JP2013221219A - 繊維基材、繊維強化複合材料、繊維基材の製造方法、及び繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

繊維基材、繊維強化複合材料、繊維基材の製造方法、及び繊維強化複合材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】厚みが薄く、軽量な繊維基材、繊維強化複合材料、繊維基材の製造方法、及び繊維強化複合材料の製造方法を提供すること。
【解決手段】繊維基材20は、繊維径が10nm〜1000nmの炭素繊維が不織布状をなし、かつ1平方m当たりの平均繊維長さが100mm以上に形成されている。この繊維基材20は、電界紡糸法で使用される電界紡糸装置の吐出ノズルからマンドレル33の表面に炭素繊維用材料の溶液を吹付け、マンドレル33の表面に繊維径が10nm〜1000nmのナノファイバーを付着させる付着工程と、ナノファイバーを炭化して炭素繊維を形成する炭化工程と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維基材、繊維強化複合材料、繊維基材の製造方法、及び繊維強化複合材料の製造方法に関する。
軽量、高強度の材料として繊維強化複合材料が使用されている。繊維強化複合材料は、強化繊維が樹脂や金属等のマトリックス中に複合化されることにより、マトリックス自体に比べて力学的特性(機械的特性)が向上するため、構造部品として好ましい。特にマトリックスとして樹脂を使用した場合は、構造部品の軽量化が図れるため好ましい。そして、特に高性能が要求される用途では、連続した強化繊維を用いた繊維強化複合材料が用いられ、強化繊維としては炭素繊維が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示のカーボン複合材は、複数枚の炭素繊維クロスを、それらの層間が水溶性接着剤によって相互に積層・接着されてなるドライプリフォーム(繊維基材)を用いて形成されている。そして、カーボン複合材は、ドライプリフォームにピッチ含浸、炭化処理、及び黒鉛化処理を行うことで形成されている。
特開2000−219577号公報
ところが、炭素繊維を用いた繊維基材としては、より薄く、軽量化したものが望まれている。
本発明は、厚みが薄く、軽量な繊維基材、繊維強化複合材料、繊維基材の製造方法、及び繊維強化複合材料の製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、繊維径が10nm〜1000nmの炭素繊維が不織布状をなし、かつ1平方m当たりの平均繊維長さが100mm以上に形成されている。
これによれば、繊維径がミクロンオーダーの炭素繊維を織ってできた織物からなる繊維基材と比べると、繊維基材の厚みを薄くすることができ、軽量にすることができる。
また、筒状に形成されるとともに、前記繊維基材の軸方向の位置によって周長が異なる部位を含んでいてもよい。これによれば、繊維基材の軸方向の位置によって周長が異なっていても、繊維基材の軸方向に沿って繊維基材の厚みを均一にすることができる。
また、前記繊維基材は、前記軸方向に沿って前記周長が徐々に短くなった後、前記周長が徐々に長くなるくびれ部を有していてもよい。これによれば、くびれ部のように形状が急に変化しても繊維基材の厚みを均一にすることができる。
また、厚みは、1mm以下である。これによれば、繊維基材の厚みを薄く、軽量にすることができる。
また、請求項5に記載の繊維強化複合材料は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の繊維基材に樹脂を含浸させてなるものである。これによれば、厚みが薄く軽量な繊維基材を用いるため、得られる繊維強化複合材料も厚みが薄く軽量なものにすることができる。
また、請求項6に記載の発明は、繊維径が10nm〜1000nmの炭素繊維が不織布状に形成されている繊維基材の製造方法であって、電界紡糸装置の吐出ノズルから成形型の表面に炭素繊維用材料の溶液を吹付け、前記表面に繊維径が10nm〜1000nmのナノファイバーを付着させる付着工程と、前記ナノファイバーを炭化して炭素繊維を形成する炭化工程と、を備えている。
これによれば、電界紡糸装置を用いた電界紡糸法を採用することで、成形型の表面に、繊維径が10nm〜1000nmのナノファイバーを簡単に形成することができる。しかも、繊維基材においては、ナノファイバーが絡み合い、1平方m当たりの平均繊維長さが100mm以上となるような緻密な不織布状に形成することができる。このため、繊維密度の高い繊維基材を形成することができる。さらには、電界紡糸法を採用することで、成形型の所望する箇所に、繊維径が10nm〜1000nmのナノファイバーを所望する量で付着させることができる。よって、繊維基材の厚みを簡単に調節することができるとともに、繊維基材を均一な厚みで簡単に形成することができる。
また、前記繊維基材は筒状に形成されるとともに、前記成形型は、軸方向の位置によって周長が異なる部位を含むように形成されていてもよい。これによれば、成形型の周長が異なっていても、形成される繊維基材の厚みを均一にすることができる。
また、前記成形型は、前記軸方向に沿って前記周長が徐々に短くなった後、前記周長が徐々に長くなるくびれ部を有していてもよい。これによれば、成形型の形状が急に変化しても、形成される繊維基材の厚みを均一にすることができる。
また、前記吐出ノズルを前記成形型の軸方向に沿って移動させてもよい。これによれば、吐出ノズルを移動させることで、成形型の所望する箇所に、繊維径が10nm〜1000nmのナノファイバーを付着させることができる。よって、繊維基材の厚みを簡単に調節することができるとともに、繊維基材を均一な厚みで簡単に形成することができる。
また、請求項10に記載の発明は、請求項6〜請求項9のうちいずれか一項に記載の製造方法により形成された繊維基材に樹脂を含浸させる工程を備える。
これによれば、付着工程及び炭化工程を経ることで、繊維径が10nm〜1000nmの炭素繊維が不織布状に形成された繊維基材が得られる。そして、沈着工程によって、炭素繊維には炭素が沈着して、繊維基材に炭素が緻密化され、繊維強化複合材が得られる。沈着工程においては、繊維基材の炭素繊維は密度が高いため、炭素繊維間の隙間は炭素によって速やかに埋まる。よって、繊維強化複合材の製造時間の短縮を図ることができる。
本発明によれば、厚みが薄く、軽量な繊維基材、繊維強化複合材料、繊維基材の製造方法、及び繊維強化複合材料の製造方法を提供することができる。
(a)は実施形態の繊維基材及び繊維強化複合材を示す斜視図、(b)は繊維基材及びマンドレルを示す側面図、(c)は繊維基材を拡大して示す図。 (a)は電界紡糸装置を示す模式図、(b)はノズルを移動させた状態を示す模式図。 別例のマンドレルに繊維強化複合材を形成した状態を示す断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図2にしたがって説明する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、繊維強化複合材11は、円筒状に形成されている。詳細に説明すると、繊維強化複合材11は、その中心軸Lの延びる方向(以下、軸方向とする)の位置に沿って周長が異なるように形成されている。繊維強化複合材11において、軸方向の一端側には、周長、すなわち外径及び内径が一定の第1筒部12が形成されている。また、繊維強化複合材11において、第1筒部12よりも軸方向の他端側にはくびれ部13が形成されている。このくびれ部13は、第1筒部12から他端側に向かう従い外径及び内径が徐々に小さくなった後、外径及び内径が徐々に大きくなるように形成されている。さらに、繊維強化複合材11において、軸方向の他端側には第2筒部14が形成されている。この第2筒部14は、くびれ部13から軸方向他端に向かうに従い外径及び内径が大きくなった後、一定となるように形成されている。
よって、繊維強化複合材11は、第1筒部12、くびれ部13、及び第2筒部14によって周長が軸方向の位置によって異なるとともに、いずれも厚みが同じになっている。
繊維強化複合材11は、炭素繊維製の繊維基材20にマトリックス樹脂を含浸させてなり、繊維基材20には炭素が沈着されている。繊維基材20は、繊維強化複合材11と同じ形状をなすとともに、第1筒部12を形成する第1筒部用基材部22と、くびれ部13を形成するくびれ部用基材部23と、第2筒部14を形成する第2筒部用基材部24とを一体に備えている。そして、第1筒部用基材部22、くびれ部用基材部23、及び第2筒部用基材部24は、周長が軸方向の位置によって異なるとともに、いずれも厚みが同じになっている。すなわち、くびれ部用基材部23のように周長が軸方向に沿って徐々に変化していく部位であっても、一定の厚みになっている。
繊維基材20は、繊維径が10nm〜1000nmの炭素繊維により不織布状に形成されている。なお、炭素繊維の繊維径は、繊維基材20の用途に合わせて適宜設定される。また、図1(c)に示すように、炭素繊維は、連続して延びる連続繊維であるとともに、1本又は複数本の炭素繊維が絡み合って形成されている。さらに、繊維基材20は、厚みが1mm以下である。なお、炭素繊維は、アクリル系繊維、レーヨン等の炭素繊維用材料を用いて形成されている。
次に、繊維基材20の作用について説明する。
繊維基材20において、単位面積当たりの繊維密度は、織物と比較して大きくなっている。また、繊維基材20においては、織物と比較して同一の目付け(単位面積当たりの重量)での繊維数が多くなっている。さらに、繊維基材20は、繊維径が10nm〜1000nmの炭素繊維よりなる不織布状であるため、ミクロンオーダーの炭素繊維を用いた不織布や、ミクロンオーダーの炭素繊維を製織してなる織物と比較して、厚みが薄く、軽量である。そして、具体的には、繊維基材20は1平方m当たりの平均繊維長さが100mm以上になっている。
次に、繊維基材20の製造方法について説明する。
繊維基材20の製造方法は、電界紡糸法によって繊維径が10nm〜1000nmのナノファイバーをマンドレル33(図2(a)参照)に付着させる付着工程と、付着工程でマンドレル33に付着したナノファイバーを炭化して炭素繊維を形成する炭化工程と、炭素繊維に炭素を沈着させる沈着工程と、を備える。
まず、図2にしたがって、電界紡糸法によりナノファイバーを形成する方法を説明する。
図2(a)に示すように、電界紡糸法には公知の電界紡糸装置が使用される。電界紡糸装置は、高電圧電源31と、吐出ノズル32と、ナノファイバーを巻き付けるマンドレル33とを備えている。高電圧電源31は、10〜20kV程度の出力が可能になっている。吐出ノズル32は、パイプ34により図示しない溶液供給部に接続されている。この溶液供給部には、上記の炭素繊維用材料の溶液が貯留されている。高電圧電源31のプラス端子が吐出ノズル32に電気的に接続され、高電圧電源31のマイナス端子及びマンドレル33はアースされている。
この実施形態では、マンドレル33は、繊維基材20における第1筒部用基材部22を形成する第1部33aと、くびれ部用基材部23を形成する第2部33bと、第2筒部用基材部24を形成する第3部33cとを一体に備えている。そして、マンドレル33は、繊維基材20と相似形の円柱状に形成されている。マンドレル33は、繊維基材20の製造の際、耐炎化処理及び炭化処理の高温雰囲気に曝されるため、炭素によって形成されるのが好ましいが、金属によって形成されていてもよい。
また、円柱状に形成されたマンドレル33の外周面が吐出ノズル32と順次対向可能とするため、マンドレル33は図示しない回動装置により回動可能に構成されている。さらに、マンドレル33の外周面が、軸方向に沿って吐出ノズル32と順次対向可能とするため、図2(b)に示すように、吐出ノズル32は、マンドレル33の軸方向に沿って移動可能に構成されている。
そして、マンドレル33の表面にナノファイバーを付着させるには、図2(a)に示すように、マンドレル33が吐出ノズル32と対向する状態で、吐出ノズル32から炭素繊維用の溶液を吐出する。吐出された溶液35は、静電反発によって***して、マンドレル33に向かって進む。そして、マンドレル33の表面に付着してナノファイバーとなる。
このナノファイバーが予め設定された目付けとなるように、吐出ノズル32から溶液35を吐出し設定された目付けとなった時点で溶液35の吐出を中断する。そして、マンドレル33を回動させて、第1部33aのその他の外周面が吐出ノズル32と対向する状態に配置させる。その状態で、再び吐出ノズル32から溶液35を吐出して、ナノファーバーを第1部33aに付着させる。そして、第1部33aの周方向の全体に亘ってナノファイバーを付着させると、次いで、図2(b)の2点鎖線に示すように、マンドレル33の第2部33bが吐出ノズル32と対向するように、吐出ノズル32を移動させる。その後、上記と同様にマンドレル33を回動させて第2部33bの周方向の全体に亘ってナノファイバーを付着させ、さらに、図2(b)の実線に示すように、第3部33cに対しても同様にナノファイバーを付着させる。すると、マンドレル33の外周面の全体にナノファイバーが付着されるとともに、付着工程が完了する。
次に、マンドレル33に付着したナノファーバーの炭化を行う。まず、ナノファイバーが付着したマンドレル33を炉に入れ、空気雰囲気で220〜260℃の高温で数時間、耐炎化処理を行う。次に、窒素雰囲気で1000℃以上の高温で数時間、炭化処理を行う。すると、マンドレル33の表面に付着したナノファイバーは、耐炎化処理及び炭化処理を行う前に比べて繊維径が細くなり、繊維径が10nm〜1000nmの炭素繊維に焼成される。なお、耐炎化処理及び炭化処理を行うことで、炭素繊維の繊維径が細くなるため、炭素繊維の細径化を考慮して、付着工程で形成するナノファイバーの繊維径を設定するのが好ましい。すなわち、付着工程で形成するナノファイバーの繊維径を、耐炎化処理及び炭化処理後に得られる炭素繊維の繊維径より太くしておく。
そして、炭素繊維を炭化処理によって硬化させることで、マンドレル33が無くても円筒形状を維持することができるようになる。よって、炭化処理を行う前にマンドレル33を取り除くと繊維基材20が得られる。
繊維基材20としては、繊維径が700nmのものが得られた場合、目付け4g/1平方mとし、比重1.1とした場合、1平方m当たりの平均繊維長さは9450mm(100mm以上)となる。ここで、比較例としてスパンボンド法で繊維径が16μmのものを挙げると、目付け4g/1平方mとし、比重1.1とした場合、1平方m当たりの平均繊維長さは18mmとなる。すなわち、本実施形態の繊維基材20は、スパンボンド法で得られる繊維基材と比較して約525倍の長さの繊維が1平方m当たりに存在することになり、炭素繊維間の隙間が小さくなっている。
次に、繊維基材20を強化材とした繊維強化複合材11を製造する方法について説明する。
繊維基材20の炭素繊維に炭素を沈着させる沈着工程を行うことによって、マトリックス樹脂を含浸させた繊維強化複合材11が得られる。炭素の沈着は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で行われる。そして、炭素繊維に炭素が沈着されると、炭素が緻密化された繊維強化複合材11が得られる。繊維基材20は、炭素繊維が不織布状となって形成されており、炭素繊維が複雑に絡み合っている。そして、炭素繊維の密度が高く、炭素繊維間の隙間が小さいため、炭素繊維間の隙間にはマトリックス樹脂が速やかに入り込む。炭素の沈着は、フェノール、フランの他、コールタール、ピッチルイ、アスファルト等の樹脂が使用される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)繊維基材20は、電界紡糸法によって形成された繊維径が10nm〜1000nmの炭素繊維によって不織布状に形成され、かつ1平方m当たりの平均繊維長さが100mm以上になっている。このため、ミクロンオーダーの炭素繊維の織物からなる繊維基材と比べると、繊維基材20を薄く、軽量に、しかも緻密にすることができる。
(2)繊維基材20は円筒状に形成されるとともに、その軸方向に沿って第1筒部12、くびれ部13、及び第2筒部14が連続して形成されている。そして、第1筒部12、くびれ部13、及び第2筒部14は、それぞれ周長が異なる。ブレーダーによって軸方向の位置によって周長が異なる繊維基材を形成する場合、くびれ部13のように傾斜が急な部分は、糸が集まり過ぎて重量化しないようにブレーダーから送り出される糸の角度を小さくする(寝かせる)必要があり、繊維基材の製造が面倒である。しかし、本実施形態の繊維基材20は、電界紡糸法によって形成されるため、厚みが厚くなることもなく、均一な厚みで簡単に製造することができる。
(3)繊維基材20は厚みが1mm以下であるため、得られる繊維強化複合材11も厚みが薄く、軽量化することができる。
(4)繊維基材20は、電界紡糸装置によってマンドレル33に繊維径が10nm〜1000nmのナノオーダーのナノファイバーを付着させる付着工程を行った後、そのナノファイバーを炭化する炭化工程を行って形成される。よって、電界紡糸法によって繊維径が10nm〜1000nmのナノファイバーを簡単に形成することができ、そのナノファイバーを炭化することで強度の高い炭素繊維を形成することができる。よって、薄くて軽量化され、しかも強度の高い繊維基材20を簡単に形成することができる。
(5)繊維強化複合材11は、繊維基材20の炭素繊維に炭素を沈着させる沈着工程を行って形成される。このため、繊維基材20の炭素繊維には炭素が沈着して、炭素が緻密化された繊維強化複合材11が得られる。繊維強化複合材11の製造時、繊維基材20に炭素を沈着させるとき、繊維基材20の炭素繊維は密度が高いため、炭素繊維間の隙間は炭素によって速やかに埋まる。よって、繊維強化複合材11の製造時間の短縮を図ることができる。
また、炭素繊維間の隙間を小さくすることができるため、繊維強化複合材11においては樹脂リッチの部位が形成されにくくなり、繊維強化複合材11の強度低下を抑えることができる。
(6)繊維基材20は、電界紡糸法によって形成された連続繊維が絡み合った不織布状に形成されている。このため、繊維基材20は、織物よりなる繊維基材と比べると、繊維密度が高く、同一の目付けにおける繊維数も多くなっている。よって、同一目付けで比べると、薄く緻密な繊維基材20及び繊維強化複合材11となる。
(7)電界紡糸法によってナノファイバーをマンドレル33に付着させて繊維基材20を形成する。このため、マンドレル33が第1部33a、第2部33b、及び第3部33cを備え、形状変化に富んでいても、そのマンドレル33の形状に合わせてナノファイバーを均一に塗布することができる。よって、マンドレル33の形状に合わせて繊維基材20を均一な厚みで簡単に形成することができる。
(8)電界紡糸法によってナノファイバーをマンドレル33に付着させて繊維基材20を形成する。電界紡糸法では、所望する箇所に向けて所望する量のナノファイバーを付着させることができるため、マンドレル33の形状変化に合わせて繊維基材20の厚みを簡単に変化させることができる。よって、電界紡糸法を採用することで、形状に依存することなく均一な厚みの繊維基材20を簡単に形成することができる。
(9)電界紡糸法によってナノファイバーをマンドレル33に付着させて繊維基材20を形成する。電界紡糸法では、所望する箇所に向けて所望する量のナノファイバーを付着させることができるため、マンドレル33の形状変化に合わせて繊維基材20の厚みを簡単に変化させることができる。このため、例えば、既に形成された不織布をマンドレル33に沿わせて変形する場合のように、不織布が引き延ばされたりして繊維基材20の密度が低下してしまうことがない。よって、電界紡糸法を採用することで、繊維密度が均一の繊維基材20を形成することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、成形型として円柱状のマンドレル33に具体化したが、マンドレル33の形状は任意に変更してもよい。例えば、図3に示すように、成形型40を円柱状に形成するとともに、その軸方向及び周方向の一部を凹ませた凹部40aを形成してもよい。このように構成しても、電界紡糸法によってナノファイバーを成形型40に付着させることにより、凹部40aであっても均一な厚み、かつ均一な密度でナノファイバーを付着させることができる。
○ 実施形態では、沈着工程ではCVD法を採用したが、その他の炭素を析出させる方法を採用してもよい。
○ 実施形態では、電界紡糸装置の吐出ノズル32をマンドレル33の軸方向に沿って移動させたが、マンドレル33を移動させてナノファイバーをマンドレル33の方面に均一の厚みで付着させてもよい。
○ 実施形態では、繊維基材20は、繊維径が10nm〜1000nmの炭素繊維に炭素を沈着させたものであったが、さらに、繊維基材20の表面に強化繊維をブレーディングやフィラメントワインディングして、繊維基材20を強化してもよい。
○ マトリックス樹脂は熱硬化性樹脂を採用してもよい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等を使用してもよい。
11…繊維強化複合材、13…くびれ部、20…繊維基材、32…吐出ノズル、33…成形型としてのマンドレル、35…溶液、40…成形型。

Claims (10)

  1. 繊維径が10nm〜1000nmの炭素繊維が不織布状をなし、かつ1平方m当たりの平均繊維長さが100mm以上に形成されている繊維基材。
  2. 筒状に形成されるとともに、前記繊維基材の軸方向の位置によって周長が異なる部位を含む請求項1に記載の繊維基材。
  3. 前記軸方向に沿って前記周長が徐々に短くなった後、前記周長が徐々に長くなるくびれ部を有する請求項2に記載の繊維基材。
  4. 厚みは、1mm以下である請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の繊維基材。
  5. 請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の繊維基材に樹脂を含浸させてなる繊維強化複合材料。
  6. 繊維径が10nm〜1000nmの炭素繊維が不織布状に形成されている繊維基材の製造方法であって、
    電界紡糸装置の吐出ノズルから成形型の表面に炭素繊維用材料の溶液を吹付け、前記表面に繊維径が10nm〜1000nmのナノファイバーを付着させる付着工程と、
    前記ナノファイバーを炭化して炭素繊維を形成する炭化工程と、
    を備えている繊維基材の製造方法。
  7. 前記繊維基材は筒状に形成されるとともに、前記成形型は、軸方向の位置によって周長が異なる部位を含むように形成されている請求項6に記載の繊維基材の製造方法。
  8. 前記成形型は、前記軸方向に沿って周長が徐々に短くなった後、前記周長が徐々に長くなるくびれ部を有する請求項7に記載の繊維基材の製造方法。
  9. 前記吐出ノズルを前記成形型の軸方向に沿って移動させる請求項6〜請求項8のうちいずれか一項に記載の繊維基材の製造方法。
  10. 請求項6〜請求項9のうちいずれか一項に記載の製造方法により形成された繊維基材に樹脂を含浸させる工程を備える繊維強化複合材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106048888A (zh) * 2016-07-06 2016-10-26 常州维盛无纺科技有限公司 含有天然纤维的多层无胶复合无纺布及其制备方法和应用

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