JP2013233000A - モータアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチ手段を動作させるための伝達列の配置スペースを小さくする。
【解決手段】モータ10の動力を被駆動体95に伝達する第一伝達列と、トルクリミッタ機構を介して伝達されたモータ10の動力をクラッチ手段に伝達し、第一伝達列による動力の伝達を「継」状態とする第二伝達列を備え、第二伝達列は、第一歯車43およびこの第一歯車43に係合する第二歯車42を有し、第二歯車42が有する歯部が内歯である第一歯車43の内扇歯部431に噛合することにより、第二歯車42の回転軸が内扇歯部431のピッチ円の内側に位置しているモータアクチュエータ1とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、被駆動体に対してモータの駆動力を伝達するか否かを切り替えるクラッチ手段を備え、このクラッチ手段を、トルクリミッタ機構を介して動作させるモータアクチュエータに関する。
この種のモータアクチュエータとして下記特許文献1に記載のものが公知である。このモータアクチュエータ(ギアードモータ(10))では、トルクリミッタ機構を構成する誘導回転体(142)の回転は、伝動車(152)を介してストッパ片(176)に伝達される。このストッパ片が動作することにより、クラッチ手段(遊星歯車機構(76))が「継」状態となる。
特開2010−279196号公報
しかし、特許文献1に記載のモータアクチュエータでは、このクラッチ手段を動作させるための伝達列(伝動車やストッパ片)が占めるスペースが大きいという問題があった。クラッチ手段を動作させるための伝達列は、被駆動体を動作させるというアクチュエータとしての目的を達成することに対し直接的に関与する部品ではないため、できるだけ配置スペースを小さくすることが望ましい。
上記問題に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、クラッチ手段を動作させるための伝達列の配置スペースを小さくすることができるモータアクチュエータを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明にかかるモータアクチュエータは、一方向に回転するモータと、このモータの動力を被駆動体に伝達する第一伝達列と、この第一伝達列による動力の伝達を「継」状態または「断」状態に切り替えるクラッチ手段と、前記モータの動力を一定の結合力で伝達するトルクリミッタ機構と、このトルクリミッタ機構を介して伝達された前記モータの動力を前記クラッチ手段に伝達し、前記第一伝達列による動力の伝達を「継」状態とする第二伝達列と、前記モータの動力が伝達されたときの動作方向と反対の方向である、前記第一伝達列による動力の伝達を「断」状態とする方向に前記第二伝達列を付勢する付勢手段と、を備え、前記第二伝達列は、第一歯車およびこの第一歯車に係合する第二歯車を有し、前記第二歯車が有する歯部が内歯である前記第一歯車の内扇歯部に噛合することにより、前記第二歯車の回転軸が前記内扇歯部のピッチ円の内側に位置していることを要旨とするものである。
上記モータアクチュエータは、第一歯車の内扇歯部を内歯にした上で、この内扇歯部に第二歯車の歯部を噛合させることにより、第二歯車の回転軸が内扇歯部のピッチ円の内側に位置するように構成されている。つまり、第一歯車の回転軸と第二歯車の回転軸を近接させることができるため、第二伝達列を構成する部材の配置スペースが小さくなる。
この場合、前記第二歯車は、前記内扇歯部に噛合する相対的に小径の小径歯部およびこの第一歯部よりも大径の大径歯部を有する複合歯車であり、前記内扇歯部および前記大径歯部は、ともに、180度未満の扇状に形成されていればよい。
上記構成によれば、モータアクチュエータの動作時における二つの内扇歯部が移動する範囲(内扇歯部の平面方向における範囲)が360度未満となるため、第二伝達列を設置するために必要なスペースをより小さくすることができる。
またこの場合、前記第一歯車および前記第二歯車には、前記第一歯車と前記第二歯車の相対位置を所定の位置に合わせる位置合わせ機構が設けられていればよい。
第一歯車および第二歯車が扇歯部を有し、両歯車を360度以上させることがない構成の場合、モータアクチュエータを組み立てる際に両歯車の相対的な位置合わせが必要になる。上記構成によれば、モータアクチュエータ組立時の両歯車の相対的な位置合わせが容易となる。
また、この場合、前記第二歯車には、前記モータのロータが逆回転した場合にこのロータに接触しそれ以上の逆回転を防止する逆回転防止部が設けられており、前記位置合わせ機構は、前記第二歯車が前記クラッチ手段に前記モータの動力を伝達している状態における前記第一歯車の内扇歯部と前記第二歯車の小径歯部の噛合位置と、前記ロータに前記逆回転防止部が接触している状態における前記第一歯車の内扇歯部と前記第二歯車の小径歯部の噛合位置との間の位置で、前記第一歯車の内扇歯部と前記第二歯車の小径歯部を噛合させることにより両歯車の相対位置を所定の位置に合わせるように設けられていればよい。
両歯車が噛合する範囲は、「クラッチ手段にモータの動力を伝達している状態」と「ロータに前記逆回転防止部が接触している状態」との間の範囲である。上記のように、この範囲内で両歯車を噛合させることにより位置合わせすることが可能となるようにすれば、両歯車の相対的な位置合わせを確実に行うことができる。
また、前記位置合わせ機構は、前記第一歯車の内扇歯部および前記第二歯車の小径歯部の一方が有する一つの歯であって、歯の一部が窪んだ欠歯と、前記第一歯車の内扇歯部および前記第二歯車の小径歯部の他方が有する一つの歯溝であって、溝の底から径方向に突出した突起が形成された埋歯溝と、を有し、前記第一歯車と前記第二歯車の相対位置を所定の位置に合わせたときには、前記欠歯の窪みに前記埋歯溝の突起が係合することによって前記欠歯と前記埋歯溝が噛合する一方、前記第一歯車と前記第二歯車の相対位置が所定の位置以外のときには、前記埋歯溝の突起によって前記第一歯車の内扇歯部および前記第二歯車の小径歯部の一方における前記欠歯以外の歯と前記埋歯溝との噛合が阻止される構成とすればよい。
上記構成によれば、位置合わせ機構を簡単に構築することができる。また、両歯車の位置あわせが容易である。
また、前記モータは、円筒状のステータの内側にロータが位置するインナーロータタイプのモータであり、前記第一歯車および前記第二歯車は、前記円筒状のステータにおける軸方向端面の一方側に固定された軸に支持されていればよい。
上記のように、第二歯車の回転軸は内扇歯部のピッチ円の内側に位置している。つまり、第二歯車の回転軸と第一歯車の回転軸は近接する。したがって、円筒状のステータにおける軸方向端面(ドーナツ状の面)という限られた設置スペースに両歯車を取り付けることの困難性が低い(設計が容易である)。
また、前記トルクリミッタ機構は、前記ロータのモータと一体的に回転するマグネットおよび非磁性体の一方と、前記第二伝達列を構成する誘導回転体と一体的に回転するマグネットおよび非磁性体の他方と、を有し、前記マグネットおよび非磁性体の一方と前記マグネットおよび非磁性体の他方との間に生ずる電磁力により、前記モータの動力を一定の結合力で前記誘導回転体に伝達するように構成することができる。
本発明にかかるモータアクチュエータによれば、第一歯車の回転軸と第二歯車の回転軸を近接させて配置することができるため、クラッチ手段を動作させるための伝達列(第二伝達列)の配置スペースが小さくなる。
本実施形態にかかるモータアクチュエータの全体(ケースを取り外した状態)を示した図である。 モータアクチュエータを伝達列に沿って展開した図である。 上ケースが取り外された状態のモータアクチュエータの平面図である。 上ケースおよび第一伝達列が取り外された状態のモータアクチュエータの平面図である。 ロータ、第二伝達列、および第一ロック歯車の外観図である。 第一伝達列および第二伝達列を構成する動力伝達部材(歯車等)が支持される支持軸を示した図である。 クラッチ手段(遊星歯車機構)を分解して上方から見た図である。 クラッチ手段(遊星歯車機構)を分解して下方から見た図である。 駆動側歯車の外観図である。 従動側歯車の内扇歯部を拡大して示した図である。 位置合わせ機構により駆動側歯車と従動側歯車の相対位置が所定の位置に合わされる様子を示した図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明における上下とは、図2における左右(上ケース91側を上、下ケース92側を下とする)をいうものとする。また、「原位置」とは、モータ10が駆動していない状態における各構成部材の位置をいう。
本実施形態にかかるモータアクチュエータ1は、駆動源であるモータ10と、モータ10の動力を被駆動体95に伝達する第一伝達列と、第一伝達列による動力の伝達を「継」状態または「断」状態に切り替えるクラッチ手段と、モータ10の動力を一定の結合力で伝達するトルクリミッタ機構と、このトルクリミッタ機構を介して伝達されるモータ10の動力をクラッチ手段に伝達する第二伝達列と、第二伝達列を付勢する付勢手段と、を備え、これらの部材(後述するプーリ26およびワイヤ27を除く)が上ケース91および下ケース92から構成されるケース90に収容されてなる。以下各構成について図1〜図8を参照して説明する。
(モータ)
被駆動体95の駆動源であるモータ10は、一方向のみ回転するモータである。本実施形態ではAC同期モータを用いている。モータ10は、磁性体金属よりなり、下側、すなわち下ケース92側が、平坦な底部を有するカップ状に形成されたモータケース11と、そのモータケース11の内側に配置されたステータ12と、このステータ12の内側に配置されたロータ13と、を備える。ロータ13は、カップ状に形成されフェライト磁石等のプラスチック磁石よりなるロータマグネット部をインサート成形して形成された出力軸131を備えている。ロータ13の円筒状のロータマグネット部は、ステータ12と対向して配置されている。ロータマグネット部の開口側の端部には、モータ10の逆回転を防止するロータ側逆回転防止部が形成されており、本実施例では後述する逆回転防止部423との当接により、モータ10の逆回転を防止する。出力軸131は、ロータ軸130を通す貫通孔を備えた軸部と、ロータマグネット部と軸部を繋ぐ接続部とを有している。出力軸131は、接続部より上側に突出しており、軸部とロータマグネット部との円柱状の空間に、後述する誘導マグネットMと誘導回転体14が配置される。本実施例では、出力軸131の接続部は、ロータ13の下側で、軸部に対してフランジ状に形成され、軸部の近傍の接続部の上側は平坦な面を有している。ロータ13を回転可能に軸支するロータ軸130は、ステンレス等の金属で形成された固定軸であり、モータケース11に圧入等によって固定され、上ケース91に形成されたロータ軸固定部に嵌合している。ステータ12は、円筒状に形成された、ステータコイル及びボビン、ヨークよりなる。ロータ13のロータマグネット部との対向面には突極(極歯)が形成されている。この円筒状に形成されたステータ12の径方向内側にカップ状に形成されたロータ13が配置されている。ステータ12のコイルに電力を供給することにより、その内側に配置されたロータ13がロータ軸130を回転中心として回転する。ロータ13には、その底面から突出して形成された出力軸131が設けられている。この出力軸131は、ロータ13ととともにロータ軸130を回転中心として回転する。出力軸131の上面には、下係合部1311が形成されている。この下係合部1311は第一伝達列を構成する上モータ歯車21の下面に形成された上係合部2111に係合する爪である。また、出力軸131の軸部には、後述する誘導回転体14を回転可能に支持する軸受を、出力軸131の軸部の外周側にラジアル軸受を2箇所、そして軸部の周囲の接続部の上側の平坦な面にスラスト軸受を備えている。上側のラジアル軸受は、ロータ軸線方向において、後述する下モータ歯車41と同じ高さの軸部の外周に形成されている。下側のラジアル軸受は、接続部の上端面より上側の軸部の外周に形成されている。上側のラジアル軸受の外径は、下側のラジアル軸受の外径より小径に形成されており、上側のラジアル軸受と下側のラジアル軸受との間の軸部の外径は、上側のラジアル軸受の外径より小さくしてある。なお、スラスト軸受は、上側のラジアル軸受より上側の軸部に、上側のラジアル軸受より上側の軸部の外径より小径にして形成したステップ状のスラスト軸受としてもよい。
上記円筒状に形成されたステータ12における軸方向端面の一方側(上側)には支持プレート121が設けられている。支持プレート121は、ロータ13が挿入される箇所(中央部分)を覆わないように、ステータ12の当該端面に合わせて平面視ドーナツ状(環状)に形成されている。この支持プレート121は、下ケース92の周縁よりも低い位置に配置される。すなわち、下ケース92の側壁上端縁は支持プレート121よりも高い位置に位置する。
支持プレート121は、磁性体よりなる金属板をプレス加工によって形成される。支持プレート121には、第一伝達列(上モータ歯車21、プーリ26、およびワイヤ27を除く)および第二伝達列を構成する各動力伝達部材(歯車)を支持する支持軸の下端が圧入される貫通孔が形成される。また、上記ロータ13が挿入される箇所となる中央の円形の孔は、プレートを構成する板材が切り起こされて形成される。この切り起こされた部分はステータコイルとロータマグネットの間に位置し、モータ10の突極となる。
(第一伝達列)
第一伝達列は、モータ10の動力を被駆動体95まで伝達する出力系統を構成する。かかる第一伝達列は、複数の動力伝達部材を有する。詳しくは、上モータ歯車21と、上モータ歯車21に噛合する入力側歯車22と、クラッチ手段が「継」の状態のとき入力側歯車22の回転に伴って回転する出力側歯車23と、出力側歯車23に噛合する複合歯車24と、複合歯車24に噛合するカム歯車25と、カム歯車25と一体的に回転するプーリ26と、プーリ26の回転によって巻き上げられるワイヤ27と、を有する。このうち、入力側歯車22と、出力側歯車、複合歯車24は、ケース90内部に収容され、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属で形成された各支持軸に回転自在に支持されている。なお、入力側歯車22および出力側歯車23は、詳細を後述するクラッチ手段(遊星歯車列に基づく差動歯車機構)を構成する歯車でもある。
上モータ歯車21は、ロータ軸130に回転可能かつ軸線方向に移動可能に支持された平歯車で、樹脂により形成されており、後述する下モータ歯車41の上(出力軸131の上端側)に支持されている。上モータ歯車21の上面には、被ロック突起211が一体に成形されている。かかる被ロック突起211には、後述する扇形レバー60の上モータ歯車ロック突起62が作用する。また、上モータ歯車21は、下係合部1311と上係合部2111の間にロータ軸130と同軸上に配置されたコイルばねよりなる付勢部材48で軸線方向上向きに付勢されている。上モータ歯車21の下面には、下モータ歯車41と係合する上係合部2111が形成されている。なお、付勢部材48は下係合部1311および上係合部2111と、ロータ軸130の間に位置する。
上モータ歯車21には、入力側歯車22が噛合している。入力側歯車22は、遊星歯車列を構成する一の歯車であっていわゆる太陽歯車である。入力側歯車22は、相対的に大径の大歯部221と相対的に小径の小歯部222とを有し、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属からなる遊星ユニット支持軸220に支持されている。入力側歯車22の大歯部221が上モータ歯車21と噛合しており、上モータ歯車21の回転に伴って入力側歯車22が回転する。
モータ10の動力は上モータ歯車21を介して、出力側歯車23に伝達される。出力側歯車23は、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属よりなる遊星ユニット支持軸220に支持されている。出力側歯車23は、遊星歯車列を構成する歯車である、三つの遊星歯車231および遊星支持歯車232によって構成される。遊星歯車231は、遊星支持歯車232の上端面から突出して周方向等間隔に設けられた三つの遊星歯車支持軸にそれぞれが回転自在に支持されている。遊星歯車支持軸の上端には、抜け止めリング233が固定され、遊星歯車231の脱落が防止されている。遊星支持歯車232は、遊星歯車231が取り付けられた面とは反対側に歯車部2321を有する。遊星歯車231は、入力側歯車22の小歯部222と噛合している。詳細は後述するが、クラッチ手段が「継」状態にある場合、入力側歯車22の回転に伴って遊星歯車231は入力側歯車22の小歯部222の周りを公転する。かかる遊星歯車231の公転に伴って、遊星歯車231を支持している遊星支持歯車232が回転する。このようにして、入力側歯車22から出力側歯車23へ動力が伝達される。なお、出力側歯車23、遊星歯車231、遊星支持歯車232、遊星歯車支持軸は、いずれも樹脂の成形品である。
遊星支持歯車232には、樹脂で成形された複合歯車24が噛合している。詳しくは、複合歯車24は、上側に相対的に小径の小歯部241および下側に相対的に大径の大歯部242を同軸上に有し、この大歯部242が遊星支持歯車232の歯車部2321と噛合している。これにより、遊星支持歯車232の回転に伴って複合歯車24が回転する。複合歯車24は、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属よりなる複合歯車支持軸240に支持されている。
複合歯車24には、カム歯車25が噛合している。詳しくは、カム歯車25の歯車部251が、複合歯車24の小歯部241に噛合している。これにより、複合歯車24の回転に伴ってカム歯車25が回転する。カム歯車25は、支持プレート121に固定されたカム歯車支持軸受250に回転可能に支持されている。このカム歯車支持軸受250は、ステータ12のステータコイルが巻かれるボビンと一体に樹脂成形で構成され、プレート121に設けられた穴を貫通している。カム歯車25の外周に歯車部251が形成された部分の上端面には、カム溝252が形成されている。かかるカム溝252には扇形レバー60の下端面に形成された係合突起61が係合している。この扇形レバー60の構成およびその作用については後述する。
カム歯車25には、プーリ26が固定されている。カム歯車25と一体的にプーリ26が回転するものであれば、その固定方法は特に限定されない。これにより、カム歯車25の回転に伴ってプーリ26が回転する。また、プーリ26は、ケース90外側に露出している。また、プーリ26の外周には、ワイヤ溝261が形成されている。
プーリ26には、ワイヤ27の一端が固定されている。その固定方法は、ワイヤ27の脱落を確実に防止することができるものであれば特に限定されない。プーリ26がワイヤ27を引き込む方向に回転すると、ワイヤ27はプーリ26のワイヤ溝261にはまり込むように巻き上げられる。ワイヤ27の他端側には、被駆動体95(例えば排水口を開閉する弁体)が固定されており、被駆動体95には、常に原位置(弁体が閉となる位置)に戻ろうとする方向のばねによる付勢力や磁気力等の負荷が作用している。ワイヤ27がプーリ26に巻き上げられることによって、被駆動体95が所定の動作を行う。つまり、ワイヤ27がプーリ26に巻き上げられることにより、モータ10の動力が第一伝達列を介して被駆動体95まで伝達されることになる。なお、被駆動体95を正確に動作させるため、ワイヤ27は伸縮性のない材料で形成されている。なお、プーリ26とワイヤ27を、カム歯車25と同軸上に配置されたカムと、被駆動体95に連結されたロッドに代えてもよい。カムは、円盤状であり、偏芯位置より上側に突出したロッド係合部を備え、ロッドは、カムのロッド係合部に係合する。カムが所定の方向に回転すると、ロッドは被駆動体95を引き込む(巻き上げる)方向に動き、被駆動体95を駆動する。
(クラッチ手段)
クラッチ手段は、第一伝達列による動力の伝達(出力系統)を「継」状態もしくは「断」状態に切り替える役割を果たす。本実施形態におけるクラッチ手段の動作は、入力側歯車22(太陽歯車)、出力側歯車23(遊星歯車231および遊星支持歯車232)、および、固定歯車31(リング歯車)を有する遊星歯車列に基づく差動歯車機構を利用したものである。
既に説明したように、入力側歯車22は、上モータ歯車21に噛合し、上モータ歯車21の回転に伴って回転する。入力側歯車22の小歯部222には、周方向等間隔に配された三つの遊星歯車231が噛合している。遊星歯車231は、遊星支持歯車232上に支持されている。遊星支持歯車232は、遊星歯車231の公転に伴って回転する。
遊星歯車列を構成する入力側歯車22及び遊星歯車支持歯車232は、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属からなる遊星ユニット支持軸220に支持されている。リング歯車である固定歯車31の中央には太陽歯車である入力側歯車22の小歯部222が貫通する穴が設けられる。固定歯車31は、外歯部311および内歯部312を有する。固定歯車31の外歯部311は、入力側歯車22の大歯部221の下側に位置し、後述する第二伝達列を構成する一の歯車であるロック歯車46と噛合している。つまり、ロック歯車46の回転が阻止されている場合、固定歯車31の回転は阻止される。固定歯車31の内歯部312は、三つの遊星歯車231と噛合している。
かかる構成を備えるクラッチ手段において、遊星歯車231が公転し、遊星支持歯車232が回転するか否かは、固定歯車31の回転が阻止されているか否かによって決まる。固定歯車31の回転が阻止されている場合、入力側歯車22が回転すると、固定歯車31の内歯部312が動くことはないから、かかる内歯部312に沿って入力側歯車22の小歯部222に噛合する遊星歯車231が公転し、遊星支持歯車232が回転する。一方、固定歯車31の回転が阻止されていない場合、入力側歯車22が回転し、遊星歯車231が公転しようとしても、固定歯車31が空回りするため、遊星支持歯車232が回転することはない。
つまり、固定歯車31の回転が阻止されていれば、第一伝達列が「継」状態となり、固定歯車31の回転が阻止されていなければ、第一伝達列が「断」状態となる。クラッチ手段によって第一伝達列が「継」状態、すなわち出力系統が「継」状態にあれば、モータ10の動力は、第一伝達列を介して被駆動体95まで伝達される。一方、クラッチ手段によって第一伝達列が「断」状態、すなわち出力系統が「断」状態にあれば、モータ10の動力はクラッチ手段で切断(入力側歯車22と出力側歯車23との間で切断)され、被駆動体95まで伝達されることはない。
本実施形態におけるクラッチ手段は、固定歯車31に作用する部材として、さらに第一ロック歯車32および第二ロック歯車33を備える。第一ロック歯車32は、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属よりなる第一ロック歯車支持軸320に支持されている。第一ロック歯車32は、外面に径方向外向きに突出した突起(爪)である被ロック部321が形成された円板状の部分および円板状の部分より下側に、円板状の部分の外径より小径な第一ロック歯部322を有する。第二ロック歯車33は、支持プレート121に圧入固定されたステンレス等の金属よりなる第二ロック歯車支持軸330に支持されている。第二ロック歯車33は、相対的に大径の大径第二ロック歯部331および相対的に小径の小径第二ロック歯部332を有する。大径第二ロック歯部331は、第一ロック歯部322に噛合している。小径第二ロック歯部332は、遊星歯車列を構成する固定歯車31の外歯部311に噛合している。従動側歯車43のロックレバー432(後述)が第一ロック歯車32の被ロック部321に引っ掛かった状態となると第一ロック歯車32の回転が阻止される。第一ロック歯車32の回転が阻止された状態となると、それに噛合する第二ロック歯車33、およびそれに噛合する固定歯車31の回転が阻止され、第一伝達列が「継」状態となる。
(トルクリミッタ機構)
トルクリミッタ機構は、モータ10内に構築されたモータ10の動力を一定の結合力で第二伝達列に伝達する構成である。カップ状に形成されたロータ13の外周側に形成されたロータマグネットの径方向内側には、円筒状の誘導マグネットMの中心とロータ軸130とが同軸上に固定されている。この円筒状の誘導マグネットMの径方向内側には、アルミニウムや銅等の非磁性誘電体を有する誘導回転体14が配置されている。詳しくは、誘導回転体14は、円筒状の誘導マグネットMの径方向内側および出力軸131の径方向外側で、出力軸131の軸部のラジアル軸受とスラスト軸受により回転自在に支持されている。モータ10が駆動しロータ13が回転すると、誘導マグネットMと非磁性誘電体との間に生ずる電磁力によって誘導回転体14が回転する。この誘導回転体14の回転中心は、ロータ13の回転中心と同軸上に配置されている。誘導回転体14の上面には、第二伝達列を構成する下モータ歯車41が形成されている。
なお、誘導マグネットMは、ロータ13のロータマグネットと一体成形、もしくは別体で形成して、ロータマグネットに固定されており、ロータ13と一体で回転する。誘導マグネットMのロータ軸130方向の上側端部は、ロータ13のロータマグネットの同程度の高さに形成されている。すなわち、上側が開口したカップ状のロータ13と、ロータ13の内側に配置されたトルクリミッタ機構とを有する構成であり、ロータ13は、外周に配置されたロータマグネットとロータマグネットと一体成形された出力軸131を備え、トルクリミッタ機構は、第二伝達列の駆動側歯車42に噛合する第二伝達列回転体(本実施形態では、誘導回転体14がこれに相当する)を備えている。ロータ13の内側のスペースにトルクリミッタ機構を配置したことにより、トルクリミッタ機構をモータ10の外部に設ける構成に対して小型化している。また、トルクリミッタ機構は、出力軸131と第二伝達列回転体は、ロータ13の回転中心軸に対して出力軸131が内周側で第二伝達列回転体が外周側に配置されている。トルクリミッタ機構は、ロータ13の上側に機械的結合無しで載置されているだけなので、モータ10が停止した場合、モータ10の静止トルクを受けることがない。このため、後述するクラッチ手段を「断」状態とする方向に第二伝達列を付勢する付勢手段の力を小さくすることができる。付勢手段は、クラッチ手段を「継」にする場合は、抗力として作用するので、付勢手段の力が小さいとモータ10の負荷が小さくなり、モータ10を小型化できる。本実施形態では、出力軸131に回転可能に支持された誘導回転体と第二伝達列のみが負荷となるだけの構成であり、付勢手段の力が小さくなるともに、素早くクラッチ手段を「断」できる。
また、本実施形態では、誘導マグネットMは、ネオジムマグネットとフェライトマグネットの磁粉を混合して成形したボンド磁石を用いている。後述する第二伝達列の駆動側歯車42と従動側歯車43は減速輪列であるため、磁気誘導力を増幅してクラッチ手段を継断するので、貴重な資源である希土類マグネットの使用量を減らすことができる。
(第二伝達列)
第二伝達列は、モータ10の動力をクラッチ手段まで伝達するクラッチ作動系統を構成する。第二伝達列は、下モータ歯車41と、下モータ歯車41に噛合する駆動側歯車42(本発明における第二歯車に相当する)と、駆動側歯車42に噛合する従動側歯車43(本発明における第一歯車に相当する)と、を備える。第二伝達列は、モータ10の動力を、下モータ歯車41と、駆動側歯車42の外扇歯部422で減速し、および駆動側歯車42の小径歯部421と従動側歯車43の内扇歯車部431で減速される二段の減速を行いクラッチ手段に伝える輪列である。
下モータ歯車41は、誘導回転体14とインサート成形により一体的に成形された樹脂製の平歯車であり、上述した上モータ歯車21の下(モータ10の本体側)で、支持プレート121の上端面より上側に歯車部が設けられている。
下モータ歯車41には、駆動側歯車42が噛合している。駆動側歯車42はステンレス等の金属よりなる駆動側歯車支持軸420に回転自在に支持されている。駆動側歯車支持軸420は、その一端がモータケース11に圧入固定され、他端が上ケース91に固定されている。駆動側歯車42は、相対的に小径の小径歯部421およびこの第一歯部よりも大径の大径歯部と駆動側歯車支持軸420を通す貫通孔を備えた円柱状の駆動側歯車軸を有する複合歯車で、小径歯部421が上側に設けられており、一体成形された樹脂製歯車である。小径歯部421は、後述する従動側歯車43の内扇歯部431と噛合する平歯車である。大径歯部は、扇状の部分に下モータ歯車41と噛合する外歯(径方向外向きの歯)が形成された部分(以下外扇歯部422と称する)である。したがって、駆動側歯車42は下モータ歯車41の回転に伴って回転する。本実施形態では、駆動側歯車42の外扇歯部422は180度未満の扇状に形成されている。
また、駆動側歯車42には、外扇歯部422の一端側から下方に向けて突出した逆回転防止部423が形成されている。原位置にあるロータ13が逆転した場合、支持プレート121の上端面より上側に延在して形成されたロータマグネットの上端面における周縁部に形成されたロータ側逆回転防止部と、駆動側歯車42の逆回転防止部423が衝突する。この衝突したときの衝撃によって、逆転したロータ13の回転は正転に修正される。
従動側歯車43は、ステンレス等の金属よりなる従動側歯車支持軸430に回転自在に支持されている。従動側歯車支持軸430は、その一端がステータ12の軸方向端面の一方側(上側)に設けられた支持プレート121に圧入固定され、他端が上ケース91に固定されている。この従動側歯車43には、上記駆動側歯車42が噛合している。具体的には、従動側歯車43は、従動側歯車支持軸430を通す貫通孔を有する従動側歯車軸と、中心角が180度未満の扇形歯車とを有し、樹脂の一体成形により形成されている。扇形歯車は、その外周を構成する円弧と、円弧の端部と従動側歯車軸を繋ぐ支持部を残して切り抜かれ(貫通し)、円弧(扇状)の部分に内歯(径方向内向きの歯)が形成された内扇歯部431を有している。この内扇歯部431に駆動側歯車42の小径歯部421が噛合しており、駆動側歯車42の扇形の大径歯部が従動側歯車43の内扇歯部431と駆動側歯車42の小径歯部421より下側(支持プレート121側)に配置されている。このような構成であるため、従動側歯車43は駆動側歯車42の回転に伴って回転する。本実施形態では、このように従動側歯車43と駆動側歯車42が噛合しているため、駆動側歯車42の回転軸は内扇歯部431のピッチ円の内側に位置する(図4参照)。また、本実施形態では、駆動側歯車42の小径歯部421は、小径歯部421の歯先円より小径の欠歯部を有しており、従動側歯車43の内扇歯部431の噛合範囲(駆動範囲)の端で小径歯部421の歯車と内扇歯部431の支持部が当接しない。欠歯部を設けたことにより、内扇歯部431の支持部と小径歯部421を近づけて配置することができるので、従動側歯車43の回転方向の大きさを小型化することができる。更に、下モータ歯車41と噛合する駆動側歯車42の大径歯部を従動側歯車43の内扇歯部431と駆動側歯車42の小径歯部421より下側(支持プレート121側)に配置しているので、ロータ軸130方向(高さ方向)を小さくすることができる。
また、従動側歯車43には、従動側歯車支持軸430が挿通される軸状部分から径方向外向きに突出し、樹脂よりなるロックレバー432が一体に成形されている。このロックレバー432は、内扇歯部431が形成された扇状の部分と上下方向に重ならない位置に形成されている。また、従動側歯車43の回転中心からロックレバー432の先端までの長さは、内扇歯部431のピッチ円半径よりも小さい。この構成によっても駆動歯車42の回転を減速する減速機構を構成している。このロックレバー432が第一ロック歯車32に近づく方向に従動側歯車43が回転すると、ロックレバー432が第一ロック歯車32の外面に形成された被ロック部321(後述)に引っ掛かった状態となる。これにより第一ロック歯車32の回転が阻止される。本実施形態では、ロックレバー432は、内扇歯部431の上端面より上側に配置されるとともに、第一ロック歯車32の円板状の部分の下端面に対して内扇歯部431の上端面を下側に配置している。この構成により、内扇歯部431と第一ロックレバー32を面方向に近接して配置できるので、第二伝達列を狭いスペースに配置することが可能となり、小型化に適する。
また、従動側歯車43には、従動側歯車支持軸430が挿通される軸状部分から径方向外向きに突出し、樹脂よりなる第一コイルばね引掛部433が一体に成形されている。この第一コイルばね引掛部433は、内扇歯部431が形成された扇状の部分およびロックレバー432と上下方向に重ならない位置に形成されている。
(付勢手段)
付勢手段は、クラッチ手段を「断」状態とする方向に第二伝達列を付勢するものである。本実施形態ではコイルばね50を用いている。コイルばね50は、一端が従動側歯車43に形成された第一コイルばね引掛部433に引っ掛けられ、他端が支持プレート121に圧入固定された第二コイルばね引掛部434に引っ掛けられている。かかるコイルばね50により、従動側歯車43はロックレバー432が第一ロック歯車32(被ロック部321)から離れる方向に付勢されている。
(その他の構成)
複合歯車24の上には、扇形レバー60が配されている。扇形レバー60は、複合歯車24が回転自在に支持された軸と同じ複合歯車支持軸240に回転自在に支持されている。扇形レバー60の下面には、係合突起61(図1参照)が形成されている。かかる係合突起61は、カム歯車25の上面に形成されたカム溝252(図1参照)に係合している。また、同じく扇形レバー60の下面からは、上モータ歯車ロック突起62と図示されない傾斜カムが形成されている。これらの機能は次の通りである。カム溝252に係合する係合突起61によってカム歯車25の動作に連動して扇形レバー60が動く。扇形レバー60が所定位置まで動く(ワイヤ27を所定位置まで巻き上げる)と、上モータ歯車ロック突起62が上モータ歯車21の被ロック突起211に作用し、上モータ歯車21の回転を阻止する。これと同時に傾斜カムによって軸線方向下向きに押さえつけられていた上モータ歯車21が解放され、付勢部材48によって軸線方向上向きに移動する。これにより、上モータ歯車21の上係合部2111と、出力軸131の下係合部1311の係合が解かれる。つまり、モータ10の動力が上モータ歯車21に伝達されない状態となる(詳細は後述の動作説明参照)。
(モータアクチュエータの動作)
以上の構成を備えるモータアクチュエータ1の動作について、一部上記説明と重複するが以下詳細に説明する。以下の説明では、原位置にある被駆動体95に対しモータ10の動力を伝達する1)動力伝達動作と、モータ10の動力の伝達を遮断し被駆動体95を原位置に戻す2)動力遮断動作に分けて説明する。
1)動力伝達動作
被駆動体95が原位置にある状態(ワイヤ27がプーリ26に巻き上げられていない状態、すなわち、モータ10の動力が被駆動体95に作用していない状態)では、扇形レバー60の傾斜カムによって、上モータ歯車21が付勢部材48の付勢力に抗して下側に押さえつけられ、上係合部2111と下係合部1311が係合している。この状態からモータ10を一方向に駆動させ、ロータ13が回転すると、ロータ13の出力軸131に形成された下係合部1311に係合する上係合部2111を有する上モータ歯車21が回転する。また、ロータ13の内側に固定された誘導マグネットMに誘導されて、誘導回転体14が回転する。つまり、下モータ歯車41も回転する。このように、モータ10が駆動すると上記トルクリミッタ機構が機能し、上モータ歯車21とともに下モータ歯車41も回転する。
下モータ歯車41が回転すると、それに噛合する外扇歯部422を有する駆動側歯車42が回転する。駆動側歯車42が回転すると、駆動側歯車42の小径歯部421に噛合する内扇歯部431を有する従動側歯車43が回転する。従動側歯車43は、コイルばね50の付勢力に抗してロックレバー432が第一ロック歯車32(被ロック部321)に近づく方向に回転する。
ロックレバー432が被ロック部321の移動軌跡内に入り込み、被ロック部321に引っ掛かった状態となると、第一ロック歯車32の回転が阻止された状態となる。第一ロック歯車32の回転が阻止された状態となると、第一ロック歯車32の第一ロック歯部322に噛合するそれに噛合する大径第二ロック歯部331を有する第二ロック歯車33の回転が阻止された状態となるとともに、第二ロック歯車33の小径第二ロック歯部332に噛合する外歯部311を有する固定歯車31の回転が阻止された状態となる。
上述したように、固定歯車31は、クラッチ手段の遊星歯車列を構成する。したがって、固定歯車31の回転が阻止された状態となると、クラッチ手段によって第一伝達列による動力の伝達が「継」状態となり、モータ10の動力が第一伝達列を介して被駆動体95まで伝達可能な状態となる。
一方、モータ10の駆動によって下モータ歯車41とともに回転する上モータ歯車21は、遊星歯車列を構成する入力側歯車22(太陽歯車)の大歯部221と噛合している。したがって、上モータ歯車21の回転に伴い、入力側歯車22が回転する。
入力側歯車22の小歯部222の外側には、出力側歯車23を構成する三つの遊星歯車231が噛合している。周方向に等間隔に並んだ遊星歯車231の外側には、固定歯車31の内歯部312が噛合している。上述のように、固定歯車31は、ロック歯車46によって回転が阻止された状態にある。したがって、入力側歯車22が回転すると、その小歯部222の周りを遊星歯車231が公転する。遊星歯車231が公転すると、遊星歯車231を支持する遊星支持歯車232が回転する。つまり、入力側歯車22の回転動力が、全て出力側歯車23に伝達される。
なお、仮に、第一ロック部材32の回転が阻止された状態にない場合、つまり固定歯車31の回転が阻止された状態にない場合に入力側歯車22が回転すると、遊星歯車231を介して固定歯車31が空回りする。遊星支持歯車232以降の動力伝達列には、伝達列自体の負荷や、被駆動体95にかかる負荷が存在するため、入力側歯車22の回転動力が全て固定歯車31側に伝達されてしまうからである。なお、固定歯車31が空回りする回転速度は、第一ロック部材32に設けられた摺動部材323と、上ケース91に設けられた被摺動部911で構成される遠心ブレーキによって抑えられる。摺動部材323はゴム等の弾性体で構成され、第一ロック部材32の回転による遠心力で外周部が外周方向に広がる。外周方向に広がった摺動部材323の外周面は被摺動部911に当接することで、摺動部材323と被摺動部911の摩擦力が発生し、この摩擦力によって固定歯車31が空回りする回転速度が抑えられる。このように本実施形態では、遊星歯車列を利用した差動歯車機構により、クラッチ手段による第一伝達列の「継」状態と「断」状態を切り替えている。
遊星支持歯車232の歯車部2321には、複合歯車24の大歯部242が噛合している。したがって、遊星支持歯車232の回転に伴い、複合歯車24が回転する。
複合歯車24の小歯部241には、カム歯車25の歯車部251が噛合している。したがって、複合歯車24の回転に伴い、カム歯車25が回転する。
カム歯車25が回転すると、カム歯車25の上端に固定されたプーリ26が回転する。プーリ26が回転すると、プーリ26に固定されたワイヤ27がワイヤ溝261に沿って巻き上げられる。ワイヤ27の先端には、被駆動体95が固定されているため、被駆動体95はワイヤ27に引き上げられるように動作する。例えば、被駆動体95が洗濯機の排水口を開閉する弁体である場合には、ワイヤ27によって弁体が引き上げられることで排水口が開放され、排水が開始される。
このように、モータ10の回転動力は、第一伝達列を介して被駆動体95に伝達される。第一伝達列はクラッチ手段によって「継」状態とされるが、そのクラッチ手段を「継」状態とする動力にもモータ10の回転動力の一部が利用される。
なお、プーリ26によるワイヤ27の巻き上げは次のように停止する。カム歯車25が所定位置まで回転すると(ワイヤ27が所定量巻き上げられると)、カム溝252に係合する係合突起61を有する扇形レバー60がカム歯車25から離れる方向に回動する。このように扇形レバー60が回動すると、扇形レバー60が有する上モータ歯車ロック突起62が、上モータ歯車21の被ロック突起211に周方向から当接する。これにより、上モータ歯車21の回転が阻止された状態となる。また、扇形レバー60の傾斜カムによって軸線方向下向きに押さえつけられていた上モータ歯車21が解放され、付勢部材48によって軸線方向上向きに移動する。これにより、上モータ歯車21の上係合部2111と、出力軸131の下係合部1311の係合が解かれ、モータ10の動力が上モータ歯車21に伝達されない状態となる。上モータ歯車21の回転が阻止されると、第一伝達列を構成する各部材の動作も停止する。すなわち、プーリ26によるワイヤ27の巻き上げが停止し、当該巻き上げ位置でプーリ26が保持された状態(被駆動体95が洗濯機の排水口を開閉する弁体である場合には、排水口の開放が維持される状態)となる。
このようにして、被駆動体95に対しモータ10の動力を伝達する動力伝達動作が完了する。
2)動力遮断動作
上記動力伝達動作が完了した状態から被駆動体95を原位置に戻す場合、モータ10の駆動を停止(モータ10への通電を停止)する。そうすると、ロータ13の内側に設けられた誘導マグネットMと誘導回転体14との間の磁気誘導力が消滅する。つまり、コイルばね50の付勢力に抗して第一伝達列を「継」状態とする方向にクラッチ手段を動作させていた磁気誘導力が消滅する。よって、コイルばね50の付勢力によってロックレバー432が第一ロック歯車32(被ロック部321)から離れる方向に従動側歯車43が回転する。つまり、第一ロック歯車32の回転が阻止された状態が解消され、クラッチ手段は第一伝達列を「断」状態とする。なお、この付勢力によって従動側歯車43、駆動側歯車42、および下モータ歯車41(誘導回転体14)が原位置に戻る方向に回転する。
被駆動体95は、自身に作用する外部負荷により、常に原位置に戻ろうとしている。例えば、被駆動体95が洗濯機の排水口を開閉する弁体であって、モータアクチュエータ1の駆動により排水口を開放する方向に弁体を動作させる場合には、弁体は常に排水口を閉鎖する方向に付勢されている。したがって、固定歯車31が自在に回転することができるクラッチ手段が「断」状態となると、被駆動体95にかかる負荷は、第一伝達列を逆行するようにして出力側歯車23(遊星支持歯車232)まで伝達される。このようにして伝達された被駆動体95にかかる負荷に基づくエネルギは、クラッチ手段が「断」状態となっているため、出力側歯車23の空転によって出力(消費)される。これにより、被駆動体95は原位置に戻る。
さらに、カム歯車25が原位置に戻ると、カム溝252に係合する係合突起61を有する扇形レバー60がカム歯車25に近づく方向に回動する。このように扇形レバー60が回動すると、扇形レバー60が有する上モータ歯車ロック突起62が、上モータ歯車21の被ロック突起211から離れる。これにより、上モータ歯車21の回転が許容された状態となる。また、コイルばね50で軸線方向上向きに付勢されていた上モータ歯車21は、傾斜カムに押さえつけられ、軸線方向下向き移動する。これにより、上モータ歯車21の上係合部2111と、出力軸131の下係合部1311が係合し、モータ10の動力が上モータ歯車21にも伝達される状態となる。
このように、モータ10を停止すれば、コイルばね50(付勢手段)の作用によって遊星歯車列を構成する固定歯車31のロックが解除され、クラッチ手段が第一伝達列を「断」状態とする。これにより、被駆動体95は原位置に戻る。
(位置合わせ機構)
このように動作するモータアクチュエータ1において、第二伝達列を構成する上記駆動側歯車42および従動側歯車43は、ともに扇歯部を有する扇歯車であるため、組立時に両歯車を相対的に位置合わせする必要がある。本実施形態では、この位置合わせを容易にするための位置合わせ機構が設けられている。具体的には図9〜図11に示す構成である。
駆動側歯車42の小径歯部421には、歯の一部が窪んだ一つの欠歯4211が形成されている。一方、従動側歯車43の内扇歯部431には、溝の底から径方向に突出した突起が形成された一つの埋歯溝4311が形成されている。埋歯溝4311の突起は欠歯4211の窪みより小さく形成されており、駆動側歯車42と従動側歯車43の相対位置を所定の位置に合わせたとき、すなわち両歯車の相対的位置関係が正しいときには、埋歯溝4311に欠歯4211が噛合する位置関係となり、埋歯溝4311の突起が欠歯4211の窪みに係合する。一方、これ以外の場合、すなわち駆動側歯車42と従動側歯車43の相対的位置関係が正しくないときには、埋歯溝4311に欠歯4211以外の歯が噛合しようとする。その場合、埋歯溝4311の突起が邪魔になり、埋歯溝4311に対して欠歯4211以外の歯が噛合することが阻止される。
本実施形態では、かかる位置合わせ機構(欠歯4211および埋歯溝4311)は、駆動側歯車42および従動側歯車43の可動範囲を考慮した以下のような位置に設けられる。駆動側歯車42の小径歯部421と従動側歯車43の内扇歯部431は、従動側歯車43がクラッチ手段にモータ10の動力を伝達している状態、すなわち従動側歯車43のロックレバー432が第一ロック歯車32に接触する状態から、ロータ13の逆回転を防止する逆回転防止部423がロータ13に接触する状態までの範囲で噛合する。つまり、一方の可動限界位置は、第一ロック歯車32の位置によって決まり、他方の可動限界位置はロータ13の位置によって決まる。このように、可動限界位置が駆動側歯車42および従動側歯車43以外の部材の存在によって決まる構成であるため、製造誤差を吸収できるように駆動側歯車42の外扇歯部422や従動側歯車43の内扇歯部431は当該限界位置よりも大きく設定する必要がある(誤差分の余裕をもって歯部を大きく設計する必要がある)。本実施形態では、かかる実情を踏まえて、上記一方の可動限界位置と他方の可動限界位置との間で位置合わせ機構が機能するように設定されている。具体的には、駆動歯車の小径歯部421においては、一方の可動限界位置で噛合する歯と他方の可動限界位置で噛合する歯との間に位置する一つの歯が欠歯4211として設定される。従動側歯車43の内扇歯部431においては、一方の可動限界位置で噛合する歯溝と他方の可動限界位置で噛合する歯溝との間に位置する一つの歯溝が埋歯溝4311として設定される。
このように、本実施形態では、駆動側歯車42の小径歯部421に設けられた欠歯4211と従動側歯車43の内扇歯部431に設けられた埋歯溝4311によって位置合わせ機構が構成される。なお、従動側歯車43の内扇歯部431に埋歯溝4311を形成し、駆動側歯車42の小径歯部421に欠歯4211を形成した構成としてもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態にかかるモータアクチュエータ1は、内歯である従動側歯車43の内扇歯部431に駆動側歯車42の小径歯部421を噛合させることにより、駆動側歯車42の回転軸が内扇歯部431のピッチ円の内側に位置するように構成されている。そのため、駆動側歯車42と従動側歯車43の回転軸を近接させて両歯車を配置することができ、第二伝達列を構成する部材の配置スペースが小さくなる。
また、駆動側歯車42の外扇歯部422および従動側歯車43の内扇歯部431は、ともに、180度未満の扇状に形成されているため、モータアクチュエータ1の動作時における二つの扇歯部が移動する範囲が360度未満となる。そのため、第二伝達列を設置するために必要なスペースをより小さくすることができる。
また、本実施形態では、駆動側歯車42には外扇歯部422が、従動側歯車43には内扇歯部431が形成されており、両歯車を360度以上回転させることがない構成であるから、モータアクチュエータ1を組み立てる際に両歯車の相対的な位置合わせが必要になる。本実施形態では、上記位置合わせ機構が設けられているため、モータアクチュエータ1組立時の両歯車の相対的な位置合わせが容易となる。
そして、両歯車が回転する範囲は、「クラッチ手段にモータ10の動力を伝達している状態」と「ロータ13に前記逆回転防止部423が接触している状態」との間の範囲である、本実施形態では、この範囲内で両歯車を噛合させること(欠歯4211と埋歯溝4311を係合させること)により位置合わせすることが可能であるため、両歯車の相対的な位置合わせを確実に行うことができる。
また、駆動源であるモータ10は、円筒状のステータ12の内側にロータ13が位置するインナーロータタイプのモータであり、駆動側歯車42および従動側歯車43は、円筒状のステータ12における軸方向端面の一方側に設けられたドーナツ状の支持プレート121に圧入固定された軸に支持されている。上記のように、本実施形態では、従動側歯車43の回転軸と駆動側歯車42の回転軸を近接させることができるため、このようなドーナツ状の面という限られた設置スペースに両歯車を取り付けることの困難性が低い(設計が容易である)。
また、トルクリミッタ機構は、ロータ13に設けられた誘導マグネットMと誘導回転体14が有する非磁性誘電体との間に生ずる電磁力による誘導力を利用したものである。このような磁気誘導力を利用したものであれば、誘導マグネットMと誘導回転体14の間にオイルのような液体やギアを介さずして、モータ10の駆動力を伝達できるので、部品を削減でき小型化が可能となる。また、モータ10をアウターロータ型とし、ロータ13の外側に誘導回転体14を配置した場合に比べて誘導回転体14の径が小さくなる。したがって、誘導回転体14の重量が小さくなるとともにその回転慣性力が小さくなり、コイルばね50のような付勢力の小さい付勢手段としても、誘導回転体14を回転させることが可能となる。また、誘導マグネットMと誘導回転体14が非接触であるため、トルクリミッタ機構が機能しているときにおける音の発生が少ない。
また、クラッチ手段を「継」状態とするとき、従動側歯車43のロックレバー432が第一ロック歯車32の被ロック部321に引っ掛かり、第一ロック歯車32の回転を阻止する。本実施形態では、クラッチ手段にモータ10の動力を伝達する第二伝達列は、下モータ歯車41、駆動側歯車42、および従動側歯車43から構成される「減速輪列」であるため、第一ロック歯車32の回転を阻止する力が大きくなる。
また、第一伝達列(上モータ歯車21、プーリ26およびワイヤ27を除く)を構成する部材の回転軸、および第二伝達列を構成する部材の回転軸は全て平行である。これを踏まえ、本実施形態では、支持プレート121にプレス加工によって孔を形成し、この孔に圧入した支持軸を用いてこれらの部材が回転自在に支持された構成としている。したがって、各支持軸に動力伝達部材が支持された部組をケース90に収容するという流れで組み立てることができ、製造コストの削減につながる。具体的には、支持プレート121は、下ケース92の周縁よりも低い位置に配置されるため、一つ一つの部材を順に支持軸に組付けていくと組立が困難となるが、本実施形態では下ケース92の外で部組を構築することができるから組立が容易である。さらに、本実施形態では、これらの部材を支持する軸の上端は上ケース91で支持されている。つまり、これらの支持軸は下端が支持プレート121で支持され、上端が上ケース91で支持されるという両端が支持された状態である。したがって、支持軸の下端を保持する部分は支持プレート121の板厚分(の圧入代)で十分である。また、支持プレート121は平面視ドーナツ形状の部材であるから、上記支持軸を支持する部材として用いた場合、これらの支持軸間の距離を大きくすることが可能となる。また、このように第一伝達列や第二伝達列が支持プレート121に支持されている、すなわちモータ10の動力を伝達する伝達列がステータ12の一方側にのみ構築されているから、モータアクチュエータ1全体の厚み(上下方向の大きさ)を小さくすることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。本実施形態では、誘導マグネットMは、ネオジムマグネットとフェライトマグネットの磁粉を混合して成形したボンド磁石としたが、ネオジムマグネットの磁粉を用いずに成形したボンド磁石としてもよい。
1 モータアクチュエータ
10 モータ
12 ステータ
121 支持プレート
13 ロータ
14 誘導回転体
42 駆動側歯車(第二歯車)
421 小径歯部
4211 欠歯
420 駆動側歯車支持軸
422 外扇歯部
423 逆回転防止部
43 従動側歯車(第一歯車)
431 内扇歯部
4311 埋歯溝
430 従動側歯車支持軸
50 コイルばね(付勢手段)
95 被駆動体

Claims (7)

  1. 一方向に回転するモータと、
    このモータの動力を被駆動体に伝達する第一伝達列と、
    この第一伝達列による動力の伝達を「継」状態または「断」状態に切り替えるクラッチ手段と、
    前記モータの動力を一定の結合力で伝達するトルクリミッタ機構と、
    このトルクリミッタ機構を介して伝達された前記モータの動力を前記クラッチ手段に伝達し、前記第一伝達列による動力の伝達を「継」状態とする第二伝達列と、
    前記モータの動力が伝達されたときの動作方向と反対の方向である、前記第一伝達列による動力の伝達を「断」状態とする方向に前記第二伝達列を付勢する付勢手段と、を備え、
    前記第二伝達列は、
    第一歯車およびこの第一歯車に係合する第二歯車を有し、
    前記第二歯車が有する歯部が内歯である前記第一歯車の内扇歯部に噛合することにより、前記第二歯車の回転軸が前記内扇歯部のピッチ円の内側に位置していることを特徴とするモータアクチュエータ。
  2. 前記第二歯車は、前記内扇歯部に噛合する相対的に小径の小径歯部およびこの第一歯部よりも大径の大径歯部を有する複合歯車であり、
    前記内扇歯部および前記大径歯部は、ともに、180度未満の扇状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータアクチュエータ。
  3. 前記第一歯車および前記第二歯車には、前記第一歯車と前記第二歯車の相対位置を所定の位置に合わせる位置合わせ機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のモータアクチュエータ。
  4. 前記第二歯車には、前記モータのロータが逆回転した場合にこのロータに接触しそれ以上の逆回転を防止する逆回転防止部が設けられており、
    前記位置合わせ機構は、前記第二歯車が前記クラッチ手段に前記モータの動力を伝達している状態における前記第一歯車の内扇歯部と前記第二歯車の小径歯部の噛合位置と、前記ロータに前記逆回転防止部が接触している状態における前記第一歯車の内扇歯部と前記第二歯車の小径歯部の噛合位置との間の位置で、前記第一歯車の内扇歯部と前記第二歯車の小径歯部を噛合させることにより両歯車の相対位置を所定の位置に合わせるように設けられていることを特徴とする請求項3に記載のモータアクチュエータ。
  5. 前記位置合わせ機構は、
    前記第一歯車の内扇歯部および前記第二歯車の小径歯部の一方が有する一つの歯であって、歯の一部が窪んだ欠歯と、
    前記第一歯車の内扇歯部および前記第二歯車の小径歯部の他方が有する一つの歯溝であって、溝の底から径方向に突出した突起が形成された埋歯溝と、を有し、
    前記第一歯車と前記第二歯車の相対位置を所定の位置に合わせたときには、前記欠歯の窪みに前記埋歯溝の突起が係合することによって前記欠歯と前記埋歯溝が噛合する一方、
    前記第一歯車と前記第二歯車の相対位置が所定の位置以外のときには、前記埋歯溝の突起によって前記第一歯車の内扇歯部および前記第二歯車の小径歯部の一方における前記欠歯以外の歯と前記埋歯溝との噛合が阻止されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のモータアクチュエータ。
  6. 前記モータは、円筒状のステータの内側にロータが位置するインナーロータタイプのモータであり、
    前記第一歯車および前記第二歯車は、前記円筒状のステータにおける軸方向端面の一方側に固定された軸に支持されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータアクチュエータ。
  7. 前記トルクリミッタ機構は、前記ロータのモータと一体的に回転する磁石および非磁性体の一方と、前記第二伝達列を構成する誘導回転体と一体的に回転する磁石および非磁性体の他方と、を有し、
    前記磁石および非磁性体の一方と前記磁石および非磁性体の他方との間に生ずる電磁力により、前記モータの動力を一定の結合力で前記誘導回転体に伝達するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項6のいずれか一項に記載のモータアクチュエータ。
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