JP2013185460A - エンジン部品の断熱構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】断熱性が良好で剛性が高くて信頼性が高い断熱構造体を備えた、エンジン部品の断熱構造を提供する。
【解決手段】エンジン部品基材20上に固定され、該基材20表面に沿った形状に形成されていて、複数枚の金属製板材22が積層されてなる断熱構造体21を備え、その断熱構造体21の複数枚の板材22は、相隣接する任意の2つの板材22間に空気断熱層25が形成されるように、該両板材22の該空気断熱層25を挟んで相対向する対向面のうち少なくとも一方の対向面に設けられた複数の突起部23を介して該両板材22同士が接合された状態で積層され、上記少なくとも一方の対向面に設けられた突起部23は、当該突起部23が設けられた対向面に対して空気断熱層25を挟んで対向する対向面に接合される。
【選択図】図4
【解決手段】エンジン部品基材20上に固定され、該基材20表面に沿った形状に形成されていて、複数枚の金属製板材22が積層されてなる断熱構造体21を備え、その断熱構造体21の複数枚の板材22は、相隣接する任意の2つの板材22間に空気断熱層25が形成されるように、該両板材22の該空気断熱層25を挟んで相対向する対向面のうち少なくとも一方の対向面に設けられた複数の突起部23を介して該両板材22同士が接合された状態で積層され、上記少なくとも一方の対向面に設けられた突起部23は、当該突起部23が設けられた対向面に対して空気断熱層25を挟んで対向する対向面に接合される。
【選択図】図4
Description
本発明は、エンジン部品の断熱構造に関する技術分野に属する。
1980年代に、エンジンの熱効率を高める方法として、エンジン燃焼室に臨む部分に断熱層を設けることが提案され(例えば特許文献1参照)、その後も、セラミックス焼結体又は低熱伝導性を有するZrO2粒子を含む溶射層からなる断熱層が提案されている。
ところが、セラミックス焼結体は、熱応力や熱衝撃によるクラックの発生や割れという問題に直面し、特に、ピストン頂面、シリンダライナ、シリンダヘッド下面等のように、比較的大きな面積を有する部分へのセラミックス焼結体の適用は実用に至ったことがない。一方、溶射層は、シリンダライナやロータリエンジンのトロコイド面への採用で実績があるものの、これは、断熱のためではなく、耐摩耗性の向上を目的としたものである。溶射層を断熱層とするためには、上記のようにZrO2を主体とする低熱伝導材料を溶射することが好ましいが、このような溶射層は、サーメット系の層よりも粒子間の密着性が劣り、繰返し応力や熱応力に伴う疲労等によりクラックの発生が生じ易いという問題がある。
そのため、例えば特許文献2では、断熱層(断熱用薄膜)が、粒状に形成された多数の断熱材と、膜状に形成された断熱材とを含み、粒状の断熱材が、母材よりも低い熱伝導率及び単位体積当たりの熱容量を有し、さらに、膜状の断熱材よりも低い熱伝導率及び単位体積当たりの熱容量を有し、さらに、断熱用薄膜には、断熱用薄膜を補強するための補強用繊維材を混入した構造が提案されている。
また、別の断熱構造として、空気断熱層を用いることも知られている。例えば特許文献3によれば、排気ポートに、間に空気層を有する二重管を挿入することが示されている。
ところで、エンジンの燃焼室に臨むエンジン部品としては、ピストンやシリンダヘッド、シリンダブロック、バルブ等があるが、これらのエンジン部品に、特許文献2や特許文献3の断熱構造を適用することが考えられる。
しかし、上記エンジン部品に特許文献2の断熱構造を適用した場合、燃焼圧力の変動や熱応力、熱疲労等により、特許文献2の断熱構造をもってしても十分な耐久性が確保できるかどうかは不明である。しかも、溶射等によって断熱層を形成した場合、所定寸法に仕上げるための研削加工を行う必要があり、そのような研削加工を行う際に、その加工自体によるクラックが発生する可能性がある。
また、特許文献3に示されているような空気断熱層を2枚の板材間に設けて断熱構造体を形成し、その断熱構造体をピストンやシリンダライナ等に適用した場合、燃焼圧力の変動に伴って、空気断熱層を挟む板材が変形し易く、熱疲労が生じる虞がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、断熱性が良好で剛性が高くて信頼性が高い断熱構造体を備えた、エンジン部品の断熱構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、エンジン部品の断熱構造として、エンジン部品基材上に固定され、該基材表面に沿った形状に形成されていて、複数枚の金属製板材が積層されてなる断熱構造体を備え、上記断熱構造体の上記複数枚の板材は、相隣接する任意の2つの板材間に空気断熱層が形成されるように、該両板材の該空気断熱層を挟んで相対向する対向面のうち少なくとも一方の対向面に設けられた複数の突起部を介して該両板材同士が接合された状態で積層され、上記少なくとも一方の対向面に設けられた突起部は、当該突起部が設けられた対向面に対して上記空気断熱層を挟んで対向する対向面に接合されている、という構成とした。
上記の構成により、断熱構造体における相隣接する2つの板材間に空気断熱層が形成され、この空気断熱層により良好な断熱性が得られるようになる。そして、相隣接する2つの板材は、複数の突起部により支持されるので、突起部の数や複数の突起部間の間隔を調整することにより、板材がその積層方向に大きな力を受けても変形しないように(撓まないように)することができ、この結果、板材に熱疲労等が生じ難くなるとともに、断熱構造体の剛性を向上させることができる。しかも、突起部の板材対向面に対する接合面積を出来る限り小さくする(点接触に近付ける)ことにより、突起部を介して板材間を熱が伝達するのを抑制することができ、断熱性を良好に維持することができる。
上記エンジン部品の断熱構造において、上記断熱構造体には、3枚以上の上記板材の積層により、2層以上の上記空気断熱層が形成されている、ことが好ましい。
このことにより、2層以上の空気断熱層によって断熱性をより一層向上させることができる。
上記のように2層以上の空気断熱層が形成される場合、上記エンジン部品基材直上の板材には、該板材を貫通する貫通孔が設けられており、上記貫通孔が設けられた板材と該板材に隣接する板材との間の上記空気断熱層の一部に、上記貫通孔を介して上記基材が入り込んでいる、という構成としてもよい。
このことで、断熱構造体を、エンジン部品基材に固定した状態で該基材上に容易に設けることができるようになる。
上記のように上記空気断熱層の一部に上記基材が入り込んでいる場合、上記エンジン部品は、アルミニウム合金製ピストンであり、上記断熱構造体は、上記ピストンの頂面に配置されていて、上記貫通孔が設けられた板材と該板材に隣接する板材との間の上記空気断熱層の一部に上記基材が入り込んだ状態で、上記基材に固定されている、という構成としてもよい。
これにより、エンジン燃焼室に臨むピストン頂面に、断熱性が良好で剛性が高くて信頼性が高い断熱構造体を容易に設けることができる。
上記エンジン部品の断熱構造において、上記エンジン部品は、シリンダブロックであり、上記断熱構造体は、上記シリンダブロックのシリンダボアの軸方向の一部に配置される円筒状のシリンダボア部材を構成しており、上記シリンダボア部材は、上記シリンダボアにおいて、上死点位置に位置するピストンのトップリングに対して下死点側とは反対側に設けられている、という構成としてもよい。
このことで、エンジン燃焼室に臨むシリンダボアに、断熱性が良好で剛性が高くて信頼性が高い断熱構造体を設けることができるとともに、断熱構造体(シリンダボア部材)が、ピストンリングと摺接しない位置に配置されるので、断熱構造体の内周面に対して耐摩耗処理を施す必要がない。
上記シリンダボア部材は、上記シリンダボアに対しピストン上死点側の開口から圧入又は冷嵌めにより挿入されたものである、ことが好ましい。
このことにより、断熱構造体としてのシリンダボア部材を、シリンダブロックのシリンダボアにおける、上死点位置に位置するピストンのトップリングに対して下死点側とは反対側に容易に設けることができる。
以上説明したように、本発明のエンジン部品の断熱構造によると、エンジン部品における、圧力変動の大きい燃焼室に臨む面に、断熱性が良好で剛性が高くて信頼性が高い断熱構造体を容易に設けることができ、特に幾何学的圧縮比が高いエンジンの図示熱効率を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る断熱構造が適用されるエンジン部品を備えたエンジンを示す。図1において、1はピストン、1aは該ピストン1に設けられたピストンリング、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はシリンダヘッド3の吸気ポート5を開閉する吸気バルブ、6は排気ポート7を開閉する排気バルブ、8は燃料噴射弁である。尚、点火プラグの図示は省略している。
吸気バルブ4は、傘部4aと、傘部4aの裏側に設けられたステム部4bとを有する。また、吸気バルブ4の傘部4aは、不図示の吸気バルブ駆動機構によりステム部4bを介して駆動されて、吸気ポート5を開閉する。傘部4aにより吸気ポート5が閉じられているとき、傘部4aの裏側表面(吸気ポート5に臨む面)の外周部が、吸気バルブシート15に当接している。同様に、排気バルブ6は、傘部6aと、傘部6aの裏側に設けられたステム部6bとを有する。排気バルブ6の傘部6aは、不図示の排気バルブ駆動機構によりステム部6bを介して駆動されて、排気ポート7を開閉する。傘部6aにより排気ポート7が閉じられているとき、傘部6aの裏側表面(排気ポート7に臨む面)の外周部が、排気バルブシート16に当接している。
上記エンジンの燃焼室は、ピストン1の頂面、シリンダブロック2のシリンダボア2aの内周面、シリンダヘッド3の下面、並びに、吸気及び排気バルブ4,6の傘部4a,6aの表側表面(燃焼室に臨む面)で形成される。ピストン1の頂面には、キャビティ9が形成されている。
本実施形態では、ピストン1、シリンダブロック2及びシリンダヘッド3は、アルミニウム合金鋳物で構成され、吸気及び排気バルブ4,6は、耐熱鋼で構成されている。
上記エンジンは、幾何学的圧縮比ε=20〜50とされ、少なくとも部分負荷域での空気過剰率λ=2.5〜6.0で運転されるリーンバーンエンジンである。このため、エンジンの冷却損失を大幅に低減させなければ、すなわち、エンジンの断熱性を高くしなければ、その幾何学的圧縮比ε及び空気過剰率λに見合う所期の熱効率を得ることができない。この点をモデル計算による図示熱効率に基づいて説明する。すなわち、幾何学的圧縮比εを増大させていったとき、燃焼室を断熱構造にするか否かで、また、空気過剰率λの大小で、エンジンの図示熱効率がどのように影響されるかをモデル計算した。
図2はその結果を示す。同図において、「断熱なし」は、燃焼室に断熱構造を採用していない従来のエンジンを意味し、「断熱あり」は、「断熱なし」の従来のエンジンよりも燃焼室の断熱率を50%高めたエンジンを意味する。「200kPa」及び「500kPa」はエンジン負荷(正味平均有効圧力)の大きさを表す。
まず、「断熱なし 200kPa λ=1」の場合、幾何学的圧縮比εの増大に伴って図示熱効率が増大しているが、幾何学的圧縮比ε=50を超えても図示熱効率は大きく改善せず、幾何学的圧縮比ε=50での理論効率は80%程度であるから、当該エンジンの図示熱効率はかなり低い。この差の大部分は冷却損失及び排気損失である。
「断熱なし 200kPa λ=2」の場合、空気過剰率の増加により比熱比が小さくなるため、図示熱効率が高くなっているが、それでも、理論効率からみれば低い。「断熱なし 200kPa λ=4」及び「断熱なし 200kPa λ=6」をみると、幾何学的圧縮比εが15又は25を超えると、該幾何学的圧縮比εが大きくなるほど図示熱効率が低下している。これは、空気過剰率λが大きい(混合気の空気密度が高い)ことから、高圧縮比になると燃焼時のガス圧が非常に高くなり、ガス圧及び温度の関数である熱伝達率が高くなって冷却損失が大きくなるためである。すなわち、空気過剰率λの増大(比熱比の増大)による熱効率の上昇を上回って冷却損失が大きくなるためである。
これに対して、「断熱あり 200kPa λ=2.5」では、幾何学的圧縮比εの増大に伴って図示熱効率が増大している。空気過剰率λを高めた「断熱あり 200kPa λ=6」では、幾何学的圧縮比εが40を超えると、図示熱効率が若干下がり気味になるものの、図示熱効率は幾何学的圧縮比ε=20〜50において非常に高い値になっている。エンジン負荷を高めた「断熱あり 500kPa λ=2.5」でも、図示熱効率は幾何学的圧縮比ε=20〜50において高い値になっている。
図3は空気過剰率λと図示熱効率との関係をみたグラフである。「断熱なし 200kPa ε=15」では、空気過剰率λ=4.5付近で図示熱効率がピークになり、それよりも空気過剰率λが増大するほど図示熱効率が低下している。これに対して、「断熱あり 200kPa ε=40」では、空気過剰率λ=6.0付近で図示熱効率がピークになっている。幾何学的圧縮比εが高いことと、断熱による冷却損失抑制の効果である。
上記リーンバーンエンジンの場合、少なくとも部分負荷域では空気過剰率λ=2.5以上で運転するから、NOx発生の抑制に有利になる。幾何学的圧縮比εが高くなると、燃焼温度が高くなるが、空気過剰率λをエンジン負荷が高くなるほど大きくなるように制御することにより、燃焼最高温度が1800Kを超えないようにしてNOx発生を抑制することができる。
また、図示は省略するが、上記エンジンの吸気系には吸気を冷却するインタークーラーが設けられている。これにより、圧縮開始時の筒内ガス温度が低くなり、燃焼時のガス圧及び温度の上昇が抑えられ、冷却損失の低減(図示熱効率の改善)に有利になる。
そこで、上記幾何学的圧縮比ε=20〜50及び空気過剰率λ=2.5〜6.0で運転されるエンジンにおいて、冷却損失を低減して図示熱効率を高めるべく、燃焼室に臨む面(燃焼室を区画する面)に断熱層を設ける。このようなエンジンの燃焼室に臨む面を有するエンジン部品の該燃焼室に臨む面(ピストン1の頂面や、シリンダブロック2のシリンダボア2aの内周面、シリンダヘッド3の下面等)に、本発明の断熱構造を適用する。
図4は、本発明の実施形態に係る断熱構造を、アルミニウム合金製ピストン1(エンジン部品)に適用した例(第1例)を示す。このピストン1の頂面(燃焼室に臨む面)に断熱構造体21が配置されている。
上記断熱構造体21は、ピストン1を構成するエンジン部品基材20上に固定されかつ該基材20表面に沿った形状に形成されている。すなわち、断熱構造体21は、キャビティ9が形成されたピストン1の頂面に沿うように、断熱構造体21の中央部が下側に凹んだ形状に形成されている。断熱構造体21は、複数枚(本例では、4枚)の板材22がピストン上下方向に積層されてなるものである。以下、最下部の板材22を第1板材22Aといい、その上側に積層される板材22を、下から順に、第2板材22B、第3板材22C、及び第4板材22Dという。また、それらを区別しない場合には、単に板材22という。
上記各板材22は、金属製の板材であって、本例では、厚さ1.0mmのスチール製(例えばSUS316)の板材である。第1板材22A、第2板材22B及び第3板材22Cの上面には、上側に突出する複数の突起部23が設けられている。第4板材22Dには、突起部23は設けられていないが、第4板材22Dの周縁部に、全周に亘って下側に折り曲げられてなる折曲部26が設けられている。この折曲部26は、第1板材22A、第2板材22B及び第3板材22Cの端面全周を覆っている。
第1板材22A、第2板材22B、第3板材22C及び第4板材22Dはそれぞれ、プレス成形により所定の形状に形成されたものであり、プレス成形により、各板材22がピストン1の頂面に沿うように該板材22の中央部が凹んだ形状に形成されて、該凹んだ部分がキャビティ9とされる。また、第1板材22A、第2板材22B及び第3板材22Cにおいては、突起部23が形成される。各板材22は、ピストン1上側(シリンダヘッド3側)から見て、ピストン1の径と略同じ径の円形状をなしている。
本例では、第4板材22Dを除く各板材22の突起部23は、図5(第4板材22Dがない状態の断熱構造体21を、ピストン1上側から見た図)に示すように、板材22の厚み方向(板材22の積層方向と一致)から見て、互いに所定の間隔をあけて配列されている。具体的には、縦方向(図5の図面の上下方向)に一直線状に列をなすように複数の突起部23が並んで突起部列を形成し、このような突起部列が複数列、突起部列の直線とは垂直な横方向(図5の図面の左右方向)に間隔をあけて設けられている。各突起部列の相隣接する2つの突起部23の間隔は、例えば15mmであり、相隣接する2つの突起部列の間隔も15mmである。各突起部23の突出高さは、例えば1mmである。各突起部23は、本例では、円錐状をなしている。すなわち、後述の如く、板材22の上面に設けられた突起部23が、該板材22の上側に隣接する板材22の下面に接合されるが、その接合面積を出来る限り小さくする(点接触に近付ける)べく、先細り状にしている。
第4板材22Dを除く各板材22の下面(突起部23が設けられた面とは反対側の面)には、突起部23のプレス成形に伴って、突起部23に対応する凹部24が形成されている。
上記複数枚の板材22は、相隣接する任意の2つの板材22間に空気断熱層25が形成されるように、該両板材22の該空気断熱層25を挟んで相対向する対向面(該両板材22のうち下側の板材22の上面及び上側の板材22の下面)のうち少なくとも一方の対向面(本例では、下側の板材22の上面)に設けられた複数の突起部23を介して該両板材22同士が接合された状態で積層されている。すなわち、上記両板材22間には、突起部23の突出高さと同じ間隔の隙間(空間)が生じ、この隙間(空間)が空気断熱層25とされる。本例では、4枚の板材22間に3層の空気断熱層25が形成されることになる。
上記少なくとも一方の対向面(本例では、上記両板材22のうち下側の板材22の上面)に設けられた突起部23は、当該突起部23が設けられた対向面(下側の板材22の上面)に対して空気断熱層25を挟んで対向する対向面(上側の板材22の下面)にプロジェクション溶接(抵抗溶接)により接合されている。ここで、上記両板材22のうち上側の板材22の下面に凹部24が存在する場合において、その凹部24の位置(つまり上側の板材22の突起部23の位置)が、板材22の積層方向から見て下側の板材22の突起部23と同じ位置に存するとすると、上記凹部24により、下側の板材22の突起部23が上側の板材22の上面に当接せず、このため、下側の板材22の突起部23が上側の板材22の上面に接合できないことになる。そこで、板材22の積層方向から見て、下側の板材22の突起部23の位置を上側の板材22の突起部23の位置(つまり凹部24の位置)とは異ならせており、下側の板材22の突起部23が、上側の板材22の下面における凹部24が存在しない部分に接合されるようにしている。本例では、板材22の積層方向から見て、下側の板材22における各突起部列が、上側の板材22における相隣接する2つの突起部列の間に位置するとともに、下側の板材22における各突起部列の各突起部23が、上側の板材22における突起部列の相隣接する2つの突起部23間に対応する位置に位置している(図5に実線で示す突起部列と破線で示す突起部列とを参照)。また、板材22の積層方向から見て、第1板材22Aの突起部23の位置と第3板材22Cの突起部23の位置(図5に実線で示す位置)とは同じである。
尚、相隣接する上記両板材22が、該両板材22の対向面(下側の板材22の上面及び上側の板材22の下面)に設けられた複数の突起部23を介して接合されるようにしてもよい。この場合、下側の板材22の上面における上側に突出する突起部23(1つであってもよく複数であってもよい)が上側の板材22の下面に接合され、上側の板材22の下面における下側に突出する突起部23(1つであってもよく複数であってもよい)が下側の板材22の上面に接合されることになる。このような構成にするには、第2板材22B及び第3板材22Cを、上面及び下面に突起部23が形成されたものとすればよく、第1板材22Aは、上面のみに突起部23が形成されたものとし、第4板材22Dは、下面のみに突起部23が形成されたものとすればよい。また、板材22の積層方向から見て、相隣接する両板材22のうち下側の板材22の突起部23(上側及び下側に突出する突起部23を含む)の位置が、上側の板材22の突起部23(上側及び下側に突出する突起部23を含む)の位置とは異なることになる。上記のように第4板材22Dの下面に突起部23を形成した場合、第4板材22Dの上面に凹部24が存在することになるが、このような凹部24を残したくない場合には、凹部24内に、例えば、アルミナやシリカ等の無機物からなる充填剤を充填するようにすればよい。或いは、第4板材22Dは、突起部23(凹部24)がない平板としてもよい(但し、周縁部には折曲部26が設けられる)。
第1板材22Aの突起部23(凹部24)が存在しない部分には、第1板材22Aをその厚み方向に貫通する円形の複数の貫通孔27が設けられている。本例では、図5に示すように、第1部材22Aの厚み方向から見て、第1板材22Aの相隣接する2つの突起部列の間において縦方向に一直線状に列をなすように複数の貫通孔27が並んで貫通孔列を形成し、このような貫通孔列が複数列、貫通孔列の直線とは垂直な横方向に間隔をあけて設けられている。相隣接する2つの貫通孔列の間隔は、突起部列の間隔と同じ15mmであるが、各貫通孔列の相隣接する2つの貫通孔27の間隔は、その半分の7.5mmとしている。板材22の積層方向から見て、第1部材22Aの貫通孔列の直線が第2部材22Bの突起部列の直線と同じ位置にあるとともに、第2部材22Bの突起部列の突起部23が、上記貫通孔列の1つおきの貫通孔27と同じ位置にある。
第1板材22Aと第2板材22Bとの間には、第1板材22Aの突起部23により空気断熱層25が形成されているが、その空気断熱層25の一部には、上記貫通孔27を介して基材20が入り込んでいる。断熱構造体21を製造する際、上記空気断熱層25の一部に、上記貫通孔27を通してアルミニウム合金溶湯を流入させることで、上記のように基材20が入り込んだ形態となる。各貫通孔27を介して空気断熱層25に入り込んだ基材20は、板材22の積層方向から見て、当該貫通孔27を中心にその周囲全体に拡がるように入り込んでおり、これにより、基材20に第1板材22Aが固定される。第1板材22Aと第2板材22Bとの間の空気断熱層25は、該空気断熱層25への基材20の入り込み量が多すぎると、空気断熱層25の役割を有しなくなる。そこで、空気断熱層25への基材20の入り込み量は、基材20に第1板材22Aを固定できる程度に出来る限り少なくするのが好ましい。尚、基材20は、第1板材22Aの凹部24内にも入り込んでおり、このことは、第1板材22Aの基材20への固定をより強固にするので、空気断熱層25への基材20の入り込み量をより少なくすることができて好ましい。
上記構成のピストン1を製造するには、まず、第1板材22A、第2板材22B、第3板材22C及び第4板材22Dを、それぞれプレス成形により所定の形状に作製する。第1板材22Aは、突起部23と貫通孔27とが設けられたものとし、第2板材22B及び第3板材22Cは、突起部23が設けられたものとし、第4板材22Dは折曲部26が設けられたものとする。
続いて、第1板材22Aの突起部23上に第2板材22Bを設置して、第1板材22Aの突起部23が第2板材22Bの下面に当接するようにする。そして、この当接状態で、その突起部23に対応する凹部24に電極を押圧し、突起部23と第2板材22Bとをプロジェクション溶接(抵抗溶接)する。このときの溶接条件としては、例えば、加圧力を2kN以上5kN以下とし、電流値を7kAとする。尚、1つの突起部23毎にプロジェクション溶接を行ってもよいが、第1板材22Aの全突起部23を一度に第2板材22Bの下面にプロジェクション溶接することも可能であり、その方が好ましい。
次いで、第3板材22C及び第4板材22Dについても、同様にプロジェクション溶接を順次行うことにより、複数枚の板材22が積層されてなりかつ相隣接する2つの板材22間に空気断熱層25が形成された断熱構造体21を作製する。
次に、上記積層した板材22を、基材20(ピストン1)を形成するための型にセットした状態で、該型内にアルミニウム合金溶湯を注湯して、上記貫通孔27が設けられた第1板材22Aと該第1板材22Aに隣接する第2板材22Bとの間の上記空気断熱層25の一部に、上記貫通孔27を通して上記アルミニウム合金溶湯を流入させる。この溶湯は、固化すれば、空気断熱層25の一部に入り込んだ部分を有する基材20となり、基材20に第1板材22Aが固定された状態で、基材20上に断熱構造体21が配置されることになる。こうして、頂面に断熱構造体21が設けられたピストン1が完成する。
上記ピストン1の頂面の断熱構造では、断熱構造体21における相隣接する2つの板材22間に空気断熱層25が形成され、この空気断熱層25により良好な断熱性が得られるようになる。そして、相隣接する2つの板材22は、複数の突起部23により支持されるので、突起部23の数や、相隣接する2つの突起部列の間隔、各突起部列の相隣接する2つの突起部23の間隔を調整することにより、板材22がその積層方向に大きな力を受けても変形しないように(撓まないように)することができ、この結果、板材22に熱疲労等が生じ難くなるとともに、断熱構造体21の剛性を向上させることができる。しかも、突起部23の板材22面に対する接合面積を出来る限り小さくする(点接触に近付ける)ことにより、突起部23を介して板材22間を熱が伝達するのを抑制することができ、断熱性を良好に維持することができる。
また、基材20(ピストン1)をアルミニウム合金溶湯で鋳造しながらピストン1の頂面に断熱構造体21を配置固定することで、ピストン1の頂面に、断熱性が良好で剛性が高くて信頼性が高い断熱構造体21を容易に設けることができる。このようなピストン1の頂面の断熱構造により、特に幾何学的圧縮比が高いエンジンの冷却損失を低減して図示熱効率を高めることができる。
図6は、本発明の実施形態に係る断熱構造を、シリンダブロック2(エンジン部品)のシリンダボア2aに適用した例(第2例)を示す。すなわち、本例では、断熱構造体21は、シリンダブロック2のシリンダボア2aの軸方向の一部(ピストン1上死点側の開口の近傍部)に配置される円筒状のシリンダボア部材31(シリンダライナ)を構成する。このシリンダボア部材31は、上記シリンダボア2aにおいて、上死点位置に位置するピストン1の最上部のピストンリング1a(トップリング)に対して下死点側とは反対側(上側(シリンダヘッド3側))に設けられている。シリンダボア部材31は、上記シリンダボア2aに対しピストン1上死点側の開口から圧入又は冷嵌めにより挿入されたものである。上記シリンダボア2aにおいてシリンダボア部材31の下死点側(下側)には、鋳鉄製のシリンダライナ32がシリンダボア部材31に対してシリンダボア2aの軸方向に当接した状態で設けられている。本例では、板材22の積層方向は、シリンダボア2aの径方向となり、第1板材22Aが、径方向の最も外側に位置し、第4板材22Dが最も内側に位置する。
上記断熱構造体21(シリンダボア部材31)の構成は、上記第1例と同様である。但し、第1板材22Aに、貫通孔27は設けられていない。また、第1板材22A、第2板材22B、第3板材22C及び第4板材22Dはそれぞれ、上記シリンダボア2aの内周面に沿うように円筒状に形成されている。
また、第4板材22Dの上縁部及び下縁部に、フランジ状に径方向外側に折り曲げられてなる折曲部26がそれぞれ設けられている。上側の折曲部26は、シリンダブロック2の上面にかかるように形成されており、シリンダブロック2の上面において不図示のガスケットが当接する部分に段差が生じないようになされている。
上記シリンダボア部材31を製造するには、まず、第1板材22A、第2板材22B、第3板材22C及び第4板材22Dを、それぞれプレス成形により作製する。この段階では、第4板材22Dを除く各板材22に突起部23が形成され、第4板材22Dに折曲部26が形成されているが、全板材22は円筒状に形成されてはいない。そして、第1板材22A、第2板材22B、第3板材22C及び第4板材22Dをそれぞれロール成形する。ロール成形した第1板材22Aの外径は、シリンダボア2aの内径よりも僅かに大きくする。ロール成形した第2板材22Bの外径は、ロール成形した第1板材22Aの突起部23の内側に嵌る径であって第2板材22Bの外周面が第1板材22Aの突起部23の先端に略当接するような径にする。ロール成形した第3板材22Cの外径は、ロール成形した第2板材22Bの突起部23の内側に嵌る径であって第3板材22Cの外周面が第2板材22Bの突起部23の先端に略当接するような径にする。ロール成形した第4板材22Dの外径は、ロール成形した第3板材22Cの突起部23の内側に嵌る径であって第4板材22Dの外周面が第3板材22Cの突起部23の先端に略当接するような径にする。ロール成形した第1板材22Aについては、ロール成形により互いに突き合わされた端面同士をシーム溶接する。
続いて、ロール成形しかつシーム溶接した第1板材22Aの内側に、ロール成形した第2板材22Bを配置して、第2板材22Bの外周面を第1板材22Aの突起部23に押し当てながら、該突起部23を第2板材22Bの外周面にプロジェクション溶接する。次いで、同様に、第3板材22Cの外周面を第2板材22Bの突起部23に押し当てながら、該突起部23を第3板材22Cの外周面にプロジェクション溶接し、その後、第4板材22Dの外周面を第3板材22Bの突起部23に押し当てながら、該突起部23を第4板材22Dの外周面にプロジェクション溶接する。最後に、第4板材22Dの互いに突き合わされた端面同士をシーム溶接する。こうしてシリンダボア部材31(断熱構造体21)が完成する。
次に、上記シリンダボア部材31を、シリンダブロック2のシリンダボア2aに対しピストン1上死点側(シリンダヘッド3側)の開口から圧入又は冷嵌めにより挿入して、シリンダボア部材31の下死点側の端面(下側の折曲部26)を、予めシリンダボア2aに対しピストン1上死点側の開口から圧入又は冷嵌めにより挿入しておいたシリンダライナ32の上死点側の端面に当接させる。この当接位置は、上死点位置に位置するピストン1の最上部のピストンリング1a(トップリング)に対して下死点側とは反対側に位置するようにする。こうして、シリンダボア2aに断熱構造体21が設けられたシリンダブロック2が完成する。
上記シリンダブロック2のシリンダボア2aの断熱構造では、上記ピストン1の頂面の断熱構造と同様に、断熱性が良好で剛性が高くて信頼性が高いシリンダボア部材31(断熱構造体21)が得られるとともに、そのシリンダボア部材31をシリンダボア2aの内周面に容易に設けることができる。このようなシリンダボア2aの断熱構造により、特に幾何学的圧縮比が高いエンジンの冷却損失を低減して図示熱効率を高めることができる。
また、シリンダボア部材31(断熱構造体21)が、ピストンリング1aと摺接しない位置に配置されるので、シリンダボア部材31の内周面(第4板材22D)に対して耐摩耗処理を施す必要がなく、低コストでシリンダボア部材31を作製することができる。尚、シリンダボア部材31を、ピストンリング1aと摺接する位置まで延長する(例えば、ピストン1のストロークの全域にシリンダボア部材31を設ける)ことも可能である。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、断熱構造体21を4枚の板材22で構成し、3層の空気断熱層25を形成するようにしたが、少なくとも2枚の板材22の積層により少なくとも1層の空気断熱層25を形成するようにしてもよい。但し、断熱性の向上の観点からは、3枚以上の板材22の積層により、2層以上の空気断熱層25が形成されるようにするのがよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、エンジン部品の断熱構造に有用であり、特に幾何学的圧縮比が高いエンジンの冷却損失を低減して図示熱効率を高める場合に有用である。
1 ピストン(エンジン部品)
1a ピストンリング
2 シリンダブロック(エンジン部品)
2a シリンダボア
20 エンジン部品基材
21 断熱構造体
22 板材
23 突起部
25 空気断熱層
27 貫通孔
31 シリンダボア部材
1a ピストンリング
2 シリンダブロック(エンジン部品)
2a シリンダボア
20 エンジン部品基材
21 断熱構造体
22 板材
23 突起部
25 空気断熱層
27 貫通孔
31 シリンダボア部材
Claims (6)
- エンジン部品の断熱構造であって、
エンジン部品基材上に固定され、該基材表面に沿った形状に形成されていて、複数枚の金属製板材が積層されてなる断熱構造体を備え、
上記断熱構造体の上記複数枚の板材は、相隣接する任意の2つの板材間に空気断熱層が形成されるように、該両板材の該空気断熱層を挟んで相対向する対向面のうち少なくとも一方の対向面に設けられた複数の突起部を介して該両板材同士が接合された状態で積層され、
上記少なくとも一方の対向面に設けられた突起部は、当該突起部が設けられた対向面に対して上記空気断熱層を挟んで対向する対向面に接合されていることを特徴とするエンジン部品の断熱構造。 - 請求項1記載のエンジン部品の断熱構造において、
上記断熱構造体には、3枚以上の上記板材の積層により、2層以上の上記空気断熱層が形成されていることを特徴とするエンジン部品の断熱構造。 - 請求項2記載のエンジン部品の断熱構造において、
上記エンジン部品基材直上の板材には、該板材を貫通する貫通孔が設けられており、
上記貫通孔が設けられた板材と該板材に隣接する板材との間の上記空気断熱層の一部に、上記貫通孔を介して上記基材が入り込んでいることを特徴とするエンジン部品の断熱構造。 - 請求項3記載のエンジン部品の断熱構造において、
上記エンジン部品は、アルミニウム合金製ピストンであり、
上記断熱構造体は、上記ピストンの頂面に配置されていて、上記貫通孔が設けられた板材と該板材に隣接する板材との間の上記空気断熱層の一部に上記基材が入り込んだ状態で、上記基材に固定されていることを特徴とするエンジン部品の断熱構造。 - 請求項1又は2記載のエンジン部品の断熱構造において、
上記エンジン部品は、シリンダブロックであり、
上記断熱構造体は、上記シリンダブロックのシリンダボアの軸方向の一部に配置される円筒状のシリンダボア部材を構成しており、
上記シリンダボア部材は、上記シリンダボアにおいて、上死点位置に位置するピストンのトップリングに対して下死点側とは反対側に設けられていることを特徴とするエンジン部品の断熱構造。 - 請求項5記載のエンジン部品の断熱構造において、
上記シリンダボア部材は、上記シリンダボアに対しピストン上死点側の開口から圧入又は冷嵌めにより挿入されたものであることを特徴とするエンジン部品の断熱構造。
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JP2012049317A JP2013185460A (ja) | 2012-03-06 | 2012-03-06 | エンジン部品の断熱構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013238193A (ja) * | 2012-05-16 | 2013-11-28 | Toyota Motor Corp | エンジンの燃焼室構造 |
JP2015140703A (ja) * | 2014-01-28 | 2015-08-03 | マツダ株式会社 | 断熱層構造及びその製造方法 |
WO2017146598A3 (de) * | 2016-02-23 | 2018-01-18 | Sadlak Zbigniew | Aktive verbrennungskammer eines kolbenmotors und verfahren zur übertragung von wärme in der aktiven verbrennungskammer |
DE102018123275A1 (de) * | 2018-09-21 | 2020-03-26 | Man Truck & Bus Se | Kolben für eine Brennkraftmaschine |
-
2012
- 2012-03-06 JP JP2012049317A patent/JP2013185460A/ja active Pending
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