JP2013186025A - 除染廃液の処理装置及びその処理方法 - Google Patents

除染廃液の処理装置及びその処理方法 Download PDF

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宏文 松原
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Kazunobu Suzuki
和伸 鈴木
Masahiko Kazama
正彦 風間
Tadayoshi Yoshikawa
忠芳 吉川
Kazuhito Suzuki
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Abstract

【課題】
汚染水と汚泥が共存する放射性廃液を処理するに当たり、二次廃棄物量を増やすことなく、効率よく固形物及び放射性物質を除去した浄化水に容易に分離、回収できることは勿論、固形物は、安定に長期間の保管可能な乾燥物として回収できること。
【解決手段】
本発明の除染廃液の処理装置は、上記課題を解決するために、溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む放射性物質で汚染された除染廃液を処理する除染廃液の処理装置において、前記溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む放射性物質で汚染された除染廃液が充填される除染廃液タンクと、該除染廃液タンクからの除染廃液を、ろ過残渣とろ過水に分離するろ過器ユニットと、該ろ過器ユニットからのろ過水を濃縮水と浄化水に分離する逆浸透膜浄化ユニットと、該逆浸透膜浄化ユニットからの濃縮水が供給されて乾燥固化する乾燥ユニットとを備えていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は除染廃液の処理装置及びその処理方法に係り、特に、放射性物質、洗浄剤及び土壌、砂塵、藻等の固形分を含む除染廃液を処理するものに好適な除染廃液の処理装置及びその処理方法に関する。
一般に、放射性物質で汚染された施設等の除染作業では、高圧水を用いた水洗或いは各種洗浄剤を含む液体で放射性物質を除去する作業が行われる。また、コンクリート壁面に放射性物質が取り込まれている場合は、コンクリートを削り取る作業を行った後に、高圧水による洗浄が行われる場合がある。これらの除染作業の場合は、コンクリートの破砕粉を含む廃液が発生する。
更に、放射性物質で汚染された道路及び屋根等を洗浄する際には、土壌、砂塵等を含む廃液が発生し、一方、放射性物質で汚染されたプール、湖沼等を除染する場合には、土壌を含む泥及び藻等を含む廃液が発生する。
放射性物質の他にコンクリート粉、土壌、砂塵、藻等を含む廃液の場合、固液分離が難しい。例えば、多種多様な固形分を多く含む除染廃液を、通常行われるフィルターによるろ過及び吸着剤を用いて吸着処理した場合には、フィルター及び吸着剤が放射性物質を含む二次廃棄物となり、新たな廃棄物を増やすことから好ましくない。
特に、除染廃液には、道路、側溝及び屋根等を除染した場合に混入する微細な土壌(泥)、或いは湖沼水等を除染する場合には、微生物、藻等の有機系の固形物が含まれる(以下、これらの固形分を総称して、汚泥という)。
汚泥を含む除染廃液は、フィルターを閉塞し易い特性を持っているため、頻繁にフィルターエレメントの交換等が必要になると共に、廃液処理を効率的に進めることが難しいものとなる。
更に、除染廃液から分離した固形分に水分が含まれると、廃棄物の貯蔵期間中に保管容器が腐食する恐れがあり、保管容器が腐食すると保管物が流出することが予想される。このため、除染廃液から回収した固形分を安定に保管するためには、乾燥した状態で固形分を回収することが望まれる。
尚、放射線物質を含んだ廃液処理を処理する従来技術として、特許文献1乃至4に記載されたものがある。即ち、特許文献1には、廃液から放射線物質を除去する装置として、フィルターや活性炭吸着剤及び逆浸透膜浄化装置を備えることが記載されている。また、特許文献2には、放射性廃液分離装置及びそれを備えた放射性イオン交換樹脂の処理システムとして、放射性廃液を貯蔵するタンクの上澄み液をイオン交換樹脂により放射性物質を除去し、タンクの沈殿物をセメント固化して処理する装置が記載されている。更に、特許文献3には、放射性洗濯廃液の処理方法として、放射性廃液に添加剤を加え、沈殿物を生成させた廃液を遠心薄膜乾燥機または噴霧乾燥機で処理することにより、減容化と沈殿物を乾燥粉体化する処理方法が記載されている。また、特許文献4には、廃液貯槽に貯留されたキレート化合物及びアンモニア発生性化合物を含む化学洗浄廃液を逆浸透膜装置で濃縮し、この濃縮液をpH制御することなく、加熱乾燥装置で加熱乾燥することが記載されている。
特開2008−26023号公報 特開2004−28903号公報 特開昭63−253298号公報 特開2007−90337号公報
汚染水と汚泥が共存する除染廃液を処理するためには、最初に汚染水と汚泥を分離する必要がある。しかし、汎用のろ過装置を用いた場合には、微粒子の汚泥により短時間でろ過装置の細孔が閉塞するため、連続的な処理が難しくなる。よって、汚泥水と汚泥が共存する廃液から、汚染水と汚泥を効率よく分離することが望ましい。
次に、ろ過水中には、放射性物質と共に水溶性の汚染物が溶解している。この溶解性の汚染物を含むろ過水から汚染物と水分を分離し、最終的に水溶性の汚染物を固体(乾燥物)として回収することにより、回収した汚染物を容易に保管、貯蔵できる。この際、ろ過水中の汚染物濃度が濃い場合は、直接乾燥処理を行うことが可能であるが、ろ過水中の汚染物濃度が希薄な場合は、最初に濃縮操作を行い、その後、乾燥処理する必要がある。よって、溶解性の汚染物を含むろ過水の処理設備として、廃液を濃縮できる設備と乾燥処理ができる設備を組み合わせた構成とすることが有効である。更に、前述の濃縮設備と乾燥設備は、二次廃棄物が発生しない設備であり、かつ、多種及び多様な汚染物を含む廃液の処理に対応できる設備を選定することが望ましい。
最終的に、汚染物を分離及び濃縮した結果、生成する水蒸気には、微量の放射性物質が移行すると考えられる。よって、水蒸気を凝縮水とした後に、凝縮水に含まれる微量の放射性物質を除去し、その後に、浄化水を最終の処理水とすることも検討する必要がある。
更に、汚泥をろ過したケーク層及び乾燥機で蒸発固化した汚染物は、金属製の保管容器に充填保管されることを考慮すると、保管容器の健全性が長期間保つことが可能となる乾燥物中の水分含有率を低く維持することも有効である。
しかしながら、固形分を含む除染廃液を処理するにあたり、上述した特許文献1に記載のフィルター及び吸着剤、更には逆浸透膜浄化装置による放射能分離除去、或いは特許文献2に記載されているイオン交換樹脂による吸着剤を用いた放射能分離除去は、溶液状の廃液に対しては放射能分離効果を有しているものの、汚泥等の高い懸濁性を有するスラリー状の廃液からの放射能分離は難しい。また、フィルターおよび吸着剤は、二次廃棄物となるため、新たな放射性廃棄物を生むことになるし、特許文献2の記載のように、沈殿物を単にセメント固化するだけでは、廃棄物量が多くなる。更に、特許文献3に記載されているように、沈殿物状の廃液を遠心薄膜乾燥機または噴霧乾燥機で処理すれば、廃棄物の低減を図ることができるが、遠心薄膜乾燥機では、乾燥効率を上げるために脱水機による処理を必要とし、一般的には、乾燥後の含水率は50%程度であり、微生物繁殖の可能性があることから長期保管には適さない。また、噴霧乾燥機による乾燥では、汚泥のように様々な大きさの粒子を含んでいる場合、噴霧器での閉塞の可能性があるため、汚泥には適用しづらいという問題点がある。また、特許文献4では、廃液貯槽内の廃液を直接逆浸透膜装置で処理していることから、固形分が含まれている廃液に対しては、全く考慮されていない。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、汚染水と汚泥が共存する放射性廃液を処理するに当たり、二次廃棄物量を増やすことなく、効率よく固形物及び放射性物質を除去した浄化水に容易に分離、回収できることは勿論、固形物は、安定に長期間の保管可能な乾燥物として回収できる除染廃液の処理装置及びその処理方法を提供することにある。
本発明の除染廃液の処理装置は、上記目的を達成するために、溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む放射性物質で汚染された除染廃液を処理する除染廃液の処理装置において、前記溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む放射性物質で汚染された除染廃液が充填される除染廃液タンクと、該除染廃液タンクからの除染廃液を、ろ過残渣とろ過水に分離するろ過器ユニットと、該ろ過器ユニットからのろ過水を濃縮水と浄化水に分離する逆浸透膜浄化ユニットと、該逆浸透膜浄化ユニットからの濃縮水が供給されて乾燥固化する乾燥ユニットとを備えていることを特徴とする。
また、本発明の除染廃液の処理方法は、上記目的を達成するために、溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む放射性物質で汚染された除染廃液を処理する除染廃液の処理方法において、前記溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む放射性物質で汚染された除染廃液が充填される除染廃液タンクからの除染廃液を、ろ過器ユニットでろ過残渣とろ過水に分離する工程と、前記ろ過器ユニットからのろ過水を、逆浸透膜浄化ユニットで濃縮水と浄化水に分離する工程と、前記逆浸透膜浄化ユニットからの濃縮水を乾燥ユニットで乾燥固化する工程とから成ることを特徴とする。
本発明によれば、汚染水と汚泥が共存する放射性廃液を処理するに当たり、二次廃棄物量を増やすことなく、効率よく固形物及び放射性物質を除去した浄化水に容易に分離、回収できることは勿論、固形物は、安定に長期間の保管可能な乾燥物として回収できる効果がある。
本発明の除染廃液の処理装置の実施例1を示す全体構成図である。 本発明の除染廃液の処理装置における乾燥ユニットを示す構成図である。 本発明の除染廃液の処理装置のろ過器ユニットに採用される各種ろ過材と一般的なろ過材とのろ過時間に伴うろ過量を比較した特性図である。 本発明の除染廃液の処理装置の逆浸透膜装置ユニットにおける廃液の濃縮操作を説明するための図である。 図4(a)で説明した逆浸透膜装置ユニットにおける処理時間に伴う塩素濃度及び処理タンク推量の関係を示す特性図である。 本発明者等が、コンクリートの粉末から抽出したスケール成分を添加した試験水を本発明の除染廃液の処理装置の逆浸透膜装置ユニットへ供給し、循環運転を行った試験設備を示す図である。 図5(a)の試験設備で行った試験結果であり、試験時間とスケール回収率との関係を示す図である。 試験水のpHを調整した際の濃縮倍率と試験水のpHの関係を示す特性図である。 本発明の除染廃液の処理方法の処理フローを示す図である。
以下、図示した実施例に基づいて本発明の除染廃液の処理装置及びその処理方法を説明する。
図1に、本発明の除染廃液の処理装置の実施例1を示す。該図に示す如く、本実施例の除染廃液の処理装置は、洗浄剤、コンクリート粉、土壌、砂塵、藻等から成る溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む放射性物質で汚染された除染廃液がラインL1から充填される除染廃液タンク20と、この除染廃液タンク20からの除染廃液を、ろ過残渣45とろ過水に分離するろ過器ユニット24と、ろ過器ユニット24からのろ過水を濃縮水と浄化水に分離する逆浸透膜浄化ユニット35と、この逆浸透膜浄化ユニット35からの濃縮水が供給されて乾燥固化する乾燥ユニット1とから概略構成されている。
汚泥等を含む処理対象の除染廃液が充填されている除染廃液タンク20は、内部に攪拌器21が設けられており、この攪拌器21で除染廃液が攪拌される。除染廃液タンク20内で十分に攪拌され懸濁液とした廃液は、スラッジ移送ポンプ22にてろ過器ユニット24に移送される。
ろ過器ユニット24は、疎水性ろ過材27が装荷された反転ろ過器26と、反転ろ過器26の上部を圧縮エアーにて加圧し、懸濁物を含む廃液を固液分離するコンプレッサー29と、ろ過処理されて反転ろ過器26内に残るろ過残渣45を回収するろ過残渣回収容器31とから構成されており、スラッジ移送ポンプ22にてろ過器ユニット24に移送された除染廃液は、反転ろ過器26に導入される。その後、ろ過器入り口弁23を閉止し、反転ろ過器26の上部を、コンプレッサー29の圧縮エアーにて加圧し、懸濁物を含む廃液を固液分離する。反転ろ過器26でのろ過処理が終了した後、反転ろ過器26の入り口に設けられている簡易継手25及び反転ろ過器26の出口に設けられている簡易継手28を取り外し、反転ろ過器26を上下逆転して、反転ろ過器26内部のろ過残渣45をろ過残渣回収容器31に回収する。このとき、コンプレッサー29により圧縮空気を送り、反転ろ過器26内の固形物であるろ過残渣45が効率よく排出する手法も効果的である。
本実施例では、ろ過器ユニット24内に反転ろ過器26を1基設置している例を示したが、処理対象の廃液の処理容量に合わせ、複数の反転ろ過器26を設置することでも構わない。また、ろ過残渣45からの水分の分離方法としては、反転ろ過器26に替えてフィルタプレス機による圧搾でも可能である。
ろ過器ユニット24でろ過されたろ過水は、コンプレッサー29の圧縮エアーの圧力でろ過水受けタンク32に回収、貯蔵される。ろ過水受けタンク32内のろ過水は、冷却器33で冷却されており、安定した運転が可能となる。尚、ろ過水の移送は、移送ポンプを設けて移送することも可能である。
次に、ろ過水受けタンク32に貯蔵されたろ過水は、逆浸透膜浄化ユニット35にて濃縮操作が行われる。
逆浸透膜浄化ユニット35は、ろ過水受けタンク32からのろ過水を、逆浸透膜を透過して浄化される浄化水と逆浸透膜を透過しない濃縮水に分離する逆浸透膜装置37と、逆浸透膜装置37からの濃縮水を貯蔵する濃縮水受けタンク39とから概略構成され、ろ過水受けタンク32からのろ過水の濃縮操作は、逆浸透膜装置37で行われ、逆浸透膜装置37で濃縮された濃縮水は濃縮水受けタンク39に貯蔵され、濃縮水受けタンク39内の濃縮水の一部は、循環ライン40を経由して逆浸透膜装置37に還流されている。
尚、濃縮液をろ過水受けタンク32に回収貯蔵し、ろ過水受けタンク32と逆浸透膜装置37の間を循環させ、濃縮することも可能である。また、ろ過水中に多量のスケール成分が含まれている場合は、濃縮水受けタンク39内のpHを5以下に調整すれば良い。pHの調整は、pH計52で濃縮水受けタンク39内のpHを測定し、pHが5以上を検出した場合、酸供給タンク50からポンプ51を用いて塩酸、硝酸等を供給し、pH計52の計測値が5以下に達した時点で、酸の添加を停止することで行う。ろ過水の濃縮度は、後述する後工程の乾燥ユニット1へ供給可能な範囲内に調整するものである。
次に、濃縮後のろ過水(処理水という)は、乾燥ユニット1に移送される。乾燥ユニット1は、図2に詳細を示す如く、濃縮水受けタンク39からの処理水を予熱する予熱器4と、予熱された処理水を貯蔵、循環する循環槽5と、循環槽5を加熱する循環槽加熱容器6と、循環槽5からの処理水を蒸気と乾燥固体に分離する加熱回転平板12と、加熱回転平板12に循環槽5からの処理水を供給するスプレーノズル9と、加熱回転平板12に蒸気を供給するボイラー14と、加熱回転平板12の表面に付着した溶質を掻き落とすスクレーパ10と、スクレーパ10で掻き落とされて粉体化した乾燥スラッジを回収する乾燥スラッジ排出容器13とから構成されている。
そして、濃縮水受けタンク39からの処理水は、供給ポンプ3により予熱器4へ送られて予熱され、予熱後に循環槽6に供給される。循環槽5から循環ポンプ7により配管8を介して供給される処理水は、配管8の先端に設置されているスプレーノズル9により加熱回転平板12の表面に供給される。加熱回転平板12は、ボイラー14から供給された蒸気を熱源にして加熱されており、蒸気により加熱されることで供給された処理水中の水分は蒸発し、処理水は蒸気と乾燥固体に分離される。
一方、溶液に含まれる溶質は、乾燥固化時に加熱回転平板12の表面に付着するが、加熱回転平板12の表面に付着した溶質は、加熱回転平板12の回転力とスクレーパ10で掻き落とされ、粉体化して乾燥スラッジ排出容器13に回収される。
加熱回転平板12の表面上で発生した蒸気は、排気管47より排出(大気開放)され、水蒸気中に規制値以上の放射性物質が含まれる場合は、配管48を経由してろ過水受けタンク32に移送され、ろ過水受けタンク32内のろ過水と混合することにより凝縮させ、同時に放射性物質も回収するようにしている。また、水蒸気をろ過水受けタンク32に移送する場合は、ろ過水受けタンク32内のろ過水を冷却するため、冷却器33を設けることにより、安定した運転用が可能となる。
更に、加熱回転平板12の加熱に使用された蒸気は、配管17を経由して循環槽加熱容器6に導かれ、処理水の昇温及び配管18を介して予熱器4の熱源として供給することにより、ボイラー4の熱効率の向上を図っている。また、予熱器4からの蒸気は、配管19を介してドレンとして排出されると共に、一部は循環ライン41を介してボイラー4に還流されている。
また、反転ろ過器26で回収されたろ過残渣回収容器31内のろ過残渣45を、乾燥機42に移送し、この乾燥機42にて乾燥した後に回収、貯蔵するか、或いは反転ろ過器26を簡易継手25及び28で接続配管から取り外し、これにボイラー14からの排気を接続して乾燥機として使用し、反転ろ過器26内のろ過残渣45を乾燥して回収、貯蔵ことが有効である。尚、本実施例では、乾燥機42の熱源として、加熱回転平板12を加熱するボイラー14の燃焼ガスを配管43を介して乾燥機42に供給する乾燥システムの例を示した。
このような本実施例の構成とすることにより、除染廃液タンク20内の放射性物質を含んだ汚泥は、ろ過器ユニット24、逆浸透膜浄化ユニット35及び乾燥ユニット1で減容されると共に、固形物及び上澄み液に含有される放射性物質は、乾燥スラッジ排出容器13及びろ過残渣回収容器31に回収され、放射性物質を除去した浄化水は放出が可能となる。
次に、本発明の除染廃液の処理方法について、図7に示す処理フローを用いて説明する。
該図に示す如く、除染廃液タンク20内に充填された汚泥等の懸濁物と放射性物質を含む除染廃液(S1)を処理するに当たり、最初に、ろ過器ユニット24でろ過処理(S2)を行い懸濁物質をろ過残渣(S3)として回収する。このろ過残渣(S3)は、乾燥機42で温風により乾燥処理(S4)を追加して乾燥物(S5)として回収すると、長期間安定して保管することができる。
ろ過器ユニット24でのろ過処理(S2)により分離されたろ過水(S6)には、放射性物質とその他の不純物が廃液の中に溶解している。このろ過水中の放射性物質とその他の不純物を乾燥物として回収するための前処理として、逆浸透膜浄化ユニット35の濃縮処理(S7)を行い、浄化水(S8)と濃縮水(S9)に分離する。この逆浸透膜浄化ユニット35での濃縮処理(S7)により、処理水中の水分を削減することが可能となり、後工程の乾燥処理時間を短縮できる等の効果が得られ、処理が容易となる。
逆浸透膜浄化ユニット35での濃縮後の処理水を、乾燥ユニット1に供給して乾燥処理(S10)を行い、乾燥物(S11)と蒸気(S12)に分離され、乾燥物(S11)は回収される。本実施例では、加熱回転平板12上で蒸発濃縮し、最終的に溶解成分を乾燥物(S11)として回収する方法を選定した。
尚、廃液の中にカルシウム等のスケール成分を多く含む場合は、逆浸透膜の差圧上昇を伴うため、濃縮操作を行わず直接乾燥処理を行うことが良い。一方、スケール成分の析出防止として、市販のスケール抑制剤或いは塩酸、硫酸または硝酸等の酸を加え処理水のpHを調整することも可能である。
更に、乾燥処理(S10)時に廃液中の水分は蒸気(S12)として分離されが、この蒸気(S12)は、直接大気中へ放出するか、ろ過水(S6)に還流して冷却することで、凝縮水として回収することができる。ここで、凝縮水にはわずかな放射性物質が含まれる場合には、再度、逆浸透膜浄化ユニット35により浄化を行い、放射性物質を含まない浄化水として回収することができる。また、逆浸透膜で濃縮された放射性物質は、濃縮水として再びろ液タンクに戻し、再度濃縮及び乾燥処理を繰り返し、この繰り返しにより、セシウム等の放射性物質は、乾燥物と一緒に乾燥物として回収することが可能となる。
これらのプロセスにより除染廃液を処理することにより、二次廃棄物を極力削減しつつ、除染物は長期間の貯蔵および保管に好適な乾燥物として回収することが可能となる。
以上説明した本実施例によれば、汚染水と汚泥が共存する放射性廃液を処理するに当たり、二次廃棄物量を増やすことなく、効率よく固形物及び放射性物質を除去した浄化水に容易に分離、回収できることは勿論、固形物は、安定に長期間の保管可能な乾燥物として回収できる効果がある。
尚、上述した実施例のように、加熱平板型回転式の乾燥ユニットは、海水等の溶解成分ばかりでなくセラミック粉等の微粉末及び油分を含む等の多種、多様な廃液から容易に海塩、セラミック分、油分等の混入成分と水蒸気に分離することができる。また、加熱平板型回転式乾燥機は、乾燥面が平板であり連続的にスクレーパで掻き取りするため乾燥物の蓄積が少ない構造であることから、一般の乾燥機に生じる乾燥物の固着あるいは蓄積等による閉塞、回転機器の損傷等の障害を回避できる。よって、不特定多数の溶解成分を含む除染廃液の濃縮および乾燥処理に適している。
また、塩化セシウム(CsCl)添加しセシウム量として1000gを含む模擬廃液20Lを用いて蒸気中へ移行するセシウムの量を測定した発明者らが行った試験では、表1に示すように、添加したセシウムに対して蒸気へ移行比率は4%以下であった。
これらの結果から、廃液中に存在する放射性セシウムの96%以上が、乾燥物として回収できることが確認できた。よって、加熱平板型回転式乾燥機は、放射性物質の分離、回収装置としても有効に作用することが確認された。
Figure 2013186025
上述した実施例において、土壌等の粒子状懸濁物質を含む洗浄廃液から放射性物質を分離、除去するためには、フィルターを用いたろ過操作及び放射性物質の吸着処理に当たっては、粒子状の懸濁物質が障害となる。このため、廃液処理を効率的に処理するためには、粒子状の懸濁物質を含む除染廃液から懸濁物質を固液分離することが必要となる。
本発明者らは、土壌を10%含む模擬試験液1Lを一般的な紙製(親水性)のろ過材を用いてろ過し試験を行った。その結果を図3に示す。
該図に示すように、一般的な紙製(親水性)のろ過材を用いて土壌を懸濁した模擬液をろ過すると、図3の(A)のように、180mlを処理するのに約14分を要し、14分後には真空度700mmHgの吸引力では閉塞が生じ、ろ過処理の継続が困難となった。
この試験結果に示されるように、土壌等は微粒子の粘土も含むため、一般的なろ過材を用いたろ過操作では、ろ過材細孔が微粒子で閉塞し短時間でろ過差圧が上昇するため多量のろ過材を消費するばかりではなく、大きな過面積を有する設備が必要となる。
そこで、本発明者らは効率的なろ過を行うことができるろ過材の選定を行った。試験は、土壌を10%含む模擬試験液1Lを一般的な紙製(親水性)のろ過材を用いてろ過した場合(これが図3の(A))のろ過時間を比較することで判定した、その結果、図3に示すように、疎水性のろ過材を使用した場合(図3の(B))には、約11分で1Lの試験水全てを処理することができた。
これらの結果より、一般的な紙製(親水性)のろ過材を用いた場合(A)に比べ、疎水性のろ過材を使用すること(B)により、ろ過層の閉塞がなく、懸濁物質の分離時間が5倍以上短縮することを見出した。尚、疎水性のろ過材としては、四フッ化エチレン樹脂またはガラス繊維等が適用できる。
更に、疎水性のろ過材の上部に、体積ろ過材として海砂を約5mmの厚さで追加し(図3の(C))、上記と同様な試験を行った。その結果、図3に示すように、ろ過速度が疎水性ろ過材単独に比べ、ろ過速度の低下が抑制され、1Lのろ過処理時間が約35%短縮できた。尚、体積ろ過材としては、試験に採用した海砂の他に、珪藻土、ゼオライト粉末、粉末イオン交換樹脂等の採用が可能である。
以上の検討結果より、懸濁物質を含む除染廃液から懸濁物質を分離する際に、疎水性のろ過材及び体積ろ過材を使用することにより、効率的な固液分離処理が達成できることが理解される。
更に、回収したろ過残渣は、安定に保管可能な含水量まで乾燥処理を行うことが望ましい。乾燥処理は、高温ガスを用いる方法が有効であるが、ボイラー等の高温燃焼ガスを用いることが効率的ある。
次に、図4(a)及び図4(b)を用いて、逆浸透膜装置を用いた際の廃液の濃縮操作を説明する。
図4(a)に示すように、1000Lの処理水タンク60に約100ppmの塩素濃度に調整した食塩水を準備し、逆浸透膜61の濃縮水と浄化水との流量各々20L/分に設定し、試験装置を用いて濃縮試験を行った。浄化水が20L/分で放出されるため、図4(b)に示す如く、処理タンク60の水量(D)は、浄化時間の経過に伴い減少し、塩素濃度(E)が増加する。約40分後には、処理水タンク60の水量が約200Lまで減少し、塩素濃度は約4.9ppmに達した。
これらの結果より、逆浸透膜の塩素分離率は約99%であった。この試験結果に見られるように、可溶性の不純物は逆浸透膜を用いて効率的に濃縮することが可能である。
更に、汚泥を含む廃液およびコンクリート面を洗浄した廃液にカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)およびシリカ(Si)等のスケール成分が含まれる。これらの成分を多く含む廃液を逆浸透膜で濃縮すると、スケール成分の析出が生じ、逆浸透膜の通水圧力が増加、最終的には回収率の低下を招く。
そこで、発明者らは、図5(a)に示すような試験設備を用いて、コンクリートの粉末から抽出したスケール成分を添加した試験水を逆浸透膜へ供給し、循環運転を行った。試験結果は、下記(1)式で定義する回収率の変化で評価した。
回収率(%)=脱塩水流量(Y)/(脱塩水流量(Y)+濃縮水流量(X))…(1)
試験の結果、図5(b)に示すように、試験液のpHを調整しない試験水を逆浸透膜に通水すると、循環時間が約10時間以降で回収率が低下し、逆浸透膜の細孔にスケール成分が析出してしまい閉塞する事象が生じた。一方、試験水に塩酸を添加しpHを5に調整した後、同様に循環運転を行った。その結果、図5(b)に示すように、試験水のpHを5に調整した試験水では、90時間の運転期間中の回収率が大きく低下する現象は見られず、スケールの析出を回避できることを確認した。
これらの現象は、逆浸透膜により試験水のカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)及びシリカ(Si)等のスケール成分が濃縮されると、pHが上昇しアルカリ性に変化すると共に、pHの上昇に伴い大気中の二酸化炭素も溶解量も増加するため、スケール成分が炭酸塩として析出し易くなるためと考えられる。これらの挙動を緩和するためには、スケール成分の濃縮が生じた場合においても、二酸化炭素の溶解が生じないpHにあらかじめ調整することが有効である。
具体的には、図6の試験結果にみられるように、コンクリート粉末の抽出成分を含む試験水のpHを6(図6の(F))及び5(図6の(G))に調整した試験液を、2倍、4倍、6倍及び8倍に濃縮した。その結果、pHを6(図6の(F))に調整した試験水は濃縮の進行に伴い、pHが上昇した。
この現象は、当初試験水に含まれていた炭酸イオンが濃縮に伴い気化し濃度が減少した結果と、気化しない残りのカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、シリカ(Si)等のアルカリ成分の濃度増加がバランスした結果を示していた。
一方、pHを5(図6の(G))に調整した試験水は、ほぼ濃縮倍率に依存しpHが低下した。この結果は、pHを5(図6の(G))に調整した時点で、炭酸イオンの溶解がほとんどない状態にあった結果を示していた。
これらの結果より、スケール成分を含む除染廃液を濃縮する場合には、処理水のpHを5以下に調整することにより安定した運転が可能であることが理解される。
尚、スケール生成抑制のため、市販のスケール防止剤を添加することも効果的である。
次に、放射性物質の浄化装置として適用する逆浸透膜浄化装置35の機能について、以下に説明する。
即ち、逆浸透膜法は、一般的に溶液中の溶質やイオンなどを阻止し、溶媒のみが透過する。膜には半透明膜が用いられ、一般的には海水の淡水化や超純水などの製造に用いられる。従って、逆浸透膜法により水にイオン成分として溶解しているセシウム等の放射性物質に加え、微粒子の放射性成分も分離することが可能である。
表2に、本発明者らが行った逆浸透膜浄化装置35を用いたセシウムの浄化性能の確認結果から、逆浸透膜により放射性セシウムは1/80(除去率に換算すると約98%)に浄化された。
Figure 2013186025
以上の結果より、ゼオライト等の放射性物質吸着材を用いて放射性物質を浄化するケースに比べ、逆浸透膜を用いることにより吸着剤等の二次廃棄物の発生を回避して廃液の処理が達成できる。
尚、処理水に微粒子の懸濁物が存在する廃液を逆浸透膜装置37で処理した場合には、微粒子により逆浸透膜の細孔が閉塞し逆浸透膜の取替えが必要となることが想定される。このため、逆浸透膜装置の処理水は、微粒子を含まない廃液を対象とすることが望ましい。
本実施例の場合は、上述した加熱平板型回転式乾燥機11で分離した蒸気中に、微量含まれる放射性物質を浄化する設備として適用することが有効である。この場合、加熱平板型回転式乾燥機11と逆浸透膜装置37を組み合わせた場合の放射性セシウムの浄化率は、約99.9%が期待できる。
ところで、上述した図3で説明した疎水性ろ過材を用いたろ過操作で得たろ過残渣及び図1で説明した乾燥ユニット1で回収した乾燥物を安定に保管するためには、回収物を十分な乾燥状態に維持することが必要である。
回収物をステンレスの保管容器に収納する場合は、塩化物等による大気腐食割れを抑制できる乾燥度を維持することが望ましい。例えば、庄司らの研究(出展:防食技術、38、92(1989))によると、海塩がステンレス鋼表面に付着した場合、雰囲気の相対湿度が20%〜40%で大気腐食割れが発生すると報告されている。
一方、除染廃液から回収したろ過残渣及び乾燥物の中には吸湿性を持たない砂塵等の成分と雰囲気の湿分より多くの水分を含む吸湿性を有する成分が混在している。このため、ろ過残渣及び乾燥物の中に多量の塩分を含んでいても、前記回収物の水分含有率を20%以下に乾燥することにより、貯蔵容器内の雰囲気の相対湿度を20%以下に維持できる。
以上の結果より、回収したろ過残渣及び乾燥物の水分含有率を、20%以下となるまで乾燥することが望ましい。
尚、本実施例で説明したろ過器ユニット24、逆浸透膜浄化ユニット35及び乾燥ユニット1をトラック或いはトレーラー等の車両に搭載すれば、可動性が向上し活用範囲が拡大できる。また、本発明の除染廃液の処理装置は、放射性物質を含まない廃液の処理にも有効であることは言うまでもない。
1…乾燥ユニット、3…供給ポンプ、4…予熱器、5…循環槽、6…循環槽加熱容器、7…循環ポンプ、8、15、17、18、19、36、38、43、48…配管、9…スプレーノズル、10…スクレーパ、11…加熱平板型回転式乾燥機、12…加熱回転平板、13…乾燥スラッジ排出容器、14…ボイラ、16、30…バルブ、20…除染廃液タンク、21…攪拌器、22…スラッジ移送ポンプ、23…ろ過入り口弁、24…ろ過器ユニット、25、28…簡易継手、26…反転ろ過器、27…疎水性ろ過材、29…コンプレッサー、31…ろ過残渣回収容器、32…ろ過水受けタンク、33…冷却器、35…逆浸透膜浄化ユニット、37…逆浸透膜装置、39…濃縮水受けタンク、40、41…循環ライン、42…乾燥機、45…ろ過残渣、46…スラッジ、47…排気管、50…酸供給タンク、51…ポンプ、52…pH計、60…処理水タンク、61…逆浸透膜。

Claims (26)

  1. 溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む放射性物質で汚染された除染廃液を処理する除染廃液の処理装置において、
    前記溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む放射性物質で汚染された除染廃液が充填される除染廃液タンクと、該除染廃液タンクからの除染廃液を、ろ過残渣とろ過水に分離するろ過器ユニットと、該ろ過器ユニットからのろ過水を濃縮水と浄化水に分離する逆浸透膜浄化ユニットと、該逆浸透膜浄化ユニットからの濃縮水が供給されて乾燥固化する乾燥ユニットとを備えていることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  2. 請求項1に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記ろ過器ユニットでろ過されたろ過水を貯蔵するろ過水受けタンクと、該ろ過水受けタンクのろ過水を冷却する冷却器とを備えていることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記ろ過器ユニットは、ろ過材が装荷されたろ過器と、該ろ過器を加圧し、前記溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む廃液を固液分離するコンプレッサーと、前記ろ過器でろ過処理されてろ過残渣を回収する回収容器とから成ることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  4. 請求項3に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記ろ過器は、上下に反転する反転ろ過器であり、かつ、該反転ろ過器に装荷される前記ろ過材は、疎水性ろ過材であることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  5. 請求項4に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記疎水性ろ過材は、四フッ化エチレン樹脂またはガラス繊維からなることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  6. 請求項4又は5に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記疎水性ろ過材の上部に、体積ろ過材として海砂、珪藻土、ゼオライト粉末、粉末イオン交換樹脂のいずれか1つが設置されていることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  7. 請求項1又は2に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記逆浸透膜浄化ユニットは、前記ろ過器ユニット若しくは前記ろ過水受けタンクからのろ過水を、逆浸透膜を透過して浄化される浄化水と逆浸透膜を透過しない濃縮水に分離する逆浸透膜装置と、該逆浸透膜装置からの濃縮水を貯蔵する濃縮水受けタンクとから成ることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  8. 請求項7に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記濃縮水受けタンク内の濃縮水の一部は、前記逆浸透膜装置に還流されていることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  9. 請求項7又は8に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記濃縮水受けタンク内のpHを測定するpH計と、該pH計でpHが5以上を検出した場合には酸が供給され、該pH計でpHが5以下を検出した場合には酸の供給が停止される酸供給タンクとを備えていることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記乾燥ユニットは、前記濃縮水受けタンクからの処理水を予熱する予熱器と、該予熱器で予熱された処理水を貯蔵、循環する循環槽と、該循環槽からの処理水を蒸気と乾燥固体に分離する加熱回転平板と、該加熱回転平板に前記循環槽からの処理水を供給するスプレーノズルと、前記加熱回転平板に蒸気を供給するボイラーとから成ることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  11. 請求項10に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記加熱回転平板の表面に付着した溶質を掻き落とすスクレーパと、該スクレーパで掻き落とされて粉体化した乾燥スラッジを回収する乾燥スラッジ排出容器とを備えていることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  12. 請求項10又は11に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記加熱回転平板の表面上で発生した蒸気は、排気管より大気開放されると共に、前記蒸気中に規制値以上の放射性物質が含まれる場合は、配管を経由して前記ろ過水受けタンクに移送され、該ろ過水受けタンク内のろ過水と混合することにより凝縮されることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  13. 請求項10又は12に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記循環槽内の処理水を加熱する循環槽加熱容器を備え、かつ、前記加熱回転平板の加熱に使用された蒸気を前記循環槽加熱容器に導き、前記循環槽内の処理水を昇温すると共に、前記循環槽加熱容器からの蒸気が前記予熱器の熱源として供給されることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  14. 請求項13に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記前記予熱器の熱源として供給された蒸気は、配管を介してドレンとして排出されると共に、前記蒸気の一部は、前記ボイラーに還流されることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  15. 請求項10に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記ボイラーからの燃焼ガスを熱源とする乾燥機を備え、前記反転ろ過器で回収された前記回収容器内のろ過残渣を、前記乾燥機に移送して乾燥した後に回収、貯蔵するか、若しくは前記反転ろ過器を接続配管から取り外し、これに前記ボイラーからの排気を接続して乾燥機として使用し、前記反転ろ過器内のろ過残渣を乾燥して回収、貯蔵することを特徴とする除染廃液の処理装置。
  16. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の除染廃液の処理装置において、
    前記ろ過器ユニット、逆浸透膜浄化ユニット及び乾燥ユニットが、車両に搭載されて移動可能であることを特徴とする除染廃液の処理装置。
  17. 溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む放射性物質で汚染された除染廃液を処理する除染廃液の処理方法において、
    前記溶解性の汚染物と粒子状の懸濁物質を含む放射性物質で汚染された除染廃液が充填される除染廃液タンクからの除染廃液を、ろ過器ユニットでろ過残渣とろ過水に分離する工程と、前記ろ過器ユニットからのろ過水を、逆浸透膜浄化ユニットで濃縮水と浄化水に分離する工程と、前記逆浸透膜浄化ユニットからの濃縮水を乾燥ユニットで乾燥固化する工程とから成ることを特徴とする除染廃液の処理方法。
  18. 請求項17に記載の除染廃液の処理方法において、
    前記ろ過器ユニットに移送された除染廃液は、反転ろ過器に導入された後、ろ過器入り口弁を閉止し、前記反転ろ過器の上部を、コンプレッサーにて加圧し、懸濁物を含む廃液を固液分離すると共に、前記反転ろ過器でのろ過処理が終了した後、前記反転ろ過器を上下逆転させて、該反転ろ過器内部のろ過残渣を回収容器に回収することを特徴とする除染廃液の処理方法。
  19. 請求項18に記載の除染廃液の処理方法において、
    前記反転ろ過器でのろ過処理は、疎水性のろ過材若しくは疎水性のろ過材と体積ろ過材を用いて行われることを特徴とする除染廃液の処理方法。
  20. 請求項17乃至19のいずれか1項に記載の除染廃液の処理方法において、
    前記ろ過器ユニット若しくはろ過水受けタンクから前記逆浸透膜浄化ユニットに移送されたろ過水は、逆浸透膜装置で逆浸透膜を透過して浄化される浄化水と逆浸透膜を透過しない濃縮水に分離されると共に、前記逆浸透膜装置からの濃縮水が、濃縮水受けタンクに貯蔵されることを特徴とする除染廃液の処理方法。
  21. 請求項19に記載の除染廃液の処理方法において、
    前記濃縮水受けタンク内のpHをpH計で測定すると共に、該pH計でpHが5以上を検出した場合には酸供給タンクから酸が供給され、該pH計でpHが5以下を検出した場合には酸供給タンクからの酸の供給が停止されることを特徴とする除染廃液の処理方法。
  22. 請求項17乃至20のいずれか1項に記載の除染廃液の処理方法において、
    前記逆浸透膜浄化ユニットから移送された処理水は、供給ポンプにより予熱器へ送られて予熱されると共に、該予熱器での予熱後に循環槽に供給され、かつ、該循環槽から循環ポンプにより配管を介して供給される処理水は、スプレーノズルにより加熱回転平板の表面に供給されて加熱され、該蒸気により加熱されることで供給された処理水は蒸気と乾燥固体に分離されることを特徴とする除染廃液の処理方法。
  23. 請求項21に記載の除染廃液の処理方法において、
    前記加熱回転平板の表面に付着した溶質は、該加熱回転平板の回転力とスクレーパで掻き落とされ、粉体化して乾燥スラッジ排出容器に回収されることを特徴とする除染廃液の処理方法。
  24. 請求項21又は22に記載の除染廃液の処理方法において、
    前記加熱回転平板は、ボイラーから供給された蒸気を熱源にして加熱されていることを特徴とする除染廃液の処理方法。
  25. 請求項21乃至23のいずれか1項に記載の除染廃液の処理方法において、
    前記加熱回転平板の加熱に使用された蒸気を、前記循環槽内の処理水を加熱する循環槽加熱容器に導き、前記循環槽内の処理水を昇温すると共に、前記循環槽加熱容器からの蒸気が前記予熱器の熱源として供給されることを特徴とする除染廃液の処理方法。
  26. 請求項21に記載の除染廃液の処理方法において、
    前記反転ろ過器で回収された前記回収容器内のろ過残渣を、前記ボイラーからの燃焼ガスを熱源とする乾燥機に移送して乾燥した後に回収、貯蔵するか、若しくは前記反転ろ過器を接続配管から取り外し、これに前記ボイラーからの排気を接続して乾燥機として使用し、前記反転ろ過器内のろ過残渣を乾燥して回収、貯蔵することを特徴とする除染廃液の処理方法。
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