JP2013194987A - 冷気循環式の扉付き冷凍・冷蔵ショーケース - Google Patents

Abstract

【課題】ショーケースの庫内背面パネルに開口して冷気循環ダクトの途中から庫内前方に向けて冷気を吹き出す冷気吹出穴の開口パターンを変更することで、防露，防霜ヒータを用いずに外気の侵入により庫内に発生する着霜を効果的に解消して省エネ効果を高める。
【解決手段】扉付きケース本体１の庫内に上下段の陳列棚８を架設し、冷気循環ダクトを通じて庫内に冷気を循環送風して商品１０を保冷する冷気循環式の冷凍・冷蔵扉付きショーケースであって、前記冷気循環ダクトを通じて庫内前面に冷気エアカーテンを吹き出すとともに、庫内の背面パネル４には各段の陳列棚８に対応して冷気循環ダクトの途中から庫内前方に冷気を吹き出す冷気吹出穴を穿設したものにおいて、背面パネル４の壁面には各段の陳列棚８に対応して左右方向に配列した第１パターンの冷気吹出口４ａに追加して、陳列棚の左右両側に開口位置を合わせて上下方向に配列した第２パターンの冷気吹出口４ｂを併設し、庫内に着層した霜層に冷気を満遍なく流して着霜を効率よく消滅させる。
【選択図】図１

Description

本発明は、前面扉付きケース本体の庫内に上下段に並ぶ商品陳列棚を架設し、冷気循環ダクトを通じて庫内前面に冷気エアカーテンを形成するとともに、庫内の背面側からも庫内前方に向け冷気を吹き出して冷凍食品などの商品を保冷する冷気循環式の扉付き冷凍・冷蔵ョーケースに関する。

頭記の扉付き冷凍・冷蔵ショーケース（リーチイン形ショーケース）として、前面に扉を備えたケース本体の庫内に上下段に並ぶ商品陳列棚を架設し、冷気循環ダクトを通じて庫内前面に冷気エアカーテンを吹出し形成するとともに、背面側からも庫内前方に向け冷気を吹き出して庫内を保冷するようにしたショーケースが知られており（例えば、特許文献１参照）、その構成を図３に示す。

図３において、１は断熱筐体になる前面開放形のケース本体、２はケース本体１の前面に設けた扉（透視扉）、３はケース本体１の外箱と内箱との間に画成した冷気循環ダクト、４は内箱の庫内陳列室５と冷気循環ダクト３との間を仕切る背面パネル、６はケース本体１の底部に配した冷却器、７はファン、８は上下段に並べて庫内に架設した商品陳列棚であり、前記背面パネル４の壁面には、上下各段の陳列棚８に対応して冷気循環ダクト３の途中経路から庫内の陳列室５に向けて冷気を前方に吹き出す冷気吹出穴４ａが開口している。この冷気吹出穴４ａは、特許文献１にも記載されているように、上下段に並ぶ各段の陳列棚８の下側に開口位置を合わせて左右方向に分散配列したスリット状の角穴である。なお、図中の符号９は庫内照明用の蛍光灯である。

上記した冷気循環式ショーケースの保冷動作は周知の通りであり、保冷運転時には図３の矢印で表すように、冷却器６と熱交換した冷気が冷気循環ダクト３を経由してケース本体１の天井部に開口したエアカーテン吹出口３ａからか下方の吸込口３ｂに向け、扉２の内面に沿って庫内前面に冷気エアカーテン気流Ａを吹き出し形成する。また、上下段に並ぶ各段の商品陳列棚８に対応して背面パネル４に穿設した冷気吹出穴４ａを通じて冷気循環ダクト３の途中経路から庫内に向け冷気流Ｂを吹き出して陳列棚８に陳列した商品（不図示）を保冷する。

特開平１０−７３３６１号公報

ところで、前記した冷気循環式の扉付きショーケース、特に冷凍食品を保冷する冷凍仕様のショーケースでは、保冷運転中に庫内から商品を取り出すために扉２を開け，閉めると外気が庫内に侵入し、この外気侵入が基で内箱の天井面，側壁面，陳列棚８の下面，および陳列棚８に搭載した商品の表面などに霜が着霜する問題がある。

すなわち、ショーケースの保冷運転状態で扉２（図３参照）を開放すると、図４で示すように陳列室５の下部領域から庫外に向けて庫内の冷気が漏出する一方、庫外からは庫内の上部域に向けて外気が侵入するようになる。この場合に、庫内の上部域に外気が侵入すると、この侵入外気の流れに前記冷気エアカーテン気流Ａ，庫内の背面から前方に吹き出す冷気流Ｂ（図３参照）が干渉（衝突）してこの部分に乱流（渦流）が発生し、庫内に侵入した外気の一部は庫内前面域から保冷状態にある陳列室５の奥の方に向けて流れ込むようになる。

このために、冷凍仕様のショーケースのように庫内温度が０℃以下のマイナス温度に保冷されていると、外気に含まれた湿気（水蒸気）が昇華，凝固し、陳列室５の庫内壁面、陳列棚８の下面，陳列棚８に搭載した商品の表面などに着霜する。なお、ショーケースの扉２を閉じて外気の侵入が無くなると、庫内の背面側から吹き出す冷気流Ｂ（図３参照）が着霜した霜層の表面に沿って流れ、これにより霜が昇華蒸発して次第に消滅するようになるが、扉２を頻繁に開け，閉めしたりすると庫内の各部に発生する着霜量が多くなって霜の十分な解消には至らない。特に、図３のように背面パネル４に開口した冷気吹出穴４ａを上下段に並ぶ陳列棚８に合わせてその下面側の左右方向に分散開口した従来構造では、背面パネル４の冷気吹出穴４ａを通じて庫内前方に吹き出す冷気流Ｂが陳列棚の下面に沿った領域を流れるため、この冷気流の流れ領域から外れた内箱の側壁面，商品の周面に沿って流れる冷気風量が不足してこの部分に着霜した霜が消滅されずに残存する。

なお、背面パネル４の全面域に多数の冷気吹出穴４ａを分散開口してこの冷気吹出穴を通じて庫内前方に吹き出す冷気流Ｂの風量を多くすることも考えられるが、この方法ではファン７の総送風量のうち冷気循環ダクト３の途中から庫内に向けて分流する風量割合が大きくなった分だけ冷気循環ダクト３の冷気吹出口３ａから吸込口３ｂに向けて庫内前面に吹き出し形成するエアカーテン気流Ａの風量が少なくなってエアカーテンの機能が低下するため、扉２を開放した際の外気侵入量が増えて庫内の着霜量が一層増加してしまう。

そこで、従来のショーケースでは内箱の庫内側の壁面に防露，防霜ヒータなどを布設して結露，霜付きを防ぐようにしているが、防露，防霜ヒータを使用するとショーケースの消費電力が増加するほか、ヒータの発熱がそのままショーケースの熱負荷となって冷凍機の負担が増えるといった問題がある。

本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、庫内の背面パネルに開口した冷気吹出穴の開口パターンを適正に変更することで、防露，防霜ヒータを用いずに外気の侵入に起因して庫内に発生した着霜を効果的に解消できるように改良した冷気循環式の扉付き冷凍・冷蔵ショーケースを提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明によれば、前面に扉を備えたケース本体の庫内に上下段に並ぶ陳列棚を架設し、ケース本体の内箱／外箱間に画成した冷気循環ダクトを通じて庫内に冷気を循環送風して陳列商品を保冷する冷気循環式の扉付き冷凍・冷蔵ショーケースであって、前記冷気循環ダクトを通じて庫内前面に冷気エアカーテンを吹き出すとともに、庫内の背面パネルには上下各段の陳列棚に対応して前記冷気導風ダクトの途中経路から庫内前方に向けて冷気を吹き出す冷気吹出穴を穿設したものにおいて、
前記背面パネルには、上下各段の陳列棚，および庫内天井の下面側に開口位置を合わせて左右方向に配列した第１パターンの冷気吹出口と、陳列棚の左右両側に開口位置を合わせて上下方向に配列した第２パターンの冷気吹出口を穿設する（請求項１）。

また、前記構成の好ましい態様として、背面パネルに開口した前記第２パターンの冷気吹出口を、庫内の下段側に並ぶ陳列棚を除き、上段側に並ぶ陳列棚に限定して穿設する（請求項２）。

また、前記構成の好ましい態様として、第１パターンの冷気吹出口を、庫内の下段側に並ぶ陳列棚を除き、上段側に並ぶ陳列棚に限定して穿設する（請求項３）。

上記のように、庫内の背面パネルには、従来と同じように開口した第１パターンの冷気吹出穴に加えて、陳列棚の左右両側には上下方向に配列した第２パターンの冷気吹出穴を追加して穿設することにより、ショーケースの保冷運転中には第１，および第２パターンの冷気吹出穴を通じて冷気循環ダクトの途中から庫内前方に向けて吹き出す冷気流が、各段の陳列棚の裏面、内箱の庫内側壁面，天井面、および商品の表面に沿って満遍なく流れるようになる。これにより、保冷運転中における扉の開放に伴い前方から庫内に侵入する外気によって庫内の各部に着霜した霜を効率よく昇華蒸発させてその霜層を満遍なく確実に消滅することかできる。しかも、従来のショーケースのように防露，防霜ヒータを用いないので高い省エネ効果が得られる。

また、前記第１パターンの冷気吹出口，ないしは第２パターンの冷気吹出口を、庫内の下段側に並ぶ陳列棚を除く上段側に並ぶ陳列棚に限定した範囲に穿設しておくことにより、相対的に冷気循環ダクトの冷気吹出口（天井側）を通じて庫内前面に吹き出し形成するエアカーテン気流の風量が増え、扉の開放時に庫外から庫内上部域（上段側）に流入する外気の侵入量を抑制して庫内に発生する着霜量をより効果的に低減させることができる。

本発明の実施例１に係わる庫内の背面パネルに穿設した冷気吹出穴の開口パターンを表す模式正面図である。 本発明の実施例２に係わる庫内の背面パネルに穿設した冷気吹出穴の開口パターンを表す模式正面図である。 従来における冷気循環式の扉付きショーケースの構成断面図である。 図３の扉の開放時に生じる外気侵入，庫内からの冷気漏れを表す図である。

以下、本発明の実施の形態を図１、および図２に示す実施例に基づいて説明する。なお図示実施例の図中で図３に対応する部位には同じ符号を付してその説明は省略する。

図１に示す実施例においては、上下段に並べて庫内の陳列室５に架設した陳列棚８に対して、図３で述べた背面パネル４の壁面には、図示のように各段の陳列棚８，および庫内天井の下面側に開口位置を合わせて左右方向に分散配列した第１パターンの冷気吹出口４ａと、陳列棚８の左右両側に開口位置を合わせて上下方向に分散配列した第２パターンの冷気吹出口４ｂが併設して開口されている。

そして、ショーケースの保冷運転時には、前記第１，第２パターンの冷気吹出穴４ａ，４ｂを通じてその背後に画成した冷気循環ダクト３（図３参照）から庫内前方に向けて冷気を吹き出し、ケース本体１の内箱天井面，左右側壁面，上下段に並べて陳列室５に架設した各陳列棚８の下面，および陳列棚８に搭載した商品１０（アイスクリームなどの冷凍食品）の表面に沿って満遍なく冷気を流すようにしている。

これにより、ショーケースの保冷運転中にケース本体１の前面に配した扉２（図３参照）の開け，閉めに伴い、図４で述べたように庫内の上部域に侵入する外気の湿気によって庫内の各部に着霜した霜層が満遍なく昇華蒸発して着霜を確実に消滅させるこができる。

次に本発明の請求項２に対応する実施例を図２で説明する。この実施例においては、先記実施例１で述べた第１パターンの冷気吹出穴４ａ，第２パターンの冷気吹出穴４ｂを、図示のように庫内陳列室５の上段側に並ぶ陳列棚８に限定して庫内上部域の背面パネル４に開口し、陳列室５の下段側に並ぶ陳列棚８に対応する前記第１パターンの冷気吹出穴４ａ，第２パターンの冷気吹出穴４ｂは穿設しないで閉口しておく。

したがって、庫内の上段側に並ぶ陳列棚８の上側および左右両側域には背面パネル４に開口した第１，および第２パターンの冷気吹出穴４ａ，４ｂを通じて冷気が前方に吹き出すが、下段側の陳列棚８が並ぶ庫内の下部領域には背面側からの冷気吹き出しはなく、図１に示した実施例と比べて、冷気循環ダクト３の途中から庫内前方に向けて吹き出し分流する冷気の風量がトータル的に少なくなる。

これにより、背面パネル４の背後に画成した冷気循環ダクト３を通じて天井側の冷気吹出口３ａから下方の吸込口３ｂに向けて庫内前面に吹き出し形成するエアカーテン気流Ａ（図３参照）の風量が増えるので、実施例１と比べて扉開放時に庫外から庫内上部域（上段側）に流入する外気侵入量を抑制して庫内に発生する着霜量を一層効果的に低減させることができる。

１ ケース本体
２ 扉
３ 冷気循環ダクト
４ 背面パネル
５ 陳列室
６ 冷凍機のエバポレータ
７ ファン
８ 陳列棚
１０ 商品（冷凍食品）

Claims (3)

1. 前面に扉を備えたケース本体の庫内に上下段に並ぶ陳列棚を架設し、ケース本体の内箱／外箱間に画成した冷気循環ダクトを通じて庫内に冷気を循環送風して陳列商品を保冷する冷気循環式の扉付き冷凍・冷蔵ショーケースであり、前記冷気循環ダクトを通じて庫内前面に冷気エアカーテンを吹き出すとともに、庫内の背面パネルには上下各段の陳列棚に対応して前記冷気導風ダクトの途中経路から庫内前方に向けて冷気を吹き出す冷気吹出穴を穿設したものにおいて、
   前記背面パネルには、上下各段の陳列棚，および庫内天井の下面側に開口位置を合わせて左右方向に配列した第１パターンの冷気吹出口と、陳列棚の左右両側に開口位置を合わせて上下方向に配列した第２パターンの冷気吹出口を穿設したことを特徴とする冷気循環式の扉付き冷凍・冷蔵ショーケース。
2. 請求項１に記載の扉付き冷凍・冷蔵ショーケースにおいて、第２パターンの冷気吹出口を、庫内の下段側に並ぶ陳列棚を除き、上段側に並ぶ陳列棚に限定して穿設したことを特徴とする冷気循環式の扉付き冷凍・冷蔵ショーケース。
3. 請求項１または２に記載の扉付き冷凍・冷蔵ショーケースにおいて、第１パターンの冷気吹出口を、庫内の下段側に並ぶ陳列棚を除き、上段側に並ぶ陳列棚に限定して穿設したことを特徴とする冷気循環式の扉付き冷凍・冷蔵ショーケース。