JP2013222111A - 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

定着装置及びそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 定着ベルトを有する定着装置において、定着ベルトからの記録紙の剥離性を改善し、良好な定着画像を得ることができる定着装置を提供する。
【解決手段】
本発明の定着装置50は、内部に加熱源を備える加熱ローラ2と、表面に弾性体を備える定着ローラ4と、加熱ローラ2及び定着ローラ4に張架されて回動する定着ベルト3と、定着ベルト3を介して定着ローラ4を押圧する加圧ローラ6とを含み、押圧部より定着ベルト3の回動方向下流側に、定着ベルト3を内側から加圧ローラ6に押圧する剥離ローラ7を設け、剥離ローラ7の外径を定着ローラ6よりも小さくした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられる定着装置に関し、より詳しくはベルト定着方式の定着装置に関する。
電子写真方式の定着装置としては、内部に加熱源を有する加熱ローラと表面に弾性体を有する加圧ローラを圧接したニップ部にトナーが転写された記録紙を搬送し、熱と圧力を加えてトナーを記録紙に定着させるローラ定着方式が広く使用されている。
近年では、高生産性化やカラー化が急速に進展するとともに、両面印刷機構を備えた装置の普及も高まっている。そのため、プロセススピードの高速化に対応した定着装置の実現が求められている。
上記のローラ定着方式を用いて高速化を図るためには、加熱ローラ径を大きくしてニップ幅を広げることが有効であるが、加熱ローラ径を大きくすると熱容量が大きくなり、定着可能な温度に達するまでの待機時間が長くなるという課題がある。また、加熱ローラの定着温度を維持する消費電力の増大も課題である。
そこで、近年では、加熱した定着ベルトを用いて、記録紙上のトナーに熱と圧力を与えて定着させるベルト定着方式が開発されている。ベルト定着方式では、加熱ローラと比較して小さな熱容量で済む定着ベルトを用いるため、待機時間と消費電力をローラ定着方式よりも低減させることができる。
ところが、ベルト定着装置においても、定着ベルトにより溶融されたトナーによって、記録紙が定着ベルトから剥離しない場合がある。そのため、ベルト定着装置においても、定着ベルト表面から記録紙を剥離するための分離機構を設ける必要があった。
例えば、記録紙を剥離するための分離機構としては、ニップ部の下流側に定着ベルトに当接して分離爪を配設した構成や、ニップ部の出口部に定着ベルトの曲率を大きくするための固定部材を配設した構成がある。
固定部材を配した分離機構の一例として、図6に、特許文献1に開示されたベルト定着装置の模式図を示す。図6に示すように、特許文献1のベルト定着装置は、定着ローラ104と、加熱ローラ106と、両ローラに張架されたベルト103と、該ベルト103の外周面に接触してベルト103との間でニップを形成する加圧ローラ105を備えている。そして、定着ローラ104と加圧ローラ105によって形成されるニップの出口分離部に対応した位置であってベルト103の内側に、スプリング109を介して固定部材108を配設し、該固定部材108の形状は出口分離部面を曲率の大きなものとしている。
特許文献1のベルト定着装置によれば、固定部材108をベルト103の内側から押し当てて、ニップの出口分離部における分離角度を大きくしているため、記録紙102自身の腰の強さにより定着ベルト103からの分離性能を向上できるとされる。
特開2003−5566号公報
しかしながら、分離機構として分離爪を用いた構成の場合、記録紙を安定的に剥離するためには、分離爪を定着ベルトに当接させて配設する必要があり、定着ベルトの表面が分離爪によって摩耗され易くなる。そして、定着ベルトの表面に摩耗痕が生じると、定着画像に摩耗痕に対応した定着ムラが発生して画像品質を低下させる問題があった。
また、特許文献1のように、分離機構として定着ベルト103の内側に固定部材108を配設した場合も、定着ベルト103の内周が固定部材108により摺動されるため、定着ベルト103の内周に摩耗痕が生じやすく、分離爪を配したときと同様に画像品質を低下させる問題があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、定着ベルトを有する定着装置において、定着ベルトからの記録紙の剥離性を改善し、良好な定着画像を得ることができる定着装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明の定着装置は、内部に加熱源を備える加熱ローラと、表面に弾性体を備える定着ローラと、加熱ローラ及び定着ローラに張架されて回動する定着ベルトと、定着ベルトを介して定着ローラを押圧する加圧ローラを含み、押圧部より定着ベルトの回動方向下流側に、定着ベルトを加圧ローラに押圧する剥離ローラを設け、剥離ローラの外径が定着ローラの外径よりも小さいことを特徴とする。
また、本発明の定着装置は、剥離ローラの表面硬度が加圧ローラの表面硬度よりも小さくなっている。
また、本発明の定着装置は、剥離ローラを加圧ローラに押圧する補助ローラを設けた。
また、本発明の定着装置は、剥離ローラと補助ローラの押圧部で、定着ベルトのクリーニングを行う。
また、本発明の定着装置は、補助ローラにより定着ベルトを定着ローラに離接させる。
また、本発明の画像形成装置は、上記のいずれかの定着装置を備える。
本発明の定着装置によれば、定着ベルトからの記録紙の剥離性を向上させ、良好な定着画像を得ることができる。
本発明に係る画像形成装置の構成を示す概略断面図である。 本発明の実施例1の定着装置の構成を示す断面図である。 実施例1の定着装置における定着ニップ部を拡大した断面図である。 実施例2の定着装置の構成を示す断面図である。 実施例3の定着装置の構成を示す断面図である。 従来の定着装置の構成を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、電子写真方式のカラー画像形成装置Zの構成を示す概略断面図である。画像形成装置Zは、例えばネットワーク上の各端末装置から送信される画像データ等に基づいて、所定の記録紙Pに対して多色又は単色の画像を形成するものであり、搬送手段30、可視像形成ユニット40及び定着装置50を備えている。
図1に示す画像形成装置Zは、4組の可視像形成ユニット40Y、40M、40C、40Bが搬送手段30上に並設された所謂タンデム式の画像形成装置である。可視像形成ユニット40Yは、イエロー(Y)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット40Mは、マゼンダ(M)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット40Cは、シアン(C)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット40Bは、ブラック(B)のトナーを用いて画像形成を行う。
それぞれの可視像形成ユニット40は、実質的に同一の構成を有し、感光体ドラム41、帯電器42、レーザ光照射手段43、現像器44、転写ローラ45及びクリーナユニット46を備えており、搬送手段30により搬送される記録紙Pに各色トナーを順次転写する。以下に、記録紙P上にトナー像を転写する方法について説明する。
可視像形成ユニット40は、感光体ドラム41表面を帯電器42によって所定の均一電位に帯電させた後、レーザ光照射手段43により画像データに対応する露光を行い、感光体ドラム41表面に静電潜像を形成する。この静電潜像に、現像器44から各色のトナーを供給して、感光体ドラム41上にトナー像を顕像化する。
搬送手段30は、駆動ローラ32と従動ローラ33によって回動される無端状の搬送ベルト34を備え、記録紙Pを搬送ベルト34上に静電吸着させる。静電吸着された記録紙Pは、各色の可視像形成ユニット40の下方を順次通過させて搬送される。
搬送ベルト34の内側には、感光体ドラム41と所定の間隙で対向配置された転写ローラ45が備えられている。この転写ローラ45に、感光体ドラム41上のトナー像と逆極性のバイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム41からトナーが飛翔してトナーが記録紙Pへ転写される。
記録紙Pに転写されずに感光体ドラム41上に残留したトナーは、クリーナユニット46により、感光体ドラム41から除去または回収される。上記工程は、記録紙Pに対して4回繰り返され、記録紙Pに各色のトナー像が転写される。
記録紙Pは、搬送ベルト34上で各色のトナー像が転写された後、駆動ローラ32の曲率により、記録紙Pは搬送ベルト34から剥離され、定着装置50に搬送される。トナー像が転写された記録紙Pは、定着装置50で適度な熱と圧力が与えられ、トナーが熱溶解して記録紙Pに定着することにより定着画像が形成される。
<実施例1>
図2は、実施例1の定着装置50の全体構成を示す概略断面図であり、図3は、実施例1の定着装置50における2つの定着ニップ部N1及びN2を拡大した断面図である。図2及び図3を用いて、実施例1の定着装置50の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、定着装置50は、無端状の定着ベルト1と、定着ベルト1を張架する加熱ローラ2、定着ローラ3及び剥離ローラ4と、定着ベルト1を介して上記定着ローラ3及び剥離ローラ4を押圧する加圧ローラ5とを有している。定着ローラ3と剥離ローラ4は、図示しないバネ等の弾性部材によって、定着ベルト1の内側から加圧ローラ5に向かって押圧されている。また、定着ベルト1、加熱ローラ2、定着ローラ3及び加圧ローラ5の表面近傍には、各部の温度を検知して定着ベルト1を所定温度に制御するためのサーミスタ12〜15が設けられている。
図3に示すように、定着ベルト1には、定着ローラ3と加圧ローラ5により押圧される第1定着ニップ部N1と、剥離ローラ4と加圧ローラ5により押圧される第2定着ニップ部N2が形成されている。実施例1の定着装置50は、上記2つの定着ニップ部N1及びN2において、未定着トナー像が形成された記録紙Pと、加熱ローラ2により加熱された定着ベルト1を圧接することにより、記録紙P上の未定着トナー像を溶融して定着画像を形成するものである。
定着ベルト1は、ポリイミドの材質からなる、周径70mm、厚み90μmの無端状のベルト基材に、図示しない150μmの弾性層と10μmの離型層を形成したものである。ベルト基材の材質や厚みは、上記に限定されるものではなく、Ni、ステンレス、鉄などの金属製のベルト基材を用いても良い。金属性ベルト基材を用いると、定着ベルト1の耐久性を向上させることができる。
定着ベルト1の弾性層は、耐熱性、弾性を有する材料であれば良く、例えば、シリコンゴムを使用することができる。また、離型層は、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性が優れる材料であればよく、例えば、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)や、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系材料を使用することができる。
加熱ローラ2は、外径30mmの中空のアルミニウムからなる芯金と、加熱源として芯金内部に配置されたハロゲンランプ6を備えている。芯金の素材は、これに限るものでもなく、鉄製の金属からなるものでも良い。加熱ローラ2は、内部に配置されたハロゲンランプ6からの熱を定着ベルト1に効率よく伝達するために、できるだけ肉厚の薄い芯金を用いることが好ましい。本実施例では、肉厚0.2mmの芯金を使用した。
また、加熱ローラ2は、芯金の表層に図示しない離型層を形成してもよい。離型層を形成することにより、加熱ローラ2と定着ベルト1の間における摩擦力が低減され、定着ベルト1を蛇行させる寄り力を小さくすることができる。離型層の材料としては、耐熱性、耐久性に優れ、摩擦係数が低いものであればよく、定着ベルト1と同様に、例えば、PFAや、PTFE等のフッ素系材料を使用することができる。
定着ローラ3は、外径20mmの中空のアルミニウムからなる芯金上に断熱弾性層3aが形成されたものである。芯金の素材は、これに限るものでもなく、鉄製の金属からなるものでも良い。また、中空に限るものでもなく、中実の芯金を用いても良い。断熱弾性層3aは、第1定着ニップ部N1においてニップ幅を広く確保するとともに、定着ベルト1の熱がベルト内側から定着ローラ3側へ逃げることを防止するものである。本実施例では、断熱弾性層3aとして、耐熱性を有する厚さ5mmのシリコンスポンジゴムを用いた。
加圧ローラ5は、外径26mmの中空のアルミニウムからなる芯金上に、弾性層5a及び図示しない離型層が順に形成されたものであり、芯金の内部には、加熱源としてハロゲンランプ7が設置されている。芯金の素材は、これに限るものでもなく、鉄製の金属からなるものでも良い。本実施例では、弾性層5aとして、耐熱性を有する厚さ2mmのシリコンゴムを用いた。また、離型層としては、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性が優れる材料であればよく、PFAや、PTFE等のフッ素系材料を使用できる。本実施例では、厚み約30μmのPFAチューブを用いた。
弾性層5a及び離型層を含む加圧ローラ5全体の外径は30mmであり、表面硬度(アスカーC硬度)は75°である。この加圧ローラ5に対して定着ローラ3を40kgfの荷重で押圧することで、定着ローラ3の断熱弾性層3aが凹部となり、定着ベルト1と記録紙Pが圧接される第1定着ニップ部N1が形成される。この第1定着ニップ部の幅は7mmとなっている。
第1定着ニップ部N1に対し定着ベルト回動方向の下流側には、定着ベルト1を内側から加圧ローラ5側に押圧する剥離ローラ4が設けられている。剥離ローラ4は、図3に示すように、加圧ローラ5との押圧部に第2ニップ部N2を形成するとともに、第2ニップ部N2の出口における定着ベルト1と記録紙Pの分離角度を大きくすることにより、分離爪等の他の剥離手段を要せず、記録紙P自身の腰の強さによって自己剥離させるものである。
剥離ローラ4は、外径8mmの中実の鉄からなる芯金に、厚さ2mmのシリコンスポンジゴムからなる断熱弾性層4aが形成されたものである。芯金の素材は、これに限るものでもなく金属製の芯金であれば良い。剥離ローラ4は、定着ベルト1と記録紙Pの分離角度を大きくするため、剥離ローラ4の外径を定着ローラ3よりも小さくしており、本実施例では、断熱弾性層4aを含む剥離ローラ4全体の外径を12mmにしている。
剥離ローラ4は、回転軸の両端にベアリング等の回転機構を配して、定着ベルト1の回動に従動するように回転自在に設けられている。また、剥離ローラ4は、回転軸の両端が、図示しないバネ等の弾性部材で支持されて、定着ベルト1の内側から加圧ローラ5の方向に押圧されている。
剥離ローラ4は、加圧ローラ5の方向に10kgfの荷重で押圧されることにより、定着ベルト1と記録紙Pが圧接される第2定着ニップ部N2が形成される。この第2定着ニップ部N2幅は3mmとなっている。第2定着ニップ部N2の形状としては、記録紙Pが剥離しやすいように、剥離ローラ4側が凹部となる所謂逆ニップ形状にすることが望ましい。このため、断熱弾性層4aの表面硬度は、加圧ローラ5よりも低く設定されており、例えば、表面硬度56°となっている。
本発明の定着装置50の大きな特徴は、定着ローラ3の外径より小さい剥離ローラ4を定着ベルト1の回動に従動するように回転自在に設けたことである。従って、本発明の定着装置50によれば、剥離ローラ4により分離角度を大きくして、記録紙P自身の腰の強さによって自己剥離させることができる。また、剥離ローラ4が定着ベルト1と一緒に回転することにより、定着ベルト1の内周を摺動して摩耗痕や粉塵を生じさせることなく、良好な定着画像を得ることができる。
上記の表1は、実施例1の剥離ローラ4を備えた定着装置50と、従来の分離機構として固定部材を備えた定着装置との耐久性試験の結果を比較したものである。比較に用いた固定部材は、実施例1の剥離ローラ4と同様にニップ幅を3mmとし、表層にフッ素コーティングしたアルミ部材を用いた。また、固定部材は、実施例1の剥離ローラ4と同様に加圧ローラ側に向けて、10kgfの荷重で押圧した。なお、どちらの定着装置も剥離機構を有しているので、定着ベルトと記録紙の分離が問題となることはなかった。
耐久性の判断は、転写枚数が所定の累積に達する毎に、定着画像の変化を目視によって確認した。定着画像にかすれ等の劣化が見られたものは×と評価し、良好な画質が得られている場合は○と評価した。表1に示すように、実施例1の剥離ローラ4を備えた定着装置は、15万枚を印字した時点でも、特に問題なく良好な画像が得られた。一方、従来の固定部材による定着装置は、転写枚数が10万枚に達すると、定着画像に筋状のかすれが見られた。また、従来の固定部材による定着装置は、定着ベルトの内周が固定部材により摺動され、ニップ部での均一な圧接を阻害する摩耗痕や摩耗粉が目視で確認された。
<実施例2>
図4は、実施例2の定着装置50を示した概略断面図である。実施例1の定着装置50との違いは、補助ローラ8を追加したことであり、他の構成については、実施例1の定着装置50と同じ構成を採用しているため詳細な説明を省略する。
剥離ローラ4は、第2定着ニップ部N2の出口における分離角度を大きくするために、小さな外径のローラが用いられるため、加圧ローラ5と圧接されることにより、剥離ローラ4の中央部が撓んで端部に比べて圧接力が弱くなりやすい。このため、実施例2の定着装置50では、剥離ローラ4を軸方向全体で加圧ローラ5に押圧させる補助ローラ8を設けることにより、上記剥離ローラ4の撓みを防止している。
補助ローラ8は、外径15mmの剛性のあるステンレス等の金属性ロールであり、内部に回転軸が設けられ、補助ローラ8の両端部に設けられた軸受部8aが、バネ9を介在して定着装置のフレームの一部である支持板金10に支持されている。補助ローラ8は、このバネ9により剥離ローラ4を軸方向全体に10kgfの荷重をかけて加圧ローラ5に押圧することにより、剥離ローラ4の撓みが補正され、第2定着ニップ部N2の押圧分布が均一化される。なお、補助ローラ8の形状は、中央部の外形を両端部よりも数mm程度大きした所謂正クラウン形状にすることで、剥離ローラ4が大きく撓む場合にも対応することができる。
表2は、定着画像の定着性について、剥離ローラ4の撓みを補正しない場合と、補助ローラ8用いて剥離ローラ4の撓みを補正した場合とを比較したものである。定着前の未定着画像は、トナーの体積平均粒径が6.5μmであり、ワックスを内包したカラー用オイルレストナーを使用し、A4サイズの記録紙(坪量65g/m2の普通紙)に単位面積毎の付着量を1.0mg/cmにして画像形成した。また、トナーを溶融させる定着温度は、130〜180℃の範囲に設定した。
定着性の評価方法としては、トナーが定着された印字面を内側にして折り曲げた記録紙に、所定の荷重を加えた後、荷重印加部のトナーの脱落状態により定着性を評価した。なお、記録紙面内の分布を調べるため、中央部と端部の2箇所を評価している。
この時、印字面を指で軽く擦る程度でトナーが記録紙から脱落したものを×、荷重を印加した部分でトナーの脱落が大きかったものを△、定着装置の仕様基準を満たしトナーの脱落がほとんどないものを○と評価した。なお、定着温度が180℃では、トナーが溶融され過ぎて、定着ベルト上に付着してしまったため「H」と表記した。
定着温度が150℃以上の比較的高温の場合には、剥離ローラ4の撓みによる影響は少ないが、表2に示すように、定着温度を140℃に下げると、撓みよって圧接力の弱い中央部の定着性が低下し、中央部と端部とで定着性のばらつきが生じる。これに対して、補助ローラ8用いて剥離ローラ4の撓みを補正することにより、ニップ部の圧接力が均一化されるため、定着温度の低い140℃でも中央部と端部の両方で定着性が確保されるようになり、定着可能な温度範囲が広くなるため、より安定に定着することができている。
表3は、定着温度が140℃〜180℃での定着画像の光沢度について、剥離ローラ4の撓みを補正しない場合と、補助ローラ8用いて剥離ローラ4の撓みを補正した場合とを比較したものである。また補正有と補正無の各場合において、中央部と端部の光沢度差分の絶対値も示している。
未定着画像は、表1のときと同じ方法で形成したものであり、記録紙面内のばらつきを調べるため、中央部と端部において光沢度を測定した。光沢度の測定は、光沢度計(VG2000、日本電色工業株式会社製)を用いて、入射角および反射角を75°で測定した。
光沢度は、圧接力に依存する傾向があり、表3に示すように、剥離ローラ4の撓みを補正しない場合は、定着温度を調整しても、撓みよって圧接力の弱い中央の光沢度が端部よりも低くなって、許容範囲内であるが若干の光沢度のばらつきが生じる。
例えば、定着温度が140℃で補正無の場合、中央部が13.5、端部が20.5となっており、差の絶対値は7となる。それに対し、補正有の場合、中央部と端部は共に21.3で同じ値となっている。同様にして補正有の場合の定着温度150℃〜180℃における中央部と端部の光沢度差分絶対値を見ると、それぞれ9.3、8.9、6.6及び9.2となっており、光沢度のばらつきが大きなものとなっている。一方、補正有の場合は、2.0、1.4、1.6、3.1となっており、補正無の場合と比して光沢度のばらつきが小さくなっていることがわかる。
すなわち、補助ローラ8を用いて剥離ローラ4の撓みを補正することにより、140〜180℃の温度範囲で、中央部と端部で同等の光沢度が得られており、ニップ部の圧接力が均一化されていることが理解できる。なお、定着温度が低い130℃は、定着性で問題が生じたため、光沢度を評価していない。
以上、補助ローラ8を用いた剥離ローラ4の撓みの補正について説明したが、本実施例において、補助ローラ8を定着ベルト1のクリーニング機構として用いることも可能である。補助ローラ8は、定着ベルト1の表面側に配置されるため、ウエブ11を補助ローラ8に沿って巻き付けて定着ベルト1に押し当てることにより、定着ベルト1表面に付着したトナーをクリーニングすることができる。例えば、図4では、クリーニング機構として、ウエブ11を送出ローラ12から補助ローラ8に送り出し、使用済みのウエブ11を巻き取りローラ13に回収する機構を示している。
ウエブ11は、通常、芳香族ポリアミド繊維に高温で柔らかいポリエステル繊維を混入させ、適度な柔らかさと強さをもったノーメックス、ヒメロン等の耐熱不繊布よりなる。ウエブ11の厚さは、30〜100μmであることが望ましい。
また、ウエブ11には、0.01m/s(10000センチストークス)程度の粘度を持つシリコーンオイルを高温で含浸させることが好ましい。シリコーンオイルには、この分野で常用されているものを使用でき、例えば、ジメチルシリコーンオイルが挙げられる。それ以外でも、アミノ変性オイル、メルカプト変性オイル、フッ素変性オイル等の変性シリコーンオイルを使用することも可能である。
なお、補助ローラ8の表面には、図示しない弾性層を形成しても良い。弾性層を形成することにより、定着ベルト1を介して剥離ローラ4との圧接面積を広く取ることができ、クリーニング領域が広くなるので、クリーニング効果が向上する。また、弾性層の断熱性により、定着ベルト1表面から補助ローラ8側への熱逃げを防止することができる。
<実施例3>
図5は、実施例3の定着装置50を示した概略断面図である。実施例2の定着装置50との違いは、剥離ローラ4の下流側で定着ベルト1と定着ローラ3とを離接させる離接機構20を追加したことであり、他の構成については、実施例2の定着装置50と同じ構成を採用しているため詳細な説明を省略する。
定着ベルト1に圧接する定着ローラ3、剥離ローラ4、加圧ローラ5及び補助ローラ8は、定着ベルト1と接することで熱を吸収して温度が上がる一方で、定着ベルト1はそれぞれのローラと接する毎に熱を奪われて温度が低下していく。このため、図2に示したサーミスタ12〜15の検知温度に基づいて、加熱ローラ2や加圧ローラ5に内蔵したハロゲンランプ2、7をON・OFFして、定着ベルト1を所定温度に制御している。
特に、定着ローラ3の断熱弾性層3aは、定着ベルト1と接する面積が大きく、熱容量も大きく、定着ベルト1の大部分の熱を吸収して断熱弾性層3aに蓄積している。そこで、離接機構20は、定着ベルト1の温度が定着ローラ3の温度より高いとき、剥離ローラ4下流側の定着ベルト1を定着ローラ3から離間させ、逆に定着ベルト1の温度が定着ローラ3の温度よりも低いとき、剥離ローラ4下流側の定着ベルト1を定着ローラ3に接触させる。このように定着ベルト1と定着ローラ3を離接させることにより、定着ローラ3に蓄積された熱を定着ベルト1に再び回収することができ、ハロゲンランプ2、7をONさせる期間を短縮できるため、定着装置50の消費電力を低減させることができる。
図5では、離接機構20により、剥離ローラ4下流側の定着ベルト1を定着ローラ3に接触させた状態を示している。離接機構20は、実施例2の補助ローラ8を定着ローラ3の方向に移動させることで実現できる。
具体的には、離接機構20は、補助ローラ8を支持するバネ9が、支持板金10と支点15で回動可能に固定されたアーム14に固定されている。また、アーム14の端部には、アーム14の裏面と接するように偏芯カム16が設置されている。そして、図示しないモータによって偏芯カム16が支点17を中心として回転することにより、アーム14の端部を押し下げて傾斜させる。このように、アーム14の傾斜角度が変化することにより、バネ9の圧縮力が付加され、補助ローラ8を剥離ローラ4に押圧しながら、定着ローラ3の方向にも移動させることができる。
上述してきたように、本実施形態に係る定着装置50は、内部に加熱源を備える加熱ローラ2と、表面に弾性体を備える定着ローラ3と、加熱ローラ2と定着ローラ3に張架されて回動する定着ベルト1と、定着ベルト1を介して定着ローラ3を押圧する加圧ローラ5とを含み、定着ベルト1の押圧部の下流側に、定着ベルト1を内側から加圧ローラ5に押圧する剥離ローラ4を設け、剥離ローラ4の外径を定着ローラ3よりも小さくしたものである。
本発明の定着装置50によれば、剥離ローラ4により分離角度を大きくすることで、記録紙P自身の腰の強さを利用して記録紙Pを自己剥離させる。また、剥離ローラ4が定着ベルト1と一緒に回転することにより、定着ベルト1の内周を摺動して摩耗痕や粉塵を生じさせることなく、良好な定着画像を得ることができる。なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能である。
1 定着ベルト
2 加熱ローラ
3 定着ローラ
4 剥離ローラ
5 加圧ローラ
6、7 ハロゲンランプ
8 補助ローラ
Z 画像形成装置
20 離接機構
30 搬送手段
40 可視像形成ユニット
50 定着装置

Claims (6)

  1. 内部に加熱源を備える加熱ローラと、
    表面に弾性体を備える定着ローラと、
    前記加熱ローラ及び前記定着ローラに張架されて回動する定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記定着ローラを押圧する加圧ローラを含む定着装置であって、
    前記押圧部より前記定着ベルトの回動方向下流側に、前記定着ベルトを内側から前記加圧ローラに押圧する剥離ローラを設け、
    前記剥離ローラの外径が、前記定着ローラの外径よりも小さいことを特徴とする定着装置。
  2. 前記剥離ローラの表面硬度が、前記加圧ローラの表面硬度よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記剥離ローラを前記加圧ローラに押圧する補助ローラを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記剥離ローラと前記補助ローラの押圧部で、前記定着ベルトのクリーニングを行うことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記補助ローラにより、前記定着ベルトを前記定着ローラに離接させることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  6. 請求項1から請求項5に記載のいずれかの定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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