JP2013188853A - 超硬合金部材と鋼部材の複合材料およびこの複合材料からなる回転軸物切削工具 - Google Patents

超硬合金部材と鋼部材の複合材料およびこの複合材料からなる回転軸物切削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】高抗折力を備えた超硬合金部材と鋼部材の複合材料およびこの複合材料からなる高切削性能を有するエンドミル、ドリル等の軸物切削工具を提供する。
【解決手段】超硬合金部材と鋼部材とが、Niを主成分とする中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材の複合材料において、(a)中間部材に対向する超硬合金部材の平坦端面には、端面全面積の1〜5面積%を占め、かつ、幅と深さが、超硬合金部材の外径のそれぞれ0.4〜1%,0.1〜0.5%である複数の凹部が部分的に陥入形成され、(c)上記凹部内に充填されている中間部材には、中間部材の平均Co含有量よりも高Co含有量のCo濃化領域が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、Niを主成分とする中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材との高抗折力を備える複合材料に関し、さらに、かかる複合材料からなるエンドミルあるいはドリル等の高切削性能を有する回転軸物切削工具に関する。
従来、タングステン−コバルト系合金等の超硬合金は、高硬度を有し耐摩耗性にすぐれることから、切削チップ、エンドミル、ドリル等の切削工具、ロール、パンチ、ダイス等の塑性加工工具、また破砕機等の耐摩耗部材などに広く用いられているが、超硬合金は加工が困難で高価なうえ、靭性が低く折損しやすいためにその用途が制約されていた。
しかし、近年、これを克服するための方法として、安価で加工性、靭性にすぐれた鋼と超硬合金とを、ろう付け、あるいは、拡散接合で接合することにより、超硬合金部材と鋼部材との複合材料を得ることが行われている。
ろう付けにより複合材料を得る典型的な方法としては、銀ろうを用いた接合が知られているが、ろう材と超硬合金、鋼との熱膨張が異なることにより発生する内部応力によって、ろう材あるいは超硬合金に割れが発生しやすいという欠点がある。
また、拡散接合によって超硬合金部材と鋼部材との複合材料を得る方法としては、例えば、特許文献1に示すように、超硬合金部材と鋼部材とを摩擦圧接して両者を直接接合する拡散接合法、あるいは、特許文献2に示すように、超硬合金部材と鋼部材との間にニッケル、ニッケル合金からなる中間部材を介在させ、中間部材を介して超硬合金部材と鋼部材とを接合する拡散接合法などが知られており、上記拡散接合によれば、比較的靭性の改善された超硬合金部材と鋼部材との複合材料が得られることが知られている。
また、超硬合金部材と鋼部材との複合材料からなる切削工具としては、超硬合金部材の先端部に切刃加工を施し、鋼部材をシャンク部とするエンドミル、ドリル等の回転軸物切削工具が知られている。
特開2003−53558号公報 特開昭60−259306号公報 特開2006−102823号公報
切削チップ、エンドミル、ドリル等の切削工具、ロール、パンチ、ダイス等の塑性加工工具、また破砕機等の耐摩耗部材を利用する各種技術分野においては、所定の耐摩耗性を備え、また、所定の靭性を有する超硬合金部材と鋼部材との複合材料を使用することにより、より厳しい使用条件下での利用が可能になってきたが、既に述べたように、ろう材で接合された複合材料では、接合部あるいは超硬合金部材に割れが発生しやすく、また、拡散接合で形成された複合材料では、大きな負荷がかかると、接合部からの破断が生じやすい。例えば、拡散接合で形成された超硬合金部材と鋼部材との複合材料で回転軸物切削工具(例えば、エンドミル)を作製した場合、切削加工時にたおれやビビリ振動が発生し、その結果、被削材の加工精度が劣化し、あるいは、接合部からの折損により工具寿命が短命となりやすい。
そのため、超硬合金部材と鋼部材との複合材料、また、かかる複合材料からなるエンドミルあるいはドリル等の回転軸物切削工具においては、より一層すぐれた強度(高抗折力)を有する複合材料が求められている。
そこで、本発明者らは、中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材との複合材料において、その接合部の強度改善について鋭意研究した結果、以下の知見を得た。
超硬合金部材と鋼部材との複合材料を製造するに当たり、中間部材に対向する超硬合金部材の平坦端面に、例えば、図1(a)〜(c)に示すように、ダイヤモンド砥石を用いて、該端面から超硬合金部材内部へ食い込むような所定寸法形状の凹部を複数個所に陥入形成しておき、このような超硬合金部材と鋼部材との間に、Niを主成分とする中間部材を介在させ、これらを摩擦接合で一体化することにより複合材料を作製した。
そして、上記で作製した複合材料について、接合部である超硬合金部材と中間部材の界面近傍を、SEM(走査型電子顕微鏡)およびEPMA(電子線マイクロアナライザー)を用いて観察したところ、上記凹部内には中間部材が充填されるとともに、中間部材の平均Co含有量に比して、高Co含有量のCo濃化領域が該凹部内に形成されていることを確認した。
そして、上記で作製した超硬合金部材と鋼部材からなる複合材料について、曲げ試験を実施し、その抗折力、破断個所を調査したところ、この発明による複合材料は、その軸方向と直交する方向から負荷が作用した場合でも、高抗折力を備え、しかも、超硬合金部材と中間部材との接合箇所から破断が起こるのではなく、超硬合金部材の箇所で破断が生じていたことから、この発明による複合材料はすぐれた接合強度を有するものであることが確認された。
そして、この発明の複合材料の超硬合金部材に刃先加工を施し、エンドミル、ドリル等の回転軸物切削工具として用いた場合には、切削加工時の折損を生じることなく、長期の使用にわたって優れた切削性能を発揮することを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「(1) 超硬合金部材と鋼部材とが、Niを主成分とする中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材の複合材料において、
(a)上記中間部材に対向する超硬合金部材の平坦端面には、該端面から陥入し、その内部に中間部材が充填される複数の凹部が部分的に形成され、
(b)上記凹部が、超硬合金部材の端面全面積に占める面積割合は1〜5面積%であり、かつ、該凹部の幅と深さは、超硬合金部材の外径のそれぞれ0.4〜1%,0.1〜0.5%であり、
(c)上記凹部内に充填されている中間部材には、中間部材の平均Co含有量よりも高Co含有量のCo濃化領域が形成されている、
ことを特徴とする超硬合金部材と鋼部材の複合材料。
(2) 上記凹部内に充填されている中間部材のCo濃化領域におけるCo含有量は、中間部材の平均Co含有量に比して50wt%以上Coが濃化していることを特徴とする前記(1)に記載の超硬合金部材と鋼部材の複合材料。
(3) 前記(1)または(2)に記載の超硬合金部材と鋼部材の複合材料において、超硬合金部材の先端部に刃先加工を施したことを特徴とする回転軸物切削工具。」
を特徴とするものである。
以下に、本発明について、詳細に説明する。
本発明では、超硬合金部材と鋼部材とを中間部材を介して接合し、複合材料を構成するが、複合材料の製造法は、例えば、以下のとおりである。
まず、複合化する超硬合金部材(例えば、直径10〜30mm×長さ10〜50mm)の、中間部材に対向する側の端面に、例えば、ダイヤモンド砥石を用いて、該端面から超硬合金部材内部へ食い込むような所定寸法形状の複数の凹部を陥入形成する(図1(a)参照)。凹部は、種々の形態で形成することができるが、複合材料の軸中心を含む切断縦断面(例えば、図2の「矢印A」に沿う切断面)を、例えば、図2の「矢印B」方向から観察した場合に、中間部材と超硬合金部材の接合部(例えば、図2に示される「接合面」)の少なくとも1箇所には、上記凹部が形成されていることが望ましい。また、例えば、図1(b)に示すように、超硬合金部材の横断面の円周に沿って、1周上に複数個所、凹部を形成することができる。さらに、図1(c)に示すように、超硬合金部材の横断面の円周に沿って、複数周にわたって、複数個所に凹部を形成することもできる。
ただし、該凹部の占める面積割合の合計は、超硬合金部材の端面全面積の1〜5面積%とすることが必要であり、また、該凹部の幅と深さは、上記超硬合金部材の外径のそれぞれ0.4〜1%,0.1〜0.5%であることが必要である。
ついで、Niを主成分とする厚さ0.1〜0.5mmの中間部材(例えば、15wt%のCoと15wt%Feのいずれか一種又は二種を含み、残部は実質的にNi(但し、0.5wt%以下のCの含有は許容される)からなるNi合金,純Ni等)を、凹部を形成した超硬合金部材の端面に対向させ、かつ、超硬合金部材と鋼部材の中間に配置し、超硬合金部材/中間部材/鋼部材の順で整列させ、これらをその軸方向に加圧しつつ一体保持しつつ、超硬合金部材及び鋼部材を相対的に回転させて(相対回転速度300〜800rpm)、超硬合金部材/中間部材/鋼部材の各部材の界面に十分な摩擦熱を発生させ、少なくとも、超硬合金部材の端面に対向する中間部材が該摩擦熱によって十分に軟化したときに、硬合金部材/中間部材/鋼部材の各部材の界面を圧接して、超硬合金部材と鋼部材の複合材料を作製することができる。
ここで、作製した超硬合金部材と鋼部材の複合材料の、超硬合金部材と中間部材との接合界面の状態を、SEM(走査型電子顕微鏡)およびEPMA(電子線マイクロアナライザー)を用いて観察・測定すると、超硬合金部材の端面に形成した凹部の内部には、中間部材が充填されていることが確認される。
その一方、凹部の内部に充填されている中間部材には、中間部材の平均Co含有量に比して、高Co含有量のCo濃化領域が形成されていることが確認される。
例えば、中間部材として、純Niを使用した場合(表1中の中間部材種別C1参照)には、接合部には50wt%以上のCoを含有するCo濃化領域(表4の本発明複合材料種別1,4,7参照)が形成されていることが、また、中間部材として、10wt%Co−0.1wt%C−残NiからなるNi合金を使用した場合(表1中の中間部材種別C3参照)には、接合部に、中間部材の平均Co含有量(10wt%)より50wt%以上高Co含有量のCo濃化領域(表4の本発明複合材料種別3,6,9参照)が形成されていることが確認される。
そして、この発明の複合材料で強度(抗折力)が向上するのは、超硬合金部材表面での上記脱Co領域の形成と、凹部の内部に充填されている中間部材の上記Co濃化領域の形成によるものであると考えられる。
即ち、この発明の複合材料では、中間部材を介して超硬合金部材と鋼部材を高熱発生条件下で圧接した際に、超硬合金部材表面からCoが溶出し中間部材のNi中へ拡散するが、接合時の摩擦端面には、周囲の平坦端面に比して相対的に低圧・低温となる凹部が存在するため、Ni中へ拡散したCoは、比較的低圧・低温の該凹部へと濃化し(Co濃化領域の形成)、強靭性のあるNi−Co固溶体を形成し、その結果、接合部の接合強度(即ち、超硬合金部材と中間部材間の接合強度)が向上し、すぐれた強度(抗折力)を有する複合材料が得られるものと推測される。
なお、接合時の摩擦端面が一様に平坦面であった場合にも、Coの溶出と中間部材中への拡散は生じるが、接合界面においてCoが均一に分布してしまうため、Co濃化領域の形成は生じず、接合強度の向上も十分ではない。
ここで、超硬合金部材の平坦端面に形成する凹部の合計面積割合が、端面全面積の1面積%未満では、上記Co濃化領域の形成が不十分であるため、接合部の接合強度の向上が少なく、また、凹部の合計面積割合が5面積%を超えると、多量のCo濃化領域が形成されるが、Co濃化領域自体の硬度が相対的に低いため、接合部が他の箇所に比べて脆弱化しやすいことから、凹部の合計面積割合は、超硬合金部材の端面全面積の1〜5面積%と定めた。
また、超硬合金部材の端面に形成する凹部の幅と深さは、超硬合金部材の外径のそれぞれ0.4〜1%,0.1〜0.5%としたが、その理由は以下のとおりである。つまり、超硬合金部材の外径に対して、凹部の幅が0.4%未満、あるいは、凹部の深さが0.5%を超える場合には、接合時、該凹部へと中間部材が十分に充填されず、超硬合金部材と中間部材間に空隙が形成されてしまうため、十分な密着接合がなされない。一方、凹部の幅が1%を超える、あるいは、凹部の深さが0.1%未満の場合には、超硬合金部材の端面が比較的滑らかな面となり、局所的なCo濃化領域が形成されなくなるため、接合強度の向上が望めなくなる。
本発明の複合材料は、超硬合金部材、鋼部材及び中間部材の組み合わせにもよるが、すぐれた抗折力を備えることから、超硬合金部材の先端部に刃先加工を施すことによって、エンドミル、ドリル等の回転軸物切削工具として利用することができ、特に、切削加工時にたおれ、ビビリ振動、折損等を生じることなく、長期の使用にわたって優れた切削性能を発揮することができる。
本発明は、超硬合金部材と鋼部材とが中間部材を介して摩擦接合された複合材料、また、この複合材料から構成された長期の使用にわたって優れた切削性能を発揮する回転軸物切削工具であって、特に、超硬合金部材の平坦端面に、特定形状・寸法の凹部が形成され、さらに、該凹部に充填されている中間部材にCo濃化領域が形成されていることによって、超硬合金部材と中間部材の接合強度が向上し、すぐれた高抗折力を発揮する。
また、この発明の複合材料から構成された回転軸物切削工具は、切削加工時にたおれ、ビビリ振動、折損を発生することなく、長期の使用にわたって優れた切削性能を発揮することができる。
本発明の複合材料を構成する超硬合金部材の概略説明図であり、(a)は超硬合金部材の平坦端面近傍の概略断面斜視図、(b)は超硬合金部材の平坦端面に形成された凹部の一例を示し、(c)は、同じく凹部の他の例を示す。 接合された本発明複合材料の超硬合金部材/中間部材/鋼部材の接合部を観察するための概略説明図である。 接合された本発明複合材料の超硬合金部材と中間部材の接合部近傍の走査型電子顕微鏡写真である。
つぎに、この発明を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TaC粉末、NbC粉末、VC粉末、Cr粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を6Paの真空中、温度:1400℃に1時間保持の条件で焼結し、表1に示される3種のサイズの超硬合金部材A1(直径×長さ:20mm×15mm)、A2(直径×長さ:20mm×30mm)、A3(直径×長さ:20mm×40mm)を作製した。
また、鋼部材として、上記超硬合金部材A1、A2、A3と同一直径となるように、表1に示される3種類の鋼B1(直径×長さ:20mm×80mm)、B2(直径×長さ:20mm×100mm)、B3(直径×長さ:20mm×120mm)をそれぞれ用意した。
さらに、中間部材として、表1に示される3種類の部材C1(純Ni。直径×厚さ:25mm×0.1mm)、C2(10wt%Co−10wt%Fe−残部NiからなるNi合金。直径×厚さ:25mm×0.15mm)、C3(10wt%Co−0.1wt%C−残部NiからなるNi合金。直径×厚さ:25mm×0.5mm)それぞれ用意した。
ついで、上記超硬合金部材A1〜A3の、中間部材に対向する端面に、表2に示す条件イ〜ハで、同じく表2に示す寸法・形状の凹部を作製した。
ついで、上記超硬合金部材A1〜A3、鋼部材B1〜B3及び中間部材C1〜C3について、表4に示す組み合わせで、超硬合金部材と鋼部材との間に中間部材を介挿し、表3に示される条件で摩擦接合することにより、中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材からなる表4に示す本発明複合材料1〜9を製造した。
比較のため、上記超硬合金部材A1については凹部を形成せず、また、上記超硬合金部材A2,A3については、表5に示す条件で、同じく表5に示す寸法・形状の凹部を作製した。
ついで、上記超硬合金部材A1〜A3、鋼部材B1〜B3及び中間部材C1〜C3について、表6に示す組み合わせで、超硬合金部材と鋼部材との間に中間部材を介挿し、表3に示される条件で摩擦接合することにより、中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材からなる表6に示す比較例複合材料1〜9を製造した。
上記本発明複合材料1〜9、比較例複合材料1〜9のそれぞれについて、曲げ試験を実施し、抗折力を測定するとともに、破断箇所を目視観察した。
その結果を表4、6に示す。
なお、曲げ試験は、JIS・R1601で規定されるファインセラミックスの曲げ強さ試験方法により行った。
また、上記本発明複合材料1〜9、比較例複合材料1〜9のそれぞれについて、SEM(走査型電子顕微鏡)およびEPMA(電子線マイクロアナライザー)を用いて、凹部内に充填されている中間部材のCo含有量を測定した。
その結果を表4、6に示す。
表4、6に示される結果から、本発明複合材料1〜9は、602MPa以上の抗折力を示し、かつ、破断個所は、すべて、超硬合金部材と中間部材の接合個所以外の箇所(即ち、超硬合金部材)で生じていたのに対して、比較例複合材1〜9の抗折力は、本発明複合材料1〜9に比してはるかに劣るものであり、しかも、破断は、ほとんどが超硬合金部材と中間部材の接合部で生じていた。






実施例1で作製した本発明複合材料1〜9、比較例複合材料1〜9をエンドミル用丸棒複合素材とし、この丸棒複合素材の超硬合金部材に刃付加工(研削加工)を施して、表7に示される組合せで、切刃部の直径×長さがそれぞれ20mm×15mm、20mm×30mm、20mm×40mmの寸法、並びに、ラジアス形状、スクエア形状及びボール形状をもった表8に示す本発明複合材料製エンドミル(以下、本発明エンドミルという)1〜9および表9に示す比較例複合材料製エンドミル(以下、比較例エンドミルという)1〜9をそれぞれ製造した。

つぎに、本発明エンドミル1〜9および比較例エンドミル1〜9のそれぞれについて、表8、表9に示す切削条件で切削加工試験を行った。
そして、上記切削加工試験で、切れ刃部の外周刃の逃げ面摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.1mmに至るまでの切削長(あるいは折損発生による工具寿命)を測定した。
切削加工試験を表8、表9にそれぞれ示す。


表8の結果によれば、本発明の超硬合金部材と鋼部材の複合材料からなる本発明の回転軸物切削工具(本発明エンドミル1〜9)は、切削加工時にたおれやビビリ振動を発生することなく、被削材の加工精度を向上することができるとともに、長期の使用にわたって、優れた切削性能を発揮することができた。
これに対して、表9の結果からも明らかなように、比較例エンドミル1〜9においては、切削加工時の折損発生によって、工具寿命が非常に短命であった。
本発明の複合材料は、超硬合金部材と中間部材の接合部がすぐれた抗折力を有することから、このような複合材料をエンドミル、ドリル等の回転軸物切削工具材料として用いた場合には、工具寿命の延命化が図れるばかりか、長期間の使用にわたって、すぐれた切削性能を発揮することができるから、産業上の効果は非常に大きい。







Claims (3)

  1. 超硬合金部材と鋼部材とが、Niを主成分とする中間部材を介して接合された超硬合金部材と鋼部材の複合材料において、
    (a)上記中間部材に対向する超硬合金部材の平坦端面には、該端面から陥入し、その内部に中間部材が充填される複数の凹部が部分的に形成され、
    (b)上記凹部が、超硬合金部材の端面全面積に占める面積割合は1〜5面積%であり、かつ、該凹部の幅と深さは、超硬合金部材の外径のそれぞれ0.4〜1%,0.1〜0.5%であり、
    (c)上記凹部内に充填されている中間部材には、中間部材の平均Co含有量よりも高Co含有量のCo濃化領域が形成されている、
    ことを特徴とする超硬合金部材と鋼部材の複合材料。
  2. 上記凹部内に充填されている中間部材のCo濃化領域におけるCo含有量は、中間部材の平均Co含有量に比して50wt%以上Coが濃化していることを特徴とする請求項1に記載の超硬合金部材と鋼部材の複合材料。
  3. 請求項1または2に記載の超硬合金部材と鋼部材の複合材料において、超硬合金部材の先端部に刃先加工を施したことを特徴とする回転軸物切削工具。





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