JP2013193138A - 超硬合金部材と鋼部材の複合材料およびこの複合材料からなる回転軸物切削工具 - Google Patents

超硬合金部材と鋼部材の複合材料およびこの複合材料からなる回転軸物切削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】高抗折力を備えた超硬合金部材と鋼部材の複合材料およびこの複合材料からなる高切削性能を有するエンドミル、ドリル等の軸物切削工具を提供する。
【解決手段】超硬合金部材と鋼部材とが、中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材の複合材料において、(a)中間部材は、Ni含有部材からなり、(b)中間部材に対向する鋼部材端面の面粗度は、予め、Rz5〜18に調整されてなり、(c)複合材料の軸中心を含む縦断面で観察した場合、中間部材と鋼部材端面の接合境界領域には、少なくとも一箇所に、鋼部材内部へと中間部材成分が食い込んでいるくさび状組織が形成されている超硬合金部材と鋼部材の複合材料、および、超硬合金部材に刃先加工を施した回転軸物切削工具。
【選択図】図2

Description

本発明は、中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材との高抗折力を備える複合材料に関し、さらに、かかる複合材料からなるエンドミルあるいはドリル等の高切削性能を有する回転軸物切削工具に関する。
従来、タングステン−コバルト系合金等の超硬合金は、高硬度を有し耐摩耗性にすぐれることから、切削チップ、エンドミル、ドリル等の切削工具、ロール、パンチ、ダイス等の塑性加工工具、また破砕機等の耐摩耗部材などに広く用いられているが、超硬合金は加工が困難で高価なうえ、靭性が低く折損しやすいためにその用途が制約されていた。
しかし、近年、これを克服するための方法として、安価で加工性、靭性にすぐれた鋼と超硬合金とを、ろう付け、あるいは、拡散接合で接合することにより、超硬合金部材と鋼部材との複合材料を得ることが行われている。
ろう付けにより複合材料を得る典型的な方法としては、銀ろうを用いた接合が知られているが、ろう材と超硬合金、鋼との熱膨張が異なることにより発生する内部応力によって、ろう材あるいは超硬合金に割れが発生しやすいという欠点がある。
また、拡散接合によって超硬合金部材と鋼部材との複合材料を得る方法としては、例えば、特許文献1に示すように、超硬合金製の切削刃用部材と鋼製のシャンク用部材とを接合するための鉄−ニッケル−コバルト系合金等の中間材用部材を準備し、鋼製シャンク用部材と中間材用部材を相対的に回転させ、摩擦熱を利用して同軸的に圧接接合した後、これによって得られた複合部材と超硬合金製の切削刃用部材とを同様に摩擦接合して切削工具用素材を作製し、これを機械加工することにより、クラック発生を抑制した切削工具の製造方法が提案されている。
特開2004−216410号公報
切削チップ、エンドミル、ドリル等の切削工具、ロール、パンチ、ダイス等の塑性加工工具、また破砕機等の耐摩耗部材を利用する各種技術分野においては、所定の耐摩耗性を備え、また、所定の靭性を有する超硬合金部材と鋼部材との複合材料を使用することにより、より厳しい使用条件下での利用が可能になってきたが、ろう材で接合された複合材料では、接合部あるいは超硬合金部材に割れが発生しやすく、また、拡散接合で形成された複合材料でも、大きな負荷がかかると、接合部からの破断が生じやすい。例えば、上記特許文献1に示す拡散接合で形成された超硬合金部材と鋼部材との複合材料からなる切削工具(例えば、エンドミル)を作製した場合、切削加工時にたおれやビビリ振動が発生し、その結果、被削材の加工精度が劣化し、あるいは、接合部からの折損により工具寿命が短命となりやすい。
そのため、超硬合金部材と鋼部材との複合材料、また、かかる複合材料からなるエンドミルあるいはドリル等の回転軸物切削工具においては、より一層すぐれた強度(高抗折力)を有する複合材料が求められている。
そこで、本発明者らは、中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材との複合材料において、その接合部の強度改善について鋭意研究した結果、以下の知見を得た。
図1に示すような超硬合金部材と鋼部材との複合材料を製造するに当たり、中間部材としてはNi含有部材を使用し、また、中間部材に対向する鋼部材の端面を、予め、面粗度がRz5〜18になるように粗面化しておき、超硬合金部材と鋼部材とを中間部材を介して押圧した状態で回転させ、中間部材に対向する鋼部材の端面を摩擦熱により少なくとも軟化溶融させた場合には、中間部材と鋼部材端面の接合境界領域には、少なくとも一箇所に、鋼部材内部へと中間部材成分が食い込んだくさび状組織が形成され、そして、該くさび状組織によって、複合材料の接合部における強度(抗折力)が大きく向上することを見出したのである。
即ち、上記で作製した複合材料について、複合材料の軸中心を含む縦断面における鋼部材と中間部材の接合境界領域をSEM(走査型電子顕微鏡)およびEPMA(電子線マイクロアナライザー)を用いて観察した。
例えば、図2(a)のSEM写真、図2(b)の接合境界領域模式図に示すように、鋼部材内部の位置にまで、中間部材成分が一部食い込んだくさび状組織が形成されていることが確認された。
そして、図3に示すように、鋼部材内部に食い込んだくさび状組織の形成されている位置は、複合材料の軸方向に沿って、接合境界領域を含む断面を、軸方向に走査したEPMAチャートにおいて検出された2箇所(約0.028〜0.037mm,約0.048〜0.068mm)のNiのピーク位置に対応することから、該くさび状組織は、複合材料作製時に、鋼部材が中間部材に食い込み、その後、摩擦熱で軟化・溶融することによって形成された組織であることが分かる。
そして、上記で作製した超硬合金部材と鋼部材からなる複合材料について、曲げ試験を実施し、その抗折力、破断個所を調査したところ、この発明による複合材料は、その軸方向と直交する方向から負荷が作用した場合でも、高抗折力を備え、しかも、超硬合金部材と中間部材との接合箇所から破断が起こるのではなく、超硬合金部材の箇所で破断が生じていたことから、この発明による複合材料はすぐれた接合強度を有するものであることが確認された。
そして、この発明の複合材料の超硬合金部材に刃先加工を施し、エンドミル、ドリル等の回転軸物切削工具として用いた場合には、切削加工時の折損を生じることなく、長期の使用にわたって優れた切削性能を発揮することを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「(1) 超硬合金部材と鋼部材とが、中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材の複合材料において、
(a)中間部材は、Ni含有部材からなり、
(b)中間部材に対向する鋼部材端面の面粗度は、予め、Rz5〜18に調整されてなり、
(c)複合材料の軸中心を含む縦断面で観察した場合、中間部材と鋼部材端面の接合境界領域には、少なくとも一箇所に、鋼部材内部へと中間部材成分が食い込んでいるくさび状組織が形成されている、
ことを特徴とする超硬合金部材と鋼部材の複合材料。
(2) 上記中間部材は、純Ni、あるいは、CoおよびFeのうちの何れか1種または2種を含有するNi合金からなることを特徴とする前記(1)に記載の超硬合金部材と鋼部材の複合材料。
(3) 上記鋼部材は、合金工具鋼または構造用合金鋼であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の超硬合金部材と鋼部材の複合材料。
(4) 前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の超硬合金部材と鋼部材の複合材料において、超硬合金部材に刃先加工を施したことを特徴とする回転軸物切削工具。」
を特徴とするものである。
以下に、本発明について、詳細に説明する。
本発明では、超硬合金部材と鋼部材とを中間部材を介して接合し、複合材料を構成するが、複合材料の製造法は、例えば、以下のとおりである。
まず、複合化する鋼部材(例えば、直径10〜30mm×長さ80〜120mm)の、中間部材に対向する側の端面を、例えば、ショットブラストを施して面粗度Rz5〜18の範囲内になるように粗面化する。
中間部材としては、Ni含有部材(例えば、厚さ0.1〜0.5mm)を使用する。
そして、上記中間部材を、超硬合金部材の端面と、上記粗面化した鋼部材の端面間に介在配置して、超硬合金部材/中間部材/鋼部材の順で整列させ、これらをその軸方向に加圧し一体保持しつつ、超硬合金部材/中間部材/鋼部材を相対的に回転させて(例えば、相対回転速度300〜800rpm)、超硬合金部材/中間部材/鋼部材の各部材の界面に十分な摩擦熱を発生させ、少なくとも、鋼部材端面と中間部材の接合部の温度が900〜1200℃になるようにし、中間部材に対向する鋼部材の粗面化された端面が摩擦熱によって十分に軟化したときに、超硬合金部材/中間部材/鋼部材の各部材の界面を圧接して、超硬合金部材と鋼部材の複合材料を作製することができる。
ここで、鋼部材の中間部材に対向する端面の面粗度をRz5〜18の範囲内としたのは、次の理由による。
即ち、鋼部材の中間部材に対向する端面の面粗度がRz5未満の平滑面であると、超硬合金部材と鋼部材とを中間部材を介して押圧した状態で回転させ、摩擦熱により中間部材と鋼部材の端面を軟化溶融させた場合、鋼部材内部への中間部材成分の侵入・食い込み、あるいは、中間部材への鋼部材の食い込みが生じにくいために、くさび状組織が形成され難く、一方、鋼部材の中間部材に対向する端面の面粗度をRz18を超える粗面にすると、鋼部材と中間部材間での侵入・食い込みによるくさび状組織は形成されるものの、その反面、接合境界領域に空孔が形成されるようになるため、接合部強度が低下傾向を示すようになることから、鋼部材の中間部材に対向する端面の面粗度はRz5〜18の範囲内になるように調整する必要がある。
また鋼部材は鉄系材料であれば特に限定されないが、合金工具鋼(例えばSKD61やSKD11)や構造用合金鋼(例えばSCM440)が切削工具の柄材としての硬度やじん性の点で好ましい。
また、中間部材としては、Ni含有部材を用いるとしたのは、Ni含有部材は鋼部材との融点の差が大きく、くさび形状が形成しやすい他、超硬合金部材中のCoと拡散し強度が得られる、との理由による。
上記製造法で作製した超硬合金部材と鋼部材の複合材料の、複合材料の軸中心を含む縦断面における鋼部材と中間部材との接合境界領域を、SEM(走査型電子顕微鏡)およびEPMA(電子線マイクロアナライザー)を用いて観察・測定すると、図2、図3に示すように、中間部材に対向する鋼部材の端面近傍には、鋼部材内部へと中間部材成分であるNiが食い込んでいるくさび状組織が、少なくとも一箇所に形成されていることが確認できる。
そして、この発明の複合材料で強度(抗折力)、特に、複合材料の軸中心の周りの回転方向に対する負荷に対して強度(抗折力)が向上するのは、中間部材に対向する鋼部材の端面近傍に、鋼部材内部へ食い込んで形成されている中間部材成分によるくさび状組織の影響によるものであると推定される。
即ち、この発明の複合材料では、中間部材を介して超硬合金部材と鋼部材を高熱発生条件下で回転させ圧接した際に、中間部材と鋼部材の界面が摩擦熱で900〜1200℃の高熱となった場合、鋼部材の粗面化された端面が中間部材に食い込み、また、中間部材と鋼部材は、加圧されつつ相対的に回転しているため、該食い込んだ部分に中間部材が巻き込まれ、絡み合うことによって、結果として、鋼部材内部へ食い込んだ中間部材成分によるくさび状組織が形成される。
つまり、中間部材と鋼部材の拡散接合に加え、上記くさび状組織による物理的な接合が生じることにより、接合部の接合強度(即ち、鋼金部材と中間部材間の接合強度)が向上し、すぐれた強度(抗折力)を有する複合材料、特に、複合材料の軸中心の周りの回転方向に対する負荷に対して高強度(高抗折力)を有する複合材料が得られるものと推測される。
ここで、上記くさび状組織は、複合材料の軸中心を含む縦断面で観察した場合、中間部材と鋼部材端面の接合境界領域に少なくとも一箇所は形成されていることが必要であり、そうでない場合には、強度(抗折力)の向上は十分ではない。
また、くさび状組織が形成されているか否かの確認は、図2(a)に示すようにSEM(走査型電子顕微鏡)観察によって知ることができるが、より定量化して知るためには、図3に示すように、複合材料の軸方向に沿って、中間部材と鋼部材の接合境界領域を含む断面を、軸方向にEPMA分析し、チャートで検出されたNiのピーク位置が2箇所以上あるか否かで確認することができる。
つまり、EPMAチャートで、検出されたNiのピーク位置が1箇所の場合には、くさび状組織は形成されていないと判断し、一方、Niのピーク位置が2箇所以上検出された場合には、中間部材の成分であるNiが鋼部材中に侵入して食い込んだくさび状組織が形成されていると判断することができる。
この発明の複合材料は、超硬合金部材、鋼部材及び中間部材の組み合わせにもよるが、中間部材と鋼部材端面の接合境界領域に形成されたくさび状組織の存在によって、その接合部が優れた強度(抗折力)、特に、回転方向の負荷に対しての優れた強度(抗折力)を有することから、超硬合金部材に刃先加工を施し、エンドミル、ドリル等の回転軸物切削工具として用いた場合には、複合材料の接合部が、切削加工時の折損を生じることなく、長期の使用にわたって優れた切削性能を発揮する。
本発明の複合材料を構成する各部材の位置関係を示す概略斜視図を示す。 (a)は、本発明の複合材料の軸中心を含む縦断面における鋼部材と中間部材の接合境界領域をSEM(走査型電子顕微鏡)像、(b)は、本発明の複合材料の軸中心を含む縦断面における鋼部材と中間部材の接合境界領域の模式図を示す。 本発明の複合材料の接合境界領域を含む断面を、軸方向に走査したEPMAにより測定したチャートの一例を示す。
つぎに、この発明を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TaC粉末、NbC粉末、VC粉末、Cr粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を6Paの真空中、温度:1400℃に1時間保持の条件で焼結し、表1に示される3種のサイズの超硬合金部材A1(直径×長さ:20mm×15mm)、A2(直径×長さ:20mm×30mm)、A3(直径×長さ:20mm×40mm)を作製した。
また、鋼部材として、上記超硬合金部材A1、A2、A3と同一直径となるように、表1に示される3種類の鋼B1(直径×長さ:20mm×80mm)、B2(直径×長さ:20mm×100mm)、B3(直径×長さ:20mm×120mm)をそれぞれ用意した。
ついで、中間部材に対向する上記鋼部材B1〜B3の端面に、表2に示す条件イ〜ハでショットブラストを施して、鋼部材B1〜B3の端面を表2に示す表面粗さ(Rz)に調整した。
つぎに、中間部材として、表1に示される3種類の部材C1(純Ni。直径×厚さ:25mm×0.1mm)、C2(Co12wt%−Fe20wt%−Ni残からなるNi合金。直径×厚さ:25mm×0.15mm)、C3(Co2wt%−Fe1wt%−Ni残からなるNi合金。直径×厚さ:25mm×0.5mm)をそれぞれ用意した。
ついで、上記超硬合金部材A1〜A3、鋼部材B1〜B3及び中間部材C1〜C3について、表4に示す組み合わせで、超硬合金部材と鋼部材との間に中間部材を介挿し、表3に示される条件で摩擦接合することにより、中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材からなる表4に示す本発明複合材料1〜9を製造した。
比較のため、上記鋼部材B1〜B3について、表2から外れた条件でショットブラストを施して、Rzが5〜18を外れる表面粗さの鋼部材端面を形成し、ついで、上記超硬合金部材A1〜A3、鋼部材B1〜B3及び中間部材C1〜C3について、表5に示す組み合わせで、超硬合金部材と鋼部材との間に中間部材を介挿し、表3に示される条件で摩擦接合することにより、中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材からなる表5に示す比較例複合材料1〜9を製造した。
上記本発明複合材料1〜9、比較例複合材料1〜9のそれぞれについて、曲げ試験を実施し、抗折力を測定するとともに、破断箇所を目視観察した。
その結果を表4、5に示す。
なお、曲げ試験は、JIS・R1601で規定されるファインセラミックスの曲げ強さ試験方法により行った。
また、上記本発明複合材料1〜9、比較例複合材料1〜9のそれぞれについて、中間部材と鋼部材端面の接合境界領域にくさび状組織が形成されているか否か、また、形成されている場合には、どの位置に何箇所形成されているかは、複合材料の軸中心を含む縦断面(但し、五つの縦断面)について、SEM(走査型電子顕微鏡)およびEPMA(電子線マイクロアナライザー)を用いて観察し、それぞれの測定値を平均した値として求めた。
なお、くさび状組織の形成位置は、EPMAチャートに示されるNiピーク位置により、超硬合金部材と中間部材との界面から、鋼部材内部への軸方向長さ(mm)として求め、この値を、くさび状組織の形成位置とした。また、くさび状組織が複数箇所に形成されている場合には、それぞれのくさび状組織の形成位置を求め、これらの値の平均値を、くさび状組織の形成位置とした。
その結果を表4、5に示す。
表4、5に示される結果から、本発明複合材料1〜9は、700MPa以上の抗折力を示し、かつ、破断個所は、すべて、超硬合金部材と中間部材の接合個所以外の箇所(即ち、超硬合金部材)で生じていたのに対して、比較例複合材1〜9の抗折力は、本発明複合材料1〜9に比してはるかに劣るものであり、しかも、破断は、ほとんどが鋼部材と中間部材との接合部で生じていた。





実施例1で作製した本発明複合材料1〜9、比較例複合材料1〜9をエンドミル用丸棒複合素材とし、この丸棒複合素材の超硬合金部材に刃付加工(研削加工)を施して、表6に示される組合せで、切刃部の直径×長さがそれぞれ20mm×15mm、20mm×30mm、20mm×40mmの寸法、並びに、ラジアス形状、スクエア形状及びボール形状をもった表7に示す本発明複合材料製エンドミル(以下、本発明エンドミルという)1〜9および表8に示す比較例複合材料製エンドミル(以下、比較例エンドミルという)1〜9をそれぞれ製造した。

つぎに、本発明エンドミル1〜9および比較例エンドミル1〜9のそれぞれについて、表7、表8に示す切削条件で切削加工試験を行った。
そして、上記切削加工試験で、切れ刃部の外周刃の逃げ面摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.1mmに至るまでの切削長(あるいは折損発生による工具寿命)を測定した。
切削加工試験を表7、表8にそれぞれ示す。


表7の結果によれば、本発明の超硬合金部材と鋼部材の複合材料からなる本発明の回転軸物切削工具(本発明エンドミル1〜9)は、切削加工時にたおれやビビリ振動を発生することなく、被削材の加工精度を向上することができるとともに、長期の使用にわたって、優れた切削性能を発揮することができた。
これに対して、表8の結果からも明らかなように、比較例エンドミル1〜9においては、切削加工時の折損発生によって、工具寿命が非常に短命であった。
本発明の複合材料は、超硬合金部材と中間部材の接合部がすぐれた抗折力を有することから、このような複合材料をエンドミル、ドリル等の回転軸物切削工具材料として用いた場合には、工具寿命の延命化が図れるばかりか、長期間の使用にわたって、すぐれた切削性能を発揮することができるから、産業上の効果は非常に大きい。













Claims (4)

  1. 超硬合金部材と鋼部材とが、中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材の複合材料において、
    (a)中間部材は、Ni含有部材からなり、
    (b)中間部材に対向する鋼部材端面の面粗度は、予め、Rz5〜18に調整されてなり、
    (c)複合材料の軸中心を含む縦断面で観察した場合、中間部材と鋼部材端面の接合境界領域には、少なくとも一箇所に、鋼部材内部へと中間部材成分が食い込んでいるくさび状組織が形成されている、
    ことを特徴とする超硬合金部材と鋼部材の複合材料。
  2. 上記中間部材は、純Ni、あるいは、CoおよびFeのうちの何れか1種または2種を含有するNi合金からなることを特徴とする請求項1に記載の超硬合金部材と鋼部材の複合材料。
  3. 上記鋼部材は、合金工具鋼または構造用合金鋼であることを特徴とする請求項1または2に記載の超硬合金部材と鋼部材の複合材料。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の超硬合金部材と鋼部材の複合材料において、超硬合金部材に刃先加工を施したことを特徴とする回転軸物切削工具。




























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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105398124A (zh) * 2015-12-10 2016-03-16 河南广度超硬材料有限公司 牢固连接硬质合金刀片与刀体的中间媒介物及其使用方法

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