JP2013213188A - 光重合性オキシラン系樹脂組成物、光重合性コーティング剤、光重合性接着剤、及び光学フィルム積層体 - Google Patents

光重合性オキシラン系樹脂組成物、光重合性コーティング剤、光重合性接着剤、及び光学フィルム積層体 Download PDF

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慎治 石崎
Satoko Niwa
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Junji Okamoto
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Abstract

【課題】
本発明は、優れた耐熱性、耐湿熱性等を有する新規な光重合性オキシラン系樹脂組成物であって、各種光学フィルムを片面等に積層する場合において、概光重合性オキシラン系樹脂組成物を使用した光重合性コーティング剤等を使用する事によって、各種光学フィルムの種類を問わず、簡便かつ強固に接着でき、低露光量での光重合による硬化性等に優れる積層体、特に偏光板を提供することを目的とする。
【解決手段】
オキシラン化合物(A)を主成分とし、さらに、F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換されている、含フッ素環状エステル化合物(B−1)、を含有する、実質的に有機溶剤を含有しない光重合性オキシラン系樹脂組成物に、光重合開始剤を含有した光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤、及びそれを用いた積層体、及び偏光板。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な光重合性オキシラン系樹脂組成物と、その光重合性オキシラン系樹脂組成物を用いてなる光重合性コーティング剤、光重合性接着剤、及び光学フィルム積層体に関する。
近年のエレクトロニクスの飛躍的な進歩により、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、リアプロジェクションディスプレイ(RPJ)、ELディスプレイ(ELD)、発光ダイオ−ドディスプレイなどの様々なフラットパネルディスプレイ(FPD)が、様々な分野で表示装置として使用されるようになってきた。例えば、これらFPDは、パーソナルコンピューターのディスプレイや液晶テレビをはじめ屋内で使用されるばかりでなく、カーナビゲーション用ディスプレイ等のように車両に搭載して使用される。
このような表示装置には、通常、外部光源からの反射を防ぐための反射防止フィルムや、表示装置の表面の傷付き防止のための保護フィルム(プロテクトフィルム)など、用途に応じて様々なフィルムが使用されており、例えば、LCDを構成する液晶セル用部材においては、偏光板や位相差フィルムが積層されている。
また、これら、反射防止フィルムや、表示装置の表面の傷付き防止のための保護フィルム(プロテクトフィルム)など、特にPDP、LCD、ELDなどの表面がフラットな画像表示装置に用いられるコーティングフィルムは、光学特性の他にも、耐擦傷性、鉛筆硬度、耐薬品性、耐候性等が要求されるため、通常、加熱による熱重合型樹脂(熱硬化型樹脂ともいう)、あるいは紫外線等の活性エネルギー線による紫外線重合型(紫外線硬化型ともいう)等の光重合性樹脂を透明基板上に直接、あるいはプライマー層を介して0.5〜20μm程度の薄い塗膜を形成したコーティングフィルムとして製造されている。
しかしながら、従来のコーティングフィルムは、そのコーティング層の硬度が十分なものであっても、その塗膜厚が薄いことに起因して、下地の透明基板が変形した場合に、それに応じてコーティング層も変形し、コーティングフィルム全体としての硬度が低下するという問題があった。一方、コーティング層の厚みを通常の0.5〜20μmよりも単に厚くすれば、得られたコーティングフィルムの硬度は向上するが、コーティング層の割れや剥がれが生じやすくなると同時に重合収縮(硬化収縮ともいう)によるコーティングフィルムのカールが大きくなるという問題がある。また、更にコーティング層の硬度を向上させる目的で、光重合性樹脂の光重合反応率(架橋率ともいう)を高める方法もあるが同様にコーティングフィルムのカールが大きくなる。
カールが大きいと、次工程のディスプレイ表面に貼り合わせる工程での生産性、あるいは貼り合わせ後の耐久性等を著しく低下させるため、透明基板上にコーティング層を設ける場合は、コーティング層の厚さ、光重合性樹脂の光重合反応率を制限しなければならない。そのため、次工程に支障のないコーティング層の厚さでは、鉛筆硬度は2H〜3Hが限度となる場合が多かった。
低カールと高い鉛筆硬度を両立させるために、透明フィルムもしくはシート基材の少なくとも一方の面に、光重合性樹脂のビッカース硬度を規定し、2層のコーティング層を設ける手法が特許文献1に記載されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この手法は光重合性組成物のみを使用すると、カールが大きくなることが記載されており、カールを改善するためにコーティング層にシリカ等の微粒子を含有させている。しかしながら、このような微粒子を含有するコーティング層ではフィルムの透過率が低下するため、各種画像表示装置に使用すると、コントラストが低下するという問題がある。
また、コーティング層の硬度を向上させるために、オキシラン樹脂にブチロラクトンを併用して、光重合性を向上させて凝集力を上げる手法が特許文献2に記載されている(特許文献2参照)。
しかしながら、この手法はブチロラクトンの光開環重合を併用したものであるが、開環後に形成される脂肪族のエステル結合成分では、その塗膜硬度が低いことや加水分解反応を受けやすいことに起因して、期待した程の凝集力が向上せず、特に、各種画像表示装置に使用すると、高温高湿下での耐久性が劣るという問題もある。
また、更に、FPDは、表示装置として利用するだけではなく、その表面にタッチパネルの機能を設けて、入力装置として利用されることもある。タッチパネルにも、保護フィルム、反射防止フィルムやITO蒸着樹脂フィルムなどが使用されている。
また、表示装置には、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にエッジライト型、直下型等のバックライトユニットが装備されている。かかるエッジライト型のバックライトユニットは、基本的には光源としての線状のランプと、ランプに端部が沿うように配置される方形板状の導光板と、導光板の表面側に配設される光拡散シートと、光拡散シートの表面側に配設されるプリズムシートを備えている。最近では、光源に令陰極管(COFL)から色再現性や省電力に優れた発光ダイオード(LED)が使用されるようになってきたため、より耐熱性や寸法安定性の要求が高まってきている。
このようなフィルムは、接着剤を介して被着体に貼着して表示装置に使用されている。表示装置に用いられる接着剤は、まず透明性や耐熱性に優れることが要求されるので、アクリル系樹脂を主剤とする溶剤含有の2液硬化型接着剤が一般に使用されている。
ところで、前記した種々のフィルムのうち、偏光フィルム(偏光板とも称す)は、ポリビニルアルコール(PVA)系偏光子の両面をポリトリアセチルセルロース(TAC)系やポリシクロオレフィン(COP)系の保護フィルムで挟んで水系接着剤で貼り合わせた3層構造が一般的である。
このため、偏光フィルムでは、各層を構成する材料の寸法変化特性が異なるため、温度や湿度の変化に伴う寸法変化によるソリが生じやすい。
TAC系フィルムは、透湿度が高いことから、水系接着剤を使用し、水分を揮発させることなくそのままPVA系偏光子に重ねた状態で、水を乾燥させつつ、接着できる。
保護フィルムとしてはTAC系フィルムの代わりに、低コストであったり、透明性などの光学特性に優れたりするポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアクリル系フィルム、非結晶性ポリオレフィン系フィルムやポリシクロオレフィン系フィルムなどが提案されている(特許文献3,4,5)。これらの保護フィルムは、TAC系フィルムよりも疎水性であることや、透湿度が低いため、PVA系偏光子に重ねる前に水を十分乾燥する必要があるが、水が残り易く、水が残ると、接着強度不足や外観不良などの問題があった。
そこで、ポリビニルアルコール系偏光子と疎水性保護フィルムとを貼り合わせるために、水系接着剤の代わりに光重合性接着剤を使用することが提案されている。
ところで、液晶表示装置用の偏光フィルム(偏光板)は粘着剤層を介して液晶セルに貼られる。このとき異物混入等の貼り合せミスがあった場合、偏光フィルムを剥離し液晶セルを再利用する。PVA系偏光子と保護フィルムの接着力が十分でないと、偏光板の剥離時にPVA系偏光子と保護フィルムの間で剥離し、液晶セルに保護フィルムが残ってしまい液晶セルの再利用ができなくなる。そのため、PVA系偏光子と保護フィルムの間の接着力は、偏光フィルムと液晶セルを貼り合わせるための粘着剤の粘着力より高いことが求められ、さらにはPVA系偏光子と保護フィルムが剥離不可になることがより好ましい。
また、液晶表示装置は高温下や高湿度下などの様々な環境で使用されるため、偏光板にも非常に厳しい湿熱耐性が求められる。PVA系偏光子と保護フィルムの接着力が十分でない場合、高温高湿度下に長時間曝される(湿熱暴露)とPVA系偏光子の寸法変化により、PVA系偏光子と保護フィルムの間で剥離が発生する。
特開2004−245925(特許文献6)には、芳香環を含まないオキシラン系樹脂として水素化(水添ともいう)ビスフェノール型オキシラン樹脂を主成分とする接着剤が開示されており、加熱または活性エネルギー線の照射による光重合による接着法が提案されている。
しかし、特許文献6記載の接着剤は極めて高粘度であり、塗工性に難がある。
さらに、特許文献6記載の接着剤のように水素化ビスフェノール型オキシラン化合物を主成分とすると、ポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアクリル系フィルム等の保護フィルムを用いた場合、これらの保護フィルムには全く接着しないという問題があった。
ところで、PVA系偏光子と保護フィルムを貼り合わせる接着剤層の厚みは、光の透過率を上げるためや、コストを下げるためにできるだけ薄いことが求められる。具体的には接着剤層は、0.1〜6μmの厚みで平滑であることが求められる。
このような薄膜の接着剤層を工業的に設けるには、光学接着剤を塗工する際マイクログラビアコーターを用いることが好ましい。小径グラビアコーターは、より細かい凹版を用いることによって薄膜を形成できる。しかし、接着剤の粘度が高いと、可能な限り細かい凹版(例えば500線/インチ)を用いても、0.1〜6μmの厚みの接着剤層を形成できない。
従って、0.1〜6μmの厚みの接着剤層を形成するためには接着剤の粘度を1〜1500mPa・sにする必要がある。
特開2008−63397号公報(特許文献7)には、脂肪族オキシラン化合物を主成分とする比較的低粘度の接着剤が開示されており、加熱または活性エネルギー線の照射による光重合による接着法が提案されている。
特許文献7記載の接着剤を用いると、湿熱暴露しない状態ではPVA系偏光子とTAC系フィルム、PVA系偏光子とポリシクロオレフィン系フィルムとを十分な強度で接着できる。
しかし、特許文献7記載の接着剤を用いた場合、湿熱暴露するとPVA系偏光子といずれか一方の保護フィルムとの間、もしくはPVA系偏光子と両保護フィルムとの間で剥離が発生する。
さらに、特許文献7記載の接着剤のように脂肪族オキシラン化合物を主成分とすると、ポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアクリル系フィルム等の保護フィルムを用いた場合、これらの保護フィルムには全く接着しないという問題があった。
特開2008−257199号公報(特許文献8)には、分子内に1個以上の脂環式エポキシ基を有する多官能のオキシラン樹脂と、分子内に脂環式環に結合した三員環状エーテル基を有さない多官能のオキシラン樹脂を含む接着剤が開示されている。
一般的に脂環式エポキシ樹脂は、光重合性が良いが粘度が200mPa・s以上と高い。一方、脂環式環に結合した三員環状エーテル基を有しない多官能オキシラン樹脂は、光重合性は低いが100mPa・s以下という低粘度のものがある。そのため薄膜塗工をするために接着剤粘度を下げようとすると、脂環式環に結合した三員環状エーテル基を有しない多官能オキシラン樹脂含有量を増やさざるを得ない。しかし、その結果、光重合性が低下し、密着性不良や湿熱暴露するとPVA系偏光子と保護フィルムの間で剥離が発生する。
一方、光重合性を維持しようとすると、脂環式環に結合した三員環状エーテル基を有する樹脂を増やさざるを得ず、接着剤粘度が上がり、その結果薄膜塗工ができなくなる。
さらには、脂環式エポキシ樹脂を増やすと、ポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアクリル系フィルム等の保護フィルムを用いた場合、これらの保護フィルムには全く接着しないという問題があった。
なお、接着剤の粘度を低下させるために、有機溶剤を用いて希釈するという方法がある。しかし、有機溶剤を用いると、塗工設備を防爆仕様にしたり、特別な溶剤回収装置を設置したりしなければならなくなる。
そこで、偏光フィルム形成用の光重合性接着剤には、実質的に有機溶剤を含有しない状態で低粘度であることが求められる。
特開2000−127281号公報 特公平03−041234号公報 特開2001−324616号公報 特開2009−300768号公報 特開2007−140092号公報 特開2004−245925号公報 特開2008−63397号公報 特開2008−257199号公報
本発明は、低照度でも優れた光重合性を有し、硬化した際に優れた耐熱性、耐湿性、熱的寸法安定性、耐候性等を有する光重合性オキシラン系樹脂組成物を提供することを課題とする。また、各種光学フィルムの貼り合わせにおいて、各種光学フィルムの種類を問わず、簡便かつ強固に接着でき、有機溶剤を実質的に含まず、低粘度で薄膜塗工性に優れる光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤を提供することを課題とする。更に、それを用いて、従来の偏光板に比して打抜き加工性及び湿熱耐久性に優れた偏光板を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す光重合性オキシラン系樹脂組成物により前記目標を達成できることを見出し、更にそれを用いた光重合性接着性組成物により本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、オキシラン化合物(A)を主成分とし、さらに、F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換されている、含フッ素環状エステル化合物(B−1)、を含有する、実質的に有機溶剤を含有せず、しないことを特徴とする光重合性オキシラン系樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、前記主成分であるオキシラン化合物(A)100重量部に対して、F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換されている、含フッ素環状エステル化合物(B−1)を0.5〜60重量部含有することを特徴とする上記の光重合性オキシラン系樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換されている、含フッ素環状エステル化合物(B−1)が、ラクトン環であることを特徴とする上記の発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、F原子を有する置換基を有しない含非フッ素環状化合物(B−2)を含有することを特徴とする上記の光重合性オキシラン系樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、オキシラン化合物(A)が、芳香環を有する化合物(a−1)を含有することを特徴とする上記の光重合性オキシラン系樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、オキシラン化合物(A)が、三員環状のオキシラン環を二個以上有する化合物(a−2)を含有することを特徴とする上記の光重合性オキシラン系樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、上記のいずれか記載の光重合性オキシラン系樹脂組成物に光重合開始剤(D)を含有することを特徴とする光重合性コーティング剤に関する。
また、本発明は、上記のいずれか記載の光重合性オキシラン系樹脂組成物に光重合開始剤(D)を含有することを特徴とする光重合性接着剤に関する。
さらに、本発明は、光重合開始剤(D)が、光照射によって酸性活性種を発生するA+-で表される塩であって、この陽イオンA+が、芳香族ヨードニウムイオンおよび芳香族スルホニウムイオンからなる群より選ばれる上記の光重合性接コーティング剤に関する。
さらに、本発明は、光重合開始剤(D)が、光照射によって酸性活性種を発生するA+-で表される塩であって、この陽イオンA+が、芳香族ヨードニウムイオンおよび芳香族スルホニウムイオンからなる群より選ばれる上記の光重合性接着剤に関する。
さらに、本発明は、上記の光重合性オキシラン系樹脂組成物、および/または光重合性コーティング剤、および/または光重合性接着剤からなる層を、基材(G)の片面、または両面に積層してなることを特徴とする積層体に関する。
さらに、本発明は、基材(G)が透明フィルム(H)であることを特徴とする上記の積層体に関する。
さらに、本発明は、透明フィルム(H)が光学フィルム(I)であることを特徴とする上記の積層体に関する。
さらに、本発明は、光学フィルム(I)が、ポリアセチルセルロース系フィルム、ポリノルボルネン系フィルム,ポリアクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリイミド系フィルムまたはポリビニルアルコール系フィルムであることを特徴とする上記の積層体に関する。
さらに、本発明は、上記のいずれかの積層体を、ポリビニルアルコール系偏光子の片面または両面に接着してなることを特徴とする偏光板に関する。
本発明により、低照度で重合可能な光重合性オキシラン系樹脂組成物、及びそれを用いた光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤組成物を用いて、光学フィルムを簡便かつ強固に接着でき、打ち抜き加工性、耐熱性、及び耐湿熱性の良好な積層体を得ることが可能となり、特に優れた偏光板を提供することができるようになった。
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物は、オキシラン化合物(A)と環状エステル化合物(B)、特に、含フッ素環状化合物(B−1)を必須成分とすることが特徴である。
まず最初にオキシラン化合物(A)について説明する。
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物において、オキシラン化合物(A)とは、反応性官能基として分子内に三員環状の環状エーテル基を1つ以上有する化合物であり、特に制限が無く使用できる。
分子内に三員環状の環状エーテル基としては、例えば、オキシラン、メチルオキシラン、フェニルオキシラン、1,2−ジフェニルオキシラン、メチリデンオキシラン、オキシラニルメチル、オキシラニルメタノール、オキシランカルボン酸、(クロロメチル)オキシラン、(ブロモメチル)オキシラン、オキシラニルアセトニトリル等の脂肪族系環状エーテル基;
例えば、3,4−オキシランシクロヘキシルメチル 3,4−オキシランシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−オキシラン−6−メチルシクロヘキシルメチル 3,4−オキシラン−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレンビス(3,4−オキシランシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス(3,4−オキシランシクロヘキシルメチル) アジペート、ビス(3,4−オキシラン−6−メチルシクロヘキシルメチル) アジペート、ジエチレングリコールビス(3,4−オキシランシクロヘキシルメチルエーテル)、エチレングリコールビス(3,4−オキシランシクロヘキシルメチルエーテル)、2,3,14,15−ジオキシラン−7,11,18,21−テトラオキサトリスピロ−[5.2.2.5.2.2]ヘンイコサン(また、3,4−オキシランシクロヘキサンスピロ−2',6'−ジオキサンスピロ−3'',5''−ジオキサンスピロ−3''',4'''− オキシランシクロヘキサンとも命名できる化合物)、4−(3,4−オキシランシクロヘキシル)−2,6−ジオキサ−8,9−オキシランスピロ[5.5]ウンデカン、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス−2,3−オキシランシクロペンチルエーテル、およびジシクロペンタジエンジオキサイド等の脂環式環に結合した三員環状の環状エーテル基が挙げられ、これら三員環状の環状エーテル基含有化合物中の水素原子を1個または複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合した化合物が、オキシラン化合物(A)となりうる。
ここに例示したオキシラン化合物は、それぞれ単独で使用してもよいし、また複数のオキシラン化合物を混合して使用してもよい。
このようなオキシラン化合物(A)のオキシラン当量は、通常、30〜3000g/eqであり、50〜1500g/eqが好ましい。オキシラン当量が30g/eqを下回ると、硬化後の光学フィルムの可撓性が低下したり、接着強度が低下したりする場合があるため好ましくない。一方、3000g/eqを超えると、他の成分との相溶性が低下する場合があるため好ましくない。
本発明のオキシラン化合物(A)には、耐熱性や耐湿熱性向上のため、三員環状の環状エーテル基に加え、更に芳香環を有するオキシラン化合物(a−1)を含有することが好ましい。好ましい芳香環置換基としては、より具体的には、例えば、フェニル、フェニレン、トリル、トリレノ、ベンジル、ベンジリデン、ベンジリジン、キシリル、キシリレン、フタリリデン、イソフタリリデン、テレフタリリデン、フェネチリデン、フェネチリジン、スチリル、スチリリデン、as-プソイドクミル、v-プソイドクミル、s-プソイドクミル、メシチル、クメニル、α-クミル、ヒドロシンナミル、シンナミル、シンナミリデン、シンナミリジン、ジュリル、ジュリレン、チミル、カルバクリル 、クミニル、クミニリデン、ネオフィル、キセニル、ベンズヒドリル、ベンズヒドリリデン、トリチル等に代表される置換基が挙げられ、これらは、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、ヘミメリテン、プソイドクメン、メシチレン、クメン、イソジュレン、ジュレン、シメン、メリテン等のベンゼン誘導体中の水素原子を1個または複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合し得る芳香環が挙げられる。
その他、例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等のシクロアルケン類;
例えば、ベンゼン以外の炭素数を有する、環を構成する炭素数が3以上の[4n+2]アヌレンが挙げられる。
例えば、ビフェニル、トリフェニルメタン等の芳香族多環化合物;
例えば、ペンタレン、インデン、インダン、ニンヒドリン、ナフタレン、テトラリン、デカリン、サポタレン、カダレン、オイダレン、ナフトール、メナジオール、ゴシポール、ナフトキノン、ラウソン、ユグロン、メナジオン、プルンバギン、フチオコール、エキノクロムA、アルカンニン、シコニン、アセトナフトン、ナフトエ酸、ナフトイル、ナフタル酸、ナフタラート、アセトメナフトン、ナフチオン酸、ナフチオナート、ナフチオニル、ダンシル、クロセイン酸、フラビアン酸、クロモトロプ酸、ネオクペロン、アズレン、カマズレン、グアイアズレン、ヘプタレン、オクタレン、プルプロガリン等の炭素縮合二環系:
例えば、as−インダセン、s−インダセン、as−ヒドロインダセン、s−ヒドロインダセン、ビフェニレン、アセナフチレン、アセナフテン、アセナフトキノン、フルオレン、フェナレン、ペリナフテン、フェナントレン、フェナントリル、フェナントリリウム、フェナントリリデン、フェナントリレン、フェナントロール、モルホール 、フェナントロン、フェナントラキノン、ピマントレン、レテン、アントラセン、アントリル、アントリリウム、アントリリデン、アントリレン、アントロール、アントラノール 、アントラロビン、アントラリン、ジトラノール、アントロイル、アントロン、ビアントロン、アントラキノン、アントラキノニル、アントラキノニレン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、クリサジン、アントラガロール、プルプリン、フラボプルプリン、アントラプルプリン、キナリザリン、テクトキノン、クリソファノール、クリソファン酸、エモジン、レイン、ケルメス酸、カルミン酸、ジアントリミド、アントリミド、クリサンミン酸、コルヒチン等の炭素縮合三環系;
例えば、トリンデン、トリンダン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセフェナントレン、アセアントリレン、アセアントレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、ナフタセン、ルブレン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、プレイアデン、ベンゾアントロン等の炭素縮合四環系;
例えば、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、コラントレン等の炭素縮合五環系;
例えば、コランヌレン、フルミネン、アンタントレン、ゼトレン、ヘキサヘリセン、ヘキサフェン、ヘキサセン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ヘプタセン、ピラントレン、オクタフェン、オクタセン、テリレン、ナフタセノナフタセン、ノナフェン、ノナセン、ビオラントレン、ビオラントロン、イソビオラントレン、イソビオラントロン、オバレン、デカフェン、デカセン、デカシクレン、ペンタセノペンタセン、クアテリレン、ヘキサセノヘキサセン等の環数6以上の炭素縮合環系;
等の環状化合物中の水素原子を1個または複数個取り除いた形の基が他の化学構造に結合し得る芳香環が挙げられる。
また、本発明のオキシラン化合物(A)が、三員環状のオキシラン環を二個以上有する化合物(a−2)を含有することが好ましい。三員環状のオキシラン環が複数含有することで、後述する接着剤の光重合に伴う架橋性が向上し、効果的な接着力と耐熱性や耐湿熱性を維持することが可能となる。
ここで、前記した(a−1)と(a−2)が同一化合物、つまり、芳香環を有し、かつ、三員環状のオキシラン環を二個以上有する化合物(a−12)であっても問題は無く使用できる。オキシラン化合物(A)中におけるこれらの含有量は、(A)100重量%中、(a−1)、(a−2)及び(a−12)のいずれかが、50重量%以上含有することが、重合性や耐湿熱性の点で好ましく、60重量%以上含有することが特に好ましい。
また、(a−1)、(a−2)及び(a−12)のいずれにも属さない(a−3)も問題は無く使用できる。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換されている、含フッ素環状エステル化合物(B−1)と、F原子を有する置換基を有しない非フッ素環状エステル化合物(B−2)とを含む環状エステル化合物(B)について説明する。
また、本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物において、環状エステル化合物(B)は、ヒドロキシカルボン酸の水酸基とカルボン酸とが分子内又は分子間で脱水縮合して環構造を形成したオキシ酸縮合物であることが好ましく、(B−1)、及び/または(B−2)とも、その単量体であるラクトン環、あるいは、二量体又は三量体以上の多量体の少なくともいずれか1種を有することが光重合性の点で好ましい。
本発明におけるF原子を有する置換基を有しない非フッ素環状エステル化合物(B−2)において、ラクトン環含有の環状化合物(b−2−1)としては、前記ヒドロキシカルボン酸のオキシ酸縮合物であり、脂肪族、脂環式、芳香族及び複素環式の単量体化合物を用いることができる。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、ヒドロキシエタン酸、2−ヒドロキシプロパン酸、ヒドロキシプロペン酸、α−オキシブタン酸、α−ヒドロキシイソブタン酸、ヒドロキシペンタン酸、α−ヒドロキシヘキサン酸、δ−ヒドロキシヘキサン酸、2,3−ジヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、ヒドロキシブタン二酸、2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシドデカン酸、ヒドロキシ(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン酸、α−ヒドロキシドトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラトリアコンタン酸、α−ヒドロキシヘキサトリアコンタン酸、α−ヒドロキシオクタトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラアコンタン酸、ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸、ヒドロキシプロパン酸、6−ヒドロキシペンタン酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、10−ヒドロキシオクタデカン酸、12−ヒドロキシオクタデカン酸、10−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、3−ヒドロキシテトラデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミテトラデカン酸、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸等が挙げられる。
脂環式、芳香族及び複素環式ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、2−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3−フェニル安息香酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ安息香酸、4'−ヒドロキシ−4−カルボキシビフェニル、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、5−ヒドロキシ−1−ナフタレンカルボン酸等が挙げられる。
これらのヒドロキシカルボン酸は、1分子内にカルボン酸と水酸基とを有する有機化合物であればよく、上記の例示に限定されるものではない。
上記のオキシ酸縮合物の中でも、反応性の観点から、ラクトン類が好ましい。具体的には、例えば、α―アセトラクトン、α−プロピオラクトン、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトンγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、γ−ヘプタノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−オクタノラクトン、ε−オクタノラクトン、δ−ノナラクトン、ε−カプロラクトングリコリド、ピバロラクトン、7−ヘプタノリド、8−オクトノリド、11−ウンデカノリド、12−ドデカノリド、15−ペンタデカノリド、10−オキサヘキサデカノリド、2−ノネン−4−オリド、16−ヘキサドデカノリド、7−デセン−4−オリド、9−デセン−5−オリド、2−デセン−5−オリド、7−デセン−5−オリド、6−デセン−4−オリド、8−デセン−5−オリド、8−ウンデセン−5−オリド、4−メチル−cis−7−デセン−4−オリド、2−ブテン−4−オリド、2−メチル−4−ブタノリド、3−メチル−4−オクタノリド、3−メチル−4−ノナノリド、4−メチル−4−デカノリド、シクロペンタデカリド、2,4−デカジエン−5−オリド、4−メチル−5−ヘキセン−4−オリド、ペンタノ−4−ラクトン、4−エテニル−γ−バレロラクトン、グルクロノラクトン、ジャスモラクトン、メントンラクトン、ミントラクトン、マソイアラクトン、ワインラクトン、パントラクトン、ホモセリンラクトン、メバロノラクトン、グルコノデルタラクトン、ベルガプテン、アンブレトリド、スクラレオリド、α−アンゲリカラクトン、β−アンゲリカラクトン、7−デセン−1,4−ラクトン、9−デセン−5−オリド、2,3−ジメチル−2,4−ノナジエン−4−オリド、ジヒドロキシアクチニジオリド、5−ヒドロキシ−8−ウンデネセノイックアシッド−δ−ラクトン、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−4−ブタノリド、1,4−ジオキサシクロヘプタデカン−5,17−ジオン、α−アセチル−γ−ブチロラクト、α−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−α−プロピオラクトン、α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン、D−グルコノ−1,5−ラクトン、4−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラン−2−オン、フェナントレン−1,10:9,8−ジカルボラクトン、3α−ヒドロキシ−5α−コラノ−24,17−ラクトン等が挙げられる。
また本発明で、使用可能なヒドロキシカルボン酸の環状二量体(b−2−2)としては、乳酸による3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、グリコール酸による1,4−ジオキサン−2,5−ジオン等が挙げられる。
上記環状エステル化合物(B)のなかでも、開環により形成される側鎖長さや、三員環状のオキシラン化合物(A)との開環共重合性の面から、エステル環を構成する炭素数が4〜18の範囲であるラクトン環含有の環状化合物(b−2−1)が好ましく、具体的には、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンが特に好ましい。
本発明の環状エステル化合物(B)には、耐熱性や耐湿熱性の更なる向上のため、更に、環状エステル化合物(B)の環状構造中に、F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換された含フッ素環状エステル化合物(B−1)を含むことが必要である。
好ましいF原子含有置換基としては、より具体的には、例えば、F−、CF3−、CF2H−、CFH2−、CF3CF2−、CHF2CF2−、CH3CF2−、CF3CH2−、CF3CF2CH2−、CF3CF2CF2−、CH(CF32−、CHF2CF2CH2−、CHF2CF2CH2−、CF3CH2CH2−、CF3CF2CF2CF2−、CHF2CF2CF2CH2−、CF3CHFCF2CH2−、CHF2CF(CF3)CH2−、CF3CF2CH2CH2−、CHF2CF2CF2CF2CH2−、CF3CF2CF2CF2CF2−などが例示でき、なかでもF原子単独の置換基か、炭素数3以下の含フッ素アルキル基であることが、効果的な接着力と耐熱性や耐湿熱性を維持することが可能となる点で特に好ましい。
また、含フッ素環状エステル化合物(B−1)の構造上、いずれの位置でも好ましく、効果を十分に発揮することが可能である。
また、本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物において、F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換された含フッ素環状エステル化合物(B−1)としては、含フッ素ラクトン類b−1−1)、含フッ素ヒドロキシカルボン酸の環状二量体類(b−1−2)の少なくともいずれか1種を有することが耐熱性や耐湿熱性の点で好ましい。
含フッ素ラクトン類(b−1−1)としては、より具体的には、例えば、α−フルオロ−γ−ブチロラクトン、β−フルオロ−γ−ブチロラクトン、γ−フルオロ−γ−ブチロラクトン、α−トリフルオロメチル−γ−ブチロラクトン、2−(4−フルオロフェノキシ)−4−ヒドロキシブタン酸ラクトン、1−デヒドロ−9−フルオロ−11−オキソテストロラクトン、10−フルオロ−11−ヒドロキシウンデカン酸ラクトン、5−(1'−フルオロエチル)−5−フェニル−2−オキソテトラヒドロフラン、5−フルオロメチル−5−フェニル−2−オキソテトラヒドロフランの含フッ素ラクトン類;
含フッ素ヒドロキシカルボン酸の環状二量体類(b−1−2)としては、より具体的には、例えば、3,5−ジフルオロ−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3,3−トリフルオロ乳酸の環状二量体、フェナントロ[1,10−bc,9,8−b'c']ジフラン−2,10−ジオン等のヒドロキシカルボン酸の環状二量体類が挙げられる。
なお、反応性の観点から含フッ素ラクトン類(b−1−1)が好ましく、さらに好ましくは、α−フルオロ−γ−ブチロラクトン、β−フルオロ−γ−ブチロラクトン、γ−フルオロ−γ−ブチロラクトン、α−トリフルオロメチル−γ−ブチロラクトンが用いられる。
これらのF原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換された含フッ素環状化合物(B−1)は、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物において、F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換されている、含フッ素環状エステル化合物(B−1)は、主成分であるオキシラン化合物(A)100重量部に対して、(B−1)を0.5〜60重量部の範囲で含有することが好ましく、5〜30重量部の範囲で含有することが更に好ましい。含フッ素環状エステル化合物(B−1)が0.5重量部より少ないと、光重合を行った際に、オキシラン化合物(A)の重合速度が向上せず、凝集力が上がらなかったり、より厳しい条件下における耐熱性や耐湿熱性を付加できなくなるため、好ましくない。一方、60重量部を超えると、光重合性オキシラン系樹脂組成物を光重合性接着剤として用いた場合には、光重合による架橋塗膜の極性が大きくなりすぎて、非極性系光学フィルム(ポリエステル系フィルム、ポリノルボルネン系フィルム等)の接着力の低下を招くため、好ましくない。
本発明におけるF原子を有する置換基を有しない含非フッ素環状エステル化合物(B−2)は、含フッ素環状エステル化合物(B−1)100重量%中、(B−2)を0.1〜90重量%の範囲で含有することが好ましく、10〜80重量%の範囲で含有することが更に好ましい。F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換された含非フッ素環状化合物(B−2)をこの範囲で用いる事により、厳しい条件下での耐熱性、及び耐湿熱性を維持することが可能となりつつ、コスト的に更に好ましい。
次に、エチレン性不飽和化合物(C)について説明する。
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物において、オキシラン化合物(A)の粘度は、200mPa・s(23℃における粘度。以下同じ)以上のものが多く、芳香環を有する化合物(a−1)の粘度は5000mPa・s以上のものが多く、固形のものが多い。
本発明における光重合性オキシラン系樹脂組成物は、前記オキシラン化合物(A)及び環状エステル化合物(B)以外の光重合性成分を光重合性オキシラン系樹脂組成物100重量%中、50重量%以下の範囲で含むことも可能である。
(A)及び(B)以外の光重合性成分としては、エチレン性不飽和化合物(C)を含むことが好ましい。エチレン性不飽和化合物(C)とは分子構造中に不飽和二重結合有する化合物である。エチレン性不飽和化合物(C)としては、粘度が0.5〜2000mPa・sのものが好ましく、1〜1000mPa・sのものが好ましい。このようなエチレン性不飽和化合物(C)を用いることによって、芳香環(a−1)や2個以上のオキシラン環を有す化合物(a−2)、及び双方を含む(a−12)に起因する光重合性オキシラン系樹脂組成物の高粘度化を抑制し、薄膜塗工性を改良しつつ、光重合性を維持するとともに、後述の接着剤の接着力や加工性を維持することができる。
エチレン性不飽和化合物(C)としては、光学フィルムとの密着性を考慮すると、水酸基含有のエチレン性不飽和化合物(c−1)、および/または、シクロアルカン骨格、シクロアルケン骨格、および/またはベンゼン環骨格を有するエチレン性不飽和化合物(c−2)であることが好ましい。
水酸基含有のエチレン性不飽和化合物(c−1)としては、その構造中に水酸基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル〔アクリル酸2−ヒドロキシエチルとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとを併せて「(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル」と表記する。以下同様。〕、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸エチル−α−(ヒドロキシメチル)、単官能(メタ)アクリル酸グリセロール、あるいは(メタ)アクリル酸グリシジルラウリン酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルオレイン酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルステアリン酸エステル等の脂肪酸エステル系(メタ)アクリル酸エステル、あるいはラクトン環の開環付加により末端に水酸基を有するポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルホスフェート等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、(メタ)アクリル酸1,2−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸1,3−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸フェニルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシル、(メタ)アクリル酸モノヒドロキシエチルフタレート、(メタ)アクリル酸2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼン等の水酸基含有の脂環あるいは芳香族(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール〔2−(2'−ヒドロキシ−5'−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールと2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとを併せて「2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール」と表記する。以下同様。〕、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2 H−ベンゾトリアゾール等の水酸基含有ベンゾトリアゾール系(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}ブトキシベンゾフェノン、2, 2'−ジヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシ−4'−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノン等の水酸基含有ベンゾフェノン系(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、2, 4−ジフェニル−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ} ]−S−トリアジン、2, 4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2−エチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2−エトキシフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2, 4−ジメチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2, 4−ジエトキシルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2, 4−ビス(2, 4−ジエチルフェニル)−6−[ 2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ})] −S−トリアジン等の水酸基含有トリアジン系(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、(メタ)アクリル酸グリコシルメチル、(メタ)アクリル酸グリコシルエチル、(メタ)アクリル酸グリコシルプロピル、(メタ)アクリル酸グリコシルブチル等のグルコース環系(メタ)アクリル酸エステル類;
例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシオクチルビニルエーテル、ヒドロキシデシルビニルエーテル、ヒドロキシドデシルビニルエーテル、ヒドロキシオクタデシルビニルエーテル、グリセリルビニルエーテル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系ビニルエーテル等の水酸基含有の脂肪族ビニルエーテル類;
例えば、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシルモノビニルエーテル、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルモノビニルエーテル等の水酸基含有の脂環や芳香環を有するビニルエーテル類;
例えば、2−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、2−メチル−3−ヒドロキシスチレン、4−メチル−3−ヒドロキシスチレン、5−メチル−3−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン、2,4,6−トリヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン等の水酸基含有の芳香族ビニル化合物類;
例えば、(メタ)アリルアルコール〔アリルアルコールとメタリルアルコールとを併せて「(メタ)アリルアルコール」と表記する。以下同様。〕、イソプロペニルアルコール、ジメチル(メタ)アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシブチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシヘキシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシオクチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシデシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシドデシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシオクタデシル(メタ)アリルエーテル、グリセリル(メタ)アリルエーテル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アリルエーテル等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アリルアルコール類ないしは(メタ)アリルエーテル類;
例えば、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、o−(メタ)アリルフェノール、m−(メタ)アリルフェノール、p−(メタ)アリルフェノール、2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシルモノ(メタ)アリルエーテル、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルモノ(メタ)アリルエーテル等の水酸基含有の脂環や芳香環を有する(メタ)アリルエーテル類;
例えば、プロペンジオール、ブテンジオール、ヘプテンジオール、オクテンジオール、ジ(メタ)アクリル酸グルセロール、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールA等の複数の水酸基を有するエチレン性不飽和単量体類;
例えば、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド〔N−ヒドロキシエチルアクリルアミドとN−ヒドロキシエチルメタクリルアミドとを併せて「N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド」と表記する。以下同様。〕、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有の(メタ)アクリルアミド類;
例えば、ヒドロキシスチレン、ビニルアルコール等の水酸基とアルケニル基を有する単量体類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
シクロアルカン骨格、シクロアルケン骨格、および/またはベンゼン環骨格を有するエチレン性不飽和化合物(c−2)は、シクロアルカン骨格および/またはシクロアルケン骨格と、1個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性官能基を有する化合物であり、21個以上の環構造を有するシクロアルケン骨格および/またはシクロアルケン骨格は環構造と環構造がアルキル基やエーテル基、エステル基などにより離れていてもよいし、ノルボルナンやノルボルネン,アダマンタン構造のようにシクロ環の橋かけ構造でもよいが、耐熱性に優れることよりノルボルナンやノルボルネン、アダマンタン骨格が好ましい。
シクロアルカン骨格、シクロアルケン骨格、および/またはベンゼン環骨格を有するエチレン性不飽和化合物(c−2)としては、より具体的に、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−イソプロピル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソプロピル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロオクチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸iso−ボニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソ−1,2−フェニルエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソ−1,2−ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸1−ナフチル、(メタ)アクリル酸2−ナフチル、(メタ)アクリル酸1−ナフチルメチル、(メタ)アクリル酸1−アントリル、(メタ)アクリル酸2−アントリル、(メタ)アクリル酸9−アントリル、(メタ)アクリル酸9−アントリルメチル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−エチルエチル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]デカ−2−イル、(メタ)アクリル酸ジヒドロ−α−ターピニル、(メタ)アクリル酸−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イル、(メタ)アクリル酸−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イル等の(メタ)アクリル酸環状エステル類;
例えば、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、2,5−ビス(アリルオキシ)ノルボルナン、5−ビニル−2,3−オキシランノルボルナン、2−(2−プロペニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、2−エテニリデンアダマンタン、3−アリルアダマンタン−1−オール、1−アリルアダマンタン等のアルケニル基含有の環状化合物類が挙げられる。
また、例えば、芳香環構造が水添された水添ビスフェノールA等もエチレン性不飽和二重結合を有すれば、(Cc−2)に含まれる。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
本発明の光重合性オキシラン系樹脂組成物において、上記したように、エチレン性不飽和化合物(C)を含有する場合には、光重合性オキシラン系樹脂組成物100重量%中、50重量%以下で含有することができる。(C)が50重量%を超えると、未反応のエチレン性不飽和化合物(C)が残留する場合があるため、光重合反応率が向上せず、凝集力が向上せず、また臭気発生の可能性があるため、好ましくない。
次に、光重合開始剤(D)について、説明する。
本発明において、前記の光重合性オキシラン系樹脂組成物に光重合開始剤(D)を含有することによって、光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤とすることができる。
上記の光重合開始剤(D)が、光照射によって酸性活性種を発生するA+B−で表される塩であって、特に限定されないが、一般的にはオニウム塩が良く知られている。オニウム塩としてはルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩などが挙げられる。この陽イオンA+が、芳香族ヨードニウムイオンおよび/または芳香族スルホニウムイオンであることが本発明では好ましい。
光重合開始剤(D)としては、例えば、UVACURE1590(ダイセル・サイテック社製)、CPI−110P(サンアプロ社製)、などのスルホニウム塩やIRGACURE250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、WPI−113(和光純薬社製)、Rp−2074(ローディア・ジャパン社製)等のヨードニウム塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、光重合開始剤(D)としては、光ラジカル重合開始剤を有する事も可能である。このような光ラジカル重合開始剤としては、例えば、イルガキュアー184,907,651,1700,1800,819,369,261、DAROCUR-TPO(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 2,4,6-トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、ダロキュア-1173(メルク社製)、エザキュア−KIP150、TZT(日本シイベルヘグナー社製)、カヤキュアBMS、カヤキュアDMBI、(日本化薬社製)等が挙げられる。
光重合開始剤(D)の配合割合は、光重合性オキシラン系樹脂組成物100重量部に対して、0.5〜20重量部であり、0.5〜10重量部であることが好ましい。
更に、上記、光重合開始剤(D)の性能を向上させるために、光増感剤(E)を併用しても良い。光増感剤としては、アントラセン系やベンゾフェノン系、チオキサントン系やペリレン、フェノチアジン、ローズベンガル等が挙げられる。
次に、酸化防止剤(F)について、説明する。
本発明における光重合性コーティング剤や光重合性接着剤は、更に酸化防止剤(F)を含んでも良い。酸化防止剤(F)を含むことによって、光重合後のコーティング剤層や接着剤層の経時での着色を抑制することができる。
酸化防止剤(F)としては、例えば、アデカスタブAO‐50、アデカスタブAO‐80(旭電化工業社製)、などのフェノール系酸化防止剤や、IRGANOX‐PS‐800FD(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、などのイオウ系酸化防止剤、TINUBIN622LD、TINUBIN144、TINUBIN765等のヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸化防止剤(F)の配合割合は、重合性成分100重量部に対して、0〜5重量部であり、0.01〜3重量部であることが好ましい。
次に、光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤について説明する。
本発明の光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤は、実質的に有機溶剤を含まない。有機溶剤を全く含まないほうが好ましいが、光重合開始剤(D)は重合性成分に難溶性のことが多い。そのため光重合開始剤(D)を溶解するため少量の有機溶剤は含んでもよい。光重合性接着剤中の有機溶剤の含有量は5重量%以内である。
本発明の光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で有れば、重合性モノマーやオリゴマー、シランカップリング剤、重合禁止剤、軟化剤、染料、顔料、消泡剤、タッキファイヤ、可塑剤、充填剤および老化防止剤等の各種の公知の添加剤を、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内で含むことができる。
本発明における光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤は、実質的に有機溶剤を含まないことが好ましく、粘度は1〜1500mPa・sであることが重要であり、好ましくは10〜1300mPa・sであり、20〜1000mPa・sであることがより好ましい。粘度が1500mPa・sより高いと、偏光フィルム作成時に、保護フィルムに塗工した場合、0.1〜6μmの薄膜塗工ができず、透過率等の光学的特性が悪化してしまう。一方、粘度が1mPa・sより低いとコーティング剤や接着剤層の膜厚制御が困難になる。
光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤の粘度は、光重合性オキシラン系樹脂組成物の粘度で殆ど決定されるため、光重合性オキシラン系樹脂組成物の粘度を1〜1500mPa・sの範囲で管理することにより、光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤の粘度も管理が可能である。
常法にしたがって適当な方法で光学フィルムに光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤を塗工して、光学フィルムの上に光重合性コーティング剤層や接着層を形成することができる。
光重合性コーティング剤層や接着層の厚さは、0.1〜6μmの薄膜塗工であることが好ましく、0.1μm〜3μmであることがより好ましい。0.1μm未満では十分な接着力が得られないことがあり、6μmを超えても接着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
本発明の光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤を光学フィルム等に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、マイクログラビアコーター、リップコーター、コンマコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工方法が挙げられるが、薄膜塗工が可能であれば、特に制限はない。
本発明の光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤は、さらに光学用光重合性コーティング剤、または光学用光重合性接着剤として好適である。
即ち、基材(G)としては、光重合性オキシラン系樹脂組成物をコーティング剤として基材(G)一層の片面や両面に使用した場合には、布、木材、金属板、プラスチック板、フィルム状基材、ガラス板、紙加工品等、特に制限無く使用できる。一方、光重合性オキシラン系樹脂組成物を二つ以上の基材(G)を貼り合わせる接着剤として使用する場合には、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合させるために、活性エネルギー線を透過し易い基材を使用する必要があり、特に透明フィルム(H)や透明ガラス板を使用する事が好ましい。片方を活性エネルギー線が透過し難い基材、例えば、木材、金属板、プラスチック板、紙加工品等を使用した場合でも、もう片方を透明フィルム(H)や透明ガラス板を使用し、透明フィルム(H)や透明ガラス板側から照射し、光重合反応(光硬化)を行えば使用は可能である。
基材(G)としては、フィルム状基材を使用する事が好ましく、フィルム状基材としては、セロハン、各種プラスチックフィルム、紙等のフィルム状基材が挙げられるが、透明な各種プラスチックフィルムの使用が好ましい。また、フィルム状基材としては、透明であれば、単層のものであってもよいし、複数の基材を積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。
ここで、光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤を用いて、基材(G)の片面、または両面に積層してなる積層体について、一般的な説明する。
光重合性オキシラン樹脂組成物の活性エネルギー線による光重合反応を使用する場合は、即ち、前記した基材(G)のうち、フィルム状基材である透明フィルム(H)と該透明フィルム(H)の少なくとも一方の面に位置する光重合性オキシラン樹脂組成物層とを具備する積層体の形成に使用されることが好ましい。
透明フィルム(H)の積層体は、以下のようにして得ることができる。
光重合性オキシラン樹脂組成物を光重合性コーティング剤として使用した場合には、フィルム状基材である透明フィルム(H)の片面にコーティング剤を塗工することによって、積層体を得ることができる。この際、コート層は、易接着化のためのプライマー層としても使用される。
また、光重合性オキシラン樹脂組成物を光重合性接着剤として使用した場合には、フィルム状基材である透明フィルム(H)の片面に光重合性接着剤を塗工し、別の透明フィルム(H)を接着層の表面に積層したり、更にこの積層体の片面や両面に接着剤を塗工し、更に別の透明フィルム(H)、ガラス、あるいは透明成形体に積層したりすることによって、積層体を得ることができる。
光重合性コーティング剤、または重合性接着剤の活性エネルギー線による光重合反応は、コーティング剤、または接着材の塗工時、あるいは積層する際、さらには積層した後に活性エネルギー線を照射して進行するが、積層した後に活性エネルギー線を照射して光重合反応を進めることが好ましい。
透明フィルム(H)は、ディスプレイやタッチパネル等の情報通信機器等の光学フィルム(I)に使用する事ができる。
ここで、光学素子用積層体について一般的な説明をする。
光重合性コーティング剤、または光重合性接着剤組成物は、光学素子用積層体を形成するために用いられる。
光学素子用積層体の基本的積層構成は、光重合性オキシラン樹脂組成物を、光重合性コーティング剤として使用した場合には、透明フィルム/コート層、あるいはコート層/透明フィルム/コート層のようなシート状の光学コート積層体である。
また、接着剤として使用した場合には、透明フィルム/接着層/透明フィルム、あるいは透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルムのようなシート状の両面の光重合性接着積層体である。さらには、透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルム、ガラス、あるいは光学成形体のような多層の光学フィルムを光学部材に固定化した光学素子用積層体として使用される。
光学フィルム(I)として使用される各種透明フィルム(H)は、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。各種透明フィルム(H)としては、各種プラスチックシートともいわれ、例えば、ポリビニルアルコールフィルムやポリトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリノルボルネン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリビニル系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリオキシラン系フィルムなどが挙げられる。
透明フィルム(H)は、多層に使用する場合は、同一組成であっても異なっていても良い。例えば、片面にポリシクロオレフィン系フィルムを使用し、もう一方の片面にポリアクリル系フィルムを使用しても良い。
透明フィルム(H)の厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。透明フィルム(H)は、5〜150μmの場合に特に好適である。
なお、光学フィルムである偏光フィルム(偏光板ともいう)の偏光子の両側に透明フィルム(H)を設ける場合、その表裏で同じ樹脂材料からなる透明フィルム(H)を用いてもよく、異なる樹脂材料等からなる透明フィルム(H)を用いても良い。
本発明における光学用積層体としては、上記の各種透明フィルム(H)のうち、主に光学用途にて用いられる光学フィルム(I)が好適に使用される。光学フィルム(I)としては、上記透明フィルム(H)に特殊な処理を施されたものであり、光学的機能(光透過、光拡散、集光、屈折、散乱、HAZE等の諸機能)を有するものが光学フィルムと称されている。これらの光学フィルムは単独で、または数種の光学フィルムをコーティング剤、または接着剤で多層に積層されて光学素子用積層体として使用される。例えば、ハードコートフィルム、帯電防止コートフィルム、防眩コートフィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、輝度向上フィルム、プリズムフィルム(プリズムシートともいう)、導光フィルム(導光板ともいう)等が挙げられる。
偏光フィルムは、偏光板とも呼ばれ、ポリビニルアルコール系偏光子の両面を2枚のポリアセチルセルロース系フィルムであるポリトリアセチルセルロース系保護フィルム(以下、「TACフィルム」という)や、ポリビニルアルコール系偏光子の片面や両面をポリノルボルネン系フィルムであるポリシクロオレフィ系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム等で挟んだ多層構造のシート状の光学用積層体である。
本発明の光重合性接着剤組成物を使用した光学フィルムの積層体は、液晶表示装置、PDPモジュール、タッチパネルモジュール、有機ELモジュール等のガラス板や上記の各種プラスチックフィルムの透明フィルム(H)に貼着して光学素子用積層体として使用されることが好ましい。
本発明の偏光板は、より具体的には、以下のようにして得ることができる。
(I)第1の保護フィルムの一方の面に、光重合性接着剤を塗工し、第1の光重合性接着剤層(2’)を形成し、
第2の保護フィルムの一方の面に、光重合性接着剤を塗工し、第2の光重合性接着剤層を形成し、
次いで、ポリビニルアルコール系偏光子の各面に、第1の光重合性接着剤層及び第2の光重合性接着剤層を、同時に/または順番に重ね合わせた後、活性エネルギー線を照射し、第1の光重合性接着剤層及び第2の光重合性接着剤層を光重合反応することによって製造する方法。
(II)ポリビニルアルコール系偏光子の一方の面に、光重合性接着剤を塗工し、第1の光重合性接着剤層を形成し、形成された第1の光重合性接着剤層の表面を第1の保護フィルムで覆い、次いでポリビニルアルコール系偏光子の他方の面に、光重合性接着剤を塗工し、第2の光重合性接着剤層を形成し、形成された第2の光重合性接着剤層の表面を第2の保護フィルムで覆い、活性エネルギー線を照射し、第1の光重合性接着剤層及び第2の光重合性接着剤層を光重合することによって製造する方法。
(III)第1の透明フィルム(H)である保護フィルムとポリビニルアルコール系偏光子を重ねた端部および、ポリビニルアルコール系偏光子の第1の保護フィルムがない面に重ねた第2の保護フィルムの端部に光重合性接着剤をたらした後、ロールの間を通過させ各層間に接着剤を広げる。次に活性エネルギー線を照射し、光重合性接着剤を硬化させることによって製造する方法等があるが、特に限定するものではない。
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
[配合例1〜36]
酸素濃度が10%以下に置換された遮光された300ccのマヨネーズ瓶に、オキシラン化合物(A)、F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換されている、含フッ素環状エステル化合物(B−1)、F原子を有する置換基を有しない含非フッ素環状エステル化合物(B−2)及び光重合開始剤(D)を表1に示す比率で仕込み、エアモーターにて十分に攪拌を行い、十分に脱泡を行った後、配合例に示す光重合性コーティング剤、あるいは光重合接着剤を得た。
表1に示した配合例の光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤について、溶液外観、粘度を以下の方法に従って求め、結果を表2に示した。
《外観》
各配合例で得られた光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤の液体外観を目視にて評価した。
《粘度》
各配合例で得られた光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤を23℃の雰囲気下でE型粘度計(東機産業社製 TV−22)にて、約1.2mlを測定用試料とし、回転速度0.5〜100rpm、1分間回転の条件で測定し、溶液粘度(mPa・s)とした。
本発明において、オキシラン化合物(A)、F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換されている、含フッ素環状エステル化合物(B−1)、F原子を有する置換基を有しない含非フッ素環状エステル化合物(B−2)、エチレン性不飽和化合物(C)、光重合開始剤(D)、増感剤(E)、及び酸化防止剤(F)の代表例として、例示化合物は以下の表1に具体的に示すが、これらに限られるものではない。尚、例示化合物の表記として、EX141(a−1):フェノキシメチルオキソラン(ナガセケムテック社製)、EX212(a−2):(1,6−ヘキシレングリコキシメチル))ジオキシラン(ナガセケムテック社製)、2021P(a−2):3,4−オキシランシクロヘキシルメチル−3,4−オキシランシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業社製)、JER828(a−12):ビスフェノールA型オキシラン樹脂(三菱化学社製)、EX201(a−12):(レゾルシノイロキシメチル)ジオキシラン(ナガセケムテック社製)、EX121(a−3):2−エチルヘキシノイルメチルオキシラン、PL(b−2−1):β−プロピオラクトン、BL(b−2−1):γ−ブチロラクトン、LC(b−2−2):3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、DG(b−2−2):1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、FBL(b−1−1):α−フルオロ−γ−ブチロラクトン、TFBL(b−1−1):α−トリフルオロメチル−γ−ブチロラクトン、FPHBL(b−1−1):2−(4−フルオロフェノキシ)−4−ヒドロキシブタン酸ラクトン、FHUL(b−1−1):10−フルオロ−11−ヒドロキシウンデカン酸ラクトン、TFDG(b−1−2):3,5−ジフルオロ−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、TFLC(b−1−2):3,3,3−トリフルオロ乳酸の環状二量体、4HBA(c−1):アクリル酸4−ヒドロキシブチル、IBOA(c−2):アクリル酸イソボニル、CP110P(D):p-フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムPF6塩、IRG250:IRGACURE250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、DET−X(E):2,4−ジエチルチオキサントン、AO−50(F):ステアリル-β-(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを示す。
Figure 2013213188
Figure 2013213188
[実施例1]
配合例1で得られた光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤を使用して、以下の積層体を作成した。
保護フィルム(1)として、富士フィルム社製の紫外線吸収剤含有ポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「フジタック:80μm」を用い、保護フィルム(2)として、富士フィルムビジネスサプライ社製の紫外線吸収剤を含有しないポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「TAC50μ」(厚み50μm)を使用し、それぞれその表面に300W・min/m2の放電量でコロナ処理を行い、表面処理後1時間以内に、配合例1に示す光重合性接着剤をワイヤーバーコーターを用いて膜厚4μmとなるように塗工し、光重合性接着剤層を形成し、前記光重合性接着剤層との間に上記のポリビニルアルコール系偏光子を挟み、保護フィルム(1)/重合性接着剤層/PVA系偏光子/重合性接着剤層/保護フィルム(2)からなる積層体を得た。
保護フィルム(1)がブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテープで固定し、ブリキ板に固定した。
UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2の紫外線を保護フィルム(2)側から照射して、偏光板を作製した。
[比較例1]
実施例1で光重合性接着剤(配合例1)の代わりに、含フッ素環状エステル化合物(B−1)、及び非フッ素環状エステル化合物(B−2)のいずれも有しない配合例20に示す光重合性接着剤に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[比較例2〜5]
実施例1で光重合性接着剤(配合例1)の代わりに、含フッ素環状エステル化合物(B−1)を有せず、非フッ素環状エステル化合物(B−2)である、β−プロピオラクトン(配合例33−比較例2)、γ−ブチロラクトン(配合例34−比較例3)、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン(配合例35−比較例4)あるいは、1,4−ジオキサン−2,5−ジオン(配合例36−比較例5)に示す光重合性接着剤に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[比較例6]
実施例1で光重合性接着剤(配合例1)の代わりに、オキシラン化合物(A)を使用しない配合例27に示す光重合性接着剤に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[実施例2〜25]
実施例1で光重合性接着剤(配合例1)の代わりに、表1に示すような配合例2〜19、21〜27に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
[実施例26〜28]
実施例1で使用した保護フィルム(2)を、日本ゼオン社製のポリノルボルネン系フィルム(商品名「ゼオノア ZF−14:100μm」)に(実施例26)、三菱レイヨン社製のポリアクリル系フィルム(商品名「HDB−002:50μm」)に(実施例27)、カネカ社製のポリカーボネート系フィルム(商品名「R−140:43μm」)に(実施例28)、それぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を得、同様に評価した。
[実施例29〜31]
実施例1で使用した保護フィルム(1)を、東セロ社製のポリプロピレン系フィルム(商品名「OPU−1:50μm」)に(実施例29)、東セロ社製のポリエチレン系フィルム(商品名「TUX−HZ:50μm」)に(実施例30)、ユニチカ社製のポリエステル系フィルム(商品名「エンブレットS:50μm」)に(実施例31)、それぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を得、同様に評価した。
[実施例32〜35]
実施例1で使用した光重合性接着剤(配合例1)の代わりに、表1に示すような含フッ素環状エステル化合物(B−1)、及び非フッ素環状化合物(B−2)の双方を併用した配合例28〜31に変更した以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製し、同様に評価した。
実施例1〜35、比較例1〜4で得られた積層体(偏光板)について、剥離強度、ゲル分率、打ち抜き加工性、及び耐湿熱性を以下の方法に従って求め、結果を表3に示した。
《剥離強度》
接着力は、JIS K6 854−4 接着剤−剥離接着強さ試験方法−第4部:浮動ローラー法に準拠して測定した。
即ち、得られた偏光板を、25mm×150mmのサイズにカッターを用いて裁断して測定用サンプルとした。サンプルを両面粘着テープ(東洋インキ製造株式会社製DF8712S)を使用して、ラミネータを用いて金属板上に貼り付けて、偏光板と金属板との測定用の積層体を得た。測定用の積層体の偏光板には、保護フィルムと偏光子の間に予め剥離のキッカケを設けておき、この測定用の積層体を23℃、相対湿度50%の条件下で、300mm/分の速度で引き剥がし、剥離力とした。この際、ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルム(1)、及びポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルム(2)との双方の剥離力を測定した。この剥離力を接着力として4段階で評価した。
◎:剥離不可、あるいは偏光板破壊
○:剥離力が2.0(N/25mm)以上〜5.0(N/25mm)未満。
△:剥離力が1.0(N/25mm)以上〜2.0(N/25mm)未満。
×:剥離力が1.0(N/25mm)未満。
《ゲル分率》
コロナ処理を施していない日本ゼオン社製のノルボルネン系フィルム(商品名「ゼオノア ZF−14:100μm」に、配合例1に示す重合性接着剤を、ワイヤーバーコーターを用いて膜厚20〜25μmとなるように塗工し、重合性接着剤層を形成した。さらに重合性接着剤層の上にコロナ処理を施していないゼオノア ZF−14を重ね、3層からなる積層体を得た後、UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2の紫外線を照射し重合性接着剤層を硬化させた。3層からなる積層体のゼオノア ZF−14を剥離し接着剤層を得た。
接着剤層の重量を測定した後(重量1)を金属メッシュと金属メッシュの間に挟み接着剤層同士が重ならないようにし、メチルエチルケトン(MEK)中で3時間還流した。さらに80℃−30分乾燥し、接着剤層の重量を測定した(重量2)。下記式よりゲル分率を求め、3段階評価した。
ゲル分率(%)={1−(重量1−重量2)/重量1)}×100
○:ゲル分率が90%以上
△:ゲル分率が80%以上〜90%未満
×:ゲル分率が80%未満
《打ち抜き加工性》
ダンベル社製の100mm×100mmの刃を用い、作製した偏光板を保護フィルム(1)側から打ち抜いた。
打ち抜いた偏光板の、周辺の剥離距離を定規で測定し、以下の4段階で評価した。
◎:0mm
○:1mm以下
△:1〜3mm
×:3mm以上
《耐熱性》
各実施例、比較例で得られた偏光板を、50mm×40mmの大きさに裁断し、80℃−dry、及び100℃dryの条件下で、それぞれ1000時間暴露した。暴露後偏光板の端部の剥がれの有無を目視にて、以下の3段階で評価をした。
◎:100℃dryの条件下でも剥がれが全く無し。
○:80℃−dry条件下で剥がれが全く無し。
△:80℃−dry条件下で1mm未満の剥がれあり。
×:80℃−dry条件下で1mm以上の剥がれあり。
《耐湿熱性》
各実施例、比較例で得られた偏光板を、50mm×40mmの大きさに裁断し、60℃−90%RHの条件下、及び85℃−85%RHの条件下で1000時間暴露した。暴露後偏光板の端部の剥がれの有無を目視にて、以下の3段階で評価をした。
◎:85℃−85%RHの条件下でも剥がれが全く無し。
○:60℃−90%RHの条件下で剥がれが全く無し。
△:60℃−90%RHの条件下で1mm未満の剥がれあり。
×:60℃−90%RHの条件下で1mm以上の剥がれあり。
Figure 2013213188
[実施例41]
配合例1で得られた光重合性コーティング剤、あるいは光重合性接着剤を使用して、以下の積層体を作成した。
光学フィルム(I)として、富士フィルム社製の紫外線吸収剤含有ポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「フジタック:80μm」を用いた。光学フィルム表面を300W・min/m2の放電量でコロナ処理を行い、表面処理後1時間以内に、配合例1に示す光重合性コーティング剤を、ワイヤーバーコーターを用いて膜厚4μmとなるように塗工し、 易接着性光重合性コーティング剤層を形成した。
光学フィルム(I)がブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテープで、 ブリキ板に固定した。
UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)内を乾燥窒素で置換後、波長365nmの最大照度200mW/cm2、積算光量200mJ/cm2の紫外線を易接着コーティング剤層側から照射して、易接着性光重合性コーティング剤層を有する積層体を作製した。
[比較例7]
実施例41で光重合性コーティング剤(配合例1)の代わりに、含フッ素環状エステル化合物(B−1)、及び非フッ素環状エステル化合物(B−2)のいずれも有しない配合例20に示す光重合性コーティング剤に変更した以外は、実施例41と同様にして易接着性光重合性コーティング剤層を有する積層体を作製した。
[比較例8〜11]
実施例41で光重合性接着剤(配合例1)の代わりに、含フッ素環状エステル化合物(B−1)を有せず、非フッ素環状エステル化合物(B−2)である、β−プロピオラクトン(配合例33−比較例8)、γ−ブチロラクトン(配合例34−比較例9)、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン(配合例35−比較例10)あるいは、1,4−ジオキサン−2,5−ジオン(配合例36−比較例11)に示す光重合性接着剤に変更した以外は、実施例41と同様にして易接着性光重合性コーティング剤層を有する積層体を作製した。
[比較例12]
実施例41で光重合性コーティング剤(配合例1)の代わりに、オキシラン化合物(A)を使用しない配合例27に示す光重合性コーティング剤に変更した以外は、実施例41と同様にして易接着性光重合性コーティング剤層を有する積層体を作製した。
[実施例42〜65]
実施例41で光重合性コーティング剤(配合例1)の代わりに、表1に示すような配合例2〜19、21〜27に変更した以外は、実施例41と同様にして易接着性光重合性コーティング剤層を有する積層体作製した。
[実施例66〜71]
実施例41で使用した光学フィルム(I)を、日本ゼオン社製のポリノルボルネン系フィルム(商品名「ゼオノア ZF−14:100μm」)に(実施例66)、三菱レイヨン社製のポリアクリル系フィルム(商品名「HDB−002:50μm」)に(実施例67)、カネカ社製のポリカーボネート系フィルム(商品名「R−140:43μm」)に(実施例68)、東セロ社製のポリプロピレン系フィルム(商品名「OPU−1:50μm」)に(実施例69)、東セロ社製のポリエチレン系フィルム(商品名「TUX−HZ:50μm」)に(実施例70)、ユニチカ社製のポリエステル系フィルム(商品名「エンブレットS:50μm」)に(実施例71)、それぞれ変更した以外は、実施例41と同様にして易接着性光重合性コーティング剤層を有する積層体を得、同様に評価した。
[実施例72〜75]
実施例1で使用した光重合性コーティング剤(配合例1)の代わりに、表1に示すような配合例28〜31に変更した以外は、実施例41と同様にして易接着性光重合性コーティング剤層を有する積層体を作製し、同様に評価した。
実施例41〜75、比較例7〜12で得られた積層体(易接着性光重合性コーティング剤層を有する積層体)について、密着力、及び耐熱性については以下の方法に従って、ゲル分率については上記記載の方法に従って求め、結果を表4に示した。
《密着力》
実施例41〜75、比較例7〜12で得られた積層体をJIS K5400に従い碁盤目剥離試験を実施した。100マス中の剥離したマス数を4段階評価した。
◎:0マス
○:1〜10マス
△:11〜30マス
×:31マス以上
《耐熱性》
実施例41〜78、比較例5〜8で得られた積層体を、50mm×40mmの大きさに裁断し、80℃−ドライの条件下で1000時間暴露した。暴露後積層体の端部の剥がれの有無を目視にて、以下の3段階で評価をした。
◎ :剥がれが全く無し
○ :1mm未満の剥がれあるが、実用上、問題なし。
△ :1mm以上2mm未満の剥がれあり
× :2mm以上の剥がれあり
Figure 2013213188
本発明の光重合性接着剤は、表3に示すように、実施例1〜10、13〜19、26〜31では、若干粘度が高いが、特に問題無く、耐熱性や耐湿熱性の向上が著しい。オキシラン化合物(A)のうち、全く芳香環を含有しない実施例20〜22は光重合性接着剤の光重合による硬化塗膜が若干柔らかいため、耐湿熱性に難があるが、特に問題は無い。また、芳香環を含まず、かつ、三員環状のオキシラン環が一つしか有しない実施例24は、ゲル分率、打ち抜き加工性、及び耐湿熱性に難があるが、特に問題は無い。また、実施例28〜32は、含フッ素環状化合物(B−1)のうち、一部環状化合物(B−2)に、置き換えているため、耐熱性や耐湿熱性に難があるが、特に問題は無い。
このように、いずれの実施例でも、粘度が1500mPa・s以下であり、接着力、打ち抜き加工性、耐熱性、耐湿熱性に優れた偏光板を形成することがわかる。
これに対して、含フッ素環状エステル化合物(B−1)、及び非フッ素環状エステル化合物(B−2)を含有しない比較例1や非フッ素フッ素環状エステル化合物(B−2)を有していても、含フッ素環状化合物(B−1)を有しない比較例2〜5では、ゲル分率が低く、F原子を有する置換基を有しないため、打ち抜き加工性、耐熱性、耐湿熱性に劣ることがわかる。また、比較例6では、オキシラン化合物(A)を有しないため、光硬化性が不十分となり、接着力、ゲル分率、打ち抜き加工性及び耐熱性、耐湿熱性のいずれも劣ることがわかる。
一方、本発明の光重合性コーティング剤は、表4に示すように、実施例41〜50、53〜59、66〜71では、若干粘度が高いが、光重合性接着剤として使用した場合と同様に、耐熱性や耐湿熱性の向上が著しく、特に問題無い。オキシラン化合物(A)のうち、全く芳香環を含有しない実施例60〜62は光重合性コーティング剤の光重合による硬化塗膜が若干柔らかいため、耐熱性に難があるが、光重合性接着剤として使用した場合と同様、特に問題は無い。また、芳香環を含まず、かつ、三員環状のオキシラン環が一つしか有しない実施例64は、密着性、ゲル分率、及び耐熱性に難があるが、光重合性接着剤として使用した場合と同様、特に問題は無い。また、実施例72〜75は、含フッ素環状化合物(B−1)のうち、一部、 非フッ素環状エステル化合物(B−2)に、置き換えているため、耐熱性や耐湿熱性に難があるが、特に問題は無い。
このように、いずれの実施例でも、密着力、や耐熱性に優れた光重合性コーティング剤層を有する積層体を形成することがわかる。
これに対して、含フッ素環状エステル化合物(B−1)、及び非フッ素環状エステル化合物(B−2)の双方を含有しない比較例7や非フッ素環状エステル化合物(B−2)を有していても、含フッ素環状化合物(B−1)を有しない比較例8〜11では、F原子を有する置換基を有しないため、密着性、及び耐熱性は劣ることがわかる。また、比較例12では、オキシラン化合物(A)を有しないため、光重合性に伴う硬化性が不十分となり、密着性、ゲル分率、及び耐熱性のいずれも劣ることがわかる。

Claims (15)

  1. オキシラン化合物(A)を主成分とし、さらにF原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換されている、含フッ素環状エステル化合物(B−1)を含有する、実質的に有機溶剤を含有しないことを特徴とする光重合性オキシラン系樹脂組成物。
  2. 前記オキシラン化合物(A)100重量部に対して、F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換されている、含フッ素環状エステル化合物(B−1)を0.5〜60重量部含有することを特徴とする請求項1記載の光重合性オキシラン系樹脂組成物。
  3. F原子を有する置換基で少なくとも1つ以上置換されている、含フッ素環状エステル化合物(B−1)が、ラクトン環であることを特徴とする請求項1ないし2記載の光重合性オキシラン系樹脂組成物。
  4. さらに、F原子を有する置換基を有しない非フッ素環状エステル化合物(B−2)を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の光重合性オキシラン系樹脂組成物。
  5. オキシラン化合物(A)が、芳香環を有する化合物(a−1)を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の光重合性オキシラン系樹脂組成物。
  6. オキシラン化合物(A)が、三員環状のオキシラン環を二個以上有する化合物(a−2)を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の光重合性オキシラン系樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の光重合性オキシラン系樹脂組成物に光重合開始剤(D)を含有することを特徴とする光重合性コーティング剤。
  8. 請求項1〜6のいずれか記載の光重合性オキシラン系樹脂組成物に光重合開始剤(D)を含有することを特徴とする光重合性接着剤。
  9. 光重合開始剤(D)が、光照射によって酸性活性種を発生するA+-で表される塩であって、この陽イオンA+が、芳香族ヨードニウムイオンおよび芳香族スルホニウムイオンからなる群より選ばれる請求項7記載の光重合性コーティング剤。
  10. 光重合開始剤(D)が、光照射によって酸性活性種を発生するA+-で表される塩であって、この陽イオンA+が、芳香族ヨードニウムイオンおよび芳香族スルホニウムイオンからなる群より選ばれる請求項8記載の光重合性接着剤。
  11. 請求項1〜6いずれか記載の光重合性オキシラン系樹脂組成物、および/または請求項7に記載の光重合性コーティング剤組成物、および/または請求項8に記載の光重合性接着剤からなる層を、基材(G)の片面、または両面に積層してなることを特徴とする積層体。
  12. 基材(G)が透明フィルム(H)であることを特徴とする請求項11記載の積層体。
  13. 透明フィルム(H)が光学フィルム(I)であることを特徴とする請求項12記載の積層体。
  14. 光学フィルム(I)が、ポリアセチルセルロース系フィルム、ポリノルボルネン系フィルム,ポリアクリル系フィルム,ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリイミド系フィルムまたはポリビニルアルコール系フィルムであることを特徴とする請求項13記載の積層体。
  15. 請求項11〜14いずれかに記載の積層体を、ポリビニルアルコール系偏光子の片面または両面に接着してなることを特徴とする偏光板。
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