JP2013184088A - 担持触媒製造用組成物 - Google Patents

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【課題】貴金属化合物の吸着効率が高く、且つ、溶液の状態でも高い安定性を有する、担持触媒製造用の組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】担体と、これに担持された貴金属化合物とを含んだ担持触媒の製造に使用する組成物であって、前記貴金属化合物と、亜硝酸イオンと、硝酸イオンとを含み、亜硝酸イオンのモル数M1と硝酸イオンのモル数M2との和M1+M2に対する亜硝酸イオンのモル数M1の比 M1/(M1+M2)は0.5以上である担持触媒製造用組成物が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、担持触媒製造用組成物に関する。
自動車の排ガス浄化、脱臭、石油化学工業等に用いられる触媒には、多孔性物質からなる担体に貴金属が吸着された担持触媒がある。特許文献1には、貴金属としてパラジウムを含む担持触媒を製造するための硝酸パラジウム溶液が開示されている。担持触媒の製造工程において、担体を硝酸パラジウム溶液に浸漬することにより、担体にパラジウムを吸着させることができる。一方で、硝酸パラジウム溶液に含まれる硝酸イオンも担体に吸着する。すなわち、硝酸イオンはパラジウムと競合する。よって、パラジウムと硝酸イオンの濃度比が、パラジウムの吸着効率に影響する。硝酸イオンの比率が小さい溶液はパラジウムの吸着効率が高い。しかしながら、硝酸イオンの比率が小さいと、溶液の安定性が低下し、凝集や沈殿を生じるという問題がある。そこで、特許文献1では、パラジウム濃度と硝酸濃度との比が1:1.0〜1:2.0の範囲である硝酸パラジウム溶液を開示している。
特開2009−269768号公報
本発明は、貴金属化合物の吸着効率が高く、且つ、溶液の状態でも高い安定性を有する、担持触媒製造用の組成物を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、担体と、これに担持された貴金属化合物とを含んだ担持触媒の製造に使用する組成物であって、前記貴金属化合物と、亜硝酸イオンと、硝酸イオンとを含み、亜硝酸イオンのモル数M1と硝酸イオンのモル数M2との和M1+M2に対する亜硝酸イオンのモル数M1の比 M1/(M1+M2)は0.5以上である担持触媒製造用組成物が提供される。
本発明によると、貴金属化合物の吸着効率が高く、且つ、溶液の状態でも高い安定性を有する、担持触媒製造用の組成物が提供される。
担持触媒の模式図。 担持触媒の製造工程の一部を示す概念図。 実施例におけるモル比M1/(M1+M2)と吸着効率の関係を示すグラフ。 実施例におけるモル比(M1+M2)/M3と吸着効率の関係を示すグラフ。 従来の担持触媒の製造工程の一部を示す概念図。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面を通じて同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明の一態様によると、担持触媒製造用の組成物が提供される。担持触媒製造用組成物は、その流通時又は保管時においては、粉体などの固体及び溶液のいずれの状態であってもよい。担持触媒の製造において、組成物は、典型的には溶液の状態で用いられる。溶液は、例えば、粉体状の組成物を溶媒に溶解することによって調製することができる。
ここで、担持触媒とは担体に貴金属化合物が担持された触媒を指す。担体には、例えば、アルミナ及びカーボン等の多孔性物質が用いられる。担持触媒の例には、自動車の排ガス浄化用触媒、脱臭用触媒、石油化学用触媒などが含まれる。
図1に、本発明の一態様に係る組成物を使用して製造可能な担持触媒の一例を模式的に示す。担持触媒1は、担体2と貴金属化合物3を含む。担体は、例えば、アルミナからなる粒子である。担体2の平均粒径は、例えば0.5μm乃至50μmの範囲内にあり、典型的には1μm乃至20μmの範囲内にある。貴金属化合物3は、貴金属のみから構成されてもよいが、貴金属の酸化物から構成されてもよく、或いは、その両方を含んでもよい。貴金属化合物3は、典型的には粒子形状を有する。貴金属化合物3は担体2に担持されている。貴金属化合物3は、担体2と比較して平均粒径がより小さい。貴金属化合物3の平均粒径は、例えば0.5nm乃至20nmの範囲内にあり、典型的には1nm乃至10nmの範囲内にある。
このような担持触媒1は、貴金属化合物3を含む組成物、典型的には貴金属化合物3を含有する溶液を、担体2と接触させて、貴金属化合物3を担体に吸着させることにより製造され得る。まず、従来の組成物として貴金属化合物の硝酸溶液を使用した製造方法を説明する。
図5に、従来の硝酸溶液を用いた担持触媒の製造工程の一部を示す。図5(a)は、貴金属化合物の硝酸溶液の概念図である。溶液中には、貴金属化合物3と硝酸イオン4が含まれる。硝酸イオン4の一部は貴金属化合物3に配位しており、これにより、貴金属化合物3が溶液中で安定に存在している。その他の硝酸イオン4は、遊離イオンとして存在している。溶液と担体2を接触させると、図5(b)に示すように、担体2表面にある吸着サイトSに貴金属化合物3が吸着する。同時に、遊離の硝酸イオン4も吸着サイトSに吸着する。
従来の硝酸溶液を用いた場合、貴金属化合物3と硝酸イオン4が競合するため、吸着サイトSが不足する。その結果、図5(b)に示すように、担体2に吸着せずに溶液中に残存する貴金属化合物3が増加する。すなわち、貴金属化合物3の吸着効率が低下する。この問題を解消するため、硝酸濃度を低下させ、遊離の硝酸イオン4の濃度を低下させることが考えられる。しかし一方で、硝酸濃度が低いと貴金属化合物3の安定性が低下し、水酸化物などの不溶性の沈澱が生じるという問題がある。
この問題を解決するため、例えば塩素イオンを用いて溶液の安定性を向上させる方法がある。しかしながら、塩素は自動車触媒などにおいて触媒毒となる。そのため、触媒活性が低下したり、メタルハニカム体を劣化させたりする恐れがある。一方、硫酸イオンを用いて安定性を向上させることも考えられる。しかしながら、硫酸イオンはパラジウムなどを含む貴金属化合物に強く配位するため、貴金属化合物が担体の吸着サイトに吸着され難い。また、硫酸イオンが存在すると沈殿が生じやすい。
そこで、本態様では、担持触媒製造用組成物に貴金属化合物及び硝酸イオンに加えて亜硝酸イオンを含有させる。亜硝酸イオンは、硝酸イオンと比較して貴金属化合物に配位し易い。それ故、少ない配位子使用量で貴金属化合物を溶液中で安定に分散させることができる。そのため、安定性を維持したまま硝酸イオン濃度を低下させることが可能である。即ち、貴金属化合物と競合するイオンの量を低減することができる。それ故、貴金属化合物の吸着効率を向上させることが可能である。一方、亜硝酸イオンは、硫酸イオンほど貴金属化合物に強く配位しない。それ故、亜硝酸イオンは、配位子として硫酸イオンを使用した場合ほど過剰な安定性を与えない。従って、本態様によると、適度な安定性と高い吸着効率を両立させることができる。
この組成物を用いた担持触媒の製造方法を更に詳しく説明する。
図2に、本態様に係る担持触媒製造用組成物を用いた製造工程の一部を示す。ここでは、溶液状の組成物を用いた方法を示している。図2(a)は、貴金属化合物3を含む溶液の概念図である。一部の貴金属化合物3には硝酸イオン4のみが配位し、他の一部の貴金属化合物3には亜硝酸イオン5のみが配位し、更に他の貴金属化合物3には硝酸イオン4及び亜硝酸イオン5の双方が配位する。これら配位子が配位した貴金属化合物3は溶液中で安定に分散し得るが、後で説明するように、硝酸イオン4及び亜硝酸イオン5の双方が配位した貴金属化合物3が多く存在していることが好ましい。
上記組成物では、遊離の硝酸イオン4及び遊離の亜硝酸イオン5を少なくすることができる。よって、担体への吸着の際に貴金属化合物3と競合する遊離の硝酸イオン4及び亜硝酸イオン5が少ない。このような溶液を担体と接触させると、図2(b)に示すように、担体表面にある吸着サイトSの多くに貴金属化合物3が吸着する。そのため、貴金属化合物の吸着効率が向上する。
組成物中の亜硝酸イオンのモル数M1と硝酸イオンのモル数M2との和M1+M2に対する亜硝酸イオンのモル数M1の比 M1/(M1+M2)は0.5以上である。組成物中に亜硝酸イオンが上記のモル比で含まれることにより、溶液状の組成物の安定性を向上させることができる。そのため、硝酸濃度を減少させることができ、結果として貴金属化合物の吸着効率を向上させることができる。
このように吸着効率の高い組成物を用いることにより、担持触媒の製造工程において、吸着工程の回数を減少することができる。よって、製造コストを低下させることができる。
亜硝酸イオンのモル比 M1/(M1+M2)が小さすぎると安定性が低下する。そのため、硝酸濃度が低い場合、貴金属の水酸化物などの不溶性沈殿物が生じる。
亜硝酸イオンのモル比 M1/(M1+M2)は0.95以下であることが好ましい。配位子の全てが亜硝酸イオンである貴金属化合物は、配位子の一部が亜硝酸イオンであり、配位子の残りが硝酸イオンである貴金属化合物と比較して安定性が高い。安定性と吸着効率とを考慮すると、配位子の一部が亜硝酸イオンであり、配位子の残りが硝酸イオンである貴金属化合物がより多いことが好ましい。先の比が大きいと、貴金属化合物に配位する配位子の全てが亜硝酸イオンとなる確率が高くなる。
また、組成物中に含まれる貴金属のモル数M3に対する亜硝酸イオンのモル数M1と硝酸イオンのモル数M2との和M1+M2の比 (M1+M2)/M3は0.8以上であることが好ましい。組成物中に存在する硝酸イオン及び亜硝酸イオンが不足すると、組成物の安定性が低下し、不溶性沈殿物が生じる。しかし、上記モル比を0.8以上にすることにより、安定な組成物が得られる。
一方、モル比 (M1+M2)/M3は2.0以下であることが好ましい。モル比(M1+M2)/M3を2.0以下にすることにより、貴金属化合物の吸着効率を向上させることができる。
なお、通常、担持触媒の製造において組成物を溶液として用いる場合、該溶液中の硝酸イオン濃度は0.005〜2.4mmol/Lの範囲であることが好ましく、亜硝酸イオン濃度は0.005〜2.4mmol/Lの範囲であることが好ましく、貴金属化合物の濃度は0.005〜0.80mmol/Lの範囲であることが好ましい。
貴金属化合物に含まれる貴金属は、例えば、Pt、Pd、Rh、Au及びIrからなる群から選択される1つ又は複数の貴金属元素である。典型的には、該貴金属は、パラジウムである。
さらに、該組成物は、安定性が高いため、沈殿や凝集が起こりにくい。よって、高濃度の溶液を調製することが可能である。高濃度溶液を用いることにより、吸着効率をさらに向上させることができる。よって、担持触媒の製造工程において、吸着工程の回数をさらに減少することができる。
担持触媒製造用組成物が溶液の状態である場合、貴金属化合物は、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンが配位した単独の粒子であってもよいが、コロイド粒子を形成していてもよい。コロイド粒子は、複数の貴金属化合物の粒子が集まり、その周囲に硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンが配位することによって形成され得る。
亜硝酸イオンが配位したコロイド粒子を含むコロイド溶液は安定性が高い。よって、通常のコロイド溶液に用いられる高分子などの分散剤を必要としない。高分子を分散剤として用いた溶液では、溶液濃度が高くなると高分子の分子間距離が非常に近くなる。そのため、電荷の反発が起こり難くなる。しかしながら、亜硝酸イオンが配位したコロイド粒子は安定であるため、高濃度でも安定なコロイド溶液が得られる。
コロイド粒子の平均粒径は、含有される貴金属化合物の粒子の数によって異なるが、20nm以下であることが好ましい。平均粒径が20nm以下であると、コロイド粒子の安定性がより高くなる。
コロイド粒子の平均粒径は、動的光散乱式粒子径・粒度測定装置を用いて算出される。例えば、マルバーン社製 ゼータサイダー nano-Sを用いることができる。
次に、担持触媒製造用組成物の調製方法の一例を説明する。
まず、塩化物などの貴金属塩を塩酸に溶解し、塩酸溶液を調製する。次いで、塩酸溶液に亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩を添加して加熱する。このとき、亜硝酸塩の添加量を調節することにより、最終的に得られる組成物中の亜硝酸イオンのモル比を調整する。亜硝酸塩が溶解した後、溶液を冷却する。
その後、冷却した溶液から、陰イオン交換樹脂を用いて塩素イオンを除去する。さらに、陽イオン交換樹脂を用いて溶液から対イオンを除去する。このようにして得られた溶液に、硝酸を添加する。このようにして得られた組成物を蒸発乾固することにより、粉体状の担持触媒製造用組成物が得られる。粉体状の該組成物を水などの溶媒に溶解することにより、溶液状の組成物が得られる。
組成物がコロイド溶液である場合、上記調製方法において、濃縮途中の温度等を変化させることにより、コロイド粒子の平均粒径を調整することができる。
担持触媒は、例えば次のように製造することができる。まず、組成物を、水に溶解して貴金属化合物の溶液を調製する。この貴金属化合物の溶液と、アルミナ粉末などの担体を混合し、スラリーを調製する。スラリーを濾過し、濾過ケークを得る。この濾過ケークを乾燥させ、続いて、焼成する。これにより、担体表面に貴金属化合物が担持された担持触媒を得ることができる。
以上に述べたように、貴金属化合物と、亜硝酸イオンと、硝酸イオンとを含み、亜硝酸イオンのモル数M1と硝酸イオンのモル数M2との和M1+M2に対する亜硝酸イオンのモル数M1の比 M1/(M1+M2)を0.5以上にすることにより、安定であり、且つ、吸着効率の高い担持触媒製造用組成物を得ることができる。
貴金属としてパラジウムを用いた担持触媒製造用の貴金属化合物溶液を調製した。得られた貴金属化合物溶液の安定性及び吸着性を評価した。
(実施例1)
塩化パラジウム(II)(ナカライテスク社製)16gに35wt%の塩酸を20ml加えた。この混合物を80℃で2時間加熱して、塩化パラジウムを溶解させた。得られた溶液に、亜硝酸ナトリウム51gを添加し、80℃で4時間加熱した後、冷却した。
得られた溶液を、陰イオン交換樹脂100mlに通液させて塩素イオンを除去した。次いで、この溶液を、カラム中の陽イオン交換樹脂100mlに通液させて、対イオンを除去した。得られた溶出液に、60wt%の硝酸を7ml添加し、次いで、ロータリーエバポレータを用いて、80℃、4kPaの条件で減圧濃縮した。濃縮液を冷却し、さらに純水を200ml加え、実施例1の貴金属化合物溶液を得た。
この貴金属化合物溶液の亜硝酸イオンのモル比 M1/(M1+M2)は0.50であり、濃度は5wt%であった。
(実施例2〜4)
溶出液に添加する硝酸の量を変化させて亜硝酸イオンのモル比を表1に示すように調整し、また、純水の添加量を変化させて濃度を表1に示すように調整した以外は、実施例1と同様に貴金属化合物溶液を調製した。硝酸の添加量は、実施例2は6ml、実施例3は5ml、実施例4は1mlであった。純水の添加量は、実施例2は30ml、実施例3は50ml、実施例4は100mlであった。
(実施例5)
亜硝酸ナトリウムの添加量を26gとし、60wt%の硝酸の添加量を2mlとし、純水の添加量を50mlとした以外は、実施例1と同様に貴金属化合物溶液を調製した。調製した貴金属化合物溶液をさらに減圧濃縮し、純水を添加した。この減圧濃縮と純水添加を3回繰返し、実施例5の貴金属化合物溶液を得た。
(実施例6)
亜硝酸ナトリウムの添加量を34gとし、60wt%の硝酸の添加量を2mlとし、純水の添加量を100mlとした以外は、実施例1と同様に貴金属化合物溶液を調製した。調製した貴金属化合物溶液をさらに減圧濃縮した。純水の添加と減圧濃縮を再度行い、実施例6貴金属化合物溶液を得た。
(実施例7)
亜硝酸ナトリウムの添加量を34gとし、60wt%の硝酸の添加量を6mlとし、ロータリーエバポレータの条件を80℃、6kPaとし、純水の添加量を30mlとした以外は、実施例1と同様に貴金属化合物溶液を調製した。調製した貴金属化合物溶液をさらに減圧濃縮した。純水の添加と減圧濃縮をさらに2回繰り返し、実施例7の貴金属化合物溶液を得た。
(実施例8)
60wt%の硝酸を添加しなかった以外は、実施例1と同様に貴金属化合物溶液を調製した。
(比較例1)
60wt%の硝酸の添加量を9mlとし、純水の添加量を50mlとした以外は、実施例1と同様に貴金属化合物溶液を調製した。
(平均粒子径の測定)
動的光散乱式粒子径・粒度分布測定装置(DLS)により、平均粒子径を測定した。結果を表1に示した。
(吸着性試験)
各実施例及び比較例の貴金属化合物溶液を用いて、吸着性試験を行った。担体として、アルミナ粒子を用いた。
金属パラジウム換算で0.7gの貴金属化合物溶液に、9.3gのアルミナ粒子を投入してスラリーを調製した。スラリーを30分間撹拌した。その後、スラリーを濾過し、固形分と濾液を分離した。濾液中のパラジウム量を原子吸光光度計(島津製作所製原子吸光光度計AA−7000F)によって測定した。下式(I)により、吸着効率を算出した。
吸着効率(%)={(貴金属化合物溶液中のPd量(g)−濾液中のPd量(g))×100}/貴金属化合物溶液中のPd量(g) (I)
結果を表1に示した。また、モル比と吸着効率の関係を図3及び図4に示した。
(安定性の評価)
各実施例及び比較例の貴金属化合物溶液の安定性を評価した。各貴金属化合物溶液を、常温で3ヶ月間静置した。その後、沈殿が発生しているかを観察した。結果を表1に示した。なお、比較例1の貴金属化合物溶液は、調製直後に目視で沈殿が確認された。
Figure 2013184088
比較例1の貴金属化合物溶液は沈殿が発生した。このことから、亜硝酸イオンのモル比 M1/(M1+M2)が0.5未満である貴金属化合物溶液は、安定性が低いことが示された。
表1から、亜硝酸イオンのモル比 M1/(M1+M2)が0.5以上である実施例1〜8の貴金属化合物溶液は、沈殿が発生せず、安定性が高いことが示された。また、図3に示した通り、モル比 M1/(M1+M2)が0.5〜0.95の範囲である貴金属化合物溶液は、高い吸着効率を有することが示された。
表1及び図4から、実施例1〜7は、実施例8に比べて吸着効率が高かった。このことから、亜硝酸イオン及び硝酸イオンのモル比 (M1+M2)/M3が0.8〜2.0の範囲内であるの貴金属化合物溶液は、より高い吸着効率を有することが示された。
濃度が30wt%である実施例2及び7の貴金属化合物溶液はいずれも沈殿が発生しなかった。よって、亜硝酸イオンを含み、亜硝酸イオンのモル比が所定の範囲内である貴金属化合物溶液は、高濃度でも安定性が高いことが示された。
1…担持触媒、2…担体、3…貴金属化合物、4…硝酸イオン、5…亜硝酸イオン、S…吸着サイト。

Claims (6)

  1. 担体と、これに担持された貴金属化合物とを含んだ担持触媒の製造に使用する組成物であって、前記貴金属化合物と、亜硝酸イオンと、硝酸イオンとを含み、亜硝酸イオンのモル数M1と硝酸イオンのモル数M2との和M1+M2に対する亜硝酸イオンのモル数M1の比 M1/(M1+M2)は0.5以上である担持触媒製造用組成物。
  2. 前記比 M1/(M1+M2)は0.95以下である請求項1に記載の担持触媒製造用組成物。
  3. 前記組成物中に含まれる貴金属のモル数M3に対する亜硝酸イオンのモル数M1と硝酸イオンのモル数M2との和M1+M2の比 (M1+M2)/M3は0.8以上である請求項1又は2に記載の担持触媒製造用組成物。
  4. 前記比 (M1+M2)/M3は2.0以下である請求項3に記載の担持触媒製造用組成物。
  5. 前記貴金属化合物は液中に分散されたときに20nm以下の平均粒径を有する請求項1乃至4の何れか一項に記載の担持触媒製造用組成物。
  6. 前記貴金属化合物はPt、Pd、Rh、Au及びIrからなる群から選択される貴金属を含む請求項1乃至5の何れか一項に記載の担持触媒製造用組成物。
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