JP5234373B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明はリチウムイオン二次電池に関し、詳しくは、黒鉛系負極活物質を備えるリチウムイオン二次電池に関する。
近年、リチウム二次電池は、車両搭載用電源あるいはパソコンや携帯端末等の電源として、その重要性がますます高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。リチウムイオン二次電池の一つの典型的な構成では、正極活物質を含む正極合剤層と、負極活物質を含む負極合剤層との間をリチウムイオンが行き来することによって充電および放電が行われる。負極活物質としては、少なくとも一部にグラファイト構造を有するカーボン材料が好ましく用いられる。リチウム二次電池に関する技術文献として、特許文献1〜4が挙げられる。
日本国特許出願公開平5−41251号公報 日本国特許出願公開2006−303118号公報 日本国特許出願公開2002−110250号公報 日本国特許出願公開平6−338345号公報
ところで、リチウムイオン二次電池の用途のなかには、低温から高温まで幅広い温度条件下に置かれる可能性があり、かつ、ハイレートでの充電(急速充電)を繰り返す態様で使用されることが想定されるものがある。車両の動力源として用いられるリチウムイオン二次電池(例えば、動力源として、リチウムイオン二次電池と、内燃機関等のように作動原理の異なる他の動力源とを併用するハイブリッド車両に搭載されるリチウムイオン二次電池)は、このような使用態様が想定されるリチウムイオン二次電池の一例である。このような用途向けのリチウムイオン二次電池には、上記幅広い温度条件において長期間不使用の状態におかれても容量の低下が少なく(すなわち、容量維持性が高く)、かつ、ハイレートでの充電を繰り返しても電池性能の低下が少ないこと(例えば、内部抵抗の上昇が少ないこと)が求められる。
しかし、一般に容量維持性とハイレート特性とは相反する特性であるため、これらの特性を同時に高レベルで実現することは困難である。かかる状況に鑑み、本発明は、高温条件下で保存されても高い容量維持性を示し、かつ、低温条件下においてハイレート充電を含む充放電パターンを繰り返しても性能劣化が少ないリチウムイオン二次電池を提供することを主要な目的とする。
この明細書により開示される技術によると、正極集電体上に正極合剤層を有するシート状正極(正極シート)と負極集電体上に負極合剤層を有するシート状負極(負極シート)とがセパレータを介して重ね合わされた構成の電極体を備え、該電極体がリチウムイオンを含む非水電解液とともに容器に収容された形態のリチウムイオン二次電池が提供される。前記負極合剤層は、該合剤層の主成分たる負極活物質として、少なくとも一部にグラファイト構造を有するカーボン材料を含む。上記電池は、前記負極合剤層のうち前記正極合剤層に対向して配置された領域に含まれる前記負極活物質の総表面積(リチウムイオンの出入りに関与する面積、すなわち反応面積)を当該電池の容量1Ah当たりに換算した値をS[m](以下、「電池容量当たりの負極活物質反応面積」ということもある。)とし、前記負極合剤層のうち前記領域に含まれる空隙の総体積を当該電池の容量1Ah当たりに換算した値をV(以下、「電池容量当たりの負極合剤層内空隙体積」ということもある。)とし、前記体積Vの前記非水電解液中に含まれるリチウムイオンの数をN[個](以下、「電池容量当たりの負極合剤層空隙内リチウムイオン数」ということもある)としたとき、次式(A):
α=S×N (A);
により算出されるαが1×1025〜2.5×1025であることを特徴とする。かかる構成を有するリチウムイオン二次電池は、高温での保存に対して高い容量維持性を示し、かつ低温(典型的には0℃以下、例えば−15℃前後またはそれ以下)でのハイレート充電を含む充放電サイクルに対しても内部抵抗の上昇が抑えられたものとなり得る。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記αが1.5×1025以上(典型的には、αが1.5×1025〜2.5×1025)である。かかる態様によると、高温での保存に対して高い容量維持性を示し、かつ、低温でのハイレート充電を含む充放電サイクルに対して内部抵抗の上昇が高度に抑制されたイオン二次電池が実現され得る。
ここに開示される技術の好ましい他の一態様では、前記電池容量当たりの負極活物質反応面積Sが18m以上である。かかる態様によると、高温での保存に対して高い容量維持性を示し、かつ、低温でのハイレート充電を含む充放電サイクルに対して内部抵抗の上昇が高度に抑制されたイオン二次電池が実現され得る。前記Sが18m以上であって、かつ前記αが1.2×1025以上(典型的には、αが1.5×1025〜2.5×1025)であることがさらに好ましい。
ここに開示される技術の好ましい適用対象として、−15℃以下の低温環境下で使用されるリチウムイオン二次電池が挙げられる。上述のように、ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、低温でのハイレート充電を含む充放電サイクルに対しても良好な耐久性(例えば、内部抵抗の上昇が少ない性質)を示す。したがって、上記のような低温環境下で使用するための電池や、かかる環境下で使用される可能性のあるリチウムイオン二次電池では、ここに開示される技術を適用する意義が特に大きい。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、車両電源用の電池として特に好適である。車両は、輸送、保管、走行等の際において、低温から高温まで幅広い温度条件に曝される可能性があり、しかも使用される地域や季節によっては0℃以下(さらには−15℃前後またはそれ以下)でのハイレート充電を繰り返す態様で使用される可能性がある。したがって、車両電源用のリチウムイオン二次電池においては、ここに開示される技術を適用して高温保存性と低温ハイレート充電に対する耐久性とを高レベルで両立させることが特に有意義である。
本発明によると、また、ここに開示されるいずれかのリチウム二次電池を備える車両が提供される。上記リチウムイオン二次電池は、上述のように高温保存性と低温ハイレート充電に対する耐久性とを高レベルで両立し得ることから、かかる電池を例えばモータ(電動機)用電源として搭載した車両は、幅広い温度域での使用に対してより高性能なものとなり得る。
図1は、容量維持率とαとの関係を示すグラフである。 図2は、内部抵抗増加率とαとの関係を示すグラフである。 図3は、一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構造を例示する部分断面図である。 図4は、一実施形態に係るリチウム二次電池を備えた車両(自動車)を示す模式的側面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示される技術は、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を有するカーボン材料を負極活物質に用いた各種のリチウムイオン二次電池に適用され得る。該電池の形状(外形)は特に限定されず、例えば、円筒型、角型、コイン型等の形状であり得る。
負極活物質としては、少なくとも一部にグラファイト構造を有する粒子状のカーボン材料(カーボン粒子)が好ましく用いられる。いわゆる黒鉛質のもの(グラファイト)、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、これらを組み合わせた構造を有するもののいずれの炭素材料も使用可能である。グラファイトの表面に非晶質(アモルファス)カーボンが付与されたカーボン粒子等であってもよい。上記負極活物質の性状としては、例えば、平均粒径が凡そ5μm〜50μmの粒子状が好ましい。なかでも、平均粒径が凡そ5μm〜15μm(例えば凡そ8μm〜12μm)のカーボン粒子の使用が好ましい。このように比較的小粒径のカーボン粒子は、比表面積(単位質量当たりの反応面積として把握され得る。)が大きいことから、より急速充放電(例えば高入力充電)に適した負極活物質となり得る。したがって、かかる負極活物質を有するリチウムイオン二次電池は、例えば車両搭載用のリチウムイオン二次電池として好適に利用され得る。
ここに開示される技術における負極(負極シート)は、典型的には、上記負極活物質を主成分とする負極合剤層が負極集電体に保持された構成を有する。負極集電体としては、導電性の良い金属を主体に構成されたシート状部材を好ましく用いることができる。特に、銅(Cu)または銅を主成分とする合金(銅合金)製の負極集電体の使用が好ましい。負極集電体のサイズは特に限定されず、目的とするリチウムイオン二次電池の形状等に応じて適宜選択し得る。例えば、厚さ5μm〜30μm程度の金属箔を負極集電体として好ましく使用することができる。
上記負極合剤層は、例えば、負極活物質を適当な溶媒に分散させた液状組成物(典型的にはペーストまたはスラリー状の組成物)を負極集電体に付与し、該組成物(負極合剤層形成用組成物)を乾燥させることにより好ましく作製され得る。上記溶媒(負極活物質の分散媒)としては、水、有機溶媒およびこれらの混合溶媒のいずれも使用可能である。例えば、水系溶媒(水、または水を主成分とする混合溶媒をいう。)を好ましく採用することができる。
負極合剤層形成用組成物は、負極活物質および上記溶媒のほかに、一般的なリチウムイオン二次電池用負極の製造において負極合剤層の形成に用いられる液状組成物に配合され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、バインダ(結着剤)および/または流動性調整剤として機能し得るポリマーが挙げられる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のポリマーから適宜選択される一種または二種以上を、上記バインダおよび/または流動性調整剤(典型的には粘度調整剤、例えば増粘剤)として好適に使用することができる。
特に限定するものではないが、負極合剤層形成用組成物の固形分(不揮発分、すなわち該組成物全体に占める負極合剤層形成成分の割合;以下、NVと表記することもある。)は、例えば凡そ40質量%〜60質量%程度とすることができる。また、上記固形分(負極合剤層形成成分)に占める負極活物質の割合は、典型的には50質量%以上であり、通常は85質量%以上(典型的には85〜99.9質量%)とすることが好ましく、90〜99.5質量%(例えば95〜99質量%)とすることがより好ましい。
かかる組成物を負極集電体に付与するにあたっては、従来公知の方法と同様の技法を適宜採用することができる。例えば、適当な塗布装置(グラビアコーター、スリットコーター、ダイコーター、コンマコーター等)を使用して所定量の負極合剤層形成用組成物を集電体表面に塗布するとよい。集電体の単位面積当たりの塗布量は特に限定されず、負極シートおよび電池の形状や目標性能等に応じて適宜異なり得る。例えば、箔状集電体(例えば、厚さ5μm〜30μm程度の金属箔(銅箔等)を好ましく用いることができる。)の両面に上記組成物を、NV換算の塗布量(すなわち、乾燥後の質量)が両面合わせて凡そ5〜20mg/cm程度となるように塗布するとよい。
塗布後、適当な乾燥手段で塗布物を乾燥し、必要に応じてプレスすることにより、負極集電体の表面に負極合剤層を形成することができる。プレス方法としては、ロールプレス法、平板プレス法等の、従来公知の各種プレス方法を適宜採用することができる。
なお、上述した負極の構成のうち、αの値に影響する要素(例えば、電池容量当たりの負極活物質反応面積Sおよび電池容量当たりの負極合剤層内空隙体積Vの少なくとも一方に影響する要素)については、αがここに開示される好ましい数値範囲となるように選択または設定することが好ましい。詳しくは後述する。
ここに開示される技術における正極(正極シート)としては、正極活物質を主成分とする正極合剤層がシート状の正極集電体に保持された構成のものを好ましく用いることができる。正極活物質としては、リチウムイオン二次電池の電極活物質として使用し得ることが知られている各種材料(例えば、層状構造の酸化物やスピネル構造の酸化物)の一種または二種以上を、特に限定なく使用することができる。例えば、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムマグネシウム系複合酸化物等のリチウム含有複合酸化物が挙げられる。正極活物質の他の例として、オリビン型リン酸リチウム等のポリアニオン系材料が挙げられる。
ここで、リチウムニッケル系複合酸化物とは、リチウム(Li)とニッケル(Ni)とを構成金属元素とする酸化物のほか、リチウムおよびニッケル以外に他の少なくとも一種の金属元素(すなわち、LiとNi以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)を、原子数換算でニッケルと同程度またはニッケルよりも少ない割合(典型的にはニッケルよりも少ない割合)で構成金属元素として含む酸化物をも包含する意味である。上記LiおよびNi以外の金属元素は、例えば、Co,Al,Mn,Cr,Fe,V,Mg,Ti,Zr,Nb,Mo,W,Cu,Zn,Ga,In,Sn,LaおよびCeからなる群から選択される一種または二種以上の金属元素であり得る。リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物およびリチウムマグネシウム系複合酸化物についても同様の意味である。
上記正極は、このような正極活物質を、必要に応じて使用される導電材、結着剤(バインダ)等とともに、層状の正極合剤(正極合剤層)として正極集電体に付着させた形態であり得る。導電材としては、カーボンブラック(アセチレンブラック等)のような炭素材料、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いることができる。結着剤としては、負極合剤層と同様のものを用いることができる。正極集電体としては、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレススチール等の導電性金属を主体とするシート状部材(典型的には、厚さ5μm〜30μm程度の金属箔、例えばアルミニウム箔)を好ましく使用することができる。
正極合剤全体に占める正極活物質の割合は、典型的には50質量%以上(例えば50〜95質量%)であり、通常は70〜95質量%(例えば75〜90質量%)程度とすることが好ましい。また、正極合剤全体に占める導電材の割合は、例えば2〜20質量%(好ましくは2〜15質量%)とすることができる。バインダを使用する組成では、正極合剤全体に占めるバインダの割合を例えば1〜10質量%(好ましくは2〜5質量%)とすることができる。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、上記正極シートと上記負極シートとがセパレータを介して重ね合わされた構成の電極体を備える。かかる電極体の典型例として、長尺状の両電極シートを二枚のセパレータシートとともに、あるいは電極表面等に設けられたセパレータ層を介して重ね合わせて、長尺方向に捲回してなる捲回電極体が挙げられる。上記セパレータとしては、一般的なリチウム二次電池に用いられるセパレータと同様のものを用いることができ、特に限定されない。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂からなる多孔質シート、不織布等を用いることができる。
このような電極体(典型的には捲回電極体)を、リチウムイオンを含む非水電解液とともに適当な容器(金属または樹脂製の筐体、ラミネートフィルムからなる袋体等)に収容することにより、リチウムイオン二次電池が構築される。
上記非水電解液は、非水溶媒と、該溶媒に溶解してリチウムイオンを供給し得るリチウム化合物(支持電解質)とを含む。上記非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等の、一般にリチウムイオン二次電池の電解質に使用し得るものとして知られている非水溶媒から選択される一種または二種以上を用いることができる。
上記支持電解質としては、LiPF、LiBF、LiClO等の無機リチウム塩;LiN(SOCF、LiN(SO、LiCFSO、LiCSO、LiC(SOCF等の有機リチウム塩;等のリチウム化合物を用いることができる。これらのリチウム化合物の一種を単独で含む電解液であってもよく、二種以上を適宜組み合わせて含む電解液であってもよい。ここに開示される技術の好ましい一態様では、支持電解質としてLiPFを単独で含む非水電解液が用いられる。
上記非水電解液における支持電解質(支持塩)の濃度は、例えば0.3モル/L〜5モル/L(好ましくは0.3モル/L〜1.5モル/L)とすることができ、通常は0.7モル/L〜2モル/L(好ましくは0.7モル/L〜1.5モル、例えば0.7モル/L〜1.2モル/L)程度とすることが適当である。なお、この支持電解質の濃度は、電池容量当たりの負極合剤層内空隙体積Vに浸み込んだ非水電解液中に含まれるリチウムイオン数N(電池容量当たりの負極合剤層空隙内リチウムイオン数)に影響する。したがって、SおよびVの値を考慮して、αがここに開示される好ましい数値範囲となるように支持電解質の濃度を設定することができる。
ここに開示される技術におけるリチウムイオン二次電池は、該電池の電池容量当たりの負極活物質反応面積Sと、電池容量当たりの負極合剤層内空隙体積Vに浸み込んだ非水電解液中に含まれるLiイオン数Nとの積α(α=S×N)が、所定の数値範囲内にあることによって特徴づけられる。
ここで、上記Sは、負極合剤層のうち正極合剤層に対向して配置された領域に含まれる負極活物質の総表面積[m]を電池容量[Ah]で割った値として定義される。上記「負極合剤層のうち正極合剤層に対向して配置された領域」とは、要するに、負極合剤層のうちセパレータを介して正極合剤層との間でLiイオンのやりとりが可能な領域、すなわち電池の充放電に寄与する領域を意味する(以下、「実効領域」ということもある。)。したがって、例えば、集電体の両面に合剤層を有する正負の電極シートが二枚のセパレータシートを介して捲回された構成の電極体において、該電極体を構成する正極シートのうち最も外側の一周に配置された部分の外側に、セパレータシートおよび負極シートがさらに一周巻き付けられている場合、その巻き付けられた負極シートのうち負極集電体の内側に配置された負極合剤層は、上記最外周の正極シートのうち正極集電体の外側に配置された正極合剤層に対向するので、上記実効領域に含まれる。一方、上記最外周に巻き付けられた負極シートのうち負極集電体の外側に配置された負極合剤層は、もはやその外側には対向する正極合剤層が存在しないため、上記実効領域には含まれない。また、正極シートと負極シートとを重ね合わせる際に、その重ね合わせ方向(シートの表面に垂直な方向)からみて、負極合剤層の一部が正極合剤層よりも外側にはみ出して配置されている場合、そのはみ出した部分も上記実効領域には含めないものとする。
上記Sの定義において、上記実効領域に含まれる負極活物質の総表面積は、当該領域にある負極合剤層の合計質量、その負極合剤層における負極活物質の含有割合、および負極活物質の比表面積から求めることができる。負極活物質の比表面積の値としては、一般的な窒素吸着法により得られるBET比表面積の値を採用することができる。
上記Sの定義における電池容量とは、25℃の温度条件下において、測定対象たるリチウムイオン二次電池を端子間電圧が4.1Vになるまで1Cの定電流にて充電し、続いて合計充電時間が2.5時間になるまで定電圧で充電し、10分間休止した後に、4.1Vから3.0Vまで0.33Cの定電流で放電させ、続いて合計放電時間が4時間となるまで定電圧で放電させた場合における放電容量[Ah]をいう。
また、上記Vは、上記実効領域に含まれる負極合剤層中にある空隙の総体積[m]を電池容量[Ah]で割った値として定義される。ここでいう電池容量は、Sの定義における電池容量と同じ意味である。また、上記実効領域に含まれる負極合剤層中の空隙の総体積は、例えば、該実効領域に含まれる負極合剤層の体積(例えば、次式:(実効領域に含まれる負極合剤層の面積)×(負極合剤層の厚み);により算出できる。)から該負極合剤層を構成する各成分の合計体積(例えば、負極活物質の体積+増粘剤の体積+バインダの体積)を減算することにより、あるいは、次式:(上記実効領域に含まれる負極合剤層の体積)×(負極合剤層の空孔率)により求めることができる。上記空孔率は、例えば、市販の水銀ポロシメータを用いて測定することができる。。そして、上記Nは、上記Vと、使用する非水電解液における支持電解質の濃度(体積モル濃度)とから求められる。
本発明者は、電池容量当たりの負極活物質反応面積Sが大きくなると電池の保存安定性(容量維持率)が低下しやすくなる傾向にあり、非水電解液の体積当たりに含まれるLiイオン数が多くなる(すなわち支持塩濃度が高くなる)と上記傾向がより顕著になることを見出した。これは、非水電解液の体積当たりのLiイオン数が多くなると、SEI(solid electrolyte interphase)の生成量が多くなりすぎ、この多量のSEIに取り込まれたLiがもはや電池反応に寄与し得なくなることにより電池容量が低下するものと考えられる。
一方、活物質の反応面積を大きくすることは、電池の低温特性を向上させる有効な手法となり得る。また、合剤層に浸み込んだ非水電解液中に存在するLiイオンの量(数)を多くすることも、電池の低温特性にとって有利な要因となり得ると考えられる。そこで本発明者は、電池の保存安定性および低温特性と、負極活物質の反応面積Sおよび負極合剤層内の非水電解液に含まれるLiイオン数Nとの関係を詳細に検討した。かかる検討の末に、保存安定性(例えば、高温保存時における容量維持性)を大きく損なうことなく、反応面積SおよびLiイオン数Nを大きくすることのできる範囲を見出したのである。すなわち、反応面積S[m]とLiイオン数N[個]との積αが1×1025〜2.5×1025の範囲にあるリチウムイオン二次電池によれば、高温での保存に対する高い容量維持性と、低温でのハイレート充電を含む充放電サイクルに対する内部抵抗上昇抑制とを、同時に高レベルで実現することができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、αが1.5×1025〜2.5×1025である。かかる態様によると、高温保存に対する容量維持性が高く、かつ、低温ハイレート充電を含む充放電サイクルに対する内部抵抗の上昇がよりよく抑制されたイオン二次電池が実現され得る。
反応面積Sは、Liイオン数Nを考慮して、αが上記範囲となるように適宜設定することができる。通常は、Sを15m以上(例えば15〜50m)とすることが適当である。反応面積Sが小さすぎると、負極合剤層に浸み込んだ非水電解液中に十分な数のLiイオンが含まれていても、充放電条件によっては(例えば、低温条件下では)それらのLiイオンが負極合剤層に出入りする速度が不足し、このことによって低温充放電に対するサイクル特性が低下気味となることがあり得る。好ましい一態様では、Sが18m以上(例えば18〜50m)である。かかる態様によると、高温保存に対する容量維持性が高く、かつ、低温ハイレート充電を含む充放電サイクルに対する内部抵抗の上昇がよりよく高度に抑制されたイオン二次電池が実現され得る。なお、Sの値は、例えば、使用する負極活物質の比表面積、負極合剤層における負極活物質の含有割合、負極合剤の付与量(塗布量)等により調整することができる。
Liイオン数Nは、反応面積Sを考慮して、αが上記範囲となるように適宜設定することができる。上記Nは、負極合剤層の空隙体積Vおよび非水電解液のLiイオン濃度に依存する。空隙体積Vは、例えば、使用する負極活物質の物理特性(平均粒径、粒径分布、タップ密度など)、負極合剤層における負極活物質の含有割合、負極合剤層の密度(例えば、プレス条件、負極合剤層形成用組成物のNV、乾燥条件などにより調節し得る。)、負極合剤の付与量(塗布量)等により調整することができる。
以下、ここに開示される技術を適用してなるリチウムイオン二次電池の一実施形態につき、図面を参照しつつその概略構成を説明する。図3に示すリチウムイオン二次電池10は、偏平な角型形状の容器11(典型的には金属製であり、樹脂製であってもよい。)を備える。この容器11の中に、正極シート32、負極シート34および二枚のセパレータシート35を重ね合わせて捲回してなる捲回電極体30が収容されている。正極シート32は、長尺状の正極集電体(例えばアルミニウム箔)の両面に、該集電体の長手方向に沿う一方の端部を帯状に残して正極合剤層が設けられた構成を有する。負極シート34は、長尺状の負極集電体(例えば銅箔)の両面に、該集電体の長手方向に沿う一方の端部を帯状に残して負極合剤層が設けられた構成を有する。捲回電極体30は、両電極シート32,34のうち合剤層が設けられていない部分(合剤層非形成部32A,34A)がセパレータシート35の長手方向に沿う一方の端部と他方の端部からそれぞれはみ出すように重ね合わせて捲回し、その捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることにより、容器11の形状に合わせた扁平形状に形成されている。
電極シート32,34には、外部接続用の正極端子14および負極端子16が電気的に接続されている。この接続は、両電極シート32,34の合剤層非形成部32A,34Aのうちセパレータシート35からはみ出した部分をそれぞれ捲回電極体30の径方向に寄せ集め、その寄せ集めた部分に正極端子14および負極端子16をそれぞれ接続(例えば溶接)することにより好適に行うことができる。端子14,16が接続された電極体30を容器11に収容し、その内部に適当な非水電解液を供給した後、容器11を封止することにより、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10が構築される。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<リチウムイオン二次電池の作製>
比表面積の異なる9種類の黒鉛粉末C1〜C9を用意し、これらの黒鉛粉末を負極活物質に用いた負極を作製した。すなわち、各黒鉛粉末とSBRとCMCとを、これら材料の質量比が98:1:1であり且つNVが45質量%となるようにイオン交換水と混合して、負極合剤層形成用の組成物を調製した。この組成物を、厚さ10μmの長尺状銅箔(負極集電体)の両面に塗布して乾燥させることにより、負極合剤層を形成した。上記組成物の塗布量(固形分基準)は、両面合わせて7.0mg/cmとなるように調整した。乾燥後、負極集電体とその両面の負極合剤層とを合わせた全体の厚みが60μmとなるようにプレスした。このようにして、各黒鉛粉末C1〜C9に対応する合計9種類のシート状負極(負極シートC1〜C9)を作製した。なお、ここで使用した黒鉛粉末はいずれも、ほぼ球形の黒鉛質粒子を主体に構成されている。上記比表面積の違いは、主として、各黒鉛粉末を構成する黒鉛質粒子の平均粒径の違いに起因する。
正極活物質としてのニッケル酸リチウム(LiNiO)粉末と、導電材としてのアセチレンブラックと、バインダとしてのPVDFとを、これら材料の質量比が87:10:3となり且つ固形分濃度(NV)が約40質量%となるようにNMPと混合して、正極合剤層形成用の組成物を調製した。この組成物を、厚さ15μmの長尺状アルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布して乾燥させることにより、正極合剤層を形成した。上記組成物の塗布量(固形分基準)は、両面合わせて約12.8mg/cmとなるように調整した。乾燥後、正極集電体とその両面の正極合剤層とを合わせた全体の厚みが25μmとなるようにプレスして、シート状正極(正極シート)を作製した。
負極シートC1〜C9の各々を上記正極シートおよび二枚の長尺状のセパレータシートと積層し、その積層シートを長尺方向に捲回して捲回電極体を作製した。セパレータシートとしては、厚さ25μmの多孔質ポリエチレンシートを使用した。このようにして、各負極シートC1〜C9に対応する合計9種類の捲回電極体(電極体C1〜C9)を作製した。
ECとDMCとEMCとを3:3:4の体積比で含む混合溶媒にLiPF(支持電解質)を溶解して、LiPFの濃度が異なる5種類の非水電解液を調製した。これらの非水電解液における具体的なLiPF濃度は、0.9モル/L(以下、「0.9M電解液」という。)、1.0モル/L(1.0M電解液)、1.1モル/L(1.1M電解液)、1.2モル/L(1.2M電解液)、および1.3モル/L(1.3M電解液)である。
そして、上記9種の電極体と5種の電解液とを組み合わせて外装ケースに収容することにより、18650型リチウムイオン二次電池を構築した。詳しくは、電極体C3〜C9の各々と0.9M電解液との組み合わせ、電極体C1〜C9の各々と1.0M電解液との組み合わせ、電極体C1〜C9の各々と1.1M電解液との組み合わせ、電極体C3〜C9の各々と1.2M電解液との組み合わせ、および電極体C3〜C9の各々と1.3M電解液との組み合わせにそれぞれ対応する、合計39種のリチウムイオン二次電池(サンプル1〜39)を作製した。
<αの算出>
[初期容量測定]
サンプル1〜39に係る各電池を、25℃の温度条件下において、端子間電圧が4.1Vになるまで1C(ここでは0.2A)の定電流にて充電し、続いて合計充電時間が2.5時間になるまで定電圧で充電した(CC−CV充電)。充電完了から10分間休止した後、25℃において、4.1Vから3.0Vまで0.33Cの定電流で放電させ、続いて合計放電時間が4時間となるまで定電圧で放電させた。このときの放電容量を各電池の初期容量Q1[Ah]とした。サンプル1〜39に係る電池の初期容量Q1は、いずれも概ね0.2Ahであった。
[電池容量当たりの負極活物質反応面積S]
上記で作製した電極体C1〜C9において、負極合剤層のうちセパレータシートを介して正極合剤層が対向配置された領域に含まれる負極活物質の質量は、いずれも0.84gである。この質量[g]に、使用した各負極活物質C1〜C9の比表面積[m/g]を掛け、その値を電池の初期容量Q1[Ah]で割ることにより、電池容量1Ah当たりの負極活物質反応面積S[m]を算出した。得られた値を表1に示す。
[電池容量当たりの負極合剤層内Liイオン数N]
上記で作製した電極体C1〜C9の備える負極合剤層の空隙率を、次式:{(実効領域に含まれる負極合剤層の面積)×(負極合剤層の厚み)−(負極活物質の体積+SBRの体積+CMCの体積)}÷{(実効領域に含まれる負極合剤層の面積)×(負極合剤層の厚み)};により算出したところ、電極体C1では36.4%、C2では36.9%、C3では36.4%、C4では37.4%、C5では35.9%、C6では36.9%、C7では37.4%、C8では36.4%、そしてC9では37.4%であった。
上記空隙率と負極合剤層の厚みとから、各電極体C1〜C9について、上記実効領域に含まれる空隙の総体積を求めた。その値を電池の初期容量Q1[Ah]で割ることにより、電池容量1Ah当たりの負極合剤層内空隙体積Vを求めた。そして、各電池の構築に用いた電解液のリチウムイオン濃度から、上記空隙体積Vに含まれるリチウムイオンの数N[個]を求めた。
上記で求めたSとNとを掛け合わせることにより、サンプル1〜39に係る電池のαを算出した。得られた値を表1に示す。
<高温保存に対する容量維持率>
25℃の温度条件下にて、サンプル1〜39に係る電池を、1Cの定電流で4.1Vまで充電した後、合計充電時間が3時間となるまで定電圧で充電するCCCV充電により、SOC100%に調整した。これらの電池を60℃の環境下に30日間保存した後、25℃の温度条件下にて上記初期容量測定時と同じ条件で放電させ、このときの電池容量(高温保存後電池容量Q2)を求めた。そして、次式:Q2/Q1×100[%];により、上記高温保存に対する容量維持率を算出した。得られた結果を表1,2および図1に示す。
<低温ハイレートサイクルに対する内部抵抗上昇率>
25℃の温度条件下にて、サンプル1〜39に係る電池を、端子間電圧が3.75Vとなるまで1Cの定電流で充電し、続いて合計充電時間が120分となるまで定電圧で充電して、SOC60%に調整した。そして、同温度において各電池に対し1/3C、1C、2C、3Cの電流値でそれぞれ10秒間ずつ放電と充電を交互に行って、放電開始から10秒後の電圧を測定した。このときの電流値(X軸)および電圧値(Y軸)を直線回帰し、その傾きから各電池の初期内部抵抗値R1[mΩ]を求めた。
次いで、各電池を上記と同様にSOC60%に調整した後、−15℃の試験環境下において、20C(ここでは4A)の定電流で10秒間充電し、5秒間休止し、1C(0.2A)の定電流で200秒間放電させ、145秒間休止する、を1サイクルとして、これを4000サイクル行った。その間、100サイクル毎に、試験中の電池のSOCを60%に再調整する操作を行った。詳しくは、試験中の電池に対して、1Cの定電流で3.75Vまで放電させ、次いで合計放電時間が240秒となるまで定電圧で放電させ(このSOC調整操作の開始時において試験中の電池の電圧が3.75Vよりも低い場合には、以上の放電操作を行っても実際には放電されない。)、10秒間休止した後、1Cの定電流で3.75Vまで充電し、次いで合計放電時間が240秒となるまで定電圧で充電し(このSOC調整操作の開始時において試験中の電池の電圧が3.75Vよりも高い場合には、以上の充電操作を行っても実際には充電されない。)、10秒間休止することにより、試験中の電池のSOCを60%に再調整した。
このようにして−15℃で4000サイクルの充放電を行った後、25℃の温度条件下にて、上記初期内部抵抗値の測定と同様の方法により、低温ハイレートサイクル後の内部抵抗値R2[mΩ]を求めた。そして、次式:R2/R1×100[%];により低温ハイレートサイクルによる内部抵抗上昇率を算出した。得られた結果を表1,2に示す。また、αに対して容量維持率をプロットしたグラフを図1に、αに対して内部抵抗増加率をプロットしたグラフを図2に示す。なお、図2中に白菱形で示したプロットはSが18m未満のサンプルに対応し、黒菱形で示したプロットはSが18m以上のサンプルに対応している。
Figure 0005234373
Figure 0005234373
これらの結果からわかるように、αが2.5×1025以下のサンプルは、αが2.5×1025よりも大きいサンプルに比べて、高温保存(ここでは60℃×30日)における容量維持率が明らかに良好であった(図1参照)。また、αが1×1025以上のサンプルによると、αが1×1025よりも小さいサンプルに比べて、低温ハイレート充電を含む充放電サイクルによる内部抵抗の上昇が顕著に抑制された(図2参照)。そして、Sが18m以上であるサンプルでは、αが1.2×1025以上の範囲において、内部抵抗の上昇が特に高度に(より具体的には、増加分が10%以下に)抑制された。また、αが1.5×1025よりも大きいサンプルでは、Sの値を問わず、内部抵抗の増加分が10%以下という優れた内部抵抗上昇抑制効果が実現されることが確認された。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
ここに開示される技術により提供されるリチウムイオン二次電池は、上記のように優れた性能を示すことから、各種用途向けのリチウムイオン二次電池として利用可能である。例えば、自動車等の車両に搭載されるモータ(電動機)用電源として好適に使用され得る。かかるリチウムイオン二次電池は、それらの複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態で使用されてもよい。したがって、ここに開示される技術によると、図4に模式的に示すように、かかるリチウムイオン二次電池(組電池の形態であり得る。)10を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)1が提供され得る。

Claims (7)

  1. 正極集電体上に正極合剤層を有する正極シートと負極集電体上に負極合剤層を有する負極シートとがセパレータを介して重ね合わされた構成の電極体を備え、該電極体がリチウムイオンを含む非水電解液とともに容器に収容されたリチウムイオン二次電池であって、
    前記負極合剤層は、該合剤層の主成分たる負極活物質として、少なくとも一部にグラファイト構造を有するカーボン材料を含み、
    前記負極合剤層のうち前記正極合剤層に対向して配置された領域に含まれる前記負極活物質の総表面積を当該電池の容量1Ah当たりに換算した値をS[m]とし、前記負極合剤層のうち前記領域に含まれる空隙の総体積を当該電池の容量1Ah当たりに換算した値をVとし、前記体積Vの前記非水電解液中に含まれるリチウムイオンの数をN[個]としたとき、次式(A):
    α=S×N (A);
    により算出されるαが1×1025〜2.5×1025である、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記αが1.5×1025以上である、請求項1に記載の電池。
  3. 前記Sが18m以上である、請求項1に記載の電池。
  4. 前記αが1.2×1025以上である、請求項3に記載の電池。
  5. −15℃以下の環境下で使用される、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池。
  6. 車両の電源として用いられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の電池。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の電池を搭載した、車両。
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