JP2013209973A - 車両用制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】舵角センサを用いずに、交差点における右左折待ちなど、車両の即時発進が要求される状況での停車中に、駆動源が自動停止されることを抑制できる、車両用制御装置を提供する。
【解決手段】ステアリング機構9のステアリングホイールに加えられたステアリングトルクを検出するためのトルクセンサ28が設けられている。停車前にトルクセンサ28によって検出されるステアリングトルクが所定の旋回判定閾値以上である場合、停車後のアイドルストップ制御によるエンジン2の自動停止が禁止される。
【選択図】図1
【解決手段】ステアリング機構9のステアリングホイールに加えられたステアリングトルクを検出するためのトルクセンサ28が設けられている。停車前にトルクセンサ28によって検出されるステアリングトルクが所定の旋回判定閾値以上である場合、停車後のアイドルストップ制御によるエンジン2の自動停止が禁止される。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用制御装置に関する。
近年、エンジンの駆動中に所定の停止条件が成立したことに応答して、エンジンが自動的に停止され、その後に所定の再始動条件が成立したことに応答して、エンジンが自動的に再始動される機能を有する自動車、いわゆるアイドルストップ車が提供されている。アイドルストップ車では、信号待ちなどで車両が停止しているときに、エンジンが停止されることにより、燃料の無駄な消費を抑えることができる。
ところが、交差点での右左折待ちで車両が停止しているときには、右左折可能な状況になれば、車両を速やかに発進させる必要があるので、エンジンが自動的に停止されないことが望ましい。
そこで、車両停止中のステアリングの舵角が所定角度以上である場合には、エンジンの自動的な停止(アイドルストップ)がキャンセルされるようにしたシステムが提案されている。これにより、交差点での右左折待ちで車両が停止しているときに、アイドルストップがキャンセルされるので、右左折可能な状況になったときに、車両を速やかに発進させて右左折を完了させることができる。
ステアリングの舵角を検出するためには、舵角センサが必要となる。そのため、舵角センサを備えていない車両では、前述の提案に係るシステムを採用する場合、舵角センサを追加して設けなければならない。
本発明の目的は、舵角センサを用いずに、交差点における右左折待ちなど、車両の即時発進が要求される状況での停車中に、駆動源が自動停止されることを抑制できる、車両用制御装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る車両用制御装置は、駆動源が発生する駆動力によって走行し、ステアリングホイールの操作によって進行方向が変更される車両に用いられる。前記車両用制御装置は、前記ステアリングホイールに加えられたステアリングトルクを検出するためのトルクセンサと、前記駆動源の駆動中に所定の停止条件が成立したことに応答して、前記駆動源を自動停止させるアイドルストップ制御手段と、停車前に前記トルクセンサによって検出されるステアリングトルクが所定の閾値以上である場合に、前記アイドルストップ制御手段による前記駆動源の自動停止を禁止する禁止手段とを含む。
たとえば、信号待ちで車両が停止しているときには、駆動源が自動停止(アイドルストップ)されることにより、燃料の向上を図ることができる。一方、交差点における右左折待ちで車両が停止しているときには、燃費の向上よりも車両の即時発進性が重要視されて、駆動源が自動停止されないことが望ましい。
たとえば、電動パワーステアリング装置を備える車両には、ステアリングホイールに加えられたステアリングトルクを検出するためのトルクセンサが装備されている。このような車両において、トルクセンサの出力に基づいて、交差点における右左折待ちでの停車など、車両の即時発進が要求される状況での停車であるか否かを正確に判定することができれば、その判定のために、舵角センサを追加して設ける必要がない。
本願発明者は、本願発明に想到する以前に、舵角センサが設けられた構成と同様に、車両停止中にトルクセンサによるステアリングトルクの検出値が所定値以上である場合には、車両の即時発進が要求される状況での停車であると判定し、駆動源の自動停止を禁止することを考えた。
しかしながら、交差点における右左折待ちでの停車時などに、ステアリングホイールを握る力が緩められると、トルクセンサによるステアリングトルクの検出値が所定値未満に低下し、駆動源が自動停止される場合があることがわかった。
そこで、本願発明者は、停車前にトルクセンサによって検出されるステアリングトルクが所定のトルク閾値以上である場合に、駆動源の自動停止を禁止することを考えた。
たとえば、車両が交差点での右折の体勢に入る際には、ステアリングホイールが右方向に操作されて、停車前に車両が道路の中央線に寄せられる。そのため、交差点での右折待ちのための停車前には、トルクセンサによって検出されるステアリングトルクが所定のトルク閾値以上となる。よって、停車前にトルクセンサによって検出されるステアリングトルクが所定のトルク閾値以上であるか否かにより、その後の停車が交差点における右左折待ちでの停車など、車両の即時発進が要求される状況での停車であるか否かを正確に判定することができる。その結果、車両の即時発進が要求される状況での停車中に、駆動源が自動停止されることを抑制できる。
所定のトルク閾値以上であるか否かの判断に用いられるステアリングトルクの検出タイミングは、車速が0km/hよりも大きい所定車速まで低下した時点であってもよい。この場合、所定車速は、車両が右左折時に交差点に進入する通常の速度以下、たとえば、10km/以下に設定されることが好ましい。
また、トルクセンサによって検出されるステアリングトルクの履歴がメモリに保存されて、停車から所定時間前にトルクセンサによって検出されたステアリングトルクが所定のトルク閾値以上であるか否かの判断に用いられてもよい。
さらにまた、トルクセンサによって検出されるステアリングトルクの履歴がメモリに保存される場合には、停車までの所定時間にトルクセンサによって検出されたステアリングトルクの平均値が所定のトルク閾値以上であるか否かの判断に用いられてもよい。
たとえば、信号待ちによる直進体勢での停車の直前に、ハンドル操作(ステアリングホイールの操作)のふらつきがあると、トルクセンサによって所定のトルク閾値以上のステアリングトルクが検出され、信号待ちでの停車であるにもかかわらず、駆動源の自動停止が禁止されるおそれがある。
車両が交差点での右折の体勢に入る際には、ステアリングホイールが右方向に操作されて、車両の進行方向(舵角)が変化するので、車両の左輪と右輪とに車輪速差(回転速差)が生じる。一方、信号待ちによる直進体勢での停車の直前は、ハンドル操作が多少ふらついても、車両が直進体勢を保つので、車両の左輪と右輪とに車輪速差はほぼ生じない。
そこで、車両の左輪と右輪との車輪速差を検出する車輪速差検出手段が備えられて、停車前にトルクセンサによって検出されるステアリングトルクがトルク閾値以上であり、かつ、車輪速差検出手段によって検出される車輪速差が所定の車輪速差閾値以上である場合に、駆動源の自動停止が禁止されることが好ましい。
これにより、信号待ちによる直進体勢での停車の直前に、ハンドル操作(ステアリングホイールの操作)のふらつきがあっても、駆動源の自動停止が禁止されず、その信号待ちで停車している間、駆動源を自動停止させることができ、燃料の向上を図ることができる。
本発明によれば、舵角センサを用いずに、車両の即時発進が要求される状況での停車中に、駆動源が自動停止されることを抑制できる。そして、舵角センサを必要としないので、舵角センサを追加して設けることによるコストアップを防止できる。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用制御装置が適用された車両の構成を示すブロック図である。
アイドルストップ車1は、エンジン2を駆動源とする自動車である。アイドルストップ車1は、アイドルストップ機能を有している。アイドルストップ機能は、エンジン2の駆動中の所定の停止条件の成立に応答して、エンジン2が停止(アイドルストップ)され、その後の所定の再始動条件の成立に応答して、アイドルストップ状態が解除されて、エンジン2が再始動される機能である。
エンジン2の出力は、トルクコンバータ3および無段変速機(CVT:Continuously
Variable Transmission)4を介して、アイドルストップ車1の駆動輪に伝達される。
Variable Transmission)4を介して、アイドルストップ車1の駆動輪に伝達される。
エンジン2に付随して、スタータ(始動用モータ)5が設けられている。停止状態のエンジン2は、スタータ5によるクランキング後に始動する。
エンジン2に関連して、オルタネータ6が設けられている。
オルタネータ6の回転軸(ロータ)には、エンジン2の出力軸の回転が伝達される。オルタネータ6の回転軸が回転すると、その回転が電力に変換されて、オルタネータ6から電力が出力される。
アイドルストップ車1には、電動パワーステアリング装置(EPS:Electric
Power Steering)7が搭載されている。
Power Steering)7が搭載されている。
電動パワーステアリング装置7には、モータ8が備えられている。モータ8の駆動力がステアリング機構9に伝達されることにより、ステアリング機構9に含まれるステアリングホイールの操作が補助される。
また、アイドルストップ車1には、ABS(Antilock Brake System)制御のためのABSアクチュエータ10が設けられている。ABSアクチュエータ10には、各車輪のブレーキに設けられたホイールシリンダの液圧を制御するためのバルブやブレーキフルードをマスタシリンダに戻すためのポンプなどが内蔵されている。マスタシリンダからABSアクチュエータ10に伝達された液圧は、各ホイールシリンダに分配されて伝達される。そして、ホイールシリンダの液圧により、車輪に制動力が付与される。
アイドルストップ車1にはさらに、バッテリ11が備えられている。
バッテリ11は、オルタネータ6から出力される電力によって充電される。バッテリ11には、スタータ5および電動パワーステアリング装置7のモータ8などが電気的に接続されている。スタータ5およびモータ8には、バッテリ11から駆動電力が供給される。バッテリ11からスタータ5への給電経路上には、リレー12が介装されている。
また、アイドルストップ車1には、CPUおよびメモリを含む構成の複数のECU(電子制御ユニット)が備えられている。ECUには、エンジンECU21、CVTECU22、ABSECU23、EPSECU24およびアイドルストップECU25が含まれる。エンジンECU21、CVTECU22、ABSECU23、EPSECU24およびアイドルストップECU25は、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルにより、相互に通信可能である。
エンジンECU21には、エンジン2が制御対象として接続されている。
CVTECU22には、無段変速機4が制御対象として接続されている。
ABSECU23には、ABSアクチュエータ10が制御対象として接続されている。また、ABSECU23には、各車輪の回転速度(車輪速)を検出するための車輪速センサ26およびマスタシリンダ(図示せず)の液圧を検出するための液圧センサ27が接続されている。ABSECU23は、車輪速センサ26から入力される検出信号に基づいて、各車輪の車輪速を演算し、たとえば、各車輪速の平均値を車速(車体速)として取得する。また、ABSECU23は、液圧センサ27から入力される検出信号に基づいて、マスタシリンダの液圧を取得する。
EPSECU24には、電動パワーステアリング装置7のモータ8が制御対象として接続されている。また、EPSECU24には、ステアリング機構9のステアリングホイールに加えられたステアリングトルクを検出するためのトルクセンサ28が接続されている。EPSECU24は、トルクセンサ28から入力される検出信号に基づいて、ステアリングトルクを取得する。
アイドルストップECU25には、リレー12が制御対象として接続されている。アイドルストップECU25により、アイドルストップ機能のための制御(アイドルストップ制御)が実行される。アイドルストップ制御のために、アイドルストップECU25には、エンジンECU21からエンジンの回転数などの情報が入力され、ABSECU23から各車輪の車輪速、車速およびマスタシリンダの液圧が入力され、EPSECU24からステアリングトルクが入力される。
アイドルストップ制御では、アイドルストップ車1の走行中に、運転者によってブレーキペダルが踏み込まれて、マスタシリンダの液圧が所定圧以上になると、アイドルストップECU25により、所定の停止条件が成立しているか否かが繰り返し判断される。停止条件は、たとえば、車速が零であり、かつ、ブレーキペダル(図示せず)が一定時間以上踏み続けられているという条件である。そして、停止条件が成立し、かつ、後述するIDS許可フラグがオンであれば、アイドルストップECU25からエンジンECU21にエンジン停止指令が出力され、エンジンECU21により、エンジン2が停止される。
アイドルストップ制御によるエンジン2の停止中に、たとえば、ブレーキペダルから足が放されると、再始動条件が成立し、アイドルストップECU25により、リレー12がオンされる。リレー12がオンされると、スタータ5によるクランキングを経て、エンジン2が始動する。
図2は、IDS許可フラグ設定処理の流れを示すフローチャートである。図3は、IDS許可フラグ設定処理中の車速の変化を示すグラフである。
アイドルストップ制御中、アイドルストップECU25により、IDS許可フラグ設定処理が繰り返し実行される。
IDS許可フラグ設定処理では、まず、車速が4km/hに低下したか否かが判断される(ステップS1)。車速が4km/hに低下するまで、以降の処理は行われない。
車速が4km/hに低下すると(ステップS1のYES)、EPSECU24から入力されるステアリングトルクの値(以下、単に「トルク値」という。)が取得される(ステップS2)。
その後、車速が0km/hに低下したか否かが判断される(ステップS3)。
車速が0km/hでなければ(ステップS3のNO)、車速が4km/h以上に上昇したか否かが判断される(ステップS4)。
車速が4km/h以上に上昇していなければ(ステップS4のNO)、車速が0km/hに低下したか否かが再び判断される(ステップS3)。
車速が4km/h以上に上昇した場合には(ステップS4のYES)、ステップS1に戻り、車速が4km/hに低下したか否かが再び判断される。そして、車速が4km/hに低下すると(ステップS1のYES)、トルク値が再取得される(ステップS2)。
車速が0km/hになると、車速が4km/hであるときに取得されたトルク値が予め定める旋回判定閾値以下であるか否かが判定される(ステップS5)。
そして、トルク値が旋回判定閾値以下であれば(ステップS5のYES)、アイドルストップECU25のメモリに設けられたIDS許可フラグがオン(IDS許可フラグに1が設定)される(ステップS6)。
一方、トルク値が旋回判定閾値よりも大きければ(ステップS5のNO)、アイドルストップECU25のメモリに設けられたIDS許可フラグがオフ(IDS許可フラグに0が設定)される(ステップS7)。IDS許可フラグがオフされると、停止条件が成立しても、エンジン2が自動停止されない。これにより、車速が4km/hに低下した時点でのトルク値が旋回判定閾値よりも大きい場合、つまりステアリングホイールに操作のための所定値以上のステアリングトルクが加えられている場合には、アイドルストップ制御によるエンジン2の自動停止が禁止される。
以上のように、停車前にトルクセンサ28によって検出されるステアリングトルクの値(トルク値)が所定の旋回判定閾値以上である場合に、アイドルストップ制御によるエンジン2の自動停止が禁止される。
たとえば、アイドルストップ車1が交差点での右折の体勢に入る際には、ステアリングホイールが右方向に操作されて、停車前にアイドルストップ車1が道路の中央線に寄せられる。そのため、交差点での右折待ちのための停車前には、トルクセンサ28によって検出されるトルク値が所定の旋回判定閾値以上となる。また、アイドルストップ車1が交差点での左折の体勢に入る際には、ステアリングホイールが左方向に操作されて、停車前にアイドルストップ車1が道路の左側に寄せられる。そのため、交差点での左折待ち(歩行者などの横断待ち)のための停車前には、トルクセンサ28によって検出されるトルク値が所定の旋回判定閾値以上となる。
よって、停車前にトルクセンサ28によって検出されるトルク値が所定の閾値以上であるか否かにより、その後の停車が交差点における右左折待ちでの停車など、アイドルストップ車1の即時発進が要求される状況での停車であるか否かを正確に判定することができる。その結果、アイドルストップ車1の即時発進が要求される状況での停車中に、エンジン2が自動停止されることを抑制できる。
このように、舵角センサを用いずに、アイドルストップ車1の即時発進が要求される状況での停車中に、エンジン2が自動停止されることを抑制できる。そして、舵角センサを必要としないので、舵角センサを追加して設けることによるコストアップを防止できる。
なお、所定の旋回判定閾値以上であるか否かの判断に用いられるステアリングトルクの検出タイミングは、車速が4km/hに低下した時点であるとしたが、このタイミングに限定されず、ブレーキ操作により、車速が0km/hよりも大きい所定車速まで低下した時点であればよい。ただし、所定車速は、アイドルストップ車1が右左折時に交差点に進入する通常の速度以下、たとえば、10km/h以下に設定されることが好ましい。
また、トルクセンサ28によって検出されるステアリングトルクの履歴がアイドルストップECU25のメモリに保存されて、停車から所定時間前にトルクセンサ28によって検出されたトルク値が所定の閾値以上であるか否かの判断に用いられてもよい。
さらにまた、トルクセンサ28によって検出されるステアリングトルクの履歴がメモリに保存される場合には、停車までの所定時間にトルクセンサ28によって検出されたステアリングトルクの平均値が所定の閾値以上であるか否かの判断に用いられてもよい。
図4は、他のIDS許可フラグ設定処理の流れを示すフローチャートである。図5は、車速およびステアリングトルクの変化を示すグラフである。
図2示されるIDS許可フラグ設定処理に代えて、図4に示されるIDS許可フラグ設定処理が採用される場合、アイドルストップ機能によるエンジン2の停止条件として、たとえば、ブレーキペダルが踏まれることにより、車両1の車速が低下して、車速が所定車速(たとえば、7km/h)以下となり、かつ、ブレーキペダルが一定時間以上踏み続けられているという条件が採用される。
図4に示されるIDS許可フラグ設定処理は、アイドルストップ制御中、つまり車両1の走行中、アイドルストップECU25により、繰り返し実行される。
図4に示されるIDS許可フラグ設定処理では、EPSECU24から入力されるトルク値(トルクセンサ28によって検出されるステアリングトルクの値)がアイドルストップECU25のメモリに設けられた一定容量のトルク記憶領域にFIFO(First In First Out)式で格納される(ステップS11)。これにより、トルク記憶領域には、常に、現時点から一定時間遡った時点までの期間内に検出されたトルク値が記憶されている。
また、車速が所定車速に低下したか否かが判断される(ステップS12)。車速が所定車速に低下するまで、以降の処理は行われない。
車速が所定車速に低下すると(ステップS12のYES)、トルク記憶領域に記憶されているトルク値が参照されて、車速が所定車速に低下した時点から所定時間遡った時点までの期間(たとえば、過去1000msec間)にトルク記憶領域に記憶されたトルク値のうちの最大トルク値が取得される(ステップS13)。
また、車速が所定車速に低下した時点で、ABSECU23から入力される各車輪の車輪速が取得される。そして、たとえば、左前輪と右前輪との車輪速の差(左右車輪速差)が演算される(ステップS14)。
その後、最大トルク値が所定のトルク閾値以上であるか否かが判断される(ステップS15)。
アイドルストップ車1が交差点での右折の体勢に入る際には、通常、図5に実線で示されるように、車速が所定車速に低下した時点で、ステアリングホイールが右方向に操作されて、トルクセンサ28によって検出されるトルク値が所定のトルク閾値(たとえば、0.4N・m)以上となる。しかしながら、たとえば、交差点の手前に右折レーンが設けられている場合には、図5に二点鎖線で示されるように、車速が所定車速よりも大きいときに、ステアリングホイールが右方向に操作され、車速が所定車速に低下した時点では、ステアリングホイールの操作が完了し、トルクセンサ28によって検出されるトルク値が所定のトルク閾値を下回っていることが考えられる。
そこで、車速が所定車速に低下した時点でのトルク値ではなく、車速が所定車速に低下した時点から所定時間遡った時点までの期間にトルク記憶領域に記憶されたトルク値のうちの最大トルク値が所定のトルク閾値(たとえば、0.4N・m)以上であるか否かが判断される(ステップS15)。これにより、車速が所定車速よりも大きいときに、ステアリングホイールが右方向に操作された場合にも、その操作が行われたか否かを良好に判定することができる。
最大トルク値が所定のトルク閾値以上である場合には(ステップS15のYES)、左右車輪速差が所定の車輪速差閾値以上であるか否かが判断される(ステップS16)。
最大トルク値が所定のトルク閾値以上であり、かつ、左右車輪速差が所定の車輪速差閾値以上である場合には(ステップS16のYES)、アイドルストップECU25のメモリに設けられたIDS許可フラグがオフ(IDS許可フラグに0が設定)される(ステップS17)。IDS許可フラグがオフされると、停止条件が成立しても、エンジン2が自動停止されない。
一方、最大トルク値がトルク閾値未満であるか(ステップS15のNO)、または、
左右車輪速差が所定の車輪速差閾値未満である場合には(ステップS16のNO)、アイドルストップECU25のメモリに設けられたIDS許可フラグがオン(IDS許可フラグに1が設定)される(ステップS18)。
左右車輪速差が所定の車輪速差閾値未満である場合には(ステップS16のNO)、アイドルストップECU25のメモリに設けられたIDS許可フラグがオン(IDS許可フラグに1が設定)される(ステップS18)。
たとえば、アイドルストップ車1が交差点での右折の体勢に入る際には、ステアリングホイールが右方向に操作されて、アイドルストップ車1の進行方向(舵角)が変化するので、アイドルストップ車1の左輪と右輪とに車輪速差(回転速差)が生じる。一方、たとえば、信号待ちによる直進体勢での停車の直前に、ハンドル操作(ステアリングホイールの操作)のふらつきがあっても、アイドルストップ車1が直進体勢を保つので、アイドルストップ車1の左輪と右輪とに車輪速差はほぼ生じない。
そこで、アイドルストップ車1の左輪と右輪との車輪速差(左右車輪速差)が求められて、停車前にトルクセンサ28によって検出されるトルク値がトルク閾値以上であり、かつ、左右車輪速差が所定の車輪速差閾値以上である場合には、エンジン2の自動停止が禁止される。
これにより、信号待ちでの停車の直前に、ハンドル操作(ステアリングホイールの操作)のふらつきがあっても、エンジン2の自動停止は禁止されず、その信号待ちで停車している間、エンジン2を自動停止させることができ、燃料の向上を図ることができる。
以上、本発明の2つの実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施されてもよく、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 アイドルストップ車(車両)
2 エンジン(駆動源)
9 ステアリング機構(ステアリングホイール)
25 アイドルストップECU(アイドルストップ制御手段、禁止手段、車輪速差検出手段)
26 車輪速センサ(車輪速差検出手段)
28 トルクセンサ
2 エンジン(駆動源)
9 ステアリング機構(ステアリングホイール)
25 アイドルストップECU(アイドルストップ制御手段、禁止手段、車輪速差検出手段)
26 車輪速センサ(車輪速差検出手段)
28 トルクセンサ
Claims (2)
- 駆動源が発生する駆動力によって走行し、ステアリングホイールの操作によって進行方向が変更される車両に用いられる制御装置であって、
前記ステアリングホイールに加えられたステアリングトルクを検出するためのトルクセンサと、
前記駆動源の駆動中に所定の停止条件が成立したことに応答して、前記駆動源を自動停止させるアイドルストップ制御手段と、
停車前に前記トルクセンサによって検出されるステアリングトルクが所定のトルク閾値以上である場合に、前記アイドルストップ制御手段による前記駆動源の自動停止を禁止する禁止手段とを含む、車両用制御装置。 - 前記車両の左輪と右輪との車輪速差を検出する車輪速差検出手段をさらに含み、
前記禁止手段は、停車前に前記トルクセンサによって検出されるステアリングトルクが前記トルク閾値以上であり、かつ、前記車輪速差検出手段によって検出される車輪速差が所定の車輪速差閾値以上である場合に、前記アイドルストップ制御手段による前記駆動源の自動停止を禁止する、請求項1に記載の車両用制御装置。
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