JP2013228018A - シール付転がり軸受ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】環状空間に封入されたグリースが環状空間の軸方向端部側に滞留する事を、抑制若しくは防止できる構造を実現する。
【解決手段】シールリング10a(9a)を構成する芯金15a(11a)或いはシール材16a(12a)の径方向内側部に、この径方向内側部から径方向外方に向かうに従い転動体側に延出する円輪状の還流板部24を設ける。そして、この還流板部24の転動体側面を、転動体である玉6の表面に沿うように形成すると共に、還流板部の外周縁を外輪2の内周面に、全周に亙り近接対向或いは当接させている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の転がり軸受ユニットに於いて、回転側軌道輪と静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在して複数個の転動体を設置した環状空間の端部開口を、シールリング或いは組み合わせシールリングにより塞いで成る、シール付転がり軸受ユニットの改良に関するものである。
従来より、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に、図9に示す様なシール付転がり軸受ユニット1が、特許文献1に記載される等により、広く知られている。このシール付転がり軸受ユニット1は、静止側軌道輪である外輪2と回転側軌道輪であるハブ3とを互いに同心に配置している。そして、この外輪2の内周面に設けた、それぞれが静止側軌道である複列の外輪軌道4、4と、前記ハブ3の外周面に設けた、それぞれが回転側軌道である複列の内輪軌道5、5との間に、それぞれが転動体である玉6、6を、両転動体列毎に複数個ずつ、背面組み合わせ型(DB型)の接触角により予圧を付与した状態で配置している。これら各玉6、6は、それぞれ保持器7、7により、転動自在に保持されている。この様な構成により、懸架装置(不図示)に支持固定される前記外輪2の内径側に前記ハブ3を、回転自在に支持している。
尚、トラック等の重量が嵩む自動車に使用される転がり軸受ユニットの場合には、前記転動体として、玉6の代わりに円錐ころを使用する事もできる。
前記外輪2の内周面と前記ハブ3の外周面との間で、前記各玉6、6を設置した環状空間8の軸方向両端開口は、それぞれシールリング9と組み合わせシールリング10とにより、全周に亙り塞いでいる。このうちのシールリング9は、金属板製の芯金11と弾性材製のシール材12とを備える。そして、このうちの芯金11を前記外輪2の軸方向外端部内周面に締り嵌めで内嵌した状態で、前記シール材12に形成された複数本のシールリップの各先端縁を前記ハブ3の中間部外周面に、全周に亙り摺接させている。尚、軸方向に関して外とは、自動車への組み付け状態で車体の幅方向端部側で、各図の左側を言う。これに対して、各図の右側である、幅方向中央側を、軸方向に関して内と言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。
又、前記組み合わせシールリング10は、スリンガ13とシールリング14とから成る。このうちのスリンガ13は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、前記ハブ3(ハブ本体と共にこのハブ3を構成する内輪)の軸方向内端部外周面に締り嵌めで外嵌する事により、このハブ3に対し固定している。
又、前記シールリング14は、図10に示す様に、金属板製の芯金15と弾性材製のシール材16とを備える。そして、このうちの芯金15は、金属板を曲げ成形する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、円筒部17と、この円筒部17の軸方向端縁から径方向内方に折れ曲がった円輪部18とから成る。この様なシールリング14は、前記円筒部17を前記外輪2の軸方向内端部に締り嵌めで内嵌した状態で、前記シール材16に形成された複数本のシールリップ27の各先端縁を前記スリンガ13の表面に、全周に亙り摺接させている。
更に、前記ハブ3に結合固定する車輪の回転速度を測定する為に、上述の様な組み合わせシールリング10を構成するスリンガ13の軸方向内側面に、円輪状のエンコーダ20を、全周に亙り添着固定している。このエンコーダ20は、ゴム磁石、プラスチック磁石等の永久磁石製で、軸方向に着磁している。着磁方向は、円周方向に関して、交互に、且つ、等間隔で変化させている。従って、被検出面である、前記エンコーダ20の軸方向内側面には、S極とN極とが、円周方向に関して、交互に、且つ、等間隔で配置されている。この様なエンコーダ20の被検出面には、図示しないセンサの検出部を対向させて、前記ハブ3と共に回転する車輪の回転速度を測定自在としている。
特に、自動車の車輪を支持する転がり軸受ユニットの場合、モーメント荷重である路面からの反力を高剛性に支持する必要から、背面組み合わせ型の接触角により予圧を付与された複列アンギュラ玉軸受が使用される。この複列アンギュラ玉軸受であるシール付転がり軸受ユニット1においては、剛性を高める為に30〜40度程度の接触角が付与されると共に、モーメント負荷時において玉6が溝肩部19に乗り上げる事を防止する為、各内輪軌道5、5の溝肩部19の径寸法は、玉6のPCD寸法に近い寸法となっている。従って、組み合わせシールリング10の設置スペースを確保する為に、外輪2の軸方向内端部の内周面を拡径して段部21を形成し、この段部21に組み合わせシールリング10を構成するシールリング14を圧入嵌合している。
又、転がり軸受として負荷容量が大きい円錐ころ軸受を使用した場合には、円錐ころの直径が比較的小さい上に、ハブの内輪軌道に大鍔を設ける必要がある為、大鍔の外径寸法(複列アンギュラ玉軸受の溝肩部径寸法に相当する)は、円錐ころ頭部の中央付近まで達している。従って、上記と同様に組み合わせシールリングの設置スペースを確保する為に、外輪の軸方向内端部の内周面を拡径して段部を形成する必要がある。
前記環状空間8内への異物侵入防止と、この環状空間8内に充填した潤滑用グリースの外部への漏洩防止とを十分に図る為には、この環状空間8の両端開口部を十分にシールする必要がある。しかし、前記環状空間8の内部に存在するグリースが外部に漏洩する事をを防止しても、各転動体列部分に存在するグリース23が、軸受の回転に伴う遠心力、車両の旋回加速度、転動体による押し出し等の作用により、図10に示す様に、前記組み合わせシールリング10を構成するシールリング14の軸方向外側面部分及び前記段部21に滞留する。この様に滞留したグリース23は、外輪軌道4及び内輪軌道5と玉6との潤滑には寄与しないので、転動体列部分に存在するグリースが不足する事になり、軸受の転がり疲れ寿命が低下すると言った不具合が生じる虞があった。
この部分の改善の先行技術として、特許文献2には、ハブの軸方向内端部に外嵌固定したエンコーダを構成する金属板製の嵌合用円筒部の軸方向外端縁に、径方向外方に折れ曲がった堰き止め板部を設ける事により、環状空間の内部から軸方向内端開口を通じて外部に流出しようとするグリースの流れを堰き止める事で、グリースの流出及び滞留を防いで上述した不具合の発生を回避している。
特開2008−233110号公報 特開2011−058522号公報
しかしながら、特許文献2の様に転がり軸受ユニットを構成した場合、環状空間の軸方向内端開口の近傍部分にシールリングを設けておらず、有底円筒状のカバーにより外輪の軸方向内端開口の全体を塞いでいる為、駆動用シャフトが結合される駆動輪用の転がり軸受ユニットには適用できない。また、上述した様に、自動車の車輪を支持する転がり軸受ユニットにモーメント荷重が作用すると、外輪とハブとが相対的に傾く為、ハブに固定された前記堰き止め板部と外輪の内周面との隙間を小さくすることには限界があるという問題があった。
本発明のシール付転がり軸受ユニットは、上述の様な事情に鑑み、環状空間に封入されたグリースが環状空間の軸方向端部に滞留する事を、抑制若しくは防止できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のシール付転がり軸受ユニットは、互いに同心に配置された回転側軌道輪及び静止側軌道輪と、これら回転側軌道輪及び静止側軌道輪の互いに対向する周面にそれぞれ設けられた回転側軌道と静止側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在する環状空間の端部開口を塞ぐシールリングとを備えている。そして、前記シールリングは、前記外輪の軸端部に固定される芯金と、弾性材製のシール材とから成る。
特に、本発明のシール付転がり軸受ユニットに於いては、前記シールリングの径方向内方側の全周から径方向外方に向かって、前記転動体の表面に沿うように延出する還流板部を設けている。
本発明を実施する場合に、好ましくは、前記還流板部が、前記芯金から延出している。
また、前記還流板部が、前記シール材から延出している。
上述の様に構成する本発明のシール付転がり軸受ユニットによれば、車両の運転中において、内外輪軌道及び転動体部分から環状空間の軸方向端部に移動して滞留しようとするグリースの流れを、還流板部により外輪軌道及び転動体に還流させる。この為、当該グリースが環状空間の軸方向端部に設けられたシールリングの芯金側面及び外輪の段部内周面に滞留する事を抑制若しくは防止できる。しかも本発明の場合には、環状空間の軸端部を密封するシールリングに還流板部を付加しており、新たな部材を設ける事なくグリースの還流効果を得ている為、コスト上昇を招いたりする事がない。
また、軸受ユニットの環状空間には内外輪軌道及び転動体の潤滑に必要とされる量のグリースを封入すればよく、滞留するグリースを見込んで必要以上のグリースを封入する必要が無いので、コストを低減する事ができる。さらに、必要以上の大量のグリースを封入することでグリースの攪拌抵抗が増えて回転トルクが上昇したり、更にはグリースが外部に漏れ易くなる等の不具合も発生しない。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図10と同様の図。 本発明の実施の形態の第1例の変形例1を示す、図1と同様の図。 本発明の実施の形態の第1例の変形例2を示す、図1と同様の図。 本発明の実施の形態の第1例を積み重ねた図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、シールリング部の部分拡大図。 本発明の実施の形態の第2例の変形例1を示す、図5と同様の図。 本発明の実施の形態の第2例の変形例2を示す、図5と同様の図。 本発明の実施の形態の第2例を積み重ねた図。 従来構造のシール付転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。 図9の組み合わせシールリング部の部分拡大図。
[実施の形態の第1例]
図1は本発明の実施の形態の第1例を、図2はその変形例1を示している。尚、本例の特徴は、環状空間8に密封されたグリースが滞留する事を防止する為の、組み合わせシールリング10a(10b)を構成するシールリング14a(14b)の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図9に示した従来構造の場合と同様であるから、重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合にも、環状空間8の軸方向内端を密封する前記組み合わせシールリング10aを構成するシールリング14aは、芯金15aとシール材16とから成る。このうちの芯金15aは、軟鋼板等の金属板を曲げ成形して全体を円環状に構成して成るもので、円筒部17と、この円筒部17の軸方向外端縁から径方向内方に折れ曲がった円輪部18とを備える。そして、このうちの円筒部17を、外輪2の軸方向内端部に形成された段部21の内周面に締り嵌めで内嵌固定している。
前記シール材16は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製で、前記芯金15aに接
合固定しており、3本の接触式のシールリップ27の各先端縁をスリンガ13の軸方向外側面或いは外周面に、全周に亙り摺接させている。
本例の場合、前記芯金15a(15b)を構成する円輪部18の径方向内端側を曲げ(図1)、或いは折り返し(図2)た後に拡径して、円輪部18の径方向内端縁の全周から径方向外方に向かうに従い軸方向外側に延出する円輪状の還流板部24(24a)を設けている。そして、この還流板部24の軸方向外側面を転動体である玉6の表面に沿うように形成すると共に、還流板部24の外周縁を前記外輪2の内周面に、全周に亙り近接対向させている。
この様に構成する本例のシール付転がり軸受ユニットによれば、内外輪軌道及び転動体部分から環状空間8の軸方向内端部に移動して滞留しようとするグリースの流れを、還流板部24により外輪軌道4及び玉6に還流させる。この為、当該グリースが環状空間8の軸方向内端部に設けられたシールリング14a(芯金15a)の側面及び外輪2(段部21)の内周面に滞留する事を抑制若しくは防止できる。この様な効果は、環状空間8の軸方向内端部を密封するシールリング14aの芯金15aに還流板部24が延在しており、新たな部材を設ける事なくグリースの還流効果を得ている為、コスト上昇を招いたりする事がない。
また、軸受ユニットの環状空間8には外輪軌道4、内輪軌道5及び玉6の潤滑に必要とされる量のグリースを封入すればよく、滞留するグリースを見込んで必要以上のグリースを封入する必要が無いので、コストを低減する事ができる。さらに、必要以上の大量のグリースを封入することでグリースの攪拌抵抗が増えて回転トルクが上昇したり、更にはグリースが外部に漏れ易くなる等の不具合も発生しない。
更に、転がり軸受ユニットにモーメント荷重が作用して外輪2とハブ3とが相対的に傾斜した場合でも、外輪2に嵌合固定されたシールリング14aは傾斜の影響を受けない為、還流板部24と外輪2の内周面との隙間を十分に小さくする事ができる。
また、本例の組み合わせシールリング10aをシールメーカから組立メーカに輸送したり、或いは組立メーカの製造ラインにおいてシール定配装置にセットする場合には、図4に示す様に、組み合わせシールリング10aを棒状に積み重ねた状態で取り扱う。本例の場合、還流板部24の外周縁の寸法を、スリンガ13及びエンコーダ20の外周縁の寸法よりも大径とする事により、隣り合う各組み合わせシールリング10a、10aに芯出し効果が発生する為、安定して積み重ねる事ができる。特に、スリンガ13の軸方向内側にエンコーダ20が固定された構成の場合には、還流板部24の外周縁の軸方向外側面をエンコーダ20の外周部に形成された面取り部30に当接させる事で、還流板部24とエンコーダ20の被検出面とが擦れ合い、エンコーダ20の被検出面が傷つく事を防止している。
図3は、本発明の実施の形態の第1例の変形例2を示している。本例の場合、シールリング14cを構成するシール材16aの軸方向外側で径方向内側部分に、この径方向内側部分の全周から径方向外方に向かうに従い軸方向外側に延出する円輪状の還流板部24bを設けている。そして、この還流板部24bの軸方向外側面を転動体である玉6の表面に沿うように形成すると共に、還流板部24bの外周縁を前記外輪2の内周面に、全周に亙り当接させている。
又、芯金15を構成する円輪部18の径方向内方側には、径方向内方に向かうに従い軸方向内側に傾斜する傾斜部31と、この傾斜部31の内径端縁から径方向内方に折れ曲がった段差部32とを設けている。そして、還流板部24bの基端部を、前記傾斜部31の外径端から、還流板部24bの厚さ寸法以上内径側に離れた部位に形成している。これにより、射出成形により還流板部24bを芯金15に形成する場合において、還流板部24bを無理抜き可能としている。更に、シールリップ27の基端部との間にも十分な距離を設けた状態で、還流板部24bを芯金15の傾斜部31及び段差部32に接合する事で、還流板部24bとシールリップ27とが互いに干渉しないようにしている。
本例の場合、シール材16aから成る還流板部24bは、シールリップ27とは互いに干渉せず、外輪2とハブ3との相対傾斜の影響も受けない為、安定した状態を保って外輪2の内周面に当接している。従って、グリースが芯金15の軸方向外側面及び段部21に流れることを完全に防止する事ができる。又、本例の場合、還流板部24bはゴム等の弾性材製である為、組み合わせシールリング10cを積み重ねた場合でも、前記エンコーダ20の被検出面に傷を付ける事はない。
尚、還流板部24bを外輪2の内周面に近接対向させる構造とする事もできる。
[実施の形態の第2例]
図5は本発明の実施の形態の第2例を、図6はその変形例1を示している。本例の場合にも、環状空間8の軸方向外端を密封するシールリング9aは、芯金11aとシール材12とから成る。このうちの芯金11aは、軟鋼板等の金属板を曲げ成形して成るもので、円筒部25と、この円筒部25の軸方向外端縁から径方向内方に折れ曲がった円輪部26とを備える、そして、このうちの円筒部25を、外輪2の軸方向外端部に形成された段部22の内周面に締り嵌めで内嵌固定している。
前記シール材12は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製で、上記芯金11aに接
合固定しており、3本の接触式のシールリップ28a、28b、28cを備える。各シールリップ28a〜28cは、それぞれの先端縁をハブ3の中間部外周面に、全周に亙り摺接させている。
本例の場合、前記芯金11a(11b)を構成する円輪部26の径方向内側を曲げ(図5)、或いは折り返し(図6)た後に拡径して、円輪部26の径方向内端縁の全周から径方向外方に向かうに従い軸方向内側に延出する円輪状の還流板部24c(24d)を設けている。そして、この還流板部24cの軸方向内側面を転動体である玉6の表面に沿うように形成すると共に、還流板部24cの外周縁を前記外輪2の内周面に、全周に亙り近接対向させている。
この様に構成する本例のシール付転がり軸受ユニットによれば、内外輪軌道及び転動体部分から環状空間8の軸方向外端部に移動して滞留しようとするグリースの流れを、還流板部24cにより外輪軌道4及び玉6に還流させる。この為、当該グリースが環状空間8の軸方向外端部に設けられたシールリング9a(円輪部26)の側面及び外輪2(段部22)の内周面に滞留する事を抑制若しくは防止できる。
本例のシールリング9aを積み重ねる場合においては、図8に示す様に、還流板部24cの外周縁の寸法を、前記芯金11aを構成する円輪部26に延在するシールリップ28a又はシールリップ28bの外周縁の寸法よりも若干大径としている。そして、還流板部24cの外周縁の軸方向内側面を、シールリップ28b(或いはシールリップ28a)の先端部に当接させる事により、隣り合う各シールリング9a、9aに芯出し効果が発生する為、安定して積み重ねる事ができる。更に、還流板部24cの外周縁とシールリップ28b(28a)の摺接面とが擦れ合い、シールリップ28b(28a)に塗布されたグリース29が掻き取られる事を防止している。
その他の構成及び作用は、上述した第1例及びその変形例1の場合と同様である。
図7は、本発明の実施の形態の第2例の変形例2を示している。本例の場合、シールリング9cを構成するシール材12aの軸方向内側で径方向内側部分に、この径方向内側部分の全周から径方向外方に向かうに従い軸方向内側に延出する円輪状の還流板部24eを設けている。そして、この還流板部24eの軸方向内側面を転動体である玉6の表面に沿うように形成すると共に、還流板部24eの外周縁を前記外輪2の内周面に、全周に亙り当接或いは近接対応させている。その他の構成及び作用は、上述した第1例の変形例2の場合と同様である。
本発明のシール付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の転がり軸受ユニットとして、好適に使用する事ができる。
1 シール付転がり軸受ユニット
2 外輪
3 ハブ
4 外輪軌道
5 内輪軌道
6 玉
7 保持器
8 環状空間
9、9a、9b、9c シールリング
10、10a、10b、10c 組み合わせシールリング
11、11a、11b 芯金
12、12a シール材
13 スリンガ
14、14a、14b、14c シールリング
15、15a、15b 芯金
16、16a シール材
17 円筒部
18 円輪部
19 溝肩部
20 エンコーダ
21 段部
22 段部
23 グリース
24、24a、24b、24c、24d、24e 還流板部
25 円筒部
26 円輪部
27 シールリップ
28a、28b、28c シールリップ
29 グリース
30 面取り部
31 傾斜部
32 段差部

Claims (3)

  1. 互いに同心に配置された回転側軌道輪及び静止側軌道輪と、これら回転側軌道輪及び静止側軌道輪の互いに対向する周面にそれぞれ設けられた回転側軌道と静止側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在する環状空間の端部開口を塞ぐシールリングとを備え、
    前記シールリングは、前記外輪の軸端部に固定される芯金と、弾性材製のシール材とから成るシール付転がり軸受ユニットに於いて、
    前記シールリングの径方向内方側の全周から径方向外方に向かって、前記転動体の表面に沿うように延出する還流板部を設けている事を特徴とするシール付転がり軸受ユニット。
  2. 前記還流板部が、前記芯金から延出している事を特徴とする、請求項1に記載したシール付転がり軸受ユニット。
  3. 前記還流板部が、前記シール材から延出している事を特徴とする、請求項1に記載したシール付転がり軸受ユニット。
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