JP2013207167A - 発光素子及び表示装置 - Google Patents

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洋平 海老原
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Abstract

【課題】高効率かつ長寿命であり、高い信頼性を有するとともに、広視野角及び高精細に対応可能な発光素子及び表示装置を提案すること。
【解決手段】本開示に係る発光素子は、第1電極と、前記第1電極上に形成された発光層を有する有機層と、前記有機層上に形成された電荷発生層と、前記電荷発生層上に形成された抵抗層と、前記抵抗層上に形成された第2電極と、を有し、前記第1電極は、前記発光層からの発光を反射するとともに、前記第2電極は、前記発光層からの発光を透過するものであり、前記電荷発生層は、前記有機層側から順に、キレート材と、アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素と、を含む混合層と、アクセプタ材料を含むアクセプタ層と、の積層構造からなる。
【選択図】図1

Description

本開示は、発光素子及び表示装置に関する。
有機電界発光素子(いわゆる有機EL素子)は、陽極と陰極との間に有機化合物からなる発光層を有する自発光型の素子であり、低電圧駆動の大面積表示素子を実現するものとして注目されている。このような有機電界発光素子を用いた表示装置においては、有機電界発光素子を駆動するための薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)を備えた回路を同一基板上に形成したアクティブマトリックス型とすることで、装置の高機能化を図ることが可能である。また、アクティブマトリックス型であれば、画素ごとに必要な電流を注入し保持できるため、原理的には画面サイズに制限がない
アクティブマトリックス型の表示装置の製造においては、予め薄膜トランジスタが形成された基板(いわゆるTFT基板)上に、当該薄膜トランジスタに接続させる状態で有機電界発光素子が形成される。このため、有機電界発光素子は、基板と反対側の上部電極側から発光光を取り出すいわゆるトップエミッション型とすることが、画素の開口率を確保する上で有効になる。
トップエミッション型の有機電界発光素子においては、陽極又は陰極となる下部電極に対して、当該下部電極と逆の極性となるように形成された上部電極を透明導電膜で構成することで、素子内で生じた発光が上部電極側から取り出される。また、マスク塗り分けの必要のない高精細有機ELディスプレイを考慮した白色素子においては、RGB全領域発光を得られる透明電極を選択する必要がある。
ここで、通常、透明導電膜として用いられるITOやIZOは、仕事関数が5eV程度もあり、陽極には好適であるものの陰極には適さない。このため、例えばITOを陰極材料として用いる場合には、その直下にセシウムのような仕事関数の低いアルカリ金属と電子輸送性材料とを混合した電子注入層を積層させることで、電子注入性を高める構成が提案されている(例えば、以下の特許文献1を参照。)。
特開2006−140275号公報
しかしながら、上記特許文献1に提案されている技術においても、透明電極と有機層との間の電子注入障壁は解消しない。また、無機酸化物膜のスパッタダメージによる寿命の低下や、高い導電性による陽極や陰極の短絡の発生という問題があった。
本開示では、上記事情に鑑みて、高効率かつ長寿命であり、高い信頼性を有するとともに、広視野角及び高精細に対応可能な発光素子及び表示装置を提案する。
本開示によれば、第1電極と、前記第1電極上に形成された発光層を有する有機層と、前記有機層上に形成された電荷発生層と、前記電荷発生層上に形成された抵抗層と、前記抵抗層上に形成された第2電極と、を有し、前記第1電極は、前記発光層からの発光を反射するとともに、前記第2電極は、前記発光層からの発光を透過するものであり、前記電荷発生層は、前記有機層側から順に、キレート材と、アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素と、を含む混合層と、アクセプタ材料を含むアクセプタ層と、の積層構造からなる発光素子が提供される。
また、本開示によれば、上記発光素子を備える表示装置が提供される。
以上説明したように本開示によれば、高効率かつ長寿命であり、高い信頼性を有するとともに、広視野角及び高精細に対応可能な発光素子及び表示装置を提供できる。
本開示の実施形態に係る有機電界発光素子の概略断面図である。 同実施形態に係る表示装置の回路構成の一例を示す図である。 同実施形態に係る表示装置における主要部の断面構成の一例を示す図である。 同実施形態に係る有機電界発光素子が適用される封止された構成のモジュール形状の表示装置を示す構成図である。 同実施形態に係る表示装置が適用されるテレビを示す斜視図である。 同実施形態に係る表示装置が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。 同実施形態に係る表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。 同実施形態に係る表示装置が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。 同実施形態に係る表示装置が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。 実験例3における有機EL表示装置の製造工程を説明するための説明図である。 実験例3における有機EL表示装置の製造工程を説明するための説明図である。 実験例3における有機EL表示装置の製造工程を説明するための説明図である。 実験例3における有機EL表示装置の製造工程を説明するための説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は、以下の順序で行うものとする。
(1)第1の実施形態
(1−1)発光素子の構成について
(1−2)表示装置の構成について
(1−3)表示装置の断面構成例について
(1−4)適用例について
(2)実施例
(第1の実施形態)
<発光素子の構成について>
まず、図1を参照しながら、本開示の第1の実施形態に係る有機電界発光素子(以下、発光素子とも称する。)の構成について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る発光素子の概略断面図である。
図1に示したように、本実施形態に係る発光素子11は、基板12上に陽極13が形成され、この陽極13上に有機層14が形成され、有機層14上に電荷発生層15が形成され、電荷発生層15上に抵抗層16が形成され、抵抗層16上に陰極17が形成されている。
なお、上記では「A層上に形成されたB層」という記載を行っているが、かかる記載には、A層の直上にB層が形成されている場合だけでなく、A層の直上にB層とは異なる層が1層または複数層形成され、この1層又は複数層の異なる層の上にB層が形成される場合をも含むものとする。
以下では、図1に示したような構成を有する発光素子11が、基板12とは反対側から光を取り出す、いわゆる上面発光型の素子として構成されていることとし、この場合における各層の詳細を、基板12側から順に説明するものとする。
[基板について]
基板12は、その一主面側に発光素子11が配列形成される支持体である。この基板12は公知のものを利用可能であり、例えば、高歪点ガラス基板、ソーダガラス(NaO・CaO・SiO)基板、ホウケイ酸ガラス(NaO・B・SiO)基板、フォルステライト(2MgO・SiO)基板、鉛ガラス(NaO・PbO・SiO)基板、表面に絶縁膜が形成された各種ガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成されたシリコン基板、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル,PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)に例示される有機ポリマー(高分子材料から構成された可撓性を有するプラスチック・フィルムやプラスチック・シート、プラスチック基板といった高分子材料の形態を有する。)を挙げることができる。
なお、基板12と反対側から光を取り出す上面発光型のトップエミッションの構造であれば、基板12そのものに光透過性は必要なく、例えば単結晶シリコンからなる基板を用いても良い。また、この発光素子11を用いて構成された表示装置がアクティブ駆動の場合には、発光素子11を駆動させるためのアクティブ素子が作りこまれた基板が用いられる。
[陽極について]
第1電極の一例である陽極13は、発光素子11の有機層14に対して正孔(ホール)を注入するために用いられる電極である。本実施形態に係る発光素子11は、上面発光型の素子であるため、本実施形態に係る陽極13は、後述する発光層14からの発光を反射するものとなっている。この陽極13を形成する際には、効率良く正孔(ホール)を注入するために、真空準位からの仕事関数が大きな電極材料が用いられる。このような電極材料としては、例えば、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、タンタル(Ta)といった仕事関数の高い金属又は合金(例えば、銀を主成分とし、0.3質量%〜1質量%のパラジウム(Pd)と、0.3質量%〜1質量%の銅(Cu)とを含むAg−Pd−Cu合金や、Al−Nd合金)を挙げることができる。更には、アルミニウム(Al)及びアルミニウムを含む合金等の仕事関数の値が小さく、かつ、光反射率の高い導電材料を用いる場合には、適切な正孔注入層を設けるなどして正孔注入性を向上させることで、陽極13として用いることができる。ここで、陽極13の厚さとしては、例えば、0.1μm〜1μmとすることができる。
また、誘電体多層膜やアルミニウム(Al)といった光反射性の高い反射膜上に、インジウム−スズ酸化物(ITO)やインジウム−亜鉛酸化物(IZO)等の正孔注入特性に優れた透明導電材料を積層した構造とすることもできる。
なお、陽極13は、基板12と接する側に、陽極13と基板12との間の密着性を向上させるための導電層を設けて良い。このような導電層としては、ITOやIZOなどの透明導電層が挙げられる。
また、発光素子11を用いて構成される表示装置の駆動方式がアクティブマトリックス方式である場合には、陽極13は画素毎にパターニングされ、基板12に設けられた駆動用の薄膜トランジスタに接続された状態で設けられる。また、この場合、陽極13の上には、ここでの図示を省略したが絶縁膜が設けられ、この絶縁膜の開口部から各画素の陽極13の表面が露出されるように構成される。
[有機層について]
本実施形態に係る有機層14は、陽極13上に形成されており、有機発光材料からなる発光層を少なくとも有している。この有機層14は、発光層のみから形成されていてもよいし、例えば図1に示したように、発光層を含む複数の層から形成されていてもよい。
本実施形態に係る有機層14は、例えば図1に示したように、陽極13上に積層された正孔注入層14aと、正孔注入層14a上に積層された正孔輸送層14bと、正孔輸送層14b上に積層された発光層14cと、発光層14c上に積層された電子輸送層14dと、を主に備える。
○正孔注入層14a及び正孔輸送層14bについて
正孔注入層14a及び正孔輸送層14bは、それぞれ発光層14cへの正孔注入効率を高めるために形成される層である。このような正孔注入層14a又は正孔輸送層14bの形成に用いられる化合物としては、例えば、ベンジン、スチリルアミン、トリフェニルアミン、ポルフィリン、トリフェニレン、アザトリフェニレン、テトラシアノキノジメタン、トリアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、ポリアリールアルカン、フェニレンジアミン、アリールアミン、オキザゾール、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベンもしくはこれらの誘導体を用いてもよい。また、正孔注入層14a又は正孔輸送層14bの材料として、ポリシラン系化合物、ビニルカルバゾール系化合物、チオフェン系化合物又はアニリン系化合物等の複素環式共役系のモノマー、オリゴマーもしくはポリマーを用いることもできる。
上記正孔注入層14a又は正孔輸送層14bの更に具体的な化合物としては、例えば、α−ナフチルフェニルフェニレンジアミン、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリン、金属ナフタロシアニン、ヘキサシアノアザトリフェニレン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(F4−TCNQ)、テトラシアノ4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(p−トリル)p−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾール、4−ジ−p−トリルアミノスチルベン、ポリ(パラフェニレンビニレン)、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリ(2,2’−チエニルピロール)等を挙げることができるが、本実施形態に係る正孔注入層14a及び正孔輸送層14bに用いられる化合物は、これらに限定されるものではない。
○発光層14cについて
発光層14cは、陽極13から注入された正孔と陰極17から注入された電子との再結合の場を提供し、これらを発光につなげる機能を有する層であり、少なくとも発光機能を有する材料を含有している。またこのような発光層14cは、電荷の注入機能及び輸送機能を有する材料を用いて構成されることが好ましい。電荷の注入機能とは、電界印加時に陽極13、正孔注入層14a又は正孔輸送層14bから正孔を注入することができる一方で、電子輸送層14d又は後述する電荷発生層15から電子を注入することができる機能である。また輸送機能とは、注入された正孔及び電子を電界の力で移動させる機能である。
以上のような発光層14cは、ホスト材料中に発光材料(ドーパント)を含有させることで構成することができる。
ホスト材料としては、例えば、スチリル誘導体、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体又は芳香族アミンを挙げることができる。また、スチリル誘導体は、ジスチル誘導体、トリスチル誘導体、テトラスチル誘導体及びスチリルアミン誘導体の中から選ばれる少なくとも一種類であることが特に好ましい。ホスト材料としてどのような化合物を選択するかについては、本実施形態に係る発光素子11全体のキャリアバランス等を考慮して、適宜選択することが可能である。
また、発光材料としては、公知の蛍光材料を用いることが可能である。蛍光材料としては、例えば、スチリルベンゼン系色素、オキサゾール系色素、ペリレン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素等のレーザ用色素、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ペンタセン誘導体、クリセン誘導体等の多芳香族炭化水素系材料、ピロメテン骨格化合物もしくは金属錯体、キナクリドン誘導体、シアノメチレンピラン系誘導体(DCM,DCJTB)、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、金属キレート化オキシノイド化合物等の蛍光材料から適宜選択して用いることができる。これらの蛍光材料のそれぞれのドープ濃度は、例えば、膜厚比で0.5%以上15%以下であることが好ましい。
なお、発光材料は、蛍光材料に限定されることはなく、公知のリン光材料であっても良い。
○電子輸送層14dについて
電子輸送層14dは、発光層14cへの電子注入効率を高めるために形成される層である。この電子輸送層14dの形成に用いられる化合物としては、電子輸送性を有する公知の化合物を利用することが可能であり、例えば、アントラセン誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール誘導体又はアザアリール骨格を有し、アルカリ金属及びアルカリ土類金属又はランタノイドの金属及び酸化物、複合酸化物、フッ化物材料を含むものを挙げることができる。
また、電子輸送層14dの形成に用いられる化合物として、Alq等のような公知の金属錯体やベンゾイミダゾール誘導体を用いてもよい。電子輸送層に利用可能なベンゾイミダゾール誘導体としては、例えば、特開2010−92960号公報に記載されているような化合物を挙げることができる。
電子輸送層14dとして上述したような化合物を用いることで、必要充分な電子を効率良く発光層14cに注入することができるため、好ましい。これにより、上述した構成の発光層14cと組み合わせることで、再結合領域の局在化が可能となり注入因子(発光層14cに対する電子と正孔との注入バランス)γを1に近づけ高効率化することができるとともに、さらなる長寿命化を図ることができる。
以上説明したような電子輸送層14dを構成する化合物の具体例として下記の化合物があるが、本実施形態に係る発光素子11で利用可能な電子輸送材料が、下記の例に限定されるわけではない。
Figure 2013207167
Figure 2013207167
Figure 2013207167
Figure 2013207167
以上、本実施形態に係る発光素子11が備える有機層14について、詳細に説明した。
[電荷発生層について]
本実施形態に係る電荷発生層15は、電圧印加時において、電荷発生層15の陰極17側に配置された層に対して正孔を注入する一方で、電荷発生層15の陽極13側に配置された有機層14に対して電子を注入する役割を果たす。このような電荷発生層15は、電荷発生層15を挟んで2種類の有機層(特に、2種類の発光層)が形成されたスタック型の発光素子を実現する場合に有用である。
この電荷発生層15は、図1に示したように、有機層14側から順に、混合層15aと、アクセプタ層15bと、から構成されている。
○混合層15aについて
本実施形態に係る混合層15aは、混合層15aの有機層14側に隣接する層に対して電子を注入する機能を有する。この混合層15aは、キレート材と、アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素と、を含んでいる。また、混合層15aに用いられるアルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素は、Li又はCsであることが好ましい。
ここで、キレート材と、アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素と、の混合比は、モル比で1:5〜2:1であることが好ましい。上記範囲を超えてアルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素の割合が多くなると、電荷が過度に拡散しやすくなり好ましくない。また、アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素の割合が上記範囲未満である場合には、有機層14側に隣接する層に対して注入される電子を発生させることが困難となるため、好ましくない。
混合層15aに用いられるキレート材は、アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素を配位させることが可能なものであれば、公知のキレート材を利用することが可能であるが、例えば、以下の化学式2に示したようなフェナントロリン環を少なくとも1つ含むフェナントロリン誘導体を少なくとも含むことが好ましい。フェナントロリン誘導体は、電子輸送性を有する化合物であるため、キレート材としてこのようなフェナントロリン誘導体を用いることで、混合層15aの有機層14側に隣接する層に対して、発生させた電子を効率良く注入することが可能となる。
Figure 2013207167
上記フェナントロリン誘導体の具体例としては、例えば以下に示す各化合物を挙げることができるが、本実施形態に係るフェナントロリン誘導体が下記の例に限定されるわけではない。
Figure 2013207167
Figure 2013207167
Figure 2013207167
Figure 2013207167
○アクセプタ層15bについて
本実施形態に係るアクセプタ層15bは、電圧印加に応じて正孔(ホール)を発生させる機能を有する層であり、アクセプタ材料を含んでいる。
本実施形態に係るアクセプタ層15bを形成するアクセプタ材料としては、例えば、酸化モリブデン(MoO)等といった公知の酸化物半導体や、以下の化学式1に示すような化合物を挙げることができる。
Figure 2013207167
ここで、上記化学式1において、Arは、アリール基を示し、Rは、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のジアルキルアミン基、ハロゲン元素、シアノ基、又は、置換もしくは無置換のシリル基を示す。
上記化学式1に示した化合物の更に詳細な例としては、以下の化学式(1−1)に示したような骨格を有するアザトリフェニレン誘導体を挙げることができる。
Figure 2013207167
ここで、上記化学式(1−1)において、R〜Rは、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のジアルキルアミン基、ハロゲン元素、シアノ基、又は、置換もしくは無置換のシリル基を示す。
以上説明したような電荷発生層15を設けることで、高視野角や高精細化が可能な透明電極素子において、過不足なく良好な電荷バランスを実現することが可能となり、高い発光効率、安定駆動を実現しつつ、透明電極形成時の高エネルギー粒子の入射による有機膜のダメージを軽減することが可能となる。
[抵抗層について]
本実施形態に係る抵抗層16を構成する材料の電気抵抗率は、1×10Ω・cm〜1×10Ω・cmであり、有機層15の上方における抵抗層16の厚みは、0.1μm〜2μm、好ましくは0.3μm〜1μmであることが好ましい。電気抵抗率が1×10Ω・cm未満である場合には、短絡が発生する可能性があるため好ましくなく、電気抵抗率が1×10Ω・cm超過である場合には、本実施形態に係る発光素子11が電界発光素子として機能しなくなる可能性があるため好ましくない。また、抵抗層16の厚みを0.1μm〜2μmとすることで、層形成時等に付着した有機物等のゴミに由来する短絡を防止することが可能となる。
本実施形態に係る抵抗層16は、酸化物半導体を用いて形成することが好ましい。このような酸化物半導体の例として、酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO)、酸化モリブデン(MoO,MoO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ハフニウム(HfO)、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO)、酸化ニオブと酸化チタンの混合物、酸化チタンと酸化亜鉛(ZnO)の混合物、又は、酸化ケイ素(SiO)と酸化スズ(SnO)の混合物、これらの材料の適宜の組合せ等を挙げることができる。
なお、抵抗層16を構成する材料の電気抵抗率は、より具体的には、発光素子又は発光素子の駆動時に抵抗層16において生じる電圧降下の値を考慮して決定すればよく、このような電圧降下の値として、例えば、0.05V〜1.0Vを例示することができる。
また、本実施形態に係る抵抗層16を、有機層15側から順に、第1抵抗層及び第2抵抗層からなる積層構造とし、第2抵抗層の電気抵抗率を第1抵抗層の電気抵抗率よりも高くしてもよい。また、抵抗層16を、有機層15側から順に、第1抵抗層、第2抵抗層及び第3抵抗層からなる積層構造とし、第2抵抗層の電気抵抗率を第1抵抗層の電気抵抗率よりも高く、かつ、第3抵抗層の電気抵抗率よりも高くしてもよい。ここで、第1抵抗層や第3抵抗層を構成する材料として、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化タンタル、酸化ニオブと酸化チタンの混合物、酸化チタンと酸化亜鉛の混合物、又は、酸化ケイ素と酸化スズの混合物であって、成膜時の酸素分圧を下げて成膜した膜を挙げることができる。また、第2抵抗層を構成する材料として、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化タンタル、酸化ニオブと酸化チタンの混合物、酸化チタンと酸化亜鉛の混合物、又は、酸化ケイ素と酸化スズの混合物を挙げることができる。
第1抵抗層、第2抵抗層及び第3抵抗層の電気抵抗率をR1(Ω・cm),R2(Ω・cm),R3(Ω・cm)とするとき、例えば、
1×10−3≦R1/R2≦1×10−1
1×10−3≦R3/R2≦1×10−1
を満足することが好ましい。抵抗層16を多層構造とすることで、抵抗層16と電荷発生層15との間の接触状態をより一層良好なものとすることができ、抵抗層16における電圧降下を少なくすることができ、駆動電圧の低電圧化を図ることができる。
また、抵抗層16が少なくとも第1抵抗層及び第2抵抗層の積層構造を有し、第1抵抗層を構成する材料の屈折率をn1、第2抵抗層を構成する材料の屈折率をn2とし、有機層15の最上層を構成する材料の屈折率をn0としたとき、効率を重視する場合、
−0.6≦n0−n1≦−0.4
0.4≦n1−n2≦ 0.9
を満足することが望ましく、視野角を重視する場合には、
−0.2≦n0−n1≦ 0.2
0.2≦n1−n2≦ 0.4
を満足することが望ましい。
[陰極について]
第2電極の一例である陰極17は、発光素子11の有機層14に対して電子を注入するために用いられる電極である。本実施形態に係る発光素子11は、上面発光型の素子であるため、本実施形態に係る陰極17は、発光層14からの発光を透過するものとなっている。この陰極17を形成する際には、発光を透過し、有機層14に対して電子を効率的に注入できるようにするために、真空準位からの仕事関数が小さな導電材料を用いることが好ましい。このような導電材料としては、例えば、マグネシウム−銀合金、アルミニウム、銀、カルシウム、ストロンチウム等の金属もしくは合金を挙げることができ、ITOやIZOからなる透明電極材料に適切な電子注入層を設けて電子注入性を向上させる構成としてもよい。ここで、陰極17の厚みは、2×10−9m〜5×10−8m、好ましくは、3×10−9m〜2×10−8m、より好ましくは、5×10−9m〜1×10−8mである。また、陰極17に対して、低抵抗材料から成るバス電極(補助電極)を設け、陰極全体として低抵抗化を図ってもよい。
[各層の形成方法について]
本実施形態に係る発光素子11を構成する各層のうち陽極13及び陰極17は、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法、真空蒸着法を含む蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ、スクリーン印刷法やインクジェット印刷法、メタルマスク印刷法といった各種印刷法、メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法)、リフトオフ法、レーザアブレーション法、ゾル・ゲル法等により形成することが可能である。
各種印刷法やメッキ法によれば、直接、所望の形状(パターン)を有する陽極13や陰極17を形成することが可能である。なお、有機層14を形成した後に電極を形成する場合、特に真空蒸着法のような成膜粒子のエネルギーが小さな成膜方法や、MOCVD法といった成膜方法に基づき形成することが、有機層14のダメージ発生を防止するといった観点から好ましい。有機層14にダメージが発生すると、リーク電流の発生による「滅点」と呼ばれる非発光画素(又は非発光副画素)が生じる可能性がある。有機層14の形成からこれらの電極等の形成までを大気に暴露することなく実行することが、大気中の水分による有機層14の劣化を防止するといった観点から好ましい。
抵抗層16は、例えば、スパッタリング法や、CVD法、イオンプレーティング法等のカバレッジの良好な成膜方法にて成膜することが好ましい。
また、有機層14を構成する各層は、真空蒸着法等の物理的気相成長法(PVD法)や、スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法や、転写用基板上に形成されたレーザ吸収層と有機層の積層構造に対してレーザを照射することでレーザ吸収層上の有機層を分離して、有機層を転写するといったレーザ転写法や、各種の塗布法等により形成することが可能である。なお、有機層14を真空蒸着法に基づき形成する場合、例えば、いわゆるメタルマスクを用い、このメタルマスクに設けられた開口を通過した材料を堆積させることで、有機層14を形成することができる。
なお、上記のような各層の形成方法は、あくまでも一例であって、本実施形態に係る発光素子11を構成する各層の形成方法は、上記の方法に限定されるわけではない。
以上、本実施形態に係る発光素子11の構成について、詳細に説明した。
なお、以上説明した本実施形態に係る発光素子11は、発光層14cを有する有機層14のユニットを積層することで形成されたスタック型の有機電界発光素子に適用することも可能である。ここで、スタック型とは、マルチフォトンエミッション素子(MPE素子)のことであり、例えば、特開平11−329748号公報では、複数の有機発光素子が中間導電層を介して電気的に直列に接合されていることを特徴とする素子に付いて述べられている。
また、特開2003−45676号公報及び特開2003−272860号公報には、マルチフォトンエミッション素子(MPE素子)を実現するための素子構成の開示と詳細な実施例が記載されている。これらによれば、有機層のユニットを2ユニット積層した場合には、理想的には発光効率[lm/W]は変ること無しに輝度[cd/A]を2倍にすることが可能であり、3層積層した場合には、理想的には発光効率[lm/W]は変ること無しに輝度[cd/A]を3倍にすることが可能であると述べられている。
従って、本実施形態に係る発光素子11をスタック型に用いた場合には、スタック型とすることで効率が向上することによる長寿命化と、本実施形態における長寿命化効果とが相乗効果となり、極めて長寿命な素子を得ることが可能になる。この場合、図1に示した電荷発生層15と抵抗層16との間に、電荷発生層15側から順に、第2の発光層を含む第2の有機層、第2の電荷発生層、・・・が形成されることとなる。
<表示装置の構成について>
図2は、本実施形態に係る表示装置10の一例を示す図であり、図2(A)は概略構成図、図2(B)は画素回路の構成図である。ここでは、有機電界発光素子を用いたアクティブマトリックス方式の表示装置10に対して、本実施形態に係る発光素子11を適用した例について説明する。
図2(A)に示すように、この表示装置10の基板12上には、表示領域12aとその周辺領域12bとが設定されている。表示領域12aは、複数の走査線21と複数の信号線23とが縦横に配線されており、それぞれの交差部に対応して1つの画素aが設けられた画素アレイ部として構成されている。これらの各画素aには、本実施形態に係る発光素子11と同様の構成を有する赤色発光素子11R,緑色発光素子11G,青色発光素子11Bのうちの1つが設けられている。また周辺領域12bには、走査線21を走査駆動する走査線駆動回路bと、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線23に供給する信号線駆動回路cとが配置されている。
図2(B)に示すように、各画素aに設けられる画素回路は、例えば、各発光素子11R,11G,11Bのうちの1つと、駆動トランジスタTr1、書き込みトランジスタ(サンプリングトランジスタ)Tr2及び保持容量Csで構成されている。そして、走査線駆動回路bによる駆動により、書き込みトランジスタTr2を介して信号線23から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が各発光素子11R,11G,11Bに供給され、この電流値に応じた輝度で発光素子11R,11G,11Bが発光する。
なお、以上のような画素回路の構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けたりして画素回路を構成しても良い。また、周辺領域2bには、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路が追加される。
<表示装置の断面構成例について>
図3には、上記表示装置10の表示領域における主要部の断面構成の一例を示す。
有機電界発光素子11R,11G,11Bが設けられる基板12の表示領域には、ここでの図示を省略したが、上述した画素回路を構成するように駆動トランジスタ、書き込みトランジスタ、走査線及び信号線が設けられ(図2を参照。)、これらを覆う状態で絶縁膜が設けられている。
この絶縁膜で覆われた基板12上に、有機電界発光素子11R,11G,11Bが配列形成されている。各有機電界発光素子11R、11G、11Bは、基板12と反対側から光を取り出す上面発光型の素子として構成される。
各有機電界発光素子11R,11G,11Bの陽極13は、素子毎にパターン形成されている。各陽極13は、基板12の表面を覆う絶縁膜に形成された接続孔を介して画素回路の駆動トランジスタに接続されている。
各陽極13は、その周縁部が絶縁膜31で覆われており、絶縁膜31に設けた開口部分に陽極13の中央部が露出された状態となっている。そして、陽極13の露出部分を覆う状態で、有機層14がパターン形成され、各有機層14を覆う共通層として陰極17が設けられた構成となっている。
これらの有機電界発光素子11R,11G,11Bは、上記図1を参照しながら説明した本実施形態の有機電界発光素子(11)として構成されている。
そして、以上のように設けられた複数の有機電界発光素子11R,11G,11Bは、保護膜で覆われていてもよい。なお、この保護膜は、例えば、有機電界発光素子11R,11G,11Bが設けられた表示領域の全体を覆って設けられる。
ここで、赤色発光素子11R、緑色発光素子11G及び青色発光素子11Bを構成する陽極13〜陰極17までの各層は、先述のように真空蒸着法、イオンビーム法(EB法)、分子線エピタキシー法(MBE法)、スパッタ法、Organic Vapor Phase Deposition(OVPD)法などのドライプロセスによって形成できる。
また、有機層であれば、以上の方法に加えてレーザ転写法、スピンコート法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法などの塗布法、インクジェット法、オフセット印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法などの印刷法などのウエットプロセスによる形成も可能であり、各有機層や各部材の性質に応じて、ドライプロセスとウエットプロセスを併用しても良い。
そして、以上のように各有機電界発光素子11R,11G,11B毎にパターン形成された有機層は、例えばマスクを用いた蒸着法や転写法によって形成される。
本実施形態のような発光効率の高い発光素子11を用いることにより、表示装置10において輝度寿命を改善できるとともに消費電力を低減させる効果をもたらす。したがって、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として好適に使用することができ、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が可能となる。
また、以上例においては、アクティブマトリックス型の表示装置に対して本実施形態に係る発光素子を適用した実施形態を説明した。しかしながら、本実施形態に係る表示装置は、パッシブマトリックス型の表示装置への適用も可能であり、同様の効果を得ることができる。
なお、各有機電界発光素子11R,11G,11Bにおいては、発光層14c以外の層を共通化しても良い。また、各有機電界発光素子11R,11G,11Gには、それぞれの発光層14c−R,14c−G,14c−Bに適するように、互いに異なる材料で構成された電子輸送層14dや電荷発生層15が設けられていてもよい。
以上説明した本実施形態に係る表示装置は、図4に開示したような、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部である表示領域12aを囲むようにシーリング部31が設けられ、このシーリング部31を接着剤として、透明なガラス等の対向部(封止基板32)に貼り付けられ形成された表示モジュールが該当する。この透明な封止基板32には、カラーフィルタ、保護膜、遮光膜等が設けられてもよい。なお、表示領域12aが形成された表示モジュールとしての基板12には、外部から表示領域12a(画素アレイ部)への信号等を入出力するためのフレキシブルプリント基板33が設けられていても良い。
<適用例>
また以上説明した本実施形態に係る表示装置は、図5〜図9に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。以下に、本実施形態に係る表示装置が適用される電子機器の一例について説明する。
図5は、本実施形態に係る表示装置が適用されるテレビを示す斜視図である。本適用例に係るテレビは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作成される。
図6は、本実施形態に係る表示装置が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
図7は、本実施形態に係る表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
図8は、本実施形態に係る表示装置が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
図9は、本実施形態に係る表示装置が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145として本実施形態に係る表示装置を用いることにより作製される。
以下、本開示の実施形態に係る発光素子について、実施例を示しながら説明を行うが、本開示に係る発光素子が、以下に示す実施例の内容に限定されるわけではない。
(実験例1)
以下では、実験例1における実施例及び比較例に用いた発光素子の製造方法及びその評価方法について説明する。
まず、30mm×30mmのガラス板からなる基板12上に、陽極13として、アルミニウム(Al)層を200nmの膜厚で形成した後、SiO蒸着により2mm×2mmの発光領域以外を絶縁膜でマスクした有機電界発光素子用のセルを製造した。
<実施例1>
下記表1に示したように、製造したセルの陽極13上に、正孔注入層14aとして、下記化学式101で表されるヘキサニトリルアザトリフェニレン(以下、HATCN6と略記する。)を10nmの膜厚で形成した。
Figure 2013207167
続いて、有機層14として、青色発光ユニットを製造した。
より詳細には、上記正孔注入層14a上に、正孔輸送層14bとして、下記化学式102で表されるTPDを、真空蒸着法により90nm(蒸着速度:0.2〜0.4nm/sec)の膜厚で形成した。
Figure 2013207167
その後、下記化学式103で表される化合物をホストとし、下記化学式104で表される化合物をドーパントとして、真空蒸着法により膜圧比で5%となるようにこれらの化合物を30nmの合計膜厚で成膜し、発光層14cとした。
Figure 2013207167
次に、上記発光層14c上に、電子輸送層14dとして、下記式105で表されるAlq3を30nmの膜厚で形成し、青色発光ユニットを製造した。
Figure 2013207167
以上説明したような有機層14上に、上記(化学式2−15)のフェナントロリン誘導体と、セシウム(Cs)とを用いて、フェナントロリン誘導体とCsとのモル比が1:1となるようにして、合計膜厚が10nmとなるように形成し、混合層15aとした。その後、混合層15a上に、上記化学式101で表されるHATCN6を、20nmの膜厚で形成し、アクセプタ層15bとした。
続いて、上記アクセプタ層15b上に酸化ニオブ(Nb)をスパッタにより約300nmの膜厚で形成して、抵抗層16とした。その後、抵抗層16上に、IZOを真空蒸着法により100nmの膜厚で形成して、陰極17とした。
なお、形成した抵抗層16の電気抵抗率を測定したところ、5×10[Ω・cm]であった。
<実施例2>
混合層15aに用いるフェナントロリン誘導体を上記(化学式2−12)のフェナントロリン誘導体とし、かつ、ITOを用いて陰極を形成した以外は上記実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
なお、形成した抵抗層16の電気抵抗率を測定したところ、5×10[Ω・cm]であった。
<比較例1>
混合層15a、アクセプタ層15b及び抵抗層16を形成せず、かつ、ITOを用いて陰極を形成した以外は実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
<比較例2>
混合層15aに用いるフェナントロリン誘導体を上記(化学式2−13)のフェナントロリン誘導体とし、アクセプタ層15b及び抵抗層16を形成せず、かつ、ITOを用いて陰極を形成した以外は実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
<比較例3>
Alqとマグネシウム(Mg)とを用いて、AlqとMgとのモル比が1:1となるようにして、合計膜厚が10nmとなるように形成し、混合層15aとした上で、混合層15a上に上記化学式101で表されるHATCN6を20nmの膜厚で形成し、抵抗層16を形成せず、かつ、ITOを用いて陰極を形成した以外は実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
かかる実験例1で製造した発光素子の電極、電荷発生層及び抵抗層の構成について、下記表1にまとめて示した。
Figure 2013207167
<評価方法>
上述のようにして製造した実施例及び比較例の発光素子について、10mA/cmの電流密度における電圧(V)及び効率(cd/A)を測定した。また、50℃、30mA/cmの定電流駆動を行った際の初期輝度を1とした場合の1000時間経過後の相対輝度を測定するとともに、1000時間経過後の初期電圧からの上昇分を測定した。
得られた結果を、以下の表2に示した。
Figure 2013207167
上記表2から明らかなように、本開示の実施形態に係る発光素子では、高効率で安定駆動が得られた。一方で、電荷発生層及び抵抗層を形成しなかった比較例1では、リークが発生して発光が得られなかった。また、アクセプタ層及び抵抗層を形成しなかった比較例2では、陰極17からの電子注入を行うことができず、ほとんど発光を得ることができなかったため、寿命測定が行えなかった。また、電子注入層のみを形成して抵抗層を形成しなかった比較例3では、電子注入を行うことができず、ほとんど発光しなかった。
(実験例2)
以下では、実験例2における実施例及び比較例に用いた発光素子の製造方法及びその評価方法について説明する。
まず、30mm×30mmのガラス板からなる基板12上に、陽極13として、アルミニウム(Al)層を200nmの膜厚で形成した後、SiO蒸着により2mm×2mmの発光領域以外を絶縁膜でマスクした有機電界発光素子用のセルを製造した。
<実施例3>
下記表3に示したように、製造したセルの陽極13上に、正孔注入層14aとして、上記化学式101で表されるヘキサニトリルアザトリフェニレン(HATCN6)を10nmの膜厚で形成した。
続いて、第一の有機層14として、青色発光ユニットを製造した。
より詳細には、上記正孔注入層14a上に、第一正孔輸送層14bとして、上記化学式102で表されるTPDを、真空蒸着法により20nm(蒸着速度:0.2〜0.4nm/sec)の膜厚で形成した。
その後、下記化学式111で表される化合物をホストとし、下記化学式112で表される化合物をドーパントとして、真空蒸着法により膜圧比で5%となるようにこれらの化合物を20nmの合計膜厚で成膜し、第一発光層(Blue発光層)14cとした。
Figure 2013207167
次に、上記第一発光層14c上に、電子輸送層(ETL)14dとして、下記式113で表される化合物を30nmの膜厚で形成し、第一有機層14を製造した。
Figure 2013207167
以上説明したような第一有機層14上に、上記(化学式2−11)のフェナントロリン誘導体と、リチウム(Li)とを用いて、フェナントロリン誘導体とLiとのモル比が1:1となるようにして、合計膜厚が10nmとなるように形成し、第一混合層15aとした。その後、第一混合層15a上に、上記化学式101で表されるHATCN6を、20nmの膜厚で形成し、第一アクセプタ層15bとした。この第一混合層15a及び第一アクセプタ層15bが、第一電荷発生層15となる。
続いて、第二の有機層14として、第一電荷発生層15上に赤色発光ユニット及び緑色発光ユニットを製造した。
より詳細には、上記第一電荷発生層15上に、第二正孔輸送層14bとして、上記化学式102で表されるTPDを、真空蒸着法により20nm(蒸着速度:0.2〜0.4nm/sec)の膜厚で形成した。
その後、下記化学式114で表される化合物をホストとし、下記化学式115で表される化合物をドーパントとして、真空蒸着法により膜圧比で1%となるようにこれらの化合物を20nmの合計膜厚で成膜し、Red発光層とした。
Figure 2013207167
次に、上記Red発光層上に、上記化学式102で表されるTPDを、真空蒸着法により5nm(蒸着速度:0.2〜0.4nm/sec)の膜厚で形成し、赤色発光ユニットを製造した。
続いて、上記TPD層上に、上記化学式111で表される化合物をホストとし、下記化学式116で表される化合物をドーパントとして、真空蒸着法により膜圧比で5%となるようにこれらの化合物を20nmの合計膜厚で成膜し、Green発光層とした。
Figure 2013207167
次に、上記Green発光層上に、電子輸送層(ETL)14dとして、上記式113で表される化合物を30nmの膜厚で形成し、第二有機層14を製造した。
以上説明したような第二有機層14上に、上記(化学式2−11)のフェナントロリン誘導体と、リチウム(Li)とを用いて、フェナントロリン誘導体とLiとのモル比が1:1となるようにして、合計膜厚が10nmとなるように形成し、第二混合層15aとした。その後、第二混合層15a上に、上記化学式101で表されるHATCN6を、20nmの膜厚で形成し、第二アクセプタ層15bとした。この第二混合層15a及び第二アクセプタ層15bが、第二電荷発生層15となる。
続いて、上記第二電荷発生層15上に酸化ニオブ(Nb)をスパッタにより約300nmの膜厚で形成して、抵抗層16とした。その後、抵抗層16上に、IZOを真空蒸着法により100nmの膜厚で形成して、陰極17とした。
なお、形成した抵抗層16の電気抵抗率を測定したところ、5×10[Ω・cm]であった。
<実施例4>
正孔注入層14aの形成に用いる物質、及び、第二電荷発生層におけるアクセプタ層15bの形成に用いる物質をそれぞれ酸化モリブデン(MoO)に変更し、第一電荷発生層及び第二電荷発生層における混合層15aの形成に用いる物質を、上記化学式(2−14)のフェナントロリン誘導体に変更し、かつ、陰極17の形成に用いる物質をITOに変更した以外は実施例3と同様にして、発光素子を製造した。
なお、形成した抵抗層16の電気抵抗率を測定したところ、5×10[Ω・cm]であった。
<実施例5>
第一電荷発生層及び第二電荷発生層における混合層15aの形成に用いる物質を、上記化学式(2−17)のフェナントロリン誘導体に変更した。更に、上記第二電荷発生層15上に、酸化亜鉛(ZnO)80mol%、酸化マグネシウム(MgO)10mol%、酸化アルミニウム(Al)10mol%を、スパッタにより約1000nmの膜厚で形成して、抵抗層16とした。その後、抵抗層16上に、IZOを真空蒸着法により100nmの膜厚で形成して、陰極17とした。これら以外は実施例3と同様にして、発光素子を製造した。
なお、形成した抵抗層16の電気抵抗率を測定したところ、1×10[Ω・cm]であった。
<比較例4>
Alqとマグネシウム(Mg)とを用いて、Mgのモル比がAlqに対して5%となるようにして、合計膜厚が20nmとなるように形成し、第一混合層及び第二混合層とした上で、第一混合層15a上に上記化学式101で表されるHATCN6を10nmの膜厚で形成し、第二電荷発生層における第二アクセプタ層及び抵抗層16を形成せず、かつ、ITOを用いて陰極を形成した以外は実施例3と同様にして、発光素子を製造した。
かかる実験例2で製造した発光素子の電極、電荷発生層及び抵抗層の構成について、下記表3にまとめて示した。
Figure 2013207167
<評価方法>
上述のようにして製造した実施例及び比較例の発光素子について、10mA/cmの電流密度における電圧(V)及び効率(cd/A)を測定した。また、50℃、30mA/cmの定電流駆動を行った際の初期輝度を1とした場合の1000時間経過後の相対輝度を測定するとともに、1000時間経過後の初期電圧からの上昇分を測定した。
得られた結果を、以下の表4に示した。
Figure 2013207167
上記表4から明らかなように、本開示の実施形態に係る発光素子では、高効率で安定駆動が得られた。一方で、比較例4では、電子注入を行うことができず、ほとんど発光しなかった。
(実験例3)
<欠点数の評価>
以下に示す工程に従って、46万画素を有する有機EL表示装置を4台試作し、4台の欠点(滅点)の数の総計を求めた。
以下では、まず図10A〜図10Dを参照しながら、本実験例における有機EL表示装置の製造工程について説明する。
まず、第1基板12上に、副画素毎にTFTを周知の方法で製造した。TFTは、第1基板12上に形成されたゲート電極1001、第1基板12及びゲート電極1001上に形成されたゲート絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1002上に形成された半導体層に設けられたソース/ドレイン領域1003、並びに、ソース/ドレイン領域1003の間であって、ゲート電極1001の上方に位置する半導体層の部分が相当するチャネル形成領域1004から構成されている。なお、図10Aに示した例にあっては、TFTをボトムゲート型としたが、トップゲート型であってもよい。TFTのゲート電極1001は、走査回路(図示せず)に接続されている。次に、第1基板12上に、TFTを覆うように、SiOからなる下層層間絶縁層1005AをCVD法にて成膜した後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術に基づき、下層層間絶縁層1005Aに開口1005’を形成した(図10Aを参照。)。
次に、下層層間絶縁層1005A上に、真空蒸着法とエッチング法との組み合せに基づき、アルミニウムから成る配線1006を形成した。なお、配線1006は、開口1005’内に設けられたコンタクトプラグ1006Aを介して、TFTのソース/ドレイン領域1003に電気的に接続されている。配線1006は、信号供給回路(図示せず。)に接続されている。続いて、全面に、SiOからなる上層層間絶縁層1005BをCVD法にて成膜した。次に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術に基づき、上層層間絶縁層1005B上に開口1007’を形成した(図10Bを参照。)。
その後、上層層間絶縁層1005B上に、真空蒸着法とエッチング法との組み合せに基づき、Al−Nd合金からなる第1電極13を形成した(図10Cを参照。)。なお、第1電極13は、開口1007’内に設けられたコンタクトプラグ1007を介して、配線1006に電気的に接続されている。
次いで、開口部1008を有し、開口部1008の底部に第1電極13が露出した絶縁層1009を、第1電極13を含む層間絶縁層1005上に形成した(図10Dを参照。)。具体的には、スピンコーティング法及びエッチング法に基づき、厚さ1μmのポリイミド樹脂からなる絶縁層1009を、層間絶縁層1005の上、及び、第1電極13の周辺部の上に形成した。なお、開口部1008を囲む絶縁層1009の部分は、なだらかな斜面を構成していることが好ましい。
続いて、開口部1008の底部に露出した第1電極13の部分の上から、開口部1008を取り囲む絶縁層1009の部分にわたって、上記実験例2に示した実施例3〜5、比較例4と同様の膜(すなわち、表3に示した正孔注入層、第一有機層、第一電荷発生層、第二有機層、第二電荷発生層、抵抗層が順に形成された膜)の何れか1つを形成した。
具体的には、絶縁層1009を一種のスペーサとし、絶縁層1009の上に各副画素を構成する上述の有機層14及び電荷発生層15を形成するためのメタルマスク(図示せず。)を、絶縁層1009の突起部の上に載置した状態で、抵抗加熱に基づき、各層を成膜した。有機層14及び電荷発生層15を構成する材料は、メタルマスクに設けられた開口を通過し、副画素を構成する開口部1008の底部に露出した第1電極13の部分の上から、開口部1008を取り囲む絶縁層1009の部分の上にわたって堆積する。続いて、上記実験例2に示した実施例3〜5、比較例4と同様の抵抗層16の何れか1つを、スパッタリング法により成膜した。
その後、上記のようにして製造した表示領域の全面に、第2電極17を形成した。第2電極17は、N×M個の有機EL素子を構成する有機層、電荷発生層、抵抗層の全面を覆っている。ただし、第2電極17は、上記抵抗層、有機層、電荷発生層及び絶縁層によって、第1電極13とは絶縁されている。第2電極17も、有機層、電荷発生層及び抵抗層に対して影響を及ぼすことのない程度に成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法であるマグネトロン・スパッタリング法に基づき形成した。
次いで、第2電極17上に、アモルファス窒化シリコン(Si1−x)から成る絶縁性の保護膜をプラズマCVD法に基づき形成した。保護膜の形成は、第2電極17を大気に暴露することなく、連続して行うことで、大気中の水分や酸素による有機層や電荷発生層の劣化を防止することができる。その後、保護膜と第2基板とを、アクリル系接着剤から成る接着層によって接着する。最後に、外部回路との接続を行うことで、有機EL表示装置を完成させることができる。
以上のようにして有機EL表示装置を製造することで、上記実験例2の実施例3〜5、又は、比較例4の何れか1つと同様の層構造を有する有機EL表示装置を製造することができた。このようにして製造した、46万画素を有する有機EL表示装置4台について、欠点(滅点)の数の総計を求めた。その結果は、下記とおりであった。
実施例3に示した層構造: 4個
実施例4に示した層構造: 7個
実施例5に示した層構造: 3個
比較例4に示した層構造:1080個
上記結果から明らかなように、実施例3〜実施例5の層構造を有する有機EL表示装置では、比較例4に示した有機EL表示装置に比べて、欠点数(滅点数)が極めて少なかった。
以上説明したように、本開示の実施形態に係る発光素子では、高視野角や高精細化が可能な透明電極素子において、過不足なく良好な電荷バランスを実現することが可能となり、高い発光効率、安定駆動を実現しつつ、しかも、第1電極である陽極と第2電極である陰極との間での短絡の発生を確実に抑制することができ、透明電極形成時の高エネルギー粒子の入射による有機膜のダメージを軽減することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
第1電極と、
前記第1電極上に形成された発光層を有する有機層と、
前記有機層上に形成された電荷発生層と、
前記電荷発生層上に形成された抵抗層と、
前記抵抗層上に形成された第2電極と、
を有し、
前記第1電極は、前記発光層からの発光を反射するとともに、前記第2電極は、前記発光層からの発光を透過するものであり、
前記電荷発生層は、前記有機層側から順に、
キレート材と、アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素と、を含む混合層と、
アクセプタ材料を含むアクセプタ層と、
の積層構造からなる、発光素子。
(2)
前記抵抗層を構成する材料の電気抵抗率は、1×10Ω・cm〜1×10Ω・cmであり、
前記有機層の上方における前記抵抗層の厚みは、0.1μm〜2μmである、(1)に記載の発光素子。
(3)
前記アクセプタ層は、下記化学式1で表される化合物を少なくとも含む、(1)又は(2)に記載の発光素子。
Figure 2013207167
ここで、上記化学式1において、
Arは、アリール基を示し、
Rは、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のジアルキルアミン基、ハロゲン元素、シアノ基、又は、置換もしくは無置換のシリル基を示す。
(4)
前記キレート材は、下記化学式2で表されるフェナントロリン環を少なくとも1つ含むフェナントロリン誘導体を少なくとも含む、(1)〜(3)の何れか1つに記載の発光素子。
Figure 2013207167
(5)
前記混合層は、前記キレート材と、Li又はCsの何れかと、を含む、(1)〜(4)の何れか1つに記載の発光素子。
(6)
前記混合層において、前記キレート材と、前記アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素の何れかと、の混合モル比は、1:5〜2:1である、(5)に記載の発光素子。
(7)
第1電極と、
前記第1電極上に形成された発光層を有する有機層と、
前記有機層上に形成された電荷発生層と、
前記電荷発生層上に形成された抵抗層と、
前記抵抗層上に形成された第2電極と、
を有し、
前記第1電極は、前記発光層からの発光を反射するとともに、前記第2電極は、前記発光層からの発光を透過するものであり、
前記電荷発生層は、前記有機層側から順に、
キレート材と、アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素と、を含む混合層と、
アクセプタ材料を含むアクセプタ層と、
の積層構造からなる、発光素子を備える、表示装置。
10 表示装置
11 発光素子(有機電界発光素子)
12 基板
13 陽極(第1電極)
14 有機層
14a 正孔注入層
14b 正孔輸送層
14c 発光層
14d 電子輸送層
15 電荷発生層
15a 混合層
15b アクセプタ層
16 抵抗層
17 陰極(第2電極)

Claims (7)

  1. 第1電極と、
    前記第1電極上に形成された発光層を有する有機層と、
    前記有機層上に形成された電荷発生層と、
    前記電荷発生層上に形成された抵抗層と、
    前記抵抗層上に形成された第2電極と、
    を有し、
    前記第1電極は、前記発光層からの発光を反射するとともに、前記第2電極は、前記発光層からの発光を透過するものであり、
    前記電荷発生層は、前記有機層側から順に、
    キレート材と、アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素と、を含む混合層と、
    アクセプタ材料を含むアクセプタ層と、
    の積層構造からなる、発光素子。
  2. 前記抵抗層を構成する材料の電気抵抗率は、1×10Ω・cm〜1×10Ω・cmであり、
    前記有機層の上方における前記抵抗層の厚みは、0.1μm〜2μmである、請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記アクセプタ層は、下記化学式1で表される化合物を少なくとも含む、請求項2に記載の発光素子。
    Figure 2013207167

    ここで、上記化学式1において、
    Arは、アリール基を示し、
    Rは、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のジアルキルアミン基、ハロゲン元素、シアノ基、又は、置換もしくは無置換のシリル基を示す。
  4. 前記キレート材は、下記化学式2で表されるフェナントロリン環を少なくとも1つ含むフェナントロリン誘導体を少なくとも含む、請求項3に記載の発光素子。
    Figure 2013207167
  5. 前記混合層は、前記キレート材と、Li又はCsの何れかと、を含む、請求項4に記載の発光素子。
  6. 前記混合層において、前記キレート材と、前記アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素と、の混合モル比は、1:5〜2:1である、請求項5に記載の発光素子。
  7. 第1電極と、
    前記第1電極上に形成された発光層を有する有機層と、
    前記有機層上に形成された電荷発生層と、
    前記電荷発生層上に形成された抵抗層と、
    前記抵抗層上に形成された第2電極と、
    を有し、
    前記第1電極は、前記発光層からの発光を反射するとともに、前記第2電極は、前記発光層からの発光を透過するものであり、
    前記電荷発生層は、前記有機層側から順に、
    キレート材と、アルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素と、を含む混合層と、
    アクセプタ材料を含むアクセプタ層と、
    の積層構造からなる、発光素子を備える、表示装置。
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