JP2013183031A - インダクタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2個のインダクタを、設計自由度が高く、少ない面積で形成することのできるインダクタ装置を提供する。
【解決手段】実施形態のインダクタ装置は、スパイラルインダクタ11が、端子P1と端子P2との間に形成され、スパイラルインダクタ11とは異なるインダクタンス値を有するスパイラルインダクタ12が、端子P2と端子P3との間に、スパイラルインダクタ11と同一平面上に形成される。このインダクタ装置は、スパイラルインダクタ12のインダクタンス値に応じて端子P3の配置位置が変化する。
【選択図】 図1
【解決手段】実施形態のインダクタ装置は、スパイラルインダクタ11が、端子P1と端子P2との間に形成され、スパイラルインダクタ11とは異なるインダクタンス値を有するスパイラルインダクタ12が、端子P2と端子P3との間に、スパイラルインダクタ11と同一平面上に形成される。このインダクタ装置は、スパイラルインダクタ12のインダクタンス値に応じて端子P3の配置位置が変化する。
【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、インダクタ装置に関する。
近年、携帯電話や携帯情報端末の普及に伴い、無線インターフェイスを持つ高周波回路の小型化への要求が強まっており、抵抗素子や容量素子、インダクタなどの受動素子を半導体チップに搭載する例が多くなっている。このうち、抵抗素子や容量素子を小型化することは比較的容易である。しかし、インダクタは、小型化が困難であり、その形成に多くのチップ面積を必要とする、という問題がある。
この問題に対して、従来、差動回路に用いられる2個(1対)のインダクタを1か所にまとめて配置し、チップ面積の使用効率を向上させるようにした差動型スパイラルインダクタが提案されている。この場合、2個のインダクタは、差動回路に用いられるため、それらのインダクタンス値や寄生抵抗値が同じであることが求められる。そのため、レイアウトパターンも、中間端子を中心として左右対象となるよう、対称性を考慮した設計が行われている。
ところで、同じ2個のインダクタを用いる回路として、ハイパスフィルタやインピーダンスマッチング回路がある。例えば、ハイパスフィルタの場合、入力端子と出力端子との間に直列に接続された第1のインダクタおよびキャパシタと、その中間接続点と接地端子との間に接続された第2のインダクタとにより、フィルタ回路が構成される。
この場合も、上述の差動型スパイラルインダクタと同様、2個のインダクタの接続点から中間端子が引き出される。しかし、ハイパスフィルタやインピーダンスマッチング回路の場合、2個のインダクタのインダクタンス値が同じとは限らない。
そのため、インダクタのインダクタンス値を容易に変化させることができ、かつ、2個のインダクタの配置面積を少なくすることのできるインダクタ装置の実現が望まれている。
本発明が解決しようとする課題は、2個のインダクタを、設計自由度が高く、少ない面積で形成することのできるインダクタ装置を提供することにある。
実施形態のインダクタ装置は、半導体チップに集積されるインダクタ装置である。このインダクタ装置は、第1のスパイラルインダクタが、第1の端子と第2の端子との間に形成され、前記第1のスパイラルインダクタとは異なるインダクタンス値を有する第2のスパイラルインダクタが、前記第2の端子と第3の端子との間に、前記第1のスパイラルインダクタと同一平面上に形成される。このインダクタ装置は、前記第2のスパイラルインダクタのインダクタンス値に応じて前記第3の端子の配置位置が変化する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図中、同一または相当部分には同一の符号を付して、その説明は繰り返さない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のインダクタ装置の構成の例を示すレイアウトパターン図である。
図1は、第1の実施形態のインダクタ装置の構成の例を示すレイアウトパターン図である。
本実施形態のインダクタ装置は、半導体チップに集積されるインダクタ装置であって、端子P1と端子P2との間に形成されるスパイラルインダクタ11と、端子P2と端子P3との間に、スパイラルインダクタ11と同一平面上に形成され、スパイラルインダクタ11とは異なるインダクタンス値を有するスパイラルインダクタ12と、を備える。
図2に、本実施形態のインダクタ装置の等化回路図を示す。図2に示すように、本実施形態のインダクタ装置は、端子P2を共通の端子として、端子P1と端子P2との間にスパイラルインダクタ11が接続され、端子P2と端子P3との間にスパイラルインダクタ12が接続される。ここで、スパイラルインダクタ12のインダクタンス値L2は、スパイラルインダクタ11のインダクタンス値L1と同じ値をとる必要はなく、任意の値に設計されるものである。
図1に戻って、本実施形態のインダクタ装置の半導体チップ上の構造を見ると、本実施形態のインダクタ装置は、スパイラルインダクタ11もスパイラルインダクタ12も、基本的には、上層の金属配線層である配線層M2を用いて配線パターンが形成されている。
ただし、同一の平面上に形成されているため、スパイラルインダクタ11の配線とスパイラルインダクタ12の配線が交差する部分がある。その場合、ビア(V1〜V8)と下層の金属配線層(配線層M1)を用いて、配線層M2の配線パターンとの交差が行われている。
例えば、スパイラルインダクタ11は、ビアV1とビアV2の間に配線層M1が使用され、スパイラルインダクタ12は、ビアV5とビアV6の間、およびビアV7とビアV8の間に配線層M1が使用されている。
なお、ビアV3とビアV4の間の配線層M1は、端子P2を外部へ引き出すための配線として用いられている。
図1では、端子P3は図面上方に配置されている。しかし、本実施形態では、端子P3の位置は、この位置に固定されるものではなく、スパイラルインダクタ12のインダクタンス値L2の大きさに応じて、その配置位置が変化する。その例を図3に示す。
図3に示す例は、スパイラルインダクタ12のインダクタンス値L2の大きさが、図1に示す例よりも小さい場合の例である。
この場合、スパイラルインダクタ12の配線長が、図1に示す例よりも短くなる。そこで、図3に示す例では、端子P3が図面右方に配置されている。
このような本実施形態によれば、スパイラルインダクタ12のインダクタンス値L2の大きさに応じて、スパイラルインダクタ12が接続される端子P3の配置位置を変化させることができる。
(第2の実施形態)
図4および図5は、第2の実施形態のインダクタ装置の構成の例を示すレイアウトパターン図である。
図4および図5は、第2の実施形態のインダクタ装置の構成の例を示すレイアウトパターン図である。
図4は、図1に示したスパイラルインダクタ11およびスパイラルインダクタ12の周囲を取り囲むよう、ガードリング2を配置した例であり、図5は、図3に示したスパイラルインダクタ11およびスパイラルインダクタ12の周囲を取り囲むよう、ガードリング2を配置した例である。
このガードリングを固定の電位、例えば接地電位に接続することにより、インダクタ装置をシールドすることができる。これにより、外部からインダクタ装置へのノイズの侵入およびインダクタ装置から外部への電磁誘導の漏れを防止することができる。
このような本実施形態によれば、ガードリング2を配置することにより、外部からのノイズの侵入を防止することができる。
(第3の実施形態)
図6(a)は、第3の実施形態のインダクタ装置の応用例の1つであるハイパスフィルタ(HPF)の構成の例を示す回路図である。
図6(a)は、第3の実施形態のインダクタ装置の応用例の1つであるハイパスフィルタ(HPF)の構成の例を示す回路図である。
図6(a)に示す例では、端子P2にキャパシタCが接続され、端子P3は接地端子GNDに接続される。端子P1に信号を入力すると、入力信号の低周波成分はスパイラルインダクタ12を通って接地端子GNDへ流れ込み、入力信号の高周波成分のみがキャパシタCの他端から出力される。なお、接地端子GNDは、DC(直流)的な接地端子に限ることはなく、AC(交流)的な接地が行えればよい端子である。
また、図6(b)は、図6(a)に示したHPFを使用する応用例の1つである、無線通信装置の無線インターフェイス部の構成の例を示すブロック図である。
この無線インターフェイス部100では、HPF101は、アンテナANTへ送信電力を供給するパワーアンプ102の入力端子と変調部MODの出力との間に接続される。このHPF101により、変調部MODの出力に含まれる低周波数のノイズ成分が除去される。
図7および図8は、このようなハイパスフィルタに用いられる、第3の実施形態のインダクタ装置の構成の例を示すレイアウトパターン図である。図7に示す構成と図8に示す構成の違いは、第1および第2の実施形態同様、端子P3の配置位置とスパイラルインダクタ12の配線長(インダクタンス値)の違いである。
本実施形態のインダクタ装置では、スパイラルインダクタ11およびスパイラルインダクタ12の周囲を取り囲むよう、ガードリング2が配置されている。ここでは、このガードリング2が接地端子GNDに接続されているものとする。
そこで、本実施形態では、接地電位に接続される端子P3をガードリング2へ接続するようにされている。この接続により、端子P3は、接地端子GNDに接続される。
本実施形態の場合、スパイラルインダクタ12の周囲をガードリング2が取り囲んでいるため、端子P3がどこに配置されても、端子P3を接地端子GNDに容易に接続することができる。
また、本実施形態では、フィルタ特性に及ぼすビアの寄生抵抗の影響を少なくするため、スパイラルインダクタ11は上層の配線層M2のみで配線し、スパイラルインダクタ12のみ、ビアV1〜V6と下層の配線層M1による交差配線を行うようにする。これは、スパイラルインダクタ12の方は、接地電位に接続されるため、ビアの寄生抵抗が付加されても、ハイパスフィルタの高周波通過特性への影響が少ないためである。
このような本実施形態によれば、ハイパスフィルタの応用に適したインダクタ装置を形成することができる。
(第4の実施形態)
図9および図10は、第4の実施形態のインダクタ装置の構成の例を示すレイアウトパターン図である。本実施の形態のインダクタ装置も、ハイパスフィルタの応用に適した構成を有する。図9に示す構成と図10に示す構成の違いは、第3の実施形態同様、端子P3の配置位置とスパイラルインダクタ12の配線長(インダクタンス値)の違いである。
図9および図10は、第4の実施形態のインダクタ装置の構成の例を示すレイアウトパターン図である。本実施の形態のインダクタ装置も、ハイパスフィルタの応用に適した構成を有する。図9に示す構成と図10に示す構成の違いは、第3の実施形態同様、端子P3の配置位置とスパイラルインダクタ12の配線長(インダクタンス値)の違いである。
本実施形態のインダクタ装置が第3の実施形態のインダクタ装置と異なる点は、スパイラルインダクタ12が、交差部を除いて下層の配線層M1のみで配線されている点である。
すなわち、本実施形態では、スパイラルインダクタ11は上層の配線層M2で配線し、スパイラルインダクタ12は下層の配線層M1で配線するよう、配線層の使い分けが行われている。これにより、交差配線のためのビアの個数を少なくすることができる。
このような本実施形態によれば、スパイラルインダクタ11とスパイラルインダクタ12の配線層を使い分けることにより、ビアの個数を少なくすることができ、フィルタ特性に与えるビアの寄生抵抗の影響を低減させることができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態のインダクタ装置によれば、2個のインダクタを、設計自由度が高く、少ない面積で形成することができる。
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11、12 スパイラルインダクタ
2 ガードリング
V1〜V8:ビア
100 無線インターフェイス部
101 ハイパスフィルタ(HPF)
102 パワーアンプ
2 ガードリング
V1〜V8:ビア
100 無線インターフェイス部
101 ハイパスフィルタ(HPF)
102 パワーアンプ
Claims (5)
- 半導体チップに集積されるインダクタ装置であって、
第1の端子と第2の端子との間に形成される第1のスパイラルインダクタと、
前記第2の端子と第3の端子との間に、前記第1のスパイラルインダクタと同一平面上に形成され、前記第1のスパイラルインダクタとは異なるインダクタンス値を有する第2のスパイラルインダクタと
を備え、
前記第2のスパイラルインダクタのインダクタンス値に応じて前記第3の端子の配置位置が変化する
ことを特徴とするインダクタ装置。 - 前記第1のスパイラルインダクタおよび前記第2のスパイラルインダクタを取り囲むガードリングを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のインダクタ装置。 - 前記ガードリングが接地端子に接続され、
前記第3の端子が前記ガードリングに接続される
ことを特徴とする請求項2に記載のインダクタ装置。 - 前記第2のスパイラルインダクタを構成する配線が、
前記第1のスパイラルインダクタを構成する配線と同一の配線層に形成され、
ビアを介して前記第1のスパイラルインダクタを構成する配線と交差する
ことを特徴とする請求項3に記載のインダクタ装置。 - 前記第1のスパイラルインダクタが上層の配線層に形成され、
前記第2のスパイラルインダクタが下層の配線層に形成される
ことを特徴とする請求項3に記載のインダクタ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012046047A JP2013183031A (ja) | 2012-03-02 | 2012-03-02 | インダクタ装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015033727A1 (ja) | 2013-09-04 | 2015-03-12 | 東洋鋼鈑株式会社 | 超電導線材用基板及びその製造方法、並びに超電導線材 |
US10566128B2 (en) | 2016-06-24 | 2020-02-18 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Power inductor with a chip structure |
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2012
- 2012-03-02 JP JP2012046047A patent/JP2013183031A/ja active Pending
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