JP2013191950A - 立体画像データ生成システム、立体画像データ表示システム、および、立体画像データ表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のスクリーン面に表示された立体映像に対して、各スクリーンの境界面で視差が異なったり、また、画面から手前に飛び出す映像の場合は、画枠張り付き効果が生じて、視角疲労を引き起こす可能性が生じたりするという課題を解消する。
【解決手段】複数のスクリーンを構成する各スクリーンのスクリーン面の配置情報と傾き情報を用いて複数の視点画像データから各スクリーン用の画像データを切り出し、この画像データに対して傾き情報を用いてパースペクティブを補正し、各スクリーン面に表示する立体画像データに対してすべて同じ調整量となるように視差調整を行う。また、配置情報から、各スクリーン面の境界における枠フレームの配置を求め、枠フレームに隣接する領域における視差が、スクリーン面よりも奥に引っ込む方向の視差となるように、視差調整を行う。
【選択図】図1
【解決手段】複数のスクリーンを構成する各スクリーンのスクリーン面の配置情報と傾き情報を用いて複数の視点画像データから各スクリーン用の画像データを切り出し、この画像データに対して傾き情報を用いてパースペクティブを補正し、各スクリーン面に表示する立体画像データに対してすべて同じ調整量となるように視差調整を行う。また、配置情報から、各スクリーン面の境界における枠フレームの配置を求め、枠フレームに隣接する領域における視差が、スクリーン面よりも奥に引っ込む方向の視差となるように、視差調整を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、立体画像データ生成システム、立体画像データ表示システム、および、立体画像データ表示方法に関する。
従来、3次元画像を提示するための様々な方法が提案されてきた。その中でも一般的に用いられているのは、両眼視差を利用する「2眼式」と呼ばれるものである。この方式は、両眼視差を持った左目用の画像と右目用の画像を用意し、それぞれ独立に左右の目に投影することにより立体視を行うことができる。以下の説明では、前記記載のそれぞれ画像を、左目用画像データ、右目用画像データと称する。また、3Dは3次元または立体を、2Dは2次元を意味する用語としてそれぞれ用いることとし、立体視用の画像データを3D画像データ、通常の2次元画像データを2D画像データと称する。なお、画像とは、静止画像だけではなく、動画像も含んでいるものとする。
ここで、2眼式の代表的な方式としてフレームシーケンシャル方式や視差バリア方式等が提案されており、その概念図に基づいて以下詳述する。
図29は、フレームシーケンシャル方式を説明するための概念図である。一般的に、フレームシーケンシャル方式は、高速に画像フレームを切り替えて表示するディスプレイと、ディスプレイの表示に同期して、メガネのレンズシャッターを制御し、左右のレンズを交互に開閉することが可能なアクティブ・シャッターメガネから構成されている。
図29は、フレームシーケンシャル方式を説明するための概念図である。一般的に、フレームシーケンシャル方式は、高速に画像フレームを切り替えて表示するディスプレイと、ディスプレイの表示に同期して、メガネのレンズシャッターを制御し、左右のレンズを交互に開閉することが可能なアクティブ・シャッターメガネから構成されている。
図29において、ディスプレイ上に、左目用画像データ100と、右目用画像データ101が時間的に交互に高速で表示される。このタイミングに合わせ、アクティブ・シャッターメガネ102は、左目用画像データ100が表示される際は、左目用のレンズシャッター103を光が透過するように制御するとともに、右目用のレンズシャッター104を光が遮断するように制御する。逆に、右目用画像データ101が表示される際は、右目用のレンズシャッター104を光が透過するように制御するとともに、左目用のレンズシャッター103が光を遮断するように制御する。こうすることにより、時分割で左右の目に、それぞれの目の視差に合わせた画像が提示され、観察者は立体画像データを観察することができる。
また、図30は、視差バリア方式を説明するための概念図である。図30(A)は、視差が生じる原理を示す図である。一方、図30(B)は、パララクスバリア方式で表示される画面の例を示す図である。図30(A)に示す構成では、図30(B)に示すような左目用画像データと右目用画像データとが水平方向において1画素おきに交互に並んだ構成で配置された画像を、画像表示パネル105に表示し、同一視点の画素の間隔よりも狭い間隔でスリットを持つパララクスバリア106を画像表示パネル105の前面の視点側に設置することにより、左目用画像データは左目107のみで、右目用画像データは右目108のみで観察することにより、立体視することが可能となる。
更に、特許文献1には、複数のディスプレイ面を備え、各ディスプレイ面に表示する画像として、カメラの撮像面の傾斜角度や、コンピュータ・グラフィクス画像生成用の仮想カメラの撮像面の傾斜角度のパラメータを、各画像提示面の傾斜角度と一致、または略一致させて、撮影または生成された画像を用いた立体画像データ提示装置が開示されている。
また、特許文献1では、ディスプレイ面を地面と平行に設置し、ディスプレイ面に立体画像データを表示して、斜め上方から観察する場合には、観察者の視点位置を想定し、台形補正によってパースペクティブ(Perspective)を変化させる等、適正な立体像が再生されるように視差量を設定する必要があることが述べられている。
また、特許文献1では、ディスプレイ面を地面と平行に設置し、ディスプレイ面に立体画像データを表示して、斜め上方から観察する場合には、観察者の視点位置を想定し、台形補正によってパースペクティブ(Perspective)を変化させる等、適正な立体像が再生されるように視差量を設定する必要があることが述べられている。
また、両眼視差を用いた3D画像では、立体の前方への飛び出し感、奥(後方)への引っ込み感は視差の調整で制御できるが、ディスプレイ面よりも前に被写体を表示する場合は、その被写体が、画面端の枠フレームにかかる場合、左目用画像データと右目用画像データの対応点がなくなって立体視が破たんしたり、本来の視差から導き出される飛び出し量よりも、ディスプレイ面側に引っ込んで見えたりする、画枠張り付き効果と、一般的に呼ばれる現象が発生することが知られている(特許文献2〜6参照)。
しかしながら、従来の複数のスクリーン面を持つ立体画像データ提示システムにおいて、複数のスクリーン面に表示された立体映像に対して視差調整を行う際、各スクリーンで、個別に視差調整を行う場合、スクリーンの境界面で視差が異なり、立体映像の提示位置やサイズの境界面における連続性が保たれないという問題がある。
また、従来の複数のスクリーン面を持つ立体画像データ提示システムにおいて、複数のスクリーン面として、プロジェクターなどで使用する投影型のスクリーンではなく、たとえば液晶パネルや、有機EL、プラズマディスプレイなどの直視型のパネルを用いた場合は、狭い枠フレームの直視型のパネルであっても枠フレームが無くならない限り、境界部分に枠フレームが存在し、パネルの境界部分が滑らかに接合されないという問題がある。
また、このような境界部分をまたぐ領域に物体を立体表示し、かつその物体が、境界にある枠フレーム位置よりも手前に表示されるような視差をもつ場合は、枠フレームにかかる飛び出し画像の場合と同様、対応点の消失や、画枠張り付き効果等による、立体視の破たんや、視差闘争が起こり、2重に見えたり、ちかちかして見えたりする現象が起こる。この現象は、視覚疲労を引き起こす可能性があり、立体画像データの視聴の安全性が低下するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、境界部分における枠フレームや、各ディスプレイ面の配置を考慮して画像を切り出し、各ディスプレイ面の傾きに応じてパースペクティブを補正することにより、視聴者が複数のディスプレイに一つの立体画像データを表示した際に、枠フレームの有無やパネルの配置に依存せず、違和感なく立体視をすることができる立体画像データを生成、表示する立体画像データ生成システム、立体画像データ表示システム、および、立体画像データ表示方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、複数の画像表示面に対して、複数の視点画像データから生成した立体視用の画像データを生成する立体画像データ生成システムであって、前記複数の視点画像データを入力する立体画像入力手段と、前記複数の画像表示面の配置情報と傾き情報を用いて、前記複数の視点画像データから各前記複数の画像表示面用の画像データを切り出す画像切り出し手段と、前記傾き情報を用いて、各前記複数の画像表示面用の画像データのパースペクティブを補正する歪み補正手段と、前記配置情報を用いて、前記パースペクティブを補正後の各前記複数の画像表示面用の画像データに対して視差調整を行う視差調整手段とを備えることを特徴としたものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記視差調整手段は、各前記複数の画像表示面用の画像データに対して視差の調整量が同じ値となるように、視差調整を行うことを特徴としたものである。
第3の技術手段は、第1または2の技術手段において、前記視差調整手段は、前記配置情報から各前記画像表示面の境界における非表示領域の配置を求め、該非表示領域に隣接する各前記画像表示面の領域における視差が、各前記画像表示面よりも奥に引っ込む方向の視差となるように、視差調整を行うことを特徴としたものである。
第4の技術手段は、複数の画像表示面を有する画像表示手段を備えた立体画像表示システムであって、前記画像表示手段は、第1から3のいずれか1の技術手段である立体画像データ生成システムから前記立体視用の画像データを受け取り、前記複数の画像表示面に立体画像を表示することを特徴としたものである。
第5の技術手段は、複数の画像表示面に対して、複数の視点画像データから生成した立体視用の画像データを表示する立体画像データ表示方法あって、前記複数の視点画像データを生成または入力する立体画像入力ステップと、前記複数の画像表示面の配置情報と傾き情報を用いて、前記複数の視点画像データから各前記複数の画像表示面用の画像データを切り出す画像切り出しステップと、前記傾き情報を用いて、各前記複数の画像表示面用の画像データのパースペクティブを補正する歪み補正ステップと、前記配置情報を用いて、前記パースペクティブを補正後の各前記複数の画像表示面用の画像データに対して視差調整を行う視差調整ステップを備えることを特徴としたものである。
第6の技術手段は、第5の技術手段において、前記視差調整ステップは、各前記複数の画像表示面用の画像データに対して視差の調整量が同じ値となるように、視差調整を行うことを特徴としたものである。
第7の技術手段は、第5または6の技術手段において、前記視差調整ステップは、前記配置情報から、各前記画像表示面の境界における非表示領域の配置を求め、該非表示領域に隣接する各前記画像表示面の領域における視差が、各前記画像表示面よりも奥に引っ込む方向の視差となるように、視差調整を行うことを特徴としたものである。
この発明によれば、複数の立体ディスプレイに一つの立体画像データを表示した際に、各ディスプレイの、境界部分における枠フレームの有無や、ディスプレイ面の位置に応じて画像を切り出し、各ディスプレイ面と視聴者までの距離と、各ディスプレイ面の傾きに応じてパースペクティブを補正した立体画像データを生成し、表示することにより、視聴者が、複数のディスプレイに一つの立体画像データを表示した際に、枠フレームの有無やパネルの配置に依存せず、違和感なく立体視をすることができ、安全で、疲労も少ない立体視をすることができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る立体画像データ生成システム、立体画像データ表示システム、および、立体画像データ表示方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。また、以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略することとする。
本発明の実施形態に係る立体画像データ表示システムについて、図面を参照し説明する。以下の説明では、立体画像データが画面より前に飛び出して見えることを飛び出し、立体画像データが画面より奥に引っ込んで見えることを引っ込みと定義する。また、以下では、説明の簡略化のため、視差を求める際、左目用画像データに対して右目用画像データの対応点の検索をすることにより視差を算出しているが、右目用画像データに対して左目用画像データの対応点の検索をすることにより視差を算出しても構わない。
図1は、本発明の実施の形態による立体画像データ表示システムの概略構成を示すブロック図である。立体画像データ表示システム1は、例えば、立体画像データの生成と表示を行うデジタルスチルカメラや、ビデオカメラ、携帯電話、スマートフォン、PC等があり、立体画像データ表示システム1は、立体画像データ入力手段2と、画像切り出し手段3と、歪み補正手段4と、視差調整手段5と、画像表示手段6と、を含んで構成される。
なお、上記で生成された立体画像データは、テレビジョン受像機、電子フォトフレーム等で表示してもかまわない。また、立体画像データ表示システム1における、立体画像データ入力手段2と、画像切り出し手段3と、歪み補正手段4と、視差調整手段5は、本発明の立体画像データ生成システムを構成する。
なお、上記で生成された立体画像データは、テレビジョン受像機、電子フォトフレーム等で表示してもかまわない。また、立体画像データ表示システム1における、立体画像データ入力手段2と、画像切り出し手段3と、歪み補正手段4と、視差調整手段5は、本発明の立体画像データ生成システムを構成する。
立体画像データ入力手段2は、立体画像データを撮影し、本システムに立体画像データを入力するための手段であり、複数のカメラから構成される。以下では、説明を簡易にするため、2台のカメラで構成し、左右2視点の立体画像データを取り扱う場合について説明する。立体画像データ入力手段2は、左右2視点の立体画像データID1を撮影し、撮影した立体画像データと、撮影時のパラメータ情報Pを、画像切り出し手段3に送信する。立体画像データ入力手段2の動作については、後述する。なお、上記の説明では、立体画像データ入力手段2を構成するカメラは複数台としたが、1台のカメラで構成し、カメラをスライドして動かすことにより、立体画像データを撮影しても構わない。
画像切り出し手段3は、立体画像データID1と、パラメータ情報Pを入力とし、パラメータ情報Pに基づき、n(nは2以上の整数)枚のパネルの配置に合わせて各パネルのスクリーンに表示する領域を切り出し、作成したn個の領域立体画像データID2nを出力する。画像切り出し手段3の動作については、後述する。
歪み補正手段4は、n個の領域立体画像データID2nと、パラメータ情報Pを入力とし、パラメータ情報Pに基づき、n(nは2以上の整数)枚のパネルの配置に合わせ、n個の領域立体画像データID2nのパースペクティブをなくすように補正した、n個の立体画像データID3nを作成し、出力する。歪み補正手段4の動作については、後述する。
視差調整手段5は、立体画像データID3nと、パラメータ情報Pを入力とし、立体画像データID3nを用いて、各パネルのスクリーンの境界部分の視差を算出し、各パネルの境界部分の視差が、飛び出し方向の視差とならないように視差調整を行って、作成した立体画像データID4nを出力する。視差調整手段5の動作については、後述する。
画像表示手段6は、視差調整手段5から出力された立体画像データID4nの表示用信号を受け取り、該信号に基づき、画像表示手段6が備える、n枚のスクリーン面にそれぞれ対応する立体表示画像を表示する。なお、この画像表示スクリーンは、左目用画像データと、右目用画像データを、液晶ディスプレイや、プラズマディスプレイ、プロジェクターなどに交互に表示し、この表示に同期させて、視聴者が掛けている液晶シャッター付メガネの液晶シャッターを動作させるものであってもよいし、ディスプレイに、ライン毎に偏光の異なるようにした特殊な偏光フィルタを装着し、左右の目で異なる偏光の光のみを透過する偏光メガネを通して立体視を行う偏光メガネ方式であってもよいし、視差バリア方式やレンチキュラ方式などの裸眼立体視可能な液晶ディスプレイであってもよい。
また、2眼式だけではなく、複数の視点の画像データを用いる液晶ディスプレイであってもよい。たとえば、複数の視点を同時に表示して裸眼立体視する液晶ディスプレイや、視聴者の目のトラッキングを行い、視聴者の目の位置に応じて視点を切り替えるタイプの2眼式の立体ディスプレイであってもよい。このように、画像表示スクリーンは、スクリーンやディスプレイなどの画像を表示する機能を有するものであればよく、本発明の表示面に相当する。
次に、本発明の実施の形態による立体画像データ表示システム1の動作について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下では、2視点のデータを取り扱う場合、つまり、nの範囲が1から2となる場合について説明を行うものとする。図2は、立体画像データ表示システム1の動作を説明するフローチャートである。図2に示すように、ステップS1において、立体画像データ入力手段2は、立体画像データID1を撮影する。
図3は、2台のカメラで構成された立体画像データ入力手段2が、左右2視点の立体画像データを撮影する様子を説明する図である。図3に示すように、水平方向に所定の距離だけ離して並べられた、左目用画像データを撮影する左カメラ7Lと、右目用画像データを撮影する右カメラ7Rが、被写体8をそれぞれ撮影する。このときの所定の距離は、一般的に基線長と呼ばれるが、この基線長の長さを、人間の両眼間隔と同じ63mm程度とする。また、全体の視差量を抑えるために、基線長の長さを30mm程度にしてもよいし、逆に遠景を撮影する際に視差を強調する際は、例えば、数mなどとしてもよい。またこのとき、各カメラの光軸は交差していても平行であってもかまわないが、ここでは、平行とする。
図3に示すように、被写体8の背面と下面に、2枚のスクリーン面を配置する。例えば、画像表示手段6の画像表示スクリーンを、カメラの光軸方向と垂直に配置された正面パネル上の正面スクリーンと、カメラの光軸方向と水平に配置された床面パネル上の床面スクリーンの2枚のスクリーンで構成している場合、被写体8の背面に正面スクリーンが、被写体8の下面に床面スクリーンがあるものと仮定し、それぞれのスクリーン面がある位置に、想定するスクリーンと同じサイズとなる平面状の被写体をそれぞれ配置する。以下では、被写体8の背面にある正面スクリーンを表す被写体を正面スクリーン9と、被写体8の下面にある床面スクリーンを表す被写体を床面スクリーン10と呼ぶ。
なお、ここで、正面スクリーン9と、床面スクリーン10の境界は接しているものとし、正面スクリーン9の4つの頂点を、P9、P10、P11、P12とし、床面スクリーン10の4つの頂点をそれぞれ、P1、P2、P9、P10とする。また、図3に示すように、床面スクリーン10を縦方向に4分の1に分割した点線が、点P1と点P9を結んだ線分と垂直に交わる点をP3、P5、P7とし、点P2と点P10を結んだ線分と垂直に交わる点をP4、P6、P8とする。このとき、左カメラ7Lの光軸11Lと、右カメラ7Rの光軸11Rがそれぞれ、正面スクリーン9を垂直方向に2分割する線分12と垂直に交わるように、カメラ7Lと7Rを配置する。同時に、光軸11Lと光軸11Rが、線分12と交わる点を、それぞれ点13Lと点13R、また、点13Lと点13Rを結ぶ線分の中心を点14とし、このときの点14が、正面スクリーン9の中心となるようにカメラ7Lと7Rを配置するものとする。
次に、上記で説明した配置となるように配置した左カメラ7Lの撮影画像について説明する。図4は、立体画像データ入力手段2の左カメラ7Lの撮影の様子を説明する図である。図4で示すように、左カメラ7Lは、正面スクリーン9と、床面スクリーン10上に配置された被写体8を撮影する場合、その撮影画像は、図4の投影面15L上に投影変換された画像となる。
図5は、立体画像データ入力手段2の左カメラ7Lの撮影の様子を説明する図である。図5では、左カメラ7Lの撮影の様子を右方向から見ており、ここで、図中の点線部16をカメラの7Lの垂直方向の撮影範囲とすると、投影面15L上に示す撮影画像には、左カメラ7Lからの距離に応じて上下方向にパースペクティブ歪みが発生する。図示しないが、左右方向も同様にして、撮影画像の左右方向にパースペクティブ歪みが発生する。
また、このとき、右カメラ7Rも、左カメラ7Lと同様にして、右カメラ7Rからの距離に応じて、上下左右方向にパースペクティブ歪みが発生する。図6は、左カメラ7Lと右カメラ7Rによる撮影画像を示す。図6において、左カメラ7Lで撮影した左目用画像データ17Lと、右カメラ7Rで撮影した右目用画像データ17Rには、それぞれ、上下方向と左右方向にパースペクティブ歪みが発生する。
立体画像データ入力手段2は、撮影した、左目用画像データ17Lと、右目用画像データ17Rを左右2視点の立体画像データID1として出力すると同時に、図示していないが、撮影時のカメラ情報や、画像表示手段6を構成する2枚のパネルのスクリーンの配置情報が、立体画像データ入力手段2に外部から入力されており、立体画像データ入力手段2は、それらの情報からパラメータ情報Pを作成し、出力する。
図7は、このときの撮影時のパラメータ情報Pを示す。パラメータ情報Pには、撮影で使用したカメラの情報として、撮影時のカメラ台数と、各カメラの個別の情報として、カメラの光軸中心の位置を示す位置情報と、カメラの光軸中心の傾きを示す傾き情報、カメラの画角の大きさを示す画角情報が、撮影に使用したカメラの台数分含まれる。また、パラメータ情報Pには、スクリーン情報として、表示で用いるスクリーン数と、各スクリーンの個別の情報として、スクリーンの中心位置を示す中心位置情報と、スクリーンのサイズを示すサイズ情報、スクリーン面の傾きを示すスクリーン面傾斜情報が、表示で用いるスクリーンの数だけ含まれる。
ここで、スクリーン面傾斜情報とは、スクリーン面が垂直面から何度傾いているかを示す情報であり、その範囲は0度以上360度未満とする。例えば、正面スクリーン9のスクリーン面傾斜情報は0度、床面スクリーン10のスクリーン面傾斜情報は90度とする。
ここで、スクリーン面傾斜情報とは、スクリーン面が垂直面から何度傾いているかを示す情報であり、その範囲は0度以上360度未満とする。例えば、正面スクリーン9のスクリーン面傾斜情報は0度、床面スクリーン10のスクリーン面傾斜情報は90度とする。
なお、パラメータ情報は、直接、ユーザーが入力してもよいし、カメラや赤外線などで奥行き情報を計測するような3次元計測装置により入力しても構わないし、立体画像データ入力手段2や、画像表示手段6の構成手段に合わせて、あらかじめ決められた所定の値を、デフォルト値として、立体画像データ入力手段2内の図示しない記憶装置に保持しておき、記憶装置から読みだして用いても構わない。
以上のようにして、立体画像データ入力手段2は、左右2視点の立体画像データID1を撮影し、撮影した立体画像データID1と、撮影時のパラメータ情報Pを、画像切り出し手段3に送信し、図2に示すステップS2に進む。
以上のようにして、立体画像データ入力手段2は、左右2視点の立体画像データID1を撮影し、撮影した立体画像データID1と、撮影時のパラメータ情報Pを、画像切り出し手段3に送信し、図2に示すステップS2に進む。
ステップS2において、画像切り出し手段3に、立体画像データID1と、パラメータ情報Pが入力される。画像切り出し手段3は、入力されたパラメータ情報Pを用いて、立体画像データID1から、画像表示手段6に表示するための画像を切り出す。ここで、左目用画像データ17Lから、正面スクリーン9用の左目用画像データ18Lと、床面スクリーン10用の左目用画像データ19Lが、それぞれ切り出される。図8は、画像切り出し手段3において、入力された左目用画像データを切り出す方法について説明する図である。
図8において、画像切り出し手段3は、左目用画像データ17Lの点P9、点P10、点P11、および、点P12で囲まれた矩形領域を切り出して、正面スクリーン9用の左目用画像データ18Lを生成し、また、左目用画像データ17Lの点P1、点P2、点P9、および、点P10で囲まれた台形の領域を切り出して、床面スクリーン10用の左目用画像データ19Lを生成する。
また、ここで、右目用画像データ17Rから、正面スクリーン9用の右目用画像データ18Rと、床面スクリーン10用の右目用画像データ19Rが、それぞれ切り出される。図9は、画像切り出し手段3において、入力された右目用画像データを切り出す方法について説明する図である。
図9において、画像切り出し手段3は、右目用画像データ17Rの点P9、点P10、点P11、および、点P12で囲まれた矩形領域を切り出して、正面スクリーン9用の右目用画像データ18Rを生成し、また、右目用画像データ17Rの点P1、点P2、点P9、および、点P10で囲まれた台形の領域を切り出して、床面スクリーン10用の右目用画像データ19Rを生成する。
画像切り出し手段3は、それぞれ生成した、左目用画像データ18Lと、右目用画像データ18Rを、正面スクリーン9用に切り出した立体画像データID21とし、また、左目用画像データ19Lと、右目用画像データ19Rを、床面スクリーン10用に切り出した立体画像データID22として、それぞれ出力する。なお、上記では、切り出し位置を明確にするための指標として用いるため、正面スクリーン9や、床面スクリーン10として、平面状の被写体を設置する例について説明したが、入力されたパラメータ情報Pのスクリーン情報から求めた、スクリーンサイズや、位置、傾きの情報に基づいて、スクリーンのある場所を特定し、切り出す場合は、平面状の被写体を設置しなくても構わない。
以上のようにして、画像切り出し手段3は、パラメータ情報Pと、立体画像データID1から、正面スクリーン9用に切り出した立体画像データID21と、床面スクリーン10用に切り出した立体画像データID22をそれぞれ出力し、図2に示す判定ステップS3に進む。
判定ステップS3において、歪み補正手段4に、立体画像データID2nと、パラメータ情報Pが入力され、歪み補正手段4は、入力された立体画像データID2nを順次読み出すと同時に、パラメータ情報Pに含まれるスクリーン面傾斜情報から、順次読みだした立体画像データに対応したスクリーン面傾斜情報を参照し、その値が0度、または180度である場合は、ステップS5に進み、そうでない場合は、判定ステップS4に進む。
ステップS4において、入力された画像データは、パースペクティブ歪みがあると判定され、パースペクティブ歪みをなくすように補正される。
例えば、ここでは、歪み補正手段4に入力された立体画像データID21は、正面スクリーン9用に切り出した立体画像データであり、スクリーン面傾斜情報は0度であるため、歪み補正手段4は、歪補正は行わずにそのまま出力するが、同じく歪み補正手段4に入力された立体画像データID22に対しては、床面スクリーン10用に切り出した立体画像データであり、スクリーン面傾斜情報が90度となることから、歪み補正手段4は、歪み補正を行い、出力する。
例えば、ここでは、歪み補正手段4に入力された立体画像データID21は、正面スクリーン9用に切り出した立体画像データであり、スクリーン面傾斜情報は0度であるため、歪み補正手段4は、歪補正は行わずにそのまま出力するが、同じく歪み補正手段4に入力された立体画像データID22に対しては、床面スクリーン10用に切り出した立体画像データであり、スクリーン面傾斜情報が90度となることから、歪み補正手段4は、歪み補正を行い、出力する。
ここで、歪み補正の方法は、図5で説明したように、投影面15Lの画像を、床面スクリーン10の位置となるように透視投影すればよい。以下に、このときの歪み補正の方法について図面を用いて詳細に説明する。図10は、立体画像データID22を構成する左目用画像データ19Lに対する歪み補正の方法について説明する図である。図10において、歪み補正手段4は、左目用画像データ19Lの上下左右方向のパースペクティブ歪みを補正するため、左目用画像データ19Lの点Pm(mは1から10の整数)が、左目用画像データ20Lの点Amとなるように台形補正を行う。例えば、点P1は点A1に、点P2は点A2に、点P3は点A3に、点P4は点A4に、点P5は点A5に、点P6は点A6に、点P7は点A7に、点P8は点A8に、点P9は点A9に、点P10は点A10となるように透視投影を行うことにより、歪み補正を行う。
図11は、立体画像データID22を構成する右目用画像データ19Rに対する歪み補正の方法について説明する図である。図10の説明と同様に、歪み補正手段4は、右目用画像データ19Rの上下左右方向のパースペクティブ歪みを補正するため、右目用画像データ19Rの点Pm(mは1から10の整数)が、右目用画像データ20Rの点Bmとなるように台形補正を行う。例えば、点P1は点B1に、点P2は点B2に、点P3は点B3に、点P4は点B4に、点P5は点B5に、点P6は点B6に、点P7は点B7に、点P8は点B8に、点P9は点B9に、点P10は点B10となるように透視投影を行うことにより、歪み補正を行う。
判定ステップS5において、歪み補正手段4で順次読み出された画像が最後の画像である場合、歪み補正手段4は、立体画像データID3nを出力し、判定ステップS6に進み、そうでない場合は判定ステップS3に戻る。ここで、図12に立体画像データID3nの例を示す。立体画像データID3nのうち、立体画像データID31は、立体画像データID21の左目用画像データ18Lと、右目用画像データ18Rと同じ立体画像データから構成される。
一方、立体画像データID32は、歪み補正手段4に入力された左目用画像データ19Lと、右目用画像データ19Rに対して、上下左右方向のパースペクティブ歪みがなくなるように、それぞれ歪み補正を行った、左目用画像データ20Lと、右目用画像データ20Rから構成される。以上のようにして、歪み補正手段4は、入力された立体画像データID2nのうち、パースペクティブ歪みのない立体画像データID21はそのまま立体画像データID31として出力し、パースペクティブ歪みのある立体画像データID22のみ、パースペクティブ歪みを補正した後、立体画像データID32として出力する。
判定ステップS6において、視差調整手段5に、立体画像データID3nとパラメータ情報Pが入力され、視差調整手段5は、入力された立体画像データID3nに対して、視差調整を行うか否かを判定し、視差調整を行う場合は、ステップS7に、そうでない場合はステップS8に進む。ここで、視差調整手段5において、視差調整を行うか否かの判定する方法については、外部からの視聴者による入力を受け付けるようにして、手動で視差調整を行うようにしてもよいし、別途、図示しない、入力された立体画像データID3nの左右画像の対応点を探索するマッチング処理を行う視差調整量算出手段を視差調整手段5内に設け、立体画像データID3nに対して画像全体の視差マップを求め、求めた視差が所定の範囲内に収まるように自動で視差調整を行うようにしてもよい。
なお、このときの視差マップを求める際のマッチング処理の単位はブロック単位となるが、ブロックの大きさに規定は特になく、画素単位としてもよいし、画面全体を1ブロックとしてもよい。また、視差マップを求める際の対応点検索の方法はどのような方法であってもかまわない。また、対応点検索の方法については、通常の一般的な方法であってもかまわず、本発明の主眼とは異なるため、説明は省略するものとする。
以下では、例えば、左目用画像データと、右目用画像データに対して、画素単位でステレオマッチングを行い、画素単位で視差を求めるものとする。なお、このときの視差は画素単位であるが、表示画面サイズ情報を用いて、実際に画面上で表示される際の距離情報に変換して用いてもよいし、画面の水平方向の画素数に対するパーセンテージに変換して用いてもよい。
また、以下では、説明の簡略化のため、視差角を用いて説明するが、視差と視差角の関係は、表示画面サイズ情報と、視聴距離と、両眼間隔の長さから、一意に決まるため、視差角の代わりに視差を使っても構わない。
また、以下では、説明の簡略化のため、視差角を用いて説明するが、視差と視差角の関係は、表示画面サイズ情報と、視聴距離と、両眼間隔の長さから、一意に決まるため、視差角の代わりに視差を使っても構わない。
ここで、視差について説明する。図13は、立体画像データの視差を説明する図である。図13(A)は、左目用画像データを示し、立体表示をした際に、最も遠くに見える領域を、最遠点21とし、最も近くに見える領域を最近点22とする。また、図13(B)は、右目用画像データを示し、このうち、立体表示をした際に、左目用画像データの最遠点21の対応点であり、かつ、最も遠くに見える領域を最遠点23とし、左目用画像データの最近点22の対応点であり、かつ、最も近くに見える領域を最近点24とする。このとき、左目用画像データの左端から、最遠点21までの距離をdfL1、最近点22までの距離をdnL1、右目用画像データの左端から、最遠点23までの距離をdfR1、左最近点24までの距離をdnR1とする。
そして、左目用画像データと、右目用画像データを用いて立体表示をした際に、視聴者から最も遠くに見える部分における視差を最遠景視差とし、その値をdfL1−dfR1と定義する。同じく左目用画像データと、右目用画像データを用いて立体表示をした際に、視聴者から最も近くに見える部分における最近景視差し、その値をdnL1−dnR1と定義する。このとき、最遠景視差と、最近景視差は、画素単位で求まるが、表示画面サイズ情報を用いて、実際に画面上で表示される際の距離情報に変換する。表示画面サイズ情報とは、立体画像データを表示する際の実際の表示エリアの水平方向の画素サイズWと、水平方向の分解能の情報を示す。
また、視差が画面の水平方向の画素数に対するパーセンテージである場合は、表示画面サイズ情報は、立体画像データを表示する際の実際の表示エリアの水平方向の大きさであっても構わない。ここで、視差の値がマイナスの場合は、表示される領域の位置が、画面よりも奥にあることを示し、プラスの場合は、表示される領域の位置が、画面よりも手前にあることを示す。
次に、視差角について説明する。
図14は、画面を見た場合の輻輳角について説明する図である。図14において、視聴者が左目25と右目26を通じて、画面27の1点である点28を見た場合、点28から左目25を線で結んだ際に交わる点を点29、点28から右目26を線で結んだ際に交わる点を点30、点29と点30を結んだ線分に対して点28から降ろした垂線の交点を点31とそれぞれ定義する。このとき、点31の位置は、点29と点30で結ばれた線分の中央に位置するものとする。
図14は、画面を見た場合の輻輳角について説明する図である。図14において、視聴者が左目25と右目26を通じて、画面27の1点である点28を見た場合、点28から左目25を線で結んだ際に交わる点を点29、点28から右目26を線で結んだ際に交わる点を点30、点29と点30を結んだ線分に対して点28から降ろした垂線の交点を点31とそれぞれ定義する。このとき、点31の位置は、点29と点30で結ばれた線分の中央に位置するものとする。
ここで、点29と点30を結んだ線分は左眼と右眼の間の距離である両眼間隔を表し、その長さをTとし、点28と点31を結んだ線分は視聴者から画面までの視聴距離を表し、その長さをLとし、点28と点29を結んだ線分と、点28と点30を結んだ線分がなす角を輻輳角αとすると、三角形の相似の関係から、式(1)のような関係が導かれる。
式(1)より、輻輳角αは、式(2)のように表される。
図15は、立体映像が画面よりも手前に飛び出して表示される場合の視差による輻輳角について説明する図である。図15において、視聴者が、左目25で、画面27にある左目用画像データの1点である点32を、右目26で、画面27にある点32に対応する、右目用画像データの1点である点33をそれぞれ見た場合、画面より手前の位置に点34が立体像として提示される。
ちなみに、図12に示した立体画像データの場合、左目画像用データ18L、20Lの被写体8の位置が右目画像データ18R、20Rの被写体8の位置よりも相対的に右側にあるため、左目画像用データ18L、20Lの被写体8と右目画像データ18R,20Rとを交互に画面に表示した場合は、被写体8を見る視聴者にとっては、両目の視線が画面よりも画面の手前で交差するため、被写体8は画面の手前で結像することになり、視聴者にとっては画面から被写体8が飛び出したように見えることになる。
また、点31と点34を結んだ線分は視聴者から立体映像が提示される位置までの距離を表し、その値をmとし、また、点32と点33は視差を表し、その長さをd1とする。
このとき、点29と点34を結んだ線分と、点30と点34を結んだ線分がなす角を輻輳角β1とすると、三角形の相似の関係から、式(3)のような関係が導かれる。
式(3)より、輻輳角β1は、式(4)のように表される。
また同様に、三角形の相似の関係から、式(5)のような関係が導かれる。
式(4)、式(5)より、輻輳角β1は、式(6)のように表される。
このとき、点29と点34を結んだ線分と、点30と点34を結んだ線分がなす角を輻輳角β1とすると、三角形の相似の関係から、式(3)のような関係が導かれる。
ここで、画面より手前に飛出す方向の視差に対する視差角γ1を、視聴者が画面を見た際の輻輳角αと、画面より手前に飛出す方向の視差をもつ立体映像を見た際の輻輳角β1の差分の絶対値と定義すると、式(7)のように表される。
図16は、立体映像が画面よりも奥に表示される場合の視差による輻輳角について説明する図である。図16において、視聴者が、左目25で、画面27にある左目用画像データの1点である点35を、右目26で、画面27にある点35に対応する、右目用画像データの1点である点36をそれぞれ見た場合、画面より奥となる位置に点37が立体像として提示される。
また、点31と点37を結んだ線分は視聴者から立体映像の距離を表し、その長さを(L+n)とする。また、点35と点36は視差を表し、その長さをd2とする。
このとき、点29と点37を結んだ線分と、点30と点37を結んだ線分がなす角を輻輳角β2とすると、三角形の相似の関係から、式(8)のような関係が導かれる。
式(8)より、輻輳角β2は、式(9)のように表される。
また同様に、三角形の相似の関係から、式(10)のような関係が導かれる。
式(9)、式(10)より、輻輳角β2は、式(11)のように表される。
このとき、点29と点37を結んだ線分と、点30と点37を結んだ線分がなす角を輻輳角β2とすると、三角形の相似の関係から、式(8)のような関係が導かれる。
ここで、画面より奥に引っ込む方向の視差に対する視差角γ2を、視聴者が画面を見た際の輻輳角αと、画面より手前に飛出す方向の視差をもつ立体映像を見た際の輻輳角β2の差分の絶対値と定義すると、式(12)のように表される。
また、通常、視差角は絶対値で表現されるが、以下では、画面より手前に飛出す方向の視差に対する視差角と、画面より奥に引っ込む方向の視差に対する視差角とを区別するため、画面より奥に引っ込む方向の視差に対する視差角はマイナスの値とする。なお、通常、視差角の値は絶対値となるため、その値が少ないほど立体画像はスクリーンの近くに見え、視差が大きくなるほど立体画像の飛び出しや引っ込みがより大きく見えるようになるが、上記のように、視差角の値に符号をつける場合は、視差角の値を直接参照するのではなく、絶対値の大きさに直して考える点に注意が必要である。
ステップS7において、手動視差調整の場合、視差調整手段5は、視聴者が指定した視差調整のずらし幅で、立体画像データID3nの左右画像を左右にずらして、立体画像データID4nを作成する。また、自動視差調整の場合、視差調整手段5は、視差調整手段5内に別途設けられた前記視差調整量算出手段が算出する視差調整のずらし幅で、立体画像データID3nの左右画像を左右にずらして、立体画像データID4nを作成する。
なおこのとき、各スクリーンの表示する立体映像の飛び出し、または引っ込み方向の提示位置の連続性を保つため、視差調整のずらし幅は、正面スクリーンに表示する視差調整立体画像データID41と、床面スクリーンに表示する視差調整立体画像データID42とで同じ値とする。
図17は、立体画像がスクリーンよりも手前に飛び出して表示される場合に、観察される立体映像がより飛び出す方向となるように、視聴者が視差調整する場合の立体画像データID4nについて説明する図である。例えば、図17において、左目用画像データ18Lの被写体8と、左目用画像データ20Lの被写体8は、それぞれ同じ視差量だけ右にずらされるとともに、右目用画像データ18Rの被写体8と、右目用画像データ20Rの被写体8は、それぞれ同じ視差量だけ左にずらされる。すなわち、左目用画像データと右目用画像データの被写体8画面上の位置がより離れる方向にずらされる。これにより、左目用画像データの被写体8と右目用画像データの被写体8の視差の値はより大きくなるため、立体映像がより飛び出して見えるようになる。
図18は、立体画像がスクリーンよりも手前に飛び出して表示される場合に、観察される立体映像がより引っ込み方向となるように、視聴者が視差調整する場合の立体画像データID4nについて説明する図である。例えば、図18において、左目用画像データ18Lの被写体8と、左目用画像データ20Lの被写体8は、それぞれ同じ視差量だけ左にずらされるとともに、右目用画像データ18Rの被写体8と、右目用画像データ20Rの被写体8は、それぞれ同じ視差量だけ右にずらされる。これにより、左目用画像データの被写体8と右目用画像データの被写体8の視差の値は小さくなるため、立体映像がより引っ込んで見えるようになる。
さらに、図18において、左目用画像データ被写体8と右目用画像データの被写体8の位置がずらされ、左目用画像データ被写体8の位置が右目用画像データの被写体8の位置よりも相対的に左側になるまでずらされると、被写体8を見る視聴者にとっては、両目の視線が画面よりも画面の奥で交差するようになる。このため、被写体8は画面の奥で結像し、視聴者にとっては画面から被写体8が奥に引っ込んで見えるようになる。なお、この場合、視差の値はマイナスの値となる。
なお、上記では、左目用画像データ被写体8と右目用画像データの被写体8の位置を同じ量ずらす場合について説明したが、左目用画像データか、右目用画像データのどちらか一方だけをずらすことにより、視差を調整しても構わない。また、左目用画像データのずらし量と右目用画像データのずらし量が、異なる量となるように、視差を調整しても構わない。
以上のようにして、視差調整手段5は、立体画像データID4nを出力し、ステップS8に進む。
なお、上記では、左目用画像データ被写体8と右目用画像データの被写体8の位置を同じ量ずらす場合について説明したが、左目用画像データか、右目用画像データのどちらか一方だけをずらすことにより、視差を調整しても構わない。また、左目用画像データのずらし量と右目用画像データのずらし量が、異なる量となるように、視差を調整しても構わない。
以上のようにして、視差調整手段5は、立体画像データID4nを出力し、ステップS8に進む。
ステップS8において、画像表示手段6に、立体画像データID4nが入力される。画像表示手段6は、入力された立体画像データID4nを、視聴者の正面と床面に設置された2枚のパネルに表示する。
ここで、立体画像データID4nに対して、視差調整を行った場合とそうでない場合に視聴できる立体映像について、以下に図面を用いて説明する。
ここで、立体画像データID4nに対して、視差調整を行った場合とそうでない場合に視聴できる立体映像について、以下に図面を用いて説明する。
まず、視差調整を行わない場合に視聴できる立体映像について説明する。図19は、画像表示手段6に表示された立体画像データを視聴者が鑑賞する様子を説明するための図である。図19において、視聴者38は、正面パネル39と、床面パネル40により、立体映像の視聴を行うが、ここで表示する立体映像は、視差調整を行わず、例えば図12で示した立体画像データとする。従って、図19において、正面パネル39には、図12の立体画像データID31と同じ視差の立体画像データID41が、床面パネル40には、図12の立体画像データID32と同じ視差の立体画像データID42がそれぞれ表示され、視聴者は、左右の目でそれぞれ視差の異なる映像を視ることにより両眼立体視を行って、正面スクリーン41と、床面スクリーン42、被写体43を、それぞれ立体で視聴することができる。
次に、視差調整を行う場合に視聴できる立体映像について説明する。図20は、視差調整を行った際の立体像の変化について説明するための図である。図20において、視差調整を行わない場合は、視聴者38は、正面スクリーン41と、床面スクリーン42、被写体43の位置で立体映像を観察する。ここで、立体画像データID4nに対して視差調整を行うことにより、視聴者は、この立体映像の飛び出し位置を、好みに応じて変更することができる。
例えば、立体画像データID4nを、図17で示したように視差調整を行って生成し、右目用画像データ18R、20Rに映る被写体の画面上の位置と、左目用画像データ18L、20Lに映る被写体の画面上の位置が、視聴者から見て、視差調整前よりもさらに離れる位置となるようにずらした上で、正面パネル39と床面パネル40に表示した場合は、観察できる立体映像の位置は、より飛び出す方向となり、図20で示すように、視聴者38は、正面スクリーン44と、床面スクリーン45、被写体46を、立体映像として観察することができる。
また、例えば、立体画像データID4nを、図18で示したように視差調整を行って生成し、右目用画像データ18R、20Rに映る被写体の画面上の位置に対して、左目用画像データ18L、20Lに映る被写体の画面上の相対的な位置が、視聴者から見て、視差調整前よりもさらに左の位置となるようにずらした上で、正面パネル39と床面パネル40に表示した場合は、観察できる立体映像の位置は、より奥に引っ込む方向となり、図20で示すように、視聴者38は、正面スクリーン47と、床面スクリーン48、被写体49を立体映像として観察することができる。
なお、立体表示後であっても、視聴者は、任意のタイミングで、手動で視差調整を行ってもよい。
以上のようにして、画像表示手段6は、立体画像データID4nを表示して、ステップS9に進む。
なお、立体表示後であっても、視聴者は、任意のタイミングで、手動で視差調整を行ってもよい。
以上のようにして、画像表示手段6は、立体画像データID4nを表示して、ステップS9に進む。
ステップS9において、立体画像データ表示システム1は処理を終了する。以上のようにして、本発明の立体画像データ表示システム1は、カメラで撮影した立体画像データから表示するパネルの数にあわせてそれぞれ切り出した立体画像データに対して、各パネルのスクリーン面の傾斜角度に合わせてパースペクティブ歪みを補正して、スクリーンの境界における視差の連続性を保持したうえで、各スクリーン面に表示する立体画像の視差の調整量が同じ値となるようにして視差調整を行っている。
これにより、複数のスクリーン面に表示された立体映像に対しても、境界面における視差の連続性が保たれる結果、境界面における立体映像の提示位置やサイズの連続性も保たれ、マルチスクリーンを用いた立体映像に対しても、視聴者は、好みに応じた視差で、かつ、安全で、疲労も少なく、違和感もない自然な立体視をすることができる。
なお、上記では、床面スクリーン10が水平方向と平行な場合について説明したが、水平方向に対して所定の角度傾けていても構わない。その際は、図10や図11で説明した透視変換の投影先を、水平方向に対して所定の角度傾けた床面スクリーン10となるように変換すればよい。また同様に、上記では、正面スクリーン9が垂直方向と平行な場合について述べたが、垂直方向に対して所定の角度傾けていても構わない。その際は、図10や図11で説明した透視変換の投影先を、垂直方向に対して所定の角度傾けた正面スクリーン9として変換すればよい。
また、表示手段6を構成する複数のスクリーンを、プロジェクターなどの投影型のスクリーンではなく、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの直視型のパネルで構成する場合、パネル上に表示される画面の周辺に枠フレームがあるため、隣り合う画面の境界に不連続領域が発生する。この境界における不連続領域を考慮して、立体映像を表示する場合について、以下に説明する。
このときの2枚のパネルの配置の方法について、図21から図23を用いて説明する。
図21は、画面の周辺に枠フレームのある2枚のパネルで構成された画像表示手段6の構成例である。図21(A)は画像表示手段6の2枚のパネルの配置を正面から見た図を、図21(B)は表示手段6の2枚のパネルの配置を横から見た図をそれぞれ示す。ここで示すように、画面50と枠フレーム51から構成された正面パネル52と、画面53と枠フレーム54から構成された床面パネル55は、それぞれの枠フレームの端が触れ合うように設置されている。
図21は、画面の周辺に枠フレームのある2枚のパネルで構成された画像表示手段6の構成例である。図21(A)は画像表示手段6の2枚のパネルの配置を正面から見た図を、図21(B)は表示手段6の2枚のパネルの配置を横から見た図をそれぞれ示す。ここで示すように、画面50と枠フレーム51から構成された正面パネル52と、画面53と枠フレーム54から構成された床面パネル55は、それぞれの枠フレームの端が触れ合うように設置されている。
ここで、境界面における不連続領域の面積を少なくするために、どちらか一方の枠フレームを隠すように配置する。
図22は、画像表示手段6の別の構成例である。図22(A)は表示手段6の2枚のパネルの配置を正面から見た図を、図22(B)は表示手段6の2枚のパネルの配置を横から見た図をそれぞれ示す。ここで示すように、枠フレーム54の上の境界部分が、枠フレーム51で隠れるように、床面パネル55はそのままだが、正面パネル52のみを、図21の場合と比べ、手前となるように設置している。この場合、正面スクリーンに相当する部分にのみ、不連続な領域が発生することになる。
図22は、画像表示手段6の別の構成例である。図22(A)は表示手段6の2枚のパネルの配置を正面から見た図を、図22(B)は表示手段6の2枚のパネルの配置を横から見た図をそれぞれ示す。ここで示すように、枠フレーム54の上の境界部分が、枠フレーム51で隠れるように、床面パネル55はそのままだが、正面パネル52のみを、図21の場合と比べ、手前となるように設置している。この場合、正面スクリーンに相当する部分にのみ、不連続な領域が発生することになる。
次に、このときの立体画像データ表示システム1の動作について、図面を用いて説明する。上記のようにパネルの配置が変わると、立体画像データを撮影する際に生成されるパラメータ情報Pのスクリーン情報にある中心位置情報が変化するが、立体画像データ表示システム1を構成する立体画像データ入力手段2と、画像切り出し手段3、歪み補正手段4、視差調整手段5、画像表示手段6の基本的な動作は変わらない。
例えば、立体画像データ入力手段2の動作は、一部の被写体の位置を変更するだけで、基本的に同様である。図23は、立体画像データ入力手段2の左カメラ7Lの撮影の様子を説明する図である。図23では、左カメラ7Lの撮影の様子を右方向から見ており、カメラや、被写体8、床面スクリーン10の配置は、図5と同様であるが、枠フレーム52があるため、表示の際に、点線で囲み、斜線を施した領域56の部分は表示されなくなるため、正面スクリーン9の位置を画面50の位置に重なるように上方向に配置して撮影する。
図24は、このときの立体画像入力手段2による撮影画像データの例である。図24に示すように、左右画像それぞれで、画面の位置に合わせて、正面スクリーン9の位置が上に配置されている。
図24は、このときの立体画像入力手段2による撮影画像データの例である。図24に示すように、左右画像それぞれで、画面の位置に合わせて、正面スクリーン9の位置が上に配置されている。
立体画像入力手段2の撮影画像データに対し、画像切り出し手段3は、上記で説明したのと同様にパラメータ情報Pのスクリーン情報を参照して、画像を切り出す。ここで、図8で示した枠フレームがない場合には、左目用画像データ17Lの点P9、点P10、点P11、および、点P12で囲まれた矩形領域を切り出して、正面スクリーン9用の左目用画像データ18Lを生成し、左目用画像データ17Lの点P1、点P2、点P9、および、点P10で囲まれた台形の領域を切り出して、床面スクリーン10用の左目用画像データ19Lを生成していた。しかし、図24に示す枠フレーム52がある場合には、左目用画像データの点P1、点P2、点P9、および、点P10で囲まれた台形の領域を切り出し、床面スクリーン10用の左目用画像データを生成する点は、図8に示す場合と同じであるが、正面スクリーン9用の左目用画像データは、図8の点P9、点P10、点P11、および、点P12で囲まれた矩形領域よりも上方に位置する、点P13、点P14、点P15、および、点P16で囲まれた矩形領域を切り出している。
ここで、点P9、点P10、点P13、および、点P14点で囲まれた領域が枠フレームがある領域となる。そして、スクリーンとスクリーンの境界において画像が表示されない領域は、本発明のスクリーン間の非表示領域に相当し、枠フレームは非表示領域の一例である。以上の点は、右目用画像データについても同様である。
切り出された画像に対し、歪み補正手段4は、同様にパラメータ情報Pのスクリーン情報を参照して、歪み補正を行う。このように、立体画像入力手段2と、画像切り出し手段3、歪み補正手段4は、図2のステップS1からS5で説明したのと同様の動作を行う。
この場合の視差調整手段5の動作は、図2の判定ステップS6における、視差の調整を行うか否かの判定の方法のみが異なるため、視差調整手段5の判定動作についてのみ、以下に説明する。図25は、視差調整手段5における視差調整を行うか否かの判定動作に関するフローチャート図である。以下では、図2の判定ステップS6を、図25の判定ステップS10と、ステップS11、判定ステップS12、ステップS13に置き換えて、視差調整手段5の動作を説明する。なお、ステップS1、ステップS2、判定ステップS3、ステップS4、判定ステップS5、ステップS7、ステップS8、ステップS9については、同様の動作を行うため、それらの説明は省略する。
ステップS5から判定ステップS10に進み、判定ステップS10において、視差調整手段5に、立体画像データID3nとパラメータ情報Pが入力され、視差調整手段5は、入力されたパラメータ情報Pに含まれる、各スクリーンの中心位置情報とサイズ情報、スクリーン面傾斜情報を参照し、枠フレームにより、境界において不連続となる領域の面積を算出し、その値が所定の値以上であれば、パネルの境界が不連続であると判定し、ステップS11に進み、そうでない場合は、ステップS8に進む。また上記では、面積により判定を行ったが、隣り合うスクリーン間の距離を求め、その値が所定の値以下であれば、不連続であると判定するようにしても構わない。
ステップS11において、視差調整手段5は、入力された立体画像データID3nのうち、境界に隣接する領域の視差を算出し、判定ステップS12に進む。なお、視差の算出の方法は、前述した方法と同様とする。
判定ステップS12において、視差調整手段5は、算出した視差を参照し、境界に隣接する領域において再現される立体映像の提示位置が、スクリーン面よりも手前となるか否かを判定し、手前と判定した場合は、ステップS13に進み、そうでない場合はステップS8に進む。なお、立体映像は、その視差の値が、プラスの場合はスクリーン面よりも手前に、0の場合はスクリーン面と同じ位置に、マイナスの場合はスクリーン面よりも奥に、それぞれ提示される。
ステップS13において、境界に隣接する領域において再現される立体映像の提示位置が、スクリーン面か、または、スクリーン面よりも奥となるような視差にするため、視差の調整量を求め、ステップS7に進む。ここで、算出する視差の調整量について、具体的に説明する。ステップS11で求めた視差の値が0以下となるように、立体画像データID3nの視差を調整すればよい。
ステップS7において、視差調整手段5は、算出された視差調整量に基づき、視差調整を行い、立体画像データID4nを作成する。図26は、立体画像データID3nに対して、視差調整を行う方法について説明する図である。視差調整手段5は、算出された視差調整量に基づき、立体画像データID31の左目用画像データ57Lの被写体8と、立体画像データID32の左目用画像データ58Lの被写体8を左方向に、それぞれ同じ視差量だけずらすとともに、立体画像データID31の右目用画像データ57Rの被写体8と、立体画像データID32の右目用画像データ58Rの被写体8を右方向に、それぞれ同じ視差量だけずらすことにより、視差の値が0以下となるように視差調整を行う。なお、表示手段6は、図2のステップS8で説明した場合と同様の動作により、上記視差調整手段5で視差調整された立体画像データID4nを、立体で表示する。
ここで、視差調整手段5で視差調整を行う効果について図面を用いて詳細に説明する。図27は、視差調整が行われた際の立体映像の提示位置について説明する図である。図27において、視差調整手段5が視差調整を行わず、立体画像データID3nをそのまま正面パネル52と床面パネル55上に表示した場合は、正面スクリーン59と、床面スクリーン60、被写体61の位置に、立体映像が提示される。
この場合、正面パネル52には枠フレームがあるため、点線領域62に示すように、表示できない領域が発生し、その結果、被写体61が枠フレームで遮られるため、対応点の消失や、画枠張り付き効果が発生する。画枠張り付き効果とは、一般的に、両眼立体視において、画面よりも手前に飛び出して立体で提示される対象が、枠フレームなどの画枠で遮られる場合、左右眼への映像部分に違いが生じ、不安定な見えになる視野闘争や、対象が枠フレームに張り付いて立体感が抑えられ、変形したように見える現象であり、額縁効果とも呼ばれている。この現象は、視覚疲労を引き起こす可能性があり、立体画像データの視聴の安全性が低下するという問題がある。
また、図27において、ステップS7において作成された立体画像データID4nを、正面パネル52と床面パネル55上に表示した場合は、正面スクリーン63と、床面スクリーン64、被写体65の位置に、立体映像がそれぞれ提示される。
以上のようにして、枠フレームに隣接する領域において、枠フレームよりも手前に立体で提示される被写体がある場合は、隣接領域の視差が枠フレームよりも奥に立体で提示されるように、視差調整を行うことによって、上記で述べた画枠貼り付き効果を解消し、より快適で安全な立体視を実現することができる。
以上のようにして、枠フレームに隣接する領域において、枠フレームよりも手前に立体で提示される被写体がある場合は、隣接領域の視差が枠フレームよりも奥に立体で提示されるように、視差調整を行うことによって、上記で述べた画枠貼り付き効果を解消し、より快適で安全な立体視を実現することができる。
以上のようにして、本発明の立体画像データ表示システム1は、従来の複数のスクリーン面を持つ立体画像データ提示システムにおいて、複数のスクリーン面として、プロジェクターなどで使用する投影型のスクリーンではなく、たとえば液晶パネルや、有機EL、プラズマディスプレイなどのように、枠フレームが存在し、パネルの境界部分が滑らかに接合されない直視型のパネルを用いた場合であっても、境界部分における枠フレームや、各ディスプレイ面の配置を考慮して画像を切り出し、各ディスプレイ面の傾きに応じてパースペクティブを補正し、かつ、枠フレームよりも奥に立体で提示されるように、視差調整を行っている。これにより、対応点の消失や、画枠張り付き効果等による、立体視の破たんや、視差闘争が起こり、2重に見えたり、ちかちかして見えたりする現象である、画枠張り付き効果をなくし、枠フレームの有無やパネルの配置に依存せず、視覚疲労のない、安全で快適な立体視を実現することができる。
また、図28は、画像表示手段6の別の構成例である。図28(A)は表示手段6の2枚のパネルの配置を正面から見た図を、図28(B)は表示手段6の2枚のパネルの配置を横から見た図をそれぞれ示す。ここで示すように、枠フレーム51の下の境界部分が、枠フレーム54で隠れるように、パネル55はそのままだが、パネル52のみ、図21の場合と比べ、下にさげて設置している。この場合であっても同様にして、枠フレームに隣接する領域において、枠フレームよりも手前に立体で提示される被写体がある場合は、隣接領域の視差が枠フレームよりも奥に立体で提示されるように、視差調整を行うことによって、貼り付き効果を解消し、より快適で安全な立体視を実現することができる。
以上では、立体画像データを撮影する場合について説明したが、平面(2D)画像を撮影した場合、各手段において処理を行わず、そのまま画像表示手段6に出力し、平面画像を表示するようにしても良い。
または、立体画像データ入力手段2が、撮影した2D画像に対し、2Dの画像から3Dの画像を作り出す処理である2D−3D変換処理を行うことによって、立体画像データの画像データを新たに作成しても良い。
または、立体画像データ入力手段2が、撮影した2D画像に対し、2Dの画像から3Dの画像を作り出す処理である2D−3D変換処理を行うことによって、立体画像データの画像データを新たに作成しても良い。
上記では、立体画像データ入力手段2として、カメラを設置し、立体画像データを撮影する場合について説明したが、立体画像データ入力手段2に、カメラからの撮像画像の代わりに、各種記録メディアや、インターネット配信、放送波の受信等、外部から画像データを直接入力できるようにしてもかまわない。なおこのとき、立体画像データ入力手段2は、受け付けた画像データを、既定の形式の画像データに変換し、画像切り出し手段3に出力する。
また、このときの立体画像データ入力手段2は、カメラの代わりに、例えば、放送波を受信するチューナ、ブルーレイ(Blu−ray(登録商標))ディスクプレイヤーなどの外部機器からの画像信号を受け付けるHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)レシーバなどで構成しても構わない。ここで、立体画像データの画像データの形式は、例えば、トップアンドボトム形式(左右画像が縦に並ぶように1枠フレームの画像として格納されている形式)やサイドバイサイド形式(左右画像が横に並ぶように1フレームの画像として格納されている形式)、フレームシーケンシャル形式(左画像、右画像が経時的に入力される形式)など、種々の形式が存在する。
また、以上では、左右2視点の画像の場合について説明しているが、例えば、多眼撮像システムによって撮影されたような、多視点の立体画像データであってもよく、各視点画像に、左右の画像それぞれに対して処理を行った際と同様にして、画像の切り出し、パースペクティブの補正、視差の調整等を行えばよい。
また、以上では、上下方向に複数のパネルを並べる場合について説明したが、左右方向に並べるのであっても構わない。この場合、撮影時のカメラと、表示に用いるスクリーン面の位置と、向きに合わせ、上下方向の場合と同様に、切り出しや、パースペクティブ歪みの補正、境界面における視差調整を行ってやればよい。
また、本発明は、上記で説明した立体テレビのような立体画像データ表示システムだけでなく、立体デジタルカメラ、立体デジタルムービー、立体デジタルビデオレコーダー、立体携帯型ムービープレイヤー、立体携帯電話、立体カーナビゲーションシステム、立体携帯型DVDプレイヤー、立体PC等において、複数のスクリーンを対象とした立体映像信号を出力し、表示することができるシステムについても広く適用できる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1…立体画像データ表示システム、2…立体画像データ入力手段、3…画像切り出し手段、4…歪み補正手段、5…視差調整手段、6…画像表示手段、7L…左カメラ、7R…右カメラ、8,43,46,49,61,65…被写体、9,41,44,47,59,63…正面スクリーン、10,42,45,48,60,64…床面スクリーン、11L…左カメラの光軸、11R…右カメラの光軸、12…線分、13L,13R,14,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37…点、15L…投影面、17L,18L,19L,20L,57L,58L,100…左目用画像データ、17R,18R,19R,20R,57R,58R,101…右目用画像データ、20,22…最遠点、21,23…最近点、24,107…左目、25,108…右目、26,50,53…画面、38…視聴者、39,52…正面パネル、40,55…床面パネル、51,54…枠フレーム、56,62…領域、102…アクティブ・シャッターメガネ、103…左目用のレンズシャッター、104…右目用のレンズシャッター、105…画像表示パネル、106…パララクスバリア。
Claims (7)
- 複数の画像表示面に対して、複数の視点画像データから生成した立体視用の画像データを生成する立体画像データ生成システムであって、
前記複数の視点画像データを入力する立体画像入力手段と、
前記複数の画像表示面の配置情報と傾き情報を用いて、前記複数の視点画像データから各前記複数の画像表示面用の画像データを切り出す画像切り出し手段と、
前記傾き情報を用いて、各前記複数の画像表示面用の画像データのパースペクティブを補正する歪み補正手段と、
前記配置情報を用いて、前記パースペクティブを補正後の各前記複数の画像表示面用の画像データに対して視差調整を行う視差調整手段とを備えることを特徴とする立体画像データ生成システム。 - 請求項1に記載の立体画像データ生成システムにおいて、前記視差調整手段は、各前記複数の画像表示面用の画像データに対して視差の調整量が同じ値となるように、視差調整を行うことを特徴とする立体画像データ生成システム。
- 請求項1または2に記載の立体画像データ生成システムにおいて、前記視差調整手段は、前記配置情報から各前記画像表示面の境界における非表示領域の配置を求め、該非表示領域に隣接する各前記画像表示面の領域における視差が、各前記画像表示面よりも奥に引っ込む方向の視差となるように、視差調整を行うことを特徴とする立体画像データ生成システム。
- 複数の画像表示面を有する画像表示手段を備えた立体画像表示システムであって、前記画像表示手段は、請求項1から3のいずれか1に記載の立体画像データ生成システムから前記立体視用の画像データを受け取り、前記複数の画像表示面に立体画像を表示することを特徴とする立体画像データ表示システム。
- 複数の画像表示面に対して、複数の視点画像データから生成した立体視用の画像データを表示する立体画像データ表示方法あって、
前記複数の視点画像データを生成または入力する立体画像入力ステップと、
前記複数の画像表示面の配置情報と傾き情報を用いて、前記複数の視点画像データから各前記複数の画像表示面用の画像データを切り出す画像切り出しステップと、
前記傾き情報を用いて、各前記複数の画像表示面用の画像データのパースペクティブを補正する歪み補正ステップと、
前記配置情報を用いて、前記パースペクティブを補正後の各前記複数の画像表示面用の画像データに対して視差調整を行う視差調整ステップを備えることを特徴とする立体画像データ表示方法。 - 請求項5に記載の立体画像データ表示方法であって、前記視差調整ステップは、各前記複数の画像表示面用の画像データに対して視差の調整量が同じ値となるように、視差調整を行うことを特徴とする立体画像データ表示方法。
- 請求項5または6に記載の立体画像データ表示方法において、前記視差調整ステップは、前記配置情報から、各前記画像表示面の境界における非表示領域の配置を求め、該非表示領域に隣接する各前記画像表示面の領域における視差が、各前記画像表示面よりも奥に引っ込む方向の視差となるように、視差調整を行うことを特徴とする立体画像データ表示方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012055411A JP2013191950A (ja) | 2012-03-13 | 2012-03-13 | 立体画像データ生成システム、立体画像データ表示システム、および、立体画像データ表示方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018116471A (ja) * | 2017-01-18 | 2018-07-26 | 富士通株式会社 | 表示制御方法、装置及びプログラム |
WO2018196583A1 (zh) * | 2017-04-27 | 2018-11-01 | 京东方科技集团股份有限公司 | 一种显示装置及其控制方法 |
-
2012
- 2012-03-13 JP JP2012055411A patent/JP2013191950A/ja active Pending
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