JP2013212659A - 印刷装置、印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷物の画質を高い水準に維持する印刷装置、及び印刷方法を提供する。
【解決手段】 複数色のカラーインクのノズル列と、黒インクのノズル列とを有し、前記カラーインクのノズル列と前記黒インクのノズル列とは、媒体の搬送方向と直交方向に並設し、前記カラーインクのノズル列は、色毎に媒体の搬送方向に並べて割り当てられた印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを前記媒体の搬送方向と直交方向に走査させるヘッド駆動部と、を有し、前記印刷ヘッドは、黒ドットが重ねて記録されるよう、前記黒インクのノズル列における前記各色のカラーインクのノズルに併設する各ノズルで分割してドットを記録する。
【選択図】図6
【解決手段】 複数色のカラーインクのノズル列と、黒インクのノズル列とを有し、前記カラーインクのノズル列と前記黒インクのノズル列とは、媒体の搬送方向と直交方向に並設し、前記カラーインクのノズル列は、色毎に媒体の搬送方向に並べて割り当てられた印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを前記媒体の搬送方向と直交方向に走査させるヘッド駆動部と、を有し、前記印刷ヘッドは、黒ドットが重ねて記録されるよう、前記黒インクのノズル列における前記各色のカラーインクのノズルに併設する各ノズルで分割してドットを記録する。
【選択図】図6
Description
本発明は、カラーインクとブラックインクとを用いて印刷を行う印刷装置、及び印刷方法に関する。
従来、印刷装置では、印刷ヘッドの移動に合わせてノズルからインクを吐出することで、印刷画像におけるドットを形成している。また、カラーインクを吐出するカラーインクのノズル列と、黒インクを吐出する黒インクのノズル列とを用紙の搬送方向に並設した印刷ヘッドを備える印刷装置が知られている。このような印刷装置では、媒体の送り量に応じた数のカラーインクのノズルと、黒インクのノズル列とが、所定幅のドット列を一度に形成することができる(例えば、特許文献1、2参照)。
ドットの記録は、媒体に着弾したインクがこの媒体に浸透して定着することで行われる。また、インクが定着するのに要する時間は、インクの特性、用紙の種別、更には単位当たりのインクの打ち込み量によっても左右される。そのため、ドット列を縦型配列としている印刷装置においては、走査当たりのインクの吐出量が多くなるため、インクが定着する前に、他のインクと混ざり合うなどして、ドットが正しく形成されない場合があった。特に、濃度が高いインクを定着させる場合において、ドットが正しく定着しないとドット不良が目に付きやすいため、印刷画像の画質低下が憂慮された。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、印刷物の画質を高い水準に維持する印刷装置、及び印刷方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、複数色のカラーインクのノズル列と、黒インクのノズル列とを有し、前記カラーインクのノズル列と前記黒インクのノズル列とは、媒体の搬送方向と直交方向に並設し、前記カラーインクのノズル列は、色毎に媒体の搬送方向に並べて割り当てられた印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドを前記媒体の搬送方向と直交方向に走査させるヘッド駆動部と、を有し、前記印刷ヘッドは、黒ドットが重ねて記録されるよう、前記黒インクのノズル列における前記各色のカラーインクのノズルに併設する各ノズルで分割してドットを記録する。
上記のように構成された発明では、各ノズル列を縦型配列する印刷ヘッドにおいて、黒ドットが重ねて記録されるよう、黒インクのノズル列における各色のカラーインクのノズルに併設する各ノズルで分割してドットを記録する。
その結果、一度に全てのドットを記録する場合に比べて、ドットを分割して記録することで、各ドットの定着時間を保持することができる。また、1度に着弾するインクの量を少なくすることができるため、定着時間を短くすることができる。
その結果、一度に全てのドットを記録する場合に比べて、ドットを分割して記録することで、各ドットの定着時間を保持することができる。また、1度に着弾するインクの量を少なくすることができるため、定着時間を短くすることができる。
1.第1の実施形態:
以下、この発明に係る印刷装置を説明する。
以下、この発明に係る印刷装置を説明する。
図1は、本発明にかかる印刷装置を説明するブロック構成図である。図2は、本発明にかかる印刷装置を説明するブロック構成図である。
図1では、プリンター1と、パーソナルコンピューター10とが、ネットワーク又はケーブルを介して接続され、全体で広義の印刷装置として機能する。
図1では、プリンター1と、パーソナルコンピューター10とが、ネットワーク又はケーブルを介して接続され、全体で広義の印刷装置として機能する。
パーソナルコンピューター(以下、PCとも記載する)10は、CPU(Central Processing Unit)11や、HDD(Hard Disk Drive)12、RAM(Random Access Memory)13、出力I/F14、を備えて構成されている。また、各部は、バス15を介して接続されており、CPU11の統合的な制御のもと駆動を行う。さらに、PC10は、プリンター1と、出力I/F14を介して接続されており、出力I/F14を通じて、各種データーをプリンター1に出力することができる。
CPU11は、オペレーティングシステムの稼働のもと、HDD12に記録されたアプリケーションプログラム12aや、ドライバープログラム12bを実行する。アプリケーションプログラム12aは、CPU11に対して各種アプリケーションの機能を実現させる。その一例として、アプリケーションプログラム12aは、CPU11に、ユーザーの操作入力に応じて、画像データーを生成させる。
ドライバープログラム12bは、CPU11に印刷を制御するための印刷用データーを生成させる。印刷用データーは、画像データーをもとに作成されたラスターデーター(後述)や、プリンター1に印刷処理を実行させるための制御コマンドを含んで構成されている。そのため、CPU11は、ドライバープログラム12bの機能により、印刷用データーを生成するための、色変換モジュールM1、ハーフトーニングモジュールM2、インターレースモジュールM3として機能する。
ここで、色変換モジュールM1は、アプリケーションを用いて生成された画像データーをインクの使用量を示すインク量データーに変換する。
また、ハーフトーニングモジュールM2は、インク量データーを2値化しドットデーターに変換する。
そして、インターレースモジュールM3は、ドットデーターを構成する配列データーをプリンター1の1主走査で出力されるインク量に応じたラスターデーターに変換する。ラスターデーターは、1回の紙送りにより記録されるデーターである。
ここで、色変換モジュールM1は、アプリケーションを用いて生成された画像データーをインクの使用量を示すインク量データーに変換する。
また、ハーフトーニングモジュールM2は、インク量データーを2値化しドットデーターに変換する。
そして、インターレースモジュールM3は、ドットデーターを構成する配列データーをプリンター1の1主走査で出力されるインク量に応じたラスターデーターに変換する。ラスターデーターは、1回の紙送りにより記録されるデーターである。
図2に示すように、プリンター1は、PC10と入力インターフェイス(I/F)2を介して接続されている。また、入力I/F2は、バス3に接続され、同バス3にはさらにメインコントローラー4、ヘッドコントローラー5と、キャリッジ6と、紙送り機構7と、印刷ヘッド8とが接続されている。
メインコントローラー4は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成され、演算部としてのCPUや、内部メモリーとしてのRAMを備えている。メインコントローラー4は、入力I/F2を通じてPC10から印刷用データーを受信すると、この印刷用データーをもとに、各部を駆動させて、印刷処理を制御する。
ヘッドコントローラー5は、カラーインクであるCMY用コントローラー部5aと黒インクであるBk用コントローラー部5bとが備えられている。そして、カラーインクのノズル列と黒インクのノズル列とを備える印刷ヘッド8が、当該ヘッドコントローラー5に接続され、カラーインクのノズル列はCMY用コントローラー部5aに制御され、黒インクのノズル列はBk用コントローラー部5bに制御されるようになっている。
図3は、印刷ヘッド8の各ノズル列の配置を説明するイメージ図である。図3において、左側がカラーインクのノズル列であり、右側が黒インクのノズル列である。また、番号を付したノズルの配列方向が、用紙が搬送される方向(以下、副走査方向とも記載する。)となる。そして、カラーインクのノズル列とブラックインクのノズル列とが並設する方向は、副走査方向に直交する方向(以下、主走査方向とも記載する。)となる。
カラーインクのノズル列は、C(シアン)インクを吐出するC列と、M(マゼンダ)インクを吐出するM列、Y(イエロー)を吐出するY列とで構成されている。具体的には、図中上方側から、先端、中央、最後尾の3つの領域にそれぞれYMCの順に割り当てられている。また、各色のノズル列は、M個のノズルにより構成され、C列、M列、Y列の各ノズル列を構成している。
Bkインクのノズル列は、カラーインクのノズル列と主走査方向で並設されている。本実施形態では、Bkインクのノズル列は、カラーインクのノズルの総数(即ち、N×M=3M)と同じ数のノズルにより構成されている。なお、図では、Bkインクのノズルとカラーインクのノズルとは、主走査方向において同じ位置に併設されているが、これに限定されない。例えば、Bkインクのノズルとカラーインクのノズルとが、副走査方向に所定距離だけずれて配置されるもの(いわゆる千鳥状)であってもよい。
また、Bkインクのノズルは、配列位置に応じてグループを形成する。本来、カラーインクのノズル列については、それぞれ異なる色のカラーインクが割り当てられているので、Y列、M列、C列となり、黒インクが割り当てられた一列は単なるBk列となる。しかし、印刷制御を容易にするため、Bk列についても各色のカラーインクに相当させてBk1列、Bk2列、Bk3列とグループ分けする。
このように、上記カラーインクが三色であるときに、上記Bkインクのノズル列をそれぞれの色(C、M、Y)のノズル列に隣接する3つの領域に分割してグループ分けし、後述するように各領域に印刷を行わせる。
このように、上記カラーインクが三色であるときに、上記Bkインクのノズル列をそれぞれの色(C、M、Y)のノズル列に隣接する3つの領域に分割してグループ分けし、後述するように各領域に印刷を行わせる。
そして、キャリッジ(ヘッド駆動部)6は、印刷ヘッド8を、主走査方向に往復移動させる機構である。キャリッジ6は、印刷ヘッド8に固定されており、図示しないキャリッジモーターの駆動に応じて、印刷ヘッド8を往路方向又は復路方向に移動させる。ここで、プリンター1は、印刷ヘッド8の移動経路(往路、復路)において、それぞれインクを吐出する往復路印刷を行う。そして、この往路、復路において、それぞれ上記した各グループに属するインク列が使用され、インクの記録を行う。
紙送り機構7は、用紙を所定距離毎に搬送する。紙送り機構7は、搬送ローラーや、この搬送ローラーを駆動させるペーパーフィードモーターを備えた機構であり、プリンター1内部の搬送経路に設置されている。また、本実施形態では、紙送り機構7は、1回の紙送りで、用紙をカラーインクのノズル列と同じ距離だけ搬送する。即ち、C、M、Yの各ノズル列がMノズルで構成されている場合、紙送り機構7は用紙をMドット毎に搬送する。
図4は、プリンター1により印刷される印刷画像を説明する図である。また、図5は、印刷ヘッド8の走査と、ドットが記録される領域との関係を説明する図である。そして、図6は、Bkドットの記録方法を説明する図である。また、図7は、本発明のBkドットの記録方法を説明する図である。図5では、説明を簡易にするために、用紙における記録領域を色毎に4つに区切り、各領域に記録される色毎のデーターをDCi、DMi、DYi、DBki(i:1〜4)とする。
図4では、用紙は図面上で上方に紙送り機構7によって搬送されるため、相対的に印刷ヘッド8が徐々に下がっていくようなイメージで示している。印刷ヘッド8はキャリッジ6によって主走査方向に沿って往復動され、それぞれの一回の走査が往路又は復路となる。また、用紙は、同図に示すように、各色のノズル列の長さに相当する分だけ搬送される。すなわち、一回の往路または復路の走査に対して上記カラーインクのノズル列における色ごとのノズル列の長さに相当する用紙送りが行われている。図面上で、左から往路、復路、往路、復路、往路、復路と記載しているものは便宜上、1パス、2パス、3パス、4パス、5パス、6パス・・Kパスというように呼ぶ。
上記のように、印刷ヘッド8を往復動作させてインクを記録していく場合、往路と復路とでは、形成されるドットのカラードット(C、M、Y)とBkドットの記録順序が異なることとなる。即ち、カラーノズル列とBkノズル列とが主走査方向に併設しているため、往路では、Bkドット、カラードットの記録順序となり、復路では、カラードット、Bkドットの記録順序となる。
また、図6において、Bk3列のみでBkドットを記録する場合、媒体に対して、1回の走査でMドット幅のドットを定着させることとなる。このような場合、Bkインクが用紙に正しく定着せず、ドット形状の劣化等を生じさせる場合がある。ここで、インクの濃度は、単位面積当たりに打ち込まれるドットの数に比例するため、Bkインクを高濃度化した場合、用紙に記録されるドットの数も多くなる。その結果、各ドットの定着時間を確保できず、ドット形状の劣化が顕著になる場合があった。
そのため、本発明では、図7に示すように、Bkドットを用紙に記録する際、Bkインクのノズル列を構成するBk3列、Bk2列、Bk1列でドットを分割して記録する。また、各ドットを重ねて記録することで、1走査当たりのインクの着弾量を少なくし、ドットの定着時間を確保する構成としている。
具体的には、図4を参照すると、第1パスでは印刷領域に入っているのはC列と、Bk3列だけである。そして、図5では、DC1と、DBk1をもとにドットが記録されていることを示している。カラードットを記録するためのDC1をC列が印刷するのは当然であるが、DBk1の記録についてはBk1列、Bk2列、Bk3列のいずれが使用されるのかを示している。ここでは1パスめのBk1はBk3列が使用されるが、全てのドットをBk3列により記録するのではなく、所定ドットのみをBk3列で記録している。
第2パスは復路であるが、この第2パスでは、印刷領域に入っているのはC列、M列、Bk2列、Bk3列である。そして、カラーインクについてはDC1は印刷済みであるため、DC2をC列で印刷し、DM1をM列で印刷する。
一方の黒インクについては、Bk3列が、DBk2を記録する。このときも、全てのドットをBk3列により記録しない。一方、Bk2列においては、所定のノズルを使用して、DBk1の内、Bk3列で記録されたドットの記録位置に重ねてドットを記録する。
一方の黒インクについては、Bk3列が、DBk2を記録する。このときも、全てのドットをBk3列により記録しない。一方、Bk2列においては、所定のノズルを使用して、DBk1の内、Bk3列で記録されたドットの記録位置に重ねてドットを記録する。
そして、第3パスは往路であるが、この第3パスでは、印刷領域に入っているのはC列、M列、Y列、Bk2列、Bk3列、Bk1列である。そして、カラーインクについてはDC3をC列で記録し、DM2をM列で記録し、DY1をY列で記録する。
一方の黒インクについては、Bk3列においては、DBk3を記録する。また、Bk2列においては、DBk2を記録する。そして、Bk1列においては、所定ノズルを使用して、DBk1の内、Bk3列又はBk2列のいずれかでドットが記録された位置に重ねてドットを記録する。
一方の黒インクについては、Bk3列においては、DBk3を記録する。また、Bk2列においては、DBk2を記録する。そして、Bk1列においては、所定ノズルを使用して、DBk1の内、Bk3列又はBk2列のいずれかでドットが記録された位置に重ねてドットを記録する。
即ち、DBk1は、印刷ヘッド8の3回の走査(往路、復路、往路)により、対象ドットが重ねて記録されることとなる。このような構成とすることで、ある濃度のドットを記録する際に、Bk3列、Bk2列、BK1列の各ノズルでドットを重ねて記録することで、ドット形状を保つことができる。即ち、1度に多くのドットを記録する場合に比べて、ドットを分割して記録することで、各ドットの定着に要する時間を確保することができる。
また、ドットを重ね合わせる回数を変化させることで、単位面積当たりのドット密度を変化させることができるため、結果として印刷画像の濃度を制御することができる。例えば、3回の走査のいずれでもドットを同じ位置に打ち込む場合と、3回の走査のいずれか2回でドットを同じ位置に打ち込む場合とは、ドット密度が変化するため、印刷画像の濃度を制御することとなる。
次に、このような印刷装置における実施例を説明する。
図8は、印刷装置の一実施例を説明するフローチャートである。また、図9は、Bkのラスターデーターの生成を説明する図である。
図8は、印刷装置の一実施例を説明するフローチャートである。また、図9は、Bkのラスターデーターの生成を説明する図である。
この実施例では、印刷データーとしてカラー画像に加えてBkのベタ画像を記録する場合を例に説明を行う。また、図8に示す印刷処理は、PC10で実行されるアプリケーション上で、印刷コマンドを発行することで開始される。
ステップS1では、PC10の色変換モジュールM1は、印刷用データーに含まれる画像データーのR、G、Bの色成分値をC、M、Y、Kの各色成分値からなるインク量データーに変換する。色変換モジュールM1は、R、G、Bの色成分値と、C、M、Y、Kの色成分値との対応関係を記録する色変換LUTを用いて、色変換処理を行なう。
ステップS2では、PC10のハーフトーニングモジュールM2は、インク量データーを2値化し、各ノズルでの液滴の吐出のオン・オフに対応させたドットデーターに変換する。ドットデーターは、画像データーの解像度に応じてドットのオン・オフを示すデーター(例えば、「1」、「0」)が縦横に配列して構成されるデーターである。ハーフトーニング処理後は、ノズル密度に合致したCMYKの4面のプレーンのドットデーターが生成される。
ステップS3では、インターレースモジュールM3は、印刷ヘッド8のカラーインクのノズルを駆動させるのに必要なラスターデーターを生成する。本実施例では説明を容易にするため、印刷ヘッド8は、各カラーノズル列を構成する8個のノズルを使用してインクを記録するものとする。そのため、インターレースモジュールM3は、ドットデーターから、8配列分のラスターデーターを取得する。また、カラードットのラスターデーターは、C、M、Yの色毎に生成される。
ステップS4では、インターレースモジュールM3は、Bkインクの濃度を検出し、インク濃度が閾値以上である場合、ステップS5に進む。ここで、インク濃度とは、画像データーで指定された階調値を再現するために使用されるインク量を意味する。一方、インターレースモジュールM3は、インク濃度が閾値以下である場合、ステップS6に進む。インターレースモジュールM3がインク濃度を判断する手法の一例として、ステップS1で取得されたインク量データーのK(ブラック)の色成分値(階調値)から判断してもよいし、ハーフトーニング処理後のドットの分散度合いから判断してもよい。
インク濃度が閾値以下である場合(ステップS4:NO)、インターレースモジュールM3は、Bk3列、Bk2列、BK1列のいずれかを用いて1度の走査で所定数のドットを記録する。即ち、インク濃度が低い場合、ドット密度が低く、ドットを分散して記録するまでもないからである。そのため、ステップS6では、印刷ヘッド8の所定Bk列のノズルを駆動させるために必要なラスターデーを生成する。このステップにおいては、Bkインクの重ね打ちが行われないため、例えば、Bk3列のみでBkドットを記録する。そのため、インターレースモジュールM3は、Bk3列用のラスターデーターを生成する。また、ラスターデーターが規定するドット数は、ドットデーターにより指定されたものとなる。
一方、インク濃度が閾値以上である場合(ステップS4:YES)、インターレースモジュールM3は、Bk3列、Bk2列、BK1列で分割してドットを記録する。そのため、ステップS5では、インターレースモジュールM3は、Bk3列、Bk2列、Bk1列が記録するドットの配置に応じて、ラスターデーターを生成する。
図9では、3分割されたラスターデーターによりドットを2回重ねて記録する場合を例に説明を行う。例えば、図9(a)において、主走査方向にj配列し、副走査方向にk(図ではk=8)だけ配列したデーターを例に説明する。そして、各データーを用いてドットを記録するBkインクのノズル列、Bk3列、Bk2列、Bk1列を、それぞれ「3」、「2」、「1」として示す。また、Bk3列、Bk2列、Bk1列がそれぞれ同じ位置にドットを記録した場合を「3.2」、「3.1」、「2.1」とも記載する。
各列で3分割しつつドットを2回重ねて記録する場合、少なくとも、Bk3列、Bk2、Bk1列のノズルの内、グループ内の配列順序が同じノズルで2回記録を行う必要がある。また、あるインク濃度に応じたドット数を、2分割して記録するため、各列用のラスターデーターは、指定ドット数が1/2ずつになる。図9(a)では、データーの内、8列、5列、2列が、Bk3列とBK2列により重ねて記録されるデーターである。また、5列、3列がBk3列とBK1列により重ねて記録されるデーターである。更に、7列、4列、1列が、Bk2列とBk1列で重ねて記録されるデーターである。
インターレースモジュールM3がラスターデーターを生成する一例として、マスク処理により、Bk3列、Bk2列、Bk1列用のラスターデーターを生成する。即ち、インターレースモジュールM3は、図8(b)に示すように、ドットデーターから切り出されたj×kのデーターの内、Bk3列用のマスクを用いてBk3列で記録されるラスターデーターを抽出する。同様に、インターレースモジュールM3は、図8(c)、図8(d)に示すように、該当マスクを用いて、Bk2列、Bk1のそれぞれのノズルで記録されるラスターデーターを抽出する。これら抽出されたBk3列、B2列、Bk1列用のラスターデーターは、印刷ヘッド8の使用ノズルのタイミングに応じて並び換えられる。
ステップS7では、CPU11は、ラスターデーターを圧縮すると、PC10の出力I/F14を通じて、印刷用データーとしてプリンター1に供給する。
ステップS8では、プリンター1のメインコントローラー4は、PC10から圧縮された印刷用データーを受信し、この印刷用データーの圧縮を解除する。
ステップS9では、メインコントローラー4は、C、M、Yの各ラスターデーターを、CMY用コントローラー部5aに出力し、Bkのラスターデーターを、Bk用コントローラー部5bに出力する。
そのため、CMY用コントローラー部5aは、各色のラスターデーターをもとにノズルを駆動するためのCMY用駆動信号を生成し、各色のノズル列を駆動する。カラーノズル用のラスターデーターは、同一色の8配列分が1度に供給されるため、CMY用コントローラー部5aは、ラスターデーターにより指定された該当カラーに対応するカラーノズルを駆動することで、一度の走査で8ドット列を記録していく。
そのため、CMY用コントローラー部5aは、各色のラスターデーターをもとにノズルを駆動するためのCMY用駆動信号を生成し、各色のノズル列を駆動する。カラーノズル用のラスターデーターは、同一色の8配列分が1度に供給されるため、CMY用コントローラー部5aは、ラスターデーターにより指定された該当カラーに対応するカラーノズルを駆動することで、一度の走査で8ドット列を記録していく。
一方、インク濃度が閾値以上である場合、Bk用コントローラー部5bは、図9に示す列毎のラスターデーターをもとにノズル列を駆動するためのBk用駆動信号を生成し、Bkインクのノズルを駆動する。
以下、図7を参照して、各走査でドットがどのように形成されるかを説明する。
まず、第1パスでは、印刷ヘッド8の往路方向への移動に合わせて、Cインクの第8−1ドット列の記録と、Bk3列を用いた、Bkの8列、6列、5列、3列、2列の各ドットが記録される。次に、第2パスで、印刷ヘッド8の復路方向への移動に合わせて、Mインクの第8−1ドット列の記録と、Bk2列を用いた、データー8列、7列、5列、4列、2列、1列の各ドットが記録される。そして、第3パスで、印刷ヘッド8の往路方向への移動に合わせて、Yインクの第8−1ドット列の記録と、Bk1列を用いた、データー2列、3列、5列、6列、8列のドットの記録が行われる。
まず、第1パスでは、印刷ヘッド8の往路方向への移動に合わせて、Cインクの第8−1ドット列の記録と、Bk3列を用いた、Bkの8列、6列、5列、3列、2列の各ドットが記録される。次に、第2パスで、印刷ヘッド8の復路方向への移動に合わせて、Mインクの第8−1ドット列の記録と、Bk2列を用いた、データー8列、7列、5列、4列、2列、1列の各ドットが記録される。そして、第3パスで、印刷ヘッド8の往路方向への移動に合わせて、Yインクの第8−1ドット列の記録と、Bk1列を用いた、データー2列、3列、5列、6列、8列のドットの記録が行われる。
そのため、カラーインクは、1回の走査により8ドット幅が記録される。一方、Bkインクは、3回の走査により8ドット幅が記録されるが、このとき、ある領域においてドットが重ねて記録される領域が生じる。そのため、Bkドットの濃度を高くする場合でも、ドットを分散させて記録することができ、各ドットが媒体に定着する時間を確保することができる。その結果、画質を高水準に保つことができる。
さらに、Bkドットを往復走査により重ね合わせる構成とすれば、カラードットとBkドットの記録順序が、所定ドット毎に変化するため、ドットの印字ムラを見え難くすることができる。即ち、印刷ヘッド8の往路、復路でそれぞれ所定ドット幅の記録が行われるため、カラードットとBkドットの記録順序が所定ドット毎に変化する。その結果、印字ムラを見え難くすることができる。
2.その他の実施例
Bk3列、Bk2列、Bk1列の各ラスターデーターを生成するタイミングは、プリンター1により実施するものであってもよい。この場合、まず、PC10がドットデーターから所定ドット数のデーターをプリンター1に送信する。そして、プリンター1のメインコントローラー4は、インターレースモジュールM3と同様の手法によりラスターデーターを生成する。上記構成とすることで、プリンター1は、PC10から供給されるどの様な印刷データーに対しても本発明を適用することが可能となる。
Bk3列、Bk2列、Bk1列の各ラスターデーターを生成するタイミングは、プリンター1により実施するものであってもよい。この場合、まず、PC10がドットデーターから所定ドット数のデーターをプリンター1に送信する。そして、プリンター1のメインコントローラー4は、インターレースモジュールM3と同様の手法によりラスターデーターを生成する。上記構成とすることで、プリンター1は、PC10から供給されるどの様な印刷データーに対しても本発明を適用することが可能となる。
また、印刷装置をプリンター1とPC10により構成することは一例であり、プリンター1単体により印刷装置を実現するものであってもよい。
そして、Bkインクのノズル列をカラーインクの色数Nに応じてN分割して使用することは一例であり、印刷画像における印字ムラが目立たない範囲で使用ノズルは適宜変更可能である。
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。即ち、上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、は本発明の一実施例として開示されるものである。
1…プリンター、2…入力I/F、3…バス、4…メインコントローラー、5…ヘッドコントローラー、5a…CMY用コントローラー部、5b…Bk用コントローラー部、6…キャリッジ、7…紙送り機構、8…印刷ヘッド、10…パーソナルコンピューター、11…CPU、12…HDD、12a…アプリケーションプログラム、12b…ドライバープログラム、13…RAM、14…出力I/F、M1…色変換モジュール、M2…ハーフトーニングモジュール、M3…インターレースモジュール
Claims (6)
- 複数色のカラーインクのノズル列と、黒インクのノズル列とを有し、前記カラーインクのノズル列と前記黒インクのノズル列とは、媒体の搬送方向と直交方向に並設し、前記カラーインクのノズル列は、色毎に媒体の搬送方向に並べて割り当てられた印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドを前記媒体の搬送方向と直交方向に走査させるヘッド駆動部と、を有し、
前記印刷ヘッドは、黒ドットが重ねて記録されるよう、前記黒インクのノズル列における前記各色のカラーインクのノズルに併設する各ノズルで分割してドットを記録する、印刷装置。 - 前記印刷ヘッドは、前記黒インクの濃度に応じて、前記ドットを重ねる回数を変化させる、請求項1に記載の印刷装置。
- 前記ヘッド駆動部は、前記印刷ヘッドを、往復走査させ、
前記印刷ヘッドは、往路及び復路でドットを記録する、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の印刷装置。 - 前記カラーインクの色数をNとした場合に、
前記各カラーインクのノズル列は、それぞれM個のノズルにより構成され、
前記黒インクのノズル列は、N×M個のノズルにより構成される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記媒体の搬送距離は、前記各カラーインクのノズル列におけるノズル数毎である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 複数色のカラーインクのノズル列と、黒インクのノズル列とを有し、前記カラーインクのノズル列と前記黒インクのノズル列は、媒体の搬送方向と直交方向に並設され、前記カラーインクのノズル列は、色毎に媒体の搬送方向に並べて割り当てられた印刷ヘッドを備えた印刷装置を用いた印刷方法であって、
前記印刷ヘッドを、前記媒体の搬送方向と直交方向に走査し、更に、
黒ドットが重ねて記録されるよう、前記黒インクのノズル列における前記各色のカラーインクのノズルに併設する各ノズルで分割してドットを記録する印刷方法。
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JP2016203389A (ja) * | 2015-04-15 | 2016-12-08 | ブラザー工業株式会社 | 印刷データ作成装置及び印刷データ作成プログラム |
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