JP2013241789A - 橋梁構造体の桁連結装置 - Google Patents

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肇彦 二見
Wataru Gokaku
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Abstract

【課題】地震等によって橋梁構造体に大きな衝撃が加わった際にも移動抑止材が破断するおそれがなく、しかも構造が単純な橋梁構造体の桁連結装置とする。
【解決手段】橋台構造物81に固定される台側固定具10と、橋桁構造物82に固定される桁側固定具20と、両固定具10,20に接続されて桁側固定具20の台側固定具10から遠ざかる移動を抑止する移動抑止材30とを有する橋梁構造体80の桁連結装置1であって、台側固定具10は、橋台構造物81に固定されるベース部材11及び一対の突出部材12を有し、この一対の突出部材12に形成されたピン受け孔15に挿通されることで一対の突出部材12間に架け渡されるピン部材13が備えられ、このピン部材13に移動抑止材30が接続され、ピン部材13の外周面13aが緩衝材14によって覆われている。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋桁構造物及びこの橋桁構造物を支持する橋台構造物や橋脚構造物を構成要素とする橋梁構造体の桁連結装置に関するものである。より詳しくは、例えば、橋桁構造物がこの橋桁構造物を支持する橋台構造物や橋脚構造物からずれ落ちるのを防止する目的等で使用される桁連結装置に関するものである。
橋梁構造体は、一般的に、橋桁構造物やこの橋桁構造物を支持する橋台構造物や橋脚構造物等によって構成される。地震等によって橋梁構造体に大きな衝撃が加わった場合には、橋桁構造物がこの橋桁構造物を支持する橋台構造物や橋脚構造物(以下、橋台構造物や橋脚構造物等の橋桁構造物を支持する構造物を、単に「支持構造物」ともいう。)等からずれ落ちる危険性を内在している。
そこで、従来から、橋梁構造体には、支持構造物と橋桁構造物とを連結する、あるいは相互に隣接する橋桁構造物同士を連結する桁連結装置が備え付けられている。この桁連結装置は、例えば、橋台構造物と橋桁構造物とが連結される場合であれば、橋台構造物に固定される台側固定具と、橋桁構造物に固定される桁側固定具と、台側固定具及び桁側固定具に接続される移動抑止材とで主に構成される。この桁連結装置を橋梁構造体に備え付けると、移動抑止材によって桁側固定具(更には橋桁構造物)の台側固定具(更には橋台構造物)から遠ざかる移動が抑止されるため、橋桁構造物が橋台構造物からずれ落ちること等が防止される。
そして、従来、この桁連結装置は、移動抑止材がワイヤーやチェーン等によって構成され、また、台側固定具や桁側固定具が当該ワイヤーやチェーン等を橋台構造物や橋桁構造物に単に連結するに過ぎない構成とされた極めてシンプルなものであった(例えば、特許文献1等参照。)。しかしながら、このような構成の桁連結装置によると、地震等によって橋梁構造体に大きな衝撃が加わった際に、移動抑止材に対して瞬間的に大きな引張力が加わり、当該移動抑止材が破断してしまうおそれがある。
そこで、例えば、特許文献2は、移動抑止材を「チェーンを構成する各リング同志が互いに接触しない状態にしてゴムや合成樹脂等の弾性体内に接着・埋設し、各リング同志の間にも弾性体が充填するようにした緩衝材」によって構成することを提案する。また、この提案によると、例えば、チェーンに引張力が加わった際に弾性体が剥離するおそれや、そもそも弾性体が密に充填されず、巣が生成されるおそれがあり、結果、緩衝効果が十分に得られないとして、引用文献3は、移動抑止材を「引留チェーンとリンク結合する緩衝装置を備え、上記引留チェーンに加わる引張力で上記緩衝装置が保有する緩衝材を圧縮する構成」とすることを提案する。
これら引用文献2,3の提案によれば、移動抑止材に加わった引張力の緩衝効果が得られ、したがって移動抑止材の破断を防止することができる。しかしながら、特許文献2が提案するように弾性体を充填する等して緩衝材を形成することや、特許文献3が提案するように緩衝材を保有する緩衝装置を備えるとすることは、移動抑止材、更には桁連結装置の構成を複雑にする。したがって、例えば、移動抑止材の備付けや、取替え作業等を含む維持管理が容易ではなくなり、この点では、移動抑止材が単にワイヤーやチェーン等によって構成されていた特許文献1等が示す従来の構成に劣るものとなる。また、引用文献2,3の提案によると、弾性体や緩衝材が雨風等に曝され易いため、耐久性の点でも問題が生じる。
特公昭46−6267号公報 特開平9−242018号公報 特開2009−30234号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、地震等によって橋梁構造体に大きな衝撃が加わった際にも移動抑止材が破断するおそれがなく、しかも構造が単純であり、好ましくは耐久性も有する橋梁構造体の桁連結装置を提供することにある。
この課題を解決するための本発明は、次の通りである。
〔請求項1記載の発明〕
橋桁構造物及びこの橋桁構造物を支持する支持構造物を構成要素とする橋梁構造体に取り付けられる装置であり、
前記橋桁構造物に固定される一の固定具と、
前記橋桁構造物に隣接する橋桁構造物又は前記支持構造物に固定される他の固定具と、
前記一の固定具及び前記他の固定具に接続されて前記一の固定具の前記他の固定具から遠ざかる移動を抑止する移動抑止材と、を有する橋梁構造体の桁連結装置であって、
前記一の固定具及び前記他の固定具の少なくともいずれか一方は、
前記構造物に固定されるベース部材及びこのベース部材から突出する一対の突出部材を有し、この一対の突出部材にそれぞれピン受け孔が形成され、この一対のピン受け孔に挿通されることで前記一対の突出部材間に架け渡されるピン部材が備えられ、このピン部材に前記移動抑止材が接続され、
前記ピン部材の少なくとも前記ピン受け孔の内周面に対応する外周面、及び、前記ピン受け孔の内周面のうち、少なくともいずれか一方の周面が緩衝材によって覆われている、
ことを特徴とする橋梁構造体の桁連結装置。
(主な作用効果)
本発明においては、一の固定具及び他の固定具の少なくともいずれか一方が、好ましくは両方が、支持構造物や橋桁構造物に固定されるベース部材及びこのベース部材から突出する一対の突出部材を有し、この一対の突出部材にそれぞれピン受け孔が形成され、この一対のピン受け孔に挿通されることで一対の突出部材間に架け渡されるピン部材が備えられ、このピン部材に移動抑止材が接続され、ピン部材の少なくともピン受け孔の内周面に対応する外周面、あるいはピン受け孔の内周面が緩衝材によって覆われているため、地震等によって橋梁構造体に大きな衝撃が加わった際に、緩衝材による緩衝効果が移動抑止材に作用し、当該移動抑止材に対して瞬間的に大きな引張力が加わるおそれがない。したがって、移動抑止材が破断するおそれがない。
また、本発明は、移動抑止材の構成を複雑にするものではないため、桁連結装置の備え付けや、当該桁連結装置の維持管理が容易である。
さらに、本発明においては、緩衝材が、ピン部材のピン受け孔の内周面に対応する外周面、あるいはピン受け孔の内周面に備えられるため、当該緩衝材が雨風等に曝され難く、耐久性が向上する。なお、緩衝材の存在によって、当然、ピン部材の外周面やピン受け孔の内周面の摩耗が防止されるとの効果も発現する。
〔請求項2記載の発明〕
前記移動抑止材は、アラミド繊維を芯糸とし、この芯糸の束を被覆材で包むことで紐状とされた紐材を有し、
この紐材が前記ピン部材に架け回されることで前記移動抑止材が前記固定具に接続される構成とされている、
請求項1記載の橋梁構造体の桁連結装置。
(主な作用効果)
本発明においては、移動抑止材が、アラミド繊維を芯糸とし、この芯糸の束を被覆材で包むことで紐状とされた紐材を有し、この紐材がピン部材に架け回されることで移動抑止材が一の固定具や他の固定具に接続される構成とされているため、一の固定具及び他の固定具を十分な強度で連結することができる。しかも、この連結作業は、極めて容易に行うことができる。
〔請求項3記載の発明〕
前記ピン部材が複数本備えられ、この複数本のピン部材が挿通されるピン受け孔も前記一対の突出部材それぞれに複数形成されている、
請求項1又は請求項2記載の橋梁構造体の桁連結装置。
(主な作用効果)
本発明においては、ピン部材が複数本備えられ、この複数本のピン部材が挿通されるピン受け孔も一対の突出部材それぞれに複数形成されているため、移動抑止材を複数のピン部材によって接続することができ、接続強度、更には安全性を向上することができる。
〔請求項4記載の発明〕
前記複数本のピン部材として、断面円形状の第1ピン部材、第2ピン部材及び第3ピン部材が備えられ、
これら第1ピン部材、第2ピン部材及び第3ピン部材が、前記突出部材の突出方向に沿う仮想円の基端点に前記第1ピン部材が内接し、前記仮想円の中央上端点に前記第2ピン部材が内接し、前記仮想円の中央下端点に前記第3ピン部材が内接する位置関係とされている、
請求項3記載の橋梁構造体の桁連結装置。
(主な作用効果)
ピン部材が複数本備えられているとしても、移動抑止材から各ピン部材に加わる引張力が大きく異なると、地震等によって橋梁構造体に大きな衝撃が加わった際に、一部のピン部材にのみ大きな引張力が加わり、当該ピン部材が損壊してしまうおそれがある。しかるに、本発明においては、複数本のピン部材として、断面円形状の第1ピン部材、第2ピン部材及び第3ピン部材が備えられ、これら第1ピン部材、第2ピン部材及び第3ピン部材が、突出部材の突出方向に沿う仮想円の基端点に第1ピン部材が内接し、仮想円の中央上端点に第2ピン部材が内接し、仮想円の中央下端点に第3ピン部材が内接する位置関係とされているため、移動抑止材から各ピン部材に加わる引張力が均一化され、一部のピン部材が損壊してしまうおそれがない。
〔請求項5記載の発明〕
前記一の固定具及び前記他の固定具の両方が、
前記構造物に固定されるベース部材及びこのベース部材から突出する一対の突出部材を有し、この一対の突出部材にそれぞれピン受け孔が形成され、この一対のピン受け孔に挿通されることで前記一対の突出部材間に架け渡されるピン部材が備えられ、このピン部材に前記移動抑止材の構成要素である紐材が架け回されて接続される構成とされ、
前記紐材は、前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かい、この一の固定具のピン部材に架け回され、当該一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かい、この他の固定具のピン部材に架け回されるループ状とされ、
前記紐材の前記ピン部材に対する架け回しは、前記ループ状の紐材が当該ループ状の紐材の延在方向に沿う軸回りに捩じられたうえで行われる構成とされている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の橋梁構造体の桁連結装置。
(主な作用効果)
本発明においては、移動抑止材の構成要素である紐材が、他の固定具のピン部材(他のピン部材)から一の固定具のピン部材(一のピン部材)に向かい、この一のピン部材に架け回され、当該一のピン部材から他のピン部材に向かい、この他のピン部材に架け回されるループ状とされ、当該紐材の他のピン部材や一のピン部材に対する架け回しが、ループ状の紐材が当該ループ状の紐材の延在方向に沿う軸回りに捩じられたうえで行われる構成とされているため、ループ状の紐材も緩衝効果を発現することになり、移動抑止材の構成要素である紐材の破断を、より確実に防止することができる。
〔請求項6記載の発明〕
前記一の固定具及び前記他の固定具の両方が、
前記構造物に固定されるベース部材及びこのベース部材から突出する一対の突出部材を有し、この一対の突出部材にそれぞれピン受け孔が形成され、この一対のピン受け孔に挿通されることで前記一対の突出部材間に架け渡されるピン部材が備えられ、このピン部材に前記移動抑止材の構成要素である紐材が架け回されて接続される構成とされ、
前記紐材は、前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かい、この一の固定具のピン部材に架け回され、当該一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かい、この他の固定具のピン部材に架け回されるループ状とされ、
前記紐材の前記ピン部材に対する架け回しは、当該紐材の一部が巻き返され、この巻き返しにより形成された巻返し部が仮止めされたうえで行われる構成とされている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の橋梁構造体の桁連結装置。
(主な作用効果)
本発明においては、移動抑止材の構成要素である紐材が、他のピン部材から一のピン部材に向かい、この一のピン部材に架け回され、当該一のピン部材から他のピン部材に向かい、この他のピン部材に架け回されるループ状とされ、当該紐材の他のピン部材や一のピン部材に対する架け回しが、当該紐材の一部が巻き返され、この巻き返しにより形成された巻返し部が仮止めされたうえで行われる構成とされているため、ループ状の紐材も緩衝効果を発現することになり、移動抑止材の構成要素である紐材の破断を、より確実に防止することができる。
〔請求項7記載の発明〕
前記一の固定具及び前記他の固定具の両方が、
前記構造物に固定されるベース部材及びこのベース部材から突出する一対の突出部材を有し、この一対の突出部材にそれぞれピン受け孔が形成され、この一対のピン受け孔に挿通されることで前記一対の突出部材間に架け渡されるピン部材が備えられ、このピン部材に前記移動抑止材の構成要素である紐材が架け回されて接続される構成とされ、
前記紐材は、前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かい、この一の固定具のピン部材に架け回され、当該一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かい、この他の固定具のピン部材に架け回されるループ状とされ、
前記紐材の前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かう部位、及び、前記紐材の前記一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かう部位を覆い、かつ当該両部位の離間距離を狭める損壊型緩衝筒体が、前記移動抑止材の構成要素として備えられ、
前記損壊型緩衝筒体が前記他の固定具のピン部材及び前記一の固定具のピン部材に隣接するように取り付けられることで、前記ループ状の紐材に引張力が加わり、前記両部位に離間力が加わった際に、この離間力が前記損壊型緩衝筒体に加わり、当該損壊型緩衝筒体が損壊する構成とされている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の橋梁構造体の桁連結装置。
(主な作用効果)
本発明においては、移動抑止材の構成要素である紐材が、他のピン部材から一のピン部材に向かい、この一のピン部材に架け回され、当該一のピン部材から他のピン部材に向かい、この他のピン部材に架け回されるループ状とされ、紐材の他のピン部材から一のピン部材に向かう部位及び紐材の一のピン部材から他のピン部材に向かう部位を覆い、かつ当該両部位の離間距離を狭める損壊型緩衝筒体が移動抑止材の構成要素として備えられ、損壊型緩衝筒体が他のピン部材及び一のピン部材に隣接するように取り付けられることで、ループ状の紐材に引張力が加わり、両部位に離間力が加わった際に、この離間力が損壊型緩衝筒体に加わり、当該損壊型緩衝筒体が損壊する構成とされているため、当該損壊型緩衝筒体の損壊が移動抑止材の構成要素である紐材に対して緩衝作用を及ぼすことになり、当該紐材の破断を、より確実に防止することができる。
〔請求項8記載の発明〕
前記一の固定具及び前記他の固定具の両方が、
前記構造物に固定されるベース部材及びこのベース部材から突出する一対の突出部材を有し、この一対の突出部材にそれぞれピン受け孔が形成され、この一対のピン受け孔に挿通されることで前記一対の突出部材間に架け渡されるピン部材が備えられ、このピン部材に前記移動抑止材の構成要素である紐材が架け回されて接続される構成とされ、
前記紐材は、前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かい、この一の固定具のピン部材に架け回され、当該一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かい、この他の固定具のピン部材に架け回されるループ状とされ、
前記紐材の前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かう部位、及び、前記紐材の前記一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かう部位を覆い、かつ当該両部位の離間距離を狭める伸縮型緩衝筒体及び移動防止筒体が、前記移動抑止材の構成要素として備えられ、
前記伸縮型緩衝筒体が前記他の固定具のピン部材及び前記一の固定具のピン部材に隣接するように取り付けられ、更に前記移動防止筒体が前記伸縮型緩衝筒体に隣接するように取り付けられることで、前記ループ状の紐材に引張力が加わり、前記両部位に離間力が加わった際に、この離間力が前記伸縮型緩衝筒体に加わり、当該伸縮型緩衝筒体が伸張し、かつ当該伸縮型緩衝筒体の前記隣接するピン部材から離間する移動が、前記移動防止筒体によって防止される構成とされている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の橋梁構造体の桁連結装置。
(主な作用効果)
本発明においては、移動抑止材の構成要素である紐材が、他のピン部材から一のピン部材に向かい、この一のピン部材に架け回され、当該一のピン部材から他のピン部材に向かい、この他のピン部材に架け回されるループ状とされ、紐材の他のピン部材から一のピン部材に向かう部位及び紐材の一のピン部材から他のピン部材に向かう部位を覆い、かつ当該両部位の離間距離を狭める伸縮型緩衝筒体及び移動防止筒体が移動抑止材の構成要素として備えられ、伸縮型緩衝筒体が他のピン部材及び一のピン部材に隣接するように取り付けられ、更に移動防止筒体が伸縮型緩衝筒体に隣接するように取り付けられることで、ループ状の紐材に引張力が加わり、両部位に離間力が加わった際に、この離間力が伸縮型緩衝筒体に加わり、当該伸縮型緩衝筒体が伸張し、かつ当該伸縮型緩衝筒体の隣接するピン部材から離間する移動が、移動防止筒体によって防止される構成とされているため、当該伸縮型緩衝筒体の伸縮力が移動抑止材の構成要素である紐材に対して緩衝作用を及ぼすことになり、当該紐材の破断を、より確実に防止することができる。また、伸縮型緩衝筒体に上記離間力が加わった際には、当該伸縮型緩衝筒体が他のピン部材や一のピン部材から離間するように移動してしまうおそれがあるが、本発明において、当該移動のおそれは、移動防止筒体によって防止される構成とされているため、伸縮型緩衝筒体の伸縮力が紐材に対して緩衝作用をより確実に及ぼすことになる。
本発明によると、地震等によって橋梁構造体に大きな衝撃が加わった際にも移動抑止材が破断するおそれがなく、しかも構造が単純であり、好ましくは耐久性も有する橋梁構造体の桁連結装置となる。
桁連結装置が橋梁構造体に取り付けられた状態を示す正面図である。 台側固定具の第1の形態例を示す側面図(a)及び平面図(b)である。 台側固定具の第2の形態例を示す側面図(a)及び平面図(b)である。 台側固定具の第3の形態例を示す側面図(a)及び平面図(b)である。 台側固定具の第4の形態例を示す側面図(a)及び平面図(b)である。 複数のピン部材の位置関係を示す図である。 移動抑止材の第1の形態例を示す模式図である。 移動抑止材の第2の形態例を示す模式図である。 移動抑止材の第3の形態例を示す模式図である。 移動抑止材の第4の形態例を示す模式図である。 移動抑止材の構成要素である紐材の断面構造を示す斜視図である。 移動抑止材の構成要素であるループ状の紐材の説明図である。 複数のピン部材の変形例を示す図である。 複数のピン部材の変形例を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。なお、本形態の桁連結装置は、橋台構造物や橋脚構造物等の支持構造物と橋桁構造物との連結や、相互に隣接する橋桁構造物同士の連結等に使用することができるが、以下では、その一例として、橋台構造物と橋桁構造物とを連結する場合について、説明する。
図1に、本形態の桁連結装置1を示した。本形態の桁連結装置1は、橋梁構造体80に取り付けられている。この橋梁構造体80は、橋台構造物81や橋桁構造物82等を構成要素とする。橋台構造物81は、コンクリート等によって断面L字状に構成されている。橋台構造物81の延出部上面81a上には、支承部材83が載置されている。更にこの支承部材83の上には、橋桁構造物82の一端部が載置されている。つまり、図示例では、橋桁構造物82の一端部が支承部材83を介して間接的に橋台構造物81に支持されている。地震等によって橋梁構造体80に大きな衝撃が加わった際には、橋桁構造物82の一端部が、支承部材83とともに、あるいは支承部材83とは別に、橋台構造物81の延出部上面81a上からずれ落ちる危険性が存在する。この危険性を解消するのが本形態の桁連結装置1である。なお、支承部材が存在せず、橋桁構造物が直接的に橋台構造物に支持されている構造の橋梁構造体においても、本発明は適用可能である。
本形態の桁連結装置1は、橋台構造物81の延出部側面81bに固定される他の固定具たる台側固定具10と、橋桁構造物82の裏面82aに固定される一の固定具たる桁側固定具20と、両固定具10,20に接続される移動抑止材30と、を主に有する。
台側固定具10は、ベース部材11と、一対の突出部材12と、ピン部材13と、を主に有する。ベース部材11は、平板状とされている。ベース部材11の裏面は、橋台構造物81の延出部側面81bに当接(面接)している。ベース部材11の平面形状は、円形状、多角形状等、種々考えることができるが、図示例では、方形状とされている。ベース部材11は、適宜の数の、図示例では6本のボルト10vが橋台構造物81の延出部に打ち込まれることで、当該延出部の側面81bに固定されている。
一対の突出部材12は、それぞれ平板状とされている。一対の突出部材12は、それぞれその一端縁(基端縁)がベース部材11に溶接等されて一体化されている。この一体化は、一対の突出部材12が、それぞれベース部材11から垂直に突出するように、かつ両突出部材12が平行となるように行われている。この一体化強度を向上するために、一対の突出部材12には、それぞれ当該突出部材12と直交する方向に延在する平板状の補強材12Aが各2つ取り付けられている。一対の突出部材12は、それぞれ基端縁から先端縁に向かって幅狭となる三角形状とされている。
ピン部材13は、一対の突出部材12間に架け渡されている。ピン部材13の形状は、種々考えることができるが、図示例のように円柱状とするのが好適である。このピン部材13には、移動抑止材30が接続されている。
一方、桁側固定具20も、台側固定具10とほぼ同様の構造とされており、ベース部材21と、一対の突出部材22と、ピン部材23と、を主に有する。ベース部材21も、平板状とされている。ベース部材21の裏面は、橋桁構造物82の裏面82aに当接(面接)している。ベース部材21の平面形状も、種々考えることができるが、図示例では、方形状とされている。ベース部材21は、適宜の数の、図示例では12本のボルト20v及び図示しないナットによって橋桁構造物82の裏面82aを構成するプレートに締結され、もって橋桁構造物82の裏面82aに固定されている。
一対の突出部材22も、それぞれ平板状とされている。一対の突出部材22は、それぞれその一端縁(基端縁)がベース部材21に溶接等されて一体化されている。この一体化は、一対の突出部材22が、それぞれベース部材21から垂直に突出するように、かつ両突出部材22が平行となるように行われている。一対の突出部材22には、台側固定具10におけるような補強材(12A)が取り付けられていないが、必要により、同様の補強材を取り付け、もってベース部材21に対する一対の突出部材22の一体化強度を向上することができる。一対の突出部材22も、それぞれ基端縁から先端縁に向かって幅狭となる三角形状とされている。
ピン部材23は、一対の突出部材22間に架け渡されている。ピン部材23の形状も、種々考えることができるが、図示例のように円柱状とするのが好適である。このピン部材23には、移動抑止材30が接続されている。
以上の台側固定具10及び桁側固定具20の少なくともいずれか一方は、好ましくは本形態のように両方は、次に示す特徴的な構造を有する。以下では、台側固定具10の場合を例に説明する。
図2に示すように、まず、台側固定具10に備わる一対の突出部材12には、それぞれピン受け孔15が形成されている。このピン受け孔15の形状は、ピン部材13の断面形状に応じた形状とされている。当該一対のピン受け孔15には、それぞれピン部材13が挿通される。この挿通により、ピン部材13が一対の突出部材12間に架け渡される。ピン部材13をピン受け孔15に挿通した後、当該ピン部材13の両端部には、当該両端部を径方向に貫くように、抜け止めピン16が挿通される。この抜け止めピン16の挿通によって、ピン部材13がピン受け孔15から抜け落ちるのが防止される。
ピン部材13の少なくともピン受け孔15の内周面15aに対応(対向)する外周面13aは、図示例では全外周面13aは、天然ゴムや合成樹脂等の弾性体によって形成された緩衝材14によって覆われている(第1の形態例)。したがって、地震等によって橋梁構造体80に大きな衝撃が加わったとしても、緩衝材14による緩衝効果が移動抑止材30に作用し、当該移動抑止材30に対して瞬間的に大きな引張力が加わるおそれがないため、移動抑止材30の破断が防止される。また、本形態は移動抑止材30の構造を複雑にするものではないため、本形態によると、桁連結装置1の備え付けや維持管理等が容易になる。さらに、本形態によると、緩衝材14を移動抑止材30に備える場合と比べて、当該緩衝材14が雨風等に曝され難くなるため、耐久性が向上する。なお、緩衝材14の存在によって、ピン部材13の外周面13aやピン受け孔15の内周面15aの摩耗が防止されるとの効果も発現する。
ここで、緩衝材14は、例えば、図3に示すように、ピン受け孔15の内周面15aを覆うように備えられていてもよい(第2の形態例)。この形態においても、緩衝材14による緩衝効果が移動抑止材30に作用するため、移動抑止材30の破断が防止される。また、この形態においては、緩衝材14が外部に全く露出しないため、当該緩衝材14が雨風等により曝され難くなり、一段と耐久性が向上する。なお、第1の形態例においても、ピン部材13の外周面13aのうち、ピン受け孔15の内周面15aに対応する部位のみを緩衝材14によって覆うことで、当該緩衝材14が外部に全く露出しないものとなる。しかるに、ピン部材13の挿通作業の効率性等を考慮すると、耐久性の観点からは、第2の形態例による方が好ましい。
また、例えば、図4に示すように、ピン受け孔15の内周面15aを覆うように第1緩衝材14aが備えられ、ピン部材13の少なくともピン受け孔15の内周面15aに対応する外周面13aを、図示例ではピン部材13の全外周面13aを覆うように第2緩衝材14bが備えられていてもよい(第3の形態例)。この形態においても、緩衝材14a,14bによる緩衝効果が移動抑止材30に作用するため、移動抑止材30の破断が防止される。また、この形態においては、第1緩衝材14a及び第2緩衝材14bが一体化されていないため、両緩衝材14a,14bのずれ等によって緩衝効果が増し、移動抑止材30の破断がより確実に防止される。
以上においては、ピン部材13が1本のみ備えられ、また、これに対応してピン受け孔15も1つのみ形成されている。しかるに、図5に示すように、ピン部材が複数本、図示例では、第1ピン部材13X、第2ピン部材13Y及び第3ピン部材13Zの3本備えられ、これに対応してピン受け孔も複数、図示例では3つ形成されているのも好適である(第4の形態例)。このようにピン部材(13X,13Y,13Z)が複数本備えられ、ピン受け孔も複数形成されていると、移動抑止材30を複数のピン部材(13X,13Y,13Z)によって接続することができ、接続強度、更には安全性が向上する。
もっとも、ピン部材が複数本備えられるとしても、移動抑止材30から各ピン部材(13X,13Y,13Z)に加わる引張力が大きく異なると、一部のピン部材にのみ大きな引張力が加わり、当該ピン部材が損壊してしまうおそれがある。そこで、図6に示すように、複数本のピン部材として、前述したように第1ピン部材13X、第2ピン部材13Y及び第3ピン部材13Zを備えるとともに、各ピン部材13X,13Y,13Zを断面円形状とし(各ピン部材13X,13Y,13Zの断面形状を符号S2で示す。)、更に突出部材12の突出方向に沿う(図示例では、紙面に沿う。)仮想円S1の基端点P1に第1ピン部材13Xが内接し、仮想円S1の中央上端点P2に第2ピン部材13Yが内接し、仮想円S1の中央下端点P3に第3ピン部材13Zが内接する位置関係とされているのが好ましい。この形態によると、移動抑止材30から各ピン部材13X,13Y,13Zに加わる引張力が均一化され、一部のピン部材が損壊してしまうおそれがない。
また、この形態においては、仮想円S1の中心点Cから第1ピン部材13Xまでの距離L1、第2ピン部材13Yまでの距離L2、及び第3ピン部材13Zまでの距離L3は、全て同じとするのが好ましい。
さらに、この形態においては、複数本のピン部材13X,13Y,13Zの設置径S1xや、各ピン部材13X,13Y,13Zのピン径S2x等は、適宜設計することができるが、ピン部材13X,13Y,13Zを鋼や鉄等の金属製とする場合は、移動抑止材30の破断荷重との関係で、以下に示す通りに設計すると好適である。
すなわち、破断荷重が150〜450未満kN(一般的には300kN)の場合は、設置径S1xを60〜80mmとし、ピン径S2xを50〜75mmとする。また、破断荷重が450〜750未満kN(一般的には600kN)の場合は、設置径S1xを80〜120mmとし、ピン径S2xを76〜90mmとする。さらに、破断荷重が750〜1050kN(一般的には900kN)の場合は、設置径S1xを120〜160mmとし、ピン径S2xを95〜110mmとする。
また、ピン部材が3本備えられる形態としては、以上の形態によるほか、次に示す形態も推奨することができる。
すなわち、まず、図13の(1)に示すように、正三角形の各頂点に第1ピン部材13X´、第2ピン部材13Y´及び第3ピン部材13Z´を配置する形態である。この形態においては、スリット等を形成することによって、図13の(2)に示すように、各ピン部材13X´,13Y´,13Z´が移動抑止材30からの荷重に応じてスライドするように構成するとより好適である。この形態においては、各ピン部材13X´,13Y´,13Z´のスライドによって移動抑止材30の破断防止効果がより大きなものとなる。また、移動抑止材30から大きな荷重が加わった場合には、図13の(2)に示すように、各ピン部材13X´,13Y´,13Z´が一体化するため、強度が向上し、各ピン部材13X´,13Y´,13Z´が損壊等してしまうおそれがない。
また、この他の例としては、図14の(1)に示すように、逆正三角形の各頂点に第2ピン部材13Y´、第3ピン部材13Z´及び第4ピン部材13W´を配置する形態を推奨することができる。この形態においては、スリット等を形成することによって、図14の(2)に示すように、各ピン部材13Y´,13Z´が移動抑止材30からの荷重に応じてスライドするように構成するとより好適である。この形態においては、当初第4ピン部材13W´による移動抑止材30の掛止効果が得られないが、図14の(2)に示すように、ピン部材13Y´,13Z´のスライドによって移動抑止材30の破断防止効果を得ることができる。また、移動抑止材30から大きな荷重が加わった場合には、図14の(2)に示すように、各ピン部材13Y´,13Z´,13W´が一体化するため、強度が向上し、各ピン部材13Y´,13Z´,13W´が損壊等してしまうおそれがない。
次に、移動抑止材30について、詳説する。
本形態の移動抑止材30は、図11に示すように、アラミド繊維を芯糸とし、この芯糸の束31Aをポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ゴム等からなる被覆材31Bで包むことで紐状とされた紐材31を有する。この紐材31が前述したピン部材13,23に架け回されることで、移動抑止材30が台側固定具10や桁側固定具20に掛止されて接続される。アラミド繊維はポリエステル繊維等の他の繊維に比べて引張強度が強いため、本形態によると、台側固定具10及び桁側固定具20を十分な強度で連結することができる。しかも、本形態においては、当該アラミド繊維の束31Aを被覆材31Bで包むことで「紐状」としているため、台側固定具10及び桁側固定具20の連結作業を極めて容易に行うことができる。この点、芯糸としてポリエステル繊維等の他の繊維を使用する場合においても、束とする繊維の数を増やすことで引張強度を強くすることができる。しかるに、束とする繊維の数を増やすと、紐材の径が太くなるため、取回し性が悪くなり、上記連結作業を容易に行うことができなくなる。
ここで、本形態の紐材31は、まず、図12に示すように、台側ピン部材13から桁側ピン部材23に向かい(この部位を符号31Aで示す。)、この桁側ピン部材23に架け回され(この架け回された部位を符号31Dで示す。)、当該桁側ピン部材23から台側ピン部材13に向かい(この部位を符号31Bで示す。)、この台側ピン部材13に架け回されるループ状(無端状)とされている。そして、図7の(1)に示すように、当該紐材31のピン部材13,23に対する架け回しは、ループ状の紐材31が当該ループ状の紐材31の延在方向(図12参照)に沿う軸N回りに捩じられたうえで行われる(第1の形態例)。この形態によると、図7の(2)に示すように、ループ状の紐材31も緩衝効果を発現することになり、移動抑止材30の構成要素である紐材31の破断を、より確実に防止することができる。
また、本形態においては、必要により、紐材31の台側ピン部材13から桁側ピン部材23に向かう部位31A、及び、紐材31の桁側ピン部材23から台側ピン部材13に向かう部位31Bを覆い、かつ当該両部位31A,31Bの離間距離を狭める掛止安定筒体32が、台側ピン部材13及び桁側ピン部材23に隣接するように取り付けられる。この掛止安定筒体32の取付けにより、紐材31がピン部材13,23に架け回された状態でずれなくなり、紐材31のピン部材13,23に対する掛止状態が安定化する。
以上のように紐材31がループ状とされている場合においては、以下に示す形態例も好適である。
すなわち、まず、図8の(1)に示すように、紐材31のピン部材13,23に対する架け回しが、紐材31の一部が巻き返され、この巻き返しにより形成された巻返し部31xが仮止め部材33によって仮止めされたうえで行われていると好適である(第2の形態例)。この形態においては、図8の(2)に示すように、紐材31に引張力が加わった際に、巻返し部31xの巻返し長さが短くなり、ループ状の紐材31が全体として当該ループ状の紐材31の延在方向(図12参照)に伸張することになるため、ループ状の紐材31も緩衝効果を発現することになり、移動抑止材30の構成要素である紐材31の破断を、より確実に防止することができる。
また、紐材31がループ状とされる場合においては、図9の(1)に示すように、紐材31の台側ピン部材13から桁側ピン部材23に向かう部位31A、及び、紐材31の桁側ピン部材23から台側ピン部材13に向かう部位31Bを覆い、かつ当該両部位31A,31Bの離間距離を狭める損壊型緩衝筒体34が、移動抑止材30の構成要素として備えられていると好適である(第3の形態例)。この形態においては、プラスチック等によって形成された損壊型緩衝筒体34が、台側ピン部材13及び桁側ピン部材23に隣接するように取り付けられることで、ループ状の紐材31に引張力が加わり、両部位31A,31Bに離間力が加わった際に、この離間力が損壊型緩衝筒体34に加わって、図9の(2)、更には図9の(3)に示すように、損壊型緩衝筒体34に亀裂34xが入り、損壊型緩衝筒体34が損壊する。したがって、この損壊型緩衝筒体34の損壊が移動抑止材30の構成要素である紐材31に対して緩衝作用を及ぼすことになり、当該紐材31の破断を、より確実に防止することができる。
また、この形態においては、損壊型緩衝筒体34の損壊にともなって、ループ状の紐材31が全体として当該ループ状の紐材31の延在方向(図12参照)に伸張する。したがって、ループ状の紐材31自体も緩衝効果を発現することになり、移動抑止材30の構成要素である紐材31の破断を、より確実に防止することができる。
さらに、紐材31がループ状とされる場合においては、図10の(1)に示すように、紐材31の台側ピン部材13から桁側ピン部材23に向かう部位31A、及び、紐材31の桁側ピン部材23から台側ピン部材13に向かう部位31Bを覆い、かつ当該両部位31A,31Bの離間距離を狭める伸縮型緩衝筒体35及び移動防止筒体36が、移動抑止材30の構成要素として備えられていると好適である(第4の形態例)。この形態においては、伸縮型緩衝筒体35が台側ピン部材13や桁側ピン部材23に隣接するように取り付けられ、更に移動防止筒体36が伸縮型緩衝筒体35に隣接するように取り付けられることで、ループ状の紐材31に引張力が加わり、両部位31A,31Bに離間力が加わった際に、この離間力が伸縮型緩衝筒体35に加わり、ゴムや合成樹脂等の伸縮材からなる当該伸縮型緩衝筒体35が伸張し、更に当該伸縮型緩衝筒体35の隣接するピン部材13,23から離間する移動が、移動防止筒体36によって防止される。したがって、伸縮型緩衝筒体35の伸縮力が移動抑止材30の構成要素である紐材31に対して緩衝作用を及ぼすことになり、当該紐材31の破断を、より確実に防止することができる。また、伸縮型緩衝筒体35に上記離間力が加わった際には、通常であれば、当該伸縮型緩衝筒体35が台側ピン部材13や桁側ピン部材23から離間するように移動してしまうおそれがあるが、当該移動は、移動防止筒体36によって防止されるため、伸縮型緩衝筒体35の伸縮力が紐材31に対して緩衝作用をより確実に及ぼすことになる。
本発明は、橋桁構造物及びこの橋桁構造物を支持する橋台構造物や橋脚構造物を構成要素とする橋梁構造体の桁連結装置として、特に橋桁構造物がこの橋桁構造物を支持する橋台構造物や橋脚構造物からずれ落ちるのを防止する目的等で使用される桁連結装置として適用可能である。
1…桁連結装置、10…台側固定具(他の固定具)、11,21…ベース部材、12,22…突出部材、13,13X,13Y,13Z,23…ピン部材、14,14a,14b…緩衝材、15…ピン受け孔、20…桁側固定具(一の固定具)、30…移動抑止材、31…紐材、31x…巻返し部、32…掛止安定筒体、33…仮止め部材、34…損壊型緩衝筒体、35…伸縮型緩衝筒体、36…移動防止筒体、80…橋梁構造体、81…橋台構造物、82…橋桁構造物、83…支承部材、S1…仮想円。

Claims (8)

  1. 橋桁構造物及びこの橋桁構造物を支持する支持構造物を構成要素とする橋梁構造体に取り付けられる装置であり、
    前記橋桁構造物に固定される一の固定具と、
    前記橋桁構造物に隣接する橋桁構造物又は前記支持構造物に固定される他の固定具と、
    前記一の固定具及び前記他の固定具に接続されて前記一の固定具の前記他の固定具から遠ざかる移動を抑止する移動抑止材と、を有する橋梁構造体の桁連結装置であって、
    前記一の固定具及び前記他の固定具の少なくともいずれか一方は、
    前記構造物に固定されるベース部材及びこのベース部材から突出する一対の突出部材を有し、この一対の突出部材にそれぞれピン受け孔が形成され、この一対のピン受け孔に挿通されることで前記一対の突出部材間に架け渡されるピン部材が備えられ、このピン部材に前記移動抑止材が接続され、
    前記ピン部材の少なくとも前記ピン受け孔の内周面に対応する外周面、及び、前記ピン受け孔の内周面のうち、少なくともいずれか一方の周面が緩衝材によって覆われている、
    ことを特徴とする橋梁構造体の桁連結装置。
  2. 前記移動抑止材は、アラミド繊維を芯糸とし、この芯糸の束を被覆材で包むことで紐状とされた紐材を有し、
    この紐材が前記ピン部材に架け回されることで前記移動抑止材が前記固定具に接続される構成とされている、
    請求項1記載の橋梁構造体の桁連結装置。
  3. 前記ピン部材が複数本備えられ、この複数本のピン部材が挿通されるピン受け孔も前記一対の突出部材それぞれに複数形成されている、
    請求項1又は請求項2記載の橋梁構造体の桁連結装置。
  4. 前記複数本のピン部材として、断面円形状の第1ピン部材、第2ピン部材及び第3ピン部材が備えられ、
    これら第1ピン部材、第2ピン部材及び第3ピン部材が、前記突出部材の突出方向に沿う仮想円の基端点に前記第1ピン部材が内接し、前記仮想円の中央上端点に前記第2ピン部材が内接し、前記仮想円の中央下端点に前記第3ピン部材が内接する位置関係とされている、
    請求項3記載の橋梁構造体の桁連結装置。
  5. 前記一の固定具及び前記他の固定具の両方が、
    前記構造物に固定されるベース部材及びこのベース部材から突出する一対の突出部材を有し、この一対の突出部材にそれぞれピン受け孔が形成され、この一対のピン受け孔に挿通されることで前記一対の突出部材間に架け渡されるピン部材が備えられ、このピン部材に前記移動抑止材の構成要素である紐材が架け回されて接続される構成とされ、
    前記紐材は、前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かい、この一の固定具のピン部材に架け回され、当該一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かい、この他の固定具のピン部材に架け回されるループ状とされ、
    前記紐材の前記ピン部材に対する架け回しは、前記ループ状の紐材が当該ループ状の紐材の延在方向に沿う軸回りに捩じられたうえで行われる構成とされている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の橋梁構造体の桁連結装置。
  6. 前記一の固定具及び前記他の固定具の両方が、
    前記構造物に固定されるベース部材及びこのベース部材から突出する一対の突出部材を有し、この一対の突出部材にそれぞれピン受け孔が形成され、この一対のピン受け孔に挿通されることで前記一対の突出部材間に架け渡されるピン部材が備えられ、このピン部材に前記移動抑止材の構成要素である紐材が架け回されて接続される構成とされ、
    前記紐材は、前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かい、この一の固定具のピン部材に架け回され、当該一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かい、この他の固定具のピン部材に架け回されるループ状とされ、
    前記紐材の前記ピン部材に対する架け回しは、当該紐材の一部が巻き返され、この巻き返しにより形成された巻返し部が仮止めされたうえで行われる構成とされている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の橋梁構造体の桁連結装置。
  7. 前記一の固定具及び前記他の固定具の両方が、
    前記構造物に固定されるベース部材及びこのベース部材から突出する一対の突出部材を有し、この一対の突出部材にそれぞれピン受け孔が形成され、この一対のピン受け孔に挿通されることで前記一対の突出部材間に架け渡されるピン部材が備えられ、このピン部材に前記移動抑止材の構成要素である紐材が架け回されて接続される構成とされ、
    前記紐材は、前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かい、この一の固定具のピン部材に架け回され、当該一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かい、この他の固定具のピン部材に架け回されるループ状とされ、
    前記紐材の前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かう部位、及び、前記紐材の前記一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かう部位を覆い、かつ当該両部位の離間距離を狭める損壊型緩衝筒体が、前記移動抑止材の構成要素として備えられ、
    前記損壊型緩衝筒体が前記他の固定具のピン部材及び前記一の固定具のピン部材に隣接するように取り付けられることで、前記ループ状の紐材に引張力が加わり、前記両部位に離間力が加わった際に、この離間力が前記損壊型緩衝筒体に加わり、当該損壊型緩衝筒体が損壊する構成とされている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の橋梁構造体の桁連結装置。
  8. 前記一の固定具及び前記他の固定具の両方が、
    前記構造物に固定されるベース部材及びこのベース部材から突出する一対の突出部材を有し、この一対の突出部材にそれぞれピン受け孔が形成され、この一対のピン受け孔に挿通されることで前記一対の突出部材間に架け渡されるピン部材が備えられ、このピン部材に前記移動抑止材の構成要素である紐材が架け回されて接続される構成とされ、
    前記紐材は、前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かい、この一の固定具のピン部材に架け回され、当該一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かい、この他の固定具のピン部材に架け回されるループ状とされ、
    前記紐材の前記他の固定具のピン部材から前記一の固定具のピン部材に向かう部位、及び、前記紐材の前記一の固定具のピン部材から前記他の固定具のピン部材に向かう部位を覆い、かつ当該両部位の離間距離を狭める伸縮型緩衝筒体及び移動防止筒体が、前記移動抑止材の構成要素として備えられ、
    前記伸縮型緩衝筒体が前記他の固定具のピン部材及び前記一の固定具のピン部材に隣接するように取り付けられ、更に前記移動防止筒体が前記伸縮型緩衝筒体に隣接するように取り付けられることで、前記ループ状の紐材に引張力が加わり、前記両部位に離間力が加わった際に、この離間力が前記伸縮型緩衝筒体に加わり、当該伸縮型緩衝筒体が伸張し、かつ当該伸縮型緩衝筒体の前記隣接するピン部材から離間する移動が、前記移動防止筒体によって防止される構成とされている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の橋梁構造体の桁連結装置。
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