JP2013249754A - 圧縮機および冷凍サイクル装置 - Google Patents

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JP2013249754A JP2012123883A JP2012123883A JP2013249754A JP 2013249754 A JP2013249754 A JP 2013249754A JP 2012123883 A JP2012123883 A JP 2012123883A JP 2012123883 A JP2012123883 A JP 2012123883A JP 2013249754 A JP2013249754 A JP 2013249754A
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Abstract

【課題】本発明の目的は、インバータ回路を利用せず、効率の高い圧縮機及びそれを搭載した冷凍サイクル装置を提供することにある。
【解決手段】巻線が通電することで回転磁界を発生させる固定子と、金属枠に永久磁石を有し、回転磁界により金属枠に誘起電流が流れることにより回転する回転子と、を備え、回転子が回転することでクランク軸を介して旋回スクロールが前記固定スクロールに対して旋回し、互いの渦巻状ラップが噛み合いながら圧縮室を構成する圧縮機において、クランク軸及び回転子は、圧縮室により高圧となった冷媒が充満する高圧チャンバの内側に配置されるとともに、固定子は、高圧チャンバの外側に配置され、さらに、回転子と固定子との間には、高圧チャンバの内側と外側とを仕切り、非磁性体部材及び複数の磁性体部材から構成される仕切り板が配置され、複数の磁性体部材により、固定子から回転子への回転磁界が形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は圧縮機および冷凍サイクル装置に関する。
従来のアキシャルギャップ型モータを搭載する圧縮機では、例えば特許文献1に記載されているように、モータが圧縮機構部と密閉された容器に配置されている。上記アキシャルギャップ型モータは、冷凍サイクルから吸い込んだ低圧冷媒が流れる低圧側に配置され、モータのロータ回転より冷媒がステータを通って圧縮機構部に流れ込んで圧縮される。
特開2007−32429号公報
この構成によれば、冷媒を圧縮機構部に流れ込むまで、冷媒に含まれた液滴、油滴が分離され、液圧縮を効果的に防止できる利点があった。
しかし、上記従来の圧縮機構成では、モータは圧縮機の機構部と同一密閉容器内に配置されているため、高温の冷媒に曝されることで加熱され、効率が低下する。また、圧縮機の運転中は駆動モータ巻線の発熱により、冷凍サイクルに循環する冷媒は、そのモータの熱量も追加で移送することになり、冷凍サイクルの効率が低下する。
さらに、モータの駆動運転ではインバータ回路の制御が必要であり、システムのコスト増加やインバータ回路の故障により信頼性の低下などの問題がある。
そこで、本発明の目的は、インバータ回路を利用せず、効率の高い圧縮機及びそれを搭載した冷凍サイクル装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、渦巻状ラップが形成された固定スクロールと、渦巻状ラップが形成された旋回スクロールと、巻線が巻かれた複数の小固定子を有し、該巻線が通電することで回転磁界を発生させる固定子と、金属枠に永久磁石を有し、前記回転磁界により前記金属枠に誘起電流が流れることにより回転する回転子と、を備え、該回転子が回転することでクランク軸を介して前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対して旋回し、互いの渦巻状ラップが噛み合いながら圧縮室を構成する圧縮機において、前記クランク軸及び前記回転子は、前記圧縮室により高圧となった冷媒が充満する高圧チャンバの内側に配置されるとともに、前記固定子は、前記高圧チャンバの外側に配置され、さらに、前記回転子と前記固定子との間には、前記高圧チャンバの内側と外側とを仕切り、非磁性体部材及び複数の磁性体部材から構成される仕切り板が配置され、前記複数の磁性体部材により、前記固定子から前記回転子への前記回転磁界が形成されることを特徴とするものである。
本発明によれば、インバータを制御せず、簡単な構成で磁気誘導方式により高効率の圧縮機を提供できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1の形態を示す自己始動式アキシャルギャップ同期モータにより駆動する圧縮機の断面構成図。 本発明の実施例1の形態を示す自己始動式アキシャルギャップ同期モータの回転子の構成外形図。 本発明の実施例1の形態を示す磁気誘導部材の断面構成外形図。 本発明の実施例1の形態を示す自己始動式アキシャルギャップ同期モータの固定子の構成部材の小固定子の構成図。 本発明の実施例1の形態を示す自己始動式アキシャルギャップ同期モータの固定子の断面構成図。 本発明の実施例1の形態を示す自己始動式アキシャルギャップ同期モータの回転子始動時に発生する誘導電流と回転力の方向を説明する図。 本発明の実施例2の形態を示す自己始動式アキシャルギャップ同期モータにより駆動する圧縮機の断面構成図。 本発明の実施例2の形態を示す磁気誘導部材の断面構成外形図。 本発明の実施例3の形態を示す自己始動式アキシャルギャップ同期モータにより駆動する圧縮機の断面構成図。 本発明の実施例1〜3の形態を示す空気調和機の冷凍サイクル構成図。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
図1は本発明の実施例1の形態を示す自己始動式アキシャルギャップ同期モータにより駆動する圧縮機の断面構成図である。本発明の実施例1について図1〜図6を参照しながら説明する。
図1において、圧縮機82は、仕切り板(磁気誘導板50)により、冷媒圧縮機構部を有する密閉チャンバ69(高圧チャンバ)と冷媒圧縮機構部を駆動する自己始動式アキシャルギャップ同期モータ1の固定子2を有する開放チャンバ79とを仕切って構成されている。圧縮機構部は、固定スクロール部材60の固定スクロール端板61に直立する渦巻状ラップ62と、旋回スクロール部材63の旋回スクロール端板64に直立する渦巻状ラップ65とが噛み合わせて形成されている。固定スクロール部材60は圧縮機ケーシング18に圧入し、溶接で固定する。そして、旋回スクロール部材63をクランク軸4によって旋回運動させることで冷媒の圧縮動作を行う。
固定スクロール部材60及び旋回スクロール部材63によって形成される圧縮室66(66a、66b、…)のうち、最も外径側に位置している圧縮室66は、旋回運動に伴って両スクロール部材60、63の中心に向かって移動し、容積が次第に縮小する。圧縮室66(66a、66b、…)が両スクロール部材60、63の中心近傍に達すると、その中の圧縮冷媒は吐出口67から吐出される。吐出された圧縮ガスは、固定スクロール部材60及びフレーム68に設けられたガス通路(図示せず)を通ってフレーム68下部の密閉チャンバ69(圧力チャンバ)内に至り、密閉チャンバ69の側壁に設けられた吐出パイプ70から圧縮機外に排出される。
密閉チャンバ69、旋回スクロール部材63および回転子3は共にクランク軸4と締結している。回転子3が回転する時、旋回スクロール部材63もクランク軸4の回転に応じて旋回し、冷媒の圧縮動作を行う。密閉チャンバ69の下部には、油溜め部71が設けられている。油溜め部71内の油は背圧室と密閉チャンバ69との圧力差によって、クランク軸4内に設けられた油孔72を通って、旋回スクロール部材63とクランク軸4との摺動部、滑り軸受け5等の潤滑に供される。
図2は回転子3の外形図であり、前記回転子3は非磁性材料(金属、又は非金属でも良い)から構成され、円盤形状であり、図2に示すような金属枠6を回転子3にと同軸で配置し、金属枠6の直径は前記回転子3とほぼ同じである。また回転子3と金属枠6との間には絶縁紙が設けられる。金属枠6の材質はアルミ(アルミ合金を含む)又は銅材(銅合金材を含む)で、アルミダイカスト又は鍛造などの方法で製作したものである。複数の永久磁石17を金属枠6に設けた外周側の等間隔のスペースに接着剤で貼り付け、複数の永久磁石17の外周はそれぞれ金属枠6とを接触させないように数ミリの空間を設けている。
回転子3は組立後、着磁装置を用いてパルス電流を流すことにより隣同士の永久磁石17の異が極なるように着磁される。ここで、永久磁石17の材質はフェライト、又は希土類磁石でも良い、形状は略扇形(長方形、正方形、楕円、円などの形状でも良い)で、厚みは均等又は不均一でも良い。そして、回転子3と仕切り板(磁気誘導板50)の磁性体52aとのギャップは(2mm以下)の均一、又は不均一である。
図3は仕切り板(磁気誘導板50)の断面構造であり、図3(B)は軸方向の断面で、図3(A)は径方向の断面である。なお、図3(C)、(D)も同様に径方向の断面である。仕切り板(磁気誘導板50)は、密閉チャンバ69の内径より僅かに小さい外径の非磁性材部材(非磁性材金属円盤51)と複数の磁性体52a(電磁鋼板、アモルファス材料、圧粉磁心など)とから構成されている。非磁性材部材(非磁性材金属円盤51)は厚み5〜15mm程度の例えばステンレスなどである。
非磁性材部材(非磁性材金属円盤51)に複数の孔52を外周方向に並んで設け、複数の磁性体52aをそれぞれ嵌め合って溶接などにより接合する。後で説明するように、この複数の磁性体52aは、複数の小固定子16と同一個数であり、大きさもほぼ同等とすることが望ましい。なお、後で説明するように固定子鉄心14に巻線15を巻きつけたものを本実施例では小固定子16と呼ぶ。また、複数の磁性体52aと複数の小固定子16とがクランク軸方向に対して対向するように配置されることが望ましい。
ここで、磁性体52aの形状は図3(C)の磁性体52cに示すように、非磁性材部材(非磁性材金属円盤51)の軸方向両側に突き出すような構造としてもよく、あるいは図3(D)の磁性体52dに示すように非磁性材部材(非磁性材金属円盤51)の軸方向長さとほぼ同一としても良い。このように構成される仕切り板(磁気誘導板50)が冷媒圧縮機構部を内側に有する密閉チャンバ69と開放チャンバ79とを仕切るように圧縮機ケーシング18に溶接される。つまり、この圧縮機82は、高温高圧の冷媒ガスで満たされる密閉チャンバ69(高圧チャンバ)とモータの固定子2を配設する開放チャンバ79とを仕切り板(磁気誘導板50)で仕切っているため、固定子2が冷媒にさらされることが無くなるので、固定子2の発熱による冷媒温度上昇を低減し冷凍サイクルの効率向上を図ることが可能となる。
開放チャンバ79において、自己始動式アキシャルギャップ同期モータの固定子2は、複数の小固定子16および磁気誘導端板7をホルダー8にセットしてモールドしたものである。これを圧縮機ケーシング18に固定している。固定子2は、開放部分の開放チャンバ79に圧入し、仕切り板(磁気誘導板50)と0.3〜1.5mmのエアギャップを保持して固定される。固定子2の巻線のリード線は開放チャンバ79に設けた穴92を通って端子台91に接続される。ゴミなどの侵入を防ぐため、蓋31を圧縮機ケーシング18にボルトで取り付ける。
図4は自己始動式アキシャルギャップ同期モータの固定子2の固定子鉄心14及び小固定子16の構成の外形図である。
図4(A)に示すように、固定子鉄心14は、一定長さの略扇形断面形状であり(円、楕円、台形などの形状でも良い)、中心の非磁性体材料の非磁性体部材11は樹脂成形などの方法で作成される。そして非磁性体部材11を中心部として片面絶縁皮膜を有する電磁鋼板12を非磁性体部材11の外形を沿って巻き、所定の寸法になると電磁鋼板12を切断し、接着剤や樹脂のコーティングによって固め、或いは接着剤付きの絶縁紙13を設けて固定子鉄心14として固定する。電磁鋼板12としてはアモルファス薄帯などを用いることが望ましい。図4(B)は完成した扇形断面のアモルファス材料の固定子鉄心14を示している。
なお、固定子鉄心14としては、図4(C)に示すような電磁鋼板を積層し、外周に樹脂などの絶縁材をコーティングして作る固定子鉄心14aでもよい。さらに、固定子鉄心14(又は14a)に巻線15を巻き付け、巻線15の両端線15a、15bを外部に出すことにより、図4(D)に示す小固定子16を形成する。
図5は固定子2の軸方向の断面図であり、図に示すようにホルダー8の外周方向に等間隔で複数の孔19を設け、複数の小固定子16をそれぞれの孔19に装着して固定する。小固定子16の数は3n個である(n=1、2、3・・・自然数)。三相巻線(U、V、W)の端線は3n個の小固定子16の端線15a、15bをそれぞれ結線して形成され、樹脂を型に流し込んで一体化した固定子2がモールド成形されている。
そして、回転子3および固定子2は仕切り板(磁気誘導板50)を挟むように配置され、仕切り板(磁気誘導板50)に設けられた複数の磁性体52aは、その両側に配置された回転子3に貼り付けた複数の永久磁石17および固定子2とエアギャップが設けられ、アキシャルギャップ型モータが形成されている。アキシャルギャップ型モータのギャップは0.3〜1.5mmである。ギャップは狭い方が良いが、仕切り板(磁気誘導板50)が高圧チャンバ(密閉チャンバ69)の仕切りとなっているため、たわむこととなるので、その変形量も考慮してギャップが決定される。
ここで、アキシャルギャップ型モータの動作について説明する。
図6は実施例1の形態を示す自己始動式アキシャルギャップ同期モータの回転子始動時に発生する誘導電流と回転力の方向を説明する図である。固定子2の三相の巻線15を商用電源を用いて通電すると、図6に示すように、巻線15により回転磁界Hが発生する。
ここで上記した仕切り板(磁気誘導板50)は、圧縮機82全体のチャンバを、密閉チャンバ69と開放チャンバ79とを仕切るだけでなく、固定子2からの回転磁界を回転子3に伝えなければならない。そこで本実施例においては、巻線が巻かれた複数の小固定子16を有し、巻線が通電することで回転磁界を発生させる固定子2と、金属枠6に永久磁石17を有し、回転磁界により金属枠6に誘起電流が流れることにより回転する回転子3と、を備え、回転子3が回転することでクランク軸4を介して旋回スクロール部材63が固定スクロール部材60に対して旋回し、互いの渦巻状ラップ(62、65)が噛み合いながら圧縮室66を構成する圧縮機において、以下のような構成とするものである。
具体的には、クランク軸4及び回転子3を、圧縮室66により高圧となった冷媒が充満する高圧チャンバ(密閉チャンバ69)の内側に配置されるとともに、固定子2は、高圧チャンバ(密閉チャンバ69)の外側に配置され、さらに、回転子3と固定子2との間には、高圧チャンバ(密閉チャンバ69)の内側と外側とを仕切り、非磁性体部材(非磁性材金属円盤51)及び複数の磁性体部材(磁性体52a)から構成される仕切り板(磁気誘導板50)が配置され、複数の磁性体部材(磁性体52a)により、固定子2から回転子3への回転磁界が形成されるものである。
なお、複数の磁性体部材(磁性体52a)は、複数の小固定子16とクランク軸方向に対して対向するように配置される。つまり、クランク軸方向から見るとそれぞれが対応して同じ位置に配置される。また、複数の磁性体部材(磁性体52a)は、複数の小固定子16と同一個数であることが望ましい。また、仕切り板(磁気誘導板50)は、回転子3と沿うように平行に並んで配置され、略円形状で構成されるとともに、複数の磁性体部材(磁性体52a)は仕切り板(磁気誘導板50)の周方向に並んで配置され、複数の小固定子16は固定子2の外周方向に並んで配置される。
なお、本実施例の圧縮機を室内機と室外機とから構成され、圧縮機により冷媒を循環させることで冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置に適用することにより、冷凍サイクルの高効率化及び信頼性向上を図ることが可能である。
ここで、回転磁界Hが発生することにより、商用電源によりモータの自己始動が可能である理由を説明すると、上記したように、回転磁界Hが形成されることにより固定子2とクランク軸4方向に対向配置された回転子3に設けた金属枠6に起電力が誘導され、金属枠6で構成された各回路には誘起電流Iが流れる。この時、誘起電流Iが流れている導体の金属枠6には、回転磁界Hを受け、フレミングの左手の法則により、図6に示すような回転力Fが発生する。これにより、回転子3には回転トルクが発生し、モータは誘導モータとして駆動、加速され、回転数が上昇する。回転子3の回転数が同期回転数に近づいていくと、回転子3に設けた永久磁石17の働きにより、回転子3が回転磁界の同期速度に引き込まれ、モータは同期モータとして運転される。この時クランク軸4に締結している旋回スクロール部材63が旋回することで、圧縮機が動作する。
なお、巻線の信頼性を向上するため、回転子3は専用ヨーク治具を用いて着磁した後、圧縮機の機構部と締結することとしても良い。磁束漏れを防ぐため、固定子2の片方の端面に磁気誘導端板7を設けている。磁気誘導端板7は、その材質は電磁鋼板などの磁性体で、形状は環状であり、径方向の面積は複数の小固定子16の全体を覆う大きさである。また、複数の小固定子16から出てきた磁束を磁性体52aに誘導し、磁束漏れが低減され、モータの効率が改善される。
本実施例に示しているモータの固定子2は12極、回転子は8極の構成になっているが、固定子2と回転子3の極数比はそれ以外の組み合わせでも良い。
上述した実施例によれば、自己始動式アキシャルギャップ同期モータを用いて、磁気誘導方式で圧縮機を駆動する場合において、インバータ制御をすることなく、商用電源で一定速運転可能であり、インバータ回路が不要となるからコスト低減できる。
また、低鉄損で高透磁率のアモルファス薄帯を渦巻状に巻くことにより固定子鉄心14を作り、これに巻線15を巻いて小固定子16を製作し、該小固定子16を外周方向に配置するようにして固定子2を製作しているので、簡単な製造工程で固定子2を製作することができるだけでなく、鉄損の少ない高効率の自己始動式アキシャルギャップ同期モータを実現することが可能になる。
さらに、固定子2を密閉チャンバ69の外部である開放チャンバ79内に配置することにより、冷凍サイクルにモータ巻線の発熱の影響を与えないため、冷凍サイクルの高効率化を実現できる。また、それとともに、圧縮機の信頼性、メンテナンスも向上することができる。
従って、本実施例によれば、インバータを用いることなく、商用電源により、高効率で高力率の一定速運転可能な圧縮機を得ることができる。
図7は本発明の実施例2の形態を示す自己始動式アキシャルギャップ同期モータにより駆動する圧縮機の断面構成図である。図8(B)は実施例2の形態を示す磁気誘導板の軸方向の断面で、図8(A)は径方向の断面である。なお、図8(C)も同様に径方向の断面である。
本実施例は実施例1と同様な圧縮機構部の内容を省略し、自己始動式アキシャルギャップ同期モータの異なる構成部分を述べる。図8に示すように、仕切り板(磁気誘導板50)は、その外径が密閉チャンバ69の内径より僅かに小さい非磁性材部材(非磁性材金属円盤51)と複数の磁性体52eとから構成される。ここで、非磁性材部材(非磁性材金属円盤51)の厚みは5〜10mmのステンレスなどで構成され、複数の磁性体52eは電磁鋼板、圧粉磁心などで構成される。
非磁性材部材(非磁性材金属円盤51)には、孔52を外周方向に並んで設け、複数の磁性体52eを図8(C)に示すようにそれぞれ嵌め合って接合する。複数の磁性体52eに樹脂など絶縁材でコーティングした後、巻線15を巻き付けることにより小固定子16を構成する。つまり、本実施例では、磁性体52eを固定子側に延ばして構成することで実施例1の固定子鉄心14の役割をも果たすようにしたものである。このように仕切り板(磁気誘導板50)及び小固定子16を一体化することで磁気誘導部品54を図8(A)に示すように構成する。なお、小固定子16は樹脂を型に流し込むことでモールドし一体化して構成される。
磁気誘導部品54は、回転子3とのエアギャップが0.3〜1.5mmの均一に対向するように、圧縮機82のケーシングに接合する。図7の構成では非磁性材金属円盤51のたわみがほとんど無いため、隙間は小さい方が良い。
このような構成により、圧縮機運転の時、複数の小固定子16に三相巻線にそれぞれ通電すると、磁性体52eに巻き付けつけた巻線15から回転磁界が発生し、その磁束は磁性体52eを介して密閉チャンバ69に配置された回転子3の永久磁石17に直接に届き、回転磁界と永久磁石17との間の磁気吸引力又は磁気反発力の作用により、回転子3は回転磁界と同期して回転する。これにより、クランク軸4に締結している旋回スクロール部材63が旋回することで、圧縮機82が駆動する。
本実施例では、複数の小固定子16と磁気誘導板50とを一体化したため、磁路の磁気抵抗は大幅に減少し、磁束漏れを防ぐことができる。そのため、実施例1が有する利点を享受すると共に実施例1よりモータの効率を大幅に改善することができる。したがって、実施例1よりもさらに高効率な自己始動型の圧縮機とすることができる。
図9は本発明の実施例3の自己始動式アキシャルギャップ同期モータ1により駆動される圧縮機の断面構成図である。図9の圧縮機は、自己始動式アキシャルギャップ同期モータ1の両端面部に、密閉チャンバ69を0.3〜1.5mmのエアギャップを保持して配置する。そして圧縮機ケーシング18と自己始動式アキシャルギャップ同期モータの固定子ケーシング95をボルトで締結して形成されている。
図9の冷媒圧縮機構部を保持する密閉チャンバ69の構成は実施例1、2と同じものであるため、説明を省略する。本実施例の自己始動式アキシャルギャップ同期モータの固定子2aは実施例1の固定子2に磁気誘導端板7を設けないものであり、他の構成は実施例1と同様で開放チャンバ79に設置される。
固定子2aの三相巻線に通電すると、固定子2aの両端面に回転磁界が発生し、固定子2aのクランク軸方向両側に配置されている回転子3に対して複数の磁性体52aを介して伝わる。これにより、それぞれの回転子3の金属枠6に誘起電流が流れることで吸引又は反発の力が生じ、その結果、両側の回転子3が回転磁界に誘導され同期して回転する。そして、クランク軸4に固定された両方の旋回スクロール部材63も、回転子3の回転運動に伴って旋回運動する。これによって2つの冷媒圧縮機構部による冷媒の圧縮動作が行われる。
本実施例によれば、実施例1および実施例2の効果が得られるうえで、実施例1、2より大容量な圧縮機を実現することができる。
図10は本発明の実施例4の形態を示す空気調和機の冷凍サイクル構成図である。図10において、80は室外機、81は室内機である。圧縮機82内には冷媒が封入され、配管を通して凝縮器84と、膨張弁85と、蒸発器86とを繋げている。室外機80および室内機81にファン88とモータを備えている。圧縮機82の運転によりファンを回転させ、熱交換器に流れている冷媒を周囲空気と熱交換することができる。冷凍サイクルは冷媒を矢印の方向に循環させ、圧縮機82は冷媒を圧縮して、室外機80と、室内機81間で熱交換を行って冷房機能を発揮する。図示していないが、四方弁を備えることによって、冷凍サイクルの向きを逆転させれば、暖房機能を発揮することができる。冷暖房が逆転すれば凝縮器84と蒸発器86との関係も逆転する。
以上、各実施例で示した自己始動式アキシャルギャップ同期モータを用いた圧縮機を空気調和機、冷蔵および冷凍の冷凍サイクル装置などに使用すると、圧縮機の効率向上により入力を低減できる。また、圧縮機の運転中に固定子が高温高圧の冷媒、冷凍油に曝されることがなくなり、巻線の絶縁や経年劣化の点で信頼性の向上にも寄与できる。さらに、モータが密閉チャンバとは別の部屋に配置されるため、モータのメンテナスが容易にできる。
1 自己始動式アキシャルギャップ同期モータ
2 固定子
3 回転子
4 クランク軸
5 軸受け
6 金属枠
7 磁気誘導端板
8 ホルダー
10 ホルダー穴
11 非磁性体部材
12 電磁鋼板
13 絶縁紙
14 固定子鉄心
15 巻線
15a、15b 巻線端線
16 小固定子
17 永久磁石
18 圧縮機ケーシング
19、52 孔
50 磁気誘導板
51 非磁性材金属円盤
52a、52c、52d、52e 磁性体
54 磁気誘導部品
60 固定スクロール部材
61 固定スクロール端板
62、65 渦巻状ラップ
63 旋回スクロール部材
64 旋回スクロール端板
66 圧縮室
67 吐出口
68 フレーム
69 密閉チャンバ
70 吐出パイプ
71 油溜め部
72 油孔
75 バランス
79 開放チャンバ
80 室外機
81 室内機
82 圧縮機
83 圧縮機フレーム
84 凝縮器
85 膨張弁
86 蒸発器
88 ファン
90 吸い込み口

Claims (8)

  1. 渦巻状ラップが形成された固定スクロールと、
    渦巻状ラップが形成された旋回スクロールと、
    巻線が巻かれた複数の小固定子を有し、該巻線が通電することで回転磁界を発生させる固定子と、
    金属枠に永久磁石を有し、前記回転磁界により前記金属枠に誘起電流が流れることにより回転する回転子と、を備え、
    該回転子が回転することでクランク軸を介して前記旋回スクロールが前記固定スクロールに対して旋回し、互いの渦巻状ラップが噛み合いながら圧縮室を構成する圧縮機において、
    前記クランク軸及び前記回転子は、前記圧縮室により高圧となった冷媒が充満する高圧チャンバの内側に配置されるとともに、
    前記固定子は、前記高圧チャンバの外側に配置され、さらに、
    前記回転子と前記固定子との間には、前記高圧チャンバの内側と外側とを仕切り、非磁性体部材及び複数の磁性体部材から構成される仕切り板が配置され、
    前記複数の磁性体部材により、前記固定子から前記回転子への前記回転磁界が形成されることを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1の圧縮機において、
    三相の商用電源により、前記巻線に対して通電が行われることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項1の圧縮機において、
    前記複数の磁性体部材は、前記複数の小固定子と前記クランク軸方向に対して対向するように配置されることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項1の圧縮機において、
    前記複数の磁性体部材は、前記複数の小固定子と同一個数であることを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項3の圧縮機において、
    前記仕切り板は、前記回転子と沿うように配置され、略円形状で構成されるとともに、
    前記複数の磁性体部材は前記仕切り板の周方向に並んで配置され、
    前記複数の小固定子は前記固定子の周方向に並んで配置されることを特徴とする圧縮機。
  6. 請求項1の圧縮機において、
    前記固定子に対して前記回転子と反対側に別の高圧チャンバをさらに備え、
    該密閉チャンバは、
    金属枠に永久磁石を有し、前記回転磁界により該金属枠に誘起電流が流れることにより回転する回転子を内部に有しており、
    該回転子が回転することでクランク軸を介して旋回スクロールが固定スクロールに対して旋回し、互いの渦巻状ラップが噛み合いながら圧縮室が構成されることを特徴とする圧縮機。
  7. 請求項1の圧縮機において、
    前記固定子及び前記回転子の間に非磁性金属板を設け、該非磁性金属板は圧縮機のケーシングに溶接されて構成されることを特徴とする圧縮機。
  8. 室内機と室外機とから構成され、圧縮機により冷媒を循環させることで冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置において、
    前記圧縮機は、請求項1〜7の何れかに記載の圧縮機であることを特徴とする冷凍サイクル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109681427A (zh) * 2017-10-19 2019-04-26 日立江森自控空调有限公司 密闭型电动压缩机

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