JP2013217976A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動するベルト体に接触してこれを摺擦する転写部材の表面に付着した異物を除去して、転写不良を抑制することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1と、ベルト体7と、ベルト体7に接触してこれを摺擦する転写部材51と、像担持体1に向けて転写部材51を付勢してベルト体7と転写部材51との間の接触領域N3を形成する付勢手段55、56と、を有する画像形成装置100は、ベルト体7の移動方向における接触領域の長さを変更する変更手段58、57と、非画像形成時に転写部材51の表面を清掃する清掃動作を実行させる制御手段151と、を有し、制御手段151は、清掃動作において、接触領域N3の長さを画像形成時よりも長くして、画像形成時に接触領域N3よりも上流側にある転写部材51の表面が接触領域N3に含まれるようにした状態で、ベルト体7を移動させる構成とする。
【選択図】図4
【解決手段】像担持体1と、ベルト体7と、ベルト体7に接触してこれを摺擦する転写部材51と、像担持体1に向けて転写部材51を付勢してベルト体7と転写部材51との間の接触領域N3を形成する付勢手段55、56と、を有する画像形成装置100は、ベルト体7の移動方向における接触領域の長さを変更する変更手段58、57と、非画像形成時に転写部材51の表面を清掃する清掃動作を実行させる制御手段151と、を有し、制御手段151は、清掃動作において、接触領域N3の長さを画像形成時よりも長くして、画像形成時に接触領域N3よりも上流側にある転写部材51の表面が接触領域N3に含まれるようにした状態で、ベルト体7を移動させる構成とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、電子写真方式や静電気録方式を利用したレーザービームプリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を利用した画像形成装置として、感光ドラム上に担持されたトナー像を、転写ベルトに担持された記録材の表面又は中間転写ベルトの表面に静電的に転移させる転写工程を有するものがある。このような画像形成装置では、転写ベルト又は中間転写ベルトを挟んで感光ドラムに対向する位置に転写手段が配置され、この転写手段に対して、転写工程に必要なトナーの正規の帯電極性とは逆極性の転写電圧(転写バイアス)が印加される。これにより、感光ドラムと転写ベルト上の記録材又は中間転写ベルトとの間の転写部に形成される電界によって、感光ドラムから転写ベルト上の記録材又は中間転写ベルトにトナー像が転写される。
転写手段としては、転写ベルトや中間転写ベルトといったベルト体の裏面(感光ドラム側とは反対側の面)に回転しながら接触するローラ型の転写部材である転写ローラがある。
一方、特許文献1〜3に開示されるように、転写手段として、支持部材に支持されたブレード、フィルム又はシートなどの、固定配置された転写部材を用いることが提案されている。このような転写部材は、コストダウンを図り易いこと、転写ニップが安定しているため転写電流をその長手方向で均一にし易いこと、或いは転写ニップを広くし易いためベルト体と感光ドラムとの間での剥離放電を抑制し易いことなどの利点を有する。
しかしながら、移動するベルト体に接触してこれを摺擦する固定配置された転写部材を用いた画像形成装置では、転写部材の表面の、特にベルト体の内周面と転写部材とで形成される裏面ニップの上流側に異物が付着し易い。上記異物としては、トナーや紙粉などのベルト体の外周面側から内周面側へと侵入する異物や、画像形成装置の使用に伴ってベルト体の内周面側で発生する削れ粉などがある。
裏面ニップに異物が存在すると、その近傍で、転写部材にかかっている転写電力によって異常放電が発生する場合がある。
その結果、感光ドラムとベルト体とで形成される転写ニップにおいて異物に起因するトナーの転写不良が生じ、縦スジ状の画像不良が発生してしまうことがある。
従って、本発明の目的は、移動するベルト体に接触してこれを摺擦する転写部材の表面に付着した異物を除去して、転写不良を抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と接触して移動可能なベルト体と、前記ベルト体を挟んで前記像担持体と対向する位置に配置され、移動する前記ベルト体に接触してこれを摺擦し、電圧が印加されることで前記像担持体から前記ベルト体又は前記ベルト体に担持された記録材にトナー像を転写させる転写部材と、前記像担持体に向けて前記転写部材を付勢して前記ベルト体と前記転写部材との間の接触領域を形成する付勢手段と、を有する画像形成装置において、前記ベルト体の移動方向における前記接触領域の長さを変更する変更手段と、非画像形成時に前記転写部材の表面を清掃する清掃動作を実行させる制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記清掃動作において、前記ベルト体の移動方向における前記接触領域の長さを前記変更手段によって画像形成時よりも長くして、画像形成時に前記接触領域よりも前記ベルト体の移動方向上流側にある前記転写部材の表面が前記接触領域に含まれるようにした状態で、前記ベルト体を移動させることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、移動するベルト体に接触してこれを摺擦する転写部材の表面に付着した異物を除去して、転写不良を抑制することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
ただし、以下の実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
実施例1
1.画像形成装置の全体的な構成
先ず、本発明の一実施例に係る画像形成装置の全体的な構成について説明する。
1.画像形成装置の全体的な構成
先ず、本発明の一実施例に係る画像形成装置の全体的な構成について説明する。
図1は、本実施例の画像形成装置100の全体構成を示す模式的な断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像の形成が可能なレーザービームプリンタである。
本実施例の画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれ形成する画像の色が異なる4つの画像形成部(ステーション)SY、SM、SC、SKを有する。第1の画像形成部SYはイエロー(Y)、第2の画像形成部SMはマゼンタ(M)、第3の画像形成部CYはシアン(C)、第4の画像形成部SKはブラック(K)の画像を形成する。
尚、本実施例では、各画像形成部SY、SM、SC、SKの構成及び動作は、使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用の要素であることを表す符号の添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
画像形成部Sには、像担持体としての回転可能なドラム型の電子写真感光体である感光ドラム1が設けられている。感光ドラム1は、図中矢印R1方向に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、感光ドラム1の回転方向に沿って順に次の各手段が設けられている。先ず、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ2である。次に、露光手段としての露光装置3である。次に、現像手段としての現像装置4である。次に、一次転写手段としての一次転写装置5である。次に、感光体クリーニング手段としてのクリーニング装置6である。
帯電ローラ2には、帯電ローラ2への電圧供給手段である帯電電源E1が接続されている。
現像装置4は、現像スリーブ41、トナー塗布ブレード42、現像容器43などを有し、現像容器43内に現像剤としての非磁性一成分現像剤であるトナーが収容されている。現像スリーブ41には、現像スリーブ41への電圧供給手段である現像電源E2が接続されている。本実施例では、トナー像を形成するトナーの帯電極性として意図されたトナーの正規の帯電極性は負極性である。
露光装置3は、画像情報に応じたレーザー光を感光ドラム1に照射するレーザースキャナ(光学ユニット)とされている。
画像形成装置100は更に、中間転写体としての無端状のベルトである中間転写ベルト7を有する。中間転写ベルト7は、4つの感光ドラム1の全てに対し当接するように配置されている。中間転写ベルト7は、張架部材としての二次転写対向ローラ71、駆動ローラ72、テンションローラ73の3本のローラにより支持されており、適当なテンションが維持されるようになっている。駆動ローラ72が回転駆動されることにより、中間転写ベルト7は図中矢印R2方向に周回移動(回転)する。中間転写ベルト7は、各感光ドラム1との対向部において、各感光ドラム1に対して順方向に略同速度で移動する。
各画像形成部Sにおいて、各一次転写装置5は、中間転写ベルト7の内周面(感光ドラム側とは反対側の面。以下「裏面」ともいう。)側において、中間転写ベルト7を介して各感光ドラム1に対向する位置に配置されている。詳しくは後述するように、一次転写装置5は、シート状の転写部材である転写シート51(図2)を有し、この転写シート51が中間転写ベルト7の内周面に接触させられている。そして、一次転写装置5は、中間転写ベルト7を感光ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト7と感光ドラム1との接触部である一次転写部(一次転写ニップ、一次転写領域)N1を形成する。各一次転写装置5には、それぞれ一次転写装置5への電圧供給手段である一次転写電源E3が接続されている。中間転写ベルト7は、感光ドラム1と一次転写装置5との間を移動する。
中間転写ベルト7の外周面(感光ドラム側の面。以下「表面」ともいう。)側において、二次転写対向ローラ71に対向する位置には、二次転写手段としてのローラ型の転写部材である二次転写ローラ8が配置されている。二次転写ローラ8は、中間転写ベルト7を介して二次転写対向ローラ71に押圧され、二次転写ローラ8と中間転写ベルト7との接触部である二次転写部(二次転写ニップ、二次転写領域)N2を形成する。二次転写ローラ8には、二次転写ローラ8への電圧供給手段である二次転写電源E4が接続されている。
中間転写ベルト7の内周面側には、中間転写ベルト7の内周面に付着した異物(付着物)を回収する回収手段として、中間転写ベルト7の内周面に当接された内周面クリーニング部材74が設けられている。内周面クリーニング部材74は、中間転写ベルト7の回転方向において、最下流である第4の画像形成部SKの一次転写部N1Kよりも下流側、且つ、二次転写部N2よりも上流側で、中間転写ベルト7の内周面をクリーニングするように配置されている。特に、本実施例では、内周面クリーニング部材74は、第4の画像形成部SKの一次転写部N1Kと駆動ローラ72との間に配置されている。又、中間転写ベルト7の外周面側において、テンションローラ73と対向する位置には、中間転写ベルト7の外周面に当接された外周面クリーニング部材75が設けられている。
尚、本実施例では、中間転写ベルト7として、厚さ100μm、体積抵抗率1010ΩcmのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)で形成された無担状のベルトを用いた。又、二次転写対向ローラ71としては、外径8mmのニッケルメッキ鋼棒に、体積抵抗率108Ωcm、厚さ5mmのNBRの発泡スポンジ体を被覆した、外径18mmのローラを用いた。又、本実施例では、駆動ローラ72としては、アルミニウム製の芯金に、カーボンを導電剤として分散した体積抵抗率104Ωcm、肉厚1.0mmのEPDMゴムを被覆した、外径25mmのローラを用いた。又、テンションローラ73としては、外径25mmのアルミニウム製の金属棒を用いた。本実施例では、テンションローラ73の長手方向(回転軸線方向)の両端部にかかるテンションは、片側19.6N、総圧39.2Nとした。
又、二次転写ローラ8としては、アルミニウム製の芯金に、カーボンを導電剤として分散した体積抵抗率104Ωcm、肉厚1.5mmのEPDMゴムを被覆した、外径25mmのローラを用いた。又、二次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して、5〜15g/cm程度の線圧で当接させた。又、二次転写ローラ8は、中間転写ベルト7との対向部において、中間転写ベルト7の移動方向に対して順方向に略等速度で移動する。
又、外周面クリーニング部材75としては、ウレタンゴムなどで形成された弾性を有するクリーニングブレードを用いた。又、内周面クリーニング部材74は、ポリエチレンなどから成るシート材で形成されており、中間転写ベルト7と接触する面には、異物を効果的に回収できるように複数の凹部(図示せず)が形成されている。
画像形成装置100は更に、記録材Pを収容する記録材カセット9、記録材カセット9から記録材Pを一枚ずつ給送する給送ローラ10、二次転写部N2に記録材Pを搬送するレジストローラ11などを有する。
画像形成装置100は更に、定着手段としての定着装置12を有する。定着装置12は、熱源を備えた定着ローラと、定着ローラに圧接する加圧ローラとを有し、記録材P上のトナー像に熱と圧力を加えることで、記録材P上にトナー像を定着させる。
本実施例では、各画像形成部Sには、各色に対応するプロセスカートリッジ120がそれぞれ着脱可能に装着される。各プロセスカートリッジ120は略同一構造である。本実施例では、感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びクリーニング装置6とが一体的にカートリッジ化されて、画像形成装置本体110に対して着脱可能なプロセスカートリッジ120とされている。
2.画像形成動作
次に、フルカラー画像の形成を例として、本実施例の画像形成装置100による画像形成動作について説明する。
次に、フルカラー画像の形成を例として、本実施例の画像形成装置100による画像形成動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、各感光ドラム1の図中矢印R1方向への所定のプロセススピード(周速度)での回転駆動が開始させると共に、中間転写ベルト7の図中矢印2方向への所定のプロセススピード(周速度)での回転駆動が開始される。
先ず、第1の画像形成部SYにおいて、感光ドラム1Yが帯電ローラ2Yによって一様に所定の極性(本実施例では負極性)に帯電させられる。このとき、帯電ローラ2Yには、帯電電源E1Yから、所定の帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。
一様に帯電させられた感光ドラム1の表面には、露光装置3Yによって画像情報に応じたレーザー光が照射される。これによって、感光ドラム1Y上に静電潜像(静電像)が形成される。
又、現像装置4Y内のトナーは、トナー塗布ブレード42Yによって、所定の極性(本実施例では負極性)に帯電されて、現像スリーブ41Y上に塗布される。又、現像スリーブ41には、現像電源E2Yより所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。
そして、感光ドラム1Y上に形成された静電潜像が現像スリーブ41Yとの対向部に到達すると、静電潜像は負極性に帯電したトナーによって可視化され、感光ドラム1Y上にはイエロー(第1色目)のトナー像が形成される。
本実施例では、イメージ露光と反転現像との組み合わせにより、トナー像が形成される。即ち、一様に帯電した感光ドラム1の表面における露光により電位の絶対値が低下した露光部に、感光ドラム1の帯電極性と同極性に帯電したトナーを付着させることで、トナー像を形成する。
感光ドラム1Y上に形成されたトナー像は、一次転写部N1Yにおいて、一次転写装置5Yの作用によって中間転写ベルト7上に転写(一次転写)される。このとき、一次転写装置5Yには、一次転写電源E3Yから、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。
一次転写工程後の感光ドラム1Yの表面に付着している、転写されずに残留したトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置6Yによって感光ドラム1Yの表面から除去されて回収される。こうして、感光ドラム1の表面はクリーニングされて、次の画像形成に供される。
マゼンタ、シアン、ブラック用の第2〜第4の画像形成部SM、SC、SKにおいても、上記イエロー用の第1の画像形成部SYと同様の画像形成工程が行われる。これにより、各感光ドラム1Y、1M、1C、1Kに、第1色目、第2色目、第3色目、第4色目のトナー像としてそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が形成される。そして、この各色のトナー像は、各一次転写部N1において、中間転写ベルト7上に重ね合わせるようにして順次に転写(一次転写)される。これにより、中間転写ベルト7上に4色の多重トナー像が形成される。
一方、上述のような画像形成工程に合わせて、記録材カセット9に収容されている記録材Pが、給送ローラ10により一枚ずつ給送され、レジストローラ11まで搬送される。記録材Pは、中間転写ベルト7上のトナー像と同期するようにして、レジストローラ11によって二次転写部N2へ搬送される。
そして、二次転写部N2において、中間転写ベルト7上に担持された4色の多重トナー像は、二次転写ローラ8の作用により、一括して記録材P上に転写(二次転写)される。このとき、二次転写装置8には、一次転写電源E4から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。
その後、定着装置12において記録材P上のトナー像に熱と圧力が加えられることで、記録材P上にトナー像が定着される。そして、トナー像が定着された記録材Pは、画像形成物(プリント、コピー)として画像形成装置100の外部へと排出される。
二次転写工程後の中間転写ベルト7の表面に付着している、転写されずに残留したトナー(転写残トナー)や記録材Pが搬送されることによって発生した紙粉などは、外周面クリーニング部材75によって中間転写ベルト7の表面から除去されて回収される。
尚、本実施例では、画像形成装置100の用紙移動速度(プロセススピード)は100mm/secである。
3.一次転写装置の構成
次に、図2、図3及び図4を参照して、一次転写装置5の構成について説明する。
次に、図2、図3及び図4を参照して、一次転写装置5の構成について説明する。
図2は、一次転写部N1における感光ドラム1及び中間転写ベルト7の表面の移動方向と直交する方向に見た一次転写装置5の断面図である。
本実施例では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKの全てで一次転写装置5の構成は実質的に同じである。
一次転写装置5は、移動するベルト体に接触してこれを摺擦する固定配置された転写部材として、導電樹脂シートで形成されたシート状の転写部材である転写シート51を有する。又、一次転写装置5は、転写シート51の裏面(中間転写ベルト側とは反対側の面)側に配置された、弾性体で形成されたシート押圧部材52を有する。又、一次転写装置5は、転写シート51及びシート押圧部材52を支持する支持部材53を有する。又、一次転写装置5は、支持部材53の中間転写ベルト7の移動方向の上流側の端面上に、転写シート51の固定部を覆うように配置された、カバー部材54を有する。
更に、一次転写装置5は、付勢部材としての押圧バネ55、押圧バネの弾性力を受ける受け部56、受け部56を支えるカム57、及びカム57の回転軸であるカムシャフト58を有する。本実施例では、これら押圧バネ55、受け部56、カム57及びカムシャフト58などによって、転写シート51を感光ドラム1に向けて付勢する付勢手段が構成される。
押圧バネ55は、支持部材53の底面と受け部56の上面との間に配置され、支持部材53に支持されたシート押圧部材52を介して、転写シート51を中間転写ベルト7に押圧する。これにより、転写シート51の表面(感光ドラム側の面)と中間転写ベルト7の裏面とが密着した裏面ニップ(接触領域)N3が形成される。
又、駆動手段としてのカム駆動モータM3(図8)によってカムシャフト58が回転駆動されることで、カムシャフト58と一体的に、このカムシャフト58を回転中心として、カム57が図中矢印R3方向に回転する。これにより、受け部56の位置が中間転写ベルト7の裏面に近づく方向又は中間転写ベルト7の裏面から離れる方向に変動する。受け部56の位置を変動させることで、押圧バネ55の使用長を変えることができ、転写シート51を中間転写ベルト7の裏面に押圧して密着させる力である押圧力(以下、単に「一次転写装置の押圧力」ともいう。)を変化させることができる。本実施例では、これらカム57、カムシャフト58、カム駆動モータM3などによって、詳しくは後述するように裏面ニップN3の中間転写ベルト7の移動方向の長さを変更する変更手段が構成される。
図3は、一次転写装置5の組立斜視図である。
押圧バネ55は、一次転写装置5の長手方向の両端部近傍にそれぞれ1箇所ずつ、合計2箇所に配置されている。又、受け部56は、板形状とされており、この受け部56の長手方向の両端部近傍の下面に、カム57がそれぞれ作用するようになっている。
カム57は、カムシャフト58の長手方向(回転軸線方向)の両端に取り付けられている。そして、カムシャフト58がカム駆動モータM3(図8)を含む回転機構により回転駆動されることにより、カムシャフト58を中心にこれと一体的に図中矢印R3方向に回転することができる。
転写シート51は中間転写ベルト7の内周面と摺動する。そして、転写シート51に一次転写電源(高圧電源)E3から一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加されることで、一次転写性が確保される。
本実施例では、転写シート51として、線膨張係数17.0(10-5/℃)、表面抵抗率10(KΩ/□)の超高分子導電ポリエチレンシートを使用した。転写シート51の表面抵抗率測定には、三菱化学株式会社のHiresta−UP(MCP−HT450)、UR−100測定プローブを用いた。
尚、転写シート51の材料としては、例えば、PC(ポリカーボネート)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、ポリエチレン、PA(ポリアミド)などを用いてもよい。転写シート51の材料としては、上記のような樹脂基材自体が導電性のシートを用いてもよいし、絶縁性のシートの表面に導電性材料をコートしたものを用いてもよい。
本実施例では、転写シート51は、変形されていない状態で矩形形状のシート部材である(厚さ約200μm)。転写シート51は、その短手方向の一方の端部(固定端)51aが、支持部材53の中間転写ベルト7の移動方向の上流側の端面に固定される。又、転写シート51は、短手方向の他方の端部(自由端)51b側が、中間転写ベルト7の移動方向の下流側に向けて、中間転写ベルト7の裏面に沿わせて撓まされた状態で配置される。そして、この転写シート5の短手方向の自由端近傍から固定端側の所定の範囲の裏面に、シート押圧部材52が配置され、転写シート51は中間転写ベルト7の裏面に向けて押圧される。これにより、詳しくは後述するように、一次転写装置5の押圧力に応じて、転写シート51の短手方向の自由端から固定端側のある範囲が、中間転写ベルト7の裏面に密着させられる。
尚、転写シート51は、予め図2に示すような湾曲した形状に成形されていてもよい。この場合、後述する異物除去工程時には、その形状から更に転写シート51を湾曲させて裏面ニップN3の中間転写ベルト7の移動方向の幅を拡大するようにする。
又、本実施例では、シート押圧部材52として、ASCAR−C硬度18°、厚さ(転写シートの押圧方向)3.0mmの絶縁性発泡ウレタンを使用した。
尚、本実施例では、シート押圧部材52は、変形されていない状態で略角柱形状のスポンジ部材である。シート押圧部材52は、その長手方向が転写シート51の長手方向と略同一方向となるようにして、支持部材53に固定される。そして、このシート押圧部材52の厚さ方向の一方の端面(感光ドラム側の面)52aを、転写シート51の裏面に沿わせ、転写シート51をその裏面から中間転写ベルト7に向けて押圧する。これにより、詳しくは後述するように、一次転写装置5の押圧力に応じて、転写シート51の短手方向の自由端から固定端側のある範囲を、中間転写ベルト7の裏面に密着させる。
図4は、カム57が回転した場合の2つの状態を図示している。
押圧バネ55の自然長は30mm、バネ定数は15gf/mmである。又、一次転写装置5の重量は50gである。
図4(a)は、画像形成時の一次転写装置5の状態を示す。この状態では、カム57の回転中心から受け部56までの距離は10mmである。又、押圧バネ55の使用長は20mmである。又、押圧バネ55は2本使用している。そのため、一次転写装置5における押圧バネ55による圧力は150gf×2本=300gfになる。従って、一次転写装置5の押圧力は300−50=250gfとなる。画像形成時は、常にこの状態が維持される。
図4(b)は、図4(a)の状態からカム57を180°回転させた状態を示す。この状態では、カム57の回転中心から受け部56までの距離は20mmである。又、押圧バネ55の使用長は10mmである。又、押圧バネ55は2本使用している。そのため、一次転写装置5における押圧バネ55による圧力は300gf×2本=600gfになる。従って、一次転写装置5の押圧力は600−50=550gfとなる。この状態は、転写シート51の表面に付着した異物を除去する異物除去工程に維持される。この異物除去工程は、非画像形成時に実施される。異物除去工程については、後述して更に詳しく説明する。
このように、本実施例では、カム57を回転させることで、受け部56の位置を変化させ、押圧バネ55の使用長を増減させることができる。
4.転写シートの表面の異物による画像不良
図5を参照して、転写シート51の表面の異物に起因して発生する画像不良(縦白スジ)について説明する。
図5を参照して、転写シート51の表面の異物に起因して発生する画像不良(縦白スジ)について説明する。
図5は、中間転写ベルト7の内周面に付着した異物Xが縦白スジとなって画像上に現れるまでの流れを模式的に示したものである。
先ず、中間転写ベルト7の外周面側から内周面側に侵入するか又は中間転写ベルト7の内周面側で発生した異物Xの一部は、中間転写ベルト7の内周面に付着した状態で中間転写ベルト7の移動とともに転写シート51の付近まで移動する。
その後、異物Xの大半は、転写シート51と中間転写ベルト7とで形成される裏面ニップN3によって堰き止められ、この裏面ニップN3よりも中間転写ベルト7の移動方向の上流側の転写シート51の表面に付着する。
一旦上記箇所に付着した異物Xは、中間転写ベルト7とは再び接触することなく、転写シート51の表面に留まり続けることになる。又、本実施例では、一次転写工程では、転写シート51には、トナーtとは逆極性のプラスの一次転写バイアスが印加される。これに伴い、転写シート51に付着した異物Xもプラスに帯電する。
裏面ニップN3よりも中間転写ベルト7の移動方向の上流側の転写シート51の表面に付着した異物Xは、その周囲の転写シート51の表面よりも中間転写ベルト7側に突出している。そのため、その異物Xに電界が集中し、その異物Xと中間転写ベルト7との間で放電D1が発生することがある。この放電D1が発生すると、異物Xからプラスの電荷を受け取ることで、放電D1が生じた部位の中間転写ベルト7はプラスに帯電する。
そして、放電D1によってプラスに帯電した中間転写ベルト7の部位では、マイナスに帯電している感光ドラム1上のトナーtとの電位差が大きくなる。そのため、放電D1によってプラスに帯電した中間転写ベルト7の部位と、感光ドラム1上のトナーtとの間で放電D2が発生することがある。この放電D2が発生した部位のトナーtはマイナス電荷を失うことになる。
放電D2によってマイナス電荷を失ったトナーtは、感光ドラム1と中間転写ベルト7とで形成される一次転写ニップN1に突入しても、転写シート51のプラス電荷に静電的に引かれる力が小さい。そのため、このトナーtは、感光ドラム1上から中間転写ベルト7上に移動し難く、感光ドラム1から中間転写ベルト7へのトナーの転写不良が発生する。
放電D1は、転写シート51の表面に異物Xが付着した位置において、一次転写時にプラスの一次転写バイアスが印加されている間連続して発生することがある。そのため、放電D1に伴う放電D2、放電D2に伴う感光ドラム1から中間転写ベルト7へのトナーの転写不良も、転写シート51の表面に異物Xが付着した位置において、一次転写時にプラスの一次転写バイアスが印加されている間連続して発生することがある。
その結果、上述のような感光ドラム1から中間転写ベルト7へのトナーの転写不良は、中間転写ベルト7上のトナー像中では、中間転写ベルト7の移動方向に平行で、周囲よりトナー濃度の低いスジ状の跡となることがある。そして、記録材P上においては、記録材Pの搬送方向に平行な白いスジ状の画像不良(縦白スジ)となることがある。
5.異物除去工程(転写シートの清掃動作)
次に、本実施例における転写シート51の清掃動作としての異物除去工程について説明する。
次に、本実施例における転写シート51の清掃動作としての異物除去工程について説明する。
本実施例では、異物除去工程は、画像形成動作が終了した後もしばらくの間感光ドラム1の回転駆動を継続させる後回転動作中に行った。本実施例では、毎回のジョブ(一の画像形成開始信号による単数又は複数の記録材に対する一連の画像形成動作)の後に後回転動作が実行される。
尚、異物除去工程は、当該一次転写部N1において、記録材Pに転写して出力する画像を、中間転写ベルト7に一次転写しているタイミング(画像形成時)以外のタイミング(非画像形成時)であれば、任意のタイミングで実施することができる。例えば、このような非画像形成時としては、次のものが挙げられる。先ず、画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時に行われる準備動作期間である前多回転動作時がある。又、画像形成開始信号が入力されてから実際に画像形成を開始するまでの準備動作期間である前回転動作時がある。又、複数の記録材Pに対する連続画像形成時における一の記録材Pとその次の記録材Pとの間の期間に相当する紙間時がある。そして、画像形成後も感光ドラム1などの回転体の回転が継続される整理動作(準備動作)期間である後回転動作時がある。
図6は、本実施例における画像形成時及び異物除去工程時の、中間転写ベルト7の駆動、一次転写装置5の押圧力、及び一次転写バイアスと帯電バイアスとの電位差の時間推移を示す。
本実施例では、画像形成時及び異物除去工程時のいずれにおいても、転写シート51には一次転写バイアスとして+500Vが印加され、帯電ローラ2には帯電バイアスとして−1000Vが印加される。即ち、帯電バイアスと一次転写バイアスとの電位差は1500Vに維持されている。これにより、一次転写部N1における感光ドラム1の表面電位と転写シート51の電位との間に電位差が形成される。この電位差は画像形成に最適となるように設定されている。尚、画像形成時の一次転写部N1における感光ドラム1の表面電位は、通常感光ドラム1の表面の多くを占める非画像部の表面電位である。
又、上述のように、画像形成時の一次転写装置5の押圧力は250gfであり、異物除去工程時の一次転写装置5の押圧力は550gfである。
本実施例では、画像形成動作の終了後、感光ドラム1や中間転写ベルト7が回転を継続している状態で、一次転写装置5の押圧力を変更して、異物除去工程を連続して実施する。但し、異物除去工程は、感光ドラム1や中間転写ベルト7が停止している状態で一次転写装置5の押圧力を変更した後に、感光ドラム1や中間転写ベルト7の駆動を開始するようにして実施してもよい。
6.制御態様
図8は、本実施例の画像形成装置100の概略制御態様を示す。本実施例では、画像形成装置100に設けられた制御部(制御回路)150が、画像形成装置100の各部の動作を統括的に制御する。
図8は、本実施例の画像形成装置100の概略制御態様を示す。本実施例では、画像形成装置100に設けられた制御部(制御回路)150が、画像形成装置100の各部の動作を統括的に制御する。
制御部150は、制御の中心的素子である制御手段としてのCPU151、記憶手段としてのROM152、RAM153を有する。CPU151は、ROM152、RAM153に記憶されたプログラム、データに応じて、画像形成装置100の各部の制御を実行する。
本実施例に関連して、制御部150は、帯電電源E1、現像電源E2、一次転写電源E3、二次転写電源E4の電圧出力のオン/オフや出力値の制御を行う。又、制御部150は、感光ドラム1の駆動手段としての感光体駆動モータM1、中間転写ベルト7の駆動手段としての中間転写体駆動モータM2、一次転写装置5のカムシャフト58を回転させるカム駆動モータM3、及び露光装置3の駆動などの制御を行う。
7.作用効果
次に、図7を参照して、本実施例の作用効果について説明する。
次に、図7を参照して、本実施例の作用効果について説明する。
図7(a)は、画像形成時における一次転写ニップN1の付近の模式的な断面図である。図7(a)に示すように、画像形成時には、中間転写ベルト7と転写シート51とで形成される裏面ニップN3よりも中間転写ベルト7の移動方向の上流の転写シート51の表面に異物Xが付着することがある。上述のように、この状態では異物Xに起因する縦白スジが発生することがある。
図7(b)は、異物除去工程時の一次転写ニップN1の付近の模式的な断面図である。本実施例では、異物除去工程時には、一次転写装置5の押圧力は、画像形成時の250gfから550gfに増加している。そのため、シート押圧部材52が圧縮変形し、中間転写ベルト7の移動方向における裏面ニップN3の幅は、一次転写装置5の押圧力の上昇に伴って拡大する。より詳細には、異物除去工程時には、中間転写ベルト7と転写シート51とで形成される裏面ニップN3の中間転写ベルト7の移動方向における長さは、画像形成時よりも中間転写ベルト7の移動方向の上流側に長くなる。
尚、本実施例では、一次転写装置5の押圧力を上昇させることにより、中間転写ベルト7の移動方向における一次転写ニップN1の幅も拡大する。より詳細には、異物除去工程時には、中間転写ベルト7と感光ドラム1とで形成される一次転写ニップN1の中間転写ベルト7の移動方向における長さは、画像形成時よりも中間転写ベルト7の移動方向の上流側に長くなる。裏面ニップN3は、中間転写ベルト7の移動方向において、一次転写ニップN1と同じ範囲か又はより上流の範囲にまで及ぶ。
つまり、画像形成時は裏面ニップN3の外にあった異物Xの付着箇所は、異物除去工程時は裏面ニップN3に含まれ、中間転写ベルト7の移動による搬送力を強く受けることになる。これにより、縦白スジの要因となる異物Xは、裏面ニップN3の中間転写ベルト7の移動方向の下流側へと押し出される。
ここで、異物除去工程時に画像形成時よりも裏面ニップN3を長くする程度は、転写シート51の表面に付着した異物による画像不良を十分に抑制できるように適宜設定できる。
又、異物除去工程の実施期間の長さ、即ち、本実施例では裏面ニップN3の幅を拡大した状態で中間転写ベルト7を移動させる期間の長さは、転写シート51の表面に付着した異物による画像不良を十分に抑制できるように適宜設定できる。但し、裏面ニップN3の幅を拡大した後、少なくともその拡大した分の裏面ニップN4の幅と、画像形成時の裏面ニップN3の幅とを足した長さだけ中間転写ベルト7が移動する間は、その裏面ニップN3の幅を拡大した状態を維持することが好ましい。これにより、効率的に転写シート51の表面に付着していた異物Xを、裏面ニップN3よりも中間転写ベルト7の移動方向の下流側へと押し出すことができる。
尚、より上流の一次転写装置5から押し出された異物Xは、異物除去工程を実行するごとに順次下流側へと搬送されて行き、最終的に内周面クリーニング部材57で回収される。
以上のように、本実施例では、非画像形成時に、画像形成時よりも一次転写装置5の押圧力を増加させた状態で、中間転写ベルト7を移動させる。このような構成とすることで、非画像形成時に、画像形成時よりも中間転写ベルト7の移動方向における裏面ニップN3の長さを長くした状態で、中間転写ベルト7を移動させることができる。これによって、トナーや紙粉など中間転写ベルト7の外周面側から内周面側へと侵入する異物や、画像形成装置100の使用に伴って中間転写ベルト7の内周面側で発生する削れ粉などが原因となって発生する画像不良(縦白スジ)を抑制することができる。
8.評価試験
8−1.本実施例の評価試験方法
本実施例における、転写シート51の表面に付着した異物Xの除去効果を、次の方法により評価した。
8−1.本実施例の評価試験方法
本実施例における、転写シート51の表面に付着した異物Xの除去効果を、次の方法により評価した。
装置寿命に相当する30000枚の通紙を実施し、寿命初期及び寿命末期の通紙後の縦白スジの発生本数を確認した。縦白スジの確認には、Y、M、C、Kの全面ハーフトーン画像をそれぞれ5枚ずつ計20枚印刷し、縦白スジの総発生数をすべてカウントした。又、30000枚の通紙時に形成する画像のパターンには、10mm×10mmのK単色の格子パターンを用いた。又、この評価試験において、記録材Pとしては、全てA4サイズ、坪量80g/cm2の用紙を用いた。
8−2.比較例の評価試験方法
比較例として、異物除去工程を実施しない場合についても、上記本実施例の場合と同様の評価試験を行った。
比較例として、異物除去工程を実施しない場合についても、上記本実施例の場合と同様の評価試験を行った。
比較例の画像形成装置は、本実施例に従う異物除去工程を実施しないことを除いて本実施例の画像形成装置と同じである。
8−3.評価結果
本実施例、比較例の縦白スジの発生本数は表1のようになった。尚、表1には、便宜上、後述する実施例2、3に関する評価結果も併せて示している。
本実施例、比較例の縦白スジの発生本数は表1のようになった。尚、表1には、便宜上、後述する実施例2、3に関する評価結果も併せて示している。
(1)寿命初期状態での評価結果
先ず、比較例及び本実施例について、装置寿命初期における縦白スジの発生本数について説明する。
先ず、比較例及び本実施例について、装置寿命初期における縦白スジの発生本数について説明する。
異物除去工程を実施した本実施例でも、異物除去工程を実施しなかった比較例でも、装置寿命初期においては、縦白スジは全く発生しなかった。
(2)寿命末期状態での評価結果
次に、比較例及び本実施例について、装置寿命末期における縦白スジ発生本数について説明する。
次に、比較例及び本実施例について、装置寿命末期における縦白スジ発生本数について説明する。
異物除去工程をしなかった比較例では、縦白スジ発生本数は、20枚のハーフトーン画像において136本であった。つまり、各ページに平均6.8本の縦白スジが発生したことになる。
又、比較例では、転写シート51の表面における、裏面ニップN3の中間転写ベルト7の移動方向上流付近には、縦白スジ発生箇所と対応した位置以外にも、多数の異物Xが付着していた。
一方、異物除去工程を実施した本実施例では、縦白スジ発生本数は、20枚のハーフトーン画像において6本であった。つまり、各ページに平均0.3本の縦白スジが発生したことになる。しかし、いずれの縦白スジもごく軽微なものであり、実使用上は問題ないレベルであった。
又、本実施例では、転写シート51の表面における、裏面ニップN3の中間転写ベルト7の移動方向上流付近には、異物はほとんど見られなかった。そして、内周面クリーニング部材74の表面(中間転写ベルト側の面)に形成された凹部に多数の異物が付着しているのが確認された。これらのことから、転写シート51の表面に付着した異物Xが、異物除去工程において中間転写ベルト7の移動方向下流側に搬送されて、内周面クリーニング部材74によって正常に回収されることが確認できた。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、トナー像を担持する像担持体1と、像担持体1と接触して移動可能なベルト体7と、を有する。又、画像形成装置100は、ベルト体7を挟んで像担持体1と対向する位置に配置され、移動するベルト体7に接触してこれを摺擦し、電圧が印加されることで像担持体1からベルト体7にトナー像を転写させる転写部材51を有する。又、画像形成装置100は、像担持体1に向けて転写部材51を付勢してベルト体7と転写部材51との間の接触領域N3を形成する付勢手段を有する。本実施例では、押圧バネ55、受け部56、カム57及びカムシャフト58などによって付勢手段が構成される。又、本実施例の画像形成装置100は、ベルト体7の移動方向における接触領域N3の長さを変更する変更手段と、非画像形成時に転写部材51の表面を清掃する清掃動作を実行させる制御手段151と、を有する。本実施例では、カム57、カムシャフト58、カム駆動モータM3などによって変更手段が構成される。そして、制御手段151は、清掃動作において、次のような状態で、ベルト体7を移動させる。即ち、ベルト体7の移動方向における接触領域N3の長さを変更手段によって画像形成時よりも長くして、画像形成時に接触領域N3よりもベルト体7の移動方向上流側にある転写部材51の表面が接触領域N3に含まれるようにした状態である。特に、本実施例では、制御手段151は、清掃動作時に、付勢手段によるベルト体7に対する転写部材51の押圧力を、画像形成時の上記押圧力よりも大きくさせる。又、本実施例では、画像形成装置100は、ベルト体7の転写部材51が接触する側の面の付着物を回収する回収手段74を有する。
以上説明したように、本実施例によれば、一次転写装置5の押圧力を変化させ、裏面ニップN3を拡大した状態で中間転写ベルト7を移動させることによって、転写シート51の表面に付着した異物を除去することができる。これによって、画像形成装置100や中間転写ベルト7の寿命の初期から末期まで、安定して良好な転写性を維持することができる。
実施例2
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。従って、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。従って、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
1.異物除去工程
本実施例では、実施例1と同様に一次転写装置5における裏面ニップN3の幅を拡大することに加え、転写シート51と中間転写ベルト7との静電引力(以下「吸着力」という。)の上昇を利用して、異物の除去効果を高める。
本実施例では、実施例1と同様に一次転写装置5における裏面ニップN3の幅を拡大することに加え、転写シート51と中間転写ベルト7との静電引力(以下「吸着力」という。)の上昇を利用して、異物の除去効果を高める。
図9は、本実施例における画像形成時及び異物除去工程時の、中間転写ベルト7の駆動、一次転写装置5の押圧力、及び一次転写バイアスと帯電バイアスとの電位差の時間推移を示す。
本実施例では、画像形成時には、転写シート51には一次転写バイアスとして+500Vが印加され、帯電ローラ2には帯電バイアスとして−1000Vが印加される。即ち、帯電バイアスと一次転写バイアスとの電位差は1500Vに維持されている。これにより、一次転写部N1における感光ドラム1の表面電位と転写シート51の電位との間に電位差が形成される。この電位差は画像形成に最適となるように設定されている。尚、画像形成時の一次転写部N1における感光ドラム1の表面電位は、通常感光ドラム1の表面の多くを占める非画像部の表面電位である。
一方、異物除去工程時には、転写シート51には一次転写バイアスとして+2000Vが印加され、帯電ローラ2には帯電バイアスとして−1000Vが印加される。即ち、帯電バイアスと一次転写バイアスとの電位差は3000Vに維持されている。これにより、一次転写部N1における感光ドラム1の表面電位と転写シート51の電位との間の電位差は、画像形成時よりも大きくなる。
又、実施例1と同様に、画像形成時の一次転写装置5の押圧力は250gfであり、異物除去工程時の一次転写装置5の押圧力は550gfである。
2.吸着力
次に、転写シート51と中間転写ベルト7との間に働く吸着力について説明する。
次に、転写シート51と中間転写ベルト7との間に働く吸着力について説明する。
先ず、図10及び図11を参照して、転写シート51と中間転写ベルト7との間に働く吸着力を説明するために実施したモデル実験について説明する。
図10は、上記モデル実験の実験系の要部の模式的な断面図である。図10に示すように、電気的に接地された支持台201と中間転写ベルト7の外周面とを、互いに接するように隙間無く貼り合わせる。その上に、一次転写装置5の押圧力相当の重り202を貼り付けた転写シート51を、中間転写ベルト7の内周面と接するように配置する。又、転写シート51には、外部の電源装置203によって任意の電圧を印加できるようにする。又、重り202にはデジタルフォースゲージ204が取り付けられており、中間転写ベルト7の内周面上を転写シート51が水平移動したときに、転写シート51と中間転写ベルト7との間に働く引っ張り荷重を測定することができる。転写シート51の移動速度は10mm/secとした。
上記装置を用いて、転写シート51と中間転写ベルト7との間に直流電圧を3000Vまで、500V刻みで印加した場合の、転写シート51と中間転写ベルト7との間の引っ張り荷重を測定した。その測定結果を図11に示す。
尚、この場合の引っ張り荷重とは、重り202と転写シート51とが中間転写ベルト7に対して等速度で移動している動摩擦状態において示す荷重のことである。
図11に示すように、転写シート51に印加する電圧の上昇に伴い、転写シート51と中間転写ベルト7との間の引っ張り荷重は二次関数的に上昇する。つまり、印加バイアス0Vの状態での引っ張り荷重は、重り202及び転写シート51の荷重を合わせた垂直抗力による引っ張り荷重を示している。これに対して、転写シート51に電圧を印加することによって、転写シート51と中間転写ベルト7との間に働く吸着力が引っ張り荷重として加算されていることがわかる。即ち、転写シート51と電気的に接地された支持台201との電位差が大きくなるにつれて、転写シート51と中間転写ベルト5との間に働く吸着力は大きくなる。つまり、画像形成装置100においては、一次転写部N1における感光ドラム1の表面電位と転写シート51の電位との電位差が大きくなるにつれて、転写シート51と中間転写ベルト5との間に働く吸着力は大きくなる。
3.作用効果
次に、図12及び図13を参照して、本実施例の作用効果について説明する。
次に、図12及び図13を参照して、本実施例の作用効果について説明する。
図12(a)は、画像形成時における一次転写ニップN1の付近の模式的な断面図である。転写シート51が画像形成時に中間転写ベルト7から受ける摩擦力FAは、次のように表される。即ち、押圧バネ55によって一次転写装置5にかかる荷重250gfにより発生する摩擦力250gfと、一次転写バイアスと帯電バイアスとの電位差1500Vによる吸着力から発生する摩擦力との合力として表される。又、転写シート51の表面の異物Xは、転写シート51に上記摩擦力FAが働いた状態の裏面ニップN3の中間転写ベルト7の移動方向上流近傍に付着している。
図12(b)は、異物除去工程を実施した直後の一次転写ニップN1の付近の模式的な断面図である。転写シート51が異物除去工程時に中間転写ベルト7から受ける摩擦力FBは、次のように表される。即ち、押圧バネ55によって一次転写装置5にかかる荷重550gfにより発生する摩擦力550gfと、一次転写バイアスと帯電バイアスとの電位差3000Vによる吸着力から発生する摩擦力との合力として表される。又、FB>FAとなるように設定されている。
そして、この状態で中間転写ベルト7を回転させた直後に、転写シート51の表面の異物Xが裏面ニップN3の内部に含まれることになる。
つまり、本実施例の転写シート51は、弾性を有する超高分子導電ポリエチレンシートである。そのため、図13に示すように、中間転写ベルト7の移動方向における転写シート51の長さは、異物除去工程による摩擦力の上昇に伴って一次関数的に伸長する。その結果、画像形成時に転写シート51の表面に付着した異物Xは、中間転写ベルト7の移動方向、つまり、裏面ニップN3に近づく方向に移動する。そして、転写シート51が閾値F0以上の摩擦力を受けた場合に、異物Xは裏面ニップN3に含まれることになる。
即ち、FA<F0<FBの関係とすることによって、異物除去工程を実施した直後に、転写シート51の中間転写ベルト7の移動方向上流近傍に付着した異物Xが、裏面ニップN3に含まれ易くなり、中間転写ベルト7の移動による搬送力を強く受け易くなる。これにより、縦白スジの要因となる異物Xは、裏面ニップN3の中間転写ベルト7の移動方向の下流側へと押し出され易くなる。
ここで、異物除去工程時に画像形成時よりも一次転写部N1における感光ドラム1の表面電位と転写シート51の電位との電位差を大きくする程度は、上記摩擦力の関係を達成することによる効果を十分に得られるように適宜設定できる。
尚、本実施例では、異物除去工程時に一次転写バイアスを画像形成時から変更することによって、異物除去工程時の一次転写部N1における感光ドラム1の表面電位と転写シート51の電位との電位差を画像形成時よりも大きくした。しかし、これに限定されるものではなく、上記電位差の変更は、帯電バイアスを変更することで行ってもよいし、帯電バイアスと一次転写バイアスとの両方を変更することで行ってもよい。即ち、帯電バイアス及び一次転写バイアスのうち少なくとも一方を制御することで、上記電位差を制御することができる。
以上のように、本実施例では、異物除去工程時に、画像形成時よりも一次転写部N1における感光ドラム1の表面電位と転写シート51の電位との電位差を大きくする。これによって、トナーや紙粉など中間転写ベルト7の外周面側から内周面側へと侵入する異物や、画像形成装置100の使用に伴って中間転写ベルト7の内周面側で発生する削れ粉などが原因となって発生する画像不良(縦白スジ)を更に効果的に抑制できる。
4.評価試験
4−1.評価試験方法
実施例1について行ったものと同じ評価試験を本実施例についても行った。
4−1.評価試験方法
実施例1について行ったものと同じ評価試験を本実施例についても行った。
8−2.評価結果
前述の表1に、本実施例の縦白スジの発生本数についても併せて示している。
前述の表1に、本実施例の縦白スジの発生本数についても併せて示している。
表1に示すように、本実施例では、装置寿命初期においては、縦白スジは全く発生しなかった。
又、本実施例では、装置寿命末期においても、装置寿命初期と同様に、縦白スジは全く発生しなかった。
又、本実施例では、装置寿命末期でも、転写シート51の表面における、裏面ニップN3の中間転写ベルト7の移動方向上流付近には、異物は全く見られなかった。そして、実施例1の場合と同様に、内周面クリーニング部材74の表面に形成された凹部に多数の異物が付着しているのが確認された。
このように、画像形成装置100は、電圧が印加されることで像担持体1を帯電させる帯電手段2を有している。そして、本実施例では、制御手段151は、清掃動作時に、ベルト体7に接触する像担持体1の表面電位と転写部材51の電位との電位差を、画像形成時の上記電位差よりも大きくさせる。
以上説明したように、本実施例によれば、異物除去工程時に、一次転写部N1における感光ドラム1の表面電位と転写シート51の電位との電位差を大きくすることによって、転写シート51の表面に付着した異物を除去する効果を向上することができる。これによって、画像形成装置100や中間転写ベルト7の寿命の初期から末期まで、安定して良好な転写性を維持することがより容易となる。
実施例3
次に、本発明に係る更に他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。従って、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
次に、本発明に係る更に他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1のものと同じである。従って、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
1.異物除去工程
本実施例では、実施例1と同様に一次転写装置5における裏面ニップN3の幅を拡大することに加え、転写シート51と中間転写ベルト7との間に働く静止摩擦力を利用して、異物の除去効果を高める。
本実施例では、実施例1と同様に一次転写装置5における裏面ニップN3の幅を拡大することに加え、転写シート51と中間転写ベルト7との間に働く静止摩擦力を利用して、異物の除去効果を高める。
図14は、本実施例における画像形成時及び異物除去工程時の、中間転写ベルト7の駆動、一次転写装置5の押圧力、及び一次転写バイアスと帯電バイアスとの電位差の時間推移を示す。
本実施例では、異物除去工程時に、中間転写ベルト7の駆動手段としての駆動モータを所定時間駆動し、その後所定時間停止するという断続駆動を複数回繰り返す動作を行う。
又、本実施例では、画像形成時及び異物除去工程時のいずれにおいても、転写シート51には一次転写バイアスとして+500Vが印加され、帯電ローラ2には帯電バイアスとして−1000Vが印加される。即ち、帯電バイアスと一次転写バイアスとの電位差は1500Vに維持されている。この電位差は画像形成に最適となるように設定されている。
又、実施例1と同様に、画像形成時の一次転写装置5の押圧力は250gfであり、異物除去工程時の一次転写装置5の押圧力は550gfである。
2.作用効果
次に、図15及び図16を参照して、本実施例の作用効果について説明する。
次に、図15及び図16を参照して、本実施例の作用効果について説明する。
図15は、静止摩擦力及び動摩擦力を測定するために一般的に用いられている測定装置の概要図である。図15の測定装置は、測定試料である試験片301と、支持台に固定された相手材である試験片302との間に働く摩擦力を、試験片301を定速で移動させることによって測定するものである。試験片301と試験片302とを互いに密着させた状態で、試験片301の上に重り303を乗せる。試験片301には、試験機が動き始めるときの衝撃を吸収するためのバネ304を介して、ロードセル305が接続されている。
図16は、図15の測定装置による試験結果を示す。試験片301が移動し始める瞬間に示す摩擦力の最初のピークが、静摩擦力FSである。又、引き続き試験片301が移動している間に示す摩擦力が、動摩擦力FDである。又、静摩擦力FSと動摩擦力FDとの間には、FS>FDの関係が成立することが知られている。
つまり、本実施例のように、異物除去工程時に、中間転写ベルト7の断続駆動を複数回繰り返すことによって、中間転写ベルト7と転写シート51との間に動摩擦力よりも大きな静止摩擦力が働くことがわかる。
これによって、中間転写ベルト7を連続的に駆動した場合よりも大きな摩擦力が転写シート51に働く。そのため、転写シート51の表面に付着している異物Fを更に効果的に除去することが可能となる。
尚、中間転写ベルト7から転写シート51が受ける摩擦力の上昇と、転写シート51の表面の異物Fの異物除去効果との関係については、実施例2で説明したとおりである。
ここで、異物除去工程時に中間転写ベルト7の駆動/停止を繰り返す回数は、上記静止摩擦力による効果を十分に得られるように適宜設定できる。
本実施例では、図14に示すように、中間転写ベルト7を移動させ(移動速度は100mm/sec)、その後停止するという断続駆動を、7回繰り返した。
以上のように、本実施例では、異物除去工程時に、中間転写ベルト7の断続駆動を複数回繰り返す。これによって、トナーや紙粉など中間転写ベルト7の外周面側から内周面側へと侵入する異物や、画像形成装置100の使用に伴って中間転写ベルト7の内周面側で発生する削れ粉などが原因となって発生する画像不良(縦白スジ)を更に効果的に抑制できる。
3.評価試験
3−1.評価試験方法
実施例1について行ったものと同じ評価試験を本実施例についても行った。
3−1.評価試験方法
実施例1について行ったものと同じ評価試験を本実施例についても行った。
3−2.評価結果
前述の表1に、本実施例の縦白スジの発生数についても併せて示している。
前述の表1に、本実施例の縦白スジの発生数についても併せて示している。
表1に示すように、本実施例では、装置寿命初期においては、縦白スジは全く発生しなかった。
又、本実施例では、装置寿命末期においも、装置寿命初期と同様に、縦白スジは全く発生しなかった。
又、本実施例では、装置寿命末期でも、転写シート51の表面における、裏面ニップN3の中間転写ベルト7の移動方向上流付近には、異物は全く見られなかった。そして、実施例1の場合と同様に、内周面クリーニング部材74の表面に形成された凹部に多数の異物が付着しているのが確認された。
このように、本実施例では、制御手段151は、清掃動作時に、ベルト体7の駆動手段によるベルト体7の駆動、停止を複数回繰り返させる。
以上説明したように、本実施例によれば、異物除去工程時に、中間転写ベルト7の断続駆動を複数回繰り返すことによって、転写シート51の表面に付着した異物を除去する効果を向上することができる。これによって、画像形成装置100や中間転写ベルト7の寿命の初期から末期まで、安定して良好な転写性を維持することがより容易となる。
尚、本実施例のように異物除去工程時に中間転写ベルト7の断続駆動を複数回繰り返す動作を、実施例2の異物除去工程に適用してもよく、これにより異物除去効果を更に高めることができる。
他の実施例
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、カム57の回転によって、一次転写装置5の押圧状態が2相変化する場合について例示した。しかし、裏面ニップN3の上流の転写シート51の表面に滞留した異物を除去できる構成であれば、これに限定されるものでない。例えば、必要に応じて複数段階又は連続的に変化するよう設定してもよく、異物除去工程時に適宜カム57を回転してもよい。
又、上述の実施例では、カム57を用いて異物除去工程時に一次転写装置5の押圧力を大きくして、裏面ニップN3の幅を拡大する構成を例示した。しかし、裏面ニップN3の上流の転写シート51の表面に滞留した異物を除去できる構成であれば、これに限定されるものでない。例えば、図17に示すように、転写シート51が中間転写ベルト7の裏面に対して近づく方向又は離間する方向に移動するように、一次転写装置5を揺動可能に支持する。典型的には、その揺動中心が一次転写部N1における感光ドラム1及び中間転写ベルトの表面の移動方向と直交する方向を向き、又その揺動中心が感光ドラム1の中心と一次転写ニップN1とを結ぶ直線上には存在しない構成とする。図示の例では、感光ドラム1の中心と一次転写ニップN1とを結ぶ直線よりも中間転写ベルト7の移動方向の上流側に揺動中心としての回動軸106が設けられている。そして、異物除去工程時に、該回動軸106を駆動手段(図示せず)によって回動させて、一次転写装置5を揺動させることで、裏面ニップN3の幅を拡大することができる。これによって、上述の実施例と同様に、画像形成時の裏面ニップN3の上流付近の異物Fが付着した転写シート51の表面を、異物除去工程時に裏面ニップN3内に含めることができる。この場合、回動軸106、回動軸を回動させる駆動手段(図示せず)などによって、裏面ニップN3の中間転写ベルト7の移動方向の長さを変更する変更手段が構成される。
又、実施例2では、実施例1の付勢手段によるベルト体に対する転写部材の押圧力を清掃動作時に画像形成時よりも大きくする構成に加えて、像担持体の表面電位と転写部材の電位との電位差を清掃動作時に画像形成時よりも大きくした。しかし、付勢手段によるベルト体に対する転写部材の押圧力を清掃動作時と画像形成時とで変更することなく、像担持体の表面電位と転写部材の電位との電位差を清掃動作時に画像形成時よりも大きくすることもできる。この場合も、実施例2で説明した通り、転写部材が伸長することにより、ベルト体の移動方向におけるベルト体と転写部材との間の接触領域の長さは、画像形成時よりも長くなる。そして、画像形成時に該接触領域よりもベルト体の移動方向上流側にある転写部材の表面が該接触領域に含まれるようになる。そして、この状態でベルト体が移動することで、異物を接触領域のベルト体の移動方向の下流側へ押し出すことができる。例えば、実施例2と同様の構成において、画像形成時と清掃動作時とで一次転写装置5の押圧力をいずれも250gfとした場合、前述と同様の評価試験において実施例1と同様の評価結果が得られる。この場合、一次転写電源E3、帯電電源E1、或いは一次転写電源E3及び帯電電源E1などによって上記接触領域を変更する変更手段が構成される。
同様に、実施例3では、実施例1の付勢手段によるベルト体に対する転写部材の押圧力を清掃動作時に画像形成時よりも大きくする構成に加えて、清掃動作時にベルト体の駆動手段によるベルト体の駆動、停止を複数回繰り返した。しかし、付勢手段によるベルト体に対する転写部材の押圧力を清掃動作時と画像形成時とで変更することなく、清掃動作時にベルト体の駆動手段によるベルト体の駆動、停止を複数回繰り返すこともできる。この場合も、実施例3で説明した通り、ベルト体が複数回にわたり停止状態から移動状態とされる際に、転写部材が伸長することにより、ベルト体の移動方向におけるベルト体と転写部材との間の接触領域の長さは、画像形成時よりも長くなる。そして、画像形成時に該接触領域よりもベルト体の移動方向上流側にある転写部材の表面が該接触領域に含まれるようになる。そして、この状態でベルト体が移動することで、異物を接触領域のベルト体の移動方向の下流側へ押し出すことができる。例えば、実施例3と同様の構成において、画像形成時と清掃動作時とで一次転写装置5の押圧力をいずれも250gfとした場合、前述と同様の評価試験において実施例1と同様の評価結果が得られる。この場合、中間転写体駆動モータM2などによって上記接触領域を変更する変更手段が構成される。
又、上述の実施例では、一次転写装置5が弾性部材で形成された押圧部材52と転写シート51とを有する構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、一次転写装置5が押圧部材52を有していない構成であってもよい。この場合、支持部材53が中間転写ベルト7の裏面に対して所定の位置にあるときに、転写シート51は、典型的には、それ自体の弾性力により中間転写ベルト7の裏面に適当な圧力で接触する。
又、上述の実施例では、画像形成装置は、画像形成部を4つ有している。しかし、これに限定されるものではなく、画像形成部の数は必要に応じて適宜設定すればよい。
又、上述の実施例では、プロセスカートリッジ120として、感光体と、感光体に作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段及びクリーニング手段とを一体に有するプロセスカートリッジを例示した。しかし、プロセスカートリッジはこれに限定されるものではない。プロセスカートリッジは、感光体の他に、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段のうち少なくとも1つを一体に有していればよい。
又、上述の実施例では、プロセスカートリッジが画像形成装置本体に対して着脱自在な構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば各感光体やプロセス手段がそれぞれ組み込まれた画像形成装置、或いは各感光体やプロセス手段がそれぞれ着脱可能な画像形成装置であってもよい。
又、上述の実施例では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複写機、ファクシミリ装置などの他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機などの他の画像形成装置であってもよい。
又、上述の実施例では、移動可能なベルト体は中間転写体であるものとして説明したが、これに限定されるものではない。移動可能なベルト体は、記録材を担持して搬送する記録材担持体であってもよい。図18は、記録材担持体を備えた画像形成装置の概略構成を示す。図18の画像形成装置において、図1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付している。図18の画像形成装置は、図1の画像形成装置における中間転写ベルト7に換えて、記録材担持体としての無端ベルト状の転写ベルト(記録材搬送ベルト)107を有する。そして、該転写ベルト107に担持された記録材P上に、各画像形成部Sで形成された各色のトナー像が、各転写部Nにおいて順次重ね合わせるようにして転写される。このような画像形成装置における転写装置105として、上述の実施例における一次転写装置5と同様のものを用いることができる。そして、この転写装置105に関して本発明を適用することにより、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
又、本発明は、中間転写体又は記録材担持体とされるベルト体の移動方向に沿って複数の画像形成部を有するタンデム型の画像形成装置に限定されるものではない。当業者には周知の通り、感光体に順次に形成される静電潜像を、複数の現像装置によって順次に現像し、形成したトナー像を中間転写体又は記録材担持体に担持された記録材に順次に転写するようにした、所謂、1ドラム型の画像形成装置がある。図19は、一例として、1ドラム型の中間転写方式の画像形成装置を示す。図19の画像形成装置において、図1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付している。1ドラム型の画像形成装置として、上記同様、中間転写体の代わりに記録材担持体を有するものもある。このような1ドラム型の画像形成装置においても、中間転写体又は記録材担持体とされる、ベルト体の内周面側に配置される一次転写装置又は転写装置に関して、本発明を適用することができ、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
又、移動するベルト体に接触してこれを摺擦する固定配置された転写部材は、上述の実施例のようなシート状の転写部材である転写シートに限定されるものではない。例えば、ブレード状の転写部材やフィルム状の転写部材であってもよい。このような転写部材は、典型的には、ベルト体の移動方向の上流から下流に行くにつれてベルト体の裏面との距離が小さくなる表面を有する。但し、ベルト体の移動方向の上流から下流に行くにつれてベルト体の裏面との距離が大きくなる表面を有するものであってもよい。そして、画像形成時にこれらの表面に付着した異物を、非画像形成時にこれら表面の所定範囲を裏面ニップに含まれるようにした状態でベルト体を移動させる清掃工程を行うことで除去する。
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 一次転写装置
6 クリーニング装置
7 中間転写ベルト
8 二次転写ローラ
51 転写シート
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 一次転写装置
6 クリーニング装置
7 中間転写ベルト
8 二次転写ローラ
51 転写シート
Claims (5)
- トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と接触して移動可能なベルト体と、前記ベルト体を挟んで前記像担持体と対向する位置に配置され、移動する前記ベルト体に接触してこれを摺擦し、電圧が印加されることで前記像担持体から前記ベルト体又は前記ベルト体に担持された記録材にトナー像を転写させる転写部材と、前記像担持体に向けて前記転写部材を付勢して前記ベルト体と前記転写部材との間の接触領域を形成する付勢手段と、を有する画像形成装置において、
前記ベルト体の移動方向における前記接触領域の長さを変更する変更手段と、
非画像形成時に前記転写部材の表面を清掃する清掃動作を実行させる制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記清掃動作において、前記ベルト体の移動方向における前記接触領域の長さを前記変更手段によって画像形成時よりも長くして、画像形成時に前記接触領域よりも前記ベルト体の移動方向上流側にある前記転写部材の表面が前記接触領域に含まれるようにした状態で、前記ベルト体を移動させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記清掃動作時に、前記付勢手段による前記ベルト体に対する前記転写部材の押圧力を、画像形成時の前記押圧力よりも大きくさせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 電圧が印加されることで前記像担持体を帯電させる帯電手段を有し、前記制御手段は、前記清掃動作時に、前記ベルト体に接触する前記像担持体の表面電位と前記転写部材の電位との電位差を、画像形成時の前記電位差よりも大きくさせることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記清掃動作時に、前記ベルト体の駆動手段による前記ベルト体の駆動、停止を複数回繰り返させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記ベルト体の前記転写部材が接触する側の面の付着物を回収する回収手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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