなる被覆材により被覆された絶縁電線が複数本束ねられた電線束を有し、前記被覆材の一部が除去されて内部の導体が露出した導体露出部が紫外線硬化型樹脂からなる止水剤により被覆され、前記止水剤の表面が光透過性の保護シートにより被覆されている止水部を有するワイヤーハーネスであって、
前記電線被覆材に含有する可塑剤と同種の可塑剤が、前記止水剤に添加されていることを要旨とするものである。
上記ワイヤーハーネスにおいて、前記止水剤に添加されている可塑剤の含有量が、前記止水剤中の5〜15質量%の範囲内であることが好ましい。
上記ワイヤーハーネスにおいて、前記止水部の前記止水剤が、前記導体露出部に隣接する前記被覆材の表面を被覆していることが好ましい。
上記ワイヤーハーネスにおいて、前記止水剤と前記被覆材の接着強さが、120℃、120時間処理後の剥離接着強さで500N/m以上であることが好ましい。
本発明のワイヤーハーネスの製造方法は、
導体が絶縁体からなる被覆材により被覆された絶縁電線が複数本束ねられた電線束を有し、前記被覆材の一部が除去されて内部の導体が露出した導体露出部が紫外線硬化型樹脂からなる止水剤により被覆され、前記止水剤の表面が光透過性の保護シートにより被覆されている止水部を有するワイヤーハーネスの製造方法であって、
前記被覆材に含有する可塑剤と同種の可塑剤が添加されている止水剤を用い、前記止水部に前記止水剤を供給し、光透過性を有する保護シートにより前記止水剤の表面を被覆した状態で光照射を行い、前記止水剤を硬化させることを要旨とするものである。
導体が絶縁体からなる被覆材により被覆された絶縁電線が複数本束ねられた電線束を有し、前記被覆材の一部が除去されて内部の導体が露出した導体露出部が紫外線硬化型樹脂からなる止水剤により被覆され、前記止水剤の表面が光透過性の保護シートにより被覆されている止水部を有するワイヤーハーネスの製造方法であって、
前記被覆材に含有する可塑剤と同種の可塑剤が添加されている止水剤を用い、前記止水部に前記止水剤を供給し、光透過性を有する保護シートにより前記止水剤の表面を被覆した状態で光照射を行い、前記止水剤を硬化させることを要旨とするものである。
本発明のワイヤーハーネスは、絶縁電線の被覆材に含有する可塑剤と同種の可塑剤が、前記止水剤に添加されていることにより、ワイヤーハーネスの止水部の可塑剤が止水部に移行することを抑制することが可能であり、止水部に可塑剤が移行して止水性能が低下するのを防止して、良好な止水性能を長期にわたり発揮することができる。
本発明のワイヤーハーネスの製造方法は、前記被覆材に含有する可塑剤と同種の可塑剤が添加されている止水剤を用い、前記止水部に前記止水剤を供給し、光透過性を有する保護シートにより前記止水剤の表面を被覆した状態で光照射を行い、前記止水剤を硬化させる方法を採用したことにより、被覆材から止水部への可塑剤の移行を良好に防止して、止水性能に優れた上記ワイヤーハーネスを確実に提供することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明のワイヤーハーネスの一例の中間スプライス部付近の外観を示す斜視図であり、図2は図1のA−A線水平断面図である。図1及び図2に示すように本発明のワイヤーハーネス1は、芯線からなる導体2の周囲が絶縁体からなる被覆材3により被覆された4本の絶縁電線4が束ねられている電線束から構成されている。
ワイヤーハーネス1の中間スプライス部20では、電線束の絶縁電線3が剥離除去されて、内部の導体2が露出した導体露出部5を有する。導体露出部5では、複数の絶縁電線4、4、4、4の導体2、2、2、2どうしが接合されて、電気的に接続されている。
ワイヤーハーネス1は、中間スプライス部20の周囲が保護シート30及び止水剤40により覆われて、止水中間スプライス部10(以下、単に止水部10ということもある)として構成されている。
上記保護シート30は、前記止水部10の止水剤40の表面の変形に対して追随して変形可能な柔軟性を有する。保護シート3は、止水剤40の表面に密着した状態で、該止水剤40の周囲を覆っている。止水部10の止水剤は、絶縁電線の導体露出部5の内部に浸透した状態で紫外線が照射されて硬化している。
また止水部10の止水剤40は、導体露出部5に隣接する絶縁電線4の被覆材3の表面と密着した状態で硬化させたものである。止水部10は、止水剤40が絶縁電4線の導体露出部に隣接する導体の前後の被覆部6を被覆している。このように止水剤40が被覆部6を被覆していることにより、被覆材3と導体2の隙間から水分が侵入するのを防止している。
絶縁電線4の被覆材3は、塩化ビニル樹脂と可塑剤とから構成される軟質塩化ビニル樹脂が用いられている。上記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジジイソノニル(DINP)等のフタル酸エステル系可塑剤、トリ−2−エチルヘキシルトリメリケート等トリメリット酸エステル系可塑剤、2−エチルヘキシルアジペート、ジブチルセバシケート等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤等が挙げられる。中でもDINPは、自動車用ワイヤーハーネスに用いられる絶縁電線の被覆材に、最も一般的に添加されている可塑剤である。
止水剤40は、紫外線硬化型樹脂の組成物から構成される。本発明は、止水剤中に上記絶縁電線の被覆材3の可塑剤と同種の可塑剤を添加した点に大きな特徴を有する。止水剤40に添加される被覆材3の可塑剤と「同種」の可塑剤とは、同じ系統の可塑剤という意味であり、上記・・・系可塑剤で区分される範囲であればよい。例えば、被覆材の可塑剤がDINPである場合は、フタル酸エステル系可塑剤が同種の可塑剤といえる。上記同種の可塑剤は、同一の可塑剤であることが更に好ましい。
止水剤40中に被覆材3の可塑剤と同種の可塑剤が予め含有せしめられていると、ワイヤーハーネスの止水部10が高温状態に曝された場合に、被覆材3から止水部40に移行してくる可塑剤の移行量を抑制することができる。止水剤40に含有させる可塑剤の量は、上記被覆材3から止水剤40に移行してきて飽和する可塑剤の移行量と同程度の量とすることが好ましい。
止水剤40に添加されている可塑剤の含有量は、止水剤40中の5〜15質量%の範囲内であることが好ましい。一般に、絶縁体から止水剤への可塑剤の移行量は、120℃、120時間(5日間)程度で最大(18%程度)になり飽和する。更に加熱状態を続けると、移行した可塑剤が揮発することで移行量が15%程度まで低下する。ここで移行量と揮発量が平衡した状態になり、止水剤中の可塑剤の含有量が15質量%程度に維持される。また止水剤40中の可塑剤が多くなると、物性の低下が著しくなる。このような理由から可塑剤の含有量の上限は15質量%が好ましい。また可塑剤の含有量の下限は、止水剤40中の可塑剤の含有量が少なくなりすぎると、移行防止効果が十分得られない虞があることから、可塑剤の含有量は5質量%以上が好ましい。
止水剤40に予め可塑剤を添加すると、止水剤40と被覆材3との剥離接着強さは、初期(製造直後の状態)は、可塑剤未添加の場合と比較して低下する。しかし、高温に加熱された後(加熱後)の剥離接着強さは、可塑剤未添加の止水剤の接着強さの低下が著しいのに対し、可塑剤を添加した止水剤40の接着強さの低下は小さくなり、最終的には可塑剤を添加した止水剤40の接着強さが大きくなる。
止水剤40と被覆材3の接着強さの度合いとして、ワイヤーハーネスを120℃、120時間加熱処理した後の止水剤40と被覆材3の剥離接着強さで、500N/m以上であれば、止水部の止水性能は十分得られる。尚、上記加熱時間が120時間超えて試験を行っても、それ以上剥離接着強さは変化しないことが判っている。
止水剤と被覆材の剥離接着強さは、止水剤の硬化性樹脂組成物に被覆材の塩化ビニル樹脂を接着した試験片を用いて、JIS−K6854に準拠してTピール試験により求めるものである。
絶縁電線4の導体2は、銅、銅合金、アルミニウム等の素線の単線或いは撚り線等を用いられる。
中間スプライス部20は、絶縁電線4の長手方向中間部において部分的に被覆材3を除去し導体2を露出させ、この導体2に他の絶縁電線4の導体2を接合したものである。他の絶縁電線4の導体2は、当該絶縁電線4の長手方向中間部において露出しているものであってもよいし、当該絶縁電線4の端部に露出しているものであってもよい。ここでは、後者の例で説明する。また、ワイヤーハーネス1において、絶縁電線4は4本に限定されず、複数本であればよく、絶縁電線4の数は特に限定されない。
中間スプライス部20において、導体2同士の接合は、例えば、抵抗溶接、超音波溶接、レーザ溶接等により溶接等の手段を用いることができる。またスプライス部20における導体2の接合は、中間圧着端子等の部品を接合部に圧着する方法を用いてもよい。
止水剤40は、紫外線硬化型樹脂に絶縁電線の被覆材3の可塑剤と同種の可塑剤を添加した組成物が用いられる。紫外線硬化型樹脂は、重合性化合物、光重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤等を含有する。
上記重合性化合物としては、鎖状アクリレートモノマー、環状アクリレートモノマー等のアクリレート系化合物、環状N−ビニルモノマー等の組合せを用いることができる前記アクリレート系化合物としては、ウレタンアクリレートオリゴマーとアクリレートモノマーを組み合わせたものが挙げられる。
前記ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加ジオール、トリレンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートを反応させて得られるウレタンアクリレート;ポリテトラメチレングリコール、トリレンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートを反応させて得られるウレタンアクリレート;トリレンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートを反応させて得られるウレタンアクリレート等が挙げられる。これらのオリゴマーは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記アクリレートモノマーとしては、鎖状アクリレートモノマー、及び環状アクリレートモノマーが挙げられる。前記環状アクリレートモノマーとは、脂環、芳香環等の環状構造を有するアクリレートモノマーのことである。前記環状アクリレートモノマーとしては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリンが挙げられる。前記環状アクリレートモノマーとしては、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。前記環状アクリレートモノマーとしては、IBXA(大阪有機工業化学社の商品名)、アロニックスM−111、M−113、M−114、M−117、TO−1210(以上、東亜合成社の商品名)を使用できる。本明細書において、鎖状アクリレートモノマーとは、環状構造を含まない直鎖状又は分岐鎖状アクリレートモノマーのことである。鎖状アクリレートモノマーとしては、例えば、ネオペンチルグリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ブチル−2エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアセテート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
前記アクリレート系化合物と共に、メタクリレート系化合物も使用してもよい。メタクリレート系化合物としては、例えば、ジ−2−メタクリロキシエチルホスフェート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ジフェニルホスフェート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、ビス〔2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕ホスフェート、トリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、及び特開平11−100414号公報においてO=P(−R1)(−R2)(−R3)として示される化合物等が挙げられる。
前記環状N−ビニルモノマーとは、芳香環、脂環等の環状構造を有し、かつ、窒素原子を含むビニルモノマーのことである。前記環状N−ビニルモノマーとしては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等が挙げられる。
上記の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、オルソベンゾイン安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン誘導体、チオキサントンとその誘導体、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイン誘導体、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキサイド、モノアシルホスフィンオキサイド、ビスアシルホスフィンオキサイド、アクリルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノン、チタノセン化合物等が挙げられる。光重合開始剤は、硬化速度、黄変性等を考慮して適宜選択できる。光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
具体的な光重合開始剤の組合せとしては、例えば、ルシリンTPO(BASFジャパン社の商品名)とイルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ルシリンTPO(BASFジャパン社の商品名)とイルガキュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の商品名)、ルシリンTPO(BASFジャパン社の商品名)とイルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の商品名)、イルガキュア184とイルガキュア907(共にチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の商品名)等が挙げられる。
前記光重合開始剤の組成物液中における含有量は、0.1〜5質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは0.3〜2質量%の範囲である。光重合開始剤の含有量が少なくなって、0.1質量%未満であると、光が十分当たる個所であっても、光硬化できない場合があり、含有量が多くなって、5質量%を超えると未反応の光重合開始剤が多く残存し易くなる。残存した光重合開始剤は、熱、光等により活性化し、硬化後の封止部を変色させ、反応によりヤング率の増加や伸びの低下などの物性劣化を引き起こすことがある。
上記の熱ラジカル重合開始剤としては、アゾイソブチルニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)、ラウロイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、ジ−tert-ブチルパーオキシド、tert−ブチルパーベンゾエート、シクロヘキサノンパーオキサイド等の過酸化合物が挙げられる。
硬化性樹脂組成物には、上記の重合性化合物、光重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤以外に、他の添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては例えば、酸化防止剤、着色材、紫外線吸収剤、光安定剤、シランあるいはチタン系などのカップリング剤、消泡材、硬化促進剤、チオール化合物やリン酸エステル系などの密着性助剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、重合禁止剤、可塑剤、滑剤、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗膜改良剤等が挙げられる。
紫外線硬化型樹脂組成物は、加熱した際に中間スプライス部20に浸透して、絶縁電線4の絶縁体3同士の間、導体2を構成する素線の間、導体2同士の間等の間隙に行渡り、間隙を充填することが可能な流動性を有している。
紫外線硬化型樹脂組成物は、硬化物が柔軟で適度なゴム弾性を有することが好ましい。上記硬化物の具体的な物性として、硬化物の伸びが、室温では50%以上であるのが好ましく、更に好ましくは100%以上である。また上記硬化物は低温(−50℃)の伸びが、10%以上であるのが好ましく、更に好ましくは20%以上である。硬化物が柔軟で適度なゴム弾性を有することで、止水部10が冷熱ヒートサイクルや、外部からの引張り、曲げ応力等をうけた際に、クラックや破断等の損傷を生じさせ難くなる。前記硬化物の破断伸び(%)の測定は、硬化性樹脂組成物を200μmの厚みに形成したフィルムを用いてJIS−K7113に準拠して引張り試験機(AGS、島津製作所製)で引張り試験を行うことで測定することができる。
保護シート30は、止水剤40の表面に密着した状態で、止水剤40の表面を被覆している。保護シート30は、止水剤40の硬化性樹脂組成物を硬化させる際の紫外線等の照射光に対する透過性を有する。保護シート30の光透過性は、例えば紫外線透過率が50%以上であることが好ましく、さらに好ましい紫外線透過率は90%以上である。保護シート30の厚みは、100μm以下が好ましく、更に好ましくは5〜50μmである。
保護シート30は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びポリフッ化ビニリデン等のオレフィン系樹脂のラップシート、或は、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどの汎用樹脂のラップシートを用いることができる。保護シート30は、特に自己密着(粘着)のよいポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂のシートが好適である。
また保護シート30は、ヤング率(JIS−K7113に準じた測定方向における室温での値)が、厚みが50μm未満の場合50〜500MPaの範囲であり、厚みが50μm〜100μmの場合10〜100MPaの範囲であり、厚みが100μmを超える場合、10MPa未満であるのが好ましい。また保護シート30は、破断時の伸びが、好ましくは20%以上、更に好ましくは50%以上である。
保護シート30は、剥離粘着力(JIS−Z0237やJIS−K6854に準じた測定方法における室温での値)で表わされる自己密着力が、0.5〜10N/mの範囲であることが好ましい。止水部10は、止水剤40の表面の変形に追随して保護シート30が変形して、止水剤40表面と保護シート30が密着した状態で、止水剤40が硬化されている。保護シート30は、自己密着力が高いと、保護シート30を中間スプライス部20及び止水剤40の周囲に巻付ける際に、被覆が容易であり、作業性に優れる。
また、保護シート30の表面に、厚み10μm以下の弱い粘着剤からなる粘着剤層を形成しておいてもよい。粘着剤層の厚みは、好ましくは5μm以下である。
以下、図1のワイヤーハーネスの製造方法について説明する。図3(a)〜(c)は本発明のワイヤーハーネスの製造方法の一例の製造工程を示し、止水中間スプライス部付近の説明図である。図3(a)に示すように、先ず、予め複数の絶縁電線を用いて中間スプライス部20を形成した電線束7を準備する。電線束7は絶縁電線4の絶縁体3が除去されて内部の導体3が露出した導体露出部5を有している。
そして図3(a)に示すように、中間スプライス部20を被覆できる程度の大きさの保護シート30を準備して、上記電線束5の中間スプライス部20を保護シートの上に載置する。次に中間スプライス部20の上に止水剤を供給する。止水剤40は、吐出装置のノズル60から、所定量、吐出して供給する。止水剤の供給は常温で行う。尚、止水剤40を保護シート30に供給した後、電線束を止水剤の上に載置するようにしてもよい。
次に、図3(b)に示すように、保護シート30の折り返し部側が中間スプライス部20及び止水剤40に巻付くと共に、中間スプライス部20のない部分では保護シート30同士が重なる重ね合わせ部32となるように、折り曲げる。保護シート30の重ね合せ部32は、保護シート30の自己密着性によって、重ね合わせた状態が保持される。
次に、中間スプライス部20の止水剤40の表面に保護シート30を巻付けて、保護シート30の内部に止水剤40が充填された状態にする。保護シート30を二つ折りにした後、保護シート30の重ね合せ部分を、ロール51でしごくようにして、重ね合せ部分32の止水剤40を中間スプライス部20に向けて押込む。保護シート30の重ね合せ部分32を止水部10に巻き回して密着させる。
次に図3(c)に示すように、保護シート30の重ね合せ部分を中間スプライス部20及び止水剤40の周囲に巻付ける。保護シート30を引張り、張力を加えた状態で巻付けると、保護シート30の外方から止水部10が押圧された状態で中間スプライス部20及び止水剤40の周囲に巻付けられる。
その結果、中間スプライス部20の周りに局所的に存在していた止水剤40が、押出されて中間スプライス部20の外周部と保護シート30の間に行渡り、中間スプライス部20の外側周囲の全体を覆う。保護シート30は、自己密着性によって、止水部10の周囲に巻付けた状態が維持される。また、止水部10は、保護シート30の外側から押圧された状態も維持される。
次に、図3(c)に示すように、紫外線照射装置52を用いて、中間スプライス部20と止水剤40の外側周囲に保護シート30が巻付けられた状態で、中間スプライス部20に紫外線53を照射して、止水剤40の表面を硬化させて表層部を形成する。
中間スプライス部20に照射された紫外線53は、保護シート30を透過して止水剤40に照射される。このとき、紫外線の照射は、止水剤40の紫外線硬化型樹脂組成物の表面のみが硬化するような照射条件で行う。止水剤40は保護シート30と接する止水剤表面が硬化するので、止水剤40が保護シート30の端部33から外部へ流出することを防止できる。
上記紫外線照射装置としては、Hg、Hg/Xeやメタルハライド化合物等を封入したバルブ式のUVランプ、LED−UVランプ等の光源を用いることができる。また紫外線照射装置は、上記光源からの光を反射ミラーによって集光して照射する集光型UV照射装置を用いてもよい。
更に加熱装置等を用いて、中間スプライス部20を加熱して、止水剤40を80℃程度の温度に加熱し粘度を低下させ、導体3の素線同士の隙間や電線同士の隙間などに浸透して充填した後、更に止水剤40を加熱して140〜150℃程度で完全に熱硬化させてもよい。上記の加熱装置70は、例えば、セラミックヒータ、熱風ジェットヒータ、パイプ電磁ヒータ、ハロゲンランプヒータ、接触式ゴムヒータ等が挙げられる。
尚、紫外線硬化型樹脂の硬化は、上記の方法では紫外線照射により表層を硬化させた後、加熱により内層を硬化させて、2段階で硬化させているが、紫外線硬化型樹脂を浸透させた後に、一度の紫外線の照射だけで止水剤全体を硬化させるようにしてもよい。
図4(a)〜(e)は、本発明のワイヤーハーネスの製造方法の他の例の製造工程を示し、止水中間スプライス部付近の説明図である。中間スプライス部20に保護シート30を巻付ける方法として、図4(a)に示すように、互いに接触するように配設されている一対のローラ110を用いた巻付け装置を用いる事もできる。巻付け装置は、中間スプライス部20の両端部の電線を、一対の側方溝に沿って移動させつつ下方に移動させると、中間スプライス部20が一対のローラ110によって挟込まれ、当該一対のローラ110を回転させつつ下方に移動するようになっている。以下、この巻付け装置を用いた巻付け方法を説明する。
まず図4(a)に示すように、保護シート30を天板部上に載置し、保護シート30上に止水剤40を供給すると共に、中間スプライス部20を載置する。
次いで図4(b)に示すように、電線束を側方溝に沿って下方に移動させる。中間スプライス部20が保護シート30によって挟込まれつつ一対のローラ110間に挟み込まれる。一対のローラ部110は、中間スプライス部20の周辺部分の形状に応じて弾性変形しつつ、中間スプライス部20、止水剤40及び保護シート30を挟込む。これにより、図4(c)に示すように、周りから力が加えられつつ保護シート30が中間スプライス部20及び止水剤40に巻付けられる。
次いで図4(d)に示すように、中間スプライス部20を一対の棒状部材120で挟み込んだ状態で、該棒状部材120を中間スプライス部20に向けて移動させる。図4(e)に示すように、保護シート30の外方から止水部が押圧された状態で、保護シート30が止水剤40の表面に巻付けられる。
以下、本発明の実施例、比較例を示す。尚、本発明は実施例により限定されるものではない。
実施例1
〔止水中間スプライス部〕
4.4φのポリ塩化ビニル(PVC)被覆電線を本線とし、3.6φのPVC被覆電線2本を枝線とする中間スプライスワークを作製した。本線及び枝線のPVC電線は、PVCに可塑剤としてDINPを18質量%含有する被覆材を有するものを用いた。
〔止水中間スプライス部〕
4.4φのポリ塩化ビニル(PVC)被覆電線を本線とし、3.6φのPVC被覆電線2本を枝線とする中間スプライスワークを作製した。本線及び枝線のPVC電線は、PVCに可塑剤としてDINPを18質量%含有する被覆材を有するものを用いた。
〔止水剤の紫外線硬化型樹脂組成物〕
粘度20Pa・s(25℃)に調製した下記のウレタンアクリレートからなる紫外線硬化型樹脂組成物に可塑剤としてDINPを組成物中の10質量%となるように含有せしめて止水剤の紫外線硬化型樹脂組成物とした。可塑剤添加前の紫外線硬化型樹脂は、硬化後のヤング率が5MPaであり、可塑剤添加後の紫外線硬化型樹脂の硬化後のヤング率が1MPaであった。
粘度20Pa・s(25℃)に調製した下記のウレタンアクリレートからなる紫外線硬化型樹脂組成物に可塑剤としてDINPを組成物中の10質量%となるように含有せしめて止水剤の紫外線硬化型樹脂組成物とした。可塑剤添加前の紫外線硬化型樹脂は、硬化後のヤング率が5MPaであり、可塑剤添加後の紫外線硬化型樹脂の硬化後のヤング率が1MPaであった。
(ウレタンアクリレートの組成)
・ウレタンアクリレートオリゴマー 60質量部
・アクリレート系モノマー 40質量部
・ウレタンアクリレートオリゴマー 60質量部
・アクリレート系モノマー 40質量部
〔止水剤の充填〕
紫外線透過率94%の透明なPVC製のラップフィルムを保護シートとし、該ラップフィルム上の中央に上記止水剤を1.1g塗布し、上記中間スプライスワークの中間スプライス部分を載せた後、PVCラップフィルムを貼り合わせて絞り込み、更に貼り合わせたPVCラップフィルムを巻き込んで、中間スプライス部と被覆材表面の約16mm長を覆う形に形成した。
紫外線透過率94%の透明なPVC製のラップフィルムを保護シートとし、該ラップフィルム上の中央に上記止水剤を1.1g塗布し、上記中間スプライスワークの中間スプライス部分を載せた後、PVCラップフィルムを貼り合わせて絞り込み、更に貼り合わせたPVCラップフィルムを巻き込んで、中間スプライス部と被覆材表面の約16mm長を覆う形に形成した。
〔止水剤の硬化〕
次に、中心波長が385nmのLED照射機(LED−UVランプ)を用い、上記PVCラップフィルムで巻き込んだ止水剤に、紫外線を照射して硬化させて、実施例1のワイヤーハーネスを作製した。
次に、中心波長が385nmのLED照射機(LED−UVランプ)を用い、上記PVCラップフィルムで巻き込んだ止水剤に、紫外線を照射して硬化させて、実施例1のワイヤーハーネスを作製した。
比較例1
比較のために上記実施例1の紫外線硬化型樹脂に可塑剤を添加しなかった以外は、上記実施例1と同様の材料を用い、同様の処理を行って止水部を形成して比較例1のワイヤーハーネスを作製した。
比較のために上記実施例1の紫外線硬化型樹脂に可塑剤を添加しなかった以外は、上記実施例1と同様の材料を用い、同様の処理を行って止水部を形成して比較例1のワイヤーハーネスを作製した。
得られたワイヤーハーネスについて、初期と、止水部全体を120℃の恒温槽に120時間入れた後(加熱後)について、耐圧試験と剥離接着強さの試験を行った。
〔耐圧試験による止水性能の評価〕
耐圧試験は、止水中間スプライス部全体を水中に浸漬した状態で、このハーネスの両端の電線全てからエアー圧200kPaの圧力を1分間加え、エアリークの有無を観察した。その結果、初期は、実施例1及び比較例1共にエアリークは無く良好な気密状態であった。実施例1は、加熱後であっても200kPaの耐圧気密性を有していた。これに対し比較例1は、50kPa、30秒で電線−止水剤間、及び被覆材−止水剤間の両方からエアリークの発生が観測された。
耐圧試験は、止水中間スプライス部全体を水中に浸漬した状態で、このハーネスの両端の電線全てからエアー圧200kPaの圧力を1分間加え、エアリークの有無を観察した。その結果、初期は、実施例1及び比較例1共にエアリークは無く良好な気密状態であった。実施例1は、加熱後であっても200kPaの耐圧気密性を有していた。これに対し比較例1は、50kPa、30秒で電線−止水剤間、及び被覆材−止水剤間の両方からエアリークの発生が観測された。
比較例1の加熱後の止水剤(紫外線硬化型樹脂)の状態を観察したところ、樹脂の軟化が見られた。また比較例1の加熱後の紫外線硬化型樹脂中の可塑剤の分析を行ったところ、可塑剤(DINP)が18質量%含まれていた。
〔剥離接着強さの測定〕
剥離接着強さは、止水中間スプライス部の4.4φ電線と3.6φ電線の2本の電線をT字状に折り曲げて引張り、被覆材と止水剤との間の剥離接着強さを測定した。具体的には、電線が止水剤から剥離した際の応力を電線接着半円状の合計の長さで除した値を接着強さとした。測定の結果、比較例1の初期の剥離接着強さは、3500N/mであったが、120℃、120時間後の剥離接着強さは、400N/mに低下していた。これに対し実施例1は、初期の剥離接着強さが、1000N/mであり、初期は比較例1よりも低い数値であったが、加熱後の接着強さは800N/mであり、比較例1と比較して2倍の剥離接着強さを有していた。
剥離接着強さは、止水中間スプライス部の4.4φ電線と3.6φ電線の2本の電線をT字状に折り曲げて引張り、被覆材と止水剤との間の剥離接着強さを測定した。具体的には、電線が止水剤から剥離した際の応力を電線接着半円状の合計の長さで除した値を接着強さとした。測定の結果、比較例1の初期の剥離接着強さは、3500N/mであったが、120℃、120時間後の剥離接着強さは、400N/mに低下していた。これに対し実施例1は、初期の剥離接着強さが、1000N/mであり、初期は比較例1よりも低い数値であったが、加熱後の接着強さは800N/mであり、比較例1と比較して2倍の剥離接着強さを有していた。
本発明は上記実施例に限定されるものではない。上記実施例では、中間スプライス部では4本の電線が束ねられた電線束を例として説明したが、電線束は複数の電線であればよく、4本以外の電線を用いてもよい。
また上記実施例では、止水部分として中間スプライス部に適用した例を説明したが、本発明は、光透過性の保護キャップ類の中に止水剤を充填して得られる端末スプライスの止水部分や、圧着端子にて構成されるアース端子の止水部分、コネクター挿入用の電線かしめ端子の止水部分等に適用することができる。
1 ワイヤーハーネス
2 導体
3 被覆材
4 絶縁電線
5 導体露出部
6 導体露出部に隣接する前後の被覆部
7 電線束
10 止水中間スプライス部(止水部)
20 中間スプライス部
30 保護シート
40 止水剤
2 導体
3 被覆材
4 絶縁電線
5 導体露出部
6 導体露出部に隣接する前後の被覆部
7 電線束
10 止水中間スプライス部(止水部)
20 中間スプライス部
30 保護シート
40 止水剤
Claims (5)
- 導体が絶縁体からなる被覆材により被覆された絶縁電線が複数本束ねられた電線束を有し、前記被覆材の一部が除去されて内部の導体が露出した導体露出部が紫外線硬化型樹脂からなる止水剤により被覆され、前記止水剤の表面が光透過性の保護シートにより被覆されている止水部を有するワイヤーハーネスであって、
前記電線被覆材に含有する可塑剤と同種の可塑剤が、前記止水剤に添加されていることを特徴とするワイヤーハーネス。 - 前記止水剤に添加されている可塑剤の含有量が、前記止水剤中の5〜15質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載のワイヤーハーネス。
- 前記止水部の前記止水剤が、前記導体露出部に隣接する前記被覆材の表面を被覆していることを特徴とする請求項1記載のワイヤーハーネス。
- 前記止水剤と前記被覆材の接着強さが、120℃、120時間処理後の剥離接着強さで500N/m以上であることを特徴とする請求項1記載のワイヤーハーネス。
- 導体が絶縁体からなる被覆材により被覆された絶縁電線が複数本束ねられた電線束を有し、前記被覆材の一部が除去されて内部の導体が露出した導体露出部が紫外線硬化型樹脂からなる止水剤により被覆され、前記止水剤の表面が光透過性の保護シートにより被覆されている止水部を有するワイヤーハーネスの製造方法であって、
前記被覆材に含有する可塑剤と同種の可塑剤が添加されている止水剤を用い、前記止水部に前記止水剤を供給し、光透過性を有する保護シートにより前記止水剤の表面を被覆した状態で光照射を行い、前記止水剤を硬化させることを特徴とするワイヤーハーネスの製造方法。
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