JP2013241154A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】NVを悪化させることなく回生制動を実現する。
【解決手段】内燃機関と、慣性質量が可変なフライホイールとを備えたハイブリッド車両を制御する装置は、駆動軸の要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、算出された要求駆動力が負である場合に回生トルクによる回生制動がなされるように第2回転電機を制御する回生制御手段と、回生制動がなされる場合に、回生制動に係る回生電力と蓄電手段の充電制限電力とに基づいて内燃機関の機関回転数の目標値を算出する目標値算出手段と、算出された目標値が現在値よりも高い場合にフライホイールの慣性質量を高慣性側に変化させる慣性制御手段とを具備する。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の機関軸に慣性質量が可変なフライホイールを備えたハイブリッド車両を制御する、ハイブリッド車両の制御装置の技術分野に関する。
慣性質量を可変としたフライホイールの物理的構造に関し、従来各種のものが提案されている。一方、慣性質量が可変なフライホイールの制御に関しては、例えば、特許文献1に開示されたフライホイール装置がある。このフライホイール装置によれば、シフトダウン時にフライホイールの慣性モーメントを小さくすることにより、変速に要する時間を短縮化できるとされている。
また、差動機構を介してエンジンと二つのモータを連結する2モータ式のハイブリッド車両において、充電制限電力Winに律束され駆動軸側のモータによる電力回生を十分に行うことができない場合に、エンジン側のモータによりエンジン回転を引き上げたり、各種補機を駆動したりすることによって、蓄電手段の蓄電残量を低下させる技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、機関軸に対しフライホイールを断接可能に構成された動力装置において、フライホイールの断接に関する異常に応じたエンジン制御を行うものも提案されている(特許文献3参照)。
特開2009−085400号公報 特開2005−002989号公報 特開2007−315220号公報
ハイブリッド車両では、減速時等、駆動軸に負トルクが要求される場合において、回転電機の回生トルクによる回生制動が好適に行われる。この際、蓄電手段のSOC(State Of Charge)が十分に大きい場合等において、駆動軸側のモータによる減速回生時に回生電力が充電制限電力Win(受け入れ可能な電力を意味する)を超えることがある。
このような場合、例えば特許文献2に示されるような2モータ式ハイブリッド車両においては、例えば当該文献に記載されるように、回生制動に利用される駆動軸側の回転電機とは別の回転電機における電力消費により、充電制限電力Winを拡大する措置が可能である。
ここで、この回転電機における電力消費の態様として、内燃機関の機関回転数を上昇させることが公知である。より具体的には、例えば、所望の回生制動を行うために必要となる蓄電手段側の受け入れ量を確保するために機関回転数の目標値が定められ、回転電機を力行側で駆動することにより、機関回転数がこの目標値まで引き上げられる。
一方、このような機関回転数の上昇措置は、回生制動を好適に行い得る反面、回生制動中に機関回転数が大きく変動することから、所謂NV(Noise and Vibration)を悪化させる要因となり易い。従来、このような観点に立ったハイブリッド車両の制御は提案されていない。
即ち、従来の技術には、NVの悪化を抑制しつつ蓄電手段の物理的許容範囲の中で回生制動を十分に行うことが困難であるという技術的問題点がある。尚、機関回転数を上昇させる代わりに補機の駆動を行えば、一見してNVの悪化は生じないが、補機駆動による消費電力は、機関回転数を強制的に引き上げる際の消費電力と較べて小さく、元より充電制限電力Win拡大への寄与が必ずしも十分でない。
本発明は上述した技術的問題点に鑑みてなされたものであり、NVの悪化を抑制しつつ蓄電手段の物理的許容範囲の中で回生制動を十分に行うことが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、内燃機関と、該内燃機関の機関軸に取り付けられた、慣性質量が可変なフライホイールと、第1回転電機と、車軸に繋がる駆動軸との間でトルクの入出力が可能な第2回転電機と、前記機関軸、前記第1回転電機の出力軸及び前記駆動軸に夫々連結された回転要素を含む相互に差動回転可能な複数の回転要素を備えた差動機構と、蓄電手段とを備え、前記蓄電手段と前記第1及び第2回転電機との間で電力を入出力可能に構成されたハイブリッド車両を制御する、ハイブリッド車両の制御装置であって、前記駆動軸の要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、前記算出された要求駆動力が負である場合に回生トルクによる回生制動がなされるように前記第2回転電機を制御する回生制御手段と、前記回生制動がなされる場合に、前記回生制動に係る回生電力と前記蓄電手段の充電制限電力とに基づいて、前記内燃機関の機関回転数の目標値を算出する目標値算出手段と、前記算出された目標値が現在値よりも高い場合に前記フライホイールの慣性質量を高慣性側に変化させる慣性制御手段とを具備することを特徴とする(請求項1)。
本発明に係る差動機構は、内燃機関と、力行と回生との双方が可能な第1及び第2回転電機と夫々接続される或いは接続可能に構成される回転要素を含む、相互に差動回転可能な複数の回転要素(即ち、各動力要素に対応する回転要素は、動力分割機構に備わる回転要素の少なくとも一部であって、必ずしも全てでなくてもよい)を備えた、例えば、回転二自由度の遊星歯車機構等の形態を採る。
この差動機構は、各回転要素相互間の差動作用により、車軸に直接的又は間接的の別を問わず連結される駆動軸(端的には、差動機構の出力軸である)に対し、内燃機関の機関トルクの一部を伝達可能に構成される。また、第2回転電機は、この駆動軸との間でトルクの入出力が可能であり、本発明に係るハイブリッド車両は、内燃機関の機関トルクの一部と、第2回転電機のトルクとを協調的に制御することによって、所謂ハイブリッド走行を行うことが可能である。
一方、第2回転電機から負トルクとしての回生トルクを駆動軸に供給すると、ハイブリッド車両に制動力を与えることができ、また、正回転負トルクの発電作用(回生作用)により、電力回生(即ち、発電)を行うことができる。本発明に係るハイブリッド車両の制御装置では、要求駆動力算出手段により算出される、駆動軸に要求される駆動力としての要求駆動力(尚、駆動力とトルクとの関係は、ギア比やタイヤ径等他の要素が定まれば一義的な関係となり、少なくとも本発明を特定する上で区別される必要はない)が負値である場合に、回生制御手段により第2回転電機が回生状態とされ、電力回生を伴う制動、即ち回生制動が行われる。
ここで、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置では、目標値算出手段が、回生制動に係る回生電力と蓄電手段の充電制限電力とに基づいて内燃機関の機関回転数の目標値を算出する。
回生制動期間における回生電力は、第1及び第2回転電機との間で電力を入出力可能に構成されてなる蓄電手段に蓄積されるが、蓄電手段には、SOCやバッテリ温度等に起因する充電制限電力(受け入れ可能な電力)がある。回生制動時の回生電力が、この充電制限電力に律束されると、回生制動を十分に行うことができない。そこで、第1回転電機を介した機関回転数の強制的上昇措置によって充電制限電力の拡大を図るべく、機関回転数の目標値が定められるのである。目標値算出手段により算出される機関回転数の目標値は、回生電力が充電制限電力に抵触する場合において、その時点の機関回転数よりも高くなる。
ここで特に、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置では、算出された目標値が現在値よりも高い場合、即ち、回生制動時の回生電力が充電制限電力に抵触する場合において、慣性制御手段により、フライホイールの慣性質量が高慣性側(慣性質量が大きくなる側)に変化させられる。フライホイールの慣性質量が、二値的にせよ、段階的にせよ、或いは連続的にせよその時点の慣性質量に対して高慣性側に変化すると、第1回転電機による機関回転数上昇措置がなされる過程において、機関回転数を所定量上昇させる際に消費される電力が増加する。即ち、蓄電手段の充電制限電力を所望の値とするために必要な消費電力が決まっている場合、機関回転数上昇措置における機関回転数の上昇幅は、慣性質量が低慣性側にある場合と較べて小さくて済む。
従って、本発明によれば、機関回転数の上昇幅に大きく依存するNVを抑制することができ、NVを顕在化させることなく、蓄電手段の状態に応じた好適な回生制動を実現することができるのである。
尚、本発明に係るフライホイールは、慣性質量が二値的、段階的又は連続的に可変である。慣性質量を可変とするための物理的構造は一義には規定されず、公知の各種態様を採ることが出来る。例えば、本発明に係るフライホイールは、円板状のフライホイールにおいて磁性流体を径方向に移動可能に収容し、当該磁性流体の当該径方向位置を段階的又は連続的に変化させること等により実現されてもよい。或いは、フライホイールをメインホイール及びサブホイールから構成し、メインホイールのみを使用することにより低慣性、メインホイールにサブホイールを接続することにより高慣性を実現する構成であってもよい。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記慣性制御手段は、前記目標値と現在値との偏差が大きい程、前記フライホイールの慣性質量の変化幅を大きくする(請求項2)。
目標値と現在値との偏差は、充電制限電力と回生電力との偏差と一義的に対応する。即ち、目標値と現在値との偏差が大きい程、充電制限電力に対する回生電力の余剰量が大きいことになる。
従って、機関回転数の目標値と現在値との偏差に応じて慣性質量の変化幅を大きくすることにより、慣性質量の急変を可及的に抑制し、より効率的な回生制動を実現することができる。
尚、この場合、フライホイールは好適にはその慣性質量が多段階に可変であるが、慣性質量が二値的に変化する構成においても、当該偏差が所定値を超えた場合等に高慣性側へ慣性質量を変化させる等を措置を講じることによって、本態様を実現することができる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1のハイブリッド車両におけるハイブリッド駆動装置の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図2のハイブリッド駆動装置におけるエンジンの構成を概念的に表す模式的断面図である。 図2のハイブリッド駆動装置の動作共線図である。 図1のハイブリッド車両においてECUにより実行されるフライホイール制御のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るフライホイール制御のフローチャートである。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両1の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両1の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、ハイブリッド車両1は、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)100、PCU(Power Control Unit)11、バッテリ12、アクセル開度センサ13及び車速センサ14並びにハイブリッド駆動装置10を備えた、本発明に係る「ハイブリッド車両」の一例である。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ハイブリッド車両1の各部の動作を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「ハイブリッド車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するフライホイール制御を実行可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「要求駆動力算出手段」、「回生制御手段」、「目標値算出手段」、「停止制御手段」、「慣性制御手段」及び「回転数制御手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
ハイブリッド駆動装置10は、ハイブリッド車両1の車軸たる左車軸SFL(左前輪FLに対応)及び右車軸SFR(右前輪FRに対応)に駆動力としての駆動トルクを供給することによりハイブリッド車両1を駆動するドライブユニットである。ハイブリッド駆動装置10の詳細な構成については後述する。
PCU11は、バッテリ12から取り出した直流電力を交流電力に変換して後述するモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ12に供給可能に構成された不図示のインバータを含み、バッテリ12とモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2との間の電力の入出力を制御可能に構成された電力制御ユニットである。PCU11は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
バッテリ12は、例えばリチウムイオンバッテリセル等の単位電池セルを複数(例えば、数百個)直列に接続した構成を有する電池ユニットであり、本発明に係る「蓄電手段」の一例である。
アクセル開度センサ13は、ハイブリッド車両1の図示せぬアクセルペダルの操作量たるアクセル開度Taを検出可能に構成されたセンサである。アクセル開度センサ13は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたアクセル開度Taは、ECU100によって一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
車速センサ14は、ハイブリッド車両1の車速Vを検出可能に構成されたセンサである。車速センサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100によって一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
次に、図2を参照し、ハイブリッド駆動装置10の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、ハイブリッド駆動装置10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、ハイブリッド駆動装置10は、エンジン200、フライホイール300、入力軸400、動力分割機構500、MG1出力軸600、駆動軸700、モータジェネレータMG1、モータジェネレータMG2及び減速装置800を備える。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たる多気筒ガソリンエンジンであり、ハイブリッド車両1の主たる動力源として機能するように構成されている。ここで、図3を参照し、エンジン200の詳細な構成について説明する。ここに、図3は、エンジン200の構成を概念的に表す模式的断面図である。尚、同図において、図1及び図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。尚、本発明における「内燃機関」とは、少なくとも一の気筒を有し、当該気筒内部において、例えばガソリン、軽油或いはアルコール等の各種燃料を含む混合気が燃焼した際に発生する熱エネルギを、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等の物理的又は機械的な伝達手段を適宜介して運動エネルギとして取り出し可能に構成された機関を包括する概念である。係る概念を満たす限りにおいて、本発明に係る内燃機関の構成は、エンジン200のものに限定されず各種の態様を有してよい。
図3において、エンジン200は、気筒201内において燃焼室に点火プラグ(符号省略)の一部が露出してなる点火装置202による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介して、本発明に係る「機関軸」の一例たるクランクシャフト205の回転運動に変換可能に構成されている。クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転角であるクランク角θcrkを検出可能なクランクポジションセンサ206が設置されている。このクランクポジションセンサ206は、ECU100(不図示)と電気的に接続されており、ECU100は、このクランクポジションセンサ206から出力されるクランク角信号に基づいて、エンジン200の機関回転速度NEを算出することができる。
エンジン200において、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、吸気ポート210を介して吸気バルブ211の開弁時に気筒201内部へ導かれる。一方、吸気ポート210には、インジェクタ212の燃料噴射弁が露出しており、吸気ポート210に対し燃料を噴射可能な構成となっている。インジェクタ212から噴射された燃料は、吸気バルブ211の開弁時期に前後して吸入空気と混合され、上述した混合気となる。
燃料は、図示せぬ燃料タンクに貯留されており、図示せぬフィードポンプの作用により、図示せぬデリバリパイプを介してインジェクタ212に供給される構成となっている。気筒201内部で燃焼した混合気は排気となり、吸気バルブ211の開閉に連動して開閉する排気バルブ213の開弁時に排気ポート214を介して排気管215に導かれる。
排気管215には、三元触媒216が設置されている。三元触媒216は、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)及びHC(炭化水素)の酸化燃焼反応と、同じくエンジン200から排出されるNOx(窒素酸化物)の還元反応とを略同時に進行せしめることによって、エンジン200の排気を浄化可能に構成された公知の排気浄化用触媒装置である。
排気管215には、エンジン200の排気空燃比を検出することが可能に構成された空燃比センサ217が設置されている。更に、気筒201を収容するシリンダブロックに設置されたウォータージャケットには、エンジン200を冷却するために循環供給される冷却水(LLC)に係る冷却水温を検出するための水温センサ218が配設されている。これら空燃比センサ217及び水温センサ218は、夫々ECU100と電気的に接続されており、検出された空燃比及び冷却水温は、夫々ECU100により適宜参照される構成となっている。
一方、吸気管207における、吸気ポート210の上流側には、図示せぬクリーナを経て導かれた吸入空気に係る吸入空気量を調節可能なスロットルバルブ208が配設されている。このスロットルバルブ208は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ209によってその駆動状態が制御される構成となっている。ECU100は、基本的には不図示のアクセルペダルの開度(即ち、上述したアクセル開度Ta)に応じたスロットル開度が得られるようにスロットルバルブモータ209を制御するが、スロットルバルブモータ209の動作制御を介してドライバの意思を介在させることなくスロットル開度を調整することも可能である。即ち、スロットルバルブ208は、電子制御式スロットルの一部として構成されている。
図2に戻り、フライホイール300は、上述したクランクシャフト205に取り付けられ、クランクシャフト205と一体に回転する大略円板状の振動抑制装置である。フライホイール300の円板状の本体部には、中心付近から径方向に弧状に延びる筒状の収容部が複数形成されており、この収容部には磁性流体が当該収容部内を移動可能に収容されている。フライホイール300は、この収容部の長手方向における当該磁性流体の位置を変化させるための磁界を発生可能な磁界発生装置を内蔵しており、この磁界発生装置が発する磁界の強さに応じて、収容部内の磁性流体の位置が変化する構成となっている。
収容部に収容される磁性流体には質量がある。従って、収容部内における磁性流体の位置が変化すると、フライホイール300の慣性質量は変化する。即ち、磁性流体が中心部寄りの位置にある程フライホイール300は低慣性(慣性質量が小さい)となり、磁性流体が外周面寄りの位置にある程フライホイール300は高慣性(慣性質量が大きい)となる。フライホイール300の慣性質量と磁界発生装置が発する磁界の大きさとの関係は予め実験的且つ理論的に与えられている。また、磁界発生装置はECU100と電気的に接続されており、ECU100による制御を受けて駆動される。従って、ECU100は、フライホイール300の慣性質量を所望の値に連続的に可変に制御することができる。
尚、フライホイール300は、本発明に係る「フライホイール」の一例であり、特に磁性流体の位置変化により慣性質量を制御する構成を採るが、このような慣性質量の制御態様は一例に過ぎず、慣性質量を可変とするフライホイールの物理的構成は、公知の各種構成を適用することができる。
モータジェネレータMG1は、本発明に係る「第1回転電機」の一例たる電動発電機であり、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた構成となっている。モータジェネレータMG2は、本発明に係る「第2回転電機」の一例たる電動発電機であり、モータジェネレータMG1と同様に、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた構成となっている。尚、モータジェネレータMG1及びMG2は、例えば三相同期電動発電機として構成され、例えば外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える構成を有するが、他の構成を有していてもよい。
動力分割機構500は、中心部に設けられた、本発明に係る「回転要素」の一例たるサンギアS1と、サンギアS1の外周に同心円状に設けられた、本発明に係る「回転要素」の他の一例たるリングギアR1と、サンギアS1とリングギアR1との間に配置されてサンギアS1の外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギアP1と、これら各ピニオンギアの回転軸を軸支する、本発明に係る「回転要素」の更に他の一例たるキャリアC1とを備えた、本発明に係る「差動機構」の一例たる回転二自由度の遊星歯車機構である。
動力分割機構500において、サンギアS1は、モータジェネレータMG1の出力軸であるMG1出力軸600(モータジェネレータMG1のロータRTに連結される)に固定されており、その回転速度はモータジェネレータMG1の回転速度たるMG1回転速度Nmg1と等価である。また、リングギアR1は、駆動軸700に固定されており、その回転速度は駆動軸700の回転速度たる出力回転速度Noutと等価である。尚、駆動軸700には、モータジェネレータMG2のロータが固定されており、出力回転速度NoutとモータジェネレータMG2の回転速度たるMG2回転速度Nmg2とは等しくなっている。キャリアC1は、エンジン200のクランクシャフト205に連結された入力軸400と連結されており、その回転速度は、エンジン200の機関回転速度NEと等価である。尚、ハイブリッド駆動装置10において、MG1回転速度Nmg1及びMG2回転速度Nmg2は、夫々レゾルバ等の回転センサにより一定の周期で検出されており、ECU100に一定又は不定の周期で送出されている。
駆動軸700は、ハイブリッド車両1の駆動輪たる右前輪FR及び左前輪FLを夫々駆動するドライブシャフトSFR及びSFL(即ち、これらドライブシャフトは、本発明に係る「車軸」の一例である)と、デファレンシャル等各種減速ギアを含む減速装置としての減速機構800を介して連結されている。従って、モータジェネレータMG2の力行時に駆動軸700に供給されるモータトルクTmg1は、減速機構800を介して各ドライブシャフトへと伝達され、ハイブリッド車両1の走行用動力として利用される。一方、モータジェネレータMG2の回生時に各ドライブシャフト及び減速機構800を介して駆動軸700に入力される駆動力は、モータジェネレータMG2の発電用動力として利用される。この場合、モータジェネレータMG2のモータトルクTmg1は一種の回生トルクとなり、その大きさは、回生電力の大きさと、駆動軸700を介して駆動輪に与えられる制動力(回生制動力)の大きさと相関する。MG2回転速度Nmg2は、ハイブリッド車両1の車速Vと一義的な関係にある。
ハイブリッド駆動装置10において、動力分割機構500は、エンジン200からクランクシャフト205を介して入力軸400に供給されるエンジントルクTeを、キャリアC1とピニオンギアP1とによってサンギアS1及びリングギアR1に所定の比率(各ギア相互間のギア比に応じた比率)で分配し、エンジン200の動力を2系統に分割することが可能となっている。より具体的には、動力分割機構500の動作を分かり易くするため、リングギアR1の歯数に対するサンギアS1の歯数としてのギア比ρを定義すると、エンジン200からキャリアC1に対しエンジントルクTeを作用させた場合に、MG1出力軸600に現れるトルクTesは下記(1)式により、また駆動軸700に現れるエンジン直達トルクTepは下記(2)式により夫々表される。
Tes=Te×ρ/(1+ρ)・・・(1)
Tep=Te×1/(1+ρ)・・・(2)
尚、本発明に係る「差動機構」に係る実施形態上の構成は、動力分割機構500として例示したものに限定されない。例えば、本発明に係る動力分配手段は、複数の遊星歯車機構を備え、一の遊星歯車機構に備わる複数の回転要素が、他の遊星歯車機構に備わる複数の回転要素の各々と適宜連結され、一体の差動機構を構成していてもよい。
また、本実施形態に係る減速機構800は、予め設定された減速比に従って駆動軸700の回転速度を減速するに過ぎないが、ハイブリッド車両1は、この種の減速装置とは別に、例えば、複数のクラッチ機構やブレーキ機構を構成要素とする複数の変速段を備えた有段変速装置を備えていてもよい。
<実施形態の動作>
<動力分割機構500の動作>
本実施形態に係るハイブリッド車両1では、動力分割機構500の差動作用により一種の電気的CVT(Continuously Variable Transmission)機能が実現される。ここで、図4を参照し、動力分割機構500の動作について説明する。ここに、図4は、ハイブリッド駆動装置10の動作共線図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、縦軸は回転速度を表しており、横軸には、左から順にモータジェネレータMG1(一義的にサンギアS1)、エンジン200(一義的にキャリアC1)及びモータジェネレータMG2(一義的にリングギアR1)が表されている。
ここで、動力分割機構500は回転要素相互間で回転二自由度の差動作用を呈する遊星歯車機構であり、サンギアS1、キャリアC1及びリングギアR1のうち二要素の回転速度が定まった場合に、残余の一回転要素の回転速度が必然的に定まる構成となっている。即ち、動作共線図上において、各回転要素の動作状態は、ハイブリッド駆動装置10の一動作状態に一対一に対応する一の動作共線によって表すことができる。尚、これ以降適宜、動作共線図上の点を動作点mi(iは自然数)によって表すこととする。即ち、一の動作点miには一の回転速度が対応している。
図4において、モータジェネレータMG2の動作点が動作点m1であるとする。この場合、モータジェネレータMG1の動作点が動作点m3であれば、残余の一回転要素たるキャリアC1に連結されたエンジン200の動作点は、動作点m2となる。この際、例えば、駆動軸700の回転速度を維持したままモータジェネレータMG1の動作点を動作点m4及び動作点m5に変化させれば、エンジン200の動作点は夫々動作点m6及び動作点m7へと変化する。
即ち、ハイブリッド駆動装置10では、モータジェネレータMG1を回転速度制御装置とすることによって、エンジン200を所望の動作点で動作させることが可能となる。エンジン200の動作点(この場合の動作点とは、機関回転速度とエンジントルクTeとの組み合わせによって規定される)は、基本的に、エンジン200の燃料消費率が最小となる最適燃費動作点に制御される。
尚、補足すると、動力分割機構500において、駆動軸700に先に述べたエンジントルクTeに対応するエンジン直達トルクTepを供給するためには、エンジントルクTeに応じて現れる先述のトルクTesと大きさが等しく且つ符合が反転した(即ち、負トルクである)反力トルクをモータジェネレータMG1からMG1出力軸600に供給する必要がある。この場合、動作点m3或いは動作点m4といった正回転領域の動作点において、MG1は正回転負トルクの発電状態となる。即ち、ハイブリッド駆動装置10では、モータジェネレータMG1を反力要素として機能させることにより、駆動軸700にエンジントルクTeの一部を供給しつつ発電を行うことができる。駆動軸700に対し要求されるトルクである駆動軸要求トルクTpnがエンジン直達トルクTepで不足する場合には、モータジェネレータMG2から駆動軸700に対し適宜モータトルクTmg2が供給される。
一方、車両減速時等、車両が制動力を必要とする場合、モータジェネレータMG2から駆動軸700に供給されるモータトルクTmg2を負トルクに制御することにより、車両を減速させることができる。この場合、モータジェネレータMG2は、正回転領域で負トルクとなることから電力回生状態となる。即ち、この負のモータトルクTmg2は回生トルクであり、車両に制動力を与えつつ電力回生を行う、所謂回生制動を実現するためのトルクとなる。
ここで、回生制動時には、回生トルクの大きさとMG2回転速度Nmg2(一義的に駆動軸700の回転速度)とにより回生電力が決まるが、それとは別に、バッテリ12には受け入れ可能な電力に制限がある。この制限の度合いは充電制限電力Winとして表され、バッテリ12のSOC(State Of Charge)やバッテリ温度等により適宜変化する。この充電制限電力Winは、公知の手法に基づいてECU100により所定周期で繰り返し演算されている。バッテリ12を保護する観点からは、充電制限電力Winを超えた電力をバッテリ12に供給することはできないため、このような場合には然るべき対策が必要となる。
この種の対策としては、回生トルクを低減することが考えられる。然るに、回生トルクを低下させると車両に付与すべき制動力が減少するため、不足する制動力を、車両に別途備わる公知の各種油圧制動装置による摩擦制動力により代替する必要が生じる。この場合、制動力の収支には問題がないが、エネルギ資源を有効に利用する観点からは必ずしも十分でない。
そこで、このように充電制限電力Winを超えた電力回生が生じることが予見される場合においては、モータジェネレータMG1により強制的に電力を消費してバッテリ12のSOCを低下させ、もって充電制限電力Winを拡大させる措置が講じられる。モータジェネレータMG1による電力消費とは、モータジェネレータMG1を正回転正トルク領域で稼動させることを意味し、図4の動作共線図からも明らかなように、エンジン200の機関回転数NEを強制的に上昇させることを意味する。
ところが、このように機関回転数NEを上昇させる場合、機関回転数の上昇幅が大きい程、ハイブリッド車両1におけるNVが悪化する。そこで、本実施形態では、ECU100がフライホイール制御を実行することによって、この機関回転数NEを強制的に上昇させるにあたっての上昇幅を抑制する構成となっている。
<フライホイール制御の詳細>
ここで、図5を参照し、本実施形態の動作としてECU100により実行されるフライホイール制御について説明する。ここに、図5は、フライホイール制御のフローチャートである。尚、フライホイール制御は、フライホイール300の慣性質量を最適値に維持するための制御である。尚、フライホイール制御は、ECU100がハイブリッド車両1の動作を制御する上で実行する各種制御の一つであり、所定周期で繰り返し実行される制御である。
図5において、ECU100は、駆動軸700に要求されるトルクである要求駆動トルクTpnを算出する(ステップS110)。要求駆動トルクTpnは、要求駆動力Ftに所定の換算処理を施すことによって算出される。要求駆動力Ftは、アクセル開度センサ13により検出されるアクセル開度Taと、車速センサ14により検出される車速Vとに基づいて、ROMに格納された要求駆動力マップから該当値を選択することによって取得される。
要求駆動トルクTpnが算出されると、ECU100は、算出された要求駆動トルクTpnが負値であるか否かを判定する(ステップS120)。負の要求駆動トルクTpnは、ハイブリッド車両1の減速要求に対応しており、モータジェネレータMG2から負のモータトルクである回生トルクを供給することによる回生制動の実行要求に相当する。要求駆動トルクTpnが負値を採らない場合(ステップS110:NO)、即ち端的には正値を採る場合、ECU100はフライホイール300の慣性質量を通常の慣性制御に従って制御する(ステップS190)。通常の慣性制御とは、フライホイール300の慣性質量を、予め実験的に、経験的に又は理論的に定められた、ハイブリッド車両1の動作制御上最適な値とするための制御である。このような通常の慣性制御は、本願との関係性が低いため、ここではその詳細を割愛する。但し、本実施形態では、フライホイール300の慣性質量は、低慣性側(慣性質量が小さい側)の値と、高慣性側(慣性質量が大きい側)の値との間で二値的に制御されるものとする。フライホイール300の慣性質量は、ECU100の指令値(高慣性指令値又は低慣性指令値)に従って、フライホイール300の駆動装置が駆動制御されることにより変化する。
要求駆動トルクTpnが負値である場合(ステップS120:YES)、即ち、回生制動の実行要求がある場合、ECU100は、バッテリ12の充電制限電力Winを取得する(ステップS130)。充電制限電力Winは、別途ECU100が取得又は推定するバッテリ12のSOC値(例えば、満充電を100(%)、完全放電を0(%)として充電状態を規格化した値)と、バッテリ12の温度等に基づいて、ROMに格納された充電制限電力マップから取得される。充電制限電力Winは、基本的に、SOC値が100(%)に近付く程段階的に小さくなる。
充電制限電力Winを取得すると、ECU100は、要求駆動トルクTpnと充電制限電力Winとから、エンジン200の目標機関回転数NEtgを算出する(ステップS140)。ここで、ステップS140で算出される目標機関回転数NEtgは、回生制動による回生電力が充電制限電力Win未満であれば現在値とされ、回生電力が充電制限電力Win以上であればその偏差に応じて現在値よりも高回転側で設定される。
具体的には、ECU100は、要求駆動トルクTpnに相当する回生トルクをモータジェネレータMG2から供給した場合における回生電力(発電電力)を算出する。この回生電力は、回生トルクの大きさとMG2回転速度Nmg2とに基づいた数値演算により得られる。次に、このモータジェネレータMG2による回生電力と充電制限電力Winとの偏差(充電電力偏差)を算出し、この充電電力偏差が大きい程、目標機関回転数NEtgを高く設定する。
目標機関回転数NEtgは、モータジェネレータMG1による機関回転数NEの強制的上昇措置の到達目標であり、要求駆動トルクTpnに相当する回生トルクを駆動軸700に供給可能とするために必要となる消費電力(充電電力偏差が大きい程、大きくなる)と、モータジェネレータMG1がエンジン200の機関回転数を単位量引き上げるために必要な消費電力とに基づいて決定される。
尚、モータジェネレータMG1がエンジン200の機関回転数を単位量引き上げるために必要な消費電力は、クランクシャフト205に取り付けられたフライホイール300の慣性質量に応じて変化する。フライホイール300の慣性質量は、先述したように、ステップS190における通常の慣性制御により低慣性側又は高慣性側のいずれか一方に制御されており、ECU100は、その時点におけるフライホイール300の慣性質量に基づいて当該消費電力を算出し、目標機関回転数NEtgを算出する。
ECU100は、算出された目標機関回転数NEtgが現在値(即ち、現在の機関回転数NE)よりも高回転側にあるか否かを判定する(ステップS150)。現在値よりも高回転側でなければ(ステップS150:NO)、即ち、回生制動時の回生電力が充電制限電力Winに抵触していなければ、フライホイール300の慣性質量を現在の値に維持する(ステップS180)。一方、算出された目標機関回転数NEtgが現在値よりも高回転側にある場合(ステップS150:YES)、即ち、回生制動時の回生電力が充電制限電力Winに抵触している場合、ECU100は、フライホイール300に対して低慣性指令を実行中であるか否かを判定する(ステップS160)。高慣性指令中であれば(ステップS160:NO)、処理はステップS180に移行され、慣性質量は現在の値(即ち、高慣性側の値)に維持される。
ここで、回生制動時の回生電力が充電制限電力Winに抵触しており、且つフライホイール300に対して低慣性指令中である場合(ステップS160:YES)、ECU100は、フライホイール300に対して高慣性指令を実行する(ステップS170)。高慣性指令が実行されると、フライホイール制御は終了する。
フライホイール30の慣性質量が、この高慣性指令により高慣性側の値に変化すると、モータジェネレータMG1を力行駆動して機関回転数NEを強制的に上昇させる際の消費電力が、ステップS140において参照された消費電力と較べて増大する。従って、係るフライホイール制御と並行してモータジェネレータMG1による機関回転数NEの上昇措置を講じた際に、機関回転数NEがステップS140で設定された目標機関回転数NEtgに到達するよりも前に、充電制限電力Winによる充電制限が解除される。即ち、機関回転数NEの上昇幅が縮小され、エンジン200の回転変動が極力抑制される。その結果、回生制動を期待通りに進行させるにあたって、ハイブリッド車両1におけるNVの悪化を極力抑制することができる。
尚、このようにフライホイール300の慣性質量を二値的に切り替える制御態様においては、フライホイール300において慣性質量を可変とする構造により多様性を持たせることができる。
<第2実施形態>
次に、図6を参照し、本発明の第2実施形態に係るフライホイール制御について説明する。ここに、図6は、第2実施形態に係るフライホイール制御のフローチャートである。尚、同図において、図5と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、目標機関回転数NEtgが現在値よりも高回転側にあり(ステップS150:YES)、且つフライホイール300に対し低慣性指令が実行されている場合(ステップS160:YES)、ECU100は、回転数偏差ΔNEを取得する(ステップS161)。回転数偏差ΔNEとは、目標機関回転数NEtgと現在値との差分である。回転数偏差ΔNEを取得すると、ECU100は、回転数偏差ΔNEに応じた多段階(或いは連続的な)慣性指令を実行する(ステップS171)。即ち、回転数偏差ΔNEが大きければより高慣性側への慣性指令がなされる。
本実施形態によれば、回転数偏差ΔNEに応じてフライホイール300の慣性質量が制御されるので、ハイブリッド車両1のNVの悪化を顕在化させない範囲でフライホイール300の慣性質量の変化を可及的に抑制することができる。従って、フライホイール300の慣性質量を無駄に大きく変化させる必要がなくなり、フライホイール300を駆動するエネルギ資源(本実施形態では、磁界を発生させるための電力資源である)をその分だけ節減することができる。
尚、本実施形態では、フライホイール300における通常の慣性制御(ステップS190)は、第1実施形態と変わらないものとなっている。しかしながら、元よりフライホイール300がその慣性質量を連続的に可変に制御し得る構成を有する点に鑑みれば、ステップS190に相当する通常の慣性制御において、フライホイール300の慣性質量が多段階に(或いは連続的に)制御されてもよい。その場合、ステップS160に係る判定処理は、高慣性指令以外の指令中であるか否かを判定する処理とし、「YES」側に分岐した場合に、慣性質量の残余の制御幅の範囲で回転数偏差ΔNEに応じた慣性指令を行ってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明は、慣性質量が可変なフライホイールを有するハイブリッド車両に適用可能である。
1…ハイブリッド車両、10…ハイブリッド駆動装置、100…ECU、200…エンジン、300…フライホイール、400…入力軸、500…動力分割機構、600…MG1出力軸、700…駆動軸、800…減速機構、MG1、MG2…モータジェネレータ。

Claims (2)

  1. 内燃機関と、
    該内燃機関の機関軸に取り付けられた、慣性質量が可変なフライホイールと、
    第1回転電機と、
    車軸に繋がる駆動軸との間でトルクの入出力が可能な第2回転電機と、
    前記機関軸、前記第1回転電機の出力軸及び前記駆動軸に夫々連結された回転要素を含む相互に差動回転可能な複数の回転要素を備えた差動機構と、
    蓄電手段と
    を備え、
    前記蓄電手段と前記第1及び第2回転電機との間で電力を入出力可能に構成されたハイブリッド車両を制御する、ハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記駆動軸の要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、
    前記算出された要求駆動力が負である場合に回生トルクによる回生制動がなされるように前記第2回転電機を制御する回生制御手段と、
    前記回生制動がなされる場合に、前記回生制動に係る回生電力と前記蓄電手段の充電制限電力とに基づいて、前記内燃機関の機関回転数の目標値を算出する目標値算出手段と、
    前記算出された目標値が現在値よりも高い場合に前記フライホイールの慣性質量を高慣性側に変化させる慣性制御手段と
    を具備することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記慣性制御手段は、前記目標値と現在値との偏差が大きい程、前記フライホイールの慣性質量の変化幅を大きくする
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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