JP2013184865A - セメント用収縮低減剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の収縮低減剤は、収縮低減効果と強度を両立させることが難しいという問題点があった。
【解決手段】一般式(1)で示されるポリエーテル化合物(a)20重量部と水80重量部の混合物を25℃においてレーザー回折散乱法で測定したときのレーザー透過率(T)が40〜90%であり、かつ体積平均粒径(D50)が1〜100μmであるポリエーテル化合物(a)を含有するセメント用収縮低減剤(E)。
1〔O(A1O)nR2〕m (1)
[式中、R1は炭素数1〜30である1〜6価の脂肪族アルコールからすべての水酸基を除いた残基、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、A1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは1〜100の整数であり、2個以上のA1Oは同一でも異なっていてもよく、mは1〜6の整数である。]
【選択図】なし

Description

本発明はセメント用収縮低減剤に関する。
近年、コンクリート構造物の耐久性向上に対する意識が高まっており、コンクリートのひび割れの原因となる乾燥収縮を低減できる収縮低減剤に対する期待が高まっている。この乾燥収縮低減剤としては、例えば、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル(特許文献1)、ポリエーテルポリオール(特許文献2)が従来より知られている。
特開昭56−37259号公報 特開昭59−21557号公報
しかし、従来の収縮低減剤は収縮低減効果が不十分なため、十分な収縮低減効果を得るためには添加量が多く必要であった。また、添加量が多くなるとセメント硬化物の強度低下が著しいことから、収縮低減効果と強度を両立させることが難しいという問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、セメント硬化物の強度を低下させることなく十分にセメント硬化物の収縮を低減できるセメント用収縮低減剤を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、一般式(1)で示されるポリエーテル化合物(a)20重量部と水80重量部の混合物を25℃においてレーザー回折散乱法で測定したときのレーザー透過率(T)が40〜90%であり、かつ体積平均粒径(D50)が1〜100μmであるポリエーテル化合物(a)を含有するセメント用収縮低減剤(E);該セメント用収縮低減剤(E)、セメント、水及び骨材を含有してなるセメント組成物である。
1〔O(A1O)nR2〕m (1)
[式中、R1は炭素数1〜30である1〜6価の脂肪族アルコールからすべての水酸基を除いた残基、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、A1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは1〜100の整数であり、2個以上のA1Oは同一でも異なっていてもよく、mは1〜6の整数である。m個の〔−O(A1O)nR2〕基は同じであっても異なっていてもよい。]
本発明のセメント用収縮低減剤(E)は、従来よりも少量の添加量で収縮低減効果を発揮することから、経済性に優れる上、セメント硬化物の強度低下を抑えることが可能になる。
本発明のセメント用収縮低減剤(E)は以下の特性を有するポリエーテル化合物(a)を含有する。(a)20重量部、水80重量部の混合物を25℃においてレーザー回析散乱法で測定したときのレーザー透過率が40〜90%であり、体積平均粒径(D50)が1〜100μmである。
セメント硬化物の多くは、施工性を担保するために、セメントの水和反応に必要な以上の水を加えて流動性を確保した処方で製造されている。水和に関与しなかった余剰水はセメント硬化物から経時的に蒸発し、余剰水の蒸発に伴いセメント硬化物は収縮する。
この収縮を抑制する効果をもつセメント添加剤が収縮低減剤であるが、25℃、20%水分散液のレーザー透過率が40〜90%、体積平均粒径(D50)が1〜100μmとなる特定のポリエーテル化合物またはポリエーテル組成物が、収縮低減効果が高いことを見出した。収縮低減剤水分散液のレーザー透過率(T)および体積平均粒径(D50)は測定条件により変動することから測定温度は25℃、水分散液濃度は20%に定めた。
水中で体積平均粒径(D50)が1〜100μm、好ましくは5〜90μmであり、さらに好ましくは10〜80μmである。この範囲にある粒子を形成するポリエーテル化合物(a)が特に収縮低減効果に優れる理由は、水蒸発によりセメント硬化物内で生じる応力を緩和する効果を持つためであると推察される。D50が1μm未満もしくはD50が100μmを超える範囲であれば収縮低減効果が低くなる。
レーザー透過率(T)は、収縮低減効果の観点から40〜90%であり、50〜87%が好ましく、60〜85%がさらに好ましい。40%未満の透過率で収縮低減効果が低下するのは水不溶性の成分が多くなるため、90%より大きな透過率で収縮低減効果が低下するのは、収縮低減に有効な粒子数が減少するためと推定される。
有機系のセメント添加剤の多くは、セメントの水和反応を阻害する効果があることが確認されており、収縮低減剤についても添加量の増加に伴いセメント硬化物の強度が低下する傾向にある。強度低下を抑制するためには、なるべく少量添加で効果を発揮することが必要であり、従来の収縮低減剤より少量添加で効果を発揮する本発明のセメント用収縮低減剤は、セメント硬化物の強度低下を極めて小さくすることができる。
本発明のセメント用収縮低減剤(E)のレーザー透過率(T)は、ポリエーテル化合物(a)の疎水基と親水基との比率を制御することにより40〜90%の範囲にすることが可能であり、具体的には多くのケースにおいてAOに含まれるオキシエチレン基の割合を20〜80モル%にすることにより(T)を所定の範囲内とすることができる。体積平均粒径(D50)は水分散液中で(a)が作り出す集合体の体積平均粒径であると考えられ、(a)のm、分子量、および疎水基と親水基との比率制御により1〜100μmの範疇とすることが可能であり、mは2が一番好ましく、2から離れるほど制御が難しくなり、分子量は、多くの場合150〜20000にすることにより、AOに含まれるオキシエチレン基の割合は20〜80モル%にすることにより(D50)を所定の範囲内とすることができる。
レーザー回析散乱法とは、光散乱原理を利用して、水に懸濁している粒子から散乱した光のパターンを解析することにより粒度分布を測定する方法である。測定原理としては、ミー散乱法を用いる。
粒度をレーザー回析散乱法で測定する場合に使用するレーザーは、レーザーシングルウエーブまたはマルチウエーブであり、632.8nmの波長を有するレーザー等が好ましい。
セメント用収縮低減剤(E)はポリエーテル化合物(a)を含有するが、他の成分を(a)の重量に基づいて0〜100重量%、好ましくは0〜50重量%含有していてもよい。他の成分としては、例えば、レーザー透過率(T)および体積平均粒径(D50)が本発明で定めた範囲外のポリエーテル化合物であって一般式(1)で表すことができる化合物等が挙げられる。
ポリエーテル化合物(a)は下記一般式(1)で表すことができる化合物である。
1〔O(A1O)nR2〕m (1)
一般式(1)において、R1は炭素数1〜30である1〜6価の脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基である。R1の具体例としては、1価:メチル、エチル、n−、i−プロピル、n−、i−又はt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチル−ヘキシル、n−、i−オクチル、n−、i−デシル、ドデシル、テトラデシル、セチル、ステアリル、オレイル基等のアルキル基、2価:ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール等からすべての水酸基を除いた残基、3価以上:グリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール等からすべての水酸基を除いた残基等が挙げられる。
これらの内、収縮低減効果の観点から、好ましいのは、炭素数1〜8のアルキル基および炭素数2〜8のグリコールからすべての水酸基を除いた残基であり、更に好ましくは、メチル、ブチル、2−エチルヘキシル基およびエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコールからすべての水酸基を除いた残基であり、特に好ましいのは、エチレングリコール及びプロピレングリコールからすべての水酸基を除いた残基である。
2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。R2としては、水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル基等が挙げられ、これらの内好ましいのは、水素原子である。
(AO)は炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。(AO)としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン基が挙げられる。プロピレン基には、1,2−又は1,3−プロピレン基が含まれ、ブチレン基には、1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレン基が含まれる。これらの内、製造しやすさの観点等から、オキシエチレン及び1,2−オキシプロピレンが好ましい。オキシアルキレン基は、1種類でも2種類以上の混合でもよいが、レーザー透過率を規定内に調整するためにはAOにオキシエチレン基が含まれる場合のオキシエチレン基の割合は20〜80モル%が好ましく、更に好ましくは30〜70モル%、特に好ましくは40〜60モル%である。AOが2種類以上の混合のとき、結合形式はブロック付加、ランダム付加及びこれらの併用のいずれでもよいが、好ましいのはブロック付加である。
nは1〜100の整数である。nは好ましくは3〜90、更に好ましくは4〜80、特に好ましくは4〜70の数である。この範囲であるとより収縮低減効果が良好となる。
mは1〜6の整数である。mは好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2、特に好ましくは2である。この範囲であるとより収縮低減効果が良好となる。
ポリエーテル化合物(a)の具体例としては、メタノール、ブタノール、2エチルヘキサノール各々のエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物およびエチレン、プロピレン付加物(ランダムでもブロックでも良い)およびブチルカルビトール、2エチルヘキシルカルビトールなどアルキレンオキサイド付加物の精製物、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール各々のエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物およびエチレン、プロピレン付加物(ランダムでもブロックでも良い)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール各々のエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物およびエチレン、プロピレン付加物(ランダムでもブロックでも良い)が挙げられる。
一般式(1)において、ポリエーテル化合物(a)が、下記一般式(2)で表されるブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a1)、下記一般式(3)で表されるブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a2)、または(a1)と(a2)の混合物である場合、少量の添加量で収縮低減効果を発揮できるために好ましい。さらには(a1)単独の場合が特に好ましい。
Figure 2013184865
[一般式(2)中、Rは炭素数1〜30である1〜6価の脂肪族アルコールからすべての水酸基を除いた残基、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、hは1〜6の整数、v、wは5〜50の整数である。h個の一般式(2’)で表される基は同じであっても異なっていてもよい。]
Figure 2013184865
一般式(2)においてvは5〜50の整数であり、収縮低減効果の観点から好ましくは7〜40であり、更に好ましくは10〜30である。wは5〜50の整数であり、収縮低減効果の観点から好ましくは10〜40であり、更に好ましくは15〜30である。また、vとwは、7〜40と10〜40との組み合わせが好ましく、10〜30と15〜30との組み合わせが更に好ましい。
Figure 2013184865
[一般式(3)式中、Rは炭素数1〜30である1〜6価の脂肪族アルコールからすべての水酸基を除いた残基、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、iは1〜6の整数、x、yは5〜50の整数である。i個の一般式(3’)で表される基は同じであっても異なっていてもよい。]
Figure 2013184865
一般式(3)においてxは5〜50の整数であり、収縮低減効果の観点から好ましくは10〜40であり、更に好ましくは15〜30である。yは5〜50の整数であり、収縮低減効果の観点から好ましくは7〜40であり、更に好ましくは10〜30である。また、xとyは、10〜40と15〜30との組み合わせが好ましく、7〜40と10〜30との組み合わせが更に好ましい。
一般式(1)においてmが2である場合のうちでも、ポリエーテル化合物(a)が、下記一般式(4)で表されるトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a3)、下記一般式(5)で表されるトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a4)、または(a3)と(a4)の混合物である場合、特に少量の添加量で収縮低減効果を発揮できるために好ましい。さらには(a3)単独の場合が特に好ましい。
Figure 2013184865
Figure 2013184865
一般式(4)においてkは10〜100の整数であり、収縮低減効果の観点から好ましくは15〜80であり、更に好ましくは20〜60である。p+qは10〜100の整数であり、収縮低減効果の観点から好ましくは21〜80、更に好ましくは30〜60である。また、kとp+qは、15〜80と21〜80との組み合わせが好ましく、20〜60と30〜60との組み合わせが更に好ましい。
一般式(5)においてrは10〜100の整数であり、収縮低減効果の観点から好ましくは21〜100、更に好ましくは25〜80、もっとも好ましくは30〜60である。s+tは10〜100の整数であり、収縮低減効果の観点から好ましくは15〜80であり、更に好ましくは20〜60である。また、rとs+tは、25〜80と15〜80との組み合わせが好ましく、30〜60と20〜60との組み合わせが更に好ましい。
ポリエーテル化合物(a)の数平均分子量(Mn)は好ましくは150〜20000、更に好ましくは500〜15000、特に好ましくは1000〜10000の数である。この範囲であるとより収縮低減効果が良好となる。
ポリエーテル化合物(a)は、1〜6価の脂肪族アルコールを加圧反応容器に仕込み、無触媒又は触媒の存在下に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを吹き込み、常圧又は加圧下に1段階又は多段階で反応を行なう。触媒としては、アルカリ触媒[例えばアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム及びセシウム等)]の水酸化物、酸[過ハロゲン酸(過塩素酸、過臭素酸及び過ヨウ素酸等)、硫酸、燐酸及び硝酸等(好ましくは過塩素酸)]及びこれらの塩[好ましくは2価又は3価の金属(Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Ni、Cu及びAl等)の塩]が挙げられる。反応温度は通常40〜200℃であり、反応時間は通常2〜20時間である。アルキレンオキサイドの付加反応終了後は、必要により触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。
本発明のセメント組成物は、本発明のセメント用収縮低減剤(E)、セメント、水及び骨材を必須成分とするものである。該組成物は、例えば日本土木学会制定のコンクリート標準示方書や建築学会制定の日本建築学会が作成した建築工事標準仕様書に準じた公知の設備、公知の手法で作製することができる。(E)の添加手段は、普通一般に行われているセメント用混和材料の場合と同様でよく、例えば、予め混練水に(E)を混和した後他の原材料を投入することもできるし、他の原材料とともに一括して、ミキサーに投入してもよい。
本発明のセメント組成物に使用されるセメントとしては、通常の水硬性セメント[普通ポルトランドセメント、特殊ポルトランドセメント(早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント及びビーライトセメント)並びに混合セメント(高炉セメント、フライアッシュセメント及びシリカセメント)等]等が挙げられる。
混練水としては、海水、河川水、湖沼水、水道水、工業用水及び脱イオン水等が挙げられる。
骨材としては、細骨材と粗骨材とがあり、JIS A5308:1998の付属書1(規定)レディーミクストコンクリート用骨材に準拠される骨材が使用できる。
更に本発明のセメント組成物には、新セメント・コンクリート混和材料、技術書院、2007年発行に記載されている公知のセメント用混和材及び混和剤を添加することができる。具体的には混和材としてフライアッシュ(JIS A6201:2008コンクリート用フライアッシュに準拠するもの)、高炉スラグ(JIS A6206:2008コンクリート用高炉スラグ微粉末に準拠するもの)、シリカフューム(JIS A6207:2011コンクリート用シリカフュームに準拠するもの)、膨張材(JIS A6202:2008コンクリート用膨張材に準拠するもの))等、混和剤としてAE剤,高性能減水剤, 減水剤,AE減水剤,高性能AE減水剤、流動化剤、硬化促進剤,起泡剤、発泡剤、消泡剤(抑泡剤及び破泡剤)、急結剤、硬化遅延剤、防錆剤、増粘剤、ポリマーセメントコンクリート又はポリマーモルタル用のポリマーディスパージヨン等が挙げられる。
本発明のセメント用収縮低減剤(E)の使用量(重量%)は、乾燥収縮低減効果を効率的に発揮するという観点から、セメントの重量に基づいて、0.5〜20が好ましく、更に好ましくは1〜10、特に好ましくは1.5〜7.5 、最も好ましくは2〜5である。
セメント組成物を構成するセメント、水及び骨材の使用量は、特に制限はなく、通常使用される量(例えば、上記セメント日本土木学会制定のコンクリート標準示方書に記載されている量等)であればよい。
公知のセメント用混和材及び混和剤の使用量は、特に制限はなく、通常使用される範囲であればよい。
本発明のセメント組成物(モルタル及びコンクリート等)の施工方法は従来の場合と同様でよい。また、硬化ないし養生方法としては、気乾養生、湿空養生、水中養生又は加熱促進養生(蒸気養生及びオートクレーブ養生)のいずれでもよく、また、各々の併用でもよい。
[実施例]
以下、実施例により本発明を更に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。以下において特記しない限り、部は重量部を表す。
<実施例1>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にエチレングリコール62部(1モル部)及び水酸化カリウム13部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、150℃でエチレンオキサイド1012部(23モル部)の滴下を開始した後、系内温度を150℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。引き続きプロピレンオキサイド2088部(36モル部)の滴下を開始し系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、トリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a3−1)3162部を得た。仕込みモル比から(a3−1)は一般式(4)においてkの平均値が24、p+qの平均値が36であるポリエーテル化合物である。(a3−1)について、下記に記載した測定方法により、レーザー透過率(T)、体積平均粒径(D50)および数平均分子量(Mn)を測定した結果、Tは62%、D50は58μm、Mnは3100であった。
<実施例2>
水酸化カリウム13部を17部に、エチレンオキサイド1012部(23モル部)を1716部(39モル部)に、プロピレンオキサイド2088部(36モル部)を2320部(40モル部)にする以外は実施例1と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a3−2)4098部を得た。仕込みモル比から(a3−2)は一般式(4)においてkの平均値が40、p+qの平均値が40であるポリエーテル化合物である。(a3−2)について、Tは70%、D50は68μm、Mnは3920であった。
<実施例3>
水酸化カリウム13部を11部に、エチレンオキサイド1012部(23モル部)を1100部(25モル部)にプロピレンオキサイド2088部(36モル部)を1508部(26モル部)にする以外は実施例1と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a3−3)2670部を得た。仕込みモル比から(a3−3)は一般式(4)においてkの平均値が26、p+qの平均値が26であるポリエーテル化合物である。(a3−3)について、Tは74%、D50は45μm、Mnは2650であった。
<実施例4>
水酸化カリウム13部を5部に、エチレンオキサイド1012部(23モル部)を484部(11モル部)に、プロピレンオキサイド2088部(36モル部)を696部(12モル部)にする以外は実施例1と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a3−4)1242部を得た。仕込みモル比から(a3−4)は一般式(4)においてkの平均値が12、p+qの平均値が12であるポリエーテル化合物である。(a3−4)について、Tは80%、D50は15μm、Mnは1240であった。
<実施例5>
水酸化カリウム13部を41部に、エチレンオキサイド1012部(23モル部)を4268部(97モル部)に、プロピレンオキサイド2088部(36モル部)を5684部(98モル部)にする以外は実施例1と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a3−5)10014部を得た。仕込みモル比から(a3−5)は一般式(4)においてkの平均値が98、p+qの平均値が98であるポリエーテル化合物である。(a3−5)について、Tは70%、D50は88μm、Mnは8030であった。
<実施例6>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にプロピレングリコール76部(1モル部)及び水酸化カリウム13部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、120℃でプロピレンオキサイド1914部(33モル部)の滴下を開始した後、系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。引き続きエチレンオキサイド部1144部(26モル部)の滴下を開始し系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、トリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a4−1)3134部を得た。仕込みモル比から(a4−1)は一般式(5)においてrの平均値が34、s+tの平均値が26であるポリエーテル化合物である。(a4−1)について、Tは65%、D50は48μm、Mnは3050であった。
<実施例7>
水酸化カリウム13部を17部に、プロピレンオキサイド1914部(33モル部)を2262部(39モル部)にエチレンオキサイド1144部(26モル部)を1760部(40モル部)にする以外は実施例6と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a4−2)4098部を得た。仕込みモル比から(a4−2)は一般式(5)においてrの平均値が40、s+tの平均値が40であるポリエーテル化合物である。(a4−2)について、Tは72%、D50は52μm、Mnは4010であった。
<実施例8>
水酸化カリウム13部を8部に、プロピレンオキサイド1914部(33モル部)を1218部(21モル部)にエチレンオキサイド1144部(26モル部)を528部(12モル部)にする以外は実施例6と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a4−3)1822部を得た。仕込みモル比から(a4−3)は一般式(5)においてrの平均値が22、s+tの平均値が12であるポリエーテル化合物である。(a4−3)について、Tは65%、D50は28μm、Mnは1780であった。
<実施例9>
水酸化カリウム13部を41部に、プロピレンオキサイド1914部(33モル部)を5626部(97モル部)にエチレンオキサイド1144部(26モル部)を4312部(98モル部)にする以外は実施例6と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a4−4)10014部を得た。仕込みモル比から(a4−4)は一般式(5)においてrの平均値が98、s+tの平均値が98であるポリエーテル化合物である。(a4−4)について、Tは74%、D50は82μm、Mnは8020であった。
<実施例10>
水酸化カリウム13部を4部に、プロピレンオキサイド1914部(33モル部)を754部(13モル部)にエチレンオキサイド1144部(26モル部)を176部(4モル部)にする以外は実施例6と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a4−5)1006部を得た。仕込みモル比から(a4−5)は一般式(5)においてrの平均値が14、s+tの平均値が4であるポリエーテル化合物である。(a4−5)について、Tは61%、D50は5μm、Mnは997であった。
<実施例11>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にグリセリン92部(1モル部)及び水酸化カリウム20部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、150℃でエチレンオキサイド1584部(36モル部)の滴下を開始した後、系内温度を150℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。引き続きプロピレンオキサイド3132部(54モル部)の滴下を開始し系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a1−1)4808部を得た。仕込みモル比から(a1−1)は一般式(2)においてvの平均値が12、wの平均値が18であるポリエーテル化合物である。(a1−1)について、Tは66%、D50は55μm、Mnは4530であった。
<実施例12>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にペンタエリスリトール136部(1モル部)及び水酸化カリウム27部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、150℃でエチレンオキサイド2112部(48モル部)の滴下を開始した後、系内温度を150℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。引き続きプロピレンオキサイド4176部(72モル部)の滴下を開始し系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a1−2)6424部を得た。仕込みモル比から(a1−2)は一般式(2)においてvの平均値が12、wの平均値が18であるポリエーテル化合物である。(a1−2)について、Tは65%、D50は72μm、Mnは6020であった。
<実施例13>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にグリセリン92部(1モル部)及び水酸化カリウム20部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、120℃でプロピレンオキサイド2958部(51モル部)の滴下を開始した後、系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。引き続きエチレンオキサイド1716部(39モル部)の滴下を開始し系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a2−1)4766部を得た。仕込みモル比から(a2−1)は一般式(3)においてxの平均値が17、yの平均値が13であるポリエーテル化合物である。(a2−1)について、Tは62%、D50は57μm、Mnは4580であった。
<実施例14>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にペンタエリスリトール136部(1モル部)及び水酸化カリウム27部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、120℃でプロピレンオキサイド3944部(68モル部)の滴下を開始した後、系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。引き続きエチレンオキサイド2288部(52モル部)の滴下を開始し系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a2−2)6368部を得た。仕込みモル比から(a2−2)は一般式(3)においてxの平均値が17、yの平均値が13であるポリエーテル化合物である。(a2−2)について、Tは61%、D50は64μm、Mnは5850であった。
<実施例15>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にメタノール32部(1モル部)及び水酸化カリウム16部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、エチレンオキサイド2860部(65モル部)の滴下を80℃で開始した後、徐々に昇温し、系内温度を150℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。引き続きプロピレンオキサイド部1160部(20モル部)の滴下を開始し系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ポリオキシアルキレンモノメチルエーテルコポリマー(a−1)4052部を得た。(仕込みモル比から(a−1)は一般式(1)においてmが1、nの平均値が85であるポリエーテル化合物である。(a−1)について、Tは84%、D50は6μm、Mnは3990であった。
<実施例16>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にブタノール74部(1モル部)及び水酸化カリウム14部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、120℃でエチレンオキサイド528部(12モル部)の滴下を開始した後、系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。引き続きプロピレンオキサイド部2900部(50モル部)の滴下を開始し系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ポリオキシアルキレンモノブチルエーテルコポリマー(a−2)3502部を得た。(仕込みモル比から(a−2)は一般式(1)においてmが1、nの平均値が62であるポリエーテル化合物である。(a−2)について、Tは42%、D50は8μm、Mnは3470であった。
<実施例17>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にグリセリン92部(1モル部)及び水酸化カリウム19部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、120℃でプロピレンオキサイド1218部(21モル部)の滴下を開始した後、系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。引き続きエチレンオキサイド部3432部(78モル部)の滴下を開始し系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ポリオキシアルキレングリセリルエーテルコポリマー(a−3)4742部を得た。仕込みモル比から(a−3)は一般式(1)においてmが3、nの平均値が33であるポリエーテル化合物である。(a−3)について、Tは88%、D50は98μm、Mnは4560であった。
<比較例1>
水酸化カリウム13部を28部に、エチレンオキサイド1012部(23モル部)を308部(7モル部)に、プロピレンオキサイド2088部(36モル部)を6380部(110モル部)にする以外は実施例1と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a’−1)6750部を得た。仕込みモル比から(a’−1)は一般式(1)においてmが2、nの平均値が58.5であるポリエーテル化合物である。(a’−1)について、Tが0%のため体積平均粒径の測定が行えなかった。Mnは6500であった。
<比較例2>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にプロピレングリコール76部(1モル部)及び水酸化カリウム1部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、120℃でプロピレンオキサイド232部(4モル部)の滴下を開始した後、系内温度を120℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ポリオキシプロピレングリコール(a’−2)308部を得た。仕込みモル比から(a’−2)は一般式(1)においてmが2、nの平均値が2であるポリエーテル化合物である。(a’−2)について、Tは78%、D50は0.5μm、Mnは308であった。
<比較例3>
水酸化カリウム13部を6部に、エチレンオキサイド1012部(23モル部)を132部(3モル部)に、プロピレンオキサイド2088部(36モル部)を1392部(24モル部)にする以外は実施例1と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a’−3)1586部を得た。仕込みモル比から(a’−3)は一般式(1)においてmが2、nの平均値が13.5であるポリエーテル化合物である。(a’−3)について、Tが35%、D50は20μm、Mnは1520であった。
<比較例4>
水酸化カリウム13部を50部に、プロピレンオキサイド1914部(33モル部)を1102部(19モル部)にエチレンオキサイド1144部(26モル部)を11000部(250モル部)にする以外は合成例1と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a’−4)12178部を得た。仕込みモル比から(a’−4)は一般式(1)においてmが2、nの平均値が134.5であるポリエーテル化合物である。(a’−4)について、Tは98%、D50は120μm、Mnは10500であった。
<比較例5>
水酸化カリウム13部を22部に、プロピレンオキサイド1914部(33モル部)を406部(7モル部)にエチレンオキサイド1144部(26モル部)を4840部(110モル部)にする以外は合成例1と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a’−5)5322部を得た。仕込みモル比から(a’−5)は一般式(1)においてmが2、nの平均値が58.5であるポリエーテル化合物である。(a’−5)について、Tは95%、D50は0.1μm、Mnは5010であった。
<比較例6>
水酸化カリウム13部を2部に、プロピレンオキサイド1914部(33モル部)を58部(1モル部)にエチレンオキサイド1144部(26モル部)を440部(10モル部)にする以外は実施例6と同様にしてトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a’−6)574部を得た。仕込みモル比から(a’−6)は一般式(1)においてmが2、nの平均値が5.5であるポリエーテル化合物である。(a’−6)について、Tは95%、D50は0.1μm、Mnは573であった。
<比較例7>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にメタノール32部(1モル部)及び水酸化カリウム1部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、エチレンオキサイド132部(3モル部)の滴下を80℃で開始した後、徐々に昇温し、系内温度を150℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ポリオキシアルキレンモノメチルエーテルコポリマー(a’−7)164部を得た。(仕込みモル比から(a’−7)は一般式(1)においてmが1、n1の平均値が3であるポリエーテル化合物である。(a’−7)について、Tは98%、D50は0.01μm、Mnは165であった。
<比較例8>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にエチレングリコール134部(1モル部)及び水酸化カリウム8部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、150℃でエチレンオキサイド1936部(44モル部)の滴下を80℃で開始した後、系内温度を150℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ポリオキシアルキレンコポリマー(a’−8)2070部を得た。(仕込みモル比から(a’−8)は一般式(1)においてmが3、n1の平均値が50であるポリエーテル化合物である。(a’−8)については、Tが100%で体積平均粒径の測定が行えなかった、Mnは2100であった。
<比較例9>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にトリメチロールプロパン134部(1モル部)及び水酸化カリウム28部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、150℃でエチレンオキサイド6600部(150モル部)の滴下を80℃で開始した後、系内温度を150℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ポリオキシアルキレンコポリマー(a’−9)6734部を得た。(仕込みモル比から(a’−9)は一般式(1)においてmが3、n1の平均値が50であるポリエーテル化合物である。(a’−9)については、Tが100%で体積平均粒径の測定が行えなかった、Mnは6700であった。
<比較例10>
撹拌機及び温度調節機能を備えた耐圧反応容器にペンタエリスリトール136部(1モル部)及び水酸化カリウム15部を仕込み、攪拌下に25℃で系内の気相部を窒素で置換し、150℃でエチレンオキサイド3520部(80モル部)の滴下を80℃で開始した後、系内温度を150℃に、ゲージ圧を0.1〜0.3MPaになるように制御しながら、系内の圧力変化が無くなるまで反応させた。25℃に冷却後、水酸化カリウムを吸着処理により除去して、ポリオキシアルキレンコポリマー(a’−10)3656部を得た。(仕込みモル比から(a’−10)は一般式(1)においてmが4、n1の平均値が20であるポリエーテル化合物である。(a’−10)については、Tが100%で体積平均粒径の測定が行えなかった、Mnは3500であった。
表1に実施例1〜17のポリエーテル化合物(a)からなるセメント用収縮低減剤(E)、および比較例1〜10のセメント用収縮低減剤を記載した。
Figure 2013184865
≪レーザー透過率(T)、体積平均粒径(D50)の測定方法≫
ポリエーテル化合物(a)20部、水80部をビーカーにはかり取り、ガラス棒で攪拌して試料水分散液を調製した。試料水分散液を測定セルに移し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[型番:LA−750、(株)堀場製作所製][測定原理:ミー散乱理論、使用するレーザー:He−Neレーザ(632.8nm)]を用いて25℃においてレーザー透過率(T)および体積基準による体積平均粒径(D50)を測定した。
≪数平均分子量(Mn)の測定方法≫
JIS K1557−1:2007年〔ポリウレタン用ポリエーテル試験方法−第1部水酸基価の求め方〕に基づき測定した水酸基価より以下の式で数平均分子量(Mn)を算出した。
数平均分子量(Mn)=水酸基の官能基数×56100/水酸基価
実施例1〜17のセメント用収縮低減剤(E−1)〜(E−17)または比較例1〜10のセメント用収縮低減剤(E−1’)〜(E−10’)を使用して、以下の処方でモルタルを作成し、硬化物の圧縮強度および収縮率を評価し、表2に示した。
≪モルタルの作成≫
表2に記載した量の消泡剤(マイクロエアー404、BASFポゾリス(株)社製)と減水剤(ポゾリスNo.70、BASFポゾリス(株)社製)と実施例1〜17のセメント用収縮低減剤(E−1)〜(E−17)または比較のセメント用収縮低減剤を予め練り水に混和した。セメント、標準砂(JIS R5201:1997の付属書2セメントの試験方法−強さの測定に準拠した砂)並びに練り水を、セメント/標準砂の重量比=1/2.375、水セメント比(練り水/セメント比)=0.50となるように調整し、JIS R5201:1997の付属書2セメントの試験方法−強さの測定に準拠した方法でモルタルの練混ぜを行った。モルタルの空気量は、JIS A5308:1998の付属書3モルタルの圧縮強度に規定された測定法に準拠し測定した。
≪モルタルの圧縮強度の評価≫
作成したモルタルを直径5×10cmの金属型枠3個に注ぎ、24時間後に脱型した後、20℃で7日間水中養生し、更に20℃、65%RHの雰囲気下に28日静置した後、圧縮強度を測定し、3個の測定結果を平均した値を表2に示す。なお、作成したモルタルの空気量は、全てのサンプル共0.5%未満であった。
≪モルタルの収縮率の評価≫
作成したモルタルを4×4×16cmの金属型枠3個に注ぎ、24時間後に脱型した後、20℃で7日間水中養生し、更に20℃、65%RHの雰囲気下に28日静置した。水中養生から取り出した直後と20℃、65%RHの雰囲気に静置した28日目における供試体の長さをJIS A1129−3:2001(モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法−第3部ダイヤルゲージ法)に準拠して測定し、収縮率を長さ変化率として算出し、3個の長さ変化率を平均した値を収縮率とした。なお、作成したモルタルの空気量は、全てのサンプル共0.5%未満であった。
Figure 2013184865
表2中、モルタル配合の数字は重量部を示す。
本発明のセメント用収縮低減剤を使用した場合、強度はプレーン同等を維持したまま、比較例より高い収縮低減効果が得られることが表2よりわかった。
本発明のセメント用収縮低減剤は、通常の水硬性セメント[普通ポルトランドセメント、特殊ポルトランドセメント(早強ポルトランドセメント及び中庸熱ポルトランドセメント)並びに混合セメント(高炉セメント及びフライアッシュセメント)等]を含むセメント組成物に適用できる。特に、従来のセメント用収縮低減剤を添加した場合と比較して、コンクリートの収縮低減率を同じにしたときのコンクリート強度に対する影響が小さいことから、一般のモルタル及びコンクリート配合に汎用的に用いるのに好適である。

Claims (8)

  1. 一般式(1)で示されるポリエーテル化合物(a)20重量部と水80重量部の混合物を25℃においてレーザー回折散乱法で測定したときのレーザー透過率(T)が40〜90%であり、かつ体積平均粒径(D50)が1〜100μmであるポリエーテル化合物(a)を含有するセメント用収縮低減剤(E)。
    1〔O(A1O)nR2〕m (1)
    [式中、R1は炭素数1〜30である1〜6価の脂肪族アルコールからすべての水酸基を除いた残基、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、A1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは1〜100の整数であり、2個以上のA1Oは同一でも異なっていてもよく、mは1〜6の整数である。m個の〔−O(A1O)nR2〕基は同じであっても異なっていてもよい。]
  2. ポリエーテル化合物(a)のAOのオキシエチレン基の割合が80〜20モル%である請求項1に記載のセメント用収縮低減剤(E)。
  3. ポリエーテル化合物(a)の数平均分子量(Mn)が150〜20000である請求項1または2に記載のセメント用収縮低減剤(E)。
  4. 一般式(1)において、mが2である請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント用収縮低減剤(E)。
  5. ポリエーテル化合物(a)が下記一般式(2)で表されるブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a1)および/または下記一般式(3)で表されるブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a2)である請求項1〜4のいずれか1項に記載のセメント用収縮低減剤(E)。
    Figure 2013184865
    [式中、Rは炭素数1〜30である1〜6価の脂肪族アルコールからすべての水酸基を除いた残基、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、hは1〜6の整数、v、wは5〜50の整数である。h個の一般式(2’)で表される基は同じであっても異なっていてもよい。]
    Figure 2013184865
    Figure 2013184865
    [式中、Rは炭素数1〜30である1〜6価の脂肪族アルコールからすべての水酸基を除いた残基、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、iは1〜6の整数、x、yは5〜50の整数である。i個の一般式(3’)で表される基は同じであっても異なっていてもよい。]
    Figure 2013184865
  6. ポリエーテル化合物(a)が下記一般式(4)で表されるトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a3)および/または下記一般式(5)で表されるトリブロックポリオキシアルキレンコポリマー(a4)である請求項1〜5のいずれか1項に記載のセメント用収縮低減剤(E)。
    Figure 2013184865
    [式中、kは10〜100、p+qは10〜100の整数である。]
    Figure 2013184865
    [式中、rは10〜100、s+tは10〜100の整数である。]
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセメント用収縮低減剤(E)、セメント、水及び骨材を含有してなるセメント組成物。
  8. セメント用収縮低減剤(E)の重量が、セメントの重量に基づいて0.5〜20重量%である請求項7に記載のセメント組成物。
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