JP2013209392A - プロピレンオキサイドの濃縮及び精製方法 - Google Patents

プロピレンオキサイドの濃縮及び精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭化水素を効率的に回収し、炭化水素不純物が減少した二酸化炭素を回収することができるプロピレンオキサイドの製造方法の提供。
【解決手段】分子状酸素によるプロピレンの酸化反応を含むプロピレンオキサイドの製造方法であって、プロピレンオキサイド吸収塔からの塔頂流の少なくとも一部を二酸化炭素吸収塔内で水性の二酸化炭素吸収剤と接触させて炭化水素を含む二酸化炭素濃厚吸収液を生成させる工程、前記二酸化炭素濃厚吸収液をフラッシュ処理して炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液を生成させる工程、前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液を二酸化炭素放散塔で放散処理する工程を含む、実質的に炭化水素を含まない二酸化炭素流を生成させる方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属触媒存在下でプロピレンを接触気相酸化してプロピレンオキサイドを製造する方法において、未反応のプロピレンを含有する炭化水素ガス流から二酸化炭素を分離する方法に関する。詳細には、通常の二酸化炭素の吸収工程において、溶解又は同伴した炭化水素を回収し、炭化水素の経済的な利用を促進し、同時に炭化水素の大気中への排出を実質的に防止する方法に関する。さらには、プロピレンオキサイド製造工程において、少量の炭化水素の排出を実質的に減少させながら、炭化水素の利用度を改善することを可能にする一連の工程を含む方法に関する。
プロピレンオキサイドは、殺菌剤、燻蒸剤として用いられ、また凍結防止剤、化粧品、潤滑剤、合成樹脂、界面活性剤等の様々な化学製品を製造するための出発物質として用いられている。プロピレンオキサイドの製造方法としては、クロロヒドリン法、ハルコン法の他、金属触媒を用いたプロピレンの接触気相酸化反応が知られている。この金属触媒を用いたプロピレンの接触気相酸化反応において、反応生成物は、典型的には大量の未反応プロピレン及び酸素と共に少量のプロピレンオキサイドから成り、さらに多少の二酸化炭素、低分子量の炭化水素化合物、及び窒素等の不活性ガスも含まれている。プロピレンオキサイドは、水性溶液を用いて吸収させてプロピレンオキサイド濃厚吸収液とし、さらに分留、放散等の処理を含む多様な方法で処理することで回収される。この方法については、例えば特開昭47−14112、特開昭48−44208等に記載のエチレンオキサイドの回収方法を参考にして実施することができる。これらに記載の方法では、エチレンオキサイドを除いた後の残留ガス流を、少量の排出を除いて、必要に応じて圧縮して、反応器に再循環させる。再循環ガスの分岐流に対して適当な二酸化炭素吸収剤を用いて吸収処理することで、過剰の二酸化炭素が除去される。その後、二酸化炭素は吸収剤から放散されて、典型的には排出されるが、もし必要があれば副産物として使用又は売却するために回収される。しかし、大量の製造プラントでは、再循環ガスの二酸化炭素吸収工程において、二酸化炭素吸収剤に少量の炭化水素が溶解及び/又は同伴して、最終的には二酸化炭素とともに排出されることが問題になっている。
特許文献1には、エチレンオキサイドの濃縮及び精製方法が記載されている。
特開昭50−40508
本発明の課題は、プロピレンオキサイドの製造方法において、再循環ガスの二酸化炭素吸収工程で、プロピレンを含むC〜C炭化水素の回収を効率的に実施でき、炭化水素の環境への放出が実質的に防止され、炭化水素不純物が減少した二酸化炭素の回収ができる方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段について検討した結果、以下に記載の本発明によって、C〜C炭化水素の回収を効率的に実施でき、炭化水素の環境への放出が実質的に防止され、炭化水素不純物が減少した二酸化炭素の回収ができることを見出して、本発明を見出した。
[1] 分子状酸素によるプロピレンの酸化反応によって、そして反応混合物をプロピレンオキサイド吸収塔内で水性溶液で処理することによって得られたプロピレンオキサイドを含有する水性吸収液をさらに処理することによる、プロピレンオキサイドの濃縮及び精製のための方法であって、
プロピレンオキサイド吸収塔からの塔頂流の少なくとも一部を二酸化炭素吸収塔内で水性の二酸化炭素吸収剤と接触させ、これによって炭化水素濃度の高い塔頂流と、炭化水素を含んでいる二酸化炭素濃厚吸収液とを生成させ、
前記二酸化炭素濃厚吸収液をフラッシュ処理して、炭化水素含有ガス流と炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液とを生成させ、
前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液を二酸化炭素放散塔で放散処理して、実質的に炭化水素を含まない二酸化炭素流を生成させる方法。
[2] 前記反応混合物が、0.5〜3%モルのプロピレンオキサイド、35%モル以下のプロピレン、8%モル以下の酸素、及び0.5〜20%モルの二酸化炭素を含有する、[1]に記載の方法。
[3] 前記反応混合物が、15℃〜50℃の範囲の温度で、0.7〜2.1MPaの範囲の圧力で、前記水性溶液で処理される、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 前記プロピレンオキサイド吸収塔のガス状塔頂流の少なくとも一部が、必要によって圧縮機を経て反応器に再循環される、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 前記プロピレンオキサイド吸収塔のガス状塔頂流全体の10体積%〜50体積%が二酸化炭素吸収塔に送られる、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6] アルカリ金属の炭酸塩、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン又はアミノ酸のアルカリ金属塩の水溶液が二酸化炭素吸収剤として使用される、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 炭酸カリウムの水溶液が二酸化炭素吸収剤として使用される、[6]に記載の方法。
[8] 二酸化炭素が、35℃〜125℃の範囲の温度で、1.0〜2.5MPaの範囲の圧力で吸収処理される、[6]又は[7]に記載の方法。
[9] 前記二酸化炭素濃厚吸収液が95℃〜120℃の範囲の温度でフラッシュ処理される、[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 前記二酸化炭素濃厚吸収液が0.3〜0.7MPaの範囲の圧力でフラッシュ処理される、[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[11] 前記炭化水素を含有するフラッシュ塔の塔頂流が、プロピレンオキサイド吸収塔に、又は必要によって二酸化炭素吸収塔を経て、プロピレンオキサイド吸収塔のガス状塔頂流に戻される、[1]〜[10]のいずれかに記載の方法。
[12] 前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液が0.2MPa以下の圧力で二酸化炭素放散塔で放散処理される、[1]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13] 前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液の少なくとも一部が中間放散塔に通される、[1]〜[12]のいずれかに記載の方法。
[14] 前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液のすべてが中間放散塔に通される、[13]に記載の方法。
[15] 前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液が、窒素、二酸化炭素、又は水蒸気を用いて放散処理される、[13]又は[14]に記載の方法。
[16] 前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液が、0.2〜0.55MPaの範囲の圧力で放散処理される、[15]に記載の方法。
[17] 中間放散塔からの二酸化炭素濃厚吸収液が前記二酸化炭素放散塔に送られ、そこで水性吸収液から二酸化炭素が放散処理される、[15]又は[16]に記載の方法。
[18] 分子状酸素によるプロピレンの酸化反応に用いられる金属触媒が、金属酸化物を含有する、[1]〜[17]のいずれかに記載の方法。
[19] 分子状酸素によるプロピレンの酸化反応に用いられる金属触媒が、(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する、[1]〜[17]のいずれかに記載の方法。
[20] [1]〜[19]のいずれかに記載の方法によって製造されるプロピレンオキサイド。
本発明方法によって、炭化水素の回収が効率的に実施でき、プロピレンオキサイド製造工程全体の効率が向上し、炭化水素の環境への放出が実質的に防止できる。また、炭化水素不純物が減少した二酸化炭素を回収することができる。
本発明の好ましい具体例を示す図である。
本発明が適用できるプロピレンの接触気相酸化方法としては、例えば、金属酸化物等を含有するような金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法等が挙げられる。このような金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法については、例えば、WO2011/075458、WO2011/075459、WO2012/005822、WO2012/005823、WO2012/005824、WO2012/005825、WO2012/005831、WO2012/005832、WO2012/005835、WO2012/005837、WO2012/009054、WO2012/009059、WO2012/009058、WO2012/009053、WO2012/009057、WO2012/009055、WO2012/009052、WO2012/009055等に記載されている。その製法において用いる触媒としては、下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p)及び(q)からなる群から選ばれる少なくとも2種を含む触媒が挙げられる。
(a)銅酸化物
(b)ルテニウム酸化物
(c)マンガン酸化物
(d)ニッケル酸化物
(e)オスミウム酸化物
(f)ゲルマニウム酸化物
(g)クロミウム酸化物
(h)タリウム酸化物
(i)スズ酸化物
(j)ビスマス酸化物
(k)アンチモン酸化物
(l)レニウム酸化物
(m)コバルト酸化物
(n)オスミウム酸化物
(o)ランタノイド酸化物
(p)タングステン酸化物
(q)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分
好ましくは(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する触媒であり、より好ましくは(a)銅酸化物、(b)ルテニウム酸化物及び(q)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分を含有する触媒である。
以下、本発明をさらに詳しく述べるために、図面に基づいて具体的な実施態様を説明する。しかし本発明はこの実施態様のみによって本発明の範囲を規制するものでない。
図1に示したものは、プロピレンをプロピレンオキサイドに部分酸化するための反応器;反応器排出流からプロピレンオキサイドを回収するためのプロピレンオキサイド吸収塔;非吸収ガスを反応器へ再循環させるための圧縮機;再循環ガスの少なくとも一部から二酸化炭素を吸収する二酸化炭素吸収塔;二酸化炭素吸収塔から二酸化炭素濃厚吸収液中に同伴及び溶解した炭化水素を実質的に分離するフラッシュ塔;炭化水素を含有しない二酸化炭素を分離するための二酸化炭素放散塔;及びそれらを連結する配管である。また、図1には、別の具体例、すなわち、フラッシュ塔と二酸化炭素放散塔の間に、フラッシュ塔で二酸化炭素濃厚吸収液から除去されなかった微量の炭化水素をさらに分離するための中間放散塔も示されている。なお、図1では、やむをえない一定の制限が存在しているが、それらによって特定の供給源、流速、触媒等について本発明の範囲を制限するものではない。弁、制御装置、ポンプ及び圧縮機等の雑多な付属物は省略されており、本発明を完全に、そして明確に理解するために必要最低限の容器及び配管のみが示されている。
以下に図1を参照して説明する。図示されていない供給源からのプロピレンを多く含むC〜C炭化水素ガス流10は、管39を通って流れている再循環ガスと合流され、図示されていない供給源からの酸素含有ガス(例えば、酸素、空気又はそれらの混合物)流12と混合され、そして反応器14内で、金属触媒と接触する。炭化水素ガス流10は、アセチレンを微量でも含んでいてはならない。というのはアセチレンは酸化反応に有害であり、かつ危険であるからである。本技術分野の当業者には自明のことであるが、反応器は、複数の反応管(図示していない)を直列に又は並列に配置したものから成っていてよい。反応器14で、プロピレンの一部はプロピレンオキサイドに部分酸化される。部分酸化で発生する熱は、通常の熱交換器(図示していない)によって制御及び/又は回収することができ、これによって反応管内が酸化反応に望ましい状態に維持される。
反応器14からの排出流は、典型的には、0.5〜3%モルのプロピレンオキサイド、35%モル以下のプロピレン、8%モル以下の酸素、0.5〜20%モルの二酸化炭素、他のC〜C炭化水素、さらに窒素、アルゴン等の不活性ガスから成る組成を有している。反応器14からの排出流は、200℃〜300℃の範囲の温度で、一般的に1〜2.5MPaの範囲の圧力で管16に入り、そして間接的熱交換器18によって35℃〜100℃の温度範囲まで冷却される。熱交換器18は、典型的には1つ又は複数の熱交換器から成っている。冷却された反応生成物は、管20を通ってプロピレンオキサイド吸収塔22に送られる。このプロピレンオキサイド吸収塔内において、冷却された反応器排出流は炭化水素を含まない水性流24、典型的には水と接触させられ、未反応プロピレン及び他のC〜C炭化水素、二酸化炭素、酸素、さらに他の気体成分の大部分のものからプロピレンオキサイドが吸収され、分離される。好ましい吸収の条件は、15℃〜50℃の範囲の温度、及び0.7〜2.1MPaの範囲の圧力である。プロピレンオキサイドを薄い濃度で含有する水性吸収液は、例えばプロピレンオキサイドの回収のために、又は所望によりグリコール、エーテル、アミン及び類似の化合物等の誘導体に化学変換するために、管26を経て以後の工程に送られる。
吸収されなかった気体物質は、管28より圧縮機30へ送られ、そして管32を経て、さらに処理を受け、最終的には反応器14へ再循環される。圧縮機30は、所望により管20又は管39等の循環経路内の他の位置に設置してもよい。管32内の吸収されなかった気体物質の少なくとも一部は、管34及び管35を経て二酸化炭素吸収塔36へ送られ、そこで管74を経て導入される再生可能な二酸化炭素吸収剤と接触させられる。二酸化炭素吸収塔36へ送られる再循環ガス物質の量は弁33によって制御でき、それは、通常全循環ガス物質の10重量%〜50重量%の範囲とすることができる。二酸化炭素吸収剤の例としては、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン化合物、アルキルアルカノールアミン化合物、及びアミノ酸化合物のアルカリ金属塩等の水溶液が挙げられる。二酸化炭素吸収塔36内の吸収条件は、用いる吸収剤によって変更される。しかしながら、一般的には35℃〜125℃の範囲の温度、1.0〜2.5MPaの範囲の圧力が使用される。処理済の二酸化炭素の濃度の低いガス流は、二酸化炭素吸収塔36から塔頂流として管37及び管39を経て反応器14へ送られる。同伴及び/又は溶解された少量の炭化水素を含んでいる二酸化炭素濃厚吸収液は、二酸化炭素吸収塔36から管40を経て、フラッシュ塔42へ送られる。二酸化炭素濃厚吸収液中に含まれている炭化水素は、フラッシュ塔42内において、95℃〜120℃の範囲の温度で、及び0.3〜0.7MPaの範囲の圧力でフラッシュ処理され、フラッシュ塔の塔頂ガス流が、管44を経て、回収のために処理系内へ送られる。図1において、フラッシュ塔のガス状塔頂留分は、管44、圧縮機46、管48、管35、二酸化炭素吸収塔36及び管37を経て、管39内を流れている再循環ガス物質へ戻される。しかしながら、フラッシュ塔の塔頂流の量は、典型的には非常に少なく、その他の望む場所で再循環ガス物質へ戻すことができる。例えば、管(図示していない)を経てプロピレンオキサイド吸収塔22へ戻しても、又は別に再循環ガス物質の主要部を反応器14へ戻している管39へ管(図示していない)を経て直接戻してもよい。さらに、フラッシュ塔の塔頂留分を例えば燃料ガス等として他に使用することも可能である。フラッシュ処理された二酸化炭素濃厚吸収液は、フラッシュ塔42から管50を経て二酸化炭素放散塔56へ引抜かれる。
図1においては、さらに別の具体例を説明しておリ、それはフラッシュ処理され、フラッシュ塔42から管50を経て引抜かれた二酸化炭素濃厚吸収液は、中間放散塔62内でストリッピングガスと接触させ、そこに残留している炭化水素の実質的にすべてを分離する。別の具体例においては、管51のところに弁52が、また管50のところに弁58が設置され、二酸化炭素濃厚吸収液の少なくとも一部を、好ましくは全部を、管60を経て中間放散塔62へ送り、そこで管64を経て導入される窒素、二酸化炭素又は水蒸気等の不活性なストリッピングガスと接触させる。一般的には非常に少量の必要なストリッピングガスが使用されるにすぎないため、ストリッピングガスとして、空気を使用することもできる。中間放散塔62内の圧力は、0.2〜0.55MPaの範囲で変更できる。しかしながら、普通はフラッシュ塔42の圧力よりわずかに低い圧力に維持される。除去された中間放散塔のガス状塔頂留分は、二酸化炭素濃厚吸収液中に残留していて前記中間放散塔62に導入された炭化水素の実質的にすべてを含んでいる。管66を経て除去された中間放散塔の塔頂留分は、図示していない手段によって再循環ガス物質に合流してもよいが、通常はほんの微量の炭化水素を含んでいるにすぎないから、より実際的には燃料ガス中に分散させるか、又は別に燃焼させる。中間放散塔62からの二酸化炭素濃厚吸収液は、管68及び管54を経て二酸化炭素放散塔56へ送られ、そこで典型的には0.2MPa以下の圧力において二酸化炭素が水性吸収液から放散される。放散処理を促進するために二酸化炭素放散塔56へ管70を経て水蒸気を導入することができる。これとは別に、水性吸収液を加熱して蒸発させるために加熱コイル又は再沸器(図示していない)を設置でき、これにより、放散処理を行なう。ストリッピング用水蒸気を使用する場合、二酸化炭素放散塔56から管72を経て排出される塔頂留分は、通常そこに含まれている水蒸気の少なくとも一部を凝縮するために、熱交換器(図示していない)によって冷却され、凝縮物は回収及び再使用が可能となる。水性吸収液から放散された二酸化炭素は、本質的に炭化水素が含まれておらず、回収して利用することもでき、環境に有害な影響を及ぼすことなく管72から排出することもできる。二酸化炭素放散塔の二酸化炭素希薄吸収液を含む液体塔底流は、管74を経て、二酸化炭素吸収塔36へ送り、管35を経て入ってくる再循環ガス物質と接触させる。
本発明の方法によって、再循環ガスの二酸化炭素吸収工程で、炭化水素の回収を効率的に実施でき、炭化水素の環境への放出が実質的に防止され、炭化水素不純物が減少した二酸化炭素の回収ができるプロピレンオキサイドの製造方法が提供される。
14 反応器
18 熱交換器
22 プロピレンオキサイド吸収塔
30及び46 圧縮機
36 二酸化炭素吸収塔
42 フラッシュ塔
62 中間放散塔
56 二酸化炭素放散塔

Claims (20)

  1. 分子状酸素によるプロピレンの酸化反応によって、そして反応混合物をプロピレンオキサイド吸収塔内で水性溶液で処理することによって得られたプロピレンオキサイドを含有する水性吸収液をさらに処理することによる、プロピレンオキサイドの濃縮及び精製のための方法であって、
    プロピレンオキサイド吸収塔からの塔頂流の少なくとも一部を二酸化炭素吸収塔内で水性の二酸化炭素吸収剤と接触させ、これによって炭化水素濃度の高い塔頂流と、炭化水素を含んでいる二酸化炭素濃厚吸収液とを生成させ、
    前記二酸化炭素濃厚吸収液をフラッシュ処理して、炭化水素含有ガス流と炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液とを生成させ、
    前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液を二酸化炭素放散塔で放散処理して、実質的に炭化水素を含まない二酸化炭素流を生成させる方法。
  2. 前記反応混合物が、0.5〜3%モルのプロピレンオキサイド、35%モル以下のプロピレン、8%モル以下の酸素、及び0.5〜20%モルの二酸化炭素を含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応混合物が、15℃〜50℃の範囲の温度で、0.7〜2.1MPaの範囲の圧力で、前記水性溶液で処理される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記プロピレンオキサイド吸収塔のガス状塔頂流の少なくとも一部が、必要によって圧縮機を経て反応器に再循環される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記プロピレンオキサイド吸収塔のガス状塔頂流全体の10体積%〜50体積%が二酸化炭素吸収塔に送られる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. アルカリ金属の炭酸塩、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン又はアミノ酸のアルカリ金属塩の水溶液が二酸化炭素吸収剤として使用される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 炭酸カリウムの水溶液が二酸化炭素吸収剤として使用される、請求項6に記載の方法。
  8. 二酸化炭素が、35℃〜125℃の範囲の温度で、1.0〜2.5MPaの範囲の圧力で吸収処理される、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記二酸化炭素濃厚吸収液が95℃〜120℃の範囲の温度でフラッシュ処理される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記二酸化炭素濃厚吸収液が0.3〜0.7MPaの範囲の圧力でフラッシュ処理される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記炭化水素を含有するフラッシュ塔の塔頂流が、プロピレンオキサイド吸収塔に、又は必要によって二酸化炭素吸収塔を経て、プロピレンオキサイド吸収塔のガス状塔頂流に戻される、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液が0.2MPa以下の圧力で二酸化炭素放散塔で放散処理される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液の少なくとも一部が中間放散塔に通される、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液のすべてが中間放散塔に通される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液が、窒素、二酸化炭素、又は水蒸気を用いて放散処理される、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 前記炭化水素希薄−二酸化炭素濃厚吸収液が、0.2〜0.55MPaの範囲の圧力で放散処理される、請求項15に記載の方法。
  17. 中間放散塔からの二酸化炭素濃厚吸収液が前記二酸化炭素放散塔に送られ、そこで水性吸収液から二酸化炭素が放散処理される、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 分子状酸素によるプロピレンの酸化反応に用いられる金属触媒が、金属酸化物を含有する、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 分子状酸素によるプロピレンの酸化反応に用いられる金属触媒が、(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載の方法によって製造されるプロピレンオキサイド。
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