JP2013247035A - 電極とこの電極を用いた蓄電デバイスおよびその製造方法ならびに活物質の評価方法 - Google Patents

電極とこの電極を用いた蓄電デバイスおよびその製造方法ならびに活物質の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活物質が本来有する反応抵抗および容量維持率等の特性を評価する方法、電極の製造方法を提供する。
【解決手段】活物質とバインダとを含む活物質層が集電体上に形成された電極を製造する方法であって、活物質とバインダとを含む活物質層形成用組成物を用意すること、活物質層形成用組成物を集電体上に供給して活物質層を形成すること、活物質層を圧縮して活物質層の密度を調整して電極を得ること、を包含し、上記活物質として、下記で定義される活物質の基本キャパシタンス:活物質とバインダからなる所定の特性を有する活物質層が集電体上に備えられてなる電極を、非水電解質中において、互いに絶縁された状態で、対向し、配置された評価用セルを用意し、交流インピーダンス測定を行った際の、周波数が0.1Hzにおける電気二重層容量の実部成分を活物質の基本キャパシタンスとする;が0.1F/g〜0.16F/gの範囲内である活物質を用いる。
【選択図】図4

Description

本発明は、活物質の評価方法に関する。さらに詳しくは、活物質の評価方法と、この評価方法により評価された活物質と、この評価方法を利用した電極とその製造方法、ならびに、この電極を用いた蓄電デバイスに関する。
近年、非水電解質二次電池(典型的には、リチウムイオン電池)や電気二重層キャパシタおよびこれらの複合体(典型的にはリチウムイオンキャパシタ)等に代表される蓄電デバイスの重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられる。
蓄電デバイスの一つの典型的な構成では、例えば、リチウムイオン電池の場合、電荷担体となるリチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出し得る活物質を含む活物質層が、導電性部材(集電体)に保持された電極を備えている。そして、かかる構成の正負の電極を、典型的にはパレータを介して配置し、非水系の電解質に浸漬することで、正負の電極間で充放電が行われ得る。
このリチウムイオン電池等に用いる負極活物質の一つとして、黒鉛等の炭素質材料が知られている。そして、特許文献1には、黒鉛系炭素質物により結晶性の劣る炭素質物を被着させた構造の粉体からなる負極活物質について、これを用いて構築したリチウムイオン電池を充放電させた後に測定される負極/電解液界面の電気二重層容量が、7.0×10−4F以上、10×10−4F未満の範囲にある負極活物質については、充電受入性が高く、かつ膨れの少ない電極を構成し得るものであることが開示されている。
特開2003−272621号公報
しかしながら、上記の特許文献1に開示される電気二重層容量は、電池を充放電させた後に測定される電気二重層容量であり、負極活物質自体の電気二重層容量と、二次電池の充放電に伴い負極表面に形成される表面被膜(SEI膜)の電気二重層容量とを含んだ値である。そのため特許文献1における電気二重層容量は、測定の際に使用した電解質の種類や濃度、正極の構成、サイクル条件等の様々な影響を受けて変化してしまっていた。そのため、特許文献1の開示では、特定の構成の電池全体の評価を行うことができても、例えば電極自体が、あるいは負極活物質自体が本来有する性能のみを直接的に評価することは困難であった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、他の構成部材の影響を極力排除した状態で、活物質が本来有する特性から活物質自体、あるいはその活物質を用いて得られる電極または電池の反応抵抗および容量維持率の特性を評価する方法を提供することである。また、この評価方法を取り入れて構築される、反応抵抗および容量維持率等の特性を高め得る活物質、電極等を提供することである。そしてまた、その電極の製造方法をも提供する。
所定の構成の電極を2枚用いて構築される評価用セルについて、この2枚の電極は同一のものであるため両電極間に電圧を印加しても2枚の電極間およびそれらの活物質間に電位差は生じない。したがって、電極の表面に表面被膜(SEI膜)は形成されない。また、両電極における活物質の結晶構造内に電荷担体が吸蔵されたり、結晶構造から電荷担体が放出される現象も見られず、電荷担体は両電極の活物質表面の間を移動できるのみである。本願発明者らは、以上のことに着目し、かかる評価用セルの交流インピーダンス測定法により得られるいわゆる「電気二重層容量」の値が、(1)当該所定の構成の電極において活物質が実際に吸着し得る電荷担体の電荷量に等しいこと、また、(2)その電荷量は活物質以外の因子にほとんど影響されないこと、さらに、(3)この活物質を用いて作製した蓄電デバイスに係る反応抵抗や、例えば容量維持率等の特性を良好に反映し得ること、を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、ここに開示される製造方法は、活物質とバインダとを含む活物質層が集電体上に形成された電極を製造する方法である。かかる製造方法は、活物質とバインダとを含む活物質層形成用組成物を用意すること、上記活物質層形成用組成物を集電体上に供給して活物質層を形成すること、上記活物質層を圧縮して上記活物質層の密度を調整して電極を得ること、を包含する。そして、上記活物質として、下記で定義される「活物質の基本キャパシタンス」が0.1F/g〜0.16F/gの範囲内である活物質を用いることを特徴としている。
ここで、活物質の基本キャパシタンスとは、活物質と、バインダとを、活物質:バインダが98:2〜99:1となる質量比で含み、目付量が3.5〜4.0mg/cmで、密度が0.95g/cm〜1.02g/cmとなるように形成された活物質層が集電体上に備えられてなる電極を2枚用意すること、非水電解質中において上記活物質層が対向し、かつ、互いに絶縁された状態で上記2枚の電極が配置された評価用セルを用意し、上記評価用セルの交流インピーダンス測定を行った際の、周波数が0.1Hzにおける電気二重層容量の実部成分を「活物質の基本キャパシタンス」と定義している。
以下、上記活物質の基本キャパシタンスの定義で用いられる電極の構成を「基本的な電極構成」、上記の電極を「基本的な電極」等のように表現する場合がある。
上記の知見から、両電極間に印加する電圧の周波数が、例えば0.1Hzと十分に低い場合の電気二重層容量は、上記基本的な構成の電極における活物質のキャパシタンスとみなすことができる。この活物質の基本キャパシタンスは、例えば、使用した電解質の種類や濃度、バインダの種類、電気二重層容量の測定のタイミング等の影響を受けることなく、活物質が本来有する性能をほぼ直接的に反映し得るものであるといえる。すなわち、かかる活物質の基本キャパシタンスを指標とすることにより、この活物質を用いて電極を形成した際の実質的な反応面積、反応抵抗特性、ひいてはこの活物質を用いて二次電池を作製した際の容量維持率等の特性を評価することが可能となる。そしてこの活物質のキャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gの範囲内の優れた特性を有する活物質を用いて電極を構築することで、反応抵抗特性および容量維持率等の特性に優れた電極を製造することができる。なお、ここで製造される電極については、使用する活物質自体の特性が優れているため、活物質とバインダの配合等は特に制限されず、電極の構成も上記の基本的な電極構成に限定される必要はない。
さらに、ここに開示される製造方法は、活物質とバインダとを含む活物質層が集電体上に形成された電極を製造する方法である。かかる製造方法は、活物質とバインダとを含む活物質層形成用組成物を用意すること、上記活物質層形成用組成物を集電体上に供給して活物質層を形成すること、上記活物質層を圧縮して上記活物質層の密度を調整して電極を得ること、を包含する。そして、下記で定義される「活物質のキャパシタンス」を0.1F/g〜0.16F/gの範囲内とするよう、活物質の比表面積、活物質とバインダの質量比、表面積活物質層形成用組成物の固形分濃度、活物質層の目付量および密度のいずれか一つ以上を調整するようにしている。
ここで、活物質のキャパシタンスとは、所定の活物質とバインダとを含む活物質層が集電体上に備えられてなる電極について得られる値である。そして、かかる電極を2枚用意し、非水電解質中において上記活物質層が対向し、かつ、互いに絶縁された状態で上記2枚の電極が配置された評価用セルを構築し、上記評価用セルの交流インピーダンス測定を行った際の、周波数が0.1Hzにおける電気二重層容量の実部成分を「活物質のキャパシタンス」として定義している。
活物質の基本キャパシタンスは、上記基本的な電極において活物質が吸着し得る電荷担体の電荷量を表し得るものであるが、この値は活物質単独での容量に完全に一致するものではなく、上記基本的な電極構成の条件の下に得られる値である。例えば、活物質表面を覆うバインダ量や活物質間の空隙の有無等は所定の条件により一定とされている。
すると、「活物質の基本キャパシタンス」が上記の範囲から外れた活物質を用いた電極であっても、例えば、活物質の比表面積、活物質とバインダの質量比、電極作成時に調整する活物質層形成用の組成物の固形分濃度および活物質層の密度のいずれか一つ以上が適切なバランスで調整されることで、かかる電極で構成した評価用セルにおけるいわゆる静電容量が0.1F/g〜0.16F/gの範囲内となる場合があり得る。すなわち、ここに開示される電極は、上記で定義される活物質の基本キャパシタンスにのみにより特定されるものではなく、活物質の比表面積、活物質とバインダの質量比、表面積活物質層形成用組成物の固形分濃度、活物質層の目付量および密度がバランスよく調整されていることから、上記の活物質の基本キャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gとなる電極と同等の特性が実現され得る。すなわち、反応抵抗や容量維持率等の特性に優れた電極が提供される。
ここに開示される電極の製造方法において、活物質としては黒鉛材料を用いることを特徴としている。活物質が黒鉛材料である場合に、上記の活物質のキャパシタンスを好適に評価できるとともに、活物質のキャパシタンスを0.1F/g〜0.16F/gの範囲内に比較的簡便に調整することができる。したがって、例えば、リチウム二次電池の負極活物質などとして、反応抵抗や容量維持率等の特性に優れたものであると判断することができる。また、反応抵抗や容量維持率以外の特性についても、活物質として相応しいものとなり得る。
また、本願が他の側面で提供する電極は、活物質とバインダとを含む活物質層が集電体上に備えられてなる電極であって、上記で定義される活物質の基本キャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gの範囲内である活物質を備えていることを特徴としている。基本キャパシタンスが上記範囲内である活物質は反応抵抗や容量維持率等の特性に優れていることから、かかる活物質を備える電極も反応抵抗や容量維持率等の特性に優れたものとなり得る。
かかる電極の好ましい一態様としては、上記活物質が黒鉛材料であることである。活物質が適切なキャパシタンスを備える黒鉛材料であることで、反応抵抗や容量維持率等の特性がさらに優れたものになるとともに、その他の各種の特性も活物質としてふさわしいものとなり得る。
さらに、本願が他の側面で提供する蓄電デバイスは、上記に記載の電極を正極または負極のいずれか一方または両方に備えることを特徴としている。かかる構成とすることで、反応抵抗特性に優れた蓄電デバイスが実現される。例えば、リチウムイオン電池等に代表されるリチウム二次電池については、より反応抵抗が低く、容量維持率が高いものとなり得る。
本願がさらに別の側面で提供する活物質の評価方法は、蓄電デバイス用の活物質を評価する方法である。かかる方法は、評価対象である活物質と、バインダとを、活物質:バインダが98:2〜99:1となる質量比で含み、目付量が3.5〜4.0mg/cmで、密度が0.95g/cm〜1.02g/cmとなるように形成された活物質層が集電体上に備えられてなる電極を2枚用意すること、非水電解質中において上記活物質層が対向し、かつ、互いに絶縁された状態で上記2枚の電極が配置された評価用セルを用意すること、上記評価用セルの交流インピーダンス測定をすること、該測定結果から、周波数が0.1Hz以下における電気二重層容量の実部成分として算出される活物質の基本キャパシタンスを求めること、および、上記活物質の基本キャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gの範囲内であるときに、上記活物質を良品と評価すること、を包含することを特徴としている。
上記のとおり、基本的な電極構成の電極において、活物質の基本キャパシタンスはその活物質が吸着し得る電荷担体の電荷量に等しいことから、実際の反応面積を示す指標であるといえる。また、この電荷量は当該活物質以外の因子に殆ど影響されない。さらに、活物質の基本キャパシタンスは、この活物質を用いて作製した電池に係る反応抵抗および容量維持率等の特性を良好に反映し得る。したがって、この活物質の基本キャパシタンスが特定の範囲、ここでは0.1F/g〜0.16F/gの範囲内であることで、この活物質を用いて電池を作製した場合の反応抵抗および容量維持率の特性を優れたものとすることができる。したがって、基本キャパシタンスが上記の範囲内となる活物質を良品と評価することができる。
ここに開示される評価方法の好ましい態様では、上記活物質が黒鉛材料であることを特徴としている。黒鉛材料は、負極活物質として広く用いられており、各種特性を向上させるために多様な結晶構造、構成、形態等を備えるものが提供されている。ここに開示される評価方法においては、このような多様な形態の黒鉛材料に対しても、簡便に、反応抵抗や容量維持率等の特性が優れたものであるか否かを、簡便に評価、判定することが可能とされる。
さらに本願が別の側面で提供する活物質は、電荷担体の吸蔵および放出が可能な活物質であって、下記で定義される活物質の基本キャパシタンス:当該活物質と、バインダとを、活物質:バインダが98:2〜99:1となる質量比で含み、目付量が3.5〜4.0mg/cmで、密度が0.95g/cm〜1.02g/cmとなるように形成された活物質層が集電体上に備えられてなる電極を2枚用意し、非水電解質中において上記活物質層が対向し、かつ、互いに絶縁された状態で上記2枚の電極が配置された評価用セルを用意し、上記評価用セルの交流インピーダンス測定を行ったときの、周波数が0.1Hzにおける電気二重層容量の実部成分を活物質の基本キャパシタンスとする;が0.1F/g〜0.16F/gの範囲内であることを特徴としている。
基本キャパシタンスは、当該活物質以外の因子に殆ど影響されない値であり、活物質の本来有する性能を評価し得る指標であり得る。したがって、基本的な構成の電極における基本キャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gの範囲内となる活物質は、実際の電極反応において吸着し得る電荷担体の量が十分に多く、反応抵抗が小さいと判断することができる。また、容量維持率等の特性も高い範囲で維持するものと判断することができる。
ここに開示される活物質の好ましい態様では、上記活物質が黒鉛材料であることを特徴としている。黒鉛材料は、例えばリチウム二次電池の負極活物質として広く用いられており、各種特性を向上させるために多様な結晶構造、構成、形態等を備えるものが提供されている。ここに開示される活物質は、基本キャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gの範囲内であることから、このような多様な形態の黒鉛材料であっても、反応抵抗や容量維持率等の特性が優れたものであり得る。
一実施形態に係る活物質の評価方法のフロー図である。 一実施形態に係る評価用セルの構造を示す断面図である。 評価用セルの交流インピーダンス測定により得られるCole−Coleプロット(ナイキストプロット)の典型的な図である。 負極活物質の基本キャパシタンスとその負極活物質を用いたリチウムイオン電池の反応抵抗比との関係を例示した図である。 負極活物質のBET吸着法による比表面積とその負極活物質を用いたリチウムイオン電池の反応抵抗比との関係を例示した図である。 負極活物質の基本キャパシタンスとその負極活物質を用いたリチウムイオン電池の容量劣化率との関係を例示した図である。 リチウムイオン電池の構造の一例を示す斜視図である。 図7中のVIII−VIII断面を示す断面図である。 一実施形態に係るリチウムイオン電池を備えた車両を示す側面図である。
なお、本明細書において「蓄電デバイス」とは、繰り返し充電可能なデバイス一般をいう。かかる蓄電デバイスとしては、例えば、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池等の二次電池、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ、およびこれらの複合させたリチウムイオンキャパシタ等に代表される繰り返し充電可能な蓄電デバイスが例示される。また、「リチウムイオン電池」は、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正極または負極におけるリチウムイオンの可逆的な吸蔵および放出に伴う電子の移動により、両極間で充放電が実現される蓄電デバイスをいう。「電極」とは、集電体上に活物質を含む活物質層が形成されている電極一般を意味し、化学反応(ファラデー反応)を蓄電機構とする電極に限定されず、電気二重層キャパシタ等の化学反応を伴わない(非ファラデー反応)いわゆる物理現象(誘電分極)を蓄電機構とする電極をも含み得る。「活物質」とは、正極または負極において電荷担体となる化学種(リチウム二次電池においてはリチウムイオン)を可逆的に吸蔵/吸着および放出/脱離し得る材料である。
[活物質のキャパシタンス]
図1は、ここに開示される活物質の評価方法の一実施形態としてのフロー図である。まず、図1に沿って、本発明にかかる活物質の方法について説明するとともに、適宜図2〜8を参照しつつ、活物質のキャパシタンスおよび基本キャパシタンス等について、以下にその内容、測定および評価の方法等の説明を行う。なお、各図面は、模式的に描いており、必ずしも実物の形態、寸法等を反映するものではない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。
[評価用セルの構築]
図2は、ここに開示される発明に係る活物質のキャパシタンスを測定するために構築される評価用セル1を模式的に示した断面図である。この評価用セル1は、図1のステップS10に示したように、評価対象である所定の構成の電極50の、同一のものを2枚用いて構築される。例えば、図2では、電極50として負極50を2枚用いた場合について示している。負極50に代えて正極30(後で説明する図8を参照)を評価の対象とする場合には、正極30を2枚用いて評価用セル1を同様に構築することができる。電極50は、活物質とバインダとを含む活物質層54が集電体52上に形成されている。
そして、ステップS20に示したように、用意した2枚の電極50を用いて、評価用セル1を構築する。価用セル1において、2枚の電極50は、活物質層54同士が対向し、かつ、互いに絶縁された状態で配置される。典型的には、この2枚の電極50は、絶縁性の微多孔質膜等からなるセパレータ70を介して活物質層54が対向するように重ね合わせられる。重ね合わされた状態の2枚の電極50は、非水電解質中に配置される。典型的には、重ね合わせた状態の2枚の電極50は、非水電解質(図示せず)と共に電池ケース80(後で説明する図8を参照)内に収容される。この実施形態においては、集電体52の端部は電池ケース80の外に延設されている。集電体52の延設には、リード端子を用いたり、電池ケース80に外部接続端子を設けたりして実現しても良い。電池ケース80は、その材質や形状等に特に制限はないが、かかる評価用セル1においては、簡便のため、ラミネートフィルム製の袋状の電池ケース80を用いた場合を例示している。これにより、評価用セル1が構築される。
ここで、評価用セル1を構築する2枚の電極50における「所定の構成」については特に限定されず、評価対象である活物質を用いる限りにおいて任意の構成とすることができる。しかしながら、例えば、活物質の評価を行う場合は、評価に適した構成を定めるのが好ましい。そこで、例えば、活物質の性能をより好適に反映し得る電極構成の一例として、以下の条件が例示される。
[所定の電極構成の例](基本的な構成)
配合(質量): 活物質:バインダ=98:2〜99:1
活物質層目付量: 3.5〜4.0mg/cm
活物質層密度: 0.95g/cm〜1.02g/cm
かかる構成とすることで、バインダによる活物質の被覆を最小かつ適切なものとし、また活物質の周辺に電解質が好適に存在し得る構成とすることができる。したがって、例えば蓄電デバイスにおいて考慮される活物質のキャパシタンス、延いては蓄電デバイスの内部抵抗のうち活物質に関する反応抵抗特性を、より正確に評価することができる。なお、電極を構成するバインダおよび集電体の材質や、評価用セルを構築する際に用いるセパレータ、電解質の種類や濃度等については特に制限されず、任意に設定した所定のセパレータ、電解質等を用いることができる。これらの活物質以外の要素は、特殊な性状を示すものでない限り、活物質のキャパシタンスの測定結果に大きな影響は与えないと考えることができるからである。
ここで、2枚の電極50は実質的に同電位であるため、これらの電極50間に電位差は生じない。このため、ここに開示される評価用セル1は起電力を有しておらず、電池とは区別される。また、2枚の電極50の表面にSEI膜は形成されない。ここに開示される発明は、このような評価用セル1に基づいて活物質および電極の評価を行うようにしている。
[交流インピーダンス測定]
次いで、ステップS30に示すように、上記の構成の評価用セル1について交流インピーダンスを測定することで、2枚の電極50の電極反応に係る情報や電極構造に関する情報を得ることができる。交流インピーダンスは、FFTアナライザを用いるFFT法と、単一正弦波を掃引して測定するFRA法等のいずれを採用しても構わない。例えば、以下のようにして測定することができる。まず、上記の電極50間に直流電流を流し、次いで微小交流電流を重畳させたときの各周波数における応答電圧を測定することでインピーダンスを算出し、フーリエ変換することで、インピーダンスの周波数特性を求める。または、発振器から交流信号を電極50間に印加し、電圧計で試料電圧(V)を、電流計で試料電流(I)を測定する等してインピーダンスの周波数特性を求めるようにしても良い。測定に際し、典型的には、交流電圧の周波数を100000Hz程度の高周波から0.1Hz程度の低周波へと変化させる。交流電圧の振幅については特に制限されないが1〜10mV程度、例えば5mV程度を目安に設定することができる。
図3に、ここに開示される評価用セル1について得られるインピーダンスの周波数特性を示す典型的なCole−Coleプロット(ナイキストプロット)の一例を示した。Cole−Coleプロットは、各周波数において測定したインピーダンス(Z,θ)を複素平面上に示したものであり、インピーダンスの実部成分(real)をX軸に、虚部成分(img)をY軸にプロットしたものである。このCole−Coleプロットでは、左下側がより高周波での測定値を、右上側がより低周波での測定値を示している。このCole−Coleプロットを、等価回路にフィッティングさせて解析することで、評価用セル1の詳細な抵抗特性等を評価することができる。
本発明では、インピーダンスの周波数特性から、いわゆる電気二重層容量と呼ばれる成分を抽出し、0.1Hzという充分な低周波における電気二重層容量を「活物質のキャパシタンス」としている。電気二重層容量とは、ここでは活物質層と電解質との界面の電解質側に層状に自発的に蓄えられる正負の電荷量である。
電解液中の電荷担体(例えば、リチウムイオン)の移動について検討すると、電荷担体の移動速度は電子の移動速度に比べると大幅に遅い。そのため、高周波の交流電圧を印加した際には電子が電圧の向きの変化に敏感に対応して移動できるのに対し、電荷担体は反応が遅く移動が追い付かない。したがって、高周波の交流電圧を印加した際には、系から電子の移動に関するインピーダンスを抽出して測定することができるのに対し、電荷担体の移動については測定できない。そこで交流電圧の周波数を低くすると、電荷担体の移動が交流電圧の向きの変化に対応し得るようになる。従って、交流電圧の周波数を高周波から低周波に低くしてゆくことで、電荷担体が電極50間を移動する際のインピーダンスが測定できるようになる。そしてさらに、交流電圧の周波数を充分に低くすることで、電荷担体が電極50の活物質層54の内部にまで入り込み、活物質の表面に十分に吸着された状態のインピーダンスを測定することが可能となる。
ここで、活物質の表面の全部に電荷担体が十分に吸着されたこの状態とは、例えば電気二重層キャパシタの電極等において、電気二重層が発生した状態に等しいと考えることができる。つまり、評価用セル1において活物質の表面に実際に吸着し得る電荷担体の電荷量、すなわち、活物質のキャパシタンスは、電気二重層容量に相当するといえる。したがって、本発明においては、周波数が十分に小さいとみなせる0.1Hzの時の電気二重層容量を、「活物質のキャパシタンス」と定義する。そして、評価用セル1を上記の基本的な構成の電極で構築した場合には、この活物質のキャパシタンスを「活物質の基本キャパシタンス」とし、その他の任意の(所定の)構成の電極で評価用セル1を構築した場合にいう「活物質のキャパシタンス」とは区別するようにしている。なお、活物質の基本キャパシタンスと、活物質のキャパシタンスとを区別する必要のない場合は、単に、これらを「活物質のキャパシタンス」という場合もある。
次いで、ステップS40に示したように、活物質のキャパシタンスを算出する。実際に、評価用セル1の交流インピーダンスの測定結果から算出される電気二重層容量成分は、例えばボードプロットで示すと、周波数が低くなるにつれて一定の値に収束するのがよくわかる。そして周波数が0.1Hzの時の電気二重層容量は、この収束値にほぼ等しいとみなすことができる。この活物質の表面に吸着し得る電荷担体の電荷量は、実際の電極反応に寄与する反応面積をも相対的に表すものといえる。なお、ボードプロットとは、周波数に対してインピーダンスの実数部をプロットしたものである。
周波数が0.1Hzの時の電気二重層容量は、具体的には、例えば以下のようにして得ることができる。まず、測定により得られた周波数fに関するインピーダンス特性は、下記式(1)で表すことができる。このインピーダンスZ(f)の関係を、電気二重層容量C(f)との関係を示す式(2)に変換する。ここで、この電気二重層容量C(f)は式(3)で表すことができ、その実部成分C’(f)と虚部成分C”(f)はそれぞれ式(4)および式(5)で表すことができる。したがって、式(4)から周波数が0.1Hzの時の電気二重層容量C’値を算出すればよい。
Figure 2013247035
なお、上記で求めた0.1Hzの時の電気二重層容量C’は、評価用セル1全体に生じる総電荷量であるため、これを活物質の単位重量当たりの電荷量に換算することで、活物質のキャパシタンスを得ることができる。この計算に当たっては、まず、評価用セル1が2枚の電極50を直列したものと考えることで、下式(6)の関係から、式(7)で示される1枚の電極50の容量C’が算出される。そして、この1枚の電極50の容量C’を1枚の電極の活物質層に含まれる総活物質の質量で割ることで、活物質のキャパシタンス値を求めればよい。
Figure 2013247035
[反応抵抗との相関性]
また、活物質の表面に電荷担体が十分に吸着した上記の状態は、基本的な電極構成における活物質が電荷担体を吸着し得る面積、延いては電極反応に寄与する反応面積を相対的に表してもいる。反応面積は、かかる構成の電極50を用いた非水電解質二次電池の反応抵抗特性と極めて高い相関性を有することから、活物質のキャパシタンス値により非水電解質二次電池の反応抵抗特性をも予測することが可能となる。
例えば、図4に、5通りの負極活物質をそれぞれ使用して構成した基本的な電極による評価用セルの交流インピーダンス測定から求められた基本キャパシタンスと、この活物質を用いてそれぞれ構築した非水電解質二次電池の反応抵抗との関係を示した。この図4における反応抵抗は、電池の内部抵抗において反応抵抗が支配的となる−30℃の低温環境下で、SOC60%の状態の電池について交流インピーダンス測定することにより得られたCole−Coleプロットに基づき求めたものである。5つの電池において、負極活物質を異なる5通りで変えたこと以外は、他の全ての条件がおなじである。そして図4の縦軸は、5つの非水電解質二次電池の反応抵抗のうち、最も高い反応抵抗値を100(基準)として、他の反応抵抗値をその比(%)として示している。この例では、電池の反応抵抗と負極活物質の基本キャパシタンスとの間にR=0.998もの高い相関性がみられ、ここに開示される活物質の基本キャパシタンス値が評価用セルの反応抵抗特性を極めて良く反映していることがわかる。
参考のために、N吸着によるBET法によって求めた上記5通りの負極活物質の比表面積と反応抵抗との関係を図5に例示した。一般に、負極活物質の比表面積と電気二重層容量とに相関がみられることは知られている。しかしながら、図5からは、負極活物質の比表面積と電池の反応抵抗との間には何ら関係性が見いだせない。すなわち、実際に製造される電池の反応抵抗特性は、活物質の比表面積のみからは全く評価できない場合があることがわかる。そして、このことは、実際の電極反応において有効な反応面積が、必ずしも負極活物質の比表面積に一致するわけではないことをも示唆している。
以上の事実を踏まえて、ステップS50に示したように、活物質あるいは電極の評価を行う。図4から、ここに開示される活物質の基本キャパシタンスが、その活物質を用いて作製した電極および電池の特性(ここでは反応抵抗)を反映する指標となり得ることがわかる。また、このような反応抵抗の測定結果から、活物質の基本キャパシタンスが0.1F/gよりも小さい場合に反応抵抗が高くなりすぎ、所望の電池特性が得られないと判断できることから、この値を閾値として、基本キャパシタンスが0.1F/g以上の場合に反応抵抗特性の良い電池が得られると評価することができる。また、基本キャパシタンスが0.1F/gより小さい場合には、反応抵抗特性が低い電池が得られると評価することができる。
[容量維持率との関係]
さらに、上記の活物質の基本キャパシタンス特性は、この評価用セル1の構築に用いた電極50を用いた非水電解質二次電池の容量維持率とも関連性を見出すことができる。例えば、図6に、5通りの負極活物質をそれぞれ使用して5つの非水電解質二次電池を作製したときの、この電池の容量劣化率と、この電池に用いた負極活物質の基本キャパシタンスとの関係を示した。容量劣化率は、ここでは(100−容量維持率)%で示される値である。また、容量維持率は、SOC80%の状態の電池を60℃で30日間保存した後の電池容量を、初期(SOC80%)を100(基準)とたときの割合(%)として求めた値である。これらの5つの電池は、負極活物質を異なる5通りで変えたこと以外は、他の全ての条件がおなじである。この図6に示した例では、負極活物質の基本キャパシタンスが0.16F/g以下の範囲では、電池の容量劣化率はほぼ8%で一定である。一方、負極活物質の基本キャパシタンスが0.16F/gを超過すると、容量劣化率が急激に高くなる。かかる基本キャパシタンスと容量劣化率との関係性を、電池の構成、あるいは、活物質の種類や調製方法の振り方などを変化させて種々調べたところ、その理由は定かではないものの、類似する活物質については、一定となる容量劣化率についてはその値が変動することはあるが活物質の基本キャパシタンスが0.16F/gを超過すると容量劣化率が悪化することが確認されている。この基本キャパシタンスにおける0.16F/gという臨界値は、この出願の発明者らが確認した各種の条件で作製された電池に共通する値であるといえる。
以上のことから、ここに開示される活物質の基本キャパシタンスが、その活物質自体の吸着容量を評価し得るのみならず、その活物質を用いて作製した電極および蓄電デバイスの特性(ここでは、例えば、容量維持率)を、活物質以外の電極構成条件の影響を最小限に抑えた状態で評価し得ること、またその指標とし得ることがわかる。したがって、ここに開示する発明においては、基本キャパシタンスが0.16F/g以下場合については、比較的容量維持率の良い電池が得られると評価することができる。また、基本キャパシタンスが0.16F/gを超過する場合については、比較的容量維持率の高くない電池が得られると評価することができる。
そして、例えば、基本的な電極構成から外れる構成の電極についても、上記の活物質のキャパシタンスを測定することにより、その特性を評価することが可能である。また、活物質のキャパシタンスを0.1F/g〜0.16F/gの範囲となるように電極構成を整えることで、より性能に優れた電極を製造できることがわかる。
例えば、活物質の基本キャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gの範囲から外れる活物質を用いた場合であっても、電極構成をその活物質により適した構成となるよう調整することで、活物質のキャパシタンスを0.1F/g〜0.16F/gの範囲に整えることが可能となる場合がある。かかる調整は、代表的には、電極活物質層において活物質が吸着し得る電荷担体の量を増大(あるいは減少)させることで実現できる。つまり、例えば、活物質の粒径や形状を変化させるなどして比表面積を効果的に増大(減少)させたり、活物質とバインダの質量比や活物質層の空隙率を調整して活物質の吸着表面を増大(減少)させたりすること等で調整することができる。また、具体的には、活物質の粒径および比表面積の増大(減少)を図る以外にも、バインダ量の最適化、活物質層を形成する際に調製する活物質形成用組成物の固形分濃度や粘度を増大(減少)させたり、さらには活物質層の目付量および密度を減少(増大)させるなどして調整することにより、実現できる。
以上のことから、以下の(1)〜(3)に纏めることが明らかとなる。
(1)活物質の基本キャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gの範囲内であるときに、この活物質が反応抵抗特性および容量維持率等の特性に優れた良品であると評価できる。また、かかる反応抵抗特性および容量維持率等の特性に優れた活物質が提供される。
従って、(2)活物質として、活物質の基本キャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gの範囲内である活物質を用いることで、反応抵抗特性および容量維持率等の特性に優れた電極を作製することができる。また、反応抵抗特性および容量維持率等の特性に優れた電極、および蓄電デバイスが実現される。
また、(3)活物質のキャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gの範囲内となるよう、活物質の比表面積、活物質とバインダの質量比、表面積活物質層形成用組成物の固形分濃度、活物質層の目付量および密度のいずれか一つ以上を調整することで、反応抵抗特性および容量維持率等の特性に優れた電極を作製することができる。
以下、ここに開示される活物質、電極、蓄電デバイスについて、好ましい一実施形態としてのリチウムイオン電池を例にして、図面を参照しつつ詳しく説明する。
図7は、本実施形態に係るリチウムイオン電池を模式的に示す斜視図である。また、図8は、図7中のVIII−VIII線に沿った縦断面図である。
図8および図9に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン電池10は、電極体20と非水電解質(図示せず。)とを収容する角型形状(典型的には扁平な直方体形状)の電池ケース80を備えている。
電極体20は、図8に示すように、シート状の正極30および負極50と、典型的にはこれら正極30および負極50を絶縁するセパレータ70とを重ねて倦回し、電池ケース80に収まるよう形を扁平に整えた倦回電極体20とされている。
負極50は、図8に示すように、シート状の負極集電体52の表面に負極活物質(図示せず)を含む負極活物質層54を備えている。負極集電体52には、負極に適する金属箔が好適に使用され得る。例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等を主体とする棒状体、板状体、箔状体、網状体等を用いることができる。この例において、具体的には、負極集電体52には、所定の幅を有し、厚さが凡そ10μmの帯状の銅箔を用いている。このような負極集電体52には、幅方向の一方の縁端部に沿って未塗工部53が設定されている。負極活物質層54は、負極集電体52に設定された未塗工部53を除く負極集電体52の両面に形成されている。
負極活物質層54は、負極活物質とバインダとを含んでいる。
負極活物質としては、従来からリチウムイオン電池の負極活物質として用いられている材料の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が挙げられる。より具体的には、負極活物質は、例えば、天然黒鉛、黒鉛質(グラファイト)、難黒鉛化炭素質(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質(ソフトカーボン)、または、これらを組み合わせた炭素材料やこれらを非晶質炭素材料でコートした材料であってよい。
また、例えば、Si、Ge、Sn、Pb、Al、Ga、In、As、Sb、Bi等を構成金属元素とする金属化合物(好ましくは金属酸化物)などとしても良い。さらには、LTO(チタン酸リチウム)を用いることも提案されている。なお、金属化合物からなる負極活物質であって、比較的導電性が劣る材料については、例えば、炭素被膜によって、金属化合物の表面を充分に被覆し、導電性に優れた粒状体として用いてもよい。この場合、例えば、導電材を含有させることなく、あるいは、従来よりも導電材の含有率を低減させて負極活物質層を形成することができる。これらの負極活物質の付加的な態様や、粒径等の形態は、所望の特性に応じて適宜に選択することができる。
導電材としては、例えば、カーボン粉末やカーボンファイバーなどの良導電性のカーボン材料が例示される。このような導電材から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック)、グラファイト粉末などのカーボン粉末を用いることができる。
なお、ここに開示される発明において、評価用セルを構築するための基本的な構成の電極は、活物質層54に活物質およびバインダ以外の構成成分が含まれることは活物質のキャパシタンスを正確に評価する上で望ましいものではないことから、活物質とバインダのみを含むようにしている。したがって、負極活物質としては、導電材の配合を必要としない導電性に優れた材料であることが好ましい。例えば、負極導電材としては、黒鉛材料であることが好ましい。なお、導電材を含む活物質層54については、導電材量を変化させた評価用セルに対して付加的な試験等を行う等して導電材に吸着される電荷量を算出することなどにより、活物質のキャパシタンスを評価することができる。
バインダは、負極活物質の粒子間を結着したり、これらの各粒子と負極集電体52とを結着させる機能を有する。かかるバインダとしては、負極活物質層54を形成する際に調整する負極活物質層形成用組成物の溶媒に、溶解または分散可能なポリマーを用いることができる。例えば、水性溶媒を用いた負極活物質層形成用組成物においては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース系ポリマー、また例えば、ポリビニルアルコール(PVA)や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系樹脂、酢酸ビニル共重合体やスチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)などのゴム類;などの水溶性または水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。また、非水溶媒を用いた負極活物質層形成用組成物においては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリルニトリル(PAN)などのポリマーを好ましく採用することができる。
負極活物質層54は、例えば、上述した負極活物質や導電材をバインダを含む溶媒にペースト状(スラリー状およびインク状などを含む。)に混ぜ合わせた負極活物質層形成用組成物を作成し、負極集電体52に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、負極活物質層形成用組成物の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。上記バインダとして例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、負極活物質層形成用組成物の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
特に限定するものではないが、負極活物質層54全体に占める負極活物質の質量割合は、例えば、およそ85質量%以上(典型的には85〜99.9質量%)であることが好ましく、通常はおよそ95〜99質量%であることがより好ましい。また、バインダを使用する組成では、負極活物質層54全体に占めるバインダの割合を、例えば、およそ0.1〜15質量%とすることができ、通常はおよそ1〜5質量%とすることが好ましい。
なお、基本的な構成の負極を作製する場合には、負極活物質とバインダとの質量比が、負極活物質:バインダとして98:2〜99:1となるように配合する。評価用セルを構築するための基本的な構成の電極に添加剤としてのポリマー材料を添加する場合には、添加剤としてのポリマー材料はバインダとして含まれるものとして配合量を決定することができる。また、負極活物質層形成用組成物を集電体に供給する際には、負極活物質層の目付量(固形分重量)が、3.5〜4.0mg/cmの範囲に収まるようにする。かかる目付量は、負極活物質層形成用組成物の粘度を適正に調整することで簡便に制御することができる。集電体に供給された負極活物質層形成用組成物を乾燥させるなどして溶媒成分を除去することで、負極を形成することができる。この時、負極活物質層の密度は0.95g/cm〜1.02g/cmの範囲内となるようにする。したがって、必要に応じてプレスを施すなどして、負極活物質層が所定の密度となるように調整しても良い。
かかる負極活物質層54には、負極活物質粒子同士および負極活物質粒子と負極集電体とが、バインダによって結合されている。そして、このように形成された負極活物質層54には、負極活物質粒子の間に電解液が染み込み得る空隙が形成されている。かかる空隙の大きさや分布、負極活物質層54全体に対する空隙率などは、例えば、負極活物質粒子の平均粒径、粒度分布、形状、負極活物質とバインダとの配合割合、負極活物質層形成用組成物の粘度(目付量、固形分率等を含む)等により調整することができる。
正極30は、図2に示すように、シート状の正極集電体32の表面に正極活物質(図示せず)を含む正極活物質層34を備えている。正極集電体32には、正極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、正極集電体32には、所定の幅を有し、厚さがおよそ10μmの帯状のアルミニウム箔が用いられている。正極集電体32の幅方向の一端には、縁部に沿って未塗工部33が設けられている。正極活物質層34は、正極集電体32に設けられた未塗工部33を除く正極集電体32の両面に形成されている。
正極活物質層34は、正極集電体32に保持され、少なくとも正極活物質とバインダとが含まれている。この実施形態では、正極活物質層34は、正極活物質層34には、正極活物質、バインダの他、典型的には導電材が含まれ得る。
正極活物質には、リチウムを吸蔵および放出可能な材料を用いることができ、従来からリチウムイオン電池10に用いられている各種の物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。このような正極活物質としては、リチウム遷移金属酸化物(典型的には粒子状)が好適に用いられ、層状構造の酸化物あるいはスピネル構造の酸化物を適宜選択して使用することができる。例えば、リチウムニッケル系酸化物(代表的には、LiNiO)、リチウムコバルト系酸化物(代表的には、LiCoO)およびリチウムマンガン系酸化物(代表的には、LiMn)から選択される一種または二種以上のリチウム遷移金属酸化物の使用が好ましい。
ここで、例えば、「リチウムニッケル系酸化物」とは、LiとNiとを構成金属元素とする酸化物の他、LiおよびNi以外に他の一種または二種以上の金属元素(すなわち、LiおよびNi以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)をNiよりも少ない割合で含む複合酸化物をも包含する意味である。かかる金属元素は、例えば、Co,Al,Mn,Cr,Fe,V,Mg,Ti,Zr,Nb,Mo,W,Cu,Zn,Ga,In,Sn,LaおよびCeからなる群から選択される一種または二種以上の元素であり得る。リチウムコバルト系酸化物およびリチウムマンガン系酸化物についても同様である。
また、主組成が、一般式:
Li(LiMnCoNi)O
(前式中のa、x、y、zはa+x+y+z≒1、xyz≠0を満たす。)
で表わされるような、遷移金属元素を3種含むいわゆる三元系のリチウム遷移金属酸化物や、一般式:
xLi[Li1/3Mn2/3]O・(1−x)LiMeO
(前式中、Meは1種または2種以上の遷移金属であり、xは0<x≦1を満たす。)
で表わされるような、いわゆる固溶型のリチウム過剰遷移金属酸化物等であってもよい。これらのリチウム遷移金属酸化物は、その構成の明確のため上記の示性式で示したが、かかる示性式中の遷移金属元素の一部(50原子%未満)が、上記に例示したCo,Al,Mn,Cr,Fe…等からなる金属元素群から選択される一種または二種以上の元素で置換されていても良い。
さらに、上記正極活物質として一般式がLiMAO(ここでMは、Fe,Co,NiおよびMnから成る群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、Aは、P,Si,SおよびVから成る群から選択される。)で表記されるポリアニオン型化合物も挙げられる。
このような正極活物質は、例えば、具体的には、D50が3〜8μm程度であり、比表面積(BET法による)が0.5〜1.9m/g程度のものを用いるのが好ましい例として示される。正極活物質として、例えば上記のリチウム過剰遷移金属酸化物や、固溶型のリチウム過剰遷移金属酸化物等を用いることで、高出力特性とハイレート特性を兼ね備えたリチウムイオン電池を構築することができる。
なお、本明細書において、D50は、レーザ回折散乱法により測定される粒度分布における、累積50%粒径(体積基準)で表わされる平均粒子径を示している。
バインダおよび導電材としては、負極の場合と同様の材料を好ましく用いることができる。かかる正極においても、上記バインダとして例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、正極活物質層形成用組成物の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
正極活物質層34は、例えば、上述した正極活物質、導電材およびバインダを溶媒にペースト状(スラリー状およびインク状などを含む。)に混ぜ合わせた正極活物質層形成用組成物を作成し、正極集電体32に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、正極活物質層形成用組成物の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。
特に限定するものではないが、正極活物質層34全体に占める正極活物質の質量割合は、およそ50質量%以上(典型的には50〜95質量%)であることが好ましく、通常はおよそ70〜95質量%(例えば75〜90質量%)であることがより好ましい。また、正極活物質層34全体に占める導電材の割合は、例えばおよそ2〜20質量%とすることができ、通常はおよそ2〜15質量%とすることが好ましい。バインダを使用する組成では、正極活物質層34全体に占めるバインダの割合を例えばおよそ1〜10質量%とすることができ、通常はおよそ2〜5質量%とすることが好ましい。
なお、かかる例示からも明らかなように、基本的な電極構成は、リチウムイオン電池用の正極としては必ずしも相応しい構成でない場合があり得る。しかしながら、例えば、正極活物質の一部を導電材に置き換えて正極活物質と導電材とバインダとの質量比が、正極活物質:導電材:バインダとして96:2:2となるように配合するなどして正極活物質自身の性能を評価することは可能となる。評価用セルを構築するための基本的な構成の電極に添加剤としてのポリマー材料を添加する場合には、添加剤としてのポリマー材料はバインダとして含まれるものとして配合量を決定することができる。基本的な構成の正極を作製する場合においては、正極活物質層形成用組成物を集電体に供給する際に、正極活物質層の目付量(固形分重量)が、3.5〜4.0mg/cmの範囲に収まるようにする。かかる目付量は、正極活物質層形成用組成物の粘度を適正に調整することで簡便に制御することができる。集電体に供給された正極活物質層形成用組成物を乾燥させるなどして溶媒成分を除去することで、正極を形成することができる。この時、正極活物質層の密度は0.95g/cm〜1.02g/cmの範囲内となるようにする。したがって、必要に応じてプレスを施すなどして、正極活物質層が所定の密度となるように調整しても良い。
セパレータ70は、図8に示すように、二次電池において正極(正極シート)30と負極(負極シート)50との絶縁を確保しつつ、電荷担体の移動を可能としている部材である。また、図1に示すように、評価用セル1においては評価対象である活物質を含む2枚の電極50の絶縁を確保しつつ、電荷担体の移動を可能とする部材である。これらの例では、セパレータ70は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ70には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータや積層構造のセパレータを用いることができる。なお、固体状の電解液を用いたリチウム二次電池(リチウムポリマー電池)では、この電解質がセパレータを兼ねる構成としてもよい。
以上の正極30または負極50の電極と、セパレータ70とを用いて、評価用セル1または二次電池(蓄電デバイス)10を構築する。
評価用セル1を構築するには、2枚の正極30または負極50の間にセパレータを介して両者を重ね合わせ、電解質と共にケースに収容すればよい。かかる評価用セル1に対して交流インピーダンスの測定を行い、算出される基本キャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gの範囲にある場合に、評価用セル1に用いた活物質が良品であると評価できる。そしてかかる活物質を用いて、所望の構成の電極、および蓄電デバイスを構築することで、高品質な(すなわち、反応抵抗が低く、容量維持率の高い)電極および蓄電デバイスが実現される。
リチウムイオン電池10を構築するには、正極30および負極50の間にセパレータを介して両者を重ね合わせ、電解質と共にケース80に収容すればよい。
なお、図7に示した例では、電池ケース80は、いわゆる角型の電池ケースであり、容器本体84と、蓋体82とを備えている。容器本体84は、有底の方形筒状体であり、一側面(図では上面)が開口した扁平な箱型の容器である。蓋体82は、この容器本体84の開口(上面の開口)に取り付けられてこの開口部を塞ぐ部材である。電池ケース80の蓋体82には、外部に突出した電極端子40、60が取り付けられている。また、蓋体82には、電池の内部で発生するガスにより内圧が上昇した場合にかかるガスを排出するための安全弁88や、電解液の注入を行う注液口86が設けられている。
車載用の二次電池では、車両の燃費を向上させるため、重量エネルギー効率(単位重量当りの電池の容量)を向上させることが望まれる。このため、この実施形態では、電池ケース80を構成する容器本体84と蓋体82は、アルミニウムやアルミニウム合金などの軽量金属が採用されている。これにより重量エネルギー効率を向上させることができる。
捲回電極体20は、扁平形状のものが蓋体82に固定された状態で電極端子40、60に取り付けられ、容器本体84の内部空間に収容される。容器本体84は、捲回電極体20が収容された後、蓋体82によって塞がれる。蓋体82と容器本体84の合わせ目は、例えば、レーザ溶接によって溶接されて封止されている。かかる非水電解液は、典型的には、水を溶媒としていない、適当な非水溶媒に電解質(即ち、リチウム塩)を含有させた組成を有する。電解質濃度は特に制限されないが、電解質を凡そ0.1mol/L〜5mol/L(好ましくは、凡そ0.8mol/L〜1.5mol/L)程度の濃度で含有する非水電解液を好ましく用いることができる。また、液状電解液にポリマーが添加された固体状(ゲル状)の電解液であってもよい。その後、注液口86に金属製の封止キャップを取り付けて(例えば溶接して)電池ケース80を封止する。これにより、リチウムイオン電池が完成される。
以下、充電時と放電時のリチウムイオン電池10の動作を説明する。活物質層34、54は多孔性であって、例えば、活物質層34、54内の微小な隙間には電解液が浸み込み得る空隙が形成されている。したがって、リチウムイオン電池10の内部では、正極活物質層34および/または負極活物質層54に電解液が染み渡っている。かかるリチウムイオン電池10では、例えば、集電体32、52は、ケース80を貫通して外部の装置に電気的に接続される。リチウムイオン電池10は、正極と負極の標準電極電位の差(いわゆる電位差)に応じて起電力が決定する。充電時においては、リチウムイオン電池10の電極端子40、60は、外部の充電器(図示せず)に接続される。充電器の作用によって、充電時には、正極活物質層34中の正極活物質から電荷担体としてのリチウムイオンが電解液に放出される。また、正極活物質層34からは電荷(電子)が放出される。放出された電荷は、導電材を通じて正極集電体32に送られ、さらに、充電器を通じて負極50へ送られる。また、負極50では電荷が蓄えられるとともに、電解液中のリチウムイオンが、負極活物質層54中の負極活物質に吸収され、かつ、貯蔵される。放電時には、負極50から正極30に電荷が送られるとともに、負極活物質層54に貯蔵されたリチウムイオンが、電解液に放出される。また、正極では、正極活物質層34中の正極活物質に電解液中のリチウムイオンが取り込まれる。
このようにリチウムイオン電池10の充放電においては、電解液を介して、正極活物質層34と負極活物質層54との間でリチウムイオンが行き来する。また、充電時においては、正極活物質から導電材を通じて正極集電体32に電荷が送られる。これに対して、放電時においては、正極集電体32から導電材を通じて正極活物質に電荷が戻される。
充電時においては、リチウムイオンの移動および電子の移動がスムーズなほど、効率的で急速な充電が可能になると考えられる。放電時においては、リチウムイオンの移動および電子の移動がスムーズなほど、電池の抵抗が低下し、放電量が増加し、電池の出力が向上すると考えられる。また、充電時や放電時に電池反応に活用されるリチウムイオンの数が多いほど、電池容量が多くなると考えられる。
以下、具体的な実施例として、ここで開示される手法により活物質を評価するとともに、電極およびリチウムイオン電池を作製した。なお、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
[負極の作製]
天然黒鉛(C)を異なる5通りの手法で調整して負極活物質(サンプル1〜5)とし、この天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、分散剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これら材料の質量比が、C:SBR:CMC=98.6:0.07:0.07となるよう混練機に投入し、イオン交換水を加えて固形分濃度(NV)を54%、粘度を800mPa・sに調製しながら混練し、負極スラリーを調製した。このスラリーを、負極集電体としての長尺状銅箔の片面に塗布量が3.5〜4.0g/cmとなるように塗布し、乾燥させた後、負極活物質層の密度が0.95〜1.02g/cmとなるようプレスして、負極シート(負極シート1〜5)を作製した。
[評価用セルの構築]
上記で作製した負極シートから、負極を4.5cm×4.7cmの大きさに2枚切り出し、真空中、80℃、12時間の条件で真空乾燥させた。
この2枚の負極を、ポリプロピレンからなる微多孔質膜で構成されたセパレータを介して負極活物質層が対向するように重ねあわせ、1mlの非水電解質を真空含浸させるとともにラミネートバッグに収容して、評価用セル(セル1〜5)を構築した。なお、非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、電解質としてのLiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させた電解液を用いた。
[評価用リチウムイオン電池の構築]
上記と同様の条件で、集電体の両面に負極活物質層を形成した負極シート1〜5の各々を所定の大きさにスリットし、負極活物質層の幅が102mmで長さが3200mmの負極を切り出し、負極1〜5とした。
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これら材料の質量比がNCM:AB:PVdF=93:4:3となるよう配合し、混練して正極スラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体としての長尺状アルミニウム箔の片面に塗布量が5.5g/cmとなるように塗布し、乾燥させた後、正極活物質層の密度が2.20g/cmとなるようプレスして、正極シートを作製した。これを、所定の幅を有するようにスリットし、正極活物質層の幅が90mmで、長さが3000mmの正極を5枚作製した。
用意した負極1〜5と正極とをポリプロピレンからなる微多孔質膜で構成されたセパレータを介してセパレータを間に介して、正極と負極とを、互いの未塗工部が反対側に位置するように、また、負極活物質層が正極活物質層を幅方向で覆うように積層し、渦巻状に捲回し、次いで扁平形状に拉げさせることで、捲回型電極体を作製した。これらの捲回電極体を、非水電解質とともにアルミニウム製の角型電池容器に収容し、封口して評価用のリチウムイオン電池1〜5を構築した。なお、非水電解質としては、上記評価用セルと同じ、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、電解質としてのLiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させた電解液を用いた。
[リチウムイオン電池の反応抵抗比の測定]
上記のように作製した評価用のリチウムイオン電池1〜5に対して、25℃の温度条件下において、コンディショニング処理(0.2Cの充電レートで4.1Vまで定電流定電圧で充電する操作と、0.2Cの放電レートで3.0Vまで定電流定電圧放電させる操作を3回繰り返す初期充放電処理)を行った後、SOC(State of Charge)60%の充電状態に調整した。
その後、−30℃において、振幅5mV、測定周波数範囲を10000Hz〜0.1Hzとする条件で交流インピーダンスの測定を行い、得られたCole−Coleプロットを等価回路にフィッティングさせることで反応抵抗[mΩ]を算出した。なお、測定装置および解析ソフトとしては、上記の交流インピーダンス測定の時と同じものを用いた。
そしてリチウム電池1の反応抵抗を100%(基準)として、各リチウム二次電池の反応抵抗を反応抵抗比(%)として相対値で表した。反応抵抗比は、値が小さいほど反応抵抗が小さく、値が大きいほど反応抵抗が大きいことを示す。
上記で求めた負極シート1〜5に関する負極活物質の基本キャパシタンスと、その負極シートを用いて作製したリチウム電池1〜5の反応抵抗比との関係を、図4に示した。図4から、活物質のキャパシタンスが0.1F/g以上の場合に、反応抵抗が低く良好なリチウム電池が得られることが確認できた。
[容量劣化率の測定]
上記の反応抵抗測定後のリチウム電池1〜5について、電池容量(初期容量)を測定した。電池容量の測定は、25℃の温度条件下において、以下に示す(1)〜(3)の手順を行うことで測定した。そして、(3)における積算の放電容量(CCCV放電容量)を「電池容量」とした。
(1)1Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間休止する。
(2)1Cの定電流充電によって4.1Vに到達後、定電圧充電にて2.5時間充電し、その後、10秒間休止する。
(3)0.5Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間停止する。
次に、初期容量測定後の各電池をSOC80%に調整し、60℃の恒温槽で30日間保管した後、再度上記の手順に従って電池容量(60℃保存後の電池容量)を測定した。そして初期容量から60℃30日保存後の電池容量の低下した割合を容量劣化率として算出した。なお、容量劣化率は下式から算出することができる。
容量劣化率(%)=(1−(60℃保存後の電池容量)/(初期容量))×100
上記で求めた活物質の基本キャパシタンスとその活物質を用いて作製した電池の容量劣化率との関係を、図6に示した。図6からわかるように、電池の容量劣化率は、活物質の基本キャパシタンス値が0.16F/g以下の範囲(リチウム電池1〜4)では約8%とほぼ一定の値を保つが、活物質のキャパシタンス値が0.16F/gを超える(リチウム電池5)と急激に高くなった。このことから、活物質のキャパシタンス値が0.16F/gを超えると容量維持率が悪化し、リチウム電池5については耐久性が十分でないと評価できることがわかった。
なお、本実施例には示していないものの、正極活物質をLiCoに変えて、後は上記と同様にして5通りの評価用のリチウムイオン電池を構築した。また、負極活物質の黒鉛の種類を変えて5通りに調整し、後は上記と同様にして5通りの評価用のリチウムイオン電池を構築した。これらの場合について、負極活物質のキャパシタンスと電池の容量維持率との関係を調べた。その結果、いずれの場合も電池の容量劣化率がほぼ一定となる値が約8%から変化したものの、容量劣化率が急激に高くなるのはいずれも負極活物質のキャパシタンス値が0.16F/gを超えたところであった。
以上のことから、活物質の種類に関係なく、活物質のキャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gとなる範囲で、低反応抵抗と高容量維持率を両立させることができることが確認できた。
[活物質のキャパシタンスの測定]
上記のとおり作成した評価用のセル1〜5について、25℃において、振幅5mV、測定周波数範囲を10000Hz〜0.1Hzとする条件で交流インピーダンスを測定した。評価用のセルのインピーダンス測定により作製したCole−Coleプロットの典型例を、図3に示した。交流インピーダンスの測定および解析には、以下のものを用いた。
測定装置 :Solartron社製、「1287型ポテンショ/ガルバノスタット」および「1255B型周波数応答アナライザ(FRA)」
解析ソフト :ZPlot/CorrWare
インピーダンス測定により得られたデータを、周波数に対する電気二重層容量成分の関係に変換し、この周波数と電気二重層容量成分との関係から、周波数が0.1Hzの時の負極活物質の重量あたりの電気二重層容量成分を求めることで負極活物質の基本キャパシタンスとした。負極活物質の基本キャパシタンスの測定結果を、下記の表1に示した。
[活物質のBET比表面積の測定]
なお、参考のために、負極活物質として用いた上記の5通りに調整したサンプル1〜5と同様の天然黒鉛について、窒素(N)ガスを用いたBET法により比表面積を測定した。測定には、比表面積細孔分布測定装置(マイクロメリティックス社製、Flow
SorbIII)を用いた。比表面積の測定結果を、下記の表1に示した。また、サンプル1〜5の比表面積と、セル1〜5の反応抵抗との関係を図5に示した。
図5から、BET法により測定した活物質の比表面積と反応抵抗比との間には、相関がみられないことがわかった。一方の、図4に示した活物質の基本キャパシタンスと反応抵抗比との間には非常に良い相関がみられることから、実際に反応抵抗と相関を示すのは、単なる活物質の表面積ではなく、電極において電荷担体の吸着に寄与し得る面積であり、かかる相関性は、活物質の基本キャパシタンスにより正確に把握できることが確認できた。
以上のことから、評価用セルの交流インピーダンス測定から求められる「活物質のキャパシタンス(基本キャパシタンス)」から、その活物質の性能(反応抵抗特性、容量維持特性など)を評価できることが明らかとなった。たとえば、上記の実施例においては、サンプル2〜4の負極活物質を良品と判断することができ、サンプル1および5の活物質については使用に注意が必要であると判断できる。
そして、かかる評価にて良品と判断される活物質を用いることで、性能(反応抵抗特性、容量維持特性など)に優れた電極、蓄電デバイスを製造できることが確認できた。また、かかる評価は、活物質のみではなく、電極全体をも評価の対象とし得ることから、「活物質のキャパシタンス(基本キャパシタンス)」を指標として電極の設計を簡便に行えることも示された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
ここで開示される活物質の評価方法は、評価対象である活物質が、反応抵抗(例えば、−30℃といった低温での反応抵抗)が低く、容量維持率(例えば、60℃といった高温での容量維持率)が高いといった優れた特性を両立し得るものであるかどうかの評価を可能とし、かかる特性を両立し得る蓄電デバイスの製造を可能としている。そしてまた、ここで開示される活物質、電極およびリチウム二次電池10等の蓄電デバイスは、これらの電池性能を兼ね備えたものであり得る。従って、例えば図9に示したように、使用および/または放置環境が低温あるいは高温になり得る用途(例えば、自動車等の車両100に搭載されるモーター用の動力源(駆動電源))等に特に好適に使用し得る。かかるリチウム二次電池は、単独(すなわち単セル)で用いられても良いし、例えば組電池(図示せず)の形態で用いても良い。車両の種類は特に限定されないが、典型的には、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。
1 評価用セル
10 リチウムイオン電池
20 捲回型電極体
30 正極
32 正極集電体
33 未塗工部
34 正極活物質層
40 正極端子
50 負極(電極)
52 負極集電体(集電体)
53 未塗工部
54 負極活物質層(活物質層)
60 負極端子
70 セパレータ
80 電池ケース
82 蓋体
84 容器本体
86 注液口
88 安全弁
100 車両

Claims (10)

  1. 活物質とバインダとを含む活物質層が集電体上に形成された電極を製造する方法であって、
    活物質とバインダとを含む活物質層形成用組成物を用意すること、
    前記活物質層形成用組成物を集電体上に供給して活物質層を形成すること、
    前記活物質層を圧縮して前記活物質層の密度を調整して電極を得ること、
    を包含し、
    前記活物質として、下記で定義される活物質の基本キャパシタンス:
    活物質と、バインダとを、活物質:バインダが98:2〜99:1となる質量比で含み、目付量が3.5〜4.0mg/cmで、密度が0.95g/cm〜1.02g/cmとなるように形成された活物質層が集電体上に備えられてなる電極を2枚用意し、非水電解質中において前記活物質層が対向し、かつ、互いに絶縁された状態で前記2枚の電極が配置された評価用セルを用意し、前記評価用セルの交流インピーダンス測定を行った際の、周波数が0.1Hzにおける電気二重層容量の実部成分を活物質の基本キャパシタンスとする;
    が0.1F/g〜0.16F/gの範囲内である活物質を用いる、製造方法。
  2. 活物質とバインダとを含む活物質層が集電体上に形成された電極を製造する方法であって、
    活物質とバインダとを含む活物質層形成用組成物を用意すること、
    前記活物質層形成用組成物を集電体上に供給して活物質層を形成すること、
    前記活物質層を圧縮して前記活物質層の密度を調整して電極を得ること、
    を包含し、
    下記で定義される活物質のキャパシタンス:
    前記電極を2枚用意し、
    非水電解質中において前記2枚の電極を前記活物質層が対向し、かつ、互いに絶縁された状態で配置した評価用セルを用意し、
    前記評価用セルの交流インピーダンス測定を行った際の、周波数が0.1Hzにおける電気二重層容量の実部成分を活物質のキャパシタンスとする;
    を0.1F/g〜0.16F/gの範囲内とするよう、活物質の比表面積、活物質とバインダの質量比、表面積活物質層形成用組成物の固形分濃度、活物質層の目付量および密度のいずれか一つ以上を調整する、製造方法。
  3. 前記活物質として黒鉛材料を用いる、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 活物質とバインダとを含む活物質層が集電体上に備えられてなる電極であって、
    活物質として、下記で定義される活物質の基本キャパシタンス:
    活物質と、バインダとを、活物質:バインダが98:2〜99:1となる質量比で含み、目付量が3.5〜4.0mg/cmで、密度が0.95g/cm〜1.02g/cmとなるように形成された活物質層が集電体上に備えられてなる電極を2枚用意すること、
    非水電解質中において前記活物質層が対向し、かつ、互いに絶縁された状態で前記2枚の電極が配置された評価用セルを用意すること、
    前記評価用セルの交流インピーダンス測定を行った際の、周波数が0.1Hzにおける電気二重層容量の実部成分を活物質の基本キャパシタンスとする;
    が0.1F/g〜0.16F/gの範囲内である活物質を備えている、電極。
  5. 前記活物質が黒鉛材料からなる、請求項4に記載された電極。
  6. 請求項4または5に記載の電極を正極または負極のいずれか一方または両方に備える、蓄電デバイス。
  7. 蓄電デバイス用の活物質を評価する方法であって、
    評価対象である活物質と、バインダとを、活物質:バインダが98:2〜99:1となる質量比で含み、目付量が3.5〜4.0mg/cmで、密度が0.95g/cm〜1.02g/cmとなるように形成された活物質層が集電体上に備えられてなる電極を2枚用意すること、
    非水電解質中において前記活物質層が対向し、かつ、互いに絶縁された状態で前記2枚の電極が配置された評価用セルを用意すること、
    前記評価用セルの交流インピーダンス測定をすること、
    該測定結果から、周波数が0.1Hz以下における電気二重層容量の実部成分として算出される活物質の基本キャパシタンスを求めること、および、
    前記活物質の基本キャパシタンスが0.1F/g〜0.16F/gの範囲内であるときに、前記活物質を良品と評価すること、を包含する、活物質の評価方法。
  8. 前記活物質として黒鉛材料を用いる、請求項7に記載された活物質の評価方法。
  9. 電荷担体の吸蔵および放出が可能な活物質であって、
    下記で定義される活物質の基本キャパシタンス:
    当該活物質と、バインダとを、活物質:バインダが98:2〜99:1となる質量比で含み、目付量が3.5〜4.0mg/cmで、密度が0.95g/cm〜1.02g/cmとなるように形成された活物質層が集電体上に備えられてなる電極を2枚用意し、
    非水電解質中において前記活物質層が対向し、かつ、互いに絶縁された状態で前記2枚の電極が配置された評価用セルを用意し、
    前記評価用セルの交流インピーダンス測定を行ったときの、周波数が0.1Hzにおける電気二重層容量の実部成分を活物質の基本キャパシタンスとする;
    が0.1F/g〜0.16F/gの範囲内である、活物質。
  10. 前記活物質が黒鉛材料からなる、請求項9に記載された活物質。
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