JP2013216758A - 水分散型アクリル系粘着剤組成物、粘着シート、及び、光学部材 - Google Patents

水分散型アクリル系粘着剤組成物、粘着シート、及び、光学部材 Download PDF

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幸介 米▲崎▼
Yu Morimoto
有 森本
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立巳 天野
Kazuma Mitsui
数馬 三井
杏子 ▲高▼嶋
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Abstract

【課題】剥離帯電防止性、再剥離性、及び、接着性(粘着性)に優れた粘着剤層を形成しうる、水分散型のアクリル系粘着剤組成物を提供することにある。また、前記粘着剤組成物による粘着剤層を有する粘着シート、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、原料モノマーとして、少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)、及び、カルボキシル基含有不飽和モノマー(B)を0.5〜10重量%を含有するアクリルエマルション系重合体と、メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤と、を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、再剥離が可能な粘着剤層を形成しうる水分散型アクリル系粘着剤組成物に関する。詳しくは、剥離帯電防止性、再剥離性、及び、接着性(粘着性)に優れた粘着剤層を形成しうる水分散型アクリル系粘着剤組成物に関する。また、前記粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けた粘着シート、及び、前記粘着シートを使用した光学部材に関する。
偏光板、位相差板、反射防止板などの光学フィルムをはじめとする光学部材(光学材料)の製造・加工工程においては、表面の傷、汚れ防止、切断加工性向上、クラック抑制などの目的で、表面保護フィルムが、光学部材の表面に貼付されて用いられている(特許文献1、2参照)。これら表面保護フィルムとしては、プラスチックフィルム基材の表面に再剥離性の粘着剤層を設けた再剥離性の粘着シートが一般的に用いられている。
従来、これらの表面保護フィルム用途には粘着剤として溶剤型のアクリル系粘着剤が用いられてきたが(特許文献1、2参照)、これら溶剤型アクリル系粘着剤は有機溶媒を含有しているため、塗工時の作業環境性の観点より、水分散型のアクリル系粘着剤への転換が図られている(特許文献3〜5参照)。
これらの表面保護フィルムには、光学部材に貼付されている間は十分な接着性を発揮することが求められる。さらに、光学部材の製造工程などで使用された後は剥離されるため、優れた剥離性(再剥離性)が求められる。
また、一般に表面保護フィルムや光学部材は、プラスチック材料により構成されているため、電気絶縁性が高く、摩擦や剥離の際に、静電気を発生する。したがって、表面保護フィルムを偏光板などの光学部材から剥離する際に、静電気が発生してしまい、この際に生じた静電気が残ったままの状態で液晶に電圧を印加すると、液晶分子の配向が損失し、またパネルの欠損が生じてしまう問題がある。
さらに、静電気の存在は、埃やクズを吸引するという問題や、作業性低下の問題などを引き起こす可能性を有している。そこで、上記問題点を解消するために、表面保護フィルムに各種帯電防止処理が施されている。
特開平11−961号公報 特開2001−64607号公報 特開2001−131512号公報 特開2003−27026号公報 特許第3810490号明細書
しかしながら、上述のように、いまだ上記問題点をバランスよく解決できるものはなく、帯電等が特に深刻な問題となる電子機器関連の技術分野において、剥離帯電防止性等を有する表面保護フィルムへのさらなる改良要請に対応することは難しく、再剥離性や、接着性(粘着性)を有する水分散型アクリル系粘着剤は、得られていないのが現状である。
そこで、本発明の目的は、剥離帯電防止性、再剥離性、及び、接着性(粘着性)に優れた粘着剤層を形成しうる、水分散型のアクリル系粘着剤組成物を提供することにある。また、前記粘着剤組成物による粘着剤層を有する粘着シート、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定組成の原料モノマーにより得られる特定のアクリルエマルション系重合体、及び、エマルション(乳化)重合に関与しない特定の非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤を構成成分とし、剥離帯電防止性、及び、粘着特性(再剥離性、接着性(粘着性))に優れた粘着シートを形成しうる水分散型アクリル系粘着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、原料モノマーとして、少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)、及び、カルボキシル基含有不飽和モノマー(B)を0.5〜10重量%を含有するアクリルエマルション系重合体と、メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤と、を含有することを特徴とする。
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、前記界面活性剤が、アニオン及びカチオンから構成され、前記アニオン及び/または前記カチオンが、アルキレンオキシド基を含有することが好ましい。
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)が、炭素数2〜14のアルキル基を有することが好ましい。
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、更に、アルキレンオキシド基含有ポリシロキサンを含有することが好ましい。
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、前記ポリシロキサンのHLB値が、4〜12であることが好ましい。
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、前記ポリシロキサンが、少なくとも、エチレンオキシド(EO)基から構成されることが好ましい。
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、前記ポリシロキサンが、プロピレンオキシド(PO)基を含み、前記EO及びPOの合計モル含有率100%に対して、前記POのモル含有率が、50%以下であることが好ましい。
本発明の粘着シートは、基材の少なくとも片面に、前記水分散型アクリル系粘着剤組成物から形成される粘着剤層を有することが好ましい。
本発明の粘着シートは、前記粘着剤層を、偏光板(日東電工社製、商品名:SEG1425DU)に貼着した時の剥離力(剥離速度30m/min)が、1N/25mm以下であることが好ましい。
本発明の光学部材は、前記粘着シートを貼り付けてなることが好ましい。
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、特定組成の原料モノマーにより得られる特定のアクリルエマルション系重合体、及び、エマルション(乳化)重合に関与しない特定の非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤を構成成分とし、剥離帯電防止性、及び、粘着特性(再剥離性、接着性(粘着性))に優れた粘着剤層や粘着シートを得ることができ、有用である。
電位測定部の概略図
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、原料モノマーとして、少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)、及び、カルボキシル基含有不飽和モノマー(B)を0.5〜10重量%を含有するアクリルエマルション系重合体と、メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤と、を含有することを特徴とする。
[アクリルエマルション系重合体]
前記アクリルエマルション系重合体は、原料モノマーとして、少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)、及び、カルボキシル基含有不飽和モノマー(B)を0.5〜10重量%含有する重合体である。前記アクリルエマルション系重合体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、本発明では、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」のことをいう。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)は、主たるモノマー成分として用いられ、主に接着性、剥離性などの粘着剤(又は粘着剤層)としての基本特性を発現する役割を担う。中でも、アクリル酸アルキルエステルは粘着剤層を形成するポリマーに柔軟性を付与し、粘着剤層に密着性、粘着性を発現させる効果を発揮する傾向があり、メタクリル酸アルキルエステルは粘着剤層を形成するポリマーに硬さを与え、粘着剤層の再剥離性を調節する効果を発揮する傾向がある。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)としては、特に限定されないが、炭素数が2〜14(より好ましくは2〜10、さらに好ましくは4〜8)の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
中でも、アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、炭素数が2〜14(より好ましくは4〜9)のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルが好ましく、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸イソノニルなどの直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。中でも好ましくは、アクリル酸2−エチルヘキシルである。
また、メタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、炭素数が2〜14(より好ましくは2〜10)のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸s−ブチル、メタクリル酸t−ブチルなどの直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸イソボルニル等の脂環式のメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)は、目的とする粘着特性などに応じて適宜選択することができ、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)の含有量は、本発明のアクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーの総量(全原料モノマー)(100重量%)中、70〜99.5重量%が好ましく、より好ましくは85〜98重量%、特に好ましくは87〜95重量%である。前記含有量を70重量%以上とすることにより、粘着剤層の粘着特性(接着性や再剥離性など)が向上するため好ましい。一方、含有量が99.5重量%を超えると、カルボキシル基含有不飽和モノマー(B)の含有量が低下することにより、粘着剤組成物より形成された粘着剤層の外観が悪くなる場合がある。なお、2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)が用いられている場合には、全ての(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)の合計量(総量)が前記範囲を満たせばよい。
前記カルボキシル基含有不飽和モノマー(B)は、本発明のアクリルエマルション系重合体からなるエマルション粒子表面に保護層を形成し、粒子の剪断破壊を防ぐ機能を発揮することができる。この効果はカルボキシル基を塩基で中和することによって、さらに向上する。なお、粒子の剪断破壊に対する安定性は、より一般的には機械的安定性という。また、カルボキシル基と反応する架橋剤(本発明においては、非水溶性架橋剤が好ましい。)を1種あるいは2種以上組み合わせることで、水除去による粘着剤層形成段階での架橋点としても作用することもできる。さらに架橋剤(非水溶性架橋剤)を介し、基材との密着性(投錨性)を向上させることもできる。このようなカルボキシル基含有不飽和モノマー(B)としては、例えば、(メタ)アクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸)、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレートなどが挙げられる。なお、カルボキシル基含有不飽和モノマー(B)には、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有不飽和モノマーも含むものとする。これらの中でも、粒子表面での相対濃度が高く、より高密度な保護層を形成し易いことから、アクリル酸が好ましい。
前記カルボキシル基含有不飽和モノマー(B)の含有量は、本発明のアクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーの総量(全原料モノマー)(100重量%)中、0.5〜10重量%であり、好ましくは1〜6重量%、より好ましくは2〜5重量%である。前記含有量を10重量%以下とすることにより、粘着剤層を形成した後の、被着体(被保護体)である偏光板等の表面に存在する官能基との相互作用の増大を抑制して、経時での剥離(粘着)力増大を抑制でき、剥離性が向上するため好ましい。また、含有量が10重量%を超える場合には、カルボキシル基含有不飽和モノマー(B)(例えば、アクリル酸)は一般的に水溶性であるため、水中で重合して増粘(粘度増加)を引き起こす場合がある。また、前記アクリルエマルション系重合体の骨格中にカルボキシル基が多数存在すると、帯電防止剤として配合するアルキレンオキシド基含有ポリシロキサンのエーテル基と相互作用してしまい、イオン伝導が妨げられ、被着体への剥離帯電防止性能が得られなくなることが推測されるため、好ましくない。一方、含有量を0.5重量%以上とすることにより、エマルション粒子の機械的安定性が向上するため好ましい。また、粘着剤層と基材との密着性(投錨性)が向上し、糊残りを抑制できるため好ましい。
本発明のアクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーとしては、特定の機能付与を目的として、前記必須成分[(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)、カルボキシル基含有不飽和モノマー(B)]に加えて、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、及び、ジエチルアクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1種のモノマー(C)を、構成成分として併用することも可能である。これらのモノマー(少なくとも1種)を使用した場合、エマルション粒子の安定性が増大し、ゲル物(凝集物)を減少させることができ、更に、外観欠点等を減少させることができ、有効である。また、架橋剤として、非水溶性架橋剤を使用した場合には、疎水性の非水溶性架橋剤との親和性が増し、エマルション粒子の分散性を向上させ、分散不良による粘着剤層の凹みを減少させることが可能となる。
前記モノマー(C)の含有量は、本発明のアクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーの総量(全原料モノマー)(100重量%)中、0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1〜6重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。前記含有量を10重量%以下とすることにより、粘着剤層の外観欠点を抑制することができ、好ましい。また、含有量が10重量%を超える場合には、凝集物を引き起こす(生成する)場合がある。一方、含有量を0.5重量%以上とすることにより、エマルション粒子の機械的安定性が向上するため好ましい。
また、前記モノマー(A)〜(C)に加えて、他のモノマー成分として、エマルション粒子内の架橋、及び、凝集力向上の目的で、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーを使用したり、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能モノマーを使用することも可能である。なお、それぞれ5重量%未満の割合で配合(添加)することが好ましい。なお、前記配合量(使用量)は、本発明のアクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーの総量(全原料モノマー)(100重量%)中の含有量である。
更に、前記他のモノマー成分として、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有不飽和モノマーは、白化汚染を低減する観点から、配合量(使用量)は少ない方が好ましい。具体的には、ヒドロキシル基含有不飽和モノマーの配合量(本発明のアクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーの総量(全原料モノマー)(100重量%)中の含有量)は、1重量%未満が好ましく、より好ましくは0.1重量%未満、さらに好ましくは実質的に含まない(例えば、0.05重量%未満)ことが好ましい。ただし、ヒドロキシル基とイソシアネート基の架橋や金属架橋等の架橋点の導入を目的とする場合には、0.01〜10重量%程度添加(使用)してもよい。
本発明のアクリルエマルション系重合体は、前記の原料モノマー(モノマー混合物)を、乳化剤、重合開始剤によりエマルション重合することによって、得ることができる。
[乳化剤]
前記の本発明のアクリルエマルション系重合体のエマルション重合に用いる乳化剤としては、分子中にラジカル重合性官能基が導入された反応性乳化剤(ラジカル重合性官能基を含む反応性乳化剤)を用いることができ、好ましい態様となる。反応性乳化剤は単独でまたは2種以上が用いられる。
前記ラジカル重合性官能基を含む反応性乳化剤(以下、「反応性乳化剤」と称する)は、分子中(1分子中)に少なくとも1つのラジカル重合性官能基を含む乳化剤である。前記反応性乳化剤としては、特に限定されず、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ビニルエーテル基(ビニルオキシ基)、アリルエーテル基(アリルオキシ基)等のラジカル重合性官能基を有する種々の反応性乳化剤から、1種又は2種以上を選択して使用できる。前記反応性乳化剤を用いることにより、乳化剤が重合体中にとりこまれ、乳化剤由来の汚染が低減するため、好ましい。
前記反応性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのノニオンアニオン系乳化剤(非イオン性の親水性基を持つアニオン系乳化剤)にプロペニル基やアリルエーテル基等のラジカル重合性官能基(ラジカル反応性基)が導入された形態を有する(又は前記形態に相当する)反応性乳化剤が挙げられる。なお、以下では、アニオン系乳化剤にラジカル重合性官能基が導入された形態を有する反応性乳化剤を「アニオン系反応性乳化剤」と称する。また、ノニオンアニオン系乳化剤にラジカル重合性官能基が導入された形態を有する反応性乳化剤を「ノニオンアニオン系反応性乳化剤」と称する。
特に、アニオン系反応性乳化剤(中でも、ノニオンアニオン系反応性乳化剤)を使用した場合に、乳化剤が重合体中にとりこまれることにより、低汚染性を向上させることができる。さらに、特に本発明の非水溶性架橋剤がエポキシ基を有する多官能性エポキシ系架橋剤である場合には、その触媒作用により架橋剤の反応性を向上させることができる。アニオン系反応性乳化剤を使用しない場合、エージングでは架橋反応が終了せず、経時で、粘着剤層の剥離(粘着)力が変化する問題が生じる場合がある。また、前記アニオン系反応性乳化剤は重合体中にとりこまれるため、エポキシ系架橋剤の触媒として一般的に使用される、第4級アンモニウム化合物(例えば、特開2007−31585号公報参照)のように被着体の表面に析出しないため、白化汚染の原因になり得ないため、好ましい。
このような反応性乳化剤としては、商品名「アデカリアソープSE−10N」(株式会社ADEKA製)、商品名「アクアロンHS−10」(第一工業製薬(株)製)、商品名「アクアロンHS−05」(第一工業製薬(株)製)、商品名「アクアロンHS−1025」(第一工業製薬(株)製)などの市販品を用いることも可能である。
また、特に不純物イオンが問題となる場合があるため、不純物イオンを取り除き、SO4 2-イオン濃度が100μg/g以下の乳化剤を用いることが望ましい。また、アニオン系乳化剤の場合、アンモニウム塩乳化剤を用いることが望ましい。乳化剤から不純物を取り除く方法としては、イオン交換樹脂法、膜分離法、アルコールを用いた不純物の沈殿ろ過法など適宜な方法を用いることができる。
前記反応性乳化剤の配合量(使用量)は、本発明のアクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーの総量(全原料モノマー)100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは1〜6重量部、さらに好ましくは2〜5重量部である。配合量を0.1重量部以上とすることにより、安定した乳化を維持できるため好ましい。一方、配合量を10重量部以下とすることにより、粘着剤(粘着剤層)の凝集力が向上し、被着体への汚染を抑制でき、また乳化剤による汚染を抑制できるため好ましい。
[重合開始剤]
前記アクリルエマルション系重合体のエマルション重合に用いる重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)などのアゾ系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物系重合開始剤;過酸化物と還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤、例えば、過酸化物とアスコルビン酸との組み合わせ(過酸化水素水とアスコルビン酸との組み合わせ等)、過酸化物と鉄(II)塩との組み合わせ(過酸化水素水と鉄(II)塩との組み合わせ等)、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせによるレドックス系重合開始剤などを用いることができる。
前記重合開始剤の配合量(使用量)は、開始剤や原料モノマーの種類などに応じて適宜決定することができ、特に限定されないが、本発明のアクリルエマルション系重合体を構成する原料モノマーの総量(全原料モノマー)100重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、より好ましくは0.02〜0.5重量部である。
[エマルション(乳化)重合]
前記の本発明のアクリルエマルション系重合体のエマルション重合(乳化重合)は、常法により、モノマー成分を水に乳化させた後に、乳化重合することにより行うことができる。これにより、前記アクリルエマルション系重合体をベースポリマーとして含有する水分散液(ポリマーエマルション)を調製することができる。乳化重合の方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、一括仕込み法(一括重合法)、モノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法などの公知の乳化重合法を採用することができる。なお、モノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法では、連続滴下または分割滴下が適宜選択される。これらの方法は適宜に組み合わせることができる。反応条件などは、適宜選択されるが、重合温度は、例えば、40〜95℃程度であるのが好ましく、重合時間は、30分間〜24時間程度であるのが好ましい。
本発明のアクリルエマルション系重合体の溶剤不溶分(溶剤不溶成分の割合、「ゲル分率」と称する場合もある)は、低汚染性や適正な剥離(粘着)力の観点から、好ましくは70%(重量%)以上であり、より好ましくは75重量%以上、更に好ましくは80重量%以上である。溶剤不溶分が70重量%未満では、アクリルエマルション系重合体中に低分子量体が多く含まれるため、架橋の効果のみでは十分に粘着剤層中の低分子量成分を低減できないため、低分子量成分等に由来する被着体汚染が生じたり、剥離(粘着)力が高くなりすぎる場合がある。上記溶剤不溶分は、重合開始剤、反応温度、乳化剤や原料モノマーの種類等により制御できる。上記溶剤不溶分の上限値は、特に限定されないが、例えば、99重量%である。
なお、本発明において、アクリルエマルション系重合体の溶剤不溶分は、以下の「溶剤不溶分の測定方法」により算出される値である。
(溶剤不溶分の測定方法)
アクリルエマルション系重合体:約0.1gを採取し、平均孔径0.2μmの多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工株式会社製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量とする。なお、該浸漬前重量は、アクリルエマルション系重合体(上記で採取したもの)と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸の総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸の合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量とする。次に、上記のアクリルエマルション系重合体をテトラフルオロエチレンシートで包み、凧糸で縛ったもの(「サンプル」と称する)を、酢酸エチルで満たした50ml容器に入れ、23℃にて7日間静置する。その後、容器からサンプル(酢酸エチル処理後)を取り出して、アルミニウム製カップに移し、130℃で2時間、乾燥機中で乾燥して酢酸エチルを除去した後、重量を測定し、該重量を浸漬後重量とする。そして、下記の式から溶剤不溶分を算出する。
溶剤不溶分(重量%)=(a−b)/(c−b)×100
(上記式において、aは浸漬後重量であり、bは包袋重量であり、cは浸漬前重量である。)
本発明のアクリルエマルション系重合体の溶剤可溶分(「ゾル分」と称する場合がある)の重量平均分子量(Mw)は、4万〜20万が好ましく、より好ましくは5万〜15万、さらに好ましくは6万〜10万である。アクリルエマルション系重合体の溶剤可溶分の重量平均分子量が4万以上であることにより、粘着剤組成物の被着体への濡れ性が向上し、被着体への接着性が向上する。また、アクリルエマルション系重合体の溶剤可溶分の重量平均分子量が20万以下であることにより、被着体への粘着剤組成物の残留量が低減し、被着体へ低汚染性が向上する。上記アクリルエマルション系重合体の溶剤可溶分の重量平均分子量は、前述のアクリルエマルション系重合体の溶剤不溶分の測定において得られる酢酸エチル処理後の処理液(酢酸エチル溶液)を常温下で風乾して得られるサンプル(アクリルエマルション系重合体の溶剤可溶分)を、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して求めることができる。具体的な測定方法は、以下の方法が挙げられる。
[測定方法]
GPC測定は、東ソー株式会社製GPC装置「HLC−8220GPC」を用いて行い、ポリスチレン換算値にて分子量を求める。測定条件は下記の通りである。
サンプル濃度:0.2重量%(THF溶液)
サンプル注入量:10μl
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
測定温度:40℃
カラム:サンプルカラム;TSKguardcolumn SuperHZ−H 1本+TSKgel SuperHZM−H 2本
リファレンスカラム;TSKgel SuperH−RC 1本
検出器:示差屈折計
[架橋剤]
本発明の粘着剤組成物は、アクリルエマルション系重合体を適宜架橋することにより、より耐熱性に優れたものとなり、好ましい態様となる。本発明に用いられる架橋剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、および金属キレート化合物などを用いることができる。なかでも、主に適度な凝集力を得る観点から、イソシアネート化合物やエポキシ化合物が特に好ましく用いられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
特に、本発明においては、架橋剤として、非水溶性架橋剤を使用することが、より好ましい。なお、前記非水溶性架橋剤とは、非水溶性の化合物であり、分子中(1分子中)にカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上(例えば、2〜6個)有する化合物である。1分子中のカルボキシル基と反応しうる官能基の個数は3〜5個が好ましい。1分子中のカルボキシル基と反応しうる官能基の個数が多くなるほど、粘着剤組成物が密に架橋する(即ち、粘着剤層を形成するポリマーの架橋構造が密になる)。このため、粘着剤層形成後の粘着剤層の濡れ広がることを防ぐことが可能となる。また、粘着剤層を形成するポリマーが拘束されるため、粘着剤層中の官能基(カルボキシル基)が被着体面に偏析して、粘着剤層と被着体との剥離(粘着)力が経時で上昇することを防ぐことが可能となる。一方、1分子中のカルボキシル基と反応しうる官能基の個数が6個を超えて多すぎる場合には、ゲル化物が生じる場合がある。
本発明の非水溶性架橋剤におけるカルボキシル基と反応しうる官能基としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、カルボジイミド基などが挙げられる。中でも、反応性の観点からエポキシ基が好ましい。さらに、反応性が高いため、架橋反応における未反応物が残りにくく低汚染性に有利である、粘着剤層中の未反応のカルボキシル基により被着体との剥離(粘着)力が経時で上昇することを防止できるという観点から、グリシジルアミノ基が好ましい。即ち、本発明の非水溶性架橋剤としては、エポキシ基を有するエポキシ系架橋剤が好ましく、中でも、グリシジルアミノ基を有する架橋剤(グリシジルアミノ系架橋剤)が好ましい。なお、本発明の非水溶性架橋剤がエポキシ系架橋剤(特にグリシジルアミノ系架橋剤)である場合には、1分子中のエポキシ基(特にグリシジルアミノ基)の個数が2個以上(例えば、2〜6個)であり、3〜5個が好ましい。
本発明の非水溶性架橋剤は、非水溶性の化合物である。なお、「非水溶性」とは、25℃における水100重量部に対する溶解度(水100重量部に溶解しうる化合物(架橋剤)の重量)が5重量部以下であることをいい、好ましくは4重量部以下、さらに好ましくは3重量部以下である。非水溶性の架橋剤を使用することにより、架橋せずに残存した架橋剤が、高湿度環境下で被着体上に生じる白化汚染の原因となりにくく、低汚染性が向上する。水溶性の架橋剤の場合には、高湿度環境下では、残存した架橋剤が水分に溶けて被着体に転写しやすくなるため、白化汚染を引き起こしやすい。また、非水溶性架橋剤は、水溶性架橋剤と比較して、架橋反応(カルボキシル基との反応)への寄与が高く、剥離(粘着)力の経時上昇防止効果が高い。さらに、非水溶性架橋剤は架橋反応の反応性が高いため、エージングで速やかに架橋反応が進行し、粘着剤層中の未反応のカルボキシル基により被着体との剥離(粘着)力が経時で上昇することを防止できる。
なお、前記架橋剤の水に対する溶解度は、例えば、以下のようにして測定しうる。
[水に対する溶解度の測定方法]
同重量の水(25℃)と架橋剤を、攪拌機を用いて回転数300rpm、10分の条件で混合し、遠心分離により水相と油相に分ける。次いで、水相を採取し120℃で1時間乾燥して、乾燥減量から水相中の不揮発分(水100重量部に対する不揮発成分の重量部)を求める。
具体的には、本発明の非水溶性架橋剤としては、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(例えば、三菱ガス化学(株)製、商品名「TETRAD−C」等)[25℃における水100重量部に対する溶解度2重量部以下]、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン(例えば、三菱ガス化学(株)製、商品名「TETRAD−X」等)[25℃における水100重量部に対する溶解度2重量部以下]等のグリシジルアミノ系架橋剤;Tris(2,3−epoxypropyl)isocyanurate(例えば、日産化学工業(株)製、商品名「TEPIC−G」等)[25℃における水100重量部に対する溶解度2重量部以下]等のその他のエポキシ系架橋剤などが例示される。
本発明の非水溶性架橋剤の配合量(本発明の粘着剤組成物中の含有量)は、本発明のアクリルエマルション系重合体の原料モノマーとして用いられるカルボキシル基含有不飽和モノマー(B)のカルボキシル基1モルに対する、本発明の非水溶性架橋剤のカルボキシル基と反応しうる官能基のモル数が0.1〜1.3モルとなる配合量とすることが好ましい。即ち、「本発明のアクリルエマルション系重合体の原料モノマーとして用いられる全てのカルボキシル基含有不飽和モノマー(B)のカルボキシル基の総モル数」に対する、「全ての本発明の非水溶性架橋剤のカルボキシル基と反応しうる官能基の総モル数」の割合[カルボキシル基と反応しうる官能基/カルボキシル基](モル比)が0.1〜1.3であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.1である。[カルボキシル基と反応しうる官能基/カルボキシル基]を0.1以上とすることにより、粘着剤層中の未反応のカルボキシル基を低減し、カルボキシル基と被着体との相互作用に起因する、経時による剥離(粘着)力上昇を効果的に防止できるため好ましい。さらに、架橋後のアクリル系粘着剤皮膜の溶剤不溶分や破断伸びを本発明で規定する範囲内に制御しやすくなるため好ましい。また、1.3以下とすることにより、粘着剤層中の未反応の非水溶性架橋剤を低減し、非水溶性架橋剤による外観不良を抑制して、外観特性を向上させることができるため好ましい。
特に、本発明の非水溶性架橋剤が、エポキシ系架橋剤である場合には、[エポキシ基/カルボキシル基](モル比)が0.2〜1.3であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.1である。さらに、本発明の非水溶性架橋剤がグリシジルアミノ系架橋剤である場合には、[グリシジルアミノ基/カルボキシル基](モル比)が、前記範囲を満たすことが好ましい。
なお、例えば、水分散型アクリル系粘着剤組成物(粘着剤組成物)中に、カルボキシル基と反応しうる官能基の官能基当量が110(g/eq)の非水溶性架橋剤を4g添加(配合)する場合、非水溶性架橋剤の有するカルボキシル基と反応しうる官能基のモル数は、例えば、以下のように算出できる。
非水溶性架橋剤の有するカルボキシル基と反応しうる官能基のモル数=[非水溶性架橋剤の配合量(配合量)]/[官能基当量]=4/110
例えば、非水溶性架橋剤として、エポキシ当量が110(g/eq)のエポキシ系架橋剤を4g添加(配合)する場合、エポキシ系架橋剤の有するエポキシ基のモル数は、例えば、以下のように算出できる。
エポキシ系架橋剤の有するエポキシ基のモル数=[エポキシ系架橋剤の配合量(配合量)]/[エポキシ当量]=4/110
[メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤]
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤を必須成分として含有し、前記メチル基の数としては、1又は2が好ましい。前記界面活性剤は、帯電防止剤として配合(使用)されるものであり、エマルション(乳化)重合時に使用される乳化剤とは、別の役割を果たす。そして、エマルション重合終了後の、アクリルエマルション系重合体を調製後に、別途配合して使用される。前記界面活性剤を含有することにより、得られる粘着剤層(粘着シート)を被着体(被保護体)に貼付後、剥離する際に、帯電防止が図られていない被着体に対して、剥離帯電防止性を付与することができる。また、前記アクリルエマルション系重合体との相溶性、及びバランスの良い相互作用が期待できる。
本発明のメチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、前記メチル基を1個有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム塩、メチルジエチル(2−メトキシエチル)アンモニウムクロライド、オクチルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウリルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられ、前記メチル基を2個有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、肪族アルキル4級アンモニウム塩が挙げられ、例えば、オクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ラウリルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、パルミチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパラトルエンスルホネート、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、エチルジメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムクロライドなどが好適に用いられる。なかでも特に、前記界面活性剤が、アルキレンオキシド(AO)基を含有することが好ましい。前記アルキレンオキシド基は、前記界面活性剤のアニオン成分とカチオン成分の両方、もしくはいずれか一方に含まれているものを使用することができる。前記アルキレンオキシド(AO)基を含有するものとしては、たとえば、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム塩、メチルジエチル(2-メトキシエチル)アンモニウムクロライド、オクチルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウリルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムクロライド、エチルジメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムクロライドを用いることも、より好ましい態様である。なお、これらの前記界面活性剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、市販品を使用することができ、例えば、商品名「アデカコールCC−36」(メチル基数:1個、(株)ADEKA製)、「アデカコールCC−42」(メチル基数:1個、(株)ADEKA製)、商品名「カチオンL−207」(メチル基数:1個、日本油脂(株)製)、商品名「カチオーゲンES−L」(メチル基数:2個、第一工業製薬(株)製)、商品名「カチオーゲンES−O」(メチル基数:2個、第一工業製薬(株)製)、商品名「カチオーゲンES−OW」(メチル基数:2個、第一工業製薬(株)製)、商品名「カチオーゲンES−WS−L−9」(メチル基数:2個、第一工業製薬(株)製)、商品名「カチオーゲンES−P」(メチル基数:2個、第一工業製薬(株)製)、商品名「カチオーゲンDDM−PG」(メチル基数:2個、第一工業製薬(株)製)、商品名「カチオーゲンS」(メチル基数:2個、第一工業製薬(株)製)、商品名「カチオーゲンD2」(メチル基数:2個、第一工業製薬(株)製)、商品名「カチオーゲンBC−50」(メチル基数:2個、第一工業製薬(株)製)などを用いることも可能である。
本発明に用いられる前記非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤の配合量については、アクリルエマルション系重合体100重量部に対して、10重量部以下配合することが好ましく、0.2〜8重量部配合することがより好ましく、0.5〜6重量部配合することが更に好ましい。10重量部より多くなると、被着体(被保護体)への汚染が増加する傾向があるため、好ましくない。
[アルキレンオキシド基含有ポリシロキサン(AO含有ポリシロキサン)]
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物には、更に、アルキレンオキシド基含有ポリシロキサン(AO含有ポリシロキサン)を含有することができる。前記アルキレンオキシド基含有ポリシロキサンを含有することにより、より優れた剥離帯電防止性が発現できる。剥離帯電防止性が発現されるメカニズムの詳細は定かでないが、アルキレンオキシド(AO)基は空気中の水分と親和性が高いため、空気中への電荷の移動が容易に起こり易く、また、アルキレンオキシド基は分子運動の自由度が高く、剥離時に生じる電荷を空気中へ効率的に移動し易いため、優れた剥離帯電防止性が発現されているものと推察される。なお、ポリシロキサン骨格は、低表面張力のため少量でも高い界面吸着性を持つので、被着体(被保護体)から粘着シートを剥離する際に被保護体表面へ均一に微量転写でき、被着体(被保護体)表面に生じた電荷の移動を効率的に起こすことができ、優れた剥離帯電防止性が発現される。更に、前記非反応性アンモニウム塩型界面活性剤を併用することにより、より優れた剥離帯電防止性を付与することができるので、好ましい。
前記ポリシロキサンとしては、エチレンオキシド(EO)基から構成(含有)されることが好ましい。また、前記EO基以外のアルキレンオキシド基として、プロピレンオキシド(PO)基を含むことも可能であるが、その場合、前記POのモル含有率は、前記EOとPOの合計モル含有率100%に対して、50%以下であることが好ましい。前記ポリシロキサンは、前記EO基から構成される(構成成分として含む)ことにより、より優れた剥離帯電防止性を付与することが可能となり、好ましい態様となる。
また、前記ポリシロキサンのHLB(Hydrophile−Lipophile−Blance)値が、4〜12であることが好ましく、より好ましくは、5〜11であり、特に好ましくは、6〜10である。前記HLB値が、前記範囲内にあると、剥離帯電防止性を付与できるだけでなく、被着体への汚染性が良好となり、好ましい態様となる。
また、前記ポリシロキサンの数平均分子量としては、500〜100000であることが好ましく、より好ましくは、1000〜50000である。前記範囲にあると、被着体への汚染性が良好となり、好まし態様となる。数平均分子量は、上記アクリルエマルション系重合体の溶剤可溶分の分子量測定と同様の方法により、GPCにより測定することができる。
前記ポリシロキサンとして、具体的な商品としては、商品名「KF−352A」(HLB値7)、KF−615(HLB値10)、KF−6012(HLB値7)、KF−351A(HLB値12)、KF−353(HLB値10)、KF−945(HLB値4)、KF−6013(HLB値10)、KF−889(HLB値4)、KF−6004(HLB値9)(以上、信越化学工業社製)、FZ−2105(HLB値11)、FZ−2123(HLB値8)、FZ−2164(HLB値8)、FZ−7001(HLB値7)、SH8400(HLB値8)、SH8700(HLB値7)、SF8410(HLB値6)、SF8422(以上、東レ・ダウコーニング社製)、
TSF−4440(HLB値6)、TSF−4445(HLB値7)(以上、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記アルキレンオキシド基含有ポリシロキサン中でも特に、下記式で表わされるアルキレンオキシド基含有ポリシロキサンであることが、より剥離帯電防止性を発現しやすくなるため、好ましい態様となる。
Figure 2013216758

(式中、Rは1価の有機基、R,R及びRはアルキレン基、もしくはRはヒドロキシル基もしくは有機基、m及びnは0〜1000の整数。但し、m,nが同時に0となることはない。a及びbは0〜100の整数。但し、a,bが同時に0となることはない。)
前記ポリシロキサンは、ポリオキシアルキレン側鎖の末端がヒドロキシル基であることがより好ましい。前記ポリシロキサンを用いることにより、被着体(被保護体)への剥離帯電防止性を発現することができ、有効である。
また、前記ポリシロキサンとしては、具体的には、式中のRはメチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基、フェニル基,トリル基等のアリール基又はベンジル基,フェネチル基等のアルキル基で例示される1価の有機基であり、それぞれヒドロキシル基等の置換基を有していてもよい。R,R及びRはメチレン基,エチレン基,プロピレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基を用いることができる。ここで、R及びR は異なるアルキレン基であり、RはR又はRと同じであっても、異なっていてもよい。R及びRはそのポリオキシアルキレン側鎖中に溶解し得る前記メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤や、その他帯電防止剤(たとえば、アルカリ金属塩等)の濃度を上げるために、そのどちらか一方が、エチレン基またはプロピレン基であることが好ましい。Rはメチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基またはアセチル基,プロピオニル基等のアシル基で例示される1価の有機基であってもよく、それぞれヒドロキシル基等の置換基を有していてもよい。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。また、分子中に(メタ)アクリロイル基、アリル基、ヒドロキシル基などの反応性置換基を有していてもよい。上記ポリオキシアルキレン側鎖を有するポリシロキサンのなかでも、ヒドロキシル基末端を有するポリオキシアルキレン側鎖を有するポリシロキサンが、相溶性のバランスがとりやすいと推測されるため好ましい。
[水分散型アクリル系粘着剤組成物]
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物(粘着剤組成物)は、必要に応じて、その他の各種添加剤を含有してよい。各種添加剤としては、例えば、顔料、充填剤、レベリング剤、分散剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、老化防止剤、防腐剤、帯電防止剤(アルカリ金属塩等)などが挙げられる。
本発明の粘着剤組成物において、「水分散型」とは、水性媒体に分散可能なことをいい、即ち、水性媒体に分散可能な粘着剤組成物を意味する。前記水性媒体は、水を必須成分とする媒体(分散媒)であり、水単独のほかに、水と水溶性有機溶剤との混合物であっても良い。なお、本発明の粘着剤組成物は、前記水性媒体等を用いた分散液であってもよい。
本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物の混合方法としては、公知慣用のエマルションの混合方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、攪拌機を用いた攪拌が好ましい。攪拌条件は、特に限定されないが、例えば、温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは20〜35℃である。攪拌時間は5〜30分が好ましく、より好ましくは10〜20分である。攪拌回転数は、10〜3000rpmが好ましく、より好ましくは30〜1000rpmである。
[粘着剤層(粘着シート)の製造方法]
本発明の粘着剤層(粘着シート)は、前記水分散型アクリル系粘着剤組成物により形成される。粘着剤層の形成方法は特に限定されず、公知慣用の粘着剤層の形成方法を用いることができる。粘着剤層の形成は、基材又は剥離フィルム(剥離ライナー)上に、前記粘着剤組成物を塗布した後、乾燥することより形成することができる。なお、粘着剤層を剥離(離型)フィルムに形成した場合には、前記粘着剤層を、基材に貼り合せて転写して、形成することが可能である。
前記粘着剤層(粘着シート)の形成にあたって、前記乾燥させる際の温度としては、通常、80〜170℃程度、好ましくは80〜160℃であり、乾燥時間0.5〜30分間程度、好ましくは1〜10分間である。そして、更に、室温〜50℃程度で、1日〜4週間養生(エージング)して、前記粘着剤層(粘着シート)を作製する。
前記粘着剤組成物の塗布工程には、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法が挙げられる。
また、前記塗布工程では、形成される粘着剤層が所定の厚み(乾燥後厚み)になるようにその塗布量が制御される。粘着剤層の厚み(乾燥後厚み)は、通常、1〜100μm程度であり、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜40μmの範囲に設定される。
前記剥離フィルムの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などを挙げることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
前記プラスチックフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。
前記剥離フィルムの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。
前記剥離フィルムには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、前記剥離フィルムの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離(離型)処理を適宜おこなうことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
前記粘着剤層が露出する場合には、実用に供されるまで剥離フィルムで粘着剤層を保護してもよい。なお、前記剥離フィルムは、そのまま粘着型光学フィルムのセパレータとして用いることができ、工程面における簡略化ができる。
本発明においては、基材(「支持体」又は「支持基材」ともいう)の少なくとも片面に、前記の粘着剤層(本発明の粘着剤組成物から形成された粘着剤層)を設けることにより、粘着シート(基材付きの粘着シート;基材の少なくとも片面側に前記粘着剤層を有する粘着シート)を得ることができる。また、前記粘着剤層は、それ自体でも基材レスの粘着シートとして使用できる。なお、以下では、前記の基材付きの粘着シートを「本発明の粘着シート」と称する場合がある。
本発明の粘着シート(前記基材付きの粘着シート)は、例えば、本発明の系粘着剤組成物を、基材の少なくとも片面側の表面に塗布し、必要に応じて、乾燥させ、基材の少なくとも片面側に粘着剤層を形成することにより得られる(直写法)。架橋は、乾燥工程での脱水、乾燥後に粘着シートを加温すること等により行う。また、剥離フィルム上に一旦粘着剤層を設けた後に基材上に粘着剤層を転写することによって粘着シートを得ることもできる(転写法)。特に限定されないが、粘着剤層は基材表面に粘着剤組成物を直接塗布するいわゆる直写法により設けられることが好ましい。本発明の粘着剤層は溶剤不溶分が高いため、転写法では、支持体との十分な投錨性(密着性)が得られない場合がある。
[基材]
本発明の粘着シートの基材としては、高い透明性を有する粘着シートが得られる観点から、プラスチック基材(例えば、プラスチックフィルムやプラスチックシート)が好ましい。プラスチック基材の素材としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン(ポリオレフィン系樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル(ポリエステル系樹脂)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル、ポリスチレン、アセテート、ポリエーテルスルホン、トリアセチルセルロースなどの透明樹脂が用いられる。これらの樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。前記基材の中でも、特に限定される訳ではないが、ポリエステル系樹脂やポリオレフィン系樹脂が好ましく、さらに、PET、ポリプロピレンおよびポリエチレンが、生産性、成型性の面から好ましく用いられる。即ち、基材としては、ポリエステル系フィルムやポリオレフィン系フィルムが好ましく、さらに、PETフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムが好ましい。前記ポリプロピレンとしては、特に限定されないが、単独重合体であるホモタイプ、α−オレフィンランダム共重合体であるランダムタイプ、α−オレフィンブロック共重合体であるブロックタイプのものが挙げられる。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、リニア低密度ポリエチレン(L−LDPE)が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記基材の厚みは、特に限定されないが、10〜150μmが好ましく、より好ましくは30〜100μmである。
また、前記基材の粘着剤層を設ける側の表面には、粘着剤層との密着力の向上等の目的で、酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理が施されていることが好ましい。また、基材と粘着剤層の間に、中間層を設けてもよい。この中間層の厚さとしては、例えば0.01〜1μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
本発明の粘着シートは、巻回体とすることができ、剥離フィルム(セパレータ)で粘着剤層を保護した状態でロール状に巻き取ることができる。また、粘着シートの背面(粘着剤層が設けられた側とは反対側の面)にはシリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系若しくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による、離型処理及び/又は防汚処理を施し、背面処理層(離型処理層、防汚処理層など)が設けられていてもよい。本発明の粘着シートとしては、中でも、粘着剤層/基材/背面処理層の形態が好ましい。
さらに、本発明の粘着シートは、帯電防止処理されてなるものがより好ましい。前記帯電防止処理としては、一般的な帯電防止処理方法を用いることが可能であり、特に限定されないが、例えば、基材背面(粘着剤層とは反対側の面)に帯電防止層を設ける方法や、基材に練り込み型帯電防止剤を練り込む方法を用いることができる。
帯電防止層を設ける方法としては、帯電防止剤又は帯電防止剤と樹脂成分を含有する帯電防止性樹脂、導電性物質と樹脂成分とを含有する導電性樹脂組成物や導電性ポリマーを塗布する方法や、導電性物質を蒸着あるいはメッキする方法等が挙げられる。
前記帯電防止剤としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩などのカチオン性官能基(例えば、第1アミノ基、第2アミノ基、第3アミノ基等)を有するカチオン型帯電防止剤;スルホン酸塩や硫酸エステル塩、ホスホン酸塩、りん酸エステル塩などのアニオン性官能基を有するアニオン型帯電防止剤;アルキルベタインおよびその誘導体、イミダゾリンおよびその誘導体、アラニンおよびその誘導体などの両性イオン型帯電防止剤;アミノアルコールおよびその誘導体、グリセリンおよびその誘導体、ポリエチレングリコールおよびその誘導体などのノニオン型帯電防止剤;更には、前記カチオン型帯電防止剤、アニオン型帯電防止剤、両性イオン型帯電防止剤で示すイオン導電性基を有するモノマーを重合もしくは共重合して得られたイオン導電性重合体が挙げられる。
具体的には、前記カチオン型帯電防止剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アシロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、アルキルベンジルメチルアンモニウム塩、アシル塩化コリン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートなどの4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するスチレン系共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するジアリルアミン共重合体などが挙げられる。前記アニオン型帯電防止剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、スルホン酸基含有スチレン系共重合体などが挙げられる。前記両性イオン型帯電防止剤としては、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、カルボベタイングラフト共重合体などが挙げられる。前記ノニオン型帯電防止剤としては、脂肪酸アルキロールアミド、ジ−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸グリセリンエステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンジアミン、ポリエーテルとポリエステルとポリアミドから成る共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記導電性ポリマーとしては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどが挙げられる。
前記導電性物質としては、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム、錫、アンチモン、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、ヨウ化銅、およびそれらの合金または混合物などが挙げられる。
前記樹脂成分としては、ポリエステル、アクリル、ポリビニル、ウレタン、メラミン、エポキシなどの汎用樹脂が用いられる。なお、帯電防止剤が高分子型帯電防止剤の場合には、帯電防止性樹脂には前記樹脂成分を含有させなくてもよい。また、帯電防止樹脂には、架橋剤としてメチロール化あるいはアルキロール化したメラミン系、尿素系、グリオキザール系、アクリルアミド系などの化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物を含有させることも可能である。
前記帯電防止層の塗布による形成方法としては、前記帯電防止性樹脂、導電性ポリマー、導電性樹脂組成物を、有機溶剤もしくは水などの溶媒又は分散媒で希釈し、この塗液を基材に塗布、乾燥する方法が挙げられる。前記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられる。これらは単独、もしくは複数を組み合わせて使用することが可能である。塗布方法については公知の塗布方法が用いられ、具体的には、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート、含浸およびカーテンコート法が挙げられる。
前記の塗布により形成される帯電防止層(帯電防止性樹脂層、導電性ポリマー層、導電性樹脂組成物層)の厚みは、0.001〜5μmが好ましく、より好ましくは0.005〜1μmである。
前記導電性物質の蒸着あるいはメッキの方法としては、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、化学蒸着、スプレー熱分解、化学メッキ、電気メッキ法などが挙げられる。
前記蒸着あるいはメッキにより形成される帯電防止層(導電性物質層)の厚みは、20〜10000Å(0.002〜1μm)が好ましく、より好ましくは50〜5000Å(0.005〜0.5μm)である。
前記練り込み型帯電防止剤としては、前記帯電防止剤が適宜用いられる。前記練り込み型帯電防止剤の配合量は、基材の総重量(100重量%)に対して、20重量%以下が好ましく、より好ましくは0.05〜10重量%である。練り込み方法としては、前記練り込み型帯電防止剤が、例えばプラスチック基材に用いられる樹脂に均一に混合できる方法であれば特に限定されず、一般的には加熱ロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸混練機等を用いた方法などが挙げられる。
また、本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物は、剥離帯電防止性、及び、粘着特性(接着性や再剥離性など)等に優れた粘着剤層や粘着シートを形成しうる粘着剤組成物であり、再剥離用途の粘着シートや粘着テープ、表面保護フィルム等にも使用することができる。たとえば、前記粘着剤層を有する粘着シートは再剥離される用途[例えば、建築養生用マスキングテープ、自動車塗装用マスキングテープ、電子部品(リードフレーム、プリント基板等)用マスキングテープ、サンドブラスト用マスキングテープなどのマスキングテープ類、アルミサッシ用表面保護フィルム、光学プラスチック用表面保護フィルム、光学ガラス用表面保護フィルム、自動車保護用表面保護フィルム、金属板用表面保護フィルムなどの表面保護フィルム類、バックグラインドテープ、ペリクル固定用テープ、ダイシング用テープ、リードフレーム固定用テープ、クリーニングテープ、除塵用テープ、キャリアテープ、カバーテープなどの半導体・電子部品製造工程用粘着テープ類、電子機器や電子部品の梱包用テープ類、輸送時の仮止めテープ類、結束用テープ類、ラベル類]等に好ましく用いられる。
また、本発明の水分散型アクリル系粘着剤組成物から形成された粘着剤層(粘着シート)は、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)、フィールドエミッションディスプレイなどのパネルを構成する偏光板、位相差板、反射防止板、波長板、光学補償フィルム、輝度向上フィルムなど光学部材(光学プラスチック、光学ガラス、光学フィルム等)の表面保護用途(光学部材用の表面保護フィルム等)として好ましく用いられる。ただし、用途はこれに限定されるものではなく、半導体、回路、各種プリント基板、各種マスク、リードフレームなどの微細加工部品の製造の際の表面保護や破損防止、あるいは異物等の除去、マスキング等にも使用することができる。
本発明の光学部材は、前記粘着シートを貼り付けてなることが好ましい。前記粘着シートは、前記水分散型のアクリル系粘着剤組成物を使用するため、剥離帯電防止性、再剥離性、及び、接着性(粘着性)に優れるため、加工、搬送、出荷時等に前記光学部材(偏光板など)の表面を保護するために、有用なものとなる。特に静電気が発生しやすいプラスチック製品などに用いることができるため、帯電が特に深刻な問題となる光学・電子部品関連の技術分野において、剥離帯電防止用に非常に有用となる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に明記のない限り、重量基準である。
<実施例1>
(アクリルエマルション系重合体の調製)
容器に、水90重量部、及び、表1に示すように、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)96重量部、アクリル酸(AA)4重量部、反応性ノニオンアニオン系乳化剤(第一工業製薬(株)製、商品名「アクアロンHS−1025」)3重量部を配合した後、ホモミキサーにより攪拌混合し、モノマーエマルションを調製した。
次いで、冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、水50重量部、重合開始剤(過硫酸アンモニウム)0.01重量部、及び、前記モノマーエマルションのうち、10重量%にあたる量を添加し、攪拌しながら、65℃で1時間乳化重合した。その後、さらに重合開始剤(過硫酸アンモニウム)0.05重量部を添加し、次いで、攪拌しながら、残りのモノマーエマルションの全て(90重量%にあたる量)を3時間かけて添加し、その後、75℃で3時間反応させた。次いで、これを30℃に冷却して、濃度10重量%のアンモニア水を加えてpH8に調整して、アクリルエマルション系重合体の水分散液(アクリルエマルション系重合体の濃度:41重量%)を調製した。
(水分散型アクリル系粘着剤組成物の調製)
前記アクリルエマルション系重合体の水分散液に、アクリルエマルション系重合体(固形分)100重量部に対して、非水溶性架橋剤であるエポキシ系架橋剤[三菱ガス化学(株)製、商品名「TETRAD−C」、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4]2.5重量部、メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤である塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム[(株)ADEKA製、商品名「アデカコールCC−36」]1重量部を、攪拌機を用いて、23℃、300rpm、10分の攪拌条件で攪拌混合し、水分散型アクリル系粘着剤組成物を調製した。
(粘着剤層の形成、粘着シートの作製)
さらに、前記水分散型アクリル系粘着剤組成物を、PETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「E7415」、厚さ:38μm)のコロナ処理面上に、テスター産業(株)製アプリケーターを用いて、乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布(コーティング)し、その後、熱風循環式オーブンで、120℃で2分間乾燥させ、さらにその後、室温で1週間養生(エージング)して、粘着シートを得た。
<実施例2〜10、比較例1〜3>
表1に示すように、原料モノマー及び配合量等を変更し、実施例1と同様にして、モノマーエマルションを調製した。なお、表中に記載のない添加剤については、実施例1と同様の配合量で調製した。また、前記モノマーエマルションを用い、実施例1と同様にして、水分散型アクリル系粘着剤組成物および粘着シートを得た。
[評価]
実施例および比較例で得られた水分散型アクリル系粘着剤組成物および粘着シートについて、下記の測定方法又は評価方法により評価を行った。なお、具体的な評価結果については、表1及び表2に示した。
<23℃×25%RH剥離帯電圧(剥離速度:10m/min、対DU)>
作製した粘着シートを幅70mm、長さ130mmのサイズにカットし、セパレータを剥離した後、あらかじめ除電しておいたアクリル板(三菱レイヨン社製、アクリライト、厚み:1mm、幅:70mm、長さ:100mm)に貼り合わせた偏光板(日東電工(株)製、商品名「SEG1425DU」)表面に、片方の端部が30mmはみ出すようにハンドローラーにて圧着した(対DU)。続いて、23℃×25±2%RHの環境下に一日放置した後、図1に示すように所定の位置にサンプルをセットする。30mmはみ出した片方の端部を自動巻取り機に固定し、剥離角度150°、剥離速度10m/min(分)となるように剥離した。このときに発生する偏光板表面の電位を所定の位置に固定してある電位測定機(春日電機社製、KSD−0103)にて測定した。この際の剥離帯電圧を、「23℃×25%RH剥離帯電圧(剥離速度10m/min、対DU)」とした。サンプルと電位測定機との距離はアクリル板表面測定時100mmとした。なお、測定は23℃×25±2%RHの環境下で行った。評価結果は、表1に示した。
<23℃×25%RH剥離帯電圧(剥離速度:30m/min、対DU)>
また、前記「23℃×25%RH剥離帯電圧(剥離速度:10m/min、対DU)剥離帯電圧」の代わりに、剥離速度を30m/minとし、23℃×25±2%RHの環境下に一日放置した後に、サンプルセットし、測定を23℃×25±2%RHの環境下で行った場合の剥離帯電圧を、「23℃×25%RH剥離帯電圧(剥離速度30m/min、対DU)」とした。評価結果は、表2に示した。
<23℃×50%RH剥離帯電圧(剥離速度:30m/min、対DU)>
また、前記「23℃×25%RH剥離帯電圧(剥離速度:10m/min、対DU)」の代わりに、剥離速度を30m/minとし、23℃×50±2%RHの環境下に一日放置した後に、サンプルセットし、測定を23℃×50±2%RHの環境下で行った場合の剥離帯電圧を、「23℃×50%RH剥離帯電圧(剥離速度30m/min、対DU)」とした。評価結果は、表2に示した。
なお、本発明の粘着シートの剥離帯電圧(絶対値)としては、剥離速度に関係なく、1.5kV以下であることが好ましく、より好ましくは1.2kV以下であり、特に好ましくは1.0kV以下である。前記剥離帯電圧が1.5kVを超えると、被着体である偏光板の液晶配向が乱れるため、好ましくない。
<対DU初期剥離力>
作製した粘着シートを幅25mm、長さ100mmのサイズにカットし、セパレータを剥離した後、貼り合わせ機(テスター産業(株)製、小型貼り合わせ機)を用いて、偏光板(日東電工社製、商品名「SEG1425DU」、幅:70mm、長さ:100mm)に0.25MPa、0.3m/minの条件でラミネートし、評価サンプルを作製した(対DU)。ラミネート後、23℃×50%RHの環境下に30分間放置した後、万能引張試験機にて剥離速度30m/min、剥離角度180°で剥離したときの剥離(粘着)力(N/25mm)を測定し、「対DU初期剥離力」とした。測定は23℃×50%RHの環境下で行った。評価結果は、表1に示した。
なお、本発明の粘着シートの対DU初期剥離力としては、1.0N/25mm以下が好ましく、0.1〜1.0N/25mmであることがより好ましく、更に好ましくは 0.2〜0.8N/25mmである。前記剥離力を1.0N/25mm以下とすることにより、偏光板や液晶表示装置の製造工程で、粘着シートを剥離しやすく、生産性、取り扱い性が向上するため好ましい。また、0.1N/25mm以上とすることにより、製造工程で粘着シートの浮きや剥がれが抑制され、表面保護用の粘着シートとしての保護機能を十分に発揮できるため好ましい。
<対AG初期剥離力>
また、前記偏光板(日東電工社製、商品名「SEG1425DU」、幅:70mm、長さ:100mm)の代わりに、偏光板(日東電工社製、商品名「SEG1425DUAGS1」、幅:70mm、長さ:100mm)を使用して、「対AG初期剥離力」とした。評価結果は、表1に示した。
なお、本発明の粘着シートの対AG初期剥離力としては、1.0N/25mm以下が好ましく、0.1〜1.0N/25mmであることがより好ましく、更に好ましくは 0.2〜0.8N/25mmである。前記剥離力を1.0N/25mm以下とすることにより、偏光板や液晶表示装置の製造工程で、粘着シートを剥離しやすく、生産性、取り扱い性が向上するため好ましい。また、0.1N/25mm以上とすることにより、製造工程で粘着シートの浮きや剥がれが抑制され、表面保護用の粘着シートとしての保護機能を十分に発揮できるため好ましい。
<剥離力比>
本発明の粘着シートの剥離力比(対DU初期剥離力/対AG初期剥離力)としては、1.7以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。前記範囲内を外れると、被着体毎に粘着シートを使い分ける必要が生じる場合があり、好ましくない。なお、評価結果は、表1に示した。
<POモル含有率>
本発明において使用するアルキレンオキシド基(AO)含有ポリシロキサンに含まれるプロピレンオキシド基の含有割合(POモル含有率)は、NMR測定により求めた。なお、NMR測定は、核磁気共鳴装置(日本電子社製、EX−400)を用いて、下記の測定条件にて行った。
観測周波数:400MHz(H)、100MHz(13C)
測定溶媒:CDCl
測定温度:23℃
Figure 2013216758
Figure 2013216758
なお、表1中の配合内容については、固形分の重量を示した。なお、表1で用いた略号は、以下のとおりである。
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
AA:アクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
HS−1025:第一工業製薬(株)製、商品名「アクアロンHS−1025」(反応性ノニオンアニオン系乳化剤)
T/C:三菱ガス化学(株)製、商品名「TETRAD−C」(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4)(非水溶性架橋剤)
CC−36:(株)ADEKA製、商品名「アデカコールCC−36」、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム(メチル基数:1、(C(CH)N(CHCH(CH)O)H・Cl)(メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤)
CC−42:(株)ADEKA製、商品名「アデカコールCC−42」、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム(メチル基数:1、(C(CH)N(CHCH(CH)O)H・Cl)(メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤)
ES−L:第一工業製薬(株)製、商品名「カチオーゲンES−L」、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩(メチル基数:2、(R(CH(CHCH)N)・COSO )(メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤)
ES−O:第一工業製薬(株)製、商品名「カチオーゲンES−O」、オクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート(メチル基数:2、(R(CH(CHCH)N)・COSO )(メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤)
TML:第一工業製薬(株)製、商品名「カチオーゲンTML」、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド(メチル基数:3、(RN(CH・Cl)、界面活性剤)
KF−353:信越シリコーン(株)製、商品名「KF−353」(エチレンオキシド含有ポリシロキサン、HLB値:10、POモル含有率0.1%以下)
KF−352A:信越シリコーン(株)製、商品名「KF−352A」(エチレンオキシド含有ポリシロキサン、HLB値:7、POモル含有率49%)
表1及び表2の評価結果より、全ての実施例において、剥離帯電防止性、及び、粘着特性に優れた粘着シートが得られることが確認でき、光学部材などの表面保護用途等への使用に適していることが確認できた。特に粘着特性として、剥離力比(対DU初期剥離力/対AG初期剥離力)が1.7以下になっており。被着体毎に使い分ける必要がなく、利便性に優れた粘着シートが得られている。
一方、比較例1においては、特定の非反応性アンモニウム塩型界面活性剤を使用しなかったため、剥離帯電防止性が劣り、剥離力比も所望の範囲を外れる結果となった。また、比較例2においても、特定の非反応性アンモニウム塩型界面活性剤を使用せず、メチル基が2個を超える界面活性剤を使用したため、剥離帯電防止性が劣る結果となった。比較例3においては、アクリルエマルション系重合体調整時に、アクリルエマルション系重合体の凝集がひどく、粘着シートの作製を実施することができなかった。
1 電位測定器
2 粘着シート
3 偏光板
4 アクリル板
5 サンプル固定台

Claims (10)

  1. 原料モノマーとして、少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)、及び、カルボキシル基含有不飽和モノマー(B)を0.5〜10重量%を含有するアクリルエマルション系重合体と、
    メチル基を2個以下有する非反応性4級アンモニウム塩型界面活性剤と、を含有することを特徴とする水分散型アクリル系粘着剤組成物。
  2. 前記界面活性剤が、アニオン及びカチオンから構成され、
    前記アニオン及び/または前記カチオンが、アルキレンオキシド基を含有することを特徴とする請求項1記載の水分散型アクリル系粘着剤組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(A)が、炭素数2〜14のアルキル基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の水分散型アクリル系粘着剤組成物。
  4. 更に、アルキレンオキシド基含有ポリシロキサンを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水分散型アクリル系粘着剤組成物。
  5. 前記ポリシロキサンのHLB値が、4〜12であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水分散型アクリル系粘着剤組成物。
  6. 前記ポリシロキサンが、少なくとも、エチレンオキシド(EO)基から構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水分散型アクリル系粘着剤組成物。
  7. 前記ポリシロキサンが、プロピレンオキシド(PO)基を含み、
    前記EO及びPOの合計モル含有率100%に対して、前記POのモル含有率が、50%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水分散型アクリル系粘着剤組成物。
  8. 基材の少なくとも片面に、請求項1〜7のいずれかに記載の水分散型アクリル系粘着剤組成物から形成される粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート。
  9. 前記粘着剤層を、偏光板(日東電工社製、商品名:SEG1425DU)に貼着した時の剥離力(剥離速度30m/min)が、1N/25mm以下であることを特徴する請求項8に記載の粘着シート。
  10. 前記請求項8又は9に記載の粘着シートを貼り付けてなる光学部材。
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