JP2013214909A - 車両用携帯機 - Google Patents

Abstract

【課題】より大きい近接場通信用アンテナを備えることができる車両用携帯機を提供する。
【解決手段】車両に搭載されている通信機との間での近距離無線通信に用いられる近距離用アンテナ１１と、この近距離通信アンテナ１１を収容する収容ケース７とを備えた車両用携帯機１であって、裏面側ケース６に、加飾印刷によりＮＦＣアンテナ４０を形成する。
【選択図】図６

Description

本発明は、車両用携帯機に関し、特に、近接場通信も可能な車両用携帯機に関する。

車両に搭載されている無線機との間で近距離無線通信を行なって、車両ドアの施錠、解錠等、車載機器を遠隔制御する車両用携帯機が知られている。

また、近距離無線通信に加えて、近接場通信（Near Field Communication：ＮＦＣ）も可能な車両用携帯機も知られている。なお、「近距離無線通信」は、「近接場通信」の意味で用いられることもあるが、本明細書では、「近距離無線通信」を「近接場通信」よりは通信距離が長い近距離の無線通信の意味で用いる。

通信距離の異なる２種類の無線通信のうちの一方としてＮＦＣが可能な通信機としては、携帯電話機が広く知られている。たとえば、特許文献１に開示の携帯電話機では、ＮＦＣ用のアンテナに相当するＲＦＩＤ用アンテナを、電池蓋８の内面に貼り付けている。

特許第４６９８５２８号公報

近距離無線通信と近接場通信の２つの通信を可能にするためには、それぞれの通信用に２つのアンテナが必要となる。しかし、車両用携帯機は小さいことから、２つのアンテナをどこに配置するかが問題となる。

たとえば、２つのアンテナをともに基板上に配置することが考えられる。しかし、基板には、種々の電子部品や電池等も配置されることから、アンテナを配置する場所はかなり制限される。また、前述の特許文献１には、電池蓋８の内面にアンテナを貼り付ける技術が開示されている。蓋の内面にアンテナを貼り付ければ、基板にアンテナを設けるよりは、大きいアンテナを配置することができる。しかし、蓋は、その蓋が組み合わせられるケースと接合する枠を備えるのが通常であり、特許文献１に開示の電池蓋８もこの枠を備えている。蓋の内面にアンテナを貼り付けるとしても、この枠内にしか貼り付けることができないので、枠の内周サイズよりも小さいアンテナしか貼り付けることができない。しかも、特許文献１の電池蓋８には、強度確保のための複数の梁も蓋内面に形成されている。特許文献１の例に限らず、一般的に、蓋の内面には梁等の種々の突起が形成されている。蓋の内面にアンテナを貼り付ける場合、蓋に形成されている枠の内側に貼り付け場所が限られることに加え、さらに、これらの突起が形成されていない部分に貼り付け場所が限られる。よって、蓋の内面にアンテナを貼り付けるとしても、蓋よりもかなり小さいアンテナとなってしまう。

本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、より大きい近接場通信用アンテナを備えることができる車両用携帯機を提供することにある。

その目的を達成するための本発明は、車両に搭載されている通信機との間での近距離無線通信に用いられる近距離用アンテナ（１１）と、この近距離通信アンテナを収容する収容ケース（５、６、７）とを備えた車両用携帯機（１）であって、
前記収容ケースに、近接場通信用アンテナ（４０）が加飾印刷されていることを特徴とする。

このように、本発明では、近接場通信用アンテナは収容ケースに加飾印刷されていることから、収容ケースの枠等、収容ケースの内側形状の影響を受けずに近接場通信用アンテナを配置することができる。よって、より大きい近接場通信用アンテナを車両用携帯機に設けることができる。

本発明が適用された車両用携帯機１のスイッチ面を示す図である。 本発明が適用された車両用携帯機１の裏面を示す図である。 基板１０のスイッチ側ケース対向面を示す図である。 基板１０の裏面側ケース対向面を示す図である。 図１のＶ−Ｖ断面図である。 図５の破線部分の拡大図である。 ＮＦＣアンテナ４０のパターンを示す図である。

（第１実施形態）
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１、２に示す車両用携帯機（以下、単に携帯機）１は、平面視において略矩形の形状であり、スイッチ面（図１）には、車両ドアの施錠を指示する際にユーザが操作する施錠スイッチ２と、解錠を指示する際にユーザが操作する解錠スイッチ３が設けられている。一方、裏面（図２）には、加飾印刷されたマーク４が外観可能となっている。なお、図２に示すマーク４は、フェリカネットワークス株式会社の登録商標である。

図１は携帯機１のスイッチ側ケース５の平面図でもあり、また、図２は携帯機１の裏面側ケース６の平面図でもある。これらスイッチ側ケース５と裏面側ケース６とにより、略直方体形状の収容ケース７が構成される。

この収容ケース７の内部には、図３、４に示す基板１０などが収容される。この基板１０の一方の面（裏面側ケース対向面）には、図４に示すように、３軸アンテナ１１が配置される。３軸アンテナ１１は、近距離無線通信に用いられる近距離用アンテナであり、施錠スイッチ２、解錠スイッチ３が押圧操作された場合には、この３軸アンテナ１１から電波が送信される。

また、基板１０の裏面側ケース対向面には電池配置部５０も形成されている。この電池配置部５０には電池１９（図５参照）が配置される。さらに、この面には、後述するＮＦＣアンテナ４０と接続する一対の基板側端子１２、１３も形成されている。また、この基板側端子１２、１３に一体化されて、板ばね状の接点ばね１４、１５が形成されている。なお、接点ばね１４、１５としてコイルばねを用いることも、もちろん可能である。

基板１０の他方の面（スイッチ側ケース対向面）には、図３に示すように、スイッチ接点１６、１７が形成されている。このスイッチ接点１６、１７は、それぞれ、施錠スイッチ２、解錠スイッチ３に対応しており、一方のスイッチ接点１６は施錠スイッチ２の押圧操作により導通し、他方のスイッチ接点１７は解錠スイッチ３の押圧操作により導通する。また、図示していなが、基板１０のスイッチ側ケース対向面には、近距離無線通信用回路、ＮＦＣ通信用回路などの種々の電子部品が配置される。

図５の断面図に示すように、スイッチ側ケース５および裏面側ケース６は、いずれも、一方向に開口する浅型箱体であり、これらが、互いの開口が対向する向きで組み合わせられることにより携帯機１の内部に収容室１８が形成される。この収容室１８に、基板１０、３軸アンテナ１１、電池１９などが収容される。

また、スイッチ側ケース５および裏面側ケース６は、いずれも、ベース樹脂部の表面にフィルム層を有し、且つ、フィルム層とベース樹脂部との間に印刷層を有する構造である。この構造のスイッチ側ケース５、裏面側ケース６は、フィルムインサート成形法により成形される。

このフィルムインサート成形法は、フィルム層および加飾層をベース樹脂部とともに一体成形する成形方法である。なお、フィルムインサート成形法は周知であるので、詳細説明は省略する。フィルム層には、たとえば、ポリカーボネートなどの透明樹脂が用いられる。

さらに、裏面側ケース６は、アンテナ印刷層２４等も備えている。詳しくは、図６に示すように、裏面側ケース６は、外側から順に、外側フィルム層２１、加飾印刷層２２、内側ルム層２３、アンテナ印刷層２４が積層されており、アンテナ印刷層２４の下（ケース内側）にベース樹脂部３０が存在する。

図５に示すように、ベース樹脂部３０の形状は、裏面側ケース６の形状とほぼ同じであり、浅型箱体であって、上述の外側フィルム層２１等が設けられる底部３１と、底部３１の外周縁に形成された枠部３２を備える。

アンテナ印刷層２４にはＮＦＣアンテナ４０が形成されている。このＮＦＣアンテナ４０は、たとえばスクリーン印刷により形成される。また、加飾印刷層２２も、同様に、スクリーン印刷により意匠が印刷される。

そして、フィルム層、印刷層が各１層である通常の場合と同様に、全部が積層された状態でフィルムインサート成形により一体成形される。また、外側フィルム層２１、内側フィルム層２３には、通常のフィルム層と同じ材料を用いる。なお、フィルム層は、透明樹脂が一般的であるが、有色樹脂を用いることとしてもよい。これらフィルム層２１、２３の厚さは、たとえば、０．２〜０．３mm程度である。一方、印刷層２２、２４の厚さは、たとえば、１０μｍ程度である。

外側フィルム層２１、加飾印刷層２２、内側フィルム層２３、アンテナ印刷層２４はベース樹脂部３０の外面のほぼ全面に形成される。つまり、アンテナ印刷層２４も、ベース樹脂部３０の外面のほぼ全面に形成される。

図７にはアンテナ印刷層２４を示しており、この図７に示すように、ＮＦＣアンテナ４０の配置範囲を裏面側ケース６のほぼ全面とすることができる。このＮＦＣアンテナ４０において、２つのアンテナ端４１、４２は、基板１０に設けられた基板側端子１２、１３にそれぞれ対向する位置に設けられている。また、ベース樹脂部３０のアンテナ端４１、４２が設けられている部分は、図５、６に示すように、厚さ方向に貫通する貫通穴３３が形成されており、アンテナ端４１、４２は、収容室１８に露出している。また、貫通穴３３が設けられているものの、この貫通穴３３は、外側フィルム層２１、加飾印刷層２２、内側フィルム層２３、アンテナ印刷層２４には形成されていないので、収容室１８の防水性は保持される。

基板側端子１２、１３と一体化している接点ばね１４、１５は、この貫通穴３３を貫通してアンテナ端４１、４２に接触する（図５参照）。これにより、ＮＦＣアンテナ４０のアンテナ端４１、４２と基板側端子１２、１３とは導通している。

以上、説明した本実施形態によれば、ＮＦＣアンテナ４０は裏面側ケース６に加飾印刷されていることから、裏面側ケース６のベース樹脂部３０の枠部３２等、裏面側ケース６の内側形状の影響を受けずにＮＦＣアンテナ４０を配置することができる。よって、図７に示したように、ＮＦＣアンテナ４０の配置範囲を裏面側ケース６のほぼ全面とすることができる。つまり、基板１０のサイズや、ベース樹脂部３０の枠部３２の内周サイズよりも大きいＮＦＣアンテナ４０を携帯機１に設けることができる。

しかも、アンテナ印刷層２４は、基板１０に比べて収容ケース７の表面に近い位置に存在することから、基板１０にアンテナを設ける場合よりも、ＮＦＣ通信を行なう通信相手装置に備えられているアンテナとの距離を近くすることができる。よって、携帯機１それ自体は、基板１０にアンテナを設ける場合よりも離した状態でＮＦＣ通信が可能となる。

また、本実施形態では、裏面側ケース６は、外側フィルム層２１、内側フィルム層２３の２つのフィルム層を備えており、内側フィルム層２３の内側に、ＮＦＣアンテナ４０が形成されているアンテナ印刷層２４を備えている。そのため、裏面側ケース６の成形時に圧力が加わる際に、表面にＮＦＣアンテナ４０のパターン形状の凹凸が出てしまうことが抑制される。

また、本実施形態では、接点ばね１４、１５により、ＮＦＣアンテナ４０のアンテナ端４１、４２と基板１０に形成された基板側端子１２、１３とが導通している。よって、導線をはんだ付けすることで両者を導通させる場合と異なり、電池交換の際に、スイッチ側ケース５と裏面側ケース６とを距離の制約なく離隔させることができる。そのため、電池交換作業が容易になる。

（第２実施形態）
たとえば、前述の実施形態では、２つのフィルム層２１、２３を備えていたが、内側フィルム層をなくし、フィルム層を外側フィルム層のみとしてもよい。フィルム層を１層のみとすれば、コストを低減することができる。なお、フィルム層を外側フィルム層のみとする場合、外側フィルム層の厚さは、第１実施形態の同様としてもよいし、また、第１実施形態よりも厚くしてもよい。たとえば、第１実施形態の２つのフィルム層分の厚さとしてもよい。

以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。

１：車両用携帯機、 ２：施錠スイッチ、 ３：解錠スイッチ、 ４：マーク、 ５：スイッチ側ケース、 ６：裏面側ケース、 ７：収容ケース、 １０：基板、 １１：３軸アンテナ（近距離用アンテナ）、 １２：基板側端子、 １３：基板側端子、 １４：接点ばね、 １５：接点ばね、 １６：スイッチ接点、 １７：スイッチ接点、 １８：収容室、 １９：電池、 ２１：外側フィルム層、 ２２：加飾印刷層、 ２３：内側フィルム層、 ２４：アンテナ印刷層、 ３０：ベース樹脂部、 ３１：底部、 ３２：枠部、 ３３：貫通穴、 ４０：ＮＦＣアンテナ（近接場通信用アンテナ）、 ４１：アンテナ端、 ４２：アンテナ端、 ５０：電池配置部

Claims (3)

1. 車両に搭載されている通信機との間での近距離無線通信に用いられる近距離用アンテナ（１１）と、この近距離通信アンテナを収容する収容ケース（５、６、７）とを備えた車両用携帯機（１）であって、
   前記収容ケースに、近接場通信用アンテナ（４０）が加飾印刷されていることを特徴とする車両用携帯機。
2. 請求項１において、
   前記収容ケース（６）は、外側フィルム層（２１）、内側フィルム層（２３）の２つのフィルム層を備え、
   それら２つのフィルム層の間に加飾印刷層（２２）を備え、
   前記内側フィルム層の内側に、前記近接場-通信用アンテナが形成されているアンテナ印刷層（２４）を備えていることを特徴とする車両用携帯機。
3. 請求項１または２において、
   前記近接場通信用アンテナの内側にベース樹脂部（３０）を備え、
   このベース樹脂部は、前記近接場通信用アンテナの端子（４１、４２）の部分に厚さ方向に貫通する貫通穴（３３）が形成されており、
   前記収容ケースに収容される基板（１０）に、前記近接場通信用アンテナの端子と接続される基板側端子（１２、１３）が設けられ、
   前記近接場通信用アンテナの端子と前記基板側端子とは、接点ばね（１４、１５）により接続されていることを特徴とする車両用携帯機。

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