JP2013209414A - プロピレンオキサイドの回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロピレンの接触気相酸化で製造されたプロピレンオキサイド(PO)を分解することなく、POを回収する方法の提供。
【解決手段】POと、C1〜C3炭化水素、二酸化炭素及び固定ガスを含む不活性成分とを含むガス混合物からPOを回収する方法であって、以下の(A)〜(C)の工程を含む方法:(A)吸収塔で、前記ガス混合物を希薄水性吸収剤と接触させて、塔底物としてPO濃厚吸収液を生成させる工程、(B)吸収塔塔底物のフラッシュ塔で、30℃〜50℃の温度で、0.1〜0.41MPaAの圧力で、前記PO濃厚吸収液をフラッシュさせて、不活性成分希薄溶液と、前記PO濃厚吸収液に含まれる不活性成分の少なくとも50%を含む不活性成分濃厚塔頂ガスとを生成させる工程、及び(C)PO放散塔で、大気圧またはそれより少し高い圧力で、前記不活性成分希薄溶液をストリップ流と接触させて、PO濃厚放散塔塔頂ガスを生成させる工程。
【選択図】なし
【解決手段】POと、C1〜C3炭化水素、二酸化炭素及び固定ガスを含む不活性成分とを含むガス混合物からPOを回収する方法であって、以下の(A)〜(C)の工程を含む方法:(A)吸収塔で、前記ガス混合物を希薄水性吸収剤と接触させて、塔底物としてPO濃厚吸収液を生成させる工程、(B)吸収塔塔底物のフラッシュ塔で、30℃〜50℃の温度で、0.1〜0.41MPaAの圧力で、前記PO濃厚吸収液をフラッシュさせて、不活性成分希薄溶液と、前記PO濃厚吸収液に含まれる不活性成分の少なくとも50%を含む不活性成分濃厚塔頂ガスとを生成させる工程、及び(C)PO放散塔で、大気圧またはそれより少し高い圧力で、前記不活性成分希薄溶液をストリップ流と接触させて、PO濃厚放散塔塔頂ガスを生成させる工程。
【選択図】なし
Description
本発明は、二酸化炭素、低分子量炭化水素、及びその他の不活性成分を含有する混合物からのプロピレンオキサイドの回収方法に関する。より詳細には、プロピレンの接触気相酸化で製造されたプロピレンオキサイドを、不活性反応成分を含有する混合物から回収する方法に関する。特に、加水分解によるプロピレングリコール等への変換損失を最小化し、また高濃度のプロピレンオキサイドを含むガス流を圧縮する危険を回避しつつ、気体分画としてプロピレンオキサイドを回収する方法に関する。
プロピレンオキサイドの製造方法としては、クロロヒドリン法、ハルコン法の他、金属触媒を用いたプロピレンの接触気相酸化反応が知られている。この金属触媒を用いたプロピレンの接触気相酸化反応において、反応生成物は、典型的には大量の未反応プロピレン及び酸素と共に少量のプロピレンオキサイドから成り、さらに多少の二酸化炭素、低分子量炭化水素、及び窒素、アルゴン等の固定ガスも含まれている。このような混合物からプロピレンオキサイドを回収する方法としては、まず、プロピレンオキサイドを希薄水性吸収剤に吸収させてプロピレンオキサイド濃厚吸収液とし、続いて、分留、スクラブ、放散等の工程を含む多様な方法で処理して、プロピレンオキサイドを回収する方法である。
プロピレンオキサイドの回収方法で問題となるのは、プロピレンオキサイドがプロピレングリコール、ジプロピレングリコール等に加水分解されることである。プロピレンオキサイドが溶解している吸収液からプロピレンオキサイドを放散させる際、プロピレンオキサイド濃厚吸収液中でプロピレングリコール、ジプロピレングリコール等が生成される。通常、高い温度で運転される放散塔の棚段及び配管の中で、プロピレンオキサイドと水の滞留物が高い温度下に存在することで、加水分解が起こる。
プロピレンオキサイドの回収方法で問題となるのは、プロピレンオキサイドがプロピレングリコール、ジプロピレングリコール等に加水分解されることである。プロピレンオキサイドが溶解している吸収液からプロピレンオキサイドを放散させる際、プロピレンオキサイド濃厚吸収液中でプロピレングリコール、ジプロピレングリコール等が生成される。通常、高い温度で運転される放散塔の棚段及び配管の中で、プロピレンオキサイドと水の滞留物が高い温度下に存在することで、加水分解が起こる。
放散塔が維持される温度及び圧力について、重大なジレンマが存在する。一方で、放散塔の内部の圧力は、大気圧より高くしておくべきである。さもないと、空気が放散塔に流入し、プロピレンオキサイド、炭化水素及び酸素による発火性の混合物が生成されることになる。放散塔を低圧力、すなわち約0.1〜約0.24MPaAの圧力で運転すれば、結果として、放散塔塔頂物を冷却水で凝縮させることが極めて困難になり、又は完全に不可能になる。プロピレンオキサイドと共に吸収された不活性ガスは、最終的に放散塔塔頂物に行き着くため、その塔頂物に含まれるプロピレンオキサイドを本質的に完全に凝縮させることが困難となる。他方で、放散塔の運転圧力が大気圧よりも高くなり過ぎ、付随して運転温度も上がれば、プロピレングリコール等への加水分解によって失われるプロピレンオキサイドの量が大幅に増大する。このようにして生成する加水分解物は、非常に複雑で不純な特性を有する。また、プロピレングリコール等を高純度の製品として回収するには、設置、運転及び維持に高額が必要となる相当な設備を用いなければならない。
通常の冷却水との間接熱交換によって放散塔塔頂ガスの凝縮を可能にするためには、通常、放散塔の圧力を約0.2〜約0.45MPaAとして運転する。そのような条件下では、プロピレングリコール等への加水分解によるプロピレンオキサイドの収量損失は小さいが有意な量で生じる。そのような収量損失は、放散塔をより低い圧力で運転するか、塔頂物を冷凍して凝縮させることで、減らすことができる。しかし、この方法における冷凍処理に必要な費用は、プロピレンオキサイドの収量向上の利益を相殺する。
プロピレンオキサイドの収量損失を最小化し、同時に通常の冷却水で放散塔塔頂物の凝縮を行うための別の解決方法としては、放散塔を大気圧よりわずかに高い圧力で運転し、凝縮の前に塔頂ガスを圧縮することである。しかし、この解決方法には、経済的な面及び安全性の面の2つの欠点がある。圧縮装置は、一般に、大規模な設備投資を伴い、通常、運転費用及び維持費用が高額である。放散塔塔頂ガスは、一般的にはプロピレンオキサイドを少なくとも25モル%含有し、80モル%〜90モル%程度まで含むこともできる。安全性の観点で言えば、上記の放散塔塔頂ガスを圧縮すれば、熱と圧力に敏感な混合物を爆発的分解が生じうる状態にしかねない。
プロピレンオキサイドの収量損失を最小化し、同時に通常の冷却水で放散塔塔頂物の凝縮を行うための別の解決方法としては、放散塔を大気圧よりわずかに高い圧力で運転し、凝縮の前に塔頂ガスを圧縮することである。しかし、この解決方法には、経済的な面及び安全性の面の2つの欠点がある。圧縮装置は、一般に、大規模な設備投資を伴い、通常、運転費用及び維持費用が高額である。放散塔塔頂ガスは、一般的にはプロピレンオキサイドを少なくとも25モル%含有し、80モル%〜90モル%程度まで含むこともできる。安全性の観点で言えば、上記の放散塔塔頂ガスを圧縮すれば、熱と圧力に敏感な混合物を爆発的分解が生じうる状態にしかねない。
上記の放散塔のジレンマについての別の解決方法として、以下の方法が考えられる。反応器排出ガスを水で吸収することで得られるプロピレンオキサイド吸収液を75℃〜110℃の温度でフラッシュする。フラッシュで得られた凝縮物を、放散塔で一般的には約35〜約200kPaAの範囲、例えば約60kPaAの圧力で放散させて、高濃度のプロピレンオキサイドを不活性成分及び水蒸気と共に含む塔頂ガスを製造する。続いて、得られたプロピレンオキサイド濃厚放散塔塔頂物を圧縮して、最終の蒸留を行って精製することで、プロピレンオキサイド製品を製造する。しかし、この解決方法にも経済的な面及び安全性の面の少なくとも3つの欠点がある。フラッシュ塔が高温であるために、かなりの量のプロピレングリコール等が生成する。大気圧より低い圧力での放散塔の運転によって、空気がシステムに流入する可能性があり、爆発可能性のある混合物が生成する危険性が増える。高濃度のプロピレンオキサイドを含有するガス流を圧縮することは、上記の通り、経済的な魅力が無く、潜在的に危険である。
特許文献1には、エチレンオキサイドの回収方法が記載されている。
特許文献1には、エチレンオキサイドの回収方法が記載されている。
本発明の課題は、二酸化炭素、低分子量炭化水素、及びその他の不活性成分を含有する混合物からプロピレンオキサイドを回収する方法であって、プロピレンオキサイドが分解することなく、不経済で潜在的に危険なプロセスを含んでいない方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段について検討した結果、以下の本発明を見出した。
[1] プロピレンオキサイドと、C1〜C3炭化水素、二酸化炭素及び固定ガスを含む不活性成分とを含むガス混合物からプロピレンオキサイドを回収する方法であって、
加水分解によるプロピレングリコールの生成が最小化され、高濃度のプロピレンオキサイドを含むガス流を圧縮する必要性を回避し、
以下の(A)〜(C)の工程を含む方法:
(A)吸収塔で、前記ガス混合物を希薄水性吸収剤と接触させて、塔底物としてプロピレンオキサイド濃厚吸収液を生成させる工程、
(B)吸収塔塔底物のフラッシュ塔で、30℃〜50℃の温度で、0.1〜0.41MPaAの圧力で、前記プロピレンオキサイド濃厚吸収液をフラッシュさせて、不活性成分希薄溶液と、前記プロピレンオキサイド濃厚吸収液に含まれる不活性成分の少なくとも50%を含む不活性成分濃厚塔頂ガスとを生成させる工程、及び
(C)プロピレンオキサイド放散塔で、0.1〜0.45MPaAで、前記不活性成分希薄溶液をストリップ流と接触させて、プロピレンオキサイド濃厚放散塔塔頂ガスを生成させる工程。
[1] プロピレンオキサイドと、C1〜C3炭化水素、二酸化炭素及び固定ガスを含む不活性成分とを含むガス混合物からプロピレンオキサイドを回収する方法であって、
加水分解によるプロピレングリコールの生成が最小化され、高濃度のプロピレンオキサイドを含むガス流を圧縮する必要性を回避し、
以下の(A)〜(C)の工程を含む方法:
(A)吸収塔で、前記ガス混合物を希薄水性吸収剤と接触させて、塔底物としてプロピレンオキサイド濃厚吸収液を生成させる工程、
(B)吸収塔塔底物のフラッシュ塔で、30℃〜50℃の温度で、0.1〜0.41MPaAの圧力で、前記プロピレンオキサイド濃厚吸収液をフラッシュさせて、不活性成分希薄溶液と、前記プロピレンオキサイド濃厚吸収液に含まれる不活性成分の少なくとも50%を含む不活性成分濃厚塔頂ガスとを生成させる工程、及び
(C)プロピレンオキサイド放散塔で、0.1〜0.45MPaAで、前記不活性成分希薄溶液をストリップ流と接触させて、プロピレンオキサイド濃厚放散塔塔頂ガスを生成させる工程。
[2] 前記不活性成分濃厚塔頂ガスを圧縮し、吸収塔に再循環させ、そのガスに含まれるプロピレン及びプロピレンオキサイドを回収する、[1]に記載の方法。
[3] 前記の圧縮された塔頂ガスを冷却して生じる凝縮液を、前記の吸収塔塔底物のフラッシュ塔に再循環する、[2]に記載の方法。
[4] 前記の吸収塔塔底物のフラッシュ塔内の物質の滞留時間が20秒間〜10分間である、[1]に記載の方法。
[5] 前記放散塔が0.1〜0.24MPaAの圧力で維持される、[1]に記載の方法。
[6] 前記放散塔の塔頂ガスを、通常の冷却水との間接熱交換によって凝縮させる、[1]に記載の方法。
[7] プロピレンオキサイドと、C1〜C3炭化水素、二酸化炭素及び固定ガスを含む不活性成分とを含むガス混合物が、金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法により得られるガスを含む混合物である[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 金属触媒が、(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する触媒である[7]に記載の方法。
[3] 前記の圧縮された塔頂ガスを冷却して生じる凝縮液を、前記の吸収塔塔底物のフラッシュ塔に再循環する、[2]に記載の方法。
[4] 前記の吸収塔塔底物のフラッシュ塔内の物質の滞留時間が20秒間〜10分間である、[1]に記載の方法。
[5] 前記放散塔が0.1〜0.24MPaAの圧力で維持される、[1]に記載の方法。
[6] 前記放散塔の塔頂ガスを、通常の冷却水との間接熱交換によって凝縮させる、[1]に記載の方法。
[7] プロピレンオキサイドと、C1〜C3炭化水素、二酸化炭素及び固定ガスを含む不活性成分とを含むガス混合物が、金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法により得られるガスを含む混合物である[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 金属触媒が、(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する触媒である[7]に記載の方法。
本発明方法によって、放散塔におけるプロピレンオキサイドの加水分解によるプロピレングリコール等の生成を最小化することができ、プロピレンオキサイドの収率が向上し、高濃度のプロピレンオキサイドを含むガス流を圧縮する必要性が無く、プロピレンオキサイドを回収することができる。
本発明が適用できるプロピレンの接触気相酸化方法としては、例えば、金属酸化物等を含有するような金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法等が挙げられる。このような金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法については、例えば、WO2011/075458、WO2011/075459、WO2012/005822、WO2012/005823、WO2012/005824、WO2012/005825、WO2012/005831、WO2012/005832、WO2012/005835、WO2012/005837、WO2012/009054、WO2012/009059、WO2012/009058、WO2012/009053、WO2012/009057、WO2012/009055、WO2012/009052、WO2012/009055等に記載されている。その製法において用いる触媒としては、下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p)及び(q)からなる群から選ばれる少なくとも2種を含む触媒が挙げられる。
(a)銅酸化物
(b)ルテニウム酸化物
(c)マンガン酸化物
(d)ニッケル酸化物
(e)オスミウム酸化物
(f)ゲルマニウム酸化物
(g)クロミウム酸化物
(h)タリウム酸化物
(i)スズ酸化物
(j)ビスマス酸化物
(k)アンチモン酸化物
(l)レニウム酸化物
(m)コバルト酸化物
(n)オスミウム酸化物
(o)ランタノイド酸化物
(p)タングステン酸化物
(q)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分
好ましくは(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する触媒であり、より好ましくは(a)銅酸化物、(b)ルテニウム酸化物及び(q)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分を含有する触媒である。
(a)銅酸化物
(b)ルテニウム酸化物
(c)マンガン酸化物
(d)ニッケル酸化物
(e)オスミウム酸化物
(f)ゲルマニウム酸化物
(g)クロミウム酸化物
(h)タリウム酸化物
(i)スズ酸化物
(j)ビスマス酸化物
(k)アンチモン酸化物
(l)レニウム酸化物
(m)コバルト酸化物
(n)オスミウム酸化物
(o)ランタノイド酸化物
(p)タングステン酸化物
(q)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分
好ましくは(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する触媒であり、より好ましくは(a)銅酸化物、(b)ルテニウム酸化物及び(q)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分を含有する触媒である。
二酸化炭素、低分子量炭化水素及びその他の不活性成分を含むガス混合物からプロピレンオキサイドを分離する際、以下の(A)〜(C)の工程:(A)吸収塔で、前記ガス混合物を希薄水性吸収剤と接触させて、塔底物としてプロピレンオキサイド濃厚吸収液を生成させる工程、(B)吸収塔塔底物のフラッシュ塔で、65℃以下の温度で、前記プロピレンオキサイド濃厚吸収液をフラッシュさせて、不活性成分希薄凝縮液を生成させる工程、及び(C)プロピレンオキサイド放散塔で、大気圧またはそれより少し高い圧力で、前記不活性成分希薄溶液を水蒸気流と接触させて、プロピレンオキサイド濃厚放散塔塔頂ガスを生成させる工程を行うことで、放散塔におけるプロピレンオキサイドの加水分解によるプロピレングリコール等の生成を最小化することができ、プロピレンオキサイドの収率が向上し、高濃度のプロピレンオキサイドを含むガス流を圧縮する必要性が無く、プロピレンオキサイドを回収することができることを、本発明者らは見出した。
本発明の好ましい実施形態において、フラッシュ塔塔頂物、すなわち不活性成分濃厚ガス混合物は、その中に含まれるプロピレン及びプロピレンオキサイドを回収するために少なくとも一つの圧縮操作に供される。
本発明の好ましい実施形態において、フラッシュ塔塔頂物、すなわち不活性成分濃厚ガス混合物は、その中に含まれるプロピレン及びプロピレンオキサイドを回収するために少なくとも一つの圧縮操作に供される。
本発明の回収方法は、前記金属触媒の存在下でプロピレン及び酸素を反応させて生成される反応器からの排出流に特に適している。反応器排出流は、一般には1〜2.4MPaAの圧力で、210℃〜290℃の温度である。その組成は、変わり得るが、一般には0.5モル%〜3モル%のプロピレンオキサイド、35モル%以下のプロピレン、6モル%以下の酸素、0.5モル%〜15モル%の二酸化炭素、及び窒素、アルゴン、メタン、エタン等の不活性ガスを含む。
上記の希薄プロピレンオキサイド混合物を40℃〜90℃の温度に冷却する。その後、水性吸収剤に吸収させて、未反応のプロピレン、酸素、及び水性吸収剤にほぼ不溶性である反応器排出物中の他のガス成分からプロピレンオキサイドを分離する。吸収塔が維持される好適な吸収条件は、15℃〜50℃の範囲の温度で、0.7〜2MPaAの圧力である。プロピレンに富む吸収されなかったガス物質は、反応器への再循環に適している。
上記の希薄プロピレンオキサイド混合物を40℃〜90℃の温度に冷却する。その後、水性吸収剤に吸収させて、未反応のプロピレン、酸素、及び水性吸収剤にほぼ不溶性である反応器排出物中の他のガス成分からプロピレンオキサイドを分離する。吸収塔が維持される好適な吸収条件は、15℃〜50℃の範囲の温度で、0.7〜2MPaAの圧力である。プロピレンに富む吸収されなかったガス物質は、反応器への再循環に適している。
吸収塔で最初に得られた水性吸収液は、プロピレンオキサイドを希薄濃度で、一般的には1.5モル%以下の濃度で含み、二酸化炭素及びその他の不活性ガスも溶解している。この水性吸収液は、吸収塔塔底物のフラッシュ塔に送られ、水性吸収液に溶解する不活性成分の実質的な量が除去される。吸収塔塔底物のフラッシュ塔におけるプロピレンオキサイドのプロピレングリコール等への加水分解を最小化するためには、フラッシュ塔内部の温度を制御することが重要である。65℃以下で吸収塔塔底物をフラッシュすれば、プロピレングリコール等がより経済的な製造に適した量しか生成されないことを、一般的に見出しました。例えば、35℃では、加水分解はごく微量しか起こらない。好ましくは、吸収塔塔底物は30℃〜50℃の温度でフラッシュを行う。臨界的ではないが、吸収塔塔底物のフラッシュ塔内の物質の滞留時間は、20秒間〜10分間の間で変化させることができる。
50℃以下の温度での吸収塔塔底物のフラッシュによって、さらに利点が生じる。そのような温度では、濃厚吸収液からフラッシュされるプロピレンオキサイドの量は、多くはない。また、フラッシュが行われる温度が比較的低温であるにも関わらず、吸収塔塔底物に溶解する不活性成分の大部分が容易に分離される。水性吸収液中の不活性成分の含有量は、通常少なくとも50%〜85%減少する。後述の通り、これによって、放散塔塔頂物の凝縮が促進され、プロピレンオキサイド濃厚分画を圧縮する必要性が回避されるとの、顕著な二次的な利点が生じる。
吸収塔塔底物のフラッシュ塔内の温度を指定された低温に維持することによって、塔頂物に取り込まれるプロピレンオキサイドの量が最小化される。この方法で、水性吸収液中に含まれているプロピレンオキサイドと不活性ガスとを比較的完全に分離することができる。後述の通り、吸収塔塔底物のフラッシュ塔からの塔頂物は最終的には吸収塔に戻されるため、塔頂物中のプロピレンオキサイドのこのような低い含量は希薄水性吸収剤の必要量を減少させるとの利点を有する。
吸収塔塔底物のフラッシュ塔内の圧力は、一般的には0.1〜0.41MPaAの範囲にする。
吸収塔塔底物のフラッシュ塔内の温度を指定された低温に維持することによって、塔頂物に取り込まれるプロピレンオキサイドの量が最小化される。この方法で、水性吸収液中に含まれているプロピレンオキサイドと不活性ガスとを比較的完全に分離することができる。後述の通り、吸収塔塔底物のフラッシュ塔からの塔頂物は最終的には吸収塔に戻されるため、塔頂物中のプロピレンオキサイドのこのような低い含量は希薄水性吸収剤の必要量を減少させるとの利点を有する。
吸収塔塔底物のフラッシュ塔内の圧力は、一般的には0.1〜0.41MPaAの範囲にする。
吸収塔塔底物のフラッシュ塔からの塔頂物には、不活性成分に加えて、少ないながらもある程度の量のプロピレン及びプロピレンオキサイドが含まれている。経済学と環境汚染を考慮すると、プロピレン及びプロピレンオキサイドを回収することが望まれる。本発明の好ましい実施形態において、この回収は、吸収塔塔底物のフラッシュ塔からの不活性成分濃厚塔頂ガスを、従来の方法で、圧縮、冷却、及び得られた凝縮物の分離を組み合わせた少なくとも一つの工程に施すことによって、達成される。ここで、「不活性成分濃厚」とは、少なくとも50モル%の二酸化炭素、C1〜C3炭化水素、固定ガス及び25モル%以下のプロピレンオキサイドを含むガス流を意味する。上記の一連の工程によって、吸収塔塔底物のフラッシュ塔からの塔頂物としてプロピレン及びプロピレンオキサイドを本質的に完全に回収することができる。圧縮の段数は、全体としての圧縮比及び一段当たり達成可能な圧縮比によって決定される。放散塔塔頂物よりもむしろ、吸収塔塔底物のフラッシュ塔からの塔頂ガスを圧縮することによって、従来知られているように2つの実質的な利益が生じる。第一に、ガスの容積がより少なくなるため、既存のプラントの大きさで圧縮ができ、設備費用、維持費用及び運用費用が低減される。第二に、圧縮機に導入されるプロピレンオキサイドがより低い濃度であるため、プロピレンオキサイド濃厚分画の圧縮に伴われる潜在的な危険性が実質的に回避される。
続く分離工程からの凝縮液は、吸収塔塔底物のフラッシュ塔に戻され、他方、対応するガスは、圧縮及び冷却の後に、反応器排出物と混合して、吸収塔に供給される。
吸収塔塔底物のフラッシュ塔からの塔底液は、プロピレンオキサイド放散塔に送られ、大量のプロピレンオキサイド及び水と、少量の二酸化炭素及び水性塔底液分画からの他の不活性成分とを含むガス分画が、分離される。
続く分離工程からの凝縮液は、吸収塔塔底物のフラッシュ塔に戻され、他方、対応するガスは、圧縮及び冷却の後に、反応器排出物と混合して、吸収塔に供給される。
吸収塔塔底物のフラッシュ塔からの塔底液は、プロピレンオキサイド放散塔に送られ、大量のプロピレンオキサイド及び水と、少量の二酸化炭素及び水性塔底液分画からの他の不活性成分とを含むガス分画が、分離される。
その他のプロセス手順において、吸収塔塔底物のフラッシュ塔からの塔頂物は、再吸収塔で水性流と接触される。再吸収塔から排出されるガス状生成物は圧縮され、吸収塔に戻される。再吸収塔塔底液に含まれるプロピレンオキサイドは、例えば、吸収塔塔底物のフラッシュ塔に再循環するか、又は放散塔に流すことによって、回収される。この変更によって、圧縮されるガスの量、及びプロピレンオキサイド含量が減少する。
吸収塔塔底物に含まれていた不活性成分を前もって部分的に除去することで、プロピレンオキサイド放散塔塔頂物を大気圧よりわずかに高い圧力で凝縮させることが可能となる。これは、通常のプロセス手順では行うことはできなかった。通常のプロセス手順では、放散塔塔頂物は、一般的に少なくとも25モル%、最大80モル%〜90モル%のプロピレンオキサイドを含んでおり、凝縮前に圧縮しなければならない。従って、プロピレンオキサイド吸収塔で生成される濃厚吸収液をフラッシュして、不活性成分の大部分を除去することで、大気圧に近い圧力での凝縮が可能となり、潜在的に不安定で熱と圧力に敏感なプロピレンオキサイドを圧縮する必要性が無くなる。さらに、大気圧又はそれよりわずかに高い圧力で放散塔塔頂物を凝縮させることは、本発明の方法で可能となるものであるが、その圧力で放散塔塔頂物を凝縮させれば、同様の圧力下で放散塔を運転することが可能になる。これは、放散塔内部での加水分解によって生成されるプロピレングリコール等の量を最小化するのに極めて有用である。
吸収塔塔底物に含まれていた不活性成分を前もって部分的に除去することで、プロピレンオキサイド放散塔塔頂物を大気圧よりわずかに高い圧力で凝縮させることが可能となる。これは、通常のプロセス手順では行うことはできなかった。通常のプロセス手順では、放散塔塔頂物は、一般的に少なくとも25モル%、最大80モル%〜90モル%のプロピレンオキサイドを含んでおり、凝縮前に圧縮しなければならない。従って、プロピレンオキサイド吸収塔で生成される濃厚吸収液をフラッシュして、不活性成分の大部分を除去することで、大気圧に近い圧力での凝縮が可能となり、潜在的に不安定で熱と圧力に敏感なプロピレンオキサイドを圧縮する必要性が無くなる。さらに、大気圧又はそれよりわずかに高い圧力で放散塔塔頂物を凝縮させることは、本発明の方法で可能となるものであるが、その圧力で放散塔塔頂物を凝縮させれば、同様の圧力下で放散塔を運転することが可能になる。これは、放散塔内部での加水分解によって生成されるプロピレングリコール等の量を最小化するのに極めて有用である。
放散塔内で、例えば、実質的にプロピレンオキサイド及び水蒸気からなる塔頂物が生成する条件で、放散塔の下端部に水蒸気を注入することで放散を適切に行うことができる。放散塔内に維持される圧力は、好ましくは、大気圧又はそれよりわずかに高い圧力、すなわち0.1〜0.24MPaAの圧力である。
放散塔の塔底物は、プロピレンオキサイドを実質的に含まない水性流であり、好適には、冷却後、吸収塔に再循環されて、反応器排出物に含まれるプロピレンオキサイドをさらに吸収する。放散塔の塔頂ガスは通常の手段等によって処理を行い、プロピレンオキサイドを、そのものとして又は比較的少量の不純物から分離された水溶液として回収する。
放散塔の塔底物は、プロピレンオキサイドを実質的に含まない水性流であり、好適には、冷却後、吸収塔に再循環されて、反応器排出物に含まれるプロピレンオキサイドをさらに吸収する。放散塔の塔頂ガスは通常の手段等によって処理を行い、プロピレンオキサイドを、そのものとして又は比較的少量の不純物から分離された水溶液として回収する。
以下、本発明をさらに詳しく述べるために、図面に基づいて具体的な実施態様を説明する。しかし本発明はこの実施態様のみによって本発明の範囲を規制するものでない。図1には、反応器排出物からプロピレンオキサイドを回収する吸収塔、吸収塔塔底物のフラッシュ塔、吸収塔塔底物のフラッシュ塔の塔頂からのプロピレン及びプロピレンオキサイドを回収するための圧縮機、及びプロピレンオキサイド放散塔が示されている。なお、ポンプ、安全弁、弁、制御装置及び圧縮機等の雑多な付属物は省略されており、本発明を完全に、そして明確に理解するために必要最低限の容器及び配管のみが示されている。
図1を参照して、以下説明する。反応器排出ガス、例えば、金属触媒上でのプロピレンの接触触媒酸化反応によって生成されたものを、配管11及び15を通ってプロピレンオキサイド吸収塔10に導入する。後述に従って生成された水性流は、配管12を通って吸収塔10に導入される。吸収塔10において、少量の二酸化炭素及び不活性ガスと共にプロピレンオキサイドが水性流に吸収される。窒素、アルゴン、酸素、二酸化炭素、C1〜C3炭化水素、未反応のプロピレン等を通常含む吸収されないガスは、配管13を通って吸収塔10から除去されて、反応器に好適に再循環される。吸収塔塔底物はプロピレンオキサイドを含有する水性流であり、配管14を通って吸収塔塔底物のフラッシュ塔20に送られる。回収プロセスの熱経済を改良するために、反応器排出ガスを、配管22を流れる吸収塔塔底物のフラッシュ塔の塔底液を用いて熱交換器55で冷却してもよい。
吸収塔塔底物のフラッシュ塔20によって、吸収塔塔底流14に含まれる不活性成分の少なくとも主要な部分が除去される。一般的に、吸収塔塔底物のフラッシュ塔20は、65℃以下の温度で、0.1〜0.41MPaAの圧力で維持される。この条件で、プロピレンオキサイド吸収塔塔底物に含まれる不活性成分の少なくとも50%が塔頂物として除去される。
吸収塔塔底物のフラッシュ塔20によって、吸収塔塔底流14に含まれる不活性成分の少なくとも主要な部分が除去される。一般的に、吸収塔塔底物のフラッシュ塔20は、65℃以下の温度で、0.1〜0.41MPaAの圧力で維持される。この条件で、プロピレンオキサイド吸収塔塔底物に含まれる不活性成分の少なくとも50%が塔頂物として除去される。
吸収塔塔底物のフラッシュ塔20からの塔頂物は、プロピレン及びプロピレンオキサイドを少量から中程度の量で含んでおり、配管23を流れる。好ましくは、これらの成分は、例えば、圧縮、冷却、及び得られた凝縮物の分離を組み合わせた少なくとも一つの工程で、回収される。図1に示すように、これを達成する一つの方法は、吸収塔塔底物のフラッシュ塔20からの塔頂物を配管23を通って圧縮機30の吸入口に送り、圧縮機30からの流出物は配管31を流れて、熱交換器32で冷却され、分離器40で相分離される。圧縮機の数及び中間圧の段階の数は、必要とされる全体の圧縮比によって決定される。図1には2つの圧縮機30及び50が示されているが、用いられる圧縮機の数自体は、本発明には重要ではない。
分離器40からの凝縮物は、ある程度のプロピレンオキサイドを含み、配管42及び21を通って吸収塔塔底物のフラッシュ塔20に送ることでプロピレンオキサイドを回収することができる。分離塔40からの塔頂物は、配管43を通って圧縮機50で圧縮される。圧縮機50からの流出液は、配管51を流れて熱交換器52で冷却されてもよい。冷却された流出液は、配管11を流れる反応器排出液と混合され、配管51を通って吸収塔10に戻される。このように、吸収塔10からの水性吸収液に溶解していたプロピレンの実質的にすべては、最終的に吸収塔10に戻される。所望であれば、熱交換器52の熱負荷は、熱交換器55の熱負荷と組み合わせてもよく、そうすることで熱交換器52の熱負荷を減らすことができる。
分離器40からの凝縮物は、ある程度のプロピレンオキサイドを含み、配管42及び21を通って吸収塔塔底物のフラッシュ塔20に送ることでプロピレンオキサイドを回収することができる。分離塔40からの塔頂物は、配管43を通って圧縮機50で圧縮される。圧縮機50からの流出液は、配管51を流れて熱交換器52で冷却されてもよい。冷却された流出液は、配管11を流れる反応器排出液と混合され、配管51を通って吸収塔10に戻される。このように、吸収塔10からの水性吸収液に溶解していたプロピレンの実質的にすべては、最終的に吸収塔10に戻される。所望であれば、熱交換器52の熱負荷は、熱交換器55の熱負荷と組み合わせてもよく、そうすることで熱交換器52の熱負荷を減らすことができる。
吸収塔塔底物のフラッシュ塔20からの凝縮液は、配管22を流れて、熱交換器55で反応器排出ガスと、熱交換器60で放散塔塔底物と、連続して熱交換することができる。
プロピレンオキサイド放散塔70で、供給されるプロピレンオキサイドの99.0%以上が回収される。プロピレングリコール等への加水分解によるプロピレンオキサイドの損失は、上記の放散処理中に発生するプロピレンオキサイドの損失に加えられなければならない。プロピレンオキサイド吸収塔10からの塔底部に含まれる不活性成分のかなりの部分が吸収塔塔底物のフラッシュ塔20で除去されるため、配管72に流出する放散塔70からの塔頂物を、大気圧又はそれよりわずかに高い圧力で、通常の冷却水との間接熱交換によって凝縮させることができる。これによって、放散塔内部を0.1〜0.24MPaAの圧力に維持することができる。放散塔70内に維持される圧力は、プロセスに正圧を確保し、凝縮及びその他の代替方法によるプロピレンオキサイドの回収を可能にする実用的な最小値に設定される。放散塔70におけるストリップのための熱は、通常の再沸器、配管71を介して導入される直接水蒸気、又はこれらの任意の組合せを用いて、供給することができる。放散塔で生成された少量のプロピレングリコール等は、図1には示していないが、スリップストリームを介して放散塔から除去してもよい。
プロピレンオキサイド放散塔70で、供給されるプロピレンオキサイドの99.0%以上が回収される。プロピレングリコール等への加水分解によるプロピレンオキサイドの損失は、上記の放散処理中に発生するプロピレンオキサイドの損失に加えられなければならない。プロピレンオキサイド吸収塔10からの塔底部に含まれる不活性成分のかなりの部分が吸収塔塔底物のフラッシュ塔20で除去されるため、配管72に流出する放散塔70からの塔頂物を、大気圧又はそれよりわずかに高い圧力で、通常の冷却水との間接熱交換によって凝縮させることができる。これによって、放散塔内部を0.1〜0.24MPaAの圧力に維持することができる。放散塔70内に維持される圧力は、プロセスに正圧を確保し、凝縮及びその他の代替方法によるプロピレンオキサイドの回収を可能にする実用的な最小値に設定される。放散塔70におけるストリップのための熱は、通常の再沸器、配管71を介して導入される直接水蒸気、又はこれらの任意の組合せを用いて、供給することができる。放散塔で生成された少量のプロピレングリコール等は、図1には示していないが、スリップストリームを介して放散塔から除去してもよい。
本発明によって、放散塔におけるプロピレンオキサイドの加水分解によるプロピレングリコール等の生成を最小化することができ、プロピレンオキサイドの収率が向上し、高濃度のプロピレンオキサイドを含むガス流を圧縮する必要性が無く、プロピレンオキサイドを回収することができる方法が提供される。
Claims (8)
- プロピレンオキサイドと、C1〜C3炭化水素、二酸化炭素及び固定ガスを含む不活性成分とを含むガス混合物からプロピレンオキサイドを回収する方法であって、
加水分解によるプロピレングリコールの生成が最小化され、高濃度のプロピレンオキサイドを含むガス流を圧縮する必要性を回避し、
以下の(A)〜(C)の工程を含む方法:
(A)吸収塔で、前記ガス混合物を希薄水性吸収剤と接触させて、塔底物としてプロピレンオキサイド濃厚吸収液を生成させる工程、
(B)吸収塔塔底物のフラッシュ塔で、30℃〜50℃の温度で、0.1〜0.41MPaAの圧力で、前記プロピレンオキサイド濃厚吸収液をフラッシュさせて、不活性成分希薄溶液と、前記プロピレンオキサイド濃厚吸収液に含まれる不活性成分の少なくとも50%を含む不活性成分濃厚塔頂ガスとを生成させる工程、及び
(C)プロピレンオキサイド放散塔で、0.1〜0.45MPaAで、前記不活性成分希薄溶液をストリップ流と接触させて、プロピレンオキサイド濃厚放散塔塔頂ガスを生成させる工程。 - 前記不活性成分濃厚塔頂ガスを圧縮し、吸収塔に再循環させ、そのガスに含まれるプロピレン及びプロピレンオキサイドを回収する、請求項1に記載の方法。
- 前記の圧縮された塔頂ガスを冷却して生じる凝縮液を、前記の吸収塔塔底物のフラッシュ塔に再循環する、請求項2に記載の方法。
- 前記の吸収塔塔底物のフラッシュ塔内の物質の滞留時間が20秒間〜10分間である、請求項1に記載の方法。
- 前記放散塔が0.1〜0.24MPaAの圧力で維持される、請求項1に記載の方法。
- 前記放散塔の塔頂ガスを、通常の冷却水との間接熱交換によって凝縮させる、請求項1に記載の方法。
- プロピレンオキサイドと、C1〜C3炭化水素、二酸化炭素及び固定ガスを含む不活性成分とを含むガス混合物が、金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法により得られるガスを含む混合物である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 金属触媒が、(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する触媒である請求項7に記載の方法。
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JP2013118817A JP2013209414A (ja) | 2013-06-05 | 2013-06-05 | プロピレンオキサイドの回収方法 |
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CN104130215A (zh) * | 2014-08-11 | 2014-11-05 | 河南骏化发展股份有限公司 | 双氧水直接氧化丙烯连续生产环氧丙烷的方法 |
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2013
- 2013-06-05 JP JP2013118817A patent/JP2013209414A/ja active Pending
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