JP2013241718A - 多層繊維構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】セルロース繊維含有ウェブ層を含む多層繊維構造物であって、該ウェブの柔軟性および吸水性を維持しつつ、伸長性に優れ、かつ、層と層とが適度に一体化した多層繊維構造物を提供すること。
【解決手段】本発明の多層繊維構造物は、セルロース繊維を20質量%以上含み、見かけ密度が0.065〜0.170g/cmであるウェブ層と、コース密度が35〜73/2.54cmであり、ウェール密度が30〜64/2.54cmであり、目付量が10〜120g/mである編地層とを含み、該ウェブ層と該編地層とが水流交絡処理により一体化されており、幅方向の伸度が、50〜200%である。
【選択図】図1

Description

本発明は、セルロース繊維を含むウェブ層と編地層とを有する、伸長性に優れた多層繊維構造物に関する。
一般に、セルロース繊維を含む不織布は、肌触りがよく、吸水性も高いために、衛生物品の表面材、ウエットティッシュ、使い捨てタイプのおしぼり、マスク、医療用ガウン、ワイピングクロス、化粧用シート、化粧料を含浸した美容用フェイスマスク等の様々な製品に用いられている。これらの製品においては、使用感を高める観点から、不織布が適度な伸長性を有することが好ましい。
伸長性を有する不織布としては、例えば、所定の繊維からなるウェブ層とポリウレタン繊維を含む補強材とを水流交絡により一体化した伸縮性不織布(特許文献1)、少なくとも一方向に高伸縮性を有する網状構造物の片面もしくは両面に不織繊維ウェブが筋状に存在する結合部によって一体化された複合弾性シート(特許文献2)等の多層構造の不織布が提案されている。しかしながら、これらの不織布では、伸長性が不十分である場合や、層と層との一体化が不十分である場合がある。
特開2004−149933号公報 特開平10−195746号公報
本発明の目的は、セルロース繊維含有ウェブ層を含む多層繊維構造物であって、該ウェブの特性(柔軟性、吸水性等)を維持しつつ、伸長性に優れ、かつ、層と層とが適度に一体化した多層繊維構造物を提供することにある。
本発明によれば、多層繊維構造物が提供される。該多層繊維構造物は、セルロース繊維を20質量%以上含み、見かけ密度が0.065〜0.170g/cmであるウェブ層と、コース密度が35〜73/2.54cmであり、ウェール密度が30〜64/2.54cmであり、目付量が10〜120g/mである編地層とを含み、該ウェブ層と該編地層とが水流交絡処理により一体化されており、幅方向の伸度が、50〜200%である。
好ましい実施形態においては、上記ウェブ層と上記編地層との層間剥離力が、0.5〜10.0Nである。
好ましい実施形態においては、上記ウェブ層が、明るさ指数(Rd)が90〜100%であり、黄色味指数(+b)が−2.0〜1.0である綿ウェブを含む。
好ましい実施形態においては、上記ウェブ層の構成繊維の平均繊維長が、13〜51mmである。
好ましい実施形態においては、上記編地層が、熱融着性弾性繊維を含む。
好ましい実施形態においては、上記多層繊維構造物が、二層繊維構造物である。
好ましい実施形態においては、上記多層繊維構造物が、上記編地層の両面に上記ウェブ層が配置された三層繊維構造物である。
好ましい実施形態においては、上記多層繊維構造物は、上記ウェブ層の両面に上記編地層が配置された三層繊維構造物である。
本発明の別の局面によれば、繊維製品が提供される。該繊維製品は、上記多層繊維構造物を含む。
好ましい実施形態によれば、上記繊維製品が、フェイスマスクである。
本発明によれば、所定の見かけ密度を有するセルロース繊維含有ウェブ層と所定の編密度および目付量を有する編地層とを用いることにより、ウェブの特性を維持しつつ、伸長性に優れ、かつ、層と層とが適度に一体化した多層繊維構造物が提供され得る。
本発明の好ましい実施形態による多層繊維構造物の概略断面図である。
A.多層繊維構造物
A−1.多層繊維構造物の全体構成
図1(a)〜図1(c)はそれぞれ、本発明の好ましい実施形態による多層繊維構造物の概略断面図である。本発明の多層繊維構造物は、セルロース繊維を20質量%以上含み、見かけ密度が0.065〜0.170g/cmであるウェブ層と、コース密度が35〜73/2.54cmであり、ウェール密度が30〜64/2.54cmであり、目付量が10〜120g/mである編地層とを含む。図1(a)の多層繊維構造物100aは、ウェブ層10と編地層11とからなる二層繊維構造物である。図1(b)の多層繊維構造物100bは、編地層11の一方の面にウェブ層10aが配置され、他方の面にウェブ層10bが配置された三層繊維構造物である。図1(c)の多層繊維構造物100cは、ウェブ層10の一方の面に編地層11aが配置され、他方の面に編地層11bが配置された三層繊維構造物である。多層繊維構造物100a〜100cにおいては、水流交絡処理によってウェブ層10の構成繊維と編地層11の編成糸とが交絡しており、これにより、ウェブ層10と編地層11とが接合し、一体化している。なお、多層繊維構造物100bにおいては、ウェブ層10aの構成繊維と10bの構成繊維とが編地層11を通して交絡していてもよい。図示しないが、本発明の多層繊維構造物は、ウェブ層と編地層とが交互に積層された四層以上の多層繊維構造物であってもよい。
本発明においては、上記所定の編密度および目付量を有する編地層を選択し、かつ、ウェブ層の見かけ密度を所定の範囲に調整することにより、ウェブ層の構成繊維と編地の編成糸との交絡が好適に行われ得る。その結果、ウェブ由来の特性(柔軟性、吸水性等)と編地由来の特性(伸長性、フィット性等)とを維持しつつ、ウェブ層と編地層とが適度な結合力で一体化された多層繊維構造物が得られ得る。
本発明の多層繊維構造物の幅方向(CD方向)の伸度は、50〜200%であり、好ましくは55〜200%、より好ましくは55〜190%である。該伸度が50%未満であると、伸びが不足して硬く感じる場合がある。また、該伸度が200%を超えると、使用中に層が分離する場合等がある。ここで、多層繊維構造物の幅方向とは、多層繊維構造物を生産する際のウェブおよび編地の機械方向(搬送方向)と直交する方向を意味する。なお、通常は、多層繊維構造物の主面において伸度が最も大きい方向を幅方向と判断することができる。本発明の多層繊維構造物は、代表的には連続的に搬送されるウェブと編地とにノズルを用いて水流交絡処理を施すことによって製造されるため、幅方向では機械方向(搬送方向)と比べて水流が不連続となり、繊維の結合力が弱くなるためである。
本発明の多層繊維構造物の流れ方向(MD方向)の伸度は、好ましくは10〜160%であり、より好ましくは14〜160%であり、さらに好ましくは18〜150%である。該伸度が10%未満であると、伸びが不足して硬く感じる場合がある。また、該伸度が160%を超えると、使用中に層が分離する場合等がある。例えば、編地層が熱融着性弾性繊維(詳細はA−3項で後述する)を含まない場合の多層繊維構造物の流れ方向の伸度は、好ましくは10〜60%であり、より好ましくは14〜50%であり、さらに好ましくは18〜40%である。また、例えば、編地層が熱融着性弾性繊維を含む場合の多層繊維構造物の流れ方向の伸度は、好ましくは20〜160%であり、より好ましくは28〜160%であり、さらに好ましくは41〜150%である。ここで、多層繊維構造物の流れ方向とは、多層繊維構造物を生産する際のウェブおよび編地の機械方向(搬送方向)と平行の方向を意味する。なお、通常は、多層繊維構造物の主面において伸度が最も小さい方向を流れ方向と判断することができる。
本発明の多層繊維構造物におけるウェブ層と編地層との層間剥離力は、好ましくは0.5〜10.0N、より好ましくは0.5〜9.0N、さらに好ましくは0.5〜8.0Nである。層間剥離力がこのような範囲内であれば、ウェブ層と編地層とが使用中に容易に剥離せず、かつ、ウェブの特徴である柔軟性、吸水性、保水性等と編地の特徴である伸長性、フィット性等とを両立することができる。一方、層間剥離力が0.5N未満であると、多層繊維構造物の伸度およびウェブの柔軟性は良好となり得るが、ウェブ層と編地層との接合が不十分であり、使用中に層が分離する場合がある。また、層間剥離力が10.0Nより大きいと、使用中の層分離の可能性は実質的に生じないが、ウェブ層の構成繊維が必要以上に編地の編成糸に交絡して一体化する結果、ウェブの柔軟性が失われる、多層繊維構造物の伸度が不十分となる、ウェブ層の構成繊維相互の交絡が弱くなる等の問題が生じ得る。
本発明の多層繊維構造物においては、ウェブ層と編地層との接合は、好ましくは両層の接触表面において行われる。具体的には、編地の編成糸の編地表面への露出部位にウェブ層の構成繊維が交絡して接合していることが好ましい。より具体的には、編地の空隙部分(編成糸が存在しない部分、例えばヨコ編みでは、ループの内部の隙間)には、ウェブ層の構成繊維がほとんど存在しないことが好ましい。1つの実施形態においては、該空隙部分に存在する該構成繊維の量(編地層中へのウェブ層の構成繊維の混入率)は、ウェブ層の構成繊維全体の10質量%以下であり得る。このように、ウェブ層と編地層とが、両層の接触表面において接合することにより、適度な結合力(層間剥離力)が得られ、その結果、両層が使用中に容易に剥離せず、かつ、ウェブの特徴である柔軟性、吸水性、保水性等と編地の特徴である伸長性、フィット性等とを両立することができる。
本発明の多層繊維構造物の幅方向の伸長回復率は、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上である。該伸長回復率が15%未満であると、例えばフェイスマスクとして使用する場合に、肌へのフィット性が不十分となり剥離するおそれがある。好ましい上限値は使用用途や使用部位によるが、例えばガウン、ジャケット、ズボン、下着等の衣料用途や生理用品、おむつ等の医療衛材用途等に使用する場合は、伸長回復率の上限は100%であり得る。
本発明の多層繊維構造物の流れ方向の初期伸長力(5%荷重)は、好ましくは0.1〜100Nであり、より好ましくは0.2〜80Nであり、さらに好ましくは0.3〜60Nである。該初期伸長力が0.1N未満であると、初期伸びは良いが、伸長中にウェブが破断したり、層が分離する場合がある。また、該初期伸長力が100Nを超えると、硬くて伸び難く、使用に適さない場合がある。例えば、編地層が熱融着性弾性繊維を含まない場合の多層繊維構造物の流れ方向の初期伸長力(5%荷重)は、好ましくは5〜100Nであり、より好ましくは7〜80Nであり、さらに好ましくは9〜60Nである。また、例えば、編地層が熱融着性弾性繊維を含む場合の多層繊維構造物の流れ方向の初期伸長力(5%荷重)は、好ましくは0.1〜20Nであり、より好ましくは0.2〜15Nであり、さらに好ましくは0.3〜8.9Nである。
本発明の多層繊維構造物のカール度は、流れ方向、幅方向とも、好ましくは0〜40%、より好ましくは0〜10%である。カール度が40%を超えると、裁断部がカールし、例えばフェイスマスクとして使用する場合に、密着性の低下や顔から剥離しやすくなる等の問題が生じる場合がある。なお、本発明において、カールとは、多層繊維構造物の端面がめくれ上がることを意味し、例えば、編地層の編成糸の残留トルクが原因で生じ得る。
本発明の多層繊維構造物の剛軟度は、流れ方向では、好ましくは20〜200mm、より好ましくは20〜180mmであり、例えば20〜150mm、また例えば20〜140mmであり得る。一方、該剛軟度は、幅方向では、好ましくは10〜200mm、より好ましくは10〜180mmであり、例えば10〜140mm、また例えば10〜130mmであり得る。剛軟度が上記範囲未満であると、十分な柔軟性が得られ得る一方で、毛羽立ち、ウェブの脱落、二層繊維構造物においては厚み方向の保形性が悪くなる等の問題が生じる場合がある。一方、上記範囲を超えると、硬くなる傾向にあり、例えばフェイスマスクに使用すると、剥離し易い等の問題が生じる場合がある。
本発明の多層繊維構造物の目付量は、吸水性、柔軟性、伸長性、軽量感等の観点から、二層繊維構造物の場合、好ましくは20〜320g/m、より好ましくは20〜260g/mであり、編地層の両面にウェブ層が配置された三層繊維構造物の場合、好ましくは30〜520g/m、より好ましくは30〜410g/mであり、ウェブ層の両面に編地層が配置された三層繊維構造物の場合、好ましくは30〜440g/m、より好ましくは30〜370g/mである。
本発明の多層繊維構造物の総厚みは、用途等に応じて適切に設定され得る。厚みは、例えば、二層繊維構造物の場合は、好ましくは0.10〜4.90mm、より好ましくは0.10〜4.00mmであり、三層繊維構造物の場合は、好ましくは0.15〜7.80mm、さらに好ましくは0.15〜6.10mmである。
A−2.ウェブ層
ウェブ層は、セルロース繊維を20質量%以上含むウェブから構成される。該ウェブにおけるセルロース繊維の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、100質量%であってもよい。セルロース繊維の含有量が20質量%未満であると、肌触りが劣化する、吸水性が低下する等の問題が生じる場合があり、例えば、美容用フェイスマスクに用いると、液体化粧料の吸水性または保湿性が低下する等の問題が生じる場合がある。
上記セルロース繊維としては、例えば、綿、麻、竹、こうぞ、みつまた、バナナ、カポック、被嚢類等の植物性および動物性の天然セルロース繊維、レーヨン繊維(例えば、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、テンセル)等の再生セルロース繊維、および、アセテート繊維(例えば、ビスアセテート、トリアセテート)等の半合成セルロース繊維が挙げられる。なかでも、綿、レーヨン、キュプラ、ポリノジック、テンセル、アセテートが好ましく、綿がより好ましい。これらの繊維を使用することにより、毛羽立ちを少なくし、ソフト感を高めることができる。さらに、綿は天然繊維であるので、環境に優しいという利点もある。1つの実施形態においては、上記ウェブは、綿を100質量%含み得る。セルロース繊維は、一種のみを用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ウェブにおいてセルロース繊維と組み合わせて用いられ得る他の構成繊維としては、用途等に応じて任意の適切な繊維が選択され得る。例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維、ポリオレフィン繊維(例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維)、ポリイミド繊維、ポリ乳酸繊維等の化学合成繊維が挙げられる。
上記ウェブ層においては、代表的には、ウェブの構成繊維は相互に交絡した状態で存在する。
上記ウェブの構成繊維の平均繊維長は、好ましくは13〜51mm、より好ましくは21〜41mmである。平均繊維長が13mm未満であると、ウェブ層内の繊維相互の絡み合いが弱くなって、ウェブ層の強度が不十分となる場合や、ウェブ層と編地層との結合力、すなわち、層間剥離力が高くなり、多層繊維構造物が硬くなる場合がある。一方、平均繊維長が51mmを超えると、十分な強度のウェブ層が得られ得る一方で、ウェブ層と編地層との層間剥離力が低下して多層繊維構造物の耐久性に問題が生じ得る。
上記ウェブの構成繊維の平均直径は、10μmより大きいことが好ましく、10μmを超え20μm以下であることがより好ましい。平均直径が10μm以下であると、ウェブ層内の繊維相互の絡み合いが強くなって、ウェブが硬くなる場合や、ウェブ層と編地層との層間剥離力が高くなり、多層繊維構造物が硬くなる場合がある。一方、平均直径が20μmより大きくなると、ウェブ層内の繊維相互の絡み合いが弱くなって、ウェブ層の強度が不十分となる場合や、編地層との層間剥離力が低下して、使用中に破断または剥離する場合がある。上記ウェブの構成繊維の平均繊維長および平均直径は次のようにして求められ得る。綿繊維については、HVI測定器(High Volume Instrument、USTER社製、Type Spectrum)を用いて、1回につき4gのウェブを試料として用いて、5回測定後の平均値を平均繊維長およびマイクロネア繊度(Micronaire Fineness、μg/inch)とし、マイクロネア繊度とウェブ構成繊維の比重とを用いて平均直径を算出する。綿繊維以外については、例えば、それぞれ100本以上の繊維の繊維長および直径を顕微鏡観察により測定し、平均値を算出することによって求めることができる。なお、定長でカットされた合成繊維などの場合は10本以上の平均値として算出してもよい。
上記ウェブの構成繊維は、表面から不純物が除去されていることが好ましい。水流交絡時の繊維相互の絡み合いが均一化され、かつ、効率的に交絡し得るからである。また、吸水性も向上し得る。このような効果が奏される理由としては定かではないが、繊維表面の不純物を除去することにより、繊維がほぐれやすくなって表面積が広がり、これにより、繊維表面にセルロースの水酸基がより多く露出するためと推測される。表面から不純物を除去するための処理としては、例えば、晒処理および漂白処理が挙げられる。晒処理および漂白処理は、例えば薬剤として、過酸化水素を使用し、薬剤濃度および処理時間を適切に設定して実施できる。
綿は晒処理および/または漂白処理により不純物が除去されて白度が向上するので、上記構成繊維が綿である場合は、白度を不純物の除去の指標とすることができる。具体的には、明るさ指数(Rd)が90〜100%であり、黄色味指数(+b)が−2.0〜+1.0である綿のウェブを用いることにより、上記効果が好適に奏され得る。Rdが90%未満であったり、+bの絶対値が1を超える場合は、繊維表面に不純物が残存してネップが多発すること等により、審美性が低下する、交絡し難くなり層間剥離力が低下する等の問題が生じ得る。なお、明るさ指数(Rd)が100%であり、黄色味指数(+b)が0である場合が、最も白度が高い(白い)と評価される。
本発明の多層繊維構造物におけるウェブ層の見かけ密度は、0.065〜0.170g/cmであり、好ましくは0.065〜0.165g/cmであり、より好ましくは、0.065〜0.160g/cmである。見かけ密度がこのような範囲内であれば、多層繊維構造物の伸長性およびウェブ層と編地層との層間剥離力を所望の範囲に調整することができ、また、柔軟性、吸水性等に優れたウェブ層が得られ得る。ここで、見かけ密度とは、ウェブ層の質量(目付量)と厚みから計算される値である。
本発明の多層繊維構造物におけるウェブ層の目付量は、好ましくは10〜200g/mであり、より好ましくは10〜150g/mであり、さらに好ましくは10〜100g/mである。目付量が10g/m未満であると、ウェブ層に薄い部分が生じる、ウェブが一部欠落してピンホールが生じ、編地が露出する等により、均一なウェブ層を形成できない場合がある。一方、目付量が200g/mを超えると、多層繊維構造物が重くなり、例えばフェイスマスク等に使用すると、肌への密着性が損なわれ、肌から剥離し易くなる場合がある。
本発明の多層繊維構造物におけるウェブ層の厚みは、用途等に応じて適切に設定され得る。該厚みは、例えば、0.05〜3.00mmであり、好ましくは0.06〜2.30mmであり、さらに好ましくは0.06〜1.40mmであり得る。
A−3.編地層
編地層を構成する編地の編組織としては、用途等に応じて、任意の適切な編組織が選択され得る。経編であっても緯編であってもよい。代表的には、緯編が用いられ、例えば、平編み(天竺編み、プレーンニット、シングルジャージー)、ゴム編み(リブ編み、フライス編)等が好ましく用いられ得る。緯編の編地としては、シングル編地、ダブル編地であってもよい。例えば、多層繊維構造物のカールを抑える点ではダブル編地が好ましく、厚みを軽減したり、製造コストを抑える点ではシングル編地が好ましい。
本発明においては、多層繊維構造物に優れた柔軟性および伸長性を付与し、また、適度な層間の結合力(層間剥離力)を得ることを目的として、所定の編密度を有する編地が選択される。具体的には、緯編での編密度は、コース密度が35〜73/2.54cmであり、ウェール密度が30〜64/2.54cmである。編密度が当該範囲よりも低いと、編地自身の伸長性は向上し得るが、得られる多層繊維構造物の伸長性が不十分となる場合がある。これは、水流交絡時に水流が編地を通過し易くなり、ウェブの構成繊維が編地の編成糸の周囲に集まって強く交絡する一方で、編地表面の空隙(ループの隙間)上に配置されるウェブの量が減少することから、当該箇所におけるウェブの構成繊維相互の交絡が弱まり、伸長によってウェブ層が破断し易くなるためと考えられる。ここで、水流交絡力を弱めることにより、編地表面の空隙上に配置されるウェブの量を増加させ得るが、ウェブ層と編地層との結合力は低下するので、製品として使用中にウェブ層と編地層とが容易に分離する等の問題が生じ得る。なお、水流交絡力を高めることにより、ウェブ層と編地層との結合力を向上させ得るが、編地表面の空隙上に配置されるウェブの量がますます減少し、製品として使用する前からウェブ層の一部にピンホールが生じる等の問題が生じ得る。また、編密度が当該範囲よりも高いと、ウェブ層の厚みムラ(厚み斑)は軽減し得るが、多層繊維構造物の伸長性やウェブ層と編地層との結合力が不十分となる場合がある。これは、編地自身の伸長性が低下し、また、水流交絡時に水流が編地を通過し難くなって、ウェブの構成繊維と編地の編成糸との交絡が弱まるためと考えられる。例えば、ウェブ層側から編地層側に向けて水流を噴射して交絡する場合、編地層を通過せずにウェブ層に跳ね返る水流によりウェブの構成繊維は相互に強く交絡するが、編地の編成糸との交絡が不十分となり、製品として使用中にウェブ層と編地層とが分離する等の問題が生じ得る。ここで、水流交絡力を高めることにより、ウェブ層と編地層との結合力を向上させ得るが、ウェブの構成繊維相互の交絡もより強まるので、伸長性が不十分となる場合がある。また、ウェブ層の密度が高くなる結果、硬く感じる、吸水性が低下する等の問題が生じ得る。上記コース密度は、好ましくは35〜70/2.54cmである。また、上記ウェール密度は、好ましくは30〜60/2.54cmである。このような編密度であれば、実用上十分なウェブ層の耐久性および層間の結合力を確保しつつ、柔軟性や伸長性に優れた多層繊維構造物が好適に得られ得る。
上記編地の目付量は、10〜120g/mであり、好ましくは15〜120g/mであり、より好ましくは10〜100g/mである。目付量が10g/m未満であると、破裂強力や引裂強力が低くなり、使用中に編地層が破れる等の問題が生じる場合がある。一方、目付量が120g/mを超えると、編地が硬くなる、重たくなる等の影響により、多層繊維構造物を体にフィットする繊維製品に用いると、体の動きに追随し難く、さらには、重量感や蒸れ感が強くなって、不快感を感じる場合がある。
上記編地のコース方向の伸度は、好ましくは120〜600%、より好ましくは150〜600%、さらに好ましくは200〜550%である。コース方向の伸度が120%未満であると、編地が硬くなる場合があり、600%を超えると、編目が変形して保形性が悪くなる等の問題が生じる場合がある。一方、編地のウェール方向の伸度は、例えば10〜600%、好ましくは10〜550%、より好ましくは10〜500%である。ウェール方向の伸度が10%未満であると、編地が硬くなる場合があり、600%を超えると、編目が変形して保形性が悪くなる等の問題が生じる場合がある。例えば、熱融着性弾性繊維を含まない編地のウェール方向の伸度は、例えば10〜200%、好ましくは10〜150%、より好ましくは10〜100%である。また、例えば、熱融着性弾性繊維を含む編地のウェール方向の伸度は、例えば30〜600%、好ましくは40〜550%、より好ましくは50〜500%である。
上記編地の編成糸としては、用途等に応じて、任意の適切な繊維が用いられ得る。例えば、上述したウェブ層の構成繊維と同様の種類の繊維が用いられ得る。1つの実施形態において、編地は、セルロース繊維を20質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上含む。このような編地を、セルロース繊維を所定量以上含むウェブ層と組み合わせて用いることにより、セルロース繊維の含有量を最大化でき、結果として、吸水性および風合いに極めて優れた多層繊維構造物を得ることができる。また、ウェブ層の構成繊維と交絡し易くなるので、均一な層間剥離力を得る観点から有利となり得る。さらに、架橋剤を用いたセルロースの架橋処理によって保形性を高めることができるので、多層繊維構造物の構造を安定化し得る。当該セルロース繊維の含有量は、JIS L 1030−2に準拠して求められる値である。
上記編地の編成糸(後述する熱融着性弾性繊維以外の編成糸)の繊度は、好ましくは49〜147dtex(英式綿番手で40〜120番手)である。繊度が147dtexを超えると、多層繊維構造物としての風合いが硬くなる場合や厚くなる場合がある。一方、49dtex未満であると、編地の破裂強力および引裂強力が低くなる、製造コストが高くなる等の問題が生じる場合がある。多層繊維構造物の吸水性、柔軟性、伸長性、編地の強度、厚さ、および重さ等の観点から、好ましい繊度は、59〜98dtexである。例えば、繊度が98dtex(英式綿番手60番手)である糸としては、98dtex(英式綿番手60番手)の単糸、49dtex(英式綿番手120番手)の単糸からなる双糸等を用いることができる。
上記編地は、編成糸として、熱融着性弾性繊維を含み得る。熱融着性弾性繊維を加熱処理等で熱融着させた編地を用いることにより、寸法変化が少なく、保形性に優れた多層繊維構造物が得られ得る。また、多層繊維構造物を裁断したままで繊維製品としても、編地の裁断面からの糸のほつれが少ないので、耐久性の高い繊維製品を提供することができる。また、熱融着性弾性繊維を熱融着させない状態で多層繊維構造物を形成し、その後で熱融着させることにより、編地層とウェブの層との結合力を高めることができる。このようにして得られる多層繊維構造物においては、水流交絡を強くして層間の結合力を高めた場合と異なり、ウェブの柔軟性が維持され得る。さらに、熱融着させてから多層繊維構造物を形成した場合と同様に、保形性および裁断面の耐久性に優れた多層繊維構造物が得られ得る。なお、本発明において、熱融着とは、熱融着性弾性繊維が外からの熱または熱と圧力とにより、熱融着性弾性繊維相互および/または熱融着性弾性繊維と他の繊維とが融着し、密着している状態や、繊維の少なくとも一部が融着し、密着している状態、あるいは融着まで至らなくても繊維同士が接着している状態をいう。
上記熱融着性弾性繊維としては、熱融着性ポリウレタン弾性繊維が好ましい。ゴムのように柔軟で伸び縮みし、加熱により該繊維同士または他の繊維との接触個所で融着による変形を生じるが、融着により溶けだして編成箇所から抜け出ることなく連なっており、融着後も柔軟性を保持し得るからである。これに対し、融解時に溶けて編成箇所から抜け出して他の繊維に浸透し、凝固するタイプの熱融着性繊維は、凝固個所が硬くなる、一部が鋭角的に固まり肌への刺激性が強くなる等の点で好ましくない。また、熱融着性ポリウレタン弾性繊維を含む編地は、コース方向の両端にカールが生じ難く、水流交絡による寸法変化も小さいので、製造時の工程安定性の向上、多層繊維構造物の均一性の向上およびカール低減等の効果が得られ得る。例えば、天竺編等のカールを生じさせやすいシングル編地に編み込んで熱融着させることにより、優れたカール低減効果が得られ得る。
上記熱融着性ポリウレタン弾性繊維は、任意の適切な製造方法によって得られ得る。当該製造方法としては、例えば、ポリオールと過剰モル量のジイソシアネートを反応させ、両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン中間重合体を製造し、該中間重合体のイソシアネート基と容易に反応し得る活性水素を有する低分子量ジアミンや低分子量ジオールを不活性な有機溶剤中で反応させポリウレタン溶液(ポリマー溶液)を製造した後、溶剤を除去し糸条に成形する方法や、ポリオールとジイソシアネートと低分子量ジアミンまたは低分子量ジオールとを反応させたポリマーを固化し溶剤に溶解させた後、溶剤を除去し糸条に成形する方法、当該固化したポリマーを溶剤に溶解させることなく加熱により糸条に成形する方法、ポリオールとジイソシアネートと低分子量ジオールとを反応させてポリマーを得、該ポリマーを固化することなく糸条に成形する方法、さらには、上記のそれぞれの方法で得られたポリマーまたはポリマー溶液を混合した後、混合ポリマー溶液から溶剤を除去し糸条に成形する方法等がある。好ましくは、ポリオールとジイソシアネートとを反応させて得られる両末端イソシアネート基プレポリマーと、ポリオールとジイソシアネートと低分子量ジオールとを反応させて得られる両末端水酸基プレポリマーとを反応させて得られるポリマー(紡糸用ポリマー)を固化することなく溶融紡糸する方法である。低温で融着しやすく、かつ、耐熱性を有する熱融着性ポリウレタン弾性繊維が得られ得るからである。当該熱融着性ポリウレタン弾性繊維の製造に用いられ得るポリオール、ジイソシアネート、ジアミン、およびジオールとしては、例えば、特開2011−74516に記載のものが挙げられる。
上記熱融着性弾性繊維は、そのまま単独で使用してもよく、複合糸の形態で使用してもよい。単独で使用する場合は、原糸(未加工糸)、仮撚加工糸、先染糸、原着糸等の任意の形態であり得る。複合糸として使用する場合は、熱融着性弾性繊維を芯糸として、周囲を非熱融着性繊維で被覆したカバリングヤーン、熱融着性弾性繊維と非熱融着性繊維とを合撚した合撚糸、エア交絡糸等の形態であり得る。熱融着性弾性繊維の被覆率が低いほど熱融着箇所が増加することから、熱融着性を高める観点からは、単独で、例えば原糸(未加工糸)で使用することが好ましい。一方、編地の強力を高めること等の観点からは、複合糸の形態で使用することが好ましい。複合糸の中でも、複合糸の中心に熱融着性弾性繊維を配置することができ、また、熱融着性弾性繊維の被覆率のコントロールが容易で、均一に被覆できることから、カバリングヤーンを用いることが好適であり、シングルカバリングヤーン(SCY)がより好適である。また、上記熱融着性弾性繊維は、公知の方法で編み込んで使用することができ、例えば、平編み組織やゴム編み組織の構成糸として編み込んだり、変化組織では、添え糸編み(プレーテング)の添え糸として編み込んだり、弾性糸挿入編みの弾性糸として編み込んで使用することができる。
熱融着性弾性繊維の繊度としては、用途等に応じて任意の適切な繊度に設定される。熱融着性ポリウレタン弾性繊維の場合は、代表的には11〜622dtexである。繊度が大きくなると編地がゴムのような感触に近づくことなどから、311dtex以下が好ましく、267dtex以下がより好ましい。繊度が11dtexより小さいと繊維の生産性が低下したり、熱融着により糸が断糸する場合がある。
複合糸の形態で使用する場合の上記非熱融着性繊維としては特に制限は無く、例えば、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維、アセテート等の半再生繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、塩化ビニル等の化学合成繊維等を使用することができる。なかでも、長繊維ではナイロンまたはポリエステルが好ましく、短繊維では綿を50質量%以上含む繊維が好ましい。これらの繊維は、複合糸の製造のしやすさ、風合い等の点に優れるからである。
本発明においては、上記熱融着性弾性繊維として、熱融着性コンジュゲートヤーンを用いることもできる。熱融着性コンジュゲートヤーンの原料としては、任意の適切な熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂を使用することができる。例えば、ソフトセグメントとして分子量300〜5000のポリエーテル系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネート系グリコール等をブロック共重合したポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いられ得る。
編地中における熱融着性弾性繊維(例えば、熱融着性ポリウレタン弾性繊維)の含有量は、例えば、3質量%以上、好ましくは5質量%以上とすることができる。該含有量の上限は、100質量%であり得る。含有量が3質量%未満であると、複合糸として用いた場合に熱融着効果が低下する場合がある。
上記編地は、任意の適切な編機によって編成され得る。編機のゲージ(1インチ間にある編針の本数)は、目的とする編地の目付量、編密度、編成糸の繊度等に応じて適切に設定され得る。編機のゲージは、好ましくは12〜45/2.54cm、より好ましくは20〜45/2.54cmである。また、編機の釜のサイズは、30〜38インチが好ましい。
本発明の多層繊維構造物における編地層の厚みは、用途等に応じて適切に設定され得る。該厚みは、例えば、0.05〜3.00mm、好ましくは0.06〜2.30mmであり得る。
B.多層繊維構造物の製造方法
本発明の多層繊維構造物は、例えば、ウェブと編地とを積層すること(積層工程)、得られた積層物を多孔質支持体上に配置して高圧液流を噴射すること(水流交絡工程)、および、該積層物を乾燥させること(乾燥工程)を含む製造方法によって得られ得る。水流交絡によってウェブ層と編地層とを接合することにより、ウェブの柔軟性、吸水性、保水性、通気性等と編地の伸長性とを維持しつつ、適度な層間剥離力を有する多層繊維構造物が得られ得る。
B−1.積層工程
積層工程においては、代表的には、ウェブと編地とを連続的に供給しながら積層する。積層順は、目的の多層繊維構造物の構造に応じて適切に選択される。
ウェブとしては、例えば、カード法やエアレイ法、好ましくはカード法によって形成されたウェブが用いられる。カード法によれば、パラレルウェブ、クロスレイドウェブ、およびパラレルクロスレイドウェブの3通りの構成のウェブを得ることができる。
パラレルウェブは、カード機から紡出されたままの状態のウェブである。パラレルウェブにおいては、ウェブの構成繊維がその長手方向が概ね流れ方向(搬送方向)と一致するように配列しているため、流れ方向の引張強力が強く、幅方向の伸長性が高いウェブ層が得られ得る。パラレルウェブの目付量は、カード機への繊維の送り込み量等によって決まる。繊維の送り込み量が多いと、カード機の解繊効果が低下することから、ネップが多くなって審美性が低下する場合があり、繊維の送り込み量が少ないと、ウェブに穴明きが発生することがある。
クロスレイドウェブは、クロスラッパーによって、パラレルウェブを流れ方向(搬送方向)に対して交差するように折り重ねることによって得られるウェブである。クロスレイドウェブは、流れ方向と幅方向との引張強度比を0.5〜2.0とすることができるので、バランスのよいウェブ層が得られ得る。また、折り重ねるウェブの枚数を変化させることや、パラレルウェブの目付を変化させることで、低目付のウェブから高目付のウェブまで紡出することができる。
クロスラッパーで折り重ねられた直後のクロスレイドウェブは、90°よりも小さい交差角でウェブが折り畳まれて、複数枚重なった状態であり得るが、該クロスレイドウェブにドラフトをかけることにより、交差角を調整することができる。ドラフト後の交差角は、好ましくは8〜160°、より好ましくは15〜110°である。該交差角が8°未満であると、ウェブ層が厚くなり、多層繊維構造物が硬くなる等の問題が生じる場合がある。一方、160°より大きくなると、ウェブが薄くなり、多層繊維構造物中のウェブ層の欠落や交絡斑が発生し得る。なお、該交差角は、幅方向とウェブの重目の折り重ね角度(ウェブの構成繊維の配列方向の交差角度)を意味する。
パラレルクロスウェブは、パラレルウェブとクロスレイドウェブとが積層されたウェブである。パラレルウェブはウェブ両端の目付が低くなる場合があり、クロスレイドウェブはクロスラッパーの特性上、折り重ねたウェブ両端の目付が重くなる傾向があるが、双方を重ね合わせることによって、パラレルクロスウェブは、幅方向の目付斑が少なく、審美性が高いという利点がある。
ウェブのネップ率は、好ましくは40〜3000個/g、より好ましくは40〜1500個/gである。ネップ率が3000個/gを超えるウェブを用いると、ウェブ層と編地層の接合が不均一になる、ウェブ層中のネップ数が多くなって多層繊維構造物の審美性が低下する等の場合がある。ネップ率が40個/g未満であるウェブを用いると、これらの問題は生じないが、ウェブの生産コストが上昇したり、生産効率が低下する場合がある。ネップ率が低いウェブを得るためには、固定フラット型のカード機を用いることが好ましい。
編地としては、上記A−3項で説明した編地が用いられ得る。編地には、目的等に応じて、任意の適切な処理が施されていてもよい。例えば、染色処理により、ウェブ層と編地層との区別が容易になり、また、多層繊維構造物を用いた製品のデザイン性を高めることができる。また、例えば、疎水処理または撥水処理により、多層繊維構造物を美容用フェイスマスクに用いた場合に、編地層から外側(空気側)への化粧料等の漏れを抑えることができる。その他の処理としては、毛焼、精練、漂白、シルケット加工、液体アンモニア加工、セルロース架橋剤を用いたセルロース架橋処理、風合い調整のための柔軟剤処理等が挙げられる。
緯編の編地を用いる場合、コース方向が多層繊維構造物の幅方向と実質的に平行となるように配置されることが好ましい。このように配置することにより、伸長性に優れた多層繊維構造物が得られ得る。ここで、実質的に平行とは、0±10°を含む角度を意味する。
また、天竺編の編地を用いる場合、編地の表側にウェブを配置することが好ましい。該編地は表側に向かってカールし易いので、このように配置することにより、カールを低減することができる。また、ウェブ層/編地層/ウェブ層の構成を有する三層繊維構造物は、パラレルウェブ層/編地層/クロスレイドウェブ層またはクロスレイドウェブ層/編地層/クロスレイドウェブ層の構成とすることにより、カールを低減することができる。カールを低減する他の方法としては、ウェブの目付量を増やすこと、クロスレイドウェブを使用すること等が挙げられる。これらの方法によれば、多層繊維構造物の流れ方向と幅方向の強力差を低下させることでカールを低減し得る。
三層繊維構造物の積層においては、パラレルウェブ層/編地層/クロスレイドウェブ層の構成とすることにより、パラレルクロスウェブの場合と同様の理由で、幅方向の目付斑が少なく、審美性に優れた多層繊維構造物が得られるという利点がある。
積層工程においては、代表的には、カードウェブと編地とを積層するが、必要に応じて、予めカードウェブに交絡処理を施して不織布とし、該不織布と編地とを積層してもよい。
B−2.水流交絡工程
水流交絡工程においては、積層工程で得られた積層物を多孔質支持体上に配置し、これに高圧液流を噴射する。これにより、ウェブ内の繊維相互およびウェブの構成繊維と編地の編成糸とが交絡し、ウェブ層と編地層とが一体化する。二層繊維構造物の場合、好ましくは編地が支持体側になるように積層物を配置し、液流を比較的低い液圧でウェブ層側から編地層側に向かって噴射し、ウェブの初期飛散を防止する。高圧液流は、積層物の上方向および/または下方向から噴射され得る。
上記多孔質支持体としては、表面が平滑な支持体が好ましく、例えば、平織または綾織の金網が挙げられる。目開きは、好ましくは20〜100メッシュ、より好ましくは50〜90メッシュである。また、経糸および緯糸の打ち込み本数はそれぞれ、好ましくは20〜110本/2.54cmである。目開きが20メッシュよりも大きいと、支持体の空隙率が高くなるので、ウェブの構成繊維が支持体の織組織に入り込み、これにより、支持体と多層繊維構造物との剥離が悪化し、皺や毛羽立ちが発生する場合がある。一方、目開きが100メッシュより細かいと、十分な交絡が得られず、多層繊維構造物の強度および層間剥離力の低下やばらつきにつながる場合がある。
高圧液流の最大液圧は、好ましくは5×10〜180×10Pa、より好ましくは5×10〜150×10Paである。液圧が5×10Pa未満であると、使用エネルギーは少なくなるが、層間剥離力が低くなる場合や、ウェブ層表面に毛羽立ちが目立つ場合がある。一方、液圧が180×10Paを超えると、層間剥離力やウェブ層内の繊維相互の交絡が高くなり過ぎ、多層繊維構造物が硬くなる等の問題が生じ得る。
噴射する液体としては、処理する繊維が不溶である限り制限はないが、通常は、水または温水が用いられる。
高圧液流が噴射されるノズルの口径は、好ましくは80〜200μm、より好ましくは100〜150μmである。ノズルの間隔は、好ましくは0.5〜2.0mm、より好ましくは0.6〜1.0mmである。
ノズルは、積層物の流れ方向(搬送方向)と直交する方向に、1列または複数列に配列する。ノズルの数や水流交絡の回数(液体の噴射回数)は、ウェブと編地との積層物の目付量および種類、加工速度、液圧等に応じて適切に調整され得る。
水流交絡工程においては、多層繊維構造物に様々な凹凸構造または立体模様を付与することを目的として、適切な開口パターンを有する支持体上に積層物を配置して水流交絡処理を行うこと、支持体上に適切な立体型を配置し、その上に積層物を重ねて水流交絡処理を行うこと等ができる。
上記積層工程および/または水流交絡工程は、複数回繰り返して行っても良い。例えば、ウェブと編地とを積層して該積層物に水流交絡処理を行い、次いで、ウェブ層の上にさらにウェブを積層して再度水流交絡処理を行うことができる。また、例えば、ウェブと編地とを積層して該積層物に水流交絡処理を行い、次いで、該積層物を裏返し、編地層の上にウェブを積層して再度水流交絡処理を行っても良い。
B−3.乾燥工程
乾燥工程においては、水流交絡工程で一体化された積層物を乾燥させる。これにより、本発明の多層繊維構造物が得られ得る。乾燥手段としては、任意の適切な手段が採用され得る。例えば、余分な液体を吸引またはウェットプレス等の方法で取り除いた後、エアードライヤー、シリンダードライヤー、エアースルードライヤー、サクションドライヤー等を使用することによって、乾燥を行うことができる。
B−4.その他の工程
本発明の多層繊維構造物の製造方法は、必要に応じて他の工程をさらに含み得る。例えば、本発明の多層繊維構造物は、代表的には長尺状に形成されるので、これを巻き取る工程および所望の形状に裁断する工程が含まれ得る。また、例えば、編地が熱融着性弾性繊維を含む場合、積層工程の前に編地を加熱すること、または、乾燥工程の後に多層繊維構造物を加熱すること等により、熱融着性弾性繊維を熱融着させることができる。加熱条件としては、使用する熱融着性弾性繊維の種類等に応じて適切に設定され得る。さらに、ニードルパンチ等の他の交絡処理や任意の適切な接着剤、熱融着性繊維等を用いた接着処理によってウェブ層と編地層との接合を強化してもよい。
また、多層繊維構造物の後加工として、得られた多層繊維構造物を流れ方向に伸長させてウェブ層の交絡を部分的に低減または切断したりすることで、例えば、熱融着性ポリウレタン弾性繊維を含む編地を用いた場合に、流れ方向の伸長性および伸長回復性を高めることができる。さらに、エンボス加工や波状または皺状の凹凸を付与する後加工も実施することができる。
C.繊維製品
本発明の繊維製品は、上記多層繊維構造物を含む。例えば、美容用途の繊維製品として、フェイスマスク、パフ、メイク落としシート等;衣料用途の繊維製品として、ズボン、ジャケット、ガウン、下着、肩パット、芯地、クッション材、使い捨てユニフォーム等;衛材用途の繊維製品として、使い捨ておむつ、生理用品等;医療用途の繊維製品として、使い捨てガウン、包帯、湿布基布、マスク、ガーゼ等;その他の用途の繊維製品として、エアーフィルター、ろ過シート、汚泥フィルター、壁紙、内装材、保温材、梱包資材、合成皮革の基布等が挙げられる。
1つの好ましい実施形態において、本発明の繊維製品は美容用フェイスマスクである。美容用フェイスマスクは、例えば、編地層とウェブ層とからなる上記多層繊維構造物を顔の輪郭に沿って切り取り、両目および口に対応する部分を切り抜き、鼻や頬の部分にはフィット性を高めるために切り込みを入れることによって得られ得る。該フェイスマスクはそのまま容器に入れて販売してもよいし、化粧水等を含浸させたものを容器に入れて販売してもよい。使用時は、ウェブ層を肌側に接触させ、編地層を外側にして、やや伸長した状態で顔に沿って貼ることが好ましい。上記多層繊維構造物は伸長性に優れるので、顔の凹凸に沿って伸び、フィット性が高いフェイスマスクが得られ得る。また、裁断部のカールが少ないために肌から剥がれ難く、かつ、ウェブ層が柔軟で保水性も高いので、快適な使用感が得られ得る。多層繊維構造物を顔の輪郭に沿って切り取る際には、多層繊維構造物の流れ方向と顔の長さ方向とが任意の適切な角度をなすように切り取ることができる。例えば、多層繊維構造物の流れ方向と顔の長さ方向とが、直交または平行となるように、あるいは45度の角度をなすように切り取ることにより、得られるフェイスマスクの伸長性、カール度等を調整することができる。
別の好ましい実施形態において、本発明の繊維製品は、パフまたはメイク落としシートであり得る。これらは、例えば、保湿成分、クレンジング成分、紫外線吸収防止成分、制汗成分、香り成分、美白成分、血行促進成分等を含む化粧料を含浸した状態で肌等に貼付されて使用される。化粧料は繊維製品の一部として予め含侵されていても良く、使用直前に付与されてもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例で用いられる測定方法および評価方法は以下の通りである。
[伸度]
伸度は、JIS L 1096記載の方法に準拠して測定した。詳細は、以下の通りである。
・多層繊維構造物の伸度
5cm×20cmの試料を幅または流れ方向が長辺となるように各5点採り、掴み間隔10cm、引張速度20cm/分で伸長し、ウェブ層が破断した時点の伸びを測定し、以下の式で計算する。伸度は各測定値の平均値として表す。ウェブ層が破断した時点は目視で認定する。
伸度(%)=[ウェブ層が破断した時点の把持長−初期の把持長(cm)]/[初期の把持長(cm)]×100
・編地の伸度
5cm×20cmの試料をコース方向またはウェール方向が長辺となるように各5点採り、掴み間隔10cm、引張速度20cm/分で伸長し、編地が破断した時点の伸びを測定し、以下の式で計算する。伸度は各測定値の平均値として表す。
伸度(%)=[編地が破断した時点の把持長−初期の把持長(cm)]/[初期の把持長(cm)]×100
[定荷重伸度]
多層繊維構造物の14.7N定荷重伸度は、JIS L 1096記載の方法に準拠して測定した。詳細には、5cm×20cmの試料を幅または流れ方向が長辺となるように各5点採り、掴み間隔10cm、引張速度20cm/分で、荷重14.7Nの時点までの伸びを測定し、以下の式で計算する。定荷重伸度は各測定値の平均値として表す。
定荷重伸度(%)=[多層繊維構造物の14.7N荷重時点の把持長−初期の把持長(cm)]/[初期の把持長(cm)]×100
[伸長回復率]
伸長回復率は、JIS L 1096記載の方法に準拠して測定した。詳細には、5cm×30cmの試料を幅または流れ方向が長辺となるように各3点採り、掴み間隔20cm、引張速度20cm/分で30%伸長させた状態で30秒間把持させ、続いて、伸長を止めた状態で1時間静置させ、その後に試料の長さを測定し、伸長回復率を算出した。
[層間剥離力]
5cm×20cmの試料を幅または流れ方向が長辺となるように各2点準備し、該試料の長手方向の片端から測定したい二層間を手で中央まで剥離させる。次に、引張試験機(オリエンテック社製、機種名テンシロンRTA−100、荷重980N)の把持部に剥離させた二層(例えば、二層繊維構造物であればウェブ層と編地層、編地層の両面にウェブ層が配置された三層繊維構造物の場合は、片側のウェブ層と残りの2層、ウェブ層の両面に編地層が配置された三層繊維構造物の場合は、片側の編地層と残りの2層)をそれぞれ把持し、掴み間隔10cm、引張速度20cm/分で引っ張った時の最大剥離力を計測し、2回の平均値として幅、流れ方向の剥離力を算出する。さらに三層繊維構造物の場合は、残った2層の剥離力を上記と同様の方法で測定する。本発明において、層間剥離力は幅、流れ方向の剥離力のうち高い方の値を採用する。また、三層繊維構造物の場合は、最初に剥離力が高い方の二層間の層間剥離力を測定し、次いで、残る二層間の層間剥離力を測定するものとする(必要に応じて予備測定を行い、どちらの層間剥離力が高いかを予め調べておいてもよい)。
[編地層中へのウェブの構成繊維の混入率]
上記層間剥離力の測定と同様の方法で、編地層とウェブ層とを剥離し、ウェブ層の当初の目付量と剥離後の目付量との差から算出する。
[カール度]
2.5cm×16cmの試料を幅または流れ方向が長辺となるように各1点採り、掴み間隔3cm、引張速度20cm/分で10%伸長させ、これを5回繰り返し伸縮させる。次いで、伸長後の試料幅:X(cm)を投影法で測定し、次式より算出する。
カール度(%)=(2.5−X)/2.5×100
[剛軟度]
剛軟度(柔らかさ)は、JIS L 1096記載の方法に準拠して測定した。詳細には、2.0cm×15cmの試料を幅または流れ方向が長辺となるように各5点採り、カンチレバー式測定で得られた値の平均値で表す。
[厚み]
・多層繊維構造物および編地(層)の厚み
厚み測定機(商品名 THICKNESS GAUGE モデル CR−60A (株)大栄科学精器製作所製)を用い、試料1cmあたり4cNの荷重を加えた状態で測定した。また、多層繊維構造物における編地層の厚みは、使用した編地を当該方法で測定して得られる厚みとした。
・二層繊維構造物およびウェブ層の両面に編地層が配置された三層繊維構造物におけるウェブ層の厚み
これらのウェブ層の厚みは、多層繊維構造物の厚みから使用した編地の厚みを差し引いて求める。
・編地層の両面にウェブ層が配置された三層繊維構造物における各ウェブ層の厚み
実体顕微鏡を用いて以下の方法で測定する。
(1)流れ方向および幅方向と45度の角度をなす方向で上記三層繊維構造物を5mm四方にカット(カットは鋭利な刃物、例えば商品名「ディスポメス No11」((株)アズワン製)を使用)して試料とする。試料は5枚以上用意する。
(2)カットした試料の断面(厚み方向)を光学式実体顕微鏡(商品名「SZ61」、OLYMPUS社製)を用いて拡大(例えば50〜200倍)して撮影する。撮影にはデジタルカメラ(商品名「μ−mini DIGITAL」、OLYMPUS社製)を用いて、倍率1.0倍にてコリメート法で撮影する。
(3)マイクロスケール(商品名「Microscale Slide 177−401C」、(株)ワトソン製)の5mm/100目盛を前記光学式実体顕微鏡を用いて試料と同一倍率に拡大して撮影する。撮影にはデジタルカメラ(商品名「μ−mini DIGITAL」、OLYMPUS社製)を用いて、倍率1.0倍にてコリメート法で撮影する。
(4)上記(2)と(3)の撮影物を印刷して、ウェブ層の厚みを7か所で計測し、その最大値、最小値を除いた5ヶ所の値の平均値を、ウェブ層の厚みとする。
(5)5枚以上の試料について、前記と同様に厚みを計測し、全ての平均値を算出して該多層繊維構造物のウェブ層の厚みとする。
[見かけ密度]
ウェブ層の見かけ密度は、ウェブ層の目付量と厚みから算出する。
[初期伸張力(5%荷重)]
JIS L 1096記載の方法に準拠して測定した。詳細には、5.0cm×20cmの試料を幅または流れ方向が長辺となるように各5点採り、掴み間隔10cm、引張速度20cm/分で測定した値を平均で表す。
[目付量]
JIS L 1096記載の方法に準拠して測定した。詳しくは、30cm×30cmの試料を5点採り、各試料を直示天秤にて測定し、1m当りの重量に換算し、その平均値で表す。
[白度]
Rdおよび+bは、ウースター社の原綿試験器「USTER HVI」で測定される綿の白度を表す指標である。Rdは、色の明るさを表し、100%が上限値である。+bは、色の黄色味の程度を示す指標で、+bがゼロに近いほど白いと評価する。
[製造例1−A]
30インチ(2.54cm/インチ)、28ゲージのシングル編機を使用した。編成糸として、英式綿番手60番手の100%綿糸を使用し、目付量80g/m、コース密度55/2.54cm、ウェール密度50/2.54cmである天竺編の編地Aを得た。編地Aのコース方向の伸度は283%、ウェール方向の伸度は37%、厚みは0.346mmであった。
[製造例1−B]
38インチ、19ゲージのダブル編機を使用した。編成糸として、英式綿番手80番手の100%綿糸を使用し、目付量80g/m、コース密度43/2.54cm、ウェール密度36/2.54cmであるフライス編の編地Bを得た。編地Bのコース方向の伸度は496%、ウェール方向の伸度は60%、厚みは0.384mmであった。
[製造例1−C]
26インチ、22ゲージのシングル編機を使用した。編成糸として、SCY(芯糸の熱融着ポリウレタン弾性繊維は、日清紡テキスタイル(株)製の熱融着性モビロン糸RLタイプ(繊度44dtex 1フィラメント、伸長倍率2.3倍、茶色の原着糸、茶色の原着糸は糸の質量に対し、0.2%のCROMOPHTAL Brown 5R(BASFジャパン製)を練り込んで得た)であり、鞘糸は、東レ(株)製のウーリーナイロン(繊度12dtex5フィラメント、撚り数600T/m)であり、熱融着性ポリウレタン弾性繊維の混率59.5%、被覆率6%)を使用して、天竺編の編地を得た。次いで、テンター機を使用して、該編地をコース方向に1.46倍伸長した状態で、150℃、1分、熱処理した。これにより、SCY中の熱融着性の芯糸はこれらの交差部において完全に熱融着し、該交差部の境界が消失する程度に融着した。SCY中の芯糸と鞘糸との交差部では芯糸が大きく変形し、鞘糸は芯糸に埋没するように組み込まれていた。得られた編地Cの目付量は40g/m、コース密度は68/2.54cm、ウェール密度は58/2.54cmであった。また、コース方向の伸度は484%、ウェール方向の伸度は393%、厚みは0.464mmであった。
なお、上記SCY中の熱融着性ポリウレタン弾性繊維の混率は、下記(1)式で計算した値であり、上記SCYの被覆率は下記(2)式で計算した値である。
ポリウレタン弾性繊維の混率(%)=(PU/DR)/((PU/DR)+D)×100…(1)式
C = (0.012 × √ D × T / ( 1000/ D R ) ) ×100…(2)式
ここで、Cは被覆率(%)を、PUは熱融着性ポリウレタン弾性繊維の繊度(デシテックス)を、Dは熱融着性ポリウレタン弾性繊維の周囲に被覆される非熱融着性繊維の繊度(デシテックス)を、Tは撚糸時の撚り数(T/m)を、DRはカバリングまたは撚糸時のポリウレタン弾性繊維の伸長倍率(倍)を示す。
[製造例1−D]
38インチ、19ゲージのダブル編機を使用した。編成糸として、英式綿番手80番手の100%綿糸を使用し、目付量50g/m、コース密度33/2.54cm、ウェール密度28/2.54cmであるフライス編の編地Dを得た。編地Dのコース方向の伸度は300%、ウェール方向の伸度は70%、厚みは0.290mmであった。
[製造例1−E]
38インチ、40ゲージのダブル編機を使用した。編成糸として、英式綿番手80番手の100%綿糸を使用し、目付量120g/m、コース密度75/2.54cm、ウェール密度66/2.54cmのフライス編の編地Eを得た。編地Eのコース方向の伸度は115%、ウェール方向の伸度は20%、厚みは0.395mmであった。
上記編地A〜Eの概要を表1に示す。
[製造例2]
ウェブの構成繊維として、綿短繊維(平均繊維長28mm、直径18μm)を使用した。最初に、混打綿カード工程を介して夾雑物の除去と開繊および梳綿を行い、続いて過酸化水素を用いて晒処理を施した。次いで、開綿カード工程を介して開繊および梳綿を行うことで、白度がRdで96%、+bで+0.2、ネップ率が70個/gのカードウェブを得た。
[実施例1〜6、比較例1〜7]
表2および表3に示す条件で編地とウェブとを積層し、水流交絡処理を行った。水流交絡処理後の積層物を脱水し、乾燥させた後、巻き取り工程を経て多層繊維構造物を得た。得られた多層繊維構造物の特性を表2および表3に示す。なお、ウェブと編地との積層方法および水流交絡方法は以下の通りである。
[ウェブと編地との積層方法]
(クロスレイドウェブと編地との二層繊維構造物の積層)
製造例2のカードウェブをクロスラッパーに通してクロスレイドウェブとして編地の上に積層した。このとき、編地のコース方向(編地の緯方向)が搬送方向と直交する方向となるようにした。該積層物を支持体(目開き90メッシュの綾織網)上に編地層が支持体側になるように配置して水流交絡処理に供した。
(パラレルウェブと編地との二層繊維構造物の積層)
製造例2のカードウェブをクロスラッパーに通さずにパラレルウェブとして編地の上に積層した。このとき、編地のコース方向が搬送方向と直交する方向となるようにした。該積層物を支持体(目開き90メッシュの綾織網)上に編地層が支持体側になるように配置して水流交絡処理に供した。
(三層繊維構造物の積層)
2機のカードを用いて調製した製造例2のクロスレイドウェブ(目付量は17g/m)とパラレルウェブ(目付量は12g/m)の間に編地を挿入した。このとき、編地のコース方向が搬送方向と直交する方向となるようにした。また該積層物を支持体(目開き90メッシュの綾織網)上にパラレルウェブが支持体側になるように配置して水流交絡処理に供した。
[水流交絡方法]
(前部処理)
上記支持体上の積層物の上方に、高圧水流発射装置(噴射口の口径は100μmまたは120μm、噴射口の間隔は0.6mmとした)を用意し、該積層物に対して表2および3に記載の水圧で水流を噴射した。
(後部処理)
上記支持体上の積層物を裏返した状態で、別の支持体(目開き90メッシュの綾織網)上に配置した。次いで、該積層物の上方に、高圧水流発射装置(噴射口の口径は100μmまたは120μm、噴射口の間隔は0.6mmとした)を用意し、該積層物に対して表2および3に記載の水圧で水流を噴射した。
ここで、前部処理に続いて後部処理を行い、積層物の両面に対して1回ずつ水流交絡処理を行った場合を1サイクルとカウントし、この1サイクルを2回繰り返す場合には2サイクルとカウントする。なお、前部処理または後部処理のいずれか一方のみを行った場合は0.5サイクルとカウントする。
表2および表3に示すとおり、実施例1〜6の多層繊維構造物は、伸長性に優れ、適度な層間剥離力で一体化されていることがわかる。実施例1よりも弱い水流交絡条件で得られた実施例2の多層繊維構造物は、実施例1よりも高い層間剥離力を有している。これは、使用した編地の編密度が低いために、編地の編成糸とウェブ層の構成繊維とが強く交絡したことが一因と考えられる。実施例3では、製造中に工程をいったん停止させて編地の寸法調整をする必要が無く、製造工程の安定性に優れていた。また、編地のカールや収縮に起因する厚み斑、幅変動および表面凹凸が少なく、均一性の高い多層繊維構造物が得られた。さらに、後加工の実施によって、流れ方向の伸長性が高い多層繊維構造物となった。具体的には、後加工によって、流れ方向の伸度が50%から70%に高まり、初期伸張力(5%荷重)が1.7Nから0.9Nに低下し、14.7N定荷重伸度が26%から44%に高まった。また、実施例6の多層繊維構造物は、幅方向の伸度と層間剥離力とを高いレベルで両立している。
一方、比較例1〜7の多層繊維構造物はいずれも幅方向の伸度が50%未満であった。比較例1および4では、ウェブ層の見かけ密度が0.065g/cmよりも低いことから、編地層とウェブ層の接合およびウェブ層の構成繊維相互の交絡が弱いと考えられる。また、比較例2および3では、ウェブ層の見かけ密度が0.170g/cmよりも高いことから、ウェブ層の構成繊維相互の交絡が強いために伸度が低下したと考えられる。編密度が低い編地を用いた比較例5では、ウェブ層の構成繊維が編地の編成糸の周囲に多く集まり、その部分が白く見えた。また、手触りから当該部分ではウェブ層の構成繊維と編地の編成糸とが強く交絡していることが確認された。一方、編地のループの隙間の上に配置されたウェブは少なく、裏側から透けて見える状態であり、ウェブ層は不均一であった。比較例5の多層繊維構造物を幅方向に40%伸長した段階で、該ウェブが少ない箇所でウェブ層が破断してピンホールが生じた。比較例6では、比較例5と同様に編密度の低い編地を用いているが、水流交絡条件を強めた結果、編地層とウェブ層との接合は一層強くなり、ウェブ層の構成繊維相互も強く交絡していた。しかしながら、編地のループの隙間の上に配置されたウェブはさらに少なくなり、ウェブ層の厚み斑は増加した。比較例6の多層繊維構造物を幅方向に40%伸長した段階で、該ウェブが少ない箇所でウェブ層が破断してピンホールが生じた。ピンホールの数は比較例5よりも多かった。編密度が高い編地を用いた比較例7では、伸度と層間剥離力との両立ができなかった。
[試験例1]
実施例1〜6ならびに比較例1〜3および5の多層繊維構造物を顔の輪郭に沿って切り取り、両目および口に対応する部分を切り抜き、鼻や頬の部分に切り込みを入れてフェイスマスクを作製した。なお、ウェブ層の幅方向が顔の横方向、ウェブ層の機械方向が顔の長さ方向となるようにした。実施例1〜6の多層繊維構造物から作製したフェイスマスクのカール度を表4に示す。
得られたフェイスマスクをウェブ層が肌側となるように顔に接触させたところ、実施例の多層繊維構造物から作製したフェイスマスクは比較例のものよりも伸長性および柔軟性が高く、使用感に優れていた。また、表4に示されるとおり、いずれのフェイスマスクもカール度が40%未満(長さ方向ではすべて10%未満)であり、使用中に肌から剥がれることは無かった。特に、実施例3の多層繊維構造物は、流れ方向の初期伸張力(5%荷重)が他の実施例の多層繊維構造物に比べて10分の1未満であり、流れ方向および幅方向に低荷重で伸びやすい特性を有している。したがって、他の実施例および比較例のフェイスマスクに比べて極めて素早く密着できた。さらに、熱融着性ポリウレタン弾性繊維を熱融着させた編地を使用していることから、他のフェイスマスクよりも切断部がほつれ難く、また、編地の小片の飛散もなく特に良好であった。また、実施例6の多層繊維構造物から作製したフェイスマスクは、伸長性に優れ、また、使用中も二層が分離することなく良好な結果であった。
一方、比較例1の多層繊維構造物から作製したフェイスマスクでは、肌がチクチクして不快であった。比較例2および3の多層繊維構造物から作製したフェイスマスクでは、伸びが不足して肌に接触し難く、また、硬いために、使用中に肌が圧迫されるストレスを感じ、不快であった。比較例5の多層繊維構造物から作製したフェイスマスクに液体化粧料を含浸させると、ウェブ層の薄く透けて見える部分から化粧料が外側に流れた。また、液体化粧料の含浸量を少なくすると、ウェブ層の薄く透けて見える部分における化粧料の保持量が少ないために肌の処理が不均一になり好ましくなかった。
本発明の多層繊維構造物は、美容用フェイスマスク等の種々の繊維製品に好適に用いられ得る。
100 多層繊維構造物
10 ウェブ層
11 編地層

Claims (10)

  1. セルロース繊維を20質量%以上含み、見かけ密度が0.065〜0.170g/cmであるウェブ層と、コース密度が35〜73/2.54cmであり、ウェール密度が30〜64/2.54cmであり、目付量が10〜120g/mである編地層とを含み、
    該ウェブ層と該編地層とが水流交絡処理により一体化されており、
    幅方向の伸度が、50〜200%である、多層繊維構造物。
  2. 前記ウェブ層と前記編地層との層間剥離力が、0.5〜10.0Nである、請求項1に記載の多層繊維構造物。
  3. 前記ウェブ層が、明るさ指数(Rd)が90〜100%、黄色味指数(+b)が−2.0〜1.0である綿ウェブを含む、請求項1または2に記載の多層繊維構造物。
  4. 前記ウェブ層の構成繊維の平均繊維長が、13〜51mmである、請求項1から3のいずれかに記載の多層繊維構造物。
  5. 前記編地層が、熱融着性弾性繊維を含む、請求項1から4のいずれかに記載の多層繊維構造物。
  6. 二層繊維構造物である、請求項1から5のいずれかに記載の多層繊維構造物。
  7. 前記編地層の両面に前記ウェブ層が配置された三層繊維構造物である、請求項1から5のいずれかに記載の多層繊維構造物。
  8. 前記ウェブ層の両面に前記編地層が配置された三層繊維構造物である、請求項1から5のいずれかに記載の多層繊維構造物。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の多層繊維構造物を含む、繊維製品。
  10. フェイスマスクである、請求項9に記載の繊維製品。
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