JP2013246872A - 接点装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接点部を気密封止する封止容器内において金属蒸気が接点部へと逆流するのを抑制することのできる接点装置を提供する。
【解決手段】固定接点10を有する1対の固定端子1及び可動接触子2から成る接点部と、接点部を気密封止する封止容器4と、アークを接点部から離れる向きに駆動するための1対の永久磁石42と、封止容器4内において接点部を囲む隔壁部91,92から成る隔離部材9とを備え、隔離部材9は、封止容器4内の空間を、隔離部材9の内側の第1空間S1と、隔離部材9の外側の第2空間S2とに隔て、且つアークの駆動方向に対向する第1隔壁部91に、第1空間S1と第2空間S2とを繋ぐ通気孔91Aを設けている。
【選択図】図1
【解決手段】固定接点10を有する1対の固定端子1及び可動接触子2から成る接点部と、接点部を気密封止する封止容器4と、アークを接点部から離れる向きに駆動するための1対の永久磁石42と、封止容器4内において接点部を囲む隔壁部91,92から成る隔離部材9とを備え、隔離部材9は、封止容器4内の空間を、隔離部材9の内側の第1空間S1と、隔離部材9の外側の第2空間S2とに隔て、且つアークの駆動方向に対向する第1隔壁部91に、第1空間S1と第2空間S2とを繋ぐ通気孔91Aを設けている。
【選択図】図1
Description
本発明は、接点装置に関する。
従来から、開閉器の消弧室においてアークを消弧する技術が知られており、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1に記載の従来例は、開閉器の消弧室に係るもので、電磁遮断時に発生するアークをアーク発生部周辺に設けた強磁板で磁気誘導し、アーク発生部と強磁板との間の途中に設けたグリッドでアークを分散している。そして、この従来例では、圧力の弱まったアークガスを強磁板に設けた孔より外部に放出することで、アークを消弧している。
ところで、近年の接点装置では、アークを素早く冷却して消弧するために、消弧空間に例えば水素ガスを主体とした冷却用のガスを封入している。そして、この冷却用のガスが外部に漏れないようにするため、互いに接離する固定接点及び可動接触子から成る接点部を封止容器に気密封止している。
ここで、接点の開閉に伴うアーク放電により各固定接点や可動接触子の温度が上昇すると、各固定接点及び可動接触子が溶融して多量の金属蒸気が発生する場合がある。この金属蒸気が接点部の近傍に充満すると、接点の遮断性能が劣化したり、接点間の絶縁性能が劣化することで再点弧したりする虞がある。更には、接点の消耗が早くなるために接点装置の寿命が短くなる虞もある。
上記従来例では、グリッドでアークを分散する構造となっているため、金属蒸気も分散することも可能であると考えられる。しかしながら、上記従来例では、アークガスを外部に放出する構造となっているため、接点部が気密封止されていない。したがって、上記従来例において接点部を封止容器で気密封止する構造を採用した場合、分散した金属蒸気が封止容器の内壁で跳ね返り、グリッドを介して再び接点部へと逆流する虞がある。
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、接点部を気密封止する封止容器内において金属蒸気が接点部へと逆流するのを抑制することのできる接点装置を提供することを目的とする。
本発明の接点装置は、それぞれ固定接点を有する1対の固定端子、及び前記各固定接点に接離する可動接触子から成る接点部と、前記接点部を気密封止する封止容器と、前記接点部で生じるアークを前記接点部から離れる向きに駆動するための1対の永久磁石と、前記封止容器内において前記接点部を囲む隔壁部から成る隔離部材とを備え、前記隔離部材は、前記封止容器内の空間を、前記隔離部材の内側の第1空間と、前記隔離部材の外側の第2空間とに隔て、且つ前記アークの駆動方向に対向する前記隔壁部に、前記第1空間と前記第2空間とを繋ぐ通気孔を設けることを特徴とする。
この接点装置において、前記隔離部材の前記アークの駆動方向と直交する前記隔壁部に、前記第1空間と前記第2空間とを繋ぐ切り欠きを設けることが好ましい。
この接点装置において、前記隔離部材の底部に、前記封止容器の内壁と一定の間隔を空けるように前記底部を支持する脚部を設けることが好ましい。
本発明は、封止容器内に隔離部材を設置することで、封止容器内の空間を第1空間と第2空間とに区画し、アーク放電に伴って発生する金属蒸気を接点部の存在する第1空間から第2空間へと移動させている。そして、本発明では、金属蒸気が第2空間全体に行き渡るように拡散するため、接点部を気密封止する封止容器内において金属蒸気が接点部へと逆流するのを抑制することができる。
(実施形態1)
以下、本発明に係る接点装置の実施形態1について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、図2における上下左右を上下左右方向、紙面手前側を前方向、紙面奥側を後方向と定めるものとする。本実施形態は、図2に示すように、接点ブロックA1と、電磁石ブロックB1とを一体に組み合わせて、中空箱形のハウジング(図示せず)に収納して成る。なお、図2では、後述する隔離部材9の図示を省略している。
以下、本発明に係る接点装置の実施形態1について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、図2における上下左右を上下左右方向、紙面手前側を前方向、紙面奥側を後方向と定めるものとする。本実施形態は、図2に示すように、接点ブロックA1と、電磁石ブロックB1とを一体に組み合わせて、中空箱形のハウジング(図示せず)に収納して成る。なお、図2では、後述する隔離部材9の図示を省略している。
接点ブロックA1は、1対の固定端子1と、可動接触子2と、保持部材3と、封止容器4とを備える。各固定端子1は、銅等の導電性材料により円柱状に形成されている。本実施形態では、各固定端子1の下端部が、それぞれ可動接触子2と接離する固定接点10となる。なお、各固定接点10は、各固定端子1の下端部に接点材料を固着することで設けてもよい。各固定端子1は、後述するケース40の1対の貫通穴40Aにそれぞれ挿通する。また、各固定端子1の上端部には、ケース40の外部に露出する鍔部11をそれぞれ形成している。各鍔部11は、ケース40の上面から突出した状態でケース40にろう付けにより接合する。
可動接触子2は、矩形平板状に形成されており、各固定接点10と上下方向に沿って所定の間隔を空けて対向する位置に配置される。また、可動接触子2の下面の中央部には、下向きに突出し且つ後述する接圧ばね33の上端部に嵌合する位置決め突部2Aを一体に形成している。可動接触子2は、接圧ばね33を保持する保持部材3により挟持されている。
保持部材3は、それぞれ矩形板状に形成された天板30及び底板31と、1対の側板32とから成る。天板30は、可動接触子2の上面に当接し、底板31は、可動接触子2及び接圧ばね33を間に挟んで天板30と対向する。これら天板30と底板31とで、可動接触子2及び接圧ばね33を挟持して保持する。一方の側板32は、可動接触子2の前方において天板30の前端部と底板31の前端部とを連結する。また、他方の側板32は、可動接触子2の後方において天板30の後端部と底板31の後端部とを連結する。
底板31の上面の中央部には、上向きに突出し且つ接圧ばね33の下端部に嵌合する位置決め突部31Aを一体に形成している。また、底板31の下面からは、下向きに突出する円筒状の突部31Bを一体に形成している。この突部31Bの底部中央には、可動軸20の上端部が挿通される円筒状のボス部31Cを一体に形成している。可動軸20は、上下方向に沿って長尺な棒状に形成され、その上端部をボス部31C内で固定している。
この可動軸20の下端部は、後述する可動鉄芯7の挿通孔70に挿通した状態で、可動鉄芯7に固定される。
この可動軸20の下端部は、後述する可動鉄芯7の挿通孔70に挿通した状態で、可動鉄芯7に固定される。
接圧ばね33は、コイルばねから成り、その下端部の内径部に保持部3の底板31の位置決め突部31Aが嵌合することで、底板31に対して位置決めされる。また、接圧ばね33は、その上端部の内径部に可動接触子2の位置決め突部2Aが嵌合することで、可動接触子2に対して位置決めされる。すなわち、保持部材3の天板30と底板31とによって、可動接触子2及び接圧ばね33が当該接圧ばね33の伸縮方向に沿って挟持され、接圧ばね33は圧縮した状態となる。
封止容器4は、ケース40と、フランジ41とで構成される。ケース40は、セラミック等の絶縁性且つ耐熱性を有する材料から下面が開口した中空箱形に形成され、その上面には、1対の貫通穴40Aを貫設している。そして、ケース40の開口周縁に、フランジ41の上端縁をろう付けにより接合している。更に、フランジ41の下端縁を後述する第1継鉄板60の上面に接合することで、各固定接点10及び可動接触子2から成る接点部を気密封止する封止容器4が完成する。封止容器4の内部には、水素を主体とする混合ガスを封入している。このため、接点の開閉に伴って生じるアークを冷却することができる。
また、ケース40の前後両壁の外面には、図1(b)に示すように、1対の板状の永久磁石42が接している。これら永久磁石42により、封止容器4内において後方の永久磁石42から前方の永久磁石42に向かう向きの磁界B1が発生している。ここで、接点閉成時に可動接触子2に電流I1が流れている場合、接点の開閉時には、各固定接点10及び可動接触子2の間にそれぞれ上向き及び下向きのアーク電流が発生する。このアーク電流と磁界B1とにより、左側の固定接点10と可動接触子2との間には、アーク電流に対して左向きのローレンツ力F1が働く。同様に、右側の固定接点10と可動接触子2との間には、アーク電流に対して右向きのローレンツ力F1が働く。このローレンツ力F1により、アークを接点部から離れる向きに駆動して引き伸ばすことができる。
電磁石ブロックB1は、励磁巻線53を巻回するコイルボビン5と、継鉄6と、可動鉄芯7と、固定鉄芯8とを備える。コイルボビン5は、樹脂材料から成り、励磁巻線53が巻き回される円筒部50と、円筒部50の上下両端にそれぞれ形成した第1鍔部51及び第2鍔部52とで構成される。第1鍔部51の上面には、下向きに窪んだ凹部51Aを設けている。また、円筒部50の下端側の内径は、上端側の内径よりも径寸法が大きくなっている。
励磁巻線53は、第1鍔部51に設けた1対の端子部(図示せず)に端部をそれぞれ接続している。各端子部は、リード線(図示せず)を介して1対のコイル端子(図示せず)にそれぞれ接続している。したがって、外部電源から各コイル端子を介して励磁巻線53に電流を流すようになっている。
継鉄6は、コイルボビン5の上端側に配置する第1継鉄板60と、コイルボビン5の下端側に配置する第2継鉄板61と、第2継鉄板61の左右両端から第1継鉄板60側へ延設される1対の第3継鉄板62とから構成される。第1継鉄板60は、矩形板状に形成されている。第1継鉄板60の中央部には、挿通孔60Aを貫設している。
挿通孔60Aには、上端に鍔部54Aを形成した有底円筒状の円筒部材54を挿通している。鍔部54Aは、凹部51Aの底面に接合する。円筒部材54内の下端部には、磁性材料から円筒状に形成した可動鉄芯7を収納している。また、円筒部材54内の上端部には、磁性材料から円筒状に形成した固定鉄芯8を、可動鉄芯7と対向する形で収納している。可動鉄芯7には、軸方向に沿って挿通孔70を形成している。この挿通孔70に可動軸20の下端部を挿通した状態で固定している。また、可動鉄芯7の上端部には、下向きに窪んだ第1凹部71を設けている。この第1凹部71には、後述する固定鉄芯8の第2ボス部83が嵌合するようになっている。更に、第1凹部71の中央部には、下向きに窪んだ第2凹部70Aを設けている。
コイルボビン5の下端部の内周面と、円筒部材54の外周面との間に形成される隙間には、第2継鉄板61と一体に形成される円筒状の第4継鉄板63を嵌合している。この第4継鉄板63は、各継鉄板60〜62と、可動鉄芯7と、固定鉄芯8と共に磁気回路を形成している。
固定鉄芯8の上面には、上向きに突出し且つ第1継鉄板60の挿通孔60Aを挿通する円筒状の第1ボス部80を一体に形成している。この第1ボス部80内に保持部材3の突部31Bを挿入することで、保持部材3を位置決めしている。また、固定鉄芯8の下面には、下向きに突出して可動鉄芯7の第1凹部71に嵌合する円筒状の第2ボス部83を一体に形成している。
固定鉄芯8には、第1ボス部80及び第2ボス部83と連通する内筒部81を設けている。内筒部81の下端部には、僅かに径寸法を大きくして成る凹部81Aを設けており、この凹部81Aと可動鉄芯7の第2凹部70Aとで囲まれる空間に復帰ばね82を収納している。復帰ばね82は、コイルばねから成り、その下端が可動鉄芯7の第2凹部70Aの底面に当接し、上端が固定鉄芯8の凹部81Aの底面に当接する。したがって、復帰ばね82は、第2凹部70Aの底面と凹部81Aの底面との間で圧縮した状態で収納され、可動鉄芯7を下向きに弾性付勢する。
以下、本実施形態における接点の開閉動作について図2を用いて説明する。本実施形態において励磁巻線53に通電していない初期状態では、復帰ばね82の付勢力によって可動鉄芯7が下向きに付勢され、所定の位置で静止している。また、可動鉄芯7に連結された可動軸20、保持部材3、及び保持部材3に保持された可動接触子2も下向きに移動し、所定の位置で静止している。このため、初期状態では可動接触子2は各固定接点10と離間している。
そして、励磁巻線53に通電すると、可動鉄芯7が固定鉄芯8に吸引されて上向きに摺動する。このとき、可動鉄芯7に連結された可動軸20、保持部材3、及び保持部材3に保持された可動接触子2も連動して上向きに移動する。これにより、可動接触子2が各固定接点10に接触するが、この状態からさらに可動鉄芯7、可動軸20、及び保持部材3は僅かに上方へ移動する。すると、接圧ばね33が圧縮され、可動接触子2は接圧ばね33の付勢力により各固定接点10に強く当接し、接点間が導通する。
また、励磁巻線53への通電をオフにすると、固定鉄芯8の吸引力が失われ、復帰ばね82の付勢力によって可動鉄芯7が下向きに移動する。このとき、可動鉄芯7に連結された可動軸20及び保持部材3も連動して下向きに移動する。これにより、保持部3の天板30が可動接触子2を下向きに押圧するので、可動接触子2と各固定接点10とが離間し、接点間が遮断される。
ところで、既に述べたように、接点を開閉する際には、アーク放電に伴って各接点部から多量の金属蒸気MV1が発生する。本実施形態では、この金属蒸気MV1が接点部の近傍に残留するのを抑制するために、封止容器4内において接点部を囲む隔離部材9を設けている。
隔離部材9は、図1(c)に示すように、上面を開口した直方体状に形成され、底壁部90と、1対の第1隔壁部91と、1対の第2隔壁部92とで構成される。底壁部90は矩形板状に形成され、第1継鉄部60の上面に当接する。底壁部90の中央部には、固定鉄芯8の第1ボス部80を避けるための通孔90Aを貫設している。各第1隔壁部91は矩形板状に形成され、底壁部90の左右両端部からそれぞれ上向きに突出する。各第2隔壁部92は矩形板状に形成され、底壁部90の前後両端部からそれぞれ上向きに突出する。
各第1隔壁部91は、図1(b)に示すように、封止容器4内において、それぞれ封止容器4の左右内壁との間に一定の間隔を空けて配置される。各第2隔壁部92は、図1(b)に示すように、封止容器4内において、それぞれ封止容器4の前後内壁との間に一定の間隔を空けて配置される。また、各第1隔壁部91及び各第2隔壁部92の上端は、何れも封止容器4内の上側内壁に当接する。したがって、隔離部材9は、封止容器4内の空間を、隔離部材9の内側の第1空間S1と、隔離部材9の外側の第2空間S2とに隔てる。
また、本実施形態では、図1(c)に示すように、各第1隔壁部91に第1空間S1と第2空間S2とを繋ぐ複数の通気孔91Aをそれぞれ貫設している。ここで、既に述べたように、本実施形態では、1対の永久磁石42による磁界B1と、接点間を流れるアーク電流とにより働くローレンツ力F1を利用して、アークを接点部から離れる向きに引き伸ばしている。このローレンツ力F1によるアークの移動に伴って、金属蒸気MV1も接点部から離れる向きに移動する。
ここで、隔離部材9の各第1隔壁部91は、何れもアークの駆動方向に対向する形で配置している。したがって、金属蒸気MV1は、図1(b)に示すように、各第1隔壁部91に貫設した各通気孔91Aを介して第1空間S1から第2空間S2に移動する。各通気孔91A付近は、第1空間S1から供給される金属蒸気MV1によって圧力が高く、各通気孔91A付近を除いた第2空間S2の他の部分との間で圧力差が生じる。このため、第2空間S2に移動した金属蒸気MV1は、各第1隔壁部91及び各第2隔壁部92の外壁に沿って第2空間S2全体に行き渡るように拡散し、金属蒸気MV1は第1空間S1には逆流しない。したがって、金属蒸気MV1は第1空間S1に残留し難くなり、結果として接点部の近傍に金属蒸気MV1が残留するのを抑制することができる。
上述のように、本実施形態では、封止容器4内に隔離部材9を設置することで、封止容器4内の空間を第1空間S1と第2空間S2とに区画している。そして、本実施形態では、アークを引き伸ばすためのローレンツ力F1を利用して、アーク放電に伴って生じる金属蒸気MV1を、接点部の存在する第1空間S1から第2空間S2へと移動させている。更に、本実施形態では、金属蒸気MV1が圧力差により第2空間S2全体に行き渡るように拡散するため、第1空間S1には逆流しない。したがって、本実施形態では、接点部を気密封止する封止容器4内において金属蒸気MV1が接点部へと逆流するのを抑制することができる。
なお、図3(a)に示すように、各永久磁石42を封止容器4の左右両壁の外面に設けてもよい。この構成では、封止容器4内において左方の永久磁石42から右方の永久磁石42に向かう向きの磁界B1が発生する。このため、左側の固定接点10と可動接触子2との間には下向きのローレンツ力F1が働き、右側の固定接点10と可動接触子2との間には上向きのローレンツ力F1が働く。したがって、各第2隔壁部92がアークの駆動方向と対向する。そこで、この構成では、図3(b)に示すように、隔離部材9の各第1隔壁部91に通気孔91Aを貫設する代わりに、各第2隔壁部92に複数の通気孔92Aをそれぞれ貫設する。これにより、この構成でも上記と同様の効果を奏することができる。
(実施形態2)
以下、本発明に係る接点装置の実施形態2について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図4(a)〜(c)に示すように、隔離部材9のアークの駆動方向と直交する壁部、すなわち各第2隔壁部92に、第1空間S1と第2空間S2とを繋ぐ切り欠き92Bを設けている。各切り欠き92Bは、各第2隔壁部92の左右方向における中央部を矩形状に切り欠くことで形成されている。なお、各切り欠き92Bの形状は矩形状に限らず、例えば円形状などの他の形状であってもよい。
以下、本発明に係る接点装置の実施形態2について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図4(a)〜(c)に示すように、隔離部材9のアークの駆動方向と直交する壁部、すなわち各第2隔壁部92に、第1空間S1と第2空間S2とを繋ぐ切り欠き92Bを設けている。各切り欠き92Bは、各第2隔壁部92の左右方向における中央部を矩形状に切り欠くことで形成されている。なお、各切り欠き92Bの形状は矩形状に限らず、例えば円形状などの他の形状であってもよい。
以下、本実施形態における金属蒸気MV1の流れについて図4(b)を用いて説明する。先ず、実施形態1と同様に、アーク放電に伴って金属蒸気MV1が生じると、ローレンツ力F1により金属蒸気MV1が各第1通気孔91Aを介して第1空間S1から第2空間S2に移動する。第2空間S2に移動した金属蒸気MV1は、第2空間S2全体に行き渡るように拡散し、隔離部材9の四隅を回って封止容器4の左右方向における中央部に向かって移動する(矢印AC1を参照)。そして、金属蒸気MV1は、各切り欠き92Bを介して第2空間S2から第1空間S1に移動し、再び接点部へと還流する。
この金属蒸気MV1が拡散する過程において、金属蒸気MV1は、封止容器4内に封入された混合ガスにより冷却される。更に、この過程において、金属蒸気MV1に含まれる金属物質は、封止容器4の内壁や隔離部材9の外壁に付着する。したがって、接点部へと還流される金属蒸気MV1(矢印AC2を参照)には殆ど金属物質が含まれず、含まれているとしても微量である。
上述のように、本実施形態では、第2空間S2を拡散する過程で冷却された金属蒸気MV1を各切り欠き92Bを介して接点部へと還流させている。このため、還流する金属蒸気MV1により接点部を冷却することができるので、接点部の温度上昇を抑制して金属蒸気の発生を抑制することができる。また、金属蒸気MV1を還流させることにより、実施形態1と比較して金属蒸気MV1の移動を促進することができるので、金属蒸気MV1が接点部の近傍により残留し難くなる。勿論、実施形態1と同様に、接点部を気密封止する封止容器4内において金属蒸気MV1(金属物質を多量に含む金属蒸気MV1)が接点部へと逆流するのを抑制することができる。
なお、実施形態1でも述べたように、各永久磁石42を封止容器4の左右両壁の外面に設けてもよい。この構成では、隔離部材9の各第1隔壁部91に通気孔91Aを貫設する代わりに、各第2隔壁部92に複数の通気孔92Aをそれぞれ貫設する。また、この構成では、各第2隔壁部92に切り欠き92Bを形成する代わりに、各第1隔壁部91に切り欠き(図示せず)を形成すればよい。この構成でも、上記と同様の効果を奏することができる。
(実施形態3)
以下、本発明に係る接点装置の実施形態3について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図5(a),(b)に示すように、隔離部材9の底部90に4本の脚部93を設けている。
以下、本発明に係る接点装置の実施形態3について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図5(a),(b)に示すように、隔離部材9の底部90に4本の脚部93を設けている。
各脚部93は、底部90の下面から下向きに突出する形で一体に形成している。各脚部93は、封止容器4の下側の内壁と一定の間隔を空けるように底部90を支持する。これにより、本実施形態では、底部90と封止容器4の下側の内壁との間に新たに第3空間S3を設けることができる。この第3空間S3は、図5(a)に示すように第2空間S2と繋がっている。したがって、アーク放電に伴って生じる金属蒸気MV1は、第1空間S1から第2空間S2に移動し、更に第2空間S2から第3空間S3まで拡散する。
上述のように、本実施形態では、隔離部材9の底部90に脚部93を設けることで、封止容器4の下側の内壁と底部90との間に第3空間S3を設けている。これにより、本実施形態では、第2空間S2を拡散する金属蒸気MV1を更に第3空間S3まで拡散させている。したがって、本実施形態では、実施形態1と比較して、接点部の近傍に金属蒸気MV1がより残留し難くなる。
なお、実施形態1でも述べたように、各永久磁石42を封止容器4の左右両壁の外面に設ける構成であってもよい。また、実施形態2でも述べたように、金属蒸気MV1を接点部へと還流させるべく隔壁部91,92に切り欠きを形成する構成であってもよい。
1 固定端子(接点部)
10 固定接点(接点部)
2 可動接触子(接点部)
4 封止容器
42 永久磁石
9 隔離部材
91A 通気孔
MV1 金属蒸気
S1 第1空間
S2 第2空間
10 固定接点(接点部)
2 可動接触子(接点部)
4 封止容器
42 永久磁石
9 隔離部材
91A 通気孔
MV1 金属蒸気
S1 第1空間
S2 第2空間
Claims (3)
- それぞれ固定接点を有する1対の固定端子、及び前記各固定接点に接離する可動接触子から成る接点部と、前記接点部を気密封止する封止容器と、前記接点部で生じるアークを前記接点部から離れる向きに駆動するための1対の永久磁石と、前記封止容器内において前記接点部を囲む隔壁部から成る隔離部材とを備え、前記隔離部材は、前記封止容器内の空間を、前記隔離部材の内側の第1空間と、前記隔離部材の外側の第2空間とに隔て、且つ前記アークの駆動方向に対向する前記隔壁部に、前記第1空間と前記第2空間とを繋ぐ通気孔を設けることを特徴とする接点装置。
- 前記隔離部材の前記アークの駆動方向と直交する前記隔壁部に、前記第1空間と前記第2空間とを繋ぐ切り欠きを設けることを特徴とする請求項1記載の接点装置。
- 前記隔離部材の底部に、前記封止容器の内壁と一定の間隔を空けるように前記底部を支持する脚部を設けることを特徴とする請求項1又は2記載の接点装置。
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