JP2013228073A - ディスクブレーキ - Google Patents

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圭介 南里
Shintaro Tsujimi
信太郎 辻見
Junichi Nagasawa
潤一 長澤
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Abstract

【課題】ピストンを軽量化することができるディスクブレーキの提供。
【解決手段】ピストン6が、ブレーキパッド29に対向する底部52とシリンダボア18,19内に配置される筒部51とを有する有底筒状に形成され、底部52の内底面54および筒部51の内周面55にはブレーキ液だけが接触し、底部52にはブレーキパッド29に当接する環状の当接部66が形成され、筒部51のシール部材48が当接する部位の肉厚寸法は、当接部66の径方向寸法よりも小さく形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、二輪車や四輪自動車等の車両を制動するためのディスクブレーキに関する。
有底筒状のピストンでブレーキパッドを押圧してディスクロータに接触させるディスクブレーキがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−10136号公報
上記のディスクブレーキにおいては、ピストンが筒部でブレーキパッドに当接するようになっている。このため、当接面積を確保するためにはピストンの筒部に肉厚(径方向寸法)がある程度必要であり、このため、ピストンが重くなってしまう可能性があった。
したがって、本発明は、ピストンを軽量化することができるディスクブレーキの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ピストンが、ブレーキパッドに対向する底部とシリンダボア内に配置される筒部とを有する有底筒状に形成され、前記底部の内底面および前記筒部の内周面にはブレーキ液だけが接触し、前記底部には前記ブレーキパッドに当接する環状の当接部が形成され、前記筒部のシール部材が当接する部位の肉厚寸法が、前記当接部の径方向寸法よりも小さく形成される構成とした。
本発明のディスクブレーキによれば、ピストンを軽量化することができる。
本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを示す平面図である。 本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを示す正面図である。 本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを示す断面図である。 本発明に係る一実施形態のディスクブレーキのピストンを示すもので、(a)は正面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)は背面図である。 ディスクブレーキのピストンおよびシリンダボアを示す断面図であって、(a)は従来構造を、(b)は本発明に係る一実施形態の構造を示すものである。 本発明に係る一実施形態のディスクブレーキのピストンの変形例を示す断面図である。
本発明に係る一実施形態のディスクブレーキを図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示す本実施形態のディスクブレーキ1は、自動二輪車の前輪制動用のディスクブレーキである。なお、これに限らず、例えば自動二輪車の後輪制動用や四輪自動車の制動用のディスクブレーキにも勿論適用可能である。
このディスクブレーキ1は、制動対象となる車輪とともに回転するディスクロータ2と、このディスクロータ2に摩擦抵抗を付与するキャリパ3とを備えている。
キャリパ3は、ディスクロータ2の外周側を跨いだ状態で車両の非回転部に取り付けられるキャリパ本体5を有している。また、キャリパ3には、図3に示すように、ディスクロータ2に対向するようにキャリパ本体5内に配置されるピストン6が、ディスクロータ2の軸方向両側に対をなして設けられており、このように対をなすピストン6が、ディスクロータ2の周方向に所定の間隔をあけて複数対、具体的には二対設けられている(図3において断面とした関係上一対のみ図示している)。よって、キャリパ3は、対向ピストン型の4ポットキャリパとなっている。なお、以下においては、車両への取付状態をもって説明し、この取付状態におけるディスクロータ2の径方向をディスク径方向と称し、ディスクロータ2の軸線方向をディスク軸方向と称し、ディスクロータ2の円周方向(回転方向)をディスク周方向と称す。
キャリパ本体5は、図2に示すように、ディスク周方向に沿って長い形状をなすとともにディスクロータ2のアウタ側(車輪に対し反対側)に配置されるシリンダ部10と、ディスク周方向に沿って長い形状をなすとともに図1に示すようにディスクロータ2のインナ側(車輪側)に配置されるシリンダ部11と、シリンダ部10およびシリンダ部11のそれぞれのディスク径方向外側からディスクロータ2の外周側へ延びてシリンダ部10とシリンダ部11とをディスクロータ2の径方向外側で結ぶブリッジ部12とが一体的に形成されたものである。
ここで、ブリッジ部12は、ディスク周方向両側に配置される一対のブリッジ構成部15およびブリッジ構成部15と、ディスク周方向におけるこれらの間位置に配置されるブリッジ構成部16とからなっている。その結果、ブリッジ部12には、ディスク周方向一側のブリッジ構成部15とブリッジ構成部16との間と、ディスク周方向逆側のブリッジ構成部15とブリッジ構成部16との間とに、それぞれ、ディスク径方向に貫通する開口部17が形成されている。
図3に示すように、キャリパ本体5のシリンダ部10には、ディスクロータ2に対向する側に開口するようにシリンダボア18が形成されており、シリンダ部11には、ディスクロータ2に対向する側に開口するようにシリンダボア19が形成されている。これらシリンダボア18,19は中心軸線を一致させて設けられており、このように対をなすシリンダボア18,19が、ディスク周方向に間隔をあけて複数対、具体的には二対形成されている(図3において断面とした関係上一対のみ図示している)。シリンダボア18,19は略同形状をなしており、シリンダボア18,19のそれぞれに共通のピストン6が移動可能に配置されている。シリンダボア18,19の各対は、キャリパ本体5におけるディスク周方向の図1に示す各開口部17の位置に形成されている。
アウタ側のシリンダ部10には、ディスク周方向の中央位置に、給排口20が穿設されている。この給排口20には、外部からブレーキ液を給排するための図示略のブレーキホースが接続される。この給排口20は、ディスク周方向両側にある図3に示すアウタ側のシリンダボア18に連通している。インナ側のシリンダ部11には、ディスク周方向両側のシリンダボア19同士を連通させる図示略の連通路が形成されている。
図1および図2に示すように、一方のブリッジ構成部15のディスク径方向外側には、ディスク周方向外方かつアウタ側かつディスク径方向外方に指向して突出する略円柱状の通路用凸部21が形成されており、図1に示すように、この通路用凸部21のインナ側に、ディスク周方向外方かつインナ側かつディスク径方向外方に指向して一部突出する略円柱状の通路用凸部22が形成されている。
通路用凸部21には、図示略の連通路がシリンダ部11の方向に形成されており、その外側部分にエア抜き用のブリーダプラグ23が取り付けられている。通路用凸部22には、図示略の連通路がシリンダ部10の方向に形成されており、その外側部分にこの連通路を封止する球状の閉塞プラグ24が取り付けられている。これらの連通路はキャリパ本体5内で交差しており、ディスク周方向の通路用凸部21側の図3に示すシリンダボア18とシリンダボア19とを連通させる。上記した各連通路によって、図1に示す給排口20に導入されるブレーキ液は、アウタ側のシリンダ部10のディスク周方向両側の図3に示すシリンダボア18と、インナ側のシリンダ部11のディスク周方向両側の図3に示すシリンダボア19とに供給される。
図1に示すように、アウタ側のシリンダ部10には、ディスク周方向両側に、ディスクロータ2の中心とキャリパ本体5のディスク周方向の中心とを通る線に対し平行をなしてディスク径方向に沿う一対のマウント穴26およびマウント穴26が貫通形成されている。キャリパ3は、これらのマウント穴26およびマウント穴26に挿通される図示略の取付ボルトで車両の車体側に固定される、いわゆるラジアルマウントタイプとなっている。
キャリパ本体5には、ディスク軸方向に沿ってシリンダ部10およびシリンダ部11間に橋架されるパッドピン28が複数具体的には二本、ディスク周方向に離間して取り付けられている。各パッドピン28は、各開口部17の位置にそれぞれ設けられている。
各パッドピン28は、図3に示すブレーキパッド29を一対ずつディスク軸方向に移動可能に吊持している。各ブレーキパッド29は、ディスクロータ2に接触する摩擦材30と、摩擦材30が貼着された裏板31と、背面を覆うように裏板31に取り付けられるシムプレート32とを有している。対をなして同じ図1に示すパッドピン28に支持される図3に示すブレーキパッド29の対は、両対ともディスクロータ2を挟んで両側に、摩擦材30をディスクロータ2に対向させる向きで取り付けられている。なお、ブレーキパッド29のディスク径方向外側には、これらブレーキパッド29を押圧する図1に示すパッドスプリング33が設けられている。
図3に示すように、シリンダボア18の内周面は、ピストン6を摺動可能に嵌合させる嵌合内径部35と、嵌合内径部35よりも奥側にある、嵌合内径部35よりも大径の大径内径部36とを有している。また、嵌合内径部35の軸線方向における中間位置には、嵌合内径部35よりも大径の環状の液圧シール溝(環状溝)37が形成されており、この液圧シール溝37よりもディスクロータ2側にも嵌合内径部35よりも大径の環状のダストシール溝38が形成されている。両シール溝37,38のうちシリンダボア18の底側の液圧シール溝37は、開口側のダストシール溝38よりも、溝底の径が大径であり軸方向の溝幅も広くなっている。
シリンダボア19の内周面も、ピストン6を摺動可能に嵌合させる嵌合内径部40と、嵌合内径部40よりも奥側にある、嵌合内径部40よりも大径の大径内径部41とを有している。また、嵌合内径部40の軸線方向における中間位置には、嵌合内径部40よりも大径の環状の液圧シール溝(環状溝)42が形成されており、この液圧シール溝42よりもディスクロータ2側にも嵌合内径部40よりも大径の環状のダストシール溝43が形成されている。両シール溝42,43のうちシリンダボア19の底側の液圧シール溝42は、開口側のダストシール溝43よりも、溝底の径が大径であり軸方向の溝幅も広くなっている。
液圧シール溝37には、シリンダボア18に嵌合するピストン6の外周面44に当接してこのピストン6とシリンダボア18との間の液圧室45を密封するピストンシール(シール部材)48が嵌合されており、液圧シール溝42にも、シリンダボア19に嵌合するピストン6の外周面44に当接してこのピストン6とシリンダボア19との間の液圧室46を密封する上記と共通のピストンシール48が嵌合されている。
ダストシール溝38には、シリンダボア18に嵌合するピストン6の外周面44に当接してこのピストン6とシリンダボア18との間にダストが進入するのを規制するダストシール49が嵌合されており、ダストシール溝43にも、シリンダボア19に嵌合するピストン6の外周面44に当接してこのピストン6とシリンダボア19との間にダストが進入するのを規制する上記と共通のダストシール49が嵌合されている。ピストンシール48は、ダストシール49よりも、外径が大径であり軸方向の厚さも厚くなっている。
ピストン6は、円筒状の筒部51と、筒部51の一端側を閉塞する底部52とを有する有底筒状つまりカップ形状をなしており、筒部51の底部52とは反対側が開口部53となっている。ピストン6は、底部52をブレーキパッド29に対向させる状態で、筒部51においてシリンダボア18,19内に配置されている。底部52の内底面54および筒部51の内周面55は、液圧室45,46を構成することになり、図1に示す給排口20から図示略の連通路を介して図3に示すシリンダボア18,19の液圧室45,46内に導入されるブレーキ液だけが接触するものである。つまり、本実施形態のキャリパ3は、液圧室45,46内に他の部材(例えばパーキングブレーキ機構を構成する部材等)が設けられるものではなく、よって、ピストン6の底部52の内底面54および筒部51の内周面55に他の部材が接触することがない構造となっている。
図4に示すように、ピストン6の底部52の外底面57は、その中央範囲に凹部57aが形成されている。凹部57aの中央部は、中央側ほど筒部51から軸方向に離れるように球面状に膨出する凸面部61となっている。また、凹部57aの外周側は、凸面部61の外周縁部から径方向外側ほど筒部51とは軸方向の反対側に位置するようにテーパ状に延出するテーパ面部62を有している。さらに、外底面57は、凹部57a径方向外側、すなわち、テーパ面部62の外周縁部から径方向外側に、ピストン6の中心軸に直交する円環平面状をなして延出する当接面部63と、この当接面部63の外周縁部から径方向外側ほど軸方向の筒部51側に位置するように断面円弧状に傾斜して筒部51の外周面44に繋がるR面取部65とを有している。
テーパ面部62、当接面部63およびR面取部65は、円環状をなして凸面部61よりも筒部51とは軸方向の反対側に突出する当接部66を構成しており、この当接部66の周囲部分にはR面取部65が形成されている。ピストン6は、その最大外径よりも少し小径となる当接面部63において、図3に示すように、ブレーキパッド29のシムプレート32に当接してブレーキパッド29を押圧する。
図4に示すように、ピストン6の底部52の内底面54は、ピストン6の中心側ほど筒部51から軸方向に離れるように球面状に凹む凹面部67と、凹面部67の外周縁部から径方向外側ほど軸方向の筒部51側に位置するように断面円弧状に傾斜して筒部51の内周面55に繋がる湾曲面部68と、これら凹面部67および湾曲面部68から軸方向の筒部51側に突出する補強部69とを有している。補強部69は、凹面部67の中央から軸方向の筒部51側に突出する中央突出部70と、中央突出部70の外側にて凹面部67および湾曲面部68から軸方向の筒部51側に突出する複数具体的には6本のリブ71とを有している。これらリブ71は、それぞれがピストン6の径方向に沿うようにしてピストン6の円周方向に等間隔で形成されており、言い換えれば、中央突出部70を中心に放射状に延出している。リブ71の中央突出部70とは反対側の端部は筒部51の内周面55に繋がっている。
凹面部67と同様、補強部69の凹面部67とは反対側の面も、ピストン6の中心側ほど筒部51から軸方向に離れるように球面状に凹む形状をなしている。底部52の内底面54は、その凹面部67が球面状に形成されており、また、この内底面54にはリブ71が放射状に形成されている。
ピストン6の筒部51の外周面44は、一定径の円筒面からなる外筒面部72と、外筒面部72の底部52とは反対側の端縁部から、底部52とは反対側ほど径方向内側に位置するように断面円弧状に傾斜するR面取部73とを有している。筒部51の外周面44は、外筒面部72が底部52の外底面57のR面取部65に繋がっている。
ピストン6の筒部51の内周面55は、一定径の円筒面からなる内筒面部75と、内筒面部75の底部52とは反対側の端縁部から、底部52とは反対側ほど径方向外側に位置するように断面円弧状に傾斜するR面取部76とを有している。筒部51の内周面55は、内筒面部75が底部52の内底面54の湾曲面部68に繋がっている。また、筒部51の内周面55は、R面取部76が外周面44のR面取部73に繋がっている。R面取部73は、R面取部76よりも、ピストン6の径方向の幅およびピストン6の軸方向の長さが両方とも大きくなっている。
筒部51の底部52とは反対側の端部には、筒部51を径方向に貫通する複数具体的には6カ所の切欠部77が円周方向に等間隔で形成されている。これら切欠部77は、円周方向に隣り合うリブ71同士の中央位置にそれぞれ配置されるように形成されている。
上記した筒部51の肉厚は薄肉にされており、外筒面部72と内筒面部75との間の径方向寸法t、すなわち肉厚寸法tが、当接部66の当接面部63の径方向寸法Wよりも小さく形成されている。ここで、ピストン6は、図3に示すように、シリンダボア18,19に配置された状態で、外筒面部72および内筒面部75が、液圧シール溝37,42つまりピストンシール48とディスク軸方向の位置が合うことになり、よって、外筒面部72と内筒面部75との間の図4に示す肉厚寸法tが、図3に示す筒部51のピストンシール48が当接する部位の肉厚寸法となる。また、ピストン6は、液圧シール溝37,42つまりピストンシール48よりもディスク軸方向のブレーキパッド29側(ディスクロータ2側)に底部52が配置されている。
以上のディスクブレーキ1においては、キャリパ3のシリンダボア18,19内の液圧室45,46がブレーキ液で満たされており、制動時にさらに液圧室45,46にブレーキ液が導入されると、シリンダボア18,19内にそれぞれ設けられたピストン6がこのブレーキ液の液圧によってシリンダボア18,19内でディスクロータ2の方向に移動する。すると、各ピストン6が、ディスクロータ2との間に設けられたブレーキパッド29を押圧してこれをディスクロータ2に押し付け、その結果、車両に制動力を発生させることになる。
以上に述べた本実施形態のディスクブレーキ1によれば、有底筒状のピストン6が、底部52でブレーキパッド29に対向するため、筒部51の肉厚に関係なくブレーキパッド29との当接面積を確保することができる。また、ブレーキ液圧を受けても筒部51に圧縮応力が発生しにくくなり、筒部51の肉厚を薄くすることができる。よって、筒部51のピストンシール48が当接する部位の肉厚寸法tを、当接部66の径方向寸法Wよりも小さく形成することができる。したがって、ピストン6を軽量化することができ、ピストン6の応答性能を向上させることができる。また、ブレーキ液圧によるピストン6の変形量が少なくなるため、キャリパ3のブレーキ液圧に対する剛性を向上させることができる。さらに、液圧シール溝37,42つまりピストンシール48よりもブレーキパッド29側に底部52が配置されているため、ブレーキパッド29からの摩擦熱の多くを底部52から容量の増えたブレーキ液に逃がすことができ、筒部51を介してピストンシール48側に伝わる熱を低減できる。よって、ピストンシール48の温度を低下でき、液圧解除時にピストン6を戻す等のピストンシール48の動的性能を向上できる。加えて、ブレーキ液の局所的な温度上昇を抑制できるため、エア発生(脱気)やベーパーロックの発生を抑制できる。さらに、ブレーキ液を多くキャリパ3内に保持できるため、例えば比熱および熱交換(対流)性能の高いブレーキ液を用いれば、キャリパ3の熱容量を効率良く増やすことができる。
つまり、従来は、図5(a)に示すように、ピストン6’の筒部51’でブレーキパッド29’に当接するようになっており、ブレーキパッド29’と当接する当接面部63’の面積を確保する点と、底部52’の筒部51’とは反対側でブレーキ液圧P’を受けることにより比較的大きくなる筒部51’の圧縮応力に対する強度確保の点とから、筒部51’の肉厚が厚くなってしまっている。また、ブレーキパッド29’からの熱が矢印H’で示すように筒部51’を伝わるため、筒部51’からピストンシール48’に伝わり易くなっている。これに対し、本実施形態では、図5(b)に示すように、ピストン6が底部52でブレーキパッド29に対向するため、筒部51の肉厚に関係なくブレーキパッド29と当接する当接面部63の面積を確保することができ、また、ブレーキ液圧Pを受けても、筒部51に圧縮応力が発生しにくいため、筒部51の肉厚を薄くすることができる。また、ブレーキパッド29からの熱の多くを矢印Hで示すように底部52からブレーキ液に逃がすことができ、ピストンシール48側に伝わる熱を低減できる。
また、ピストン6は、当接面部63の面積を確保しても当接部66の周囲部分にR面取部65を形成することができるため、電気メッキの付き回り性が向上し、外装コストを低減することができる。
また、ピストン6は、筒部51の底部52とは反対側の端部に径方向に貫通する切欠部77が形成されているため、ピストン6のシリンダボア18,19の底面への張り付きを簡素な形状で防止することができる。
また、ピストン6は、底部52の内底面54の凹面部67が球面状に凹んで形成されているため、ブレーキ液圧により生じる圧縮応力に対する強度を確保することができる。
また、ピストン6は、底部52の内底面54にリブ71が放射状に形成されているため、ブレーキ液圧により生じる圧縮応力に対する強度を確保することができる。
なお、ピストン6が受けるブレーキ液圧が低い場合等は、図6(a)に示すように、ピストン6の内底面54を、上記した補強部69をなくして凹面部67および湾曲面部68のみとすることが可能である。また、図6(b)に示すように、底部52の内底面54の凹面部67にかえて平坦面67aを形成し、外底面57の凸面部61にかえて平坦面61aを形成しても良く、さらには、底部52の平坦面67aに補強部69と同様の補強部を形成しても良い。
また、図6(c)に示すように、補強部69のリブ71を筒部51の内周面55に沿うように延ばして筒部51を補強しても良い。このように構成した場合、ピストン6の外周面44の加工(研磨加工)に対するピストン6の剛性が高くなり、寸法精度を向上できる。
さらに、図6(d)に示すように、図6(b)と同様に外底面57の凹部57a内を平坦面61aとし、底部52をピストン6の軸方向中央寄りに配置するようにしてもよい。このように構成した場合、底部52が、ブレーキパッド29から離れるため、ブレーキパッド29から伝わる熱を低減できる。
以上の実施形態においては、対向ピストン型のキャリパを例にとり説明したが、少なくとも一側のブレーキパッドをピストンでディスクロータに押圧する構造のものであれば、例えば、一側のブレーキパッドをピストンで、他側のブレーキパッドをキャリパ本体の爪部で押圧するピンスライド型のキャリパ等にも適用可能である。
以上に述べた本実施形態は、ディスクロータを挟んで両側に配置されるブレーキパッドと、該ブレーキパッドのうち少なくとも一側のブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧するピストンと、一側が開口して前記ピストンが移動可能に配置されブレーキ液が供給されるシリンダボアと、該シリンダボアの内周面の環状溝に設けられるシール部材と、を備え、前記ピストンは、前記ブレーキパッドに対向する底部と前記シリンダボア内に配置される筒部とを有する有底筒状に形成され、前記底部の内底面および前記筒部の内周面にはブレーキ液だけが接触し、前記底部には前記ブレーキパッドに当接する環状の当接部が形成され、前記筒部の前記シール部材が当接する部位の肉厚寸法は、前記当接部の径方向寸法よりも小さく形成されていることを特徴とする。これにより、有底筒状のピストンが、底部でブレーキパッドに対向するため、筒部の肉厚に関係なくブレーキパッドとの当接面積を確保することができる。また、筒部に圧縮応力が発生しにくくなり、筒部の肉厚を薄くすることができる。よって、筒部のシール部材が当接する部位の肉厚寸法を、当接部の径方向寸法よりも小さい薄肉に形成することができる。したがって、ピストンを軽量化することができ、ピストンの応答性能を向上させることができる。また、加圧によるピストンの変形量が少なくなるため、キャリパのブレーキ液圧に対する剛性を向上させることができる。さらに、ブレーキパッドからの熱の多くを底部からブレーキ液に逃がすことができ、筒部を介してシール部材側に伝わる熱を低減できるため、シール部材の温度を低下でき、その動的性能を向上できる。また、ブレーキ液の局所的な温度上昇を抑制できるため、エア発生(脱気)やベーパーロックの発生を抑制できる。また、ブレーキ液を多くキャリパ内に保持できるため、比熱および熱交換(対流)性能の高いブレーキ液を用いること等で、キャリパの熱容量を効率良く増やすことができる。
また、前記底部の前記当接部の周囲部分にR面取りが形成されていることを特徴とする。このように、当接部の面積を確保しても当接部の周囲部分にR面取りを形成することができるため、電気メッキの付き回り性が向上し、外装コストを低減することができる。
また、前記筒部の前記底部とは反対側の端部に径方向に貫通する切欠部が形成されていることを特徴とする。これにより、ピストンのシリンダボアの底面への張り付きを簡素な形状で防止することができる。
また、前記底部の前記内底面が球面状に凹んで形成されていることを特徴とする。これにより、ブレーキ液圧により生じる圧縮応力に対する強度を確保することができる。
また、前記底部の前記内底面にリブが放射状に形成されていることを特徴とする。これにより、ブレーキ液圧により生じる圧縮応力に対する強度を確保することができる。
1 ディスクブレーキ
2 ディスクロータ
6 ピストン
18,19 シリンダボア
29 ブレーキパッド
37,42 液圧シール溝(環状溝)
48 ピストンシール(シール部材)
51 筒部
52 底部
54 内底面
55 内周面
65 R面取部
66 当接部
71 リブ
77 切欠部
t 筒部のシール部材が当接する部位の肉厚寸法
W 当接部の径方向寸法

Claims (5)

  1. ディスクロータを挟んで両側に配置されるブレーキパッドと、
    該ブレーキパッドのうち少なくとも一側のブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧するピストンと、
    一側が開口して前記ピストンが移動可能に配置されブレーキ液が供給されるシリンダボアと、
    該シリンダボアの内周面の環状溝に設けられるシール部材と、
    を備え、
    前記ピストンは、
    前記ブレーキパッドに対向する底部と前記シリンダボア内に配置される筒部とを有する有底筒状に形成され、
    前記底部の内底面および前記筒部の内周面にはブレーキ液だけが接触し、
    前記底部には前記ブレーキパッドに当接する環状の当接部が形成され、
    前記筒部の前記シール部材が当接する部位の肉厚寸法は、前記当接部の径方向寸法よりも小さく形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記底部の前記当接部の周囲部分にR面取りが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記筒部の前記底部とは反対側の端部に径方向に貫通する切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ。
  4. 前記底部の前記内底面が球面状に凹んで形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のディスクブレーキ。
  5. 前記底部の前記内底面にリブが放射状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のディスクブレーキ。
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