JP7170573B2 - フローティング型ディスクブレーキ - Google Patents

フローティング型ディスクブレーキ Download PDF

Info

Publication number
JP7170573B2
JP7170573B2 JP2019058258A JP2019058258A JP7170573B2 JP 7170573 B2 JP7170573 B2 JP 7170573B2 JP 2019058258 A JP2019058258 A JP 2019058258A JP 2019058258 A JP2019058258 A JP 2019058258A JP 7170573 B2 JP7170573 B2 JP 7170573B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
pistons
pad
axial direction
cylinders
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019058258A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020159428A (ja
Inventor
荘悟 真下
康平 野間
忠相 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akebono Brake Industry Co Ltd filed Critical Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority to JP2019058258A priority Critical patent/JP7170573B2/ja
Priority to PCT/JP2020/012067 priority patent/WO2020196178A1/ja
Publication of JP2020159428A publication Critical patent/JP2020159428A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7170573B2 publication Critical patent/JP7170573B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D55/00Brakes with substantially-radial braking surfaces pressed together in axial direction, e.g. disc brakes
    • F16D55/02Brakes with substantially-radial braking surfaces pressed together in axial direction, e.g. disc brakes with axially-movable discs or pads pressed against axially-located rotating members
    • F16D55/22Brakes with substantially-radial braking surfaces pressed together in axial direction, e.g. disc brakes with axially-movable discs or pads pressed against axially-located rotating members by clamping an axially-located rotating disc between movable braking members, e.g. movable brake discs or brake pads
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/02Braking members; Mounting thereof

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Description

本発明は、車両の制動を行うためのフローティング型ディスクブレーキに関する。
図16は、実開昭57-1922号公報に記載された、従来構造のフローティング型ディスクブレーキを示している。フローティング型ディスクブレーキ1は、サポート2と、ヨーク(キャリパ)3と、インナ、アウタ両パッド4、5とを備えている。
サポート2は、車輪とともに回転するロータ6の軸方向内側に隣接して配置され、車体を構成するナックルなどの懸架装置に固定される。
なお、本明細書及び特許請求の範囲全体で、「軸方向」、「径方向」及び「周方向」とは、特に断らない限り、ロータの軸方向、径方向及び周方向をいう。また、フローティング型ディスクブレーキを車体に取り付けた状態で、車体の幅方向外側を軸方向外側といい、車体の幅方向中央側を軸方向内側という。
ヨーク3は、軸方向外側部に二股状の爪部7を、軸方向内側部にシリンダ部8をそれぞれ有している。シリンダ部8の内側には、1つのピストン9が軸方向の移動を可能に嵌装されている。ヨーク3は、1対のスライドピン10を利用して、サポート2に対し軸方向に関する移動を可能に支持されている。1対のスライドピン10は、それぞれの基端部をヨーク3に固定しており、それぞれの先半部をサポート2に備えられたスライド孔11に摺動可能に挿入している。
インナパッド4は、ロータ6の軸方向内側に配置されており、サポート2に対して軸方向に関する移動を可能に支持されている。これに対し、アウタパッド5は、ロータ6の軸方向外側に配置されており、サポート2に対して軸方向に関する移動を可能に支持されている。
制動を行う際には、マスタシリンダからシリンダ部8へと圧油を送り込み、ピストン9によりインナパッド4を、ロータ6の軸方向内側面に、図16の上方から下方へと押し付ける。すると、この押し付け力の反作用として、ヨーク3が、スライドピン10とスライド孔11との摺動に基づいて、図16の上方に移動する。そして、爪部7が、アウタパッド5をロータ6の軸方向外側面に押し付ける。この結果、ロータ6が軸方向両側から強く挟持されて、制動が行われる。
実開昭57-1922号公報 特開昭57-54738号公報
たとえば大型のSUV車やスポーツカーなどの車両では、大きな制動力が必要になることから、直径の大きいロータを使用するとともに、周方向長さが長く、面積の大きいパッドを使用することが行われている。このように周方向長さの長いパッドを使用する場合、前述した従来構造のフローティング型ディスクブレーキのように、インナパッドを1つのピストンのみで押圧する構造では、インナパッドは、その周方向中間部のみを押圧されることになるため、ロータに対するインナパッドの面圧に大きな偏りが生じてしまう。
そこで、ロータに対するインナパッドの面圧の偏りを低減するために、特開昭57-54738号公報に記載された構造のように、インナパッドを、周方向に配置した複数のピストンにより押圧することが考えられる。ただし、この場合には、使用するピストンの数に応じて、ピストンを嵌装するシリンダ部を備えたヨーク全体の形状を変更する必要があり、設計変更に要するコストが嵩みやすくなる。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロータに対するインナパッドの面圧の偏りを低減できる構造を、低コストで実現することにある。
本発明のフローティング型ディスクブレーキは、アウタパッドと、インナパッドと、固定部材と、ヨークと、シリンダ部と、第1ピストンと、第2ピストンとを備えている。
前記アウタパッドは、ロータの軸方向外側に配置されている。
前記インナパッドは、前記ロータの軸方向内側に配置されている。
前記固定部材は、前記ロータの軸方向内側に配置され、前記インナパッドを軸方向の移動を可能に支持するとともに、車体に固定されている。
前記ヨークは、軸方向外側部に前記アウタパッドを押圧するための押圧部を、軸方向内側部に被押圧部をそれぞれ有し、前記固定部材に対し軸方向に関する移動を可能に支持されている。
前記シリンダ部は、前記固定部材と一体又は別体に構成され、前記インナパッドと前記被押圧部との間に配置されており、軸方向外側に開口した複数の第1シリンダと、軸方向内側に開口した少なくとも1つの第2シリンダとをそれぞれ有している。
前記第1ピストンは、前記第1シリンダと同数設けられており、前記第1シリンダの内側に軸方向に関する移動を可能に嵌装され、制動時に、前記インナパッドを前記ロータに向けて押圧する。
前記第2ピストンは、前記第2シリンダと同数設けられており、前記第2シリンダの内側に軸方向に関する移動を可能に嵌装され、制動時に、前記被押圧部を前記ロータから離れる方向に押圧する。
特に本発明では、前記第1ピストンの数を、前記第2ピストンの数よりも多くしている。
なお、本発明では、前記第1ピストン(前記第1シリンダ)は、複数(2つ以上)設けるが、前記第2ピストン(前記第2シリンダ)は、複数に限らず、1つだけ設ける構造を採用できる。
本発明の一態様では、複数の前記第1ピストンを、周方向に配置することができる。また、前記第2ピストンを複数設ける場合には、複数の前記第2ピストンを、周方向又は径方向に配置することができる。
また、本発明の一態様では、前記第2シリンダのシリンダ径(前記第2ピストンのピストン径)を、前記第1シリンダのシリンダ径(前記第1ピストンのピストン径)よりも大きくすることができる。
本発明の一態様では、前記第1ピストンの数を、前記第2ピストンの数よりも1つだけ多くすることができる。この場合には、たとえば、前記第1ピストンを2つ設け、前記第2ピストンを1つだけ設ける構成を採用することもできるし、前記第1ピストンを3つ設け、前記第2ピストンを2つ設ける構成を採用することもできる。
本発明の一態様では、前記第1ピストンの数を、前記第2ピストンの数よりも2つ、あるいは、それ以上多くすることもできる。この場合には、たとえば、前記第1ピストンを3つ設け、前記第2ピストンを1つだけ設ける構成を採用することもできるし、前記第1ピストンを4つ設け、前記第2ピストンを2つ設ける構成を採用することもできる。
本発明の一態様では、少なくとも1つ以上の前記第1シリンダと前記第2シリンダとを、軸方向に重なるように配置し、軸方向に重なるように配置された前記第1シリンダと前記第2シリンダとを、軸方向に連通させることができる。この場合には、たとえば、2つの前記第1シリンダと1つの前記第2シリンダとを、軸方向に連通させる構成を採用することもできるし、3つの前記第1シリンダと1つの前記第2シリンダとを、軸方向に連通させる構成を採用することもできる。
本発明の一態様では、前記第2シリンダのシリンダ中心軸を、周方向に隣接配置された1対の前記第1シリンダのシリンダ中心軸同士の間に配置することができる。
本発明の一態様では、前記複数の第1シリンダを、前記インナパッドの中心(摩擦面中心)と前記ロータの中心とを通るパッド中心線に関して、非対称に設けることができる。
この場合には、前記パッド中心線を挟んで回入側に配置された前記第1シリンダと、前記パッド中心線を挟んで回出側に配置された前記第1シリンダとの、数量、シリンダ径、位置(径方向位置、周方向位置)などを互いに異ならせることができる。
本発明の一態様では、前記第1シリンダのうちで、周方向に関して最も回入側に配置された前記第1シリンダのシリンダ径を、周方向に関して最も回出側に配置された前記第1シリンダのシリンダ径よりも小さくすることができる。これにより、前記インナパッドを前記ロータに向けて押圧する力を、回入側よりも回出側で大きくすることができる。
さらに本発明の一態様では、前記第2ピストンを複数設ける場合には、前記第2シリンダのうちで、周方向に関して最も回入側に配置された前記第2シリンダのシリンダ径を、周方向に関して最も回出側に配置された前記第2シリンダのシリンダ径よりも大きくすることができる。これにより、前記アウタパッドを前記ロータに向けて押圧する力を、回出側よりも回入側で大きくすることができる。
これに対し、前記第2シリンダを1つだけ設ける場合には、前記第2シリンダを、前記第2シリンダのシリンダ中心軸と前記パッド中心線との周方向位置が一致するように配置することができる。
本発明の一態様では、前記第1ピストンの受圧面積の合計と、前記第2ピストンの受圧面積の合計とを、互いに等しくすることができる。
本発明の一態様では、前記第1シリンダのシリンダ中心軸と、前記第2シリンダのシリンダ中心軸とを、径方向にずらして配置することができる。
この場合には、前記第2シリンダのシリンダ中心軸を、前記第1シリンダのシリンダ中心軸よりも、径方向外側に配置することができる。
本発明の一態様では、前記アウタパッドを、前記ヨークを構成する前記押圧部の軸方向内側面に支持する(取り付ける)こともできるし、前記固定部材に対して軸方向の移動を可能に支持することもできる。
本発明によれば、ロータに対するインナパッドの面圧の偏りを低減できる構造を、低コストで実現することができる。
図1は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキを軸方向外側から見た正面図である。 図2は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキを軸方向内側から見た背面図である。 図3は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキを径方向外側から見た平面図である。 図4は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキを周方向から見た側面図である。 図5は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキを示す斜視図である。 図6は、図1のX-X断面図である。 図7は、図1のY-Y断面図である。 図8は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキを、ヨークを省略して示す斜視図である。 図9は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキから、ピストンを備えたシリンダ部及びインナパッドを取り出して、軸方向外側から見た図である。 図10は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキから、ピストンを備えたシリンダ部を取り出して、軸方向外側から見た図である。 図11は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキから、ピストンを備えたシリンダ部を取り出して、軸方向内側から見た図である。 図12は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキから、ピストンを備えたシリンダ部を取り出して、軸方向外側かつ径方向外側から見た示す斜視図である。 図13は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキから、ピストンを備えたシリンダ部を取り出して、軸方向内側かつ径方向外側から見た示す斜視図である。 図14は、実施の形態の第1例にかかるフローティング型ディスクブレーキから、ピストンを備えたシリンダ部を取り出して、周方向から見た側面図である。 図15は、図10のZ-Z断面図である。 図16は、従来構造のフローティング型ディスクブレーキを径方向外方から見た部分断面図である。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1~図15を用いて説明する。
本例のフローティング型ディスクブレーキ1aは、自動車の制動を行うために使用するもので、車輪とともに回転する円板状のロータ6の径方向外方に配置される。フローティング型ディスクブレーキ1aは、大別して、固定部材に相当するサポート2aと、ヨーク3aと、インナ、アウタ両パッド4a、5aと、シリンダ部8aと、1対のスライドピン10aとを備えている。
サポート2aは、フローティング型ディスクブレーキ1aを車体に固定するためのもので、ロータ6の軸方向内側に配置され、ナックルなどの懸架装置に固定される。サポート2aは、金属製で、正面視略U字状に構成されている。サポート2aは、径方向内側部に配置されかつ周方向に延びたサポート基部13と、該サポート基部13の周方向両外側部から径方向外方に延びた1対のサポート腕部14を備えている。サポート基部13の周方向両外側部には、サポート2aを懸架装置に固定するための締結孔15がそれぞれ形成されている。サポート腕部14には、1対のスライドピン10aを固定するための取付孔16が形成されている。また、サポート腕部14のそれぞれの周方向内側面には、制動時にインナパッド4aに作用するブレーキ接線力及びトルクを支承するための係合凹部17が設けられている。
シリンダ部8aは、マスタシリンダから送り込まれた圧油により、嵌装したピストンを押し出す部分であり、インナパッド4aとヨーク3aを構成する後述のインナボディ40との間に配置されている。シリンダ部8aは、ピストンを嵌装するためのシリンダ本体18と、シリンダ本体18から周方向両外側に張り出した1対のシリンダ腕部19と、アンカー20とを備えている。前述した従来構造では、ヨークにシリンダ部が一体に設けられていたが、本例の構造では、ヨーク3aとシリンダ部8aとが互いに別体に構成されている。
シリンダ本体18は、軸方向外側に開口した第1シリンダ21a、21bと、軸方向内側に開口した第2シリンダ22とをそれぞれ有している。このために、シリンダ本体18は、その軸方向外半部に、第1シリンダ21a、21bを内部に備えたアウタ側シリンダ本体部23を有しており、その軸方向内半部に、第2シリンダ22を内部に備えたインナ側シリンダ本体部24を有している。アウタ側シリンダ本体部23は、径方向幅に比べて周方向幅が大きい正面視略楕円形状を有しているのに対し、インナ側シリンダ本体部24は、略円筒形状を有している。このため、シリンダ本体18は、軸方向外半部と軸方向内半部とで、内部構造が異なるだけでなく、外部形状も異なっている。シリンダ本体18の軸方向中間部の径方向外側部には、インナ側シリンダ本体部24を周方向両側から挟むように、ブレーキホースが接続される配管口25と、ブリーダ26とが設けられている。
第1シリンダ21a、21b及び第2シリンダ22は、それぞれ円柱状の空間を構成している。特に本例では、第1シリンダ21a、21bと第2シリンダ22とを、互い同じ数だけ設けずに、第1シリンダ21a、21bの数を第2シリンダ22の数よりも多くしている。具体的には、第1シリンダ21a、21bを2つ設けるのに対して、第2シリンダ22を1つだけ設けて、第1シリンダ21a、21bの数を、第2シリンダ22の数よりも1つだけ多くしている。
2つの第1シリンダ21a、21bは、図9に示すように、インナパッド4aの中心(摩擦面中心、図心)O4aとロータ6の中心とを通るパッド中心線Aを挟んで、周方向に離隔して配置されている。2つの第1シリンダ21a、21bのうち、回入側(図9の右側)に配置された第1シリンダ21aのシリンダ中心軸O21aと、回出側(図9の左側)に配置された第1シリンダ21bのシリンダ中心軸O21bとは、径方向位置が互いに同じであり、かつ、パッド中心線Aからの周方向距離も互いに同じである。ただし、回入側に配置された第1シリンダ21aのシリンダ径(内径)d21aは、回出側に配置された第1シリンダ21bのシリンダ径d21bよりも小さい(d21a<d21b)。図示の例では、回入側の第1シリンダ21aのシリンダ径は、回出側の第1シリンダ21bのシリンダ径の0.9倍程度である。このため、2つの第1シリンダ21a、21bは、パッド中心線Aに関して、非対称に設けられている。なお、回入側とは、車両の前進時に、フローティング型ディスクブレーキ1aに対してロータ6が入り込む側をいい、回出側とは、車両の前進時に、フローティング型ディスクブレーキ1aに対してロータ6が抜け出て行く側をいう。
第2シリンダ22は、シリンダ中心軸O22の周方向位置が、パッド中心線Aの周方向位置と一致する部分に配置されている。このため、図15に示すように、第2シリンダ22のシリンダ中心軸O22は、第1シリンダ21aのシリンダ中心軸O21aと第1シリンダ21bのシリンダ中心軸O21bとの間に配置されている。また、第2シリンダ22のシリンダ径d22は、2つの第1シリンダ21a、21bのいずれのシリンダ径d21a、d21bよりも大きい(d22>d21a、d21b)。
第1シリンダ21a、21bと第2シリンダ22との配置位置及びそれぞれのシリンダ径を、上述のように設定しているため、第2シリンダ22は、2つの第1シリンダ21a、21bに対して、それぞれ軸方向に重なるように配置されており、第2シリンダ22と2つの第1シリンダ21a、21bとは、軸方向にそれぞれ連通している。したがって、第1シリンダ21a、21bのそれぞれの底部27a、27bは、第2シリンダ22から周方向両外側に外れた部分にのみ存在し、第2シリンダ22の底部28は、回入側の第1シリンダ21aと回出側の第1シリンダ21bとの周方向の間部分にのみ存在している。第1シリンダ21a、21bの底部27a、27b及び第2シリンダ22の底部28は、それぞれ平坦面である。また、第1シリンダ21a、21bの底部27a、27bは、互いに同一平面上に存在しているのが、第2シリンダ22の底部28は、第1シリンダ21a、21bの底部27a、27bよりもわずかに軸方向外側に存在している。第1シリンダ21a、21bの底部27a、27bと、第2シリンダ22の底部28とは、互いに平行に配置されている。
また、図14に示すように、第2シリンダ22のシリンダ中心軸O22は、第1シリンダ21a、21bのそれぞれのシリンダ中心軸O21a、O21bよりも径方向外側にずらして配置されている。
第1シリンダ21a、21bの内側には、有底円筒状の第1ピストン(インナピストン)29a、29bを軸方向に関する移動を可能に嵌装しており、第2シリンダ22の内側には、有底円筒状の第2ピストン(アウタピストン)30を軸方向に関する移動を可能に嵌装している。また、第1ピストン29a、29b及び第2ピストン30は、それぞれの底部を、第1シリンダ21a、21b及び第2シリンダ22の奥側に向けて嵌装されている。これにより、シリンダ本体18の内部空間のうち、第1ピストン29a、29bの底面及び第2ピストン30の底面と、第1シリンダ21a、21bの底部27a、27b及び第2シリンダ22の底部28とにより仕切られた空間を、圧油を導入するための油圧室31としている。油圧室31は、配管口25及びブリーダ26にそれぞれ連通している。
第1シリンダ21a、21bと第1ピストン29a、29bとは、互いに同じ数だけ設けられており、第2シリンダ22と第2ピストン30とは、互いに同じ数だけ設けられている。したがって、本例では、第1ピストン29a、29bの数が、第2ピストン30の数よりも1つだけ多い。このように、第1ピストン29a、29bの数を、第2ピストン30の数よりも多くする理由は、以下の通りである。
すなわち、本例のフローティング型ディスクブレーキ1aでは、後に詳述するように、第1ピストン29a、29bはインナパッド4aを直接押圧するため、ロータ6に対するインナパッド4aの面圧の偏りを低減する面からは、第1ピストン29a、29bの数は多いほど好ましい。これに対して、第2ピストン30は、アウタパッド5aを直接押圧するのではなく、ヨーク3aを介して押圧するため、第2ピストン30の数は、第1ピストン29a、29bの場合ほど、ロータ6に対するアウタパッド5aの面圧に影響しない。このような理由から、本例では、第1ピストン29a、29bの数を、第2ピストン30の数よりも多くしている。
2つの第1ピストン29a、29bのうち、回入側に配置された第1ピストン29aのピストン径(直径)は、回出側に配置された第1ピストン29bのピストン径よりも小さい。また、第2ピストン30のピストン径は、第1ピストン29a、29bのいずれのピストン径よりも大きい。さらに本例では、第1ピストン29a、29bの受圧面積(底面面積)の合計と、第2ピストン30の受圧面積(底面面積)とを互いに等しくしている。
第1ピストン29a、29bの先端部(軸方向外端部)と、アウタ側シリンダ本体部23の軸方向外側面のうちで、第1ピストン29a、29bの先端部の周囲に存在する部分との間に、ブーツ32a、32bを架け渡すように設けている。また、第2ピストン30の先端部(軸方向内端部)とインナ側シリンダ本体部24の軸方向内端部との間に、ブーツ33を架け渡すように設けている。
第1ピストン29a、29bの軸方向中端部には、環状のピストンシール34a、34bを外嵌している。ピストンシール34a、34bは、矩形状の断面形状を有しており、第1シリンダ21a、21bの内周面に形成されたシール溝35a、35bの内側に配置されている。また、第2ピストン30の軸方向中端部には、環状のピストンシール36を外嵌している。ピストンシール36は、矩形状の断面形状を有しており、第2シリンダ22の内周面に形成されたシール溝37の内側に配置されている。
シリンダ腕部19は、シリンダ部8をサポート2aに対して固定する部分であり、アウタ側シリンダ本体部23から周方向両外側に張り出している。シリンダ腕部19は、それぞれの先端部に貫通孔である挿通孔38を有している。挿通孔38の中心軸は、第1シリンダ21a、21bのシリンダ中心軸O21a、O21bと径方向位置が同じである。また、挿通孔38の内周面の軸方向内側部には、軸方向外側に向かうほど内径が小さくなるテーパ部が設けられている。
アンカー20は、制動時にアウタパッド5aに作用するブレーキ接線力を支承するためのもので、シリンダ本体18と一体に構成されている。アンカー20は、板形状を有しており、アウタ側シリンダ本体部23の径方向外側部から軸方向外側に向けて水平方向に延びている。アンカー20は、周方向に向いたブレーキ接線力を受けるため、周方向に関する剛性を十分に高める(断面二次モーメントを高くする)べく、軸方向に直交する仮想平面に関する断面形状を、径方向幅よりも周方向幅が大きい長円形状としている。このようなアンカー20は、ロータ6の径方向外側、かつ、後述するヨーク3aのブリッジ部42の径方向内側に配置される。
ヨーク3aは、サポート2aに対して軸方向に関する水平移動を可能に支持され、制動時に、アウタパッド5aをロータ6に押し付けるものである。ヨーク3aは、サポート2a、インナ、アウタ両パッド4a、5a及びシリンダ部8aを、径方向外方から覆うように配置される。ヨーク3aは、金属製又は非金属製で、軸方向から見た形状が弓形状である。このようなヨーク3aは、シリンダ部8aの軸方向内側に配置されたインナボディ40と、アウタパッド5aの軸方向外側に配置されたアウタボディ41と、ロータ6の径方向外側に配置され、インナボディ40とアウタボディ41とを軸方向につなぐブリッジ部42とを備えている。
インナボディ40の周方向中間部には、第2ピストン30により、ロータ6から離れる方向である軸方向内側に押圧される、被押圧部43を備えている。被押圧部43の軸方向外側面は、平坦面状に構成されており、第2ピストン30の円輪状の先端面と軸方向に対向している。インナボディ40の周方向両外側部には、スライドピン10aを摺動可能に挿入するためのスライド孔11aを備えている。スライド孔11aは、インナボディ40の周方向両外側部を軸方向に貫通している。
アウタボディ41の周方向中間部には、アウタパッド5aを押圧するための押圧部44を有している。押圧部44の軸方向内側面には、アウタパッド5aを支持するために、それぞれが有底孔である支持孔45と1対の受孔(ダボ孔)46とを有している。支持孔45は、略矩形状の凹部である。1対の受孔46は、円柱形状の凹部であり、支持孔45の周方向両外側に配置されている。受孔46の内径は、アウタパッド5aに設けられた後述の軸方向突部47の外径よりもわずかに大きい。
ブリッジ部42は、軸方向内側部の周方向中間部に、径方向に貫通したインナ側開口部48を有している。そして、インナ側開口部48から、インナ側シリンダ本体部24、配管口25及びブリーダ26をそれぞれ露出させている。また、ブリッジ部42は、軸方向外側部の周方向中間部に、径方向に貫通したアウタ側開口部49を有している。そして、アウタ側開口部49から、アンカー20の軸方向外端部及びアウタパッド5aの周方向中間部の径方向外側部を露出させている。
ヨーク3aは、1対のスライドピン10aを利用して、サポート2a及びシリンダ部8aに対し、軸方向に関する水平移動を可能に支持されている。具体的には、スライドピン10aを、インナボディ40に設けられたスライド孔11aの内側に軸方向内側から挿入し、スライドピン10aの軸方向内側部をスライド孔11aの内側に摺動可能に配置する。また、スライドピン10aのうちで、スライド孔11aから軸方向外側に突出した部分を、シリンダ腕部19の挿通孔38及びサポート腕部14の取付孔16の順に、軸方向内側から挿入する。そして、スライドピン10aの先端部を、取付孔16の内側に配置されたナット39に対して螺合する。これにより、サポート2aに対して、シリンダ部8を固定するとともに、スライドピン10aを水平に支持する。また、スライドピン10aに対しヨーク3aを軸方向に関する移動を可能に支持する。スライドピン10aのうちで、インナボディ40とシリンダ腕部19との間に露出した部分は、ブーツ50によりその周囲を覆っている。また、スライド孔11aの軸方向内側の開口部には、キャップ51を装着している。
インナパッド4aは、制動時に、ロータ6の軸方向内側面に押し付けられる。インナパッド4aは、ロータ6の軸方向内側に配置されており、ライニング(摩擦材)52と、ライニング52の裏面である軸方向内側面を支持した金属製の裏板(プレッシャプレート)53とを備えている。インナパッド4aは、パッド中心線Aに関して対称な形状を有している。インナパッド4aは、サポート基部13の径方向外側で、かつ、周方向に関して1対のサポート腕部14同士の間部分に配置されており、サポート2aに対し、軸方向に関する水平移動を可能に、かつ、径方向及び周方向に関する移動を制限された状態で支持される。具体的には、裏板53の周方向両外側部に設けた1対の係合凸部54を、1対のサポート腕部14の周方向内側面に備えられた係合凹部17に対し、それぞれ凹凸係合させることで、インナパッド4aをサポート2aに対して支持している。また、インナパッド4aをサポート2aに支持した状態で、裏板53の軸方向内側面には、第1ピストン29a、29bの円輪状の先端面が軸方向にそれぞれ対向する。具体的には、裏板53の軸方向内側面のうち、パッド中心線Aよりも回入側部分に第1ピストン29aの先端面が対向し、パッド中心線Aよりも回出側部分に第1ピストン29bの先端面が対向する。また、インナパッド4aの周方向中間部の径方向外側には、アンカー20が配置される。
アウタパッド5aは、制動時に、ロータ6の軸方向外側面に押し付けられる。アウタパッド5aは、ロータ6の軸方向外側に配置されており、ライニング(摩擦材)55と、ライニング55の裏面である軸方向外側面を支持した金属製の裏板(プレッシャプレート)56とを備えている。裏板56の軸方向外側面には、その周方向中間部に、板ばね製のパッドスプリング57が取り付けられており、パッドスプリング57の周方向両外側には、1対の軸方向突部(ダボ)47が設けられている。軸方向突部47は、それぞれが略円柱状に構成されており、裏板56のうちで軸方向突部47から外れた部分の軸方向外側面よりも軸方向外側に突出している。裏板56の径方向外側部には、1対の径方向突起58a、58bが設けられている。1対の径方向突起58a、58bは、それぞれが略矩形状に構成されており、周方向に離隔して配置されている。
アウタパッド5aを押圧部44の軸方向内側面に支持するには、アウタパッド5aの軸方向外側面に設けた1対の軸方向突部47を、押圧部44の軸方向内側面に形成した1対の受孔46に緩く凹凸嵌合(挿入)するとともに、アウタパッド5aの軸方向外側面に取り付けたパッドスプリング57を、支持孔45の内側に弾性的に係合させる。軸方向突部47を受孔46の内側に挿入することで、アウタボディ41に対するアウタパッド5aの周方向及び径方向の移動を制限する。また、パッドスプリング57を支持孔45に弾性的に係合(スナップフィット係合)させることで、アウタパッド5aの周方向に関する位置決め図る(センタリング機能を発揮させる)とともに、軸方向内側への脱落を防止する。また、アウタパッド5aを押圧部44の軸方向内側面に取り付けた状態で、1対の径方向突起58a、58b同士の間に、アンカー20の軸方向外端部を、軸方向に関する相対移動を可能に配置する。
本例のフローティング型ディスクブレーキ1aにより制動を行うには、シリンダ本体18の油圧室31にマスタシリンダから圧油を導入する。これにより、第1ピストン29a、29bと第2ピストン30とを、軸方向に関して互いに離れる方向にそれぞれ移動させる。具体的には、第1ピストン29a、29bを、シリンダ本体18から軸方向外側に移動させ、第2ピストン30を、シリンダ本体18から軸方向内側に移動させる。そして、2つの第1ピストン29a、29bによりインナパッド4aを、ロータ6の軸方向内側面に、図7の上方から下方に押し付ける。同時に、第2ピストン30によりヨーク3aの被押圧部43を、図7の下方から上方に押し付け、ヨーク3aをサポート2a及びシリンダ部8aに対して、図7の上側に移動させる。これにより、アウタボディ41の押圧部44を介して、アウタパッド5aを、ロータ6の軸方向外側面に、図7の下方から上方に押し付ける。この結果、ロータ6が軸方向両側から強く挟持されて制動が行われる。特に本例では、2つの第1ピストン29a、29bによりインナパッド4aを押圧するため、インナ、アウタ両パッド4a、5aとして、周方向長さが長く、パッド面積が大きいものを使用した場合にも、ロータ6に対するインナパッド4aの面圧の偏りを低減することができる。
インナパッド4a及びアウタパッド5aによりロータ6を軸方向両側から挟持すると、インナパッド4a及びアウタパッド5aにはそれぞれ周方向(回出側)に向いたブレーキ接線力が作用する。インナパッド4aに作用するブレーキ接線力は、サポート2aが直接支承する。これに対し、アウタパッド5aに作用するブレーキ接線力は、アンカー20が直接支承する。なお、制動時には、アウタパッド5aに、アウタパッド5aを回動させようとするモーメントが作用するが、このようなモーメントは、アンカー20によって支承することもできるし、軸方向突部47と受孔46との当接部を介してヨーク3aに伝達することもできる。
制動解除時には、シリンダ本体18の油圧室31から圧油を排出する。これにより、第1ピストン29a、29bは、第1ピストン29a、29bに外嵌したピストンシール34a、34bの弾性復元力によって、第1シリンダ21a、21bの奥側(軸方向内側)へと引き戻される(ロールバックする)。第2ピストン30に関しても、第2ピストン30に外嵌したピストンシール36の弾性復元力により、第2シリンダ22の奥側へと引き戻される。
以上のような本例のフローティング型ディスクブレーキ1aによれば、ロータ6に対するインナパッド4aの面圧の偏りを低減できる構造を、低コストで実現できる。
すなわち、本例では、従来構造では一体に構成されていた、ヨーク3aとシリンダ部8aとを、互いに別体に構成している。このため、ロータ6に対するインナパッド4aの面圧の偏りを低減するために、インナパッド4aを押圧する第1ピストン29a、29bの数を増やしたり(変更したり)、直径を変更したり、配置(周方向位置及び/又は径方向位置)を変更したりする場合にも、シリンダ部8aの形状のみを変更すれば足り、ヨーク3aの形状は変更しなくて済む。したがって、本例によれば、ロータ6に対するインナパッド4aの面圧の偏りを低減できる構造を、低コストで実現できる。
さらに本例では、インナパッド4aを直接押圧することに起因して、その数がロータ6に対するインナパッド4aの面圧に大きな影響を与える第1ピストン29a、29bを、ヨーク3aを介してアウタパッド5aを押圧することに起因して、その数がロータ6に対するアウタパッド5aの面圧に大きな影響を与えない第2ピストン30よりも多くしている。このため、第2ピストン30の数を不必要に増やさずに済む。したがって、部品点数の増加を抑えることができ、コストの上昇を抑えることができる。また、フローティング型ディスクブレーキ1aの重量の増加を抑制することもできる。
また、第1ピストン29a、29bの受圧面積の合計と、第2ピストン30の受圧面積(の合計)とを、互いに等しくしている。このため、第1ピストン29a、29bの数と第2ピストン30の数とは不一致であるが、インナパッド4aがロータ6を押圧する力と、アウタパッド5aがロータ6を押圧する力とを、互いに等しくすることができる。このため、インナパッド4aが押圧する力とアウタパッド5aが押圧する力が異なることで、ロータ6に変形が生じることを防止できる。
また、回入側に配置された第1シリンダ21aのシリンダ径(内径)d21aを、回出側に配置された第1シリンダ21bのシリンダ径d21bよりも小さくしている。このため、回入側の第1ピストン29aがインナパッド4aを押圧する力を、回出側の第1ピストン29bがインナパッド4aを押圧する力よりも小さくできる。したがって、インナ、アウタ両パッド4a、5aとして、周方向長さが長いものを使用することで、インナ、アウタ両パッド4a、5aに作用する巻き込みモーメントが大きくなった場合にも、インナパッド4aのライニング52の回入側部分に、偏摩耗が生じることを抑制できる。
また、第2ピストン30を嵌装する第2シリンダ22のシリンダ中心軸O22を、第1ピストン29a、29bを嵌装する第1シリンダ21a、21bのシリンダ中心軸O21a、O21bよりも径方向外側にずらして配置している。これにより、第2ピストン30が被押圧部43を押圧する径方向位置を径方向外側にずらすことができるため、被押圧部43に作用する曲げモーメントを小さく抑えることができる。したがって、ヨーク3aの変形を抑えることができ、所期の制動力を得る面から有利になる。
また、第1シリンダ21a、21bと第2シリンダ22とを軸方向に連通させることで、第1シリンダ21a、21bと第2シリンダ22とで油圧室31を共用している。このため、シリンダ本体18の内側に、第1シリンダ専用の油圧室及び第2シリンダ専用の油圧室を形成する必要がないだけでなく、これらの油圧室同士を連通する連通孔を形成する必要もない。したがって、シリンダ本体18の加工コストを抑えることができる。
さらに、フローティング型ディスクブレーキ1aの組立作業時には、たとえば、第2ピストン30を第2シリンダ22の内側に、第2ピストン30の底面が第2シリンダ22の底部28に突き当たるまで押し込んだ後、第1ピストン29a、29bを第1シリンダ21a、21bの内側に、第1ピストン29a、29bのそれぞれの底面が第2ピストン30の底面に突き当たるまで押し込むことで、第1ピストン29a、29b及び第2ピストン30の位置決めを図ることができる。順序を入れ替えて、第1ピストン29a、29bを第1シリンダ21a、21bの内側に、第1ピストン29a、29bのそれぞれの底面が第1シリンダ21a、21bの底部27a、27bに突き当たるまで押し込んだ後、第2ピストン30を第2シリンダ22の内側に、第2ピストン30底面が第1ピストン29a、29bの底面に突き当たるまで押し込むこともできる。したがって、いずれの場合にも、組立作業の容易化を図ることができる。
また、本例の構造によれば、制動解除時に、前記第1ピストン29a、29b及び第2ピストン30を、それぞピストンシール34a、34b、36の弾性復元力を利用して、第1シリンダ21a、21b及び第2シリンダ22に引き戻すことができる。このため、インナ、アウタ両パッド4a、5aのライニング52、55とロータ6の軸方向側面との間に、それぞれ十分なクリアランスを確保することが可能になる。したがって、インナ、アウタ両パッド4a、5aの引き摺りの発生を防止することもできる。
実施の形態では、第2ピストンを1つのみ設けた構造について説明したが、第2ピストンの数は1つに限らず、複数個(2個以上)設けることができる。第2ピストンを複数個設ける場合には、第2シリンダのうちで、周方向に関して最も回入側に配置された第2シリンダのシリンダ径を、周方向に関して最も回出側に配置された第2シリンダのシリンダ径よりも大きくすることができる。このような構成を採用することで、サポートに対してヨークが揺動(チルト)することに起因して、アウタパッドに生じる偏摩耗(回出側の摩耗量が多くなること)を抑制することができる。
実施の形態では、インナパッドを直接押圧する第1ピストンを2つ設け、これら2つの第1ピストンの互いの直径を異ならせることで、2つの第1ピストンを、パッド中心線に対して非対称に設けた例を説明した。ただし、本発明を実施する場合には、インナパッド(ライニング)の形状等に応じて、2つの第1ピストンの互いの径方向位置を異ならせたり、2つの第1ピストンのパッド中心線からの周方向距離を異ならせることもできる。また、パッド中心線を挟んで回入側に配置する第1ピストンの数と回出側に配置する第2ピストンの数とを異ならせることもできる。
1、1a フローティング型ディスクブレーキ
2、2a サポート
3、3a ヨーク
4、4a インナパッド
5、5a アウタパッド
6 ロータ
7 爪部
8、8a シリンダ部
9 ピストン
10、10a スライドピン
11、11a スライド孔
12 シール部材
13 サポート基部
14 サポート腕部
15 締結孔
16 取付孔
17 係合凹部
18 シリンダ本体
19 シリンダ腕部
20 アンカー
21a、21b 第1シリンダ
22 第2シリンダ
23 アウタ側シリンダ本体部
24 インナ側シリンダ本体部
25 配管口
26 ブリーダ
27a、27b 底部
28 底部
29a、29b 第1ピストン
30 第2ピストン
31 油圧室
32a、32b ブーツ
33 ブーツ
34a、34b ピストンシール
35a、35b シール溝
36 ピストンシール
37 シール溝
38 挿通孔
39 ナット
40 インナボディ
41 アウタボディ
42 ブリッジ部
43 被押圧部
44 押圧部
45 支持孔
46 受孔
47 軸方向突部
48 インナ側開口部
49 アウタ側開口部
50 ブーツ
51 キャップ
52 ライニング
53 裏板
54 係合凸部
55 ライニング
56 裏板
57 パッドスプリング
58a、58b 径方向突起

Claims (9)

  1. ロータの軸方向外側に配置されるアウタパッドと、
    前記ロータの軸方向内側に配置されるインナパッドと、
    前記ロータの軸方向内側に配置され、前記インナパッドを軸方向の移動を可能に支持するとともに、車体に固定される固定部材と、
    軸方向外側部に前記アウタパッドを押圧するための押圧部を、軸方向内側部に被押圧部をそれぞれ有し、前記固定部材に対し軸方向に関する移動を可能に支持されたヨークと、
    前記固定部材と一体又は別体に構成され、前記インナパッドと前記被押圧部との間に配置されており、軸方向外側に開口した複数の第1シリンダと、軸方向内側に開口した少なくとも1つの第2シリンダとをそれぞれ有するシリンダ部と、
    前記第1シリンダの内側に軸方向に関する移動を可能に嵌装され、制動時に、前記インナパッドを前記ロータに向けて押圧する、前記第1シリンダと同数の第1ピストンと、
    前記第2シリンダの内側に軸方向に関する移動を可能に嵌装され、制動時に、前記被押圧部を前記ロータから離れる方向に押圧する、前記第2シリンダと同数の第2ピストンと、
    を備えたフローティング型ディスクブレーキであって、
    前記第1ピストンの数が、前記第2ピストンの数よりも多い、フローティング型ディスクブレーキ。
  2. 前記第1ピストンの数が、前記第2ピストンの数よりも1つだけ多い、請求項1に記載したフローティング型ディスクブレーキ。
  3. 少なくとも1つ以上の前記第1シリンダと前記第2シリンダとが、軸方向に重なるように配置されており、軸方向に重なるように配置された前記第1シリンダと前記第2シリンダとが、軸方向に連通している、請求項1~2のうちのいずれか1項に記載したフローティング型ディスクブレーキ。
  4. 前記第2シリンダのシリンダ中心軸が、周方向に隣接配置された1対の前記第1シリンダのシリンダ中心軸同士の間に配置されている、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載したフローティング型ディスクブレーキ。
  5. 前記複数の第1シリンダは、前記インナパッドの中心と前記ロータの中心とを通るパッド中心線に関して、非対称に設けられている、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載したフローティング型ディスクブレーキ。
  6. 周方向に関して最も回入側に配置された前記第1シリンダのシリンダ径が、周方向に関して最も回出側に配置された前記第1シリンダのシリンダ径よりも小さい、請求項5に記載したフローティング型ディスクブレーキ。
  7. 前記第1ピストンの受圧面積の合計と、前記第2ピストンの受圧面積の合計とが、互いに等しい、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載したフローティング型ディスクブレーキ。
  8. 前記第1シリンダのシリンダ中心軸と、前記第2シリンダのシリンダ中心軸とが、径方向にずれて配置されている、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載したフローティング型ディスクブレーキ。
  9. 前記第2シリンダのシリンダ中心軸が、前記第1シリンダのシリンダ中心軸よりも、径方向外側に配置されている、請求項8に記載したフローティング型ディスクブレーキ。
JP2019058258A 2019-03-26 2019-03-26 フローティング型ディスクブレーキ Active JP7170573B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019058258A JP7170573B2 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 フローティング型ディスクブレーキ
PCT/JP2020/012067 WO2020196178A1 (ja) 2019-03-26 2020-03-18 フローティング型ディスクブレーキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019058258A JP7170573B2 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 フローティング型ディスクブレーキ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020159428A JP2020159428A (ja) 2020-10-01
JP7170573B2 true JP7170573B2 (ja) 2022-11-14

Family

ID=72611872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019058258A Active JP7170573B2 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 フローティング型ディスクブレーキ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7170573B2 (ja)
WO (1) WO2020196178A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015124811A (ja) 2013-12-26 2015-07-06 曙ブレーキ工業株式会社 ディスクブレーキ装置
JP2015169301A (ja) 2014-03-10 2015-09-28 曙ブレーキ工業株式会社 フローティング型ディスクブレーキ

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6794238B2 (ja) * 2016-12-09 2020-12-02 曙ブレーキ工業株式会社 対向ピストン型ディスクブレーキ用キャリパ

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015124811A (ja) 2013-12-26 2015-07-06 曙ブレーキ工業株式会社 ディスクブレーキ装置
JP2015169301A (ja) 2014-03-10 2015-09-28 曙ブレーキ工業株式会社 フローティング型ディスクブレーキ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020196178A1 (ja) 2020-10-01
JP2020159428A (ja) 2020-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160053835A1 (en) Disc brake caliper with reduced axial dimension
JP2002031174A (ja) ロールバックシール,ディスクブレーキアッセンブリ及びキャリパーハウジング
US20180106310A1 (en) Disc brake device
US8714319B2 (en) Disk brake
EP3680502B1 (en) Caliper for opposed piston-type disc brake
US20070045064A1 (en) Mass reduction for twin piston calipers
JP7170573B2 (ja) フローティング型ディスクブレーキ
EP1515061B1 (en) Radially mounted disk brake
US20210088090A1 (en) Vehicular disc brake
US3424277A (en) Inside caliper disc brake
JP7192572B2 (ja) ディスクブレーキ
WO2016181896A1 (ja) ディスクブレーキ
GB2087997A (en) Caliper housing in a disc brake
JP6983634B2 (ja) ディスクブレーキ
JP7084174B2 (ja) フローティング型ディスクブレーキ
US2833378A (en) Brake with pivoted motor
GB1586054A (en) Drum brake and mounting means therefor
JP5559503B2 (ja) ディスクブレーキ
JP6249609B2 (ja) ディスクブレーキ
US20080135348A1 (en) Internal brake caliper assembly
JP7050603B2 (ja) ディスクブレーキ
JP7253404B2 (ja) 車両用ディスクブレーキ
JPH10331878A (ja) 対向ピストン型キャリパの車体取付構造
JP7109954B2 (ja) ディスクブレーキ用パッド
JPH03234934A (ja) 多ポット型車両用ディスクブレーキ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7170573

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150