JP2013182995A - ディスプレイ及びディスプレイの製造方法 - Google Patents
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【解決手段】
FPC31〜38は、端部31a〜38aがパネル10の実装部15a,15bに接続され、パネル10の辺10a,10cの周りを取り巻くように曲げられて、他端部31b〜38bがプリント配線基板21〜25に接続されている。配線11〜13の引出線部12a〜13aと各FPC31〜34との接続は、異方性導電フィルム50を介してなされている。各FPC31〜34における端部31a〜38aの縁と、実装部15a,15bとは、両者にまたがって配された接着剤層60によって固定されている。接着剤層60は、各端部31a〜38aの縁に沿って複数箇所に離散的に配設されている。
【選択図】図1
Description
このようなフラットディスプレイにおいては一般に、画像を表示するために素子をガラスなどの基板上に形成し、各素子に走査信号、映像信号、電源等を伝達する配線群をマトリックスス状に配設してパネルが構成され、このパネルに、上記走査信号、映像信号、電源等を供給するプリント配線基板が、フレキシブル配線板(FPC:Flexible Printed Circuit)を介して接続されて表示装置が構成されている。
このようなディスプレイにおいて、FPCを接合したパネルをハンドリングするときなどに、パネルが撓んで、FPCとパネルとの接合箇所に力が加わると、接合箇所が剥がれることがある。従って、フレキシブル配線板とパネルとの接合をできるだけ強固に行うことが望まれる。
FPCの端部とパネルとの接合を強固にする方法として、例えば特許文献1に記載されている接合構造においては、FPCの端部に貫通孔を設け、その貫通孔内に異方性導電接着剤を充填している。これによって、異方性導電接着剤を加熱しつつ加圧すると、パネルの接続端子とFPCの出力配線が異方性導電接着剤に含まれる導電性粒子を介して導電接続されると同時に、加えられた圧力により流動化した絶縁性接着剤が設けた貫通孔を流入し充填され、接着剤が硬化すると、パネルとFPCとの位置がずれるのが抑えられる。
また、上記接着剤層は、FPCの一端部の縁に沿って複数箇所に離散的に配設されているので、FPCの一端側全体が接着剤層で被覆されることがない。
また、フレキシブル配線板の一端側における縁に、一端部と他端部を結ぶ方向と直交する方向に互いに離間する2つの角部分を有している場合、複数の接着剤層は、少なくとも当該2つの角部分に配設することが好ましい。
本発明は、プリント配線基板がパネルの背面側に位置し、フレキシブル配線板が、パネルから延出され、パネルの縁を取り囲むよう曲げられて、プリント配線基板に接続されているディスプレイにおいて特に有効である。
本発明は、パネルの表示面が凹状または凸状に湾曲している場合においても特に有効である。
上記製造方法において、パネル基板をエッチングすることによって厚みを薄くするエッチング工程を設ける場合には、エッチング工程を固定工程の後に行うことによって、接続工程はエッチング工程の前に行われるので、エッチングによる配線同士の接続不良の発生を抑えることができる。
[実施の形態1]
(ディスプレイ1の全体構成)
図1は、実施の形態1にかかるディスプレイ1の本体主要部を示す斜視図であって、(a)は前方から見た図、(b)は後方から見た図である。
パネル10は、ここでは長方形状の有機ELパネルであって、長辺である横辺10a,10b,短辺である縦辺10c,10dの四辺を有し、その大きさは20型である。
図1(b)に示すように、上記の複数のプリント配線基板21〜24及びプリント配線基板25は、保持板40の背面側に貼り付けられている。
各FPC31〜34は、その端部31a〜34aがパネル10の実装部15bに接続され、下辺10aからパネル10の外に延出され、下辺10aの周りを取り巻くように曲げられて、他端部がプリント配線基板21〜24に接続されている。また、各FPC35〜38は、一端側がパネル10の実装部15aに接続され、縦辺10cからパネル10の外に延出され、縦辺10cの周りを取り巻くように曲げられて、他端側がプリント配線基板25に接続されている。
(パネル10の構造)
素子基板15は、横450mm縦270mm厚み0.7mmのガラス板からなり、横方向に伸長する配線11と、縦方向に伸長する配線12,13とが配設されている。配線11は走査線、配線12はデータ線、配線13は電源線である。
すなわち、素子基板15の上において、配線11と配線12,13とが立体交差する箇所に、有機発光層及び素子電極を含む発光素子16が形成されることによって、複数の発光素子16がマトリックス状に配列されている。そして、発光素子16が形成されている箇所が画素となっている。さらに素子基板15の上には配列された発光素子16の全体を覆うように封止層17が形成されている。
素子基板15の表面の右側及び下側には実装部15a,15bが確保されている。この実装部15a,15bは、FPC31〜38と接続される領域であって、封止層17で覆われていない。そして、各配線11の右端部分は実装部15aに延出されて引出線部11aが形成され、各配線12,13の下端部分は実装部15bに延出されて引出線部12a,13aが形成されている。これら実装部15a,15bは非表示領域であるので、実装部15a,15bの面積は、配線の接続を確保できる範囲で、できるだけ狭く設定することが好ましい。
(ディスプレイ1の配線構造及び動作)
図2は、パネル10及びプリント配線基板21〜25における配線の接続形態を示す図である。
これら、複数の配線11、並びに複数の配線12,13が、第1配線群に相当する。
そして、複数の配線11の引出線部11aは、FPC35〜38を介して、プリント配線基板25(基板サイズは縦270mm×横25mm)に接続され、複数の配線12の引出線部12a及び配線13の引出線部13aは、FPC31〜34(各基板サイズは縦35mm×横100mm)を介して、プリント配線基板21〜24に接続されている。
このような構成のディスプレイ1において、電源回路部から供給される走査信号は、ケーブル線群、プリント配線基板25、FPC35〜38を介して配線11に印加され、電源回路部から供給されるデータ信号及び電力は、ケーブル線群、プリント配線基板21〜24、FPC31〜34を介して、パネル10の配線12,13に供給される。そして、パネル10において、以下のように動作して各画素で発光する。
(FPC31〜38の実装部15a,15bへの接続)
図4に示すように、FPC31〜38は、テープ状のフレキシブル基板30aと、そのフレキシブル基板30aの背面に形成された複数の配線30bとからなる。
フレキシブル基板30aとしてはポリイミドフィルムが好ましい。
配線11の引出線部11aと複数の配線30bとの接続は、FPC35〜38の一端部が接着性部材、具体的には異方性導電フィルム50(「ACF50」と記載する。)を介して素子基板15の実装部15aに貼り付けられることによってなされている。
ここで、接着性部材として用いているACF50は、ホットメルト接着剤51に導電性粒子50bが練り込まれた材料からなるフィルムである。
素子基板15の実装部15bにおいても同様に、各配線12,23の引出線部12a、13aは、FPC31〜34の各配線30bと、ACF50を介して熱圧着により接続されている。
ここで、各FPC31〜38の端部31a〜38aを固定している島状の接着剤層60は、各端部31a〜38aの縁に沿って複数箇所に離散的に配設されている。
図1,図5(a)に示す例では、各FPC31〜38は長方形状であって、各端部31a〜38aには角部が2個づつ存在し、その2つの角部分は、各端部31a〜38aと端部31b〜38bを結ぶ方向と直交する方向(FPC31〜34においては横方向、FPC35〜38においては縦方向)に互いに離間している。
接着剤層60は、光硬化型樹脂あるいは熱硬化型といった硬化性の樹脂で形成することが好ましい。
光硬化型樹脂としては、UV硬化型樹脂、可視光硬化樹脂が挙げられる。
またUV照射と比べて人体に対する影響やパネル10の構成素材に対する影響も小さい。一方、固定強度についてはUV紫硬化樹脂に劣らない強度が得られる。
このような接着剤層60によって、後述するように、FPC31〜38と実装部15aとの接合力向上と、パネル10が湾曲するのに伴って損傷するのを防止する効果を合わせて得ることができる。
図3,4,7を参照しながらディスプレイ1の製造方法の例を説明する。
パネル10の作製:
素子基板15に配線11〜13、発光素子16等を形成し、封止層17となるガラス板を重ねて、接着剤を用いて、ガラス板における周辺部を固定することによってパネル10を作製する。シール剤として、例えば、エポキシ系樹脂に、硬化剤として酸無水物を添加し、促進剤としてシランカップリング剤を添加したものを用いる。
図7(a)に示すように、FPC31〜38を、パネル10に接続する。
この接続は、図3に示すように、FPC31〜38を、ACF50を介挿して熱圧着することによって、素子基板15の実装部15a,15bに接続する。
そして、図4に示すようにFPC31〜38を接着した後、UV硬化型ポリアクリレートを、ポッティング装置65で、各FPC31〜38の端部31a〜38aの角部に所定量滴下した後、UV光を照射して硬化させることによって接着剤層60を形成する。UV照射時間は例えば10秒である。
このようにUV硬化型の樹脂を使用することにより、加熱工程がなくても樹脂を硬化することができ、FPC31〜38を短時間で固定できる。また、UV硬化型の樹脂はUV照射が短時間でも硬化するので、UV照射によるパネルへの影響は少ない。
図7(b)に示すように、パネル10の外周部、特に実装部15a,15bをレジスト層66で封止する。このレジスト層66は、封止層17と素子基板15の端面および実装部15a,15bの表面を被覆するように形成する。
そして、パネル10の封止層17の表面及び素子基板15の背面をエッチング液に浸漬することによって厚みを薄くする。
このパネル10の浸漬において、パネル10に接続されているプリント配線基板21〜25、FPC31〜38は浸漬しないようにする。そのために、図7(c)に示す例では、カバー67でプリント配線基板21〜25、FPC31〜38を覆っている。
このようにレジスト層66を形成しておくことによって、エッチング工程でフッ酸に浸漬したときに、封止層17の中の発光素子16が侵食されたり、実装部15a,15bの配線11,12,13がエッチングされるのを防止できる。
なお、パネル10を薄層化する方法として、上記のエッチング法の他に、機械的研磨や化学的研磨を用いることもできる。
図7(d)に示すように、パネル10を保持板40の前面に固定する。
この貼り付けは接着剤で行ってもよいし、パネル10の外周部を押え板で保持板40に押さえ付けて固定してもよい。
プリント配線基板21〜25は、保持板40の背面に接着剤によって固定する。以上でディスプレイ1の本体が作製される。
ディスプレイ1の本体における各プリント配線基板21〜25のコネクタ90と電源回路部とをケーブル線群で接続し、ケースに収納することよって、ディスプレイ1が出来上がる。
狭額縁効果:
ディスプレイ1においては、保持板40の背面(すなわちパネル10の背面側)にプリント配線基板21〜25が配置されているので、パネル10の横や下に並べてプリント配線基板21〜25を配置する場合と比べて、ディスプレイの装置サイズを小さくできる。非表示部位は、ディスプレイの額縁といわれ、太いとそれだけで圧迫感を与え重く見えるが、非表示部の面積を狭くできることによって、表示面積は同じでも、額縁が狭く、小サイズの表示装置を実現できる。
FPC31〜38の剥がれ防止効果:
一方、ディスプレイ1において、各FPC31〜38が180°湾曲されているため、パネル10の実装部15a,15bとの接合箇所において、FPC31〜38が剥がれる方向に力がかかることもあるが、各FPC31〜38は、その端部31a〜38aと、パネル10の実装部15a,15bとを、ACF50を介して接着されている上に、端部31a〜38aと実装部15a,15bの両者にまたがって配された接着剤層60で固定されているので、FPC31〜38とパネル10の実装部15a,15bとの接合強度が高められる。従って、FPC31〜38の剥がれを防止できる。
なお、パネル10における各FPC33,34の端部33a,34aでは、端部33a,34aにおける横方向の両端部だけが接着剤層60で固定され、2つの接着剤層60どうしの隙間部分に接着剤層60が存在しないが、一般に、FPC33,34が実装部15aから剥がれる場合には、まず端部33a,34aの横方向の端部から剥がれはじめ、横方向の中央部から剥がれ始めることは少ない。
但し、各端部33a,34aにおける横方向(X方向)の長さが長い場合には、端部33a,34aにおける横方向の中央部からも剥がれる可能性があるので、図6(a)に示すように当該中央部にも接着剤層60を設けることが好ましい。
接着剤層60は、硬化性樹脂からなり、FPCのように柔軟性がないので、パネル10が湾曲変形したときに、その変形に追随して接着剤層60が変形しようとするとても容易に変形はできないが、接着剤層60は、端部31a〜38aの縁に沿って複数箇所に離散的に配設されているので、パネル10に大きな応力が加わることはない。
この点について、比較例と比べながら説明する。
図6(c)は、比較例にかかるパネル110を示す図であって、上記実施形態にかかるパネル10と同様の構成であるが、FPCの端部において、接着剤層を配設する形態が異なっている。
図8は、実施の形態にかかるパネル10と比較例にかかるパネル110において、パネルが湾曲したときにパネルにどのように応力がかかるかを説明する図である。
比較例にかかるパネル110においては、接着剤層160が、FPC33,34の端部33a,34aに対して、横方向全体に連続して配設されているので、図8(e)のように、パネル110の前面側が凸状に湾曲変形した場合、これに接合されている接着剤層160に対して、前面側を凸状に湾曲させる方向に力がかかり、且つ接着剤層160は湾曲したパネルの外側にあるので、接着剤層160を横方向に伸張させる方向に力がかかる。
また、図8(f)のように、パネル110の前面側が凹状に湾曲変形した場合、これに接合されている接着剤層160に対して、前面側が凹状に湾曲させる方向に力がかかり、且つ接着剤層160は湾曲したパネルの内側にあるので、接着剤層160を横方向に圧縮させる方向に力がかかるが、接着剤層160はそのような力の方向にも容易に変形しない。従って、接着剤層160からパネル110に対して、逆向きの応力、すなわち、図8(f)で白抜矢印で示すように、パネル110を横方向に伸長させる方向に力F3、パネル110を前面側が凸状に湾曲させる方向に力F4が加わる。
この場合、パネル110が湾曲したときに、接着剤層160からパネル110に対してかかる応力は小さいので、パネル110の損傷を抑える効果はあるが、角部分に接着剤層160が配設されていないでので、FPC36及びFPC37が素子基板15から剥がれるのを防止する効果については劣る。
(製造方法における効果)
パネル10の薄層化を行った後で、FPC31〜38の端部31a〜38aと素子基板15との接続工程を行った場合には、引出線部11a,12a,13aがエッチング液に触れて削れることによって、あるいは実装部15a,15bの表面がレジスト層66で汚れることによって、FPC31〜38の端部31a〜38aの配線30aと、素子基板15の配線30bとの接続が不良となる可能性がある。
また、パネル10を薄くしてからFPC31〜38を圧着によって接合すると、圧着時にパネル10が破損しやすいが、上記製造方法によれば、パネル10の薄層化の前、すなわちパネル10の厚みが厚い状態(例えばパネル10の厚みが1.5mmの状態)でFPC31〜38を圧着して接合しているので、FPC31〜38の圧着時におけるパネル10の破損を防止できる。
(接着剤層60を配設する形態及び大きさ)
図5(a)〜(c)及び図6(a),(b)は、接着剤層60を配設する形態を示す平面図である。接着剤層60は、各端部31a〜38aの縁をまたいで配設されるが、接着剤層60の形状については、図5(a)に示すように円形状にしてもよいし、図5(b)に示すように、接着剤層60を、FPC31〜38の端部31a〜38aの縁に沿って伸長させて、楕円形状あるいは長円形状に形成してもよい。
パネル10において配線11〜13が高密度で配置されている場合、FPC31〜34の中で隣接するもの同士の隙間、並びにFPC35〜38の中で隣接するもの同士の隙間を確保するのが難しくなり、その隙間が3mm以下となる場合もある。
その場合、隣接するFPCの2つの角部が接近するので、各角部に別々に接着剤層60を塗布形成することは難しいが、図5(b)に示すように、隣接するFPC同士にまたがるように接着剤層60を設ければ容易に塗布形成できる。
図6(a)は、FPC31〜34の端部31a〜34aにおいて、角部だけでなく、2つの角部同士の間にも、接着剤層60を配設し、各端部31a〜34aにおいて、島状の接着剤層60を3つづつ横方向に配列している例である。
図6(b)は、FPC31〜38の端部31a〜38aにおいて、角部の真上には接着剤層60を配設せず、各角部からずれた位置に接着剤層60を設けている。
以上の図5(b),(c)、図6(a),(b)に示した例においても、FPC31〜38の端部31a〜38aに離散的に配設された接着剤層60でFPC31〜38が実装部15a,15bに固定されることによって、FPC31〜38は剥がれにくく、且つパネル10が湾曲しても破損しにくい効果を奏する。
また、各端部31a〜38aの縁に沿った長さ(図5(b)においてL2で示す長さ)についても、接着性を確保するために1mm以上とすることが好ましく、一方、長くなるとパネル10の湾曲に伴って素子基板15が受ける応力が大きくなるので、12mm以下とすることが好ましい。
図5(a)に示すように接着剤層60を円形状に形成する場合、通常、径3mm程度の大きさで形成するのが適している。
[実施の形態2]
図9(a),(b)は、実施の形態2にかかる曲面状のディスプレイ2の斜視図である。
このディスプレイ2のような曲面ディスプレイにおいては、実施の形態1で説明した接着剤層60の配設形態によって、素子基板15にかかる応力が抑制される効果がより顕著になる。
(ディスプレイ2の構成)
ディスプレイ2は、前面側が凸状に湾曲した保持板70に、パネル10が貼付けられて構成され、表示面が凸状に湾曲している曲面ディスプレイであって、ディスプレイ1と同じ大きさの20型である。
パネル10は、接着剤でパネル貼付面710に固定してもよいが、湾曲したパネル貼付面710面にパネル10を安定して固定するために、パネル10の辺10a,10bを、帯状の押え板51a,51bで上から押さえて固定している。押え板51a,51bは、アルミばね板からなり、押え板51a,51bの端部には、ネジ52が貫通する孔53が開口され、保持板70にはネジ52が螺合するネジ孔54が刻設されている。このように、ばね板を用いることによってパネル10の側部を均等な力で固定することができる。
このような保持板70は、例えば、厚さ8mmのアルミ板を、パネル貼付面710が曲率半径R500mmに湾曲した凸面となるように湾曲加工して、その背面側を切削加工することによって作製することができる。
ディスプレイ2において、FPC31〜34及びFPC35〜38の端部が、図5(a)〜(e)に示すように離散的に配設された接着剤層60によって素子基板15に固定されている点はディスプレイ1と同様である。また、パネル10とプリント配線基板21〜24とを接続するFPC31〜34が、保持板70における湾曲する縁70aの周りを取り巻くように180°湾曲されている点もディスプレイ1と同様である。
図10は、湾曲した保持板70にパネル10を貼付ける工程を示す図である。
従って、パネル10を貼り付ける時に湾曲させやすいように、薄膜化工程において、パネル10の厚みを0.5mm以下に薄膜化することが好ましい。パネル10の厚みを0.5mm以下にすると、曲率半径R=500まで湾曲させることができる。
ここではパネル10の厚みを0.2mmとする。この厚みにおいては、パネル10を曲率半径R=300mmで湾曲させることができる。
曲面ディスプレイであることによる効果:
ディスプレイ2は、表示面が凸状に湾曲した薄型のディスレイであり、凸状の面上に省スペースに設置することができる。例えば円柱の凸面(外周面)に巻き付けるように貼り付けて、省スペースに設置することができる。
狭額縁効果:
ディスプレイ2は、ディスプレイ1同様に、保持板70の背面(すなわちパネル10の背面側)にプリント配線基板21〜24が配置されているので、上下方向についてディスプレイの装置サイズを小さくでき狭額縁効果を奏する。
このようにディスプレイ2は、表示面が凸状で且つ額縁が細いので、見る人の方に表示面が飛び出して凸感が強調される。そのため、特にインパクトのある表示を行うことができる。
FPC31〜38の素子基板15からの剥がれが接着剤層60によって防止される効果については、実施の形態1で説明したとおりであるが、特に、ディスプレイ2においては、パネル10が湾曲した状態で保持板70に貼り付けられているので、FPC31〜38が剥がされる方向に力がかかりやすいが、FPC31〜38の端部が接着剤層60によって素子基板15に固定されているので、FPC31〜38が剥がれが防止できる。
ディスプレイ2においては、製造時にパネル10を保持板70に貼り付けるときに、パネル10が湾曲されるので、上記図8を参照しながら説明したように、比較例にかかる接着剤層160の場合は素子基板15に応力がかかりやすいが、離散的に配設された複数の接着剤層60はそれに追随して容易に相対位置が変化できるので、接着剤層60からパネル10に対してかかる応力は小さい。
接着剤層60の配設形態、大きさについては、基本的に実施の形態1で説明したとおりである。ただし、ディスプレイ2においては、パネル10を強制的に湾曲する加工をしているので、ディスプレイ1と比べて、FPC31〜34の端部31a〜34aが素子基板15から剥がす力もかかりやすく、また、素子基板15に対して応力もかかりやすい。
(ディスプレイ2の変形例)
ディスプレイ2においては、プリント配線基板21〜24を保持板70の背面に貼り付けたが、保持板70の下に樹脂性のケースを設けて、当該ケースの側面に、プリント配線基板21〜24及びプリント配線基板25を、パネル10に対して直角に貼り付けてもよい。
(凹状の表示面を持つディスプレイへの適用)
ディスプレイ2は、表示面が凸形状であったが、図10(b)に示すように、パネル貼付面710を凹形状に湾曲させた保持板70に、パネル10を貼り付けることによって、表示面が凹状に湾曲したディスプレイを構成することも可能である。
このように表示面が凹状のディスプレイを構成した場合も、ディスプレイ2と同様に、狭額縁効果が得られ、また、各FPC31〜38の端部31a〜38aに、接着剤層60を離散的に配設することによって、FPC31〜38の剥がれ防止効果、素子基板15に応力が発生するのを防止する効果が得られる。
上記実施の形態1,2では、各部材の大きさについて具体的数値を挙げて説明したが、本発明の効果を得るのにここに例示した大きさに限定されることはない。
上記実施の形態1,2では、FPC31〜38のすべての端部31a〜38aに接着剤層60を配設したが、FPC31〜38の中から選んだ特定のものだけに接着剤層60を配設してもよい。例えば、FPC31〜34の端部31a〜34aにだけ接着剤層60を配設してもよい。その場合も、接着剤層60を配設したFPCについては効果を得ることができる。
また本発明は、ディスプレイに限らず、基板上に配線群が配されたモジュールに、FPCを介して配線群に信号または電力を供給するプリント配線基板が接続された基板付きモジュールにおいても適用することができる。この場合も、FPCの端部と基板上の配線群との接続箇所において、FPCと基板にまたがる接着剤層を設け、その接着剤層を、FPCの端部の縁に沿って離散的に複数箇所に島状に配設することによって、FPCの剥がれ防止する効果と基板に対する応力を抑制する効果を合わせて得ることができる。
10 パネル
11,12,13 配線
11a,12a,13a 引出線部
15 素子基板
15a,15b 実装部
16 発光素子
17 封止層
21〜25 プリント配線基板
30a フレキシブル基板
30b 配線
31〜38 FPC
31a〜38a 端部
31b〜38b 端部
40 保持板
50 異方性導電フィルム(ACF)
60 接着剤層
70 保持板
90 コネクタ
710 パネル貼付面
Claims (8)
- 基板上に複数の画素が形成され、当該複数の画素にまたがって第1配線群が配されたパネルと、フィルム上に第2配線群が形成されてなるフレキシブル配線板と、当該フレキシブル配線板の第2配線群を介して前記第1配線群に信号及び電力の少なくともいずれかを供給するプリント配線基板とを備え、
前記パネルの外周部には、前記第1配線群の各端部が存在する実装部が設けられ、
前記フレキシブル配線板は、その一端側が、前記実装部に接着性部材を介して貼り付けられることによって前記第1配線群と前記第2配線群との接続がなされ、その他端側は前記プリント配線基板に接合されているディスプレイであって、
前記フレキシブル配線板の一端側と、前記パネルの外周部とは、両者にまたがって配された接着剤層で固定されており、
当該接着剤層は、前記フレキシブル配線板の一端側の縁に沿った複数の箇所に離散して配設されているディスプレイ。 - 前記フレキシブル配線板の一端側における縁は、複数箇所に角部分を有し
前記複数の接着剤層は、当該複数の角部分に配設されている請求項1記載のディスプレイ。 - 前記フレキシブル配線板の一端側における縁は、
当該一端部と他端部を結ぶ方向と直交する方向に互いに離間する2つの角部分を有し、
前記複数の接着剤層は、少なくとも当該2つの角部分に配設されている請求項2記載のディスプレイ。 - 前記接着性部材は、
異方性導電フィルム(ACF)からなる請求項1〜3のいずれかに記載のディスプレイ。 - 前記プリント配線基板は、
前記パネルの背面側に位置し、
前記フレキシブル配線板は、
前記パネルから延出され、前記パネルの縁を取り囲むよう曲げられて、前記プリント配線基板に接続されている請求項1〜4のいずれかに記載のディスプレイ。 - 前記パネルは、
表示面が凹状または凸状に湾曲している請求項1〜5のいずれかに記載のディスプレイ。 - パネル基板上に複数の画素が形成され、当該複数の画素にまたがって第1配線群が配されたパネルに、フィルム上に第2配線群が形成されてなるプリント配線基板の一端側を、接着シートを介して接続する接続工程と、
前記フレキシブル配線板の一端側と、前記パネルの外周部とを、両者にまたがって配された接着剤層で固定する固定工程とを有し、
前記固定工程では、
前記接着剤層を、前記フレキシブル配線板の一端側の縁に沿った複数箇所に離散して配設して固定するディスプレイの製造方法。 - 前記固定工程の後に、
前記パネル基板をエッチングすることによって厚みを薄くするエッチング工程を備える請求項7記載のディスプレイの製造方法。
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