JP2013216381A - 航空機用輸送容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】航空機の貨物スペースに搭載される専用の航空機用輸送容器を、軽量であって扱い易く、且つ、液体が漏出することを防止できるものとして提供する。
【解決手段】容器本体をなす底板および各側板を、合成樹脂を用いて形成する。そして、容器本体内から外部に液体が漏出することを防止する液漏れ防止構造として、隅部分に樹脂溶接を行う構造や、内部に防水トレーを配置する構造を採用する。また、側板としては、貫通孔を有さない防水用の側板を用いる。
【選択図】図12

Description

本発明は、航空機の貨物スペースに搭載される航空機用輸送容器に関する。
航空機の貨物スペースに搭載される輸送容器としては、従来、ULD(Unit Load Device)と呼ばれる金属製のコンテナ(特許文献1等参照)が用いられていた。しかし、このような金属製のコンテナは、高強度である一方で、重量が重くなることから扱いが困難であるという問題がある。
また、コンテナ内において荷物から液体が漏れ出たとき、この液体がそのままコンテナから漏出した場合には、機体の機器故障の原因になるという問題や、貨物スペースにある他の荷物を汚してしまうという問題がある。
実開昭63−180595号公報
本発明は前記問題点に鑑みて発明したものであって、航空機の貨物スペースに搭載される専用の航空機用輸送容器を、軽量であって扱い易く、且つ、液体の漏出を防止することのできるものとして提供することを、課題とする。
前記課題を解決するため、本発明を、下記構成を備えた航空機用輸送容器とする。
本発明は、底板と、底板の端部から起立される複数の側板とで、上方に開口した容器本体を形成した航空機用輸送容器であって、容器本体をなす底板および各側板を、合成樹脂を用いて形成するとともに、容器本体内から外部に液体が漏出することを防止する液漏れ防止構造を備えたことを特徴とする。
本発明においては、前記液漏れ防止構造として、容器本体が有する底板と各側板との間に形成される隅部分に、樹脂溶接によって目張りを施すことが好ましい。
また、前記液漏れ防止構造として、容器本体が有する底板上に、防水トレーを配置することも好ましい。
また、前記液漏れ防止構造として、容器本体が有する各側板を、下側部分に貫通孔を有することのない防水用の側板によって形成することも好ましい。
本発明は、軽量化が図られていて扱い易く、且つ、外部に液体が漏出することも防止されているので、航空機用の貨物スペースに搭載する航空機用輸送容器として好適に用いることができるという効果を奏する。
本発明の航空機用輸送容器に用いる積層樹脂板材の説明図である。 本発明の一実施形態の航空機用輸送容器である下段用輸送容器の全体斜視図である。 同上の下段用輸送容器を他方から視た全体斜視図である。 同上の下段用輸送容器を形成するヒンジ部材の斜視図である。 同上の下段用輸送容器を形成するフレーム部材の斜視図である。 本発明の一実施形態の航空機用輸送容器である上段用輸送容器の全体斜視図である。 同上の上段用輸送容器の底板と第一側板が一体化された板材を曲げ加工した状態の斜視図である。 同上の上段用輸送容器を形成する第二側板の斜視図である。 (a)−(d)は、同上の上段用輸送容器を折り畳む手順を順に示す斜視図である。 同上の下段用輸送容器と上段用輸送容器を貨物スペースに搭載した様子を示す説明図である。 同上の下段用輸送容器と上段用輸送容器をそれぞれ複数用いた場合の搭載形態を示す説明図である。 同上の下段用輸送容器に樹脂溶接を施した場合の全体斜視図である。 同上の樹脂溶接を施した部分の要部断面図である。 同上の下段用輸送容器の変形例に樹脂溶接を施した場合の要部断面図である。 同上の下段用輸送容器に防水トレーを配した場合の全体斜視図である。 同上の上段用輸送容器に液漏れ防止構造を備えた場合の全体斜視図である。 同上の液漏れ防止構造の要部断面図である。
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。本実施形態の航空機用輸送容器は、下段用の航空機用輸送容器(以下「下段用輸送容器A」とする)と上段用の航空機用輸送容器(以下「上段用輸送容器B」とする)とから成り、これらを組み合わせて搭載される。
以下においては、下段用輸送容器Aと上段用輸送容器Bの基本的な構成について、図1〜図11に基づいてまず説明する。
図1には、下段用輸送容器Aと上段用輸送容器Bに共通に用いられる積層樹脂板材2を示している。図2〜図5には下段用輸送容器Aを示しており、図6〜図9には上段用輸送容器Bを示している。
まず、下段用輸送容器Aの基本的な構成について述べる。下段用輸送容器Aは、図2や図3に示すように、船形形状を有する容器本体4と、この容器本体4の上面開口を塞ぐように取り付けられる蓋板6とを備える。蓋板6により、雨等の容器本体4内への侵入が防止される。
容器本体4は、長手方向aの一端部と他端部を斜め上方に折り曲げた形状の底板8と、この底板8の短手方向bの端縁部に連設される一対の側板10とを有する。本実施形態では、この底板8を、平面視矩形状をなす水平底板12と、水平底板12の両端縁部にヒンジ部材14を用いて連結される一対の傾斜底板16とを用いて形成している。
そして、本実施形態の下段用輸送容器Aでは、これら板部材6,10,12,16のそれぞれを、積層樹脂板材2を用いて形成している。積層樹脂板材2は図1に示す構造のもので、ポリプロピレン(以下「PP」と略す)製の中空構造板18が用いられる。中空構造板18は、中空の六角柱が隙間なく並設されたハニカム状のコア材20を一対のスキン材22によって両側からサンドイッチした構造の板材である。このハニカム構造の中空構造板18は、単位重量あたりの強度が非常に高く、機械的特性において等方性に優れるとともに、熱可塑性樹脂製であるから二次加工性にも優れたものである。
積層樹脂板材2では、この中空構造板18の両側のスキン材22の外表面に、合成樹脂製の繊維シート24をそれぞれ貼り付け、この繊維シート24の外面を覆うようにさらに樹脂シート26を貼り付けている。積層樹脂板材2の最外層となる樹脂シート26は、薄膜状のPP製のシートである。この樹脂シート26で覆うことにより、積層樹脂板材2全体の曲げ強度や曲げ剛性が向上するという効果や、ゴミや汚れが付着しづらくなるという効果も得られる。中空構造板18は、ハニカム構造以外の他の中空構造(例えば、平板状の隔壁が一方向に多数列設される中空構造や、中空の円錐台が多数並設される中空構造等)であってもよい。
底板8の中央部をなす水平底板12は、この積層樹脂板材2を用いて成形される。この水平底板12は、長手方向aの両端縁部の下面側を潰すことで凹段部28を形成し、短手方向bの両端縁部には、熱曲げ溶着加工によって折曲片部30を上方に折り曲げて形成したものである。積層樹脂板材2の端縁部を潰すことで、樹脂溜りが生じることによる強度向上の効果も得られる。積層樹脂板材2の熱曲げは、曲げられる外側の繊維シート24よりも手前側の部分までを押し潰して折り曲げてもよいし、この外側の繊維シート24の厚み方向の途中までの部分を押し潰して折り曲げてもよい。
底板8の両端部をなす傾斜底板16は、同様に積層樹脂板材2を用いて成形される。この傾斜底板16は、長手方向aの一方の端縁近傍に、内面側からの熱罫線加工によってヒンジ構造34を形成している。ヒンジ構造34のための熱罫線加工は、外側の繊維シート24よりも手前側の部分までを潰すものであってもよいし、外側の繊維シート24の厚み方向の途中までの部分を潰すものであってもよい。
積層樹脂板材2では、中空構造板18と繊維シート24の素材として共にPPを用いているので、熱曲げ溶着加工や熱罫線加工を施すときに、剥離等の不具合を生じにくいものとなっている。また、熱曲げ溶着加工や熱罫線加工を施すときに中空構造板18が押し潰され、この押し潰し面の中空部分に合成樹脂が溜まることにより、溶着が確実に行われるという効果や、強度が増すという効果も得られる。
傾斜底板16の短手方向bの両端縁部には、熱曲げ溶着加工によって折曲片部36を上方に折り曲げて形成している。折曲片部36のうちヒンジ構造34の両端にあたる箇所には、V字状の切り欠きを設ける。また、傾斜底板16には、一対の持ち手孔40を貫通形成している。
側板10は、積層樹脂板材2を用いて略逆台形状に成形される。この側板10にも、傾斜底板16と同様の一対の持ち手孔42を貫通形成している。なお、これら持ち手孔40,42は凹状であればよく、貫通形成しない構造であっても構わない。また、貫通又は窪んだ形状の別部位を取り付けることで持ち手部分を形成してもよい。
蓋板6は、積層樹脂板材2を用いて平板状に形成される。この蓋板6は、平面視略長方形状の外形を有し、長手方向aの両端縁部に、熱曲げ溶着加工によって折曲片部44を下方に折り曲げて形成している。また、蓋板6の短手方向bの一端縁部にも、同様の熱曲げ溶着加工によって折曲片部46を下方に折り曲げて形成している。蓋板6の短手方向bの他端縁部には、上面側を潰すことによって凹段部48を形成している。
これら板部材6,10,12,16に加え、図4に示すヒンジ部材14、図5に示すフレーム部材52、さらには図2,図3に示すコーナー部材54、リベット部材(図示略)等の別部材を用いることで、下段用輸送容器Aが組み立てられる。
ヒンジ部材14は、積層樹脂板材2の端縁部同士を折曲自在につなぐ部材であり、一方の積層樹脂板材2の端縁部に嵌合固定される断面コ字状のヒンジ半部56の角縁部と、他方の積層樹脂板材2の端縁部に嵌合固定される断面コ字状のヒンジ半部58の角縁部とを、弾性変形可能な連結部分60を介して連結させたものである。両側のヒンジ半部56,58はPPを用いて長尺状に成形され、連結部分60はエラストマーを用いて成形される。
フレーム部材52は、積層樹脂板材2の端縁部に嵌合固定される断面コ字状の長尺部材であり、PPを用いて成形される。コーナー部材54は、平面視L字型の部材であり、装着されたフレーム部材52に対してさらに上方から嵌合するように、断面コ字状に形成されている。これらヒンジ部材14、フレーム部材52及びコーナー部材54は、それぞれの設置箇所に応じた寸法形状で成形される。これら各部材14,52,54と積層樹脂板材2は共に熱可塑性樹脂を用いて形成されるので、リサイクルが可能であり、特にPPが主であることからパレット等に使用可能となる。
なお、これら各部材14,52,54を用いずに下段用輸送容器Aを組み立てることも可能である。この場合、積層樹脂板材2を用いて各板材6,10,12,16を一体に形成した後に、境界部分にヒンジ構造34等を形成することによって各部を折り曲げたうえで結合させ、下段用輸送容器Aを組み立てる。これによれば、ヒンジ部材14等の別部材が不要となり、下段用輸送容器Aの内面や外面も全体にフラットに形成される。積層樹脂板材2の端面処理は、端面を潰すことや、潰して折り曲げることで行う。この端面処理によって樹脂溜りができ、強度向上の効果も得られる。また、フレーム部材52等の装着による段差が生じないので、よりフラットな外観が得られる。
下段用輸送容器Aは、より具体的には以下のように組み立てられる。
底板8は、水平底板12が両端縁に有する一対の凹段部28に、それぞれヒンジ部材14の一方のヒンジ半部56を嵌合させ、そのヒンジ部材14の他方のヒンジ半部58を傾斜底板16の端縁部に嵌合させることで、長手方向aの一端部と他端部を斜め上方に折り曲げた船底のような形状に組み立てられる。
ここで、ヒンジ半部56の板部の肉厚は、凹段部28の深さと同一に設定しているので、凹段部28にヒンジ半部56が嵌合された状態で、このヒンジ半部56の下面と、水平底板12の下面とが、フラットに連続するようになっている(図3参照)。これにより容器本体4の底面がフラットになり、移動の際にも破損等を生じにくくなる。なお、凹段部28の深さを、ヒンジ半部56の板部の肉厚より少し浅く形成してもよいし、或いは深く形成してもよい。滑りを円滑にするため、容器本体4の底面にソリのような脚部を形成してしてもよい。
また、水平底板12の上面側に、凹段部28と同様の凹段部を設けてもよい。この上面側の凹段部にヒンジ半部56の上側の板部が嵌まることで、容器本体4の内面がよりフラットになり、内容物の引っ掛かりが防止される。勿論、凹段部を水平底板12の上面側に設けない場合でも、ヒンジ半部56の板部は薄肉であることから、生じる段差は小さく、内容物の引っ掛かりは殆ど生じない。
傾斜底板16は、その上部17がヒンジ構造34を介してさらに折り曲げられ、上部17が真上に起立した姿勢で、底板8に対して両側の側板10が固定される。底板8と側板10の固定は、水平底板12や傾斜底板16に設けた折曲片部30,36と、側板10の端縁部とを、リベット部材で固定することにより行われる。
傾斜底板16の上部17の上端縁には、この部位に対応する長さ寸法のフレーム部材52が上方から嵌合される。同様に、一方の側板10の上端縁には、この部位に対応する長さ寸法のフレーム部材52が上方から嵌合される。
他方の側板10の上端縁には、蓋用の長さ寸法で形成されるヒンジ部材14のヒンジ半部58が嵌合され、このヒンジ部材14の他方のヒンジ半部56が、蓋板6の凹段部48に嵌合される。これにより、容器本体4と蓋板6とが回転自在に連結される。
このヒンジ半部56の板部の肉厚は、蓋板6の凹段部48の深さと同一に設定しているので、凹段部48にヒンジ半部56が嵌合された状態で、このヒンジ半部56の上面と、蓋板6の上面とが、フラットに連続するようになっている(図2参照)。なお、この凹段部48の深さを、ヒンジ半部56の板部の肉厚よりも少し浅く形成することや、深く形成することも可能である。
容器本体4の開口縁の四隅部分には、フレーム部材52の上方からさらにL字型のコーナー部材54が装着される。これにより、底板8の傾斜底板16と側板10が強固に結合され、容器本体4の補強が図られる。
蓋板6を閉じた状態とき、蓋板6が有する折曲片部44,46は対応する箇所のフレーム部材52に対して外側から当接する。この折曲片部44,46と対応する箇所のフレーム部材52の両者に、蓋板6を閉状態で仮固定するための面ファスナを設けておくことも好適である。また、蓋板6を閉状態で仮固定するために、バックル等の他の仮固定手段を設けてもよい。
このようにして組み立てられた下段用輸送容器Aにおいて、各折曲片部30,36,44,46の端面には、中空構造板18の中空部分が露出することになるが、この中空部分はそれぞれ独立したセルであるから、仮にゴミ溜まっても少量で済む。各折曲片部30,36,44,46の端面にゴミが溜まらないようにするため、端面の押し潰しやエッジテープの貼り付けを行い、端面を塞ぐことも可能である。
以上、本実施形態の航空機用輸送容器のうち、下段用輸送容器Aの基本的な構成について説明した。次いで、上段用輸送容器Bの基本的な構成について説明する。なお、下段用輸送容器Aと同様の構成については、説明を一部省略する。
上段用輸送容器Bは、図6に全体を示すように、上面の開口したボックス形状の容器本体104と、この容器本体104の開口を塞ぐように取り付けられる蓋板106とを備える。
容器本体104は、平面視矩形状をなす平坦な底板108と、底板108の短手方向bの両端部に連設される一対の第一側板110と、底板108の長手方向aの両端部に連設される一対の第二側板112とを備える。
上段用輸送容器Bにおいても、これら板部材106,108,110,112を、下段用輸送容器Aと同様の積層樹脂板材2を用いて形成している。積層樹脂板材2の構造は、図1に基づいて既述したとおりである。
本実施形態の上段用輸送容器Bでは、底板108と一対の第一側板110とが、積層樹脂板材2を用いて一体に成形される(図7参照)。具体的には、平面視略矩形状をなす一枚の積層樹脂板材2の両端側を、熱曲げ溶着加工により上方に折り曲げ、上方に折り曲げられた部分を第一側板110としている。底板108の下面はフラットに形成され、床面上を円滑に滑るものとなっている。第一側板110には、内面側からの熱罫線加工によるヒンジ構造134を、三箇所に形成している。三箇所のヒンジ構造134は、上下方向に距離を隔てた平行なライン状に形成され、これらヒンジ構造134のうち下側と中央のライン間の距離と、中央と上側のライン間の距離とを、同一に設定している。
以下においては、第一側板110のうち下側のヒンジ構造134より下方のブロックを下端側板116、下側のヒンジ構造134と中央のヒンジ構造134の間のブロックを可動下側板118、中央のヒンジ構造134と上側のヒンジ構造134の間のブロックを可動上側板120、上側のヒンジ構造134より上方のブロックを上端側板122として説明する。このうち可動下側板118と可動上側板120とが「く」字状に屈折することで、第一側板110全体が上下に折り畳まれる。
底板108と、第一側板110のうち上端側板122を除く各ブロック116,118,120には、それぞれの長手方向aの両端縁部から、熱曲げ溶着加工によって内側に折り曲げられた折曲片部124を設けている。各折曲片部124は、互いに干渉することのないように角部分を斜めに切り欠いている。
第二側板112は、積層樹脂板材2を用いて、図8に示すような矩形状に成形される。第二側板112には、第一側板110と同様の熱罫線加工によるヒンジ構造134を、上縁近傍の箇所に一直線状に形成している。
以下においては、第二側板112のうちヒンジ構造134より上方のブロックを上端側板126、このヒンジ構造134より下方のブロックを揺動側板128として説明する。揺動側板128には、一対の持ち手孔142を貫通形成している。この揺動側板128がヒンジ構造134を介して内側に折れ曲がることで、第二側板112全体が折り畳まれる。
蓋板106は、積層樹脂板材2を用いて成形される。この蓋板106は、平面視略長方形状の外形を有し、長手方向aの両端縁部に、熱曲げ溶着加工によって下方に折り曲げられた折曲片部144を設けている。また、蓋板106の短手方向bの一端縁部にも、同様の熱曲げ溶着加工によって下方に折り曲げられた折曲片部146を設けている。蓋板6の短手方向bの他端縁部には、上面側を潰すことによって凹段部148を形成している。
上述の各部材と、ヒンジ部材114、フレーム部材152、コーナー部材154等を用いることで、上段用輸送容器Bが組み立てられる。
ヒンジ部材114は、下段用輸送容器Aで用いるヒンジ部材14と同様の構造であり、断面コ字状である一対のヒンジ半部156,158の角縁部同士を、弾性変形可能な連結部分160を介して連結させている。
フレーム部材152やコーナー部材154も、下段用輸送容器Aで用いるフレーム部材52やコーナー部材54と同様の構造であり、それぞれの設置箇所に応じた寸法形状で成形されている。
上段用輸送容器Bは、より具体的には以下のように組み立てられる。
図6等に示すように、一対の第二側板112の上端縁(つまり上端側板126の上端縁)には、この部位に対応する長さ寸法のフレーム部材52が上方から嵌合される。
底板108から起立される一対の第一側板110のうち一方の上端縁(つまり上端側板122の上端縁)には、この部位と対応する長さ寸法のフレーム部材152が上方から嵌合される。他方の第一側板110の上端縁には、ヒンジ部材114が有する一方のヒンジ半部158が嵌合され、このヒンジ部材114の他方のヒンジ半部156が、蓋板106の凹段部148に嵌合される。これにより、第一側板110と蓋板106とが回転自在に連結される。
ヒンジ半部156の肉厚は、蓋板106の凹段部148にヒンジ半部156が嵌合された状態で、このヒンジ半部156の上面と、蓋板106の上面とが、フラットに連続するように設定している(図6参照)。
第一側板110と第二側板112とは、上方から嵌合されるコーナー部材154等を介して、互いの上端側板122,126同士が連結される。蓋板106が有する折曲片部144,146は、蓋板106を閉じたときに、対応する箇所のフレーム部材152に対して外側から当接する。下段用輸送容器Aと同様、これら折曲片部144,146とフレーム部材152に面ファスナ等の仮固定手段を設けることが好適である。
図9(a)−(d)には、上段用輸送容器Bの折り畳み手順を示している。図9(b)に示すように、まずは容器本体104の短側である第二側板112の、下側のブロックである揺動側板128を、ヒンジ構造134を中心として内側に折り曲げる。次いで、図9(c)に示すように、容器本体104の長側である第一側板110の、可動下側板118と可動上側板120とを、上下三箇所のヒンジ構造134を利用して、内側にむけて「く」字状に屈折させる。これにより、上段用輸送容器B全体が図9(d)に示すように上下に折り畳まれ、1/3程度までの減容化が可能となる。
図10には、上述した構造の下段用輸送容器Aと上段用輸送容器Bを、航空機の貨物スペースSに搭載した様子を示している。
航空機は、胴体の上側半部が客室に用いられ、胴体の下側半部が貨物スペースSに用いられる。そのため、航空機の貨物スペースSは、図示のように上側を弦とした断面半円状のスペースとなることが通常である。
本実施形態の下段用輸送容器Aおよび上段用輸送容器Bは、特定形状の貨物スペースSと対応する寸法形状で設定されたものであり、換言すれば、特定機種の航空機に対応した専用設計の輸送容器である。但し、上段用輸送容器Bは、他の用途にも使用可能である。
図11にも示すように、下段用輸送容器A全体の長手方向aの寸法は、上段用輸送容器B全体の長手方向aの寸法の倍に設定している。下段用輸送容器Aは全体が船形形状であり、上段用輸送容器Bは全体がボックス形状であるから、下段用輸送容器Aが有する蓋板6の長手方向aの寸法を、上段用輸送容器Bが有する容器本体104や蓋板106の長手方向aの寸法の倍に設定している。
一方、下段用輸送容器Aと上段用輸送容器Bとで、短手方向bの長さ寸法は同一に設定している。つまり、下段用輸送容器Aが有する蓋板6の短手方向bの寸法を、上段用輸送容器Bが有する容器本体104や蓋板106の短手方向bの寸法と同一に設定している。
そのため、一つの下段用輸送容器Aの蓋板6上に、二つの上段用輸送容器Bが長手方向aに密着して載置され、このような配置で搭載される下段用及び上段用輸送容器A,Bのセット全体(図10参照)が、上側を弦とする断面半円状の貨物スペースSに対して、僅かなクリアランスを介して嵌まるように専用設計している。
このような下段用及び上段用輸送容器A,Bのセットを、短手方向b(即ち貨物スペースSの奥行き方向)に連続して搭載させることで、断面半円状の貨物スペースSを有効活用して輸送容器を積み込むことができる。
その際、まず下段用輸送容器Aを、貨物スペースSの床面上に載置させる。このとき、下段用輸送容器Aが有する蓋板6のフラットな上面と、この蓋板6に装着されるヒンジ半部58のフラットな上面が、短手方向bに面一に連続した位置にある。上段用輸送容器Bを搭載する際は、下段用輸送容器Aのこのフラットな連続面を搬送面として活用し、この搬送面上にて、上段用輸送容器Bをずらして積み込んでいくことができる。
また、下段用輸送容器Aを複数積み込んだ後に、上段用輸送容器Bを複数積み込んでいくことも可能である。この場合は、複数の下段用輸送容器Aを、貨物スペースSの床面上で奥行き方向に密着載置させていくことで、それぞれの下段用輸送容器Aが有する蓋板6のフラットな上面と、この蓋板6に装着されるヒンジ半部58のフラットな上面とを、短手方向bに多数連続して位置させる。上段用輸送容器Bを搭載する際は、これら複数の下段用輸送容器Aのフラットな連続面を搬送面として活用し、この搬送面上にて、上段用輸送容器Bを奥側にずらして順次積み込んでいくことができる。
なお、上段用輸送容器Bの代わりに、段ボールやトランク等の荷物を積み込んでもよい。運航中の荷崩れをより確実に防止するためには、貨物スペースS内の前記クリアランスに適宜部材を詰め込むことや、輸送容器全体にロープ、ネット等の荷崩れ防止具をかけることが好ましい。また、下段用輸送容器Aの容器本体4の底面に、磨耗対策用のスリップシート(図示略)を装着してもよい。このスリップシートを、面ファスナ等を用いて容器本体4の底板8に着脱自在に装着することで、スリップシートが消耗したときに容易に交換することができる。
図1〜図11に基づいて説明したように、本実施形態の下段用輸送容器Aは、底板8と、底板8の端部から起立される複数の側板10とで、上方に開口した容器本体4を形成し、この容器本体4の開口をふさぐ蓋板6を備えてなる航空機用輸送容器である。そして、容器本体4をなす底板8および各側板10と、蓋板6とを、合成樹脂製の中空構造板18の一面側と他面側の両方に繊維シート24を貼り付けてなる積層樹脂板材2を用い、各積層樹脂板材2に設けた繊維シート24が外面側と内面側に配置されるように形成している。
同様に、本実施形態の上段用輸送容器Bは、底板108と、底板108の端部から起立される複数の側板(第一側板及び第二側板)110,112とで、上方に開口した容器本体104を形成し、この容器本体104の開口をふさぐ蓋板106を備えてなる航空機用輸送容器である。そして、容器本体104をなす底板108および各側板110,112と、蓋板106とを、合成樹脂製の中空構造板18の一面側と他面側の両方に繊維シート24を貼り付けてなる積層樹脂板材2を用い、各積層樹脂板材2に設けた繊維シート24が外面側と内面側に配置されるように形成している。
このように、本実施形態の下段用輸送容器Aや上段用輸送容器Bで用いる積層樹脂板材2は、軽量且つ高強度な合成樹脂製の中空構造板18に、繊維シート24を貼り付けた構造を有する。したがって、積み込み作業が手作業で容易に行われる程度にまで輸送容器全体の軽量化を図ることができ、更に、輸送容器全体の高強度化を図って、荷重により輸送容器が外側に膨らむ等の変形を生じないようにすることができる。これにより、専用の機械を使わずとも、積み込み作業を手作業で迅速に完了させることが可能となる。また、輸送容器全体の強度を保持して膨らみ難いように設けているので、離陸や着陸時に滑ることも少ない。
なお且つ、積層樹脂板材2には繊維シート24が貼り付けてあるので、仮に内部の中空構造板18等が破損を生じたときにも、板材の破片が外部に飛散することが抑えられる。特に、中空構造板18は各セルを区画する薄肉の隔壁を多数有しており、破損時にはこれら各隔壁が微細な破片となる虞もあるが、繊維シート24が貼り付けてあることで、この破損部分が繊維シート24を介して陥没する程度で済む。万一、繊維シート24が裂けた場合であっても、中空構造板18の破損部分は繊維シート24と一体に脱落するため、微細な破片が貨物スペースS内に飛散することは防止される。そのため、航空機の貨物スペースSに搭載するための輸送容器として、好適に用いられる。
なお、下段用輸送容器Aと上段用輸送容器Bの積層樹脂板材2を、中空構造板18の一面側と他面側の一方にだけ繊維シート24を貼り付けた構造としても構わない。この場合は、その繊維シート24が輸送容器の外面側に配置されるように形成する。繊維シート24が輸送容器の外面側に位置することで、破損により生じた破片が外部に飛散することが抑えられる。
また、本実施形態の下段用輸送容器Aでは、底板8の一部と他部を、上にいくほど互いに離れるように傾斜させて設けることで、容器本体4の全体を船形形状に設けている。そして、蓋板6をなす積層樹脂板材2には、繊維シート24をさらに外側から覆う樹脂シート26を貼り付けて設け、この樹脂シート26により、蓋板6上で他の輸送容器(本実施形態では上段用輸送容器B)や荷物をずらして搬送するフラットな搬送面を形成している。
このような船形形状の下段用輸送容器Aを、上側が弦となる断面半円状の貨物スペースSの床面上に搭載することで、貨物スペースSを有効活用して下段用輸送容器Aをまず床面にぴったりと配置させることができる。このとき、下段用輸送容器Aは船形であって重心が高いため、一方を少し上げて床面上をずらすようにして容易に搭載することができる。搭載された下段用輸送容器Aの上面が、他の輸送容器等をさらに積み込むための搬送面となる。ここで、複数の下段用輸送容器Aをまず搭載して密着配置させたとき、複数の下段用輸送容器Aの上面は、樹脂シート26によるフラットな搬送面が面一に連続した構造となり、この連続する搬送面上でさらに他の輸送容器等をずらしながら、円滑に積み込んでいくことができる。
以上、下段用輸送容器Aと上段用輸送容器Bの基本的な構成について、図1〜図11に基づいて説明した。
次に、下段用輸送容器Aや上段用輸送容器Bが更に備える液漏れ防止構造について、図12〜図17に基づいて詳述する。
図12、図13には、液漏れ防止構造を備えた下段用輸送容器Aを示している。この下段用輸送容器Aでは、側板10と傾斜底板16に持ち手孔40,42(図2,図3等参照)を貫通形成するのではなく、指が入るように外面を凹ませて形成した複数の持ち手部材70を、溶着又は接着によって一体に固定している。
側板10の上側部分には、長手方向aに距離を隔てて持ち手部材70を一対固定している。側板10の上側部分の外面のうち、両側の持ち手部材70に挟まれる箇所には、面ファスナ72を固定している。この面ファスナ72には、蓋板6の折曲片部46から延設される面ファスナ74が、着脱自在に係合する。対応する面ファスナ72,74同士が係合することで、蓋板6は容器本体4に対して閉状態で維持される。なお、蓋板6と容器本体4を係脱自在に係合するロック部材等の、他の構造を採用することも可能である。側板10の下側部分においても、長手方向aに距離を隔てて持ち手部材70を一対固定している。
傾斜底板16の上側部分においては、短手方向bに距離を隔てて、同様の持ち手部材70を一対固定している。また、傾斜底板16に設けた一対の持ち手部材70を、更に短手方向bの両側から挟む位置には、作業員が手で握ることでのできるベルト76をそれぞれ取り付けている。
また、この下段用輸送容器Aでは、水平底板12と傾斜底板16をヒンジ部材14(図2,図3等参照)で連結させるのでなく、一枚の積層樹脂板材2に、熱罫線加工によるヒンジ構造34を二箇所形成し、両側のヒンジ構造34で挟まれる部分を水平底板12とし、ヒンジ構造34より外側の部分をそれぞれ傾斜底板16としている。
この下段用輸送容器Aでは、容器本体4内から外部に液体が漏出することを防止する液漏れ防止構造として、容器本体4が有する底板8と各側板10との間に形成される入隅部分(図12中の矢印c1参照)に、図示略の溶接機によって樹脂78を注出し、樹脂溶接を行う。この樹脂溶接によって、容器本体4の隅部に対して液漏れ防止の目張りが施される。ここでは、底板8と各側板10との間の入隅部の全部に樹脂溶接を行うが、容器本体4の全体の高さの半分から1/3程度までの入隅部に樹脂溶接を行うことも可能である。
樹脂溶接で用いる樹脂78としては、積層樹脂板材2を形成する樹脂材料と同一材料の樹脂材料を用いる。ここでの同一材料とは、積層樹脂板材2の全体の材料や最外層である樹脂シート26の材料であり、特に、樹脂溶接される側の樹脂シート26と同一材料(PP)であることが好ましい。なお、樹脂溶接に用いる樹脂78は、積層樹脂板材2を形成する樹脂材料と別の材料であってもよく、例えば、積層樹脂板材2を形成する樹脂材料よりも柔らいエラストマー、ウレタン、EVA等の樹脂を用いることや、積層樹脂板材2を形成する樹脂材料よりも高粘度の樹脂を用いることができる。高粘度の樹脂を用いることで、垂れて見栄えが悪くなることを防止し、一般的な接着剤と比較して早く固まるので作業時間も短縮される。
前記溶接機は、樹脂線材を溶融させた樹脂78を注出するノズルと、温風を吐出する温風口を有し、狙いの隅部分を温風で溶融させながら、この隅部分に対してノズルから樹脂78を注出する。注出後の樹脂78には、ノズルの外周等の凸曲面を押し当てて、断面円弧状に凹んだ樹脂表面80を形成する(図13参照)。
隅部分の樹脂78は、底板8と側板10の間の僅かな隙間にも入り込み、この入り込んだ部分がアンカー効果を発揮し、樹脂78を隅部分に強固に接合させるとともに、一層の液漏れ防止効果を発揮することもできる。特に、本実施形態の積層樹脂板材2は中空構造板18(図1参照)を用いたものであるから、側板10の端面82には多数の中空部分が露出しており、これら中空部分に樹脂78の一部が入り込むことによってもアンカー効果を発揮する。
樹脂表面80は平坦に形成してもよいが、樹脂表面80を図13に示すような凹曲面に設け、この凹曲面によって底板8と側板10の内面同士を滑らかに繋ぐことが好ましい。これにより、同じ樹脂量でも大きな目張り面積や接着面積を確保することができ、しかも、ゴミが溜まり難くなり、汚れを拭き取る作業や荷物から漏れた液体を拭き取る作業も容易になる。また、樹脂78が厚肉であれば、樹脂78と積層樹脂板材2との間で強度に差が生じ、この強度の差によって、容器本体4に外部からの衝撃が加わったときに樹脂78が剥離する可能性が生じるが、凹状の樹脂表面80によって樹脂78を薄肉に設け、強度を低下させることによって、剥離の可能性が低減される。
なお、図14に示す変形例のように、底板8と側板10の端面同士を接合させる構造を採る場合においても、入隅部分に同様の樹脂溶接を行うことで、底板8と側板10を強固に接合させるとともに、液漏れ防止を図ることができる。注出した樹脂78は、底板8の端面84と側板10の端面82の間の隙間にも入り込み、アンカー効果を発揮する。特に、底板8と側板10は、中空構造板18を有する積層樹脂板材2から成り、底板8の端面84と側板10の端面82には多数の中空部分が露出するので、これら中空部分に樹脂78の一部が入り込むことによって、一層のアンカー効果を発揮する。
さらに、この下段用輸送容器Aでは、底板8においてヒンジ構造34を介して形成される入隅部分(図12中の矢印c2,c3参照)にも、樹脂78を注出することで同様の樹脂溶接を行っている。この樹脂溶接によって、入隅部分での液漏れ防止と強度向上が図られる。なお、水平底板12と傾斜底板16との間に形成される入隅部分(図12中の矢印c2参照)に樹脂溶接を行い、傾斜底板16の上部17とこれより下方の部分との間に形成される入隅部分(図12中の矢印c3参照)には、樹脂溶接を行わないように設けることも可能である。また、図3のように水平底板12と傾斜底板16をヒンジ部材14で連結させたものにおいて、このヒンジ部材14で形成される入隅部分に同様の樹脂溶接を行うことも可能である。
図15には、他の液漏れ防止構造を備えた下段用輸送容器Aを示している。この下段用輸送容器Aでは、液漏れ防止構造として、容器本体4が有する底板8上に、防水トレー86を配置している。防水トレー86は、底板8の水平底板12上に重ね置かれる平面視矩形状のトレー底板88と、トレー底板88の長手方向aの両端縁から斜め上方に延長されるトレー傾斜板90と、トレー底板88の短手方向bの両端縁から上方に延長されるトレー側板92とを有する。トレー底板88は、これらトレー傾斜板90とトレー側板92によって全周を囲まれ、全体として略船形の形状を有している。
防水トレー86は、真空成形によって一体に形成される。防水トレー86を射出成形で形成することも可能だが、真空成形で形成することで1mm程度の薄肉の防水トレー86を得ることができる。
また、この防水トレー86にはフランジを設けていないが、トレー傾斜板90とトレー側板92の上端から外方にフランジを延設してもよい。全周にわたってフランジを延設することで強度を向上させることができる。フランジを設けない場合は、トレー傾斜板90を傾斜底板16の内面に対して略隙間なく密着又は近接させることができ、また、トレー側板92を側板10の内面に対して略隙間なく密着又は近接させることができる。トレー底板88は、水平底板12の内面に対して略隙間なく密着又は近接するので、船形である防水トレー86が、同じく船形である容器本体4の下側部分の内面に対して、略隙間なく嵌合する。これにより、荷物を出し入れする際に、この荷物が防水トレー86の開口端縁部に引っ掛かるといった事態が抑えられる。
防水トレー86が有するトレー傾斜板90とトレー側板92の高さは、容器本体4の全体の高さの半分から1/3程度に設けることが好ましい。これにより、容器本体4の下側部分からの液漏れが防止される。防水トレー86による液漏れ防止構造を、樹脂溶接による液漏れ防止構造と共に用いてもよい。
図16には、液漏れ防止構造を備えた上段用輸送容器Bを示している。この上段用輸送容器Bにおいても、下段用輸送容器Aと同様に、第二側板112に持ち手孔142(図6等参照)を貫通形成するのではなく、指が入るように外面を凹ませて形成した複数の持ち手部材170を、溶着又は接着によって一体に固定している。持ち手部材170は、第二側板112が有する揺動側板128の上側部分において、短手方向bに距離を隔てた二箇所の部分に固定する。
また、この上段用輸送容器Bにおいては、蓋板106が風等で不意に開くことを防止するため、蓋板106が有する折曲片部146の外面に帯状の面ファスナ172の一端部を固定し、この面ファスナ172の他端側と着脱自在に係合する面ファスナ174を、第一側板110が有する可動上側板120と下端側板116の外面にそれぞれ固定している。
また、この上段用輸送容器Bでは、第一側板110の最下端部をなす下端側板116の外面に、ベルト176を一対取り付けている。ベルト176は、その両端部が下端側板116に固定され、中央部分が外方に突出するように撓んだ状態にある。
そして、この上段用輸送容器Bでは、第二側板112が有する揺動側板128の下端部の外面に爪178を設け(図17参照)、この爪178が着脱自在に係合する係合部182を、底板108が有する折曲片部124の内面に設けている。係合部182は、折曲片部124を貫通することのないよう、有底の凹溝状に設けている。係合部182が折曲片部124を貫通しないことで、容器本体104からの液漏れが防止される。
つまり、この上段用輸送容器Bにおいては、折り畳み式の容器本体104が有する第一及び第二側板110,112を、いずれも貫通孔を有することのない防水用の側板によって形成し、これによって、容器本体4内から外部への液体の漏出を防止する液漏れ防止構造を形成している。液漏れ防止構造をなす第一及び第二側板110,112としては、少なくとも下側部分(全高の半分から1/3程度までの部分)に貫通孔を有さないものであればよい。この上段用輸送容器Bでは、持ち手部材170の位置が全高の半分以上の位置にあるので、この持ち手部材170の代わりに図6,図8等に示す持ち手孔142のような貫通孔を設けてもよい。つまり、上段用輸送容器Bの持ち手部分が全高の半分以上の位置にある場合は、その持ち手部分を貫通形成することが可能である。
前述の下段用輸送容器Aにおいても、貫通孔を有さない防水用の側板によって側板10と傾斜底板16を形成し、これによって液漏れ防止構造を形成している。この下段用輸送容器Aでは、持ち手部材70のうち全高の半分以上の位置にあるものについては、持ち手部材70の代わりに図2,図3等に示す持ち手孔40,42のような貫通孔を設けてもよい。つまり、下段用輸送容器Aにおいても、持ち手部分が全高の半分以上の位置にある場合は、その持ち手部分を貫通形成することが可能である。
以上、添付図面に基づいて説明したように、本発明の一実施形態である略船型の下段用輸送容器Aは、底板8と、底板8の端部から起立される複数の側板10とで、上方に開口した容器本体4を形成した航空機用輸送容器である。そして、容器本体4をなす底板8および各側板10を、合成樹脂を用いて形成するとともに、容器本体4内から外部に液体が漏出することを防止する液漏れ防止構造を備えている。本発明の一実施形態である折り畳み式の上段用輸送容器Bにおいても、底板108と、底板108の端部から起立される複数の側板110,112とで、上方に開口した容器本体104を形成し、この容器本体104をなす底板108および各側板110,112を、合成樹脂を用いて形成するとともに、容器本体104内から外部に液体が漏出することを防止する液漏れ防止構造を備えている。
したがって、これらの下段用輸送容器Aや上段用輸送容器Bによれば、航空機の貨物スペースSに搭載される専用の航空機用輸送容器を、軽量であって扱い易く、且つ、液体の漏出が防止されたものとして提供することができる。そのため、従来のULD等の金属製コンテナに比べて扱いが非常に容易であり、しかも、収容した荷物から液体が漏れ出たときにもこの液体が輸送容器の外部にまで漏れることが防止され、延いては、漏出した液体が航空機の機器故障の原因になることや、貨物スペースS内の他の荷物を汚すことが防止される。
下段用輸送容器Aが備える液漏れ防止構造として、具体的には、容器本体4が有する底板8と各側板10との間に形成される隅部分に、樹脂溶接によって目張りを施している。この樹脂溶接による目張りを、上段用輸送容器Bに施してもよい。この樹脂溶接によって、隅部分からの液漏れが防止されるともに、この隅部分にゴミが溜まりにくくなり、汚れの拭き取りも容易となる。
また、下段用輸送容器Aが備える液漏れ防止構造として、容器本体4が有する底板8上に、防水トレー86を配置している。これにより、荷物から漏れ出た液体を輸送容器内で受けることによって液漏れを防止することができ、不要な場合は防水トレー86を外すことも可能である。この防水トレー86と同様の防水トレーを上段用輸送容器Bに備えることも可能である。
更に、下段用輸送容器Aでは液漏れ防止構造として、容器本体4が有する各側板10を、少なくとも下側部分に貫通孔を有することのない防水用の側板によって形成している。上段用輸送容器Bにおいても、液漏れ防止構造として、容器本体104が有する各側板110,112を少なくとも下側部分に貫通孔を有することのない防水用の側板によって形成している。これにより、側板10,110,112からの液漏れが防止され、航空機用輸送容器として好適に用いることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、各実施形態において適宜の設計変更を行うことや、各実施形態の構成を組み合わせることが可能である。
4 容器本体
8 底板
10 側板
86 防水トレー
104 容器本体
108 底板
110 第一側板
112 第二側板
A 下段用輸送容器
B 上段用輸送容器

Claims (4)

  1. 底板と、底板の端部から起立される複数の側板とで、上方に開口した容器本体を形成した航空機用輸送容器であって、
    容器本体をなす底板および各側板を、合成樹脂を用いて形成するとともに、容器本体内から外部に液体が漏出することを防止する液漏れ防止構造を備えたことを特徴とする航空機用輸送容器。
  2. 前記液漏れ防止構造として、
    容器本体が有する底板と各側板との間に形成される隅部分に、樹脂溶接によって目張りを施したことを特徴とする請求項1に記載の航空機用輸送容器。
  3. 前記液漏れ防止構造として、
    容器本体が有する底板上に、防水トレーを配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の航空機用輸送容器。
  4. 前記液漏れ防止構造として、
    容器本体が有する各側板を、下側部分に貫通孔を有することのない防水用の側板によって形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の航空機用輸送容器。
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