JP2013212495A - 水溶性高分子を用いた金属イオン汚染水の浄化技術 - Google Patents

水溶性高分子を用いた金属イオン汚染水の浄化技術 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で簡便な金属の浄化技術を提供する。
【解決手段】金属イオンを含む水溶液に水溶性高分子を混和させ混合溶液を作製する混合溶液作製工程と、金属が水溶性高分子と包接錯体を形成する範囲のpHに混合溶液のpHを調整するpH調整混合溶液作製工程と、pH調整混合溶液に無機塩を加えて沈殿を形成する沈殿形成工程と、沈殿を除去することにより水溶液から金属を除去する工程とを含み、さらに前記混合溶液作製工程において有機配位子を混和させる工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は,安価で簡便な金属イオン汚染水の浄化技術に関する。さらに詳しくは,金属イオンが水溶性高分子と包接錯体を形成する性質を利用して,水溶液から金属イオンを除去する金属イオン除去方法に関する。
近年,科学技術の発展に伴い,種々の製品開発が行われている。この開発された製品を生産又は破棄するための工業プロセスでは,様々な化学薬品を使用する事が必然となっている。この化学薬品の使用の結果,多くの環境汚染が問題として取り上げられてきた。これらの環境汚染の中でも重金属は,過去の環境汚染問題の原因であったことが明らかとなっている。また,現代においても,発展途上国などで環境汚染の要因として,重金属による環境汚染問題は世界的な広がりを続けている。
日本における重金属による環境汚染問題の例として,いわゆる四大公害の一つである水俣病とイタイイタイ病が挙げられる。水俣病は工場排水中の有機水銀が要因となったものであり,イタイイタイ病についても鉱山から滲出したカドミウムが要因となったものである。これらの環境汚染問題を受け,1970年には排水を規制する「水質汚濁防止法」が施行されることとなった。これにより,工場及び事業場などの特定施設から公共用水域に排出される排水について,銅や水銀,カドミウムなどの有害物質を含む排水量の規制,及び有害物質の含有量の規制が行われるようになった。
このように,重金属は環境及び人体に害を及ぼす原因物質となりうるものではあるが,現代の工業には必要不可欠な物質であるのも事実である。そのため,重金属の代替物質への転換や,重金属による汚染後の浄化技術の発展が必要となっている。
また,金属による汚染の別の例として,福島第一原子力発電所の事故が挙げられる。
福島第一原子力発電所の事故では,放射能汚染水の処理が問題となっており,放射能汚染水に含まれる放射性セシウムの問題が顕在化している。放射性セシウムは,反応性が高く,内部被曝の原因となりうる有害物質であり,その半減期は30.1年と比較的長い。放射性セシウムの除去方法の例として,ゼオライト等の金属捕捉剤による除去方法が挙げられる。しかしながら,捕捉吸着後の放射性セシウムの回収が難しいなど,課題も多い。このことから,除去ならびに回収ともに容易な放射性セシウムの浄化方法が求められている。
重金属の浄化技術には,硫化物沈殿法,水浄化,水酸化物沈殿法,採掘除去法,金属捕捉剤の利用などがある(非特許文献1,2)。これらの技術のうち,現在,広く用いられている重金属の浄化技術は,硫化物沈殿法と水酸化物沈殿法である。
硫化物沈殿法は,汚染水に硫化水素を吹き込むことで重金属を硫化物として沈殿させ,この沈殿物を除去することにより,汚染水からの重金属の分離を可能とする技術である。硫化物沈殿法は,硫化物の溶解度積が低いため金属イオン濃度を低下させやすいという利点を有する。しかしながら,硫化物の沈殿物が微細であるため沈殿分離性が低い点,硫化剤を用いて硫化物を生成させる工程で硫化水素が発生してしまう点,悪臭が発生する点など,硫化物沈殿法には課題も多い。
水酸化物沈殿法では,汚染水にアルカリ剤を加えpHを上昇させることにより重金属を水酸化物として沈殿させ,この沈殿物を除去することにより,汚染水からの重金属の分離を可能とする技術である。しかしながら,水酸化物沈殿法では生成する沈殿が小さく,分離しきれない金属が存在したり,処理後の排水のpHを調整してから排出しなければならないなど問題もある。
これら従来技術の欠点を解消する可能性を秘めている浄化技術が,高分子を用いた浄化技術である。一部の高分子には,重金属と相互作用して沈殿させるものがある。このうち,環境に負荷をかけない高分子を用いることで,先に挙げた浄化技術の欠点を補うことが出来る。
このような高分子を用いた浄化技術として,近年,ポリグルタミン酸(以下,PGA)を用いた浄化技術が注目を集めている(特許文献1,非特許文献3,非特許文献4)。
特開2007−152188
佐藤男也(2001)土壌汚染の顕在化と対策,環境研究,122,96-103. 内藤克彦(2002)土壌汚染対策法について,環境研究,127,28-39. K.Hikichi, H.Tanaka,A.Konno, Polym. J. 22,103(1990) D. Gonzales, K.Fan and M,Sevoian, J Polym Sci Part A: Polym Chem, 34, 2019(1996) H Yokoi, S Kawata, MIwaizumi, J. Am. Chem. Soc.,108, 3358-3361(1986)
特許文献1等にはPGAを用いた浄化技術(以下,PGA浄化技術)が開示されている。
PGA浄化技術では,PGAにγ線を照射することにより,PGAを架橋させた架橋PGAを浄化剤(以下,PGA浄化剤)として用いている。このPGA浄化剤を,重金属を含む汚染水等に混和させることにより,PGA浄化剤が重金属に配位して沈殿を形成する。この沈殿物を除去することにより,汚染水等からの重金属分離を可能とする浄化技術である。
PGA浄化技術は,PGA自体が生分解性であり環境負荷が少ないなどの利点がある。しかしながら,PGA浄化剤自体が比較的高価なため,大量に出る排水処理には適しておらず,発展途上国では飲料水の浄化に用いられるにとどまっているのが現状である。特にCu2+のような毒性を持つ重金属は深刻な環境汚染を引き起こすため,発展途上国でも普及できるような,比較的安価で簡便な重金属の浄化技術が求められている。
上記事情を背景として本発明では,安価で簡便な金属イオンの浄化技術の開発を課題とする。
発明者らは,ポリビニルアルコール(以下,PVA)を用いたCu2+に関する報告に着目した。
すなわち,Cu2+の水溶液はpH≧6でCu(OH)2となり沈殿を生じるが,Cu2+の水溶液にPVAを加えた場合,pH≧6であるにも関わらず緑色透明溶液となり,沈殿を生じないとする報告である(非特許文献5)。非特許文献5の報告者らは,PVAは配位能の低いアルコール性の水酸基しか持たず,PVAがCu2+に配位することは考えられないため,PVAがCu(OH)2を取り囲み一種の包接錯体を形成し,配位とは別の相互作用が働くと報告している。
発明者らは,この知見を発展させ,本発明を完成させた。すなわち,Cu2+等の金属イオンは,特定のpH範囲(以下,包接錯体形成pH)で,PVA等の水溶性高分子と包接錯体を形成する性質がある。この包接錯体形成の性質を利用し,金属イオンが水溶性高分子と包接錯体を形成している水溶液に無機塩を添加し塩析を行うことにより,水溶性高分子が金属イオンを包含した形で沈殿を形成することを見出した。この生成した沈殿を分離除去することにより,金属イオン汚染水から金属イオンを除去する金属イオン除去方法にかかる発明を完成させた。
さらに発明者らは,前記金属イオン除去方法を発展させた発明についても完成させた。すなわち,Cu2+等の金属イオンは,包接錯体形成pHでPVA等の水溶性高分子と包接錯体を形成する性質を有するが,これに有機配位子を添加することにより,より広いpH範囲で金属イオンと水溶性高分子が包接錯体を形成することを見出した。この知見により,有機配位子をさらに添加した金属イオン除去方法にかかる発明を完成させた。
本発明は,以下から構成される。
本発明の第一の構成は,金属イオンを含む水溶液に水溶性高分子を混和させ混合溶液を作製する混合溶液作製工程と,前記混合溶液を包接錯体形成pHに調整するpH調整混合溶液作製工程と,pH調整混合溶液に無機塩を加えて沈殿を形成する沈殿形成工程と,前記沈殿を除去することにより水溶液から金属イオンを除去する金属イオン除去方法であって,前記包接錯体形成pHが,前記金属イオンが水溶性高分子と包接錯体を形成する範囲のpHであることを特徴とする重金属イオン除去方法である。
本発明の第二の構成は,前記水溶性高分子が,ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸,デキストランのいずれから選択されることを特徴とする第一の構成に記載の金属イオン除去方法である。
本発明の第三の構成は,前記金属が,Cu2+,Fe3+,Cr3+,Ni2+,Zn2+,Pb2+,Mn2+,Cd2+,Cr3+,Cs+であることを特徴とする第一又は第二の構成に記載の金属イオン除去方法である。
本発明の第四の構成は,前記混合溶液作製工程において,さらに有機配位子を混和させることを特徴とする第一ないし第三の構成に記載の金属イオン除去方法である。
本発明の第五の構成は,前記有機配位子が,窒素含有配位子であることを特徴とする第四の構成に記載の金属イオン除去方法である。
本発明の第六の構成は,前記窒素含有配位子が,窒素含有アミノ酸であることを特徴とする第五の構成に記載の金属イオン除去方法である。
本発明の第七の構成は,前記窒素含有配位子が,窒素含有芳香環化合物であることを特徴とする第五の構成に記載の金属イオン除去方法である。
本発明の第八の構成は,前記有機配位子が,酸素含有環状化合物であることを特徴とする請求項4に記載の金属イオン除去方法である。
本発明の第九の構成は,前記有機配位子が,2,2’−ビピリジル,トリプトファン,ヒスチジン,ピリジン,イミダゾール,ジベンゾ‐21‐クラウン‐7‐エーテル,ジベンゾ‐24‐クラウン‐8‐エーテルのいずれか又は複数から選択されることを特徴とする第四の構成に記載の金属イオン除去方法である。
本発明により,比較的安価で簡便な金属イオンの浄化技術の提供が可能となった。すなわち,本発明の金属イオン除去方法によれば,PVA等比較的安価な水溶性高分子を用いることにより,比較的安価かつ簡便に,汚染水等から金属イオンの除去が可能となる。加えて,有機配位子を用いることにより,より広いpH範囲での汚染水等からの金属イオンの除去が可能となり,簡便性を向上させることが可能となる。さらに,放射能汚染水中に含まれる放射性セシウムについても,比較的安価かつ簡便な除去が期待できる。

本発明にかかる金属イオン除去方法の原理を説明した図 Cu2+とPVAが,包接錯体を形成している様子を示した図 Cu2+とPVAを用いた本発明にかかる金属イオン除去方法の実施例 Cu2+とPVAを用いた本発明にかかる金属イオン除去方法の実施例 pH2における沈殿を示した図 pH10における沈殿を示した図 Ni2+とPVAを用いた本発明にかかる金属イオン除去方法の実施例 Fe3+とPVAを用いた本発明にかかる金属イオン除去方法の実施例 Cu2+とPVA,およびbpyを用いた本発明にかかる金属イオン除去方法の実施例 Zn2+とPVAを用いた本発明にかかる金属イオン除去方法の実施例 Pb2+とPVAを用いた本発明にかかる金属イオン除去方法の実施例 Mn2+とPVAを用いた本発明にかかる金属イオン除去方法の実施例 Cd2+とPVAを用いた本発明にかかる金属イオン除去方法の実施例 Cr2+とPVAを用いた本発明にかかる金属イオン除去方法の実施例 トリプトファン共存下において,Cu2+とPVAを用いた本発明にかかる金属イオン除去方法の実施例 トリプトファンを用いた場合の沈殿の青白色の呈色を示した図 検討に用いたクラウンエーテルの構造を示した図
以下,本発明の金属イオン除去方法について,詳細に説明する。
まず本発明の金属イオン除去方法について,原理を踏まえ,図1を用いて説明を行う。
包接錯体形成pHの範囲外では,金属イオンは水溶性高分子とは包接錯体を形成せず,水溶液中に溶解している状態である(図1,a)。この状態のまま無機塩を添加し塩析を行っても,水溶性高分子のみ沈殿を生じ,金属イオンは水溶液中に溶解したままである。
一方,包接錯体形成pHの範囲では,金属イオンが水溶性高分子と包接錯体を形成する(図1,b)。この包接錯体を形成している状態で無機塩を添加し塩析を行うと,水溶性高分子が金属イオンを包含する形で沈殿を生じる(図1,c)。この沈殿を水溶液から除去することにより,金属イオンの除去が可能となる。
なお,金属イオン−有機配位子錯体の場合は,金属イオン単独の場合と比較して,有機配位子により水溶性高分子との疎水性相互作用を高めることが可能となることから,より広いpH範囲での包接錯体形成が可能となる。
続いて,本発明の金属イオン除去方法について,各工程(混合溶液作製工程,pH調整混合溶液作製工程,沈殿形成工程)を踏まえながら説明する。
混合溶液作製工程では,金属イオンを含む水溶液に水溶性高分子を混和させ,混合溶液の作製を行う。
金属イオンは特に限定する必要はなく,水溶性高分子と直接的又は間接的に包接錯体を形成し得るあらゆる金属イオンを用いることができる。例えば,Cu2+は,図2に示すとおり,二水酸化物として水溶性高分子であるポリビニルアルコールと包接錯体を形成することが知られている。その他の例として,Fe3+,Cr3+などについても水酸化物として水溶性高分子と包接錯体を形成することが知られている。また,後述するとおり,有機配位子と配位することにより,水溶性高分子と間接的に包接錯体を形成する金属イオンを用いることもできる。
水溶性高分子は,金属イオン等と包接錯体を形成し,かつ,塩析により沈殿を生じ得る限り特に限定する必要はない。このような水溶性高分子として,例えばポリビニルアルコール,ポリアクリル酸,デキストランを用いることができる。これら水溶性高分子のうち,ポリビニルアルコールは比較的安価なため,ポリビニルアルコールを用いることが最も好ましく,本発明の金属イオン除去方法のコストを抑えることができるという効果を有する。
混合溶液作製工程では,さらに有機配位子を混和させることができる。これにより,金属イオンが有機配位子と配位することにより,水溶性高分子と疎水性相互作用により包接錯体を形成しやすくなる。結果として,より広いpH範囲で水溶性高分子と金属イオンが包接錯体を形成しやすくなるため,実質的なpH調整を行う必要が無い場合もあり,本発明の金属イオン除去方法の利便性を飛躍的に向上させる効果を有する。特に低pH領域でも,金属イオンの除去が可能となるという点において有用である。
有機配位子としては,非共有電子対を有し,金属イオンと配位能を有する有機化合物であれば特に限定する必要はないが,水溶性高分子との相互作用の観点から,有機配位子はある程度の疎水性を有することが必要である。また,金属イオンに配位した有機配位子は,疎水性相互作用などにより水溶性高分子に包接される必要があるため,有機配位子として分子サイズが大き過ぎる有機化合物は好ましくない。加えて,有機配位子は,金属イオンの種類により,その配位能が異なってくることから,除去を目的とする金属に合わせた有機配位子を選択することも重要である。このような有機配位子として,例えば,非共有電子対を有する窒素原子や酸素原子,硫黄原子,リン原子などを有する有機化合物が挙げられる。
有機配位子としては,金属イオンとの配位能の観点から,窒素含有配位子もしくは酸素含有配位子を用いることが好ましい。
窒素含有配位子として好ましくは,アミノ酸を用いることができる。アミノ酸は,比較的簡便かつ安価に入手が可能なため,本発明にかかる金属イオン除去方法を,より安価かつ簡便に行うことができるという効果を有する。アミノ酸として,例えば,トリプトファンなどを用いることができる。
別の態様として,窒素含有配位子を,窒素含有芳香環化合物とすることができる。窒素含有芳香環化合物は金属イオンとの配位能に優れることから,本発明にかかる金属イオン除去方法の効率を高める効果が期待できる。窒素含有芳香環化合物としては,例えば,2,2’−ビピリジル,トリプトファン,ヒスチジン,ピリジン,イミダゾールなどが挙げられる。
酸素含有配位子として好ましくは,酸素含有環状化合物を用いることができる。酸素含有環状化合物は金属イオンとの配位能に優れることから,本発明にかかる金属イオン除去方法の効率を高める効果が期待できる。酸素含有環状化合物としては,例えば,クラウンエーテル誘導体を用いることができる。
pH調整混合溶液作製工程では,混合溶液作製工程で作製された混合溶液のpHを,包接錯体形成pHに調整する。
包接錯体形成pHとは,金属イオンが水溶性高分子と包接錯体を形成する範囲のpHとして定義される。この包接錯体形成pHは,当業者の技術常識により,測定が可能である。
すなわち,核磁気共鳴分析(NMR)又は電子スピン共鳴法(ESR)を用いて,複数のpHに調整した金属イオンと水溶性高分子の混合溶液のスペクトルを測定する。そのスペクトルの変化を比較することにより,包接錯体形成pHの測定が可能である。
この包接錯体形成pHに調整する調整方法については,特に限定する必要はなく,HCl等の酸やNaOH等のアルカリを混合溶液に添加して調整すればよい。
なお,このpH調整混合溶液作製工程については,前記混合溶液作製工程と同時に行うことができる。すなわち,混合溶液の作製と同時に包接錯体形成pHになっている場合(例えば,前述した窒素含有配位子を混和した場合など),pH調整混合溶液工程は実質的に省略されるが,この場合,pH調整混合溶液工程は混合溶液作製工程と同時に行われているものである。
沈殿形成工程では,pH調整後の混合溶液に,無機塩を加えて沈殿を形成する。
無機塩としては,水溶性高分子と塩析を行い,沈殿を生じ得る無機塩を用いればよい。無機塩として,好ましくは中性塩を用いることができる。これにより,pH調整混合溶液のpH変化の影響を少なくすることが可能となり,沈殿効率を向上させる効果が期待できる。このような中性塩として,例えば,NaCl,Na2SO4,KNO3などが挙げられる。
沈殿形成工程により,生じた沈殿は,通常用いられる方法により除去することができる。例えば,ろ過法や遠心分離法などである。
以上,本発明にかかる金属イオン除去方法を説明してきた。本発明は,単に金属イオンを除去するのみならず,包接錯体形成pHを選択することにより,段階的に特定の金属イオンを除去することが可能となる。例えば,包接体形成pHを4から6未満とすることによりFe3+を,6から8とすることによりCu2+を,9以上とすることによりNi2+を除去できる。
以下では,実施例を踏まえ,本発明にかかる金属イオン除去方法をさらに詳細に説明するが,当然のことながら,本発明の内容は下記に限定されるものではない。
<<実施例1から6,PVAとCu2+との相互作用による沈殿生成の検討>>
Cu2+とポリビニルアルコール(以下,PVA)との混合溶液において,塩析によりCu2+を分離できるかどうかを目的として,実施例1等の実験を行った。
1.実験方法
(1) 各実施例および比較例,それぞれの溶液組成について表1に記載する。なお,PVA濃度については,モノマー単位としての濃度を示している。
(2) 各実施例および比較例については,次のように実験溶液を調製した。まず,PVAを蒸留水中で加熱溶解させた後,このPVA溶解水溶液にCuCl2・2H2O,およびイオン強度を調整する目的でNaClO4を添加した。その後,HClもしくはNaOHを加えpHを調整し,最終的に表1に示す濃度になるよう実験溶液を調製した。
(3) 調製した各実験溶液に,NaClを飽和状態になるまで加え,撹拌を行い,PVAを沈殿させた。
(4) 沈殿させた後,目の粗いろ紙を用いて吸引ろ過を行い,ろ液を得た。さらに,得られたろ液について,シリンジろ過(フィルターサイズ,0.2μm)を行い,細かい沈殿を除去した。
(5) ろ過作業により得られたろ液について,原子吸光分析により,ろ液中のCu2+の吸光度を測定した。この原子吸光分析には,株式会社島津製作所の原子吸光光度計・AA-6200を用いた。
(6) 測定したCu2+の吸光度について,実施例等とは別に,標準試料を用いて作成された検量線を用いて,Cu2+濃度の算出を行った。なお,各実施例等では,実験溶液にPVAを添加しているため,実験溶液には粘性がある。粘性によるCu2+吸光度測定の誤差を防ぐため,標準試料は各実施例等に対応した所定量のPVAを添加し,塩析・ろ過作業後の溶液に,Cu2+を加えたものを標準試料として原子吸光分析を行い,検量線の作成を行った。
2.結果と考察
(1) 結果を図3および図4に示す。図中,縦軸がろ液中のCu2+濃度を,横軸がpHを示す。ろ液中のCu2+濃度が高ければ高いほど,沈殿として除去されていないCu2+が多いことを意味する。また,ろ液中のCu2+濃度が少なければ少ないほど,沈殿として除去されているCu2+が多いことを意味する。
(2) 図3および図4を見てみると,ろ液中のCu2+濃度は,pHが5以下で高く,ばらつきはあるもののpHが6で若干低くなり,pHが7以上では極めて低くなることが分かった。
(3) また,定性的分析として,pH2およびpH10の条件で行った沈殿の着色を比較したところ,pH2での沈殿は白色であるのに対し(図5),pH10の沈殿では緑色を示していた(図6)。この緑色の着色自体が,Cu2+を包含した形で沈殿していることを示すものである。
(4) これらの結果から,PVAの分子量やけん化度によらず,pHに依存してろ液中のCu2+濃度が変化することが分かった。すなわち,Cu2+がPVAと包接錯体を形成するpHである6を境に,塩析により,Cu2+が沈殿として除去されていることが分かった。
<<実施例7,PVAとNi2+との相互作用による沈殿生成の検討>>
Cu2+と同様,Ni2+とPVAとの混合溶液において,塩析によりNi2+を分離できるかどうかを目的として,実施例7等の実験を行った。
1.実験方法
実施例1等の実験方法に順じて,表2に示す溶液組成で実験を行った。
2.結果
(1) 図7を見てみると,ろ液中のNi2+濃度は,pHが8以下で高く,pHが9で低くなり,pHが10以上で極めて低くなることが分かった。
(2) これらの結果から,Ni2+がPVAと包接錯体を形成するpHである9を境に,塩析により,Ni2+が沈殿として除去されていることが分かった。
<<実施例8,PVAとFe3+との相互作用による沈殿生成の検討>>
Cu2+と同様,Fe3+とPVAとの混合溶液において,塩析によりFe3+を分離できるかどうかを目的として,実施例8等の実験を行った。
1.実験方法
実施例1等に順じて,表3に示す溶液組成で実験を行った。
2.結果
(1) 図8を見てみると,ろ液中のFe3+濃度は,pHが3以下で高く,pHが4以上で極めて低くなることが分かった。
(2) これらの結果から,Fe3+がPVAと包接錯体を形成するpHである4を境に,塩析により,Fe3+が沈殿として除去されていることが分かった。
<<実施例9から11,bpy存在下,PVAとCu2+との相互作用による沈殿生成の検討>>
Cu2+とPVAとの混合溶液に,有機配位子である2,2’−ビピリジル(以下,bpy)を加えることにより,Cu2+分離にどのような影響を与えるかを調べること目的として,実施例9等の実験を行った。
1.実験方法
NaClO4を含まずbpyを含む他,実施例1等に順じて,表4に示す溶液組成で実験を行った。
2.結果
(1) 図9に実施例9から11の結果を示す。なお,図9のグレー曲線については,bpyが加えられていない他は実施例9から11と同条件で実験を行ったCu2+濃度曲線を示している。
(2) 実施例9から11いずれの検討においても,全てのpHで,ろ液中のCu2+濃度が極めて低くなることが分かった。
(3) これらの結果から,bpyを添加していない場合と比較すると,極めて広いpH範囲で,Cu2+の沈殿が形成されることが分かった。
<<実施例12,PVAとZn2+との相互作用による沈殿生成の検討>>
Cu2+と同様,Zn2+とPVAとの混合溶液において,塩析によりZn2+を分離できるかどうかを目的として,実施例12等の実験を行った。
1.実験方法
実施例1等に順じて,表5に示す溶液組成で実験を行った。
2.結果
(1) 図10を見てみると,ろ液中のZn2+濃度は,pHが8以下で高く,pHが9以上で極めて低くなることが分かった。
(2) これらの結果から,Zn2+がPVAと包接錯体を形成するpHである9を境に,塩析により,Zn2+が沈殿として除去されていることが分かった。
<<実施例13,PVAとPb2+との相互作用による沈殿生成の検討>>
Cu2+と同様,Pb2+とPVAとの混合溶液において,塩析によりPb2+を分離できるかどうかを目的として,実施例13等の実験を行った。
1.実験方法
実施例1等に順じて,表6に示す溶液組成で実験を行った。
2.結果
(1) 図11を見てみると,ろ液中のPb2+濃度は,pHが6以下で高く,pHが7で若干低くなり,pHが8以上で極めて低くなることが分かった。
(2) これらの結果から,Pb2+がPVAと包接錯体を形成するpHである7を境に,塩析により,Pb2+が沈殿として除去されていることが分かった。
<<実施例14,PVAとMn2+との相互作用による沈殿生成の検討>>
Cu2+と同様,Mn2+とPVAとの混合溶液において,塩析によりMn2+を分離できるかどうかを目的として,実施例14等の実験を行った。
1.実験方法
実施例1等に順じて,表7に示す溶液組成で実験を行った。
2.結果
(1) 図12を見てみると,ろ液中のMn2+濃度は,pHが9以下で高く,pHが10以上で極めて低くなることが分かった。
(2) これらの結果から,Mn2+がPVAと包接錯体を形成するpHである10を境に,塩析により,沈殿として除去されていることが分かった。
なお,この沈殿については,Mn2+がMn3+に酸化されたものであることが確認された。すなわち,Mn2+の水酸化物は淡桃色であり,Mn3+の水酸化物は褐色であるところ,PVA-Mn2+混合水溶液をpH≧10にした場合に,褐色になったことから,生じた沈殿は,Mn3+によるものであることが確認された。この理由として,Mn2+がpH≧10では空気中でMn3+になり,褐色沈殿であるMn(OH)3となったためと考えられる。
<<実施例15,PVAとCd2+との相互作用による沈殿生成の検討>>
Cu2+と同様,Cd2+とPVAとの混合溶液において,塩析によりMn2+を分離できるかどうかを目的として,実施例15等の実験を行った。
1.実験方法
実施例1等に順じて,表8に示す溶液組成で実験を行った。
2.結果
(1) 図13を見てみると,ろ液中のCd2+濃度は,pHが9以下で高く,pHが10以上で極めて低くなることが分かった。
(2) これらの結果から,Cd2+がPVAと包接錯体を形成するpHである10を境に,塩析により,Cd2+が沈殿として除去されていることが分かった。
<<実施例16,PVAとCr3+との相互作用による沈殿生成の検討>>
Cu2+と同様,Cr3+とPVAとの混合溶液において,塩析によりCr3+を分離できるかどうかを目的として,実施例16等の実験を行った。
1.実験方法
実施例1等に順じて,表9に示す溶液組成で実験を行った。
2.結果
(1) 図13を見てみると,ろ液中のCr3+濃度は,pHが5以下で高く,pHが6で若干低くなり,pHが7以上で極めて低くなることが分かった。
(2) これらの結果から,Cr3+がPVAと包接錯体を形成するpHである10を境に,塩析により,Cr3+が沈殿として除去されていることが分かった。
<<実施例17,トリプトファン存在下,PVAとCu2+との相互作用による沈殿生成ならびに呈色有無の検討>>
Cu2+とPVAとの混合溶液に,有機配位子であるトリプトファンを加え塩析を行うことにより,Cu2+を分離できるかどうかを目的として,,実施例17等の実験を行った。
1.実験方法
実施例9等に順じて,表10に示す溶液組成で実験を行った。
2.結果
(1) 結果を,図15および図16に示す。
(2) 図15を見てみると,ろ液中のCu2+濃度は,pHが3以下で高く,pHが4以上で極めて低くなることが分かった。これにより,実施例1等と比較すると,より広いpHでCu2+が沈殿することが確認された。
(3) 図16中,左部分に示すとおり,沈殿は青白色の呈色を示した。これにより,トリプトファンを加えて塩析反応を行うことにより,沈殿にCu2+が含まれることが,確認された。
<<実施例18および19,クラウンエーテル存在下,PVAとCs+との相互作用による沈殿生成の検討>>
Cs+とPVAとの混合溶液に,有機配位子であるクラウンエーテル(図17)を加え塩析を行うことにより,Cs+を分離できるかどうかを目的として,実施例18等の実験を行った。なお,実施例18がDB21C7,実施例19がDB24C8を用いて行った。
1.実験方法
実施例9等に順じて,表10に示す溶液組成で実験を行った。
2.結果
(1) 比較例における沈殿除去率が17.0%であったのに対し,実施例18では34.0%,実施例19では32.7%と,およそ2倍の沈殿除去率に及んだ。
(2) このことから,クラウンエーテルにより,沈殿除去率が向上することが確認された。



Claims (9)

  1. 金属イオンを含む水溶液に水溶性高分子を混和させ混合溶液を作製する混合溶液作製工程と,
    前記混合溶液を包接錯体形成pHに調整するpH調整混合溶液作製工程と,
    pH調整混合溶液に無機塩を加えて沈殿を形成する沈殿形成工程と,
    前記沈殿を除去することにより水溶液から金属イオンを除去する金属イオン除去方法であって,
    前記包接錯体形成pHが,前記金属イオンが水溶性高分子と包接錯体を形成する範囲のpHであることを特徴とする金属イオン除去方法
  2. 前記水溶性高分子が,ポリビニルアルコール,デキストラン,ポリアクリル酸のいずれから選択されることを特徴とする請求項1に記載の金属イオン除去方法
  3. 前記金属が,Cu2+,Fe3+,Cr3+,Ni2+,Zn2+,Pb2+,Mn2+,Cd2+,Cr3+,Cs+であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属イオン除去方法
  4. 前記混合溶液作製工程において,さらに有機配位子を混和させることを特徴とする請求項1ないし3に記載の金属イオン除去方法
  5. 前記有機配位子が,窒素含有配位子であることを特徴とする請求項4に記載の金属イオン除去方法
  6. 前記窒素含有配位子が,アミノ酸であることを特徴とする請求項5に記載の金属イオン除去方法
  7. 前記窒素含有配位子が,窒素含有芳香環化合物であることを特徴とする請求項5に記載の金属イオン除去方法
  8. 前記有機配位子が,酸素含有環状化合物であることを特徴とする請求項4に記載の金属イオン除去方法
  9. 前記有機配位子が,2,2’−ビピリジル,トリプトファン,ヒスチジン,ピリジン,イミダゾール,ジベンゾ‐21‐クラウン‐7‐エーテル,ジベンゾ‐24‐クラウン‐8‐エーテルのいずれか又は複数から選択されることを特徴とする請求項4に記載の金属イオン除去方法


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