JP2013181002A - フラーレン誘導体およびその製造方法、並びにこれを用いた樹脂組成物 - Google Patents

フラーレン誘導体およびその製造方法、並びにこれを用いた樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂材料の性質を大きく改良し、長期間に亘りブリードアウトしないフラーレン誘導体および樹脂組成物を提供。
【解決手段】水酸化フラーレンにアクリル酸クロリドもしくはメタクリル酸クロリドを反応させて、一部の水酸基を残したまま、フラーレン誘導体を生成する。これにより、フラーレン核に直接結合した水酸基を有する水酸化フラーレンにおいて、一部の水酸基に直接エステル結合したアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するフラーレン誘導体を得る。このフラーレン誘導体と不飽和結合を有する単量体とを共重合させて樹脂組成物とする。
Figure 2013181002

【選択図】図7

Description

本発明は、樹脂の化学的および物理的性質を改良できるフラーレン誘導体およびその製造方法、並びにこれを用いた樹脂組成物に関するものである。
近年、ナノマテリアルであるフラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン類と合成樹脂材料とのナノコンポジット材料の研究が多くなされている。例えば、ナノマテリアルであるフラーレン類と樹脂溶液との混合、フラーレン類と樹脂溶液との溶融混練混合、樹脂重合時でのフラーレン類添加混合が行われている。 一方、ナノマテリアルであるフラーレン類の機能を最大限発揮させるには、フラーレン類をナノレベルの大きさままで均一に分散(すなわちナノ分散)させる必要がある。しかし、ナノ粒子であるフラーレンを完全均一溶解する溶媒がほとんどなく、しかもナノ粒子は表面積が著しく大きく、また、粒子間距離が小さいので、粒子の凝集がはなはだしく起りやすく、工業的に安定なナノ分散系を作りだすことが困難である。そのため、フラーレンの機能(特徴)と樹脂の機能を最大限に発現させたフラーレン複合材料を工業的に作成することは難しい。
特開2004−75933号公報(特許文献1)には、ポリ水酸化フラーレンまたはポリ水酸化フラーレン硫酸水素エステルと熱可塑性樹脂とを溶融混練して樹脂組成物を得ること、およびポリ水酸化フラーレンまたはポリ水酸化フラーレン硫酸水素エステルとモノマーまたは熱可塑性樹脂前駆体とを重合して樹脂組成物を得ることが開示されている。
特開2006−104417号公報(特許文献2)には、ビニル基を有するスペーサーを、コネクタを介してフラーレンに結合させ、このフラーレンモノマーと皮膜形成性ポリマーとを溶解または分散可能な溶媒に、溶解、混合させ、各成分が均一に分散した硬化性樹脂組成物を得ることが開示されている。
特開2004−75933号公報 特開2006−104417号公報
特許文献1に開示された樹脂組成物においては、フラーレンが水酸基を有する誘導体であるので、フラーレン自体よりも分散性が良好であり、樹脂との親和性もよい。しかし、熱可塑性樹脂中にポリ水酸化フラーレンまたはポリ水酸化フラーレン硫酸水素エステルを溶融混練して分散させているだけなので、熱可塑性樹脂とポリ水酸化フラーレン硫酸水素エステルとの間には化学反応による結合がない。そのため、樹脂組成物を長期間に亘って使用した場合、混入したポリ水酸化フラーレン硫酸水素エステルがブリードアウト(染み出し)してくるという問題がある。
また、ポリ水酸化フラーレンまたはポリ水酸化フラーレン硫酸水素エステルは、熱可塑性樹脂モノマーの重合時や熱可塑性樹脂との溶融混練時に、水酸化フラーレンの一部が凝集物として残り、水酸化フラーレンの機能を最大限有効に発揮できない。また、フィルムや成形体にしたとき、表面に凝集物が存在するため、種々のトラブルの原因となる。
特許文献2に開示されたフラーレンモノマーはスペーサーやコネクタと称する直鎖または環状の多数のC(炭素)を介してビニル基に結合された複雑な構造のフラーレンであり、具体的に実施例として示されたフラーレンモノマーは環状炭化水素を介して環状炭化水素の両側に長いアルキル基が付いているものである。このため、熱可塑性樹脂に対するフラーレン特有の物性寄与が少ない。また、必要に応じて混合するラジカル重合性の単官能単量体や多官能単量体とフラーレンモノマーが重合反応した場合は、立体障害が生じ、ポリマーの密度が上がらず、フラーレンの物性特性や強度が出難い。また、特許文献2のフラーレンモノマーは水酸基を有していないので、種々の樹脂に対する化学的親和性が低く、そのため、界面強度が出難い。
本発明は、従来の問題を解決して、水酸化フラーレンのような親水性が高いフラーレン誘導体において、フラーレン類(フラーレンおよびその誘導体)の特性(例えば、紫外線吸収性、ラジカル捕捉性、プロトン伝導性、フィルムおよび成形体への強度向上、弾性率向上、硬度向上、耐熱性向上、ガスバリアー性を発揮させる機能等の作用など)を、合成樹脂とした場合に特異的に発揮できるフラーレン誘導体およびその製造方法を提供することを目的とする。
また、ベースとなる樹脂材料の性質を大きく改良し、しかも樹脂組成物からフラーレン誘導体が長期間に亘りブリードアウトしないような樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明によれば、フラーレン核に直接結合した水酸基を有する水酸化フラーレンにおいて、一部の水酸基に直接エステル結合したアクリロイル基またはメタクリロイル基を有することを特徴とするフラーレン誘導体により前記目的を達成した。
本発明のフラーレン誘導体は、一般式Cp(OR)n(OH)m(pは60以上の偶数、Rはアクリロイル基またはメタクリロイル基、nは1より大きな10以下の数、mは2より大きな44以下の数)で表わされる。
フラーレン核がC60、C70またはC60を含む、C70以上の高次フラーレンとの混合物であることが好ましい。
また、本発明によれば、水酸化フラーレンにアクリル酸クロリドもしくはメタクリル酸クロリドを反応させて、一部の水酸基を残したまま、フラーレン誘導体を生成することを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法により前記目的を達成した。
本発明によれば、フラーレン核に直接結合した水酸基を有する水酸化フラーレンにおいて、一部の水酸基に直接エステル結合したアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するフラーレン誘導体と不飽和結合を有する単量体との共重合により得られる樹脂組成物により前記目的を達成した。
前記不飽和結合を有する単量体がアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであってもよい。
また、前記樹脂組成物において、フラーレン誘導体のモル比が不飽和結合を有する単量体に対して0.0001モル%以上50モル%以下であることが好ましい。
本発明によれば、フラーレン核に直接結合した水酸基を有する水酸化フラーレンにおいて、一部の水酸基に直接エステル結合したアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するフラーレン誘導体であるので、複雑な構造を有さず、フラーレン類の特性を発揮することができる。
また、本発明のフラーレン誘導体は水酸基を有しているので、合成樹脂との親和性がよく、アクリロイル基またはメタクリロイル基の端部は二重結合となっているので、不飽和結合を有する単量体と共重合できる。
本発明のフラーレン誘導体は、紫外線吸収性、ガスバリアー性、プロトン伝導性、ラジカル捕捉性などの特性により、種々の樹脂単量体と共重合して、成形体やフィルムの樹脂改質、表面改質、表面保護機能などの樹脂の化学的および物理的性質を改良できる。
本発明の樹脂組成物においては、水酸化フラーレン誘導体が合成樹脂中に分子レベルで均一に導入され、両者が共重合しているので、長期間経っても樹脂組成物からフラーレン誘導体がブリードアウトすることがない。
本発明によれば、フラーレン誘導体と不飽和結合を有する単量体とを共重合させた樹脂組成物により、樹脂の化学的および物理的性質を改良した樹脂組成物が得られる。すなわち、水酸化フラーレン誘導体の単量体と樹脂単量体とを共重合することにより、両者の特性を最大限発現させた複合体を得ることができ、複合材料としてあらゆる用途に利用できる。
本発明の製造方法によれば、水酸基を有するフラーレンを使用することにより、特許文献2のような複雑な化学構造を有するコネクタを使用しなくとも、端部に二重結合を有するアクリル酸クロリドもしくはメタクリル酸クロリドをフラーレンの水酸基と反応させることにより、アクリロイル基またはメタクリロイル基をフラーレン核に容易に結合させることができる。従って、本発明のフラーレン誘導体を容易に製造することができる。
また、本発明の製造方法では、全部の水酸基をエステル反応させるのではなく、一部の水酸基を残したままであるので、生成したフラーレン誘導体は水酸化フラーレンの特性(すなわち、フラーレン自体よりも分散性がよく、樹脂との親和性がよい)を有することができる。
水酸化フラーレンC60(OH)10のフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)によるスペクトル図であり、縦軸に透過率、横軸に波数をとった。 アクリル酸フラーレンエステルC60(OH)8(OCOCH=CH22のFT−IRスペクトル図である。 アクリル酸フラーレンエステルC60(OH)8(OCOCH=CH22のプロトン核磁気共鳴分光法(HNMR)によるスペクトル図であり、縦軸に強度、横軸に化学シフト(ppm)をとった。 メタクリル酸フラーレンエステルC60(OH)8(OCO(CH3)C=CH22のFT−IRスペクトル図である。 メタクリル酸フラーレンエステルC60(OH)8(OCO(CH3)C=CH22HNMRスペクトル図である。 ゲル浸透クロマトグラフィーにより実施例3、比較例1、比較例2および比較例3をそれぞれ測定した図であり、横軸に溶出までの時間(保持時間)をとった。 実施例3および比較例1のTGAチャート図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明による新規なフラーレン誘導体はフラーレン核に直接結合した水酸基を有する水酸化フラーレンにおいて、一部の水酸基に直接エステル結合したアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するものである。
より具体的には、一般式Cp(OR)n(OH)m(pは60以上の偶数、Rはアクリロイル基またはメタクリロイル基、nは1より大きな10以下の数、mは2より大きな44以下の数)で表わされるフラーレン誘導体である。
本発明のフラーレン誘導体の製造に使用するフラーレン核としては、球状炭素分子であれば特に制限はないが、好ましくはC60、C70またはC60とC70以上の高次フラーレンとの混合物である。実施例のフラーレンはC60であるが、フラーレンC60に限らず、化学・物理的性質が類似のフラーレンC70や、あるいはC60を含む混合フラーレン(C60、C70、高次フラーレンの混合物)を出発原料として行っても、同様な構造ならびに同様な性質を有する化合物が得られるものと考えられる。
また、本発明のフラーレン誘導体の出発原料となる、フラーレン核に直接結合した水酸基を有する水酸化フラーレンそれ自体は既に知られており、どのような方法で製造したものであってもよい。
本発明のフラーレン誘導体を製造するには、水酸化フラーレンとアクリル酸クロリドまたはメタクリル酸クロリドを反応させる。これにより、アクリル酸クロリドまたはメタクリル酸クロリドと、水酸化フラーレンの水酸基とが縮合反応して、アクリロイル基またはメタクリロイル基をフラーレン核にエステル結合させる。
水酸化フラーレンとアクリル酸クロリドまたはメタクリル酸クロリドを反応させる際に、一部の水酸基を残したままとするには、反応条件、時間、試薬の当量等により制御できる。
前述のようにして得られたフラーレン誘導体は端部に二重結合があるアクリロイル基またはメタクリロイル基を有しているので、他の物質と化学反応しやすいものである。本発明では、得られたフラーレン誘導体と不飽和結合を有する単量体(モノマー)とを共重合させることにより、水酸化フラーレン誘導体に起因する様々な特性を発現できる樹脂組成物である複合材料を得ることができた。
本発明で、共重合に用いることのできる不飽和結合を有する単量体としては、以下のようなものがある。
アクリル酸またはメタクリル酸のエステル系モノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸へキシル、メタクリル酸へキシル、アクリル酸へプチル、メタクリル酸へプチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸シクロへキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジルなどが挙げられる。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどが挙げられる。
ポリオレフィン系モノマーとしては、水酸化ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられる。
ビニル系モノマーとしては、塩化ビニル、酢酸ビニルなどが挙げられる。
ニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
2個の不飽和結合を有する単量体としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。
また、3個以上の不飽和結合を有する単量体も用いることができる。
これらの不飽和結合を有する単量体は、熱または光照射により重合するものであれば上記の例示に限定されず、また、これらの不飽和結合を有する単量体は、単独でまたは2種類以上組み合わせて使用する。
本発明に用いられる重合開始剤としては、過酸化物またはアゾ系化合物などが用いられる。
過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1,−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5,−トリメチルシクロヘキサン、過酸化水素等が挙げられる。
アゾ系化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2´−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。
重合方法は溶液重合、塊状重合、懸濁重合、エマルジョン重合等いずれの重合方法を用いてもよい。また、レドックス重合、リビング重合等を用いることも可能である。
本発明における水酸化フラーレンモノマーの配合比は、樹脂モノマー対して0.0001〜50モル%とすることが好ましく、0.0001〜30モル%とすることがより好ましい。
以下に、具体的な実施例を挙げて、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
<部分アクリル酸エステル化水酸化フラーレンC60(OH)8(OCOCH=CH22の合成>
水酸化フラーレンC60(OH)10(フロンティアカーボン株式会社製nanom spectra D100、100mg)を50mLのナス型フラスコ中で脱水テトラヒドロフラン(50mL)に溶解させ、水素化ナトリウム(200mg)を加えた後にセプタム(ゴム製密栓)を取り付け、空気雰囲気下、室温で30分間攪拌した。赤茶色の懸濁溶液が、やや白みがかったところにアクリル酸クロリド(500μL)を添加し、室温でさらに16時間撹拌を続けた後、水約25mLを加えて反応を終了させ、褐色微懸濁溶液を得た。
分液漏斗を用い、この溶液に飽和食塩水を加えて洗浄することを5回繰り返し、有機層を硫酸マグネシウムで十分脱水させた後、エバポレータにより溶媒を留去し、室温、減圧下で褐色固体を乾燥させた。不純物や未反応水酸化フラーレンを除くため、テトラヒドロフランを移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて褐色留分を分画し、エバポレータにて溶媒を留去し、粗生成物を褐色固体として得た。さらに、微量の不純物を除くため、この固体を少量のテトラヒドロフランに溶解させ、ペンタンを徐々に加えて再沈殿を行い、遠心分離により得られた固体を室温、減圧下で乾燥させ、精製された生成物を褐色粉末として得た(収量105mg、収率96%)。
Figure 2013181002


用いた水酸化フラーレンC60(OH)10および得られた生成物の赤外線吸収(IR)スペクトルをそれぞれ図1および図2に示す。生成物のIRスペクトルは、出発原料として用いた水酸化フラーレンのスペクトルとは大きく異なっており、ほぼ原料が消失したことを示唆するとともに、アクリル酸エステルのスペクトルに特徴的なC=O伸縮に基づく1734cm−1の吸収、脂肪族C−H伸縮に基づく2900cm−1付近の小さなブロードの吸収を示していた。また、水酸化フラーレンの特徴であるO−H伸縮に基づく3400cm−1付近の大きなブロードな吸収とともに、図1に見られる1600、1350、1050cm−1付近のそれぞれC=C、C−O−H、C−O結合に特徴的な吸収も確認されたことから、部分アクリル酸エステル化水酸化フラーレンの生成を確認した
この生成物の元素分析の値はC;70.59%,H;2.85%となり、C60(OH)8(OCOCH=CH22・7H2Oの組成式からの計算値(C;70.47%,H;2.51%)とよく一致した。
この生成物の HNMRスペクトルを測定し、内部標準物質とのピーク面積比から、導入されたアクリル基数の定量を行った(図3)。重水素化DMF中、生成物5.31mgに対して内部標準物質として1,2−ジクロロエタン0.88mgを添加して測定を行ったところ、6〜7ppmにアクリロイル基のビニルプロトンに由来するブロードなピークおよび4ppm付近に1,2−ジクロロエタンに由来するシングレットピークがそれぞれ観測された。その積分比は1.61:2.10であり、内部標準物質のプロトン数が4個であることを考慮すると、ビニル基の導入数は1.9個と見積もられ、元素分析より見積もられたC60(OH)8(OCOCH=CH22からなる組成式とよく一致した。
<部分メタクリル酸エステル化水酸化フラーレンC60(OH)8(OCO(CH3)C=CH22の合成>
水酸化フラーレンC60(OH)10(フロンティアカーボン株式会社製nanom spectra D100、1000mg)をナス型フラスコ中で脱水テトラヒドロフラン(50mL)に溶解させ、水素化ナトリウム(1730mg)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で1時間攪拌した。そこにメタクリル酸クロリド(5.43mL)を添加し、50℃でさらに24時間撹拌を続けた後、飽和食塩水でクエンチ(反応をストップ)した。分液漏斗を用い、この溶液に飽和食塩水を加えて洗浄することを6回繰り返し、有機層を硫酸マグネシウムで十分脱水させた後、ろ過により溶媒を除去した。得られた粗生成物固体を精製するため、テトラヒドロフランを移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを通して褐色留分を分画し、エバポレータにて溶媒を留去し、生成物を褐色固体として得た(収量990mg、収率86%)。
Figure 2013181002

得られた生成物のIRスペクトルを図4に示す。生成物のIRスペクトルは、出発原料として用いた水酸化フラーレンのスペクトルとは大きく異なっており、ほぼ原料が消失したことを示唆するとともに、メタクリル酸エステルのスペクトルに特徴的なC=O伸縮に基づく1720cm−1の吸収、脂肪族C−H伸縮に基づく2900cm−1付近の小さなブロードの吸収を示していた。また、水酸化フラーレンの特徴であるO−H伸縮に基づく3400cm−1付近の大きなブロードな吸収とともに、1600、1350、1050cm−1付近のそれぞれC=C、C−O−H、C−O結合に特徴的な吸収も確認されたことから、部分メタクリル酸エステル化水酸化フラーレンの生成を確認した。
この生成物のHNMRスペクトルを測定し、内部標準物質とのピーク面積比から、導入されたメタクリル基数の定量を行った(図5)。重水素化DMF中、生成物14.0mgに対して内部標準物質として1,2−ジクロロエタン0.60mgを添加して測定を行ったところ、5.5〜6.5ppmにメタクリロイル基のビニルプロトンに由来するブロードなピークおよび4ppm付近に内部標準物質の1,2−ジクロロエタンに由来するシングレットピークがそれぞれ観測された。その積分比は2.65:1.00であり、内部標準物質のプロトン数が4個であることを考慮すると、ビニル基の導入数は2.4個と見積もられ、C60(OH)8(OCO(CH3)C=CH22である組成式と見積もった。
<部分メタクリル酸エステル化水酸化フラーレンC60(OH)8(OCO(CH3)C=CH22とメタクリル酸メチルとの共重合による樹脂組成物の合成>
ナス型フラスコにトルエン(8mL)とジメチルホルムアミド(2mL)を加え、そこに実施例2で得たメタクリル酸フラーレンエステル(0.03mg)とメタクリル酸メチル(3mL)を加え、さらにトルエンに溶解させたアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、0.01mg)を加えた。この溶液に窒素を30分通気させて酸素を除き、温度を80℃まで上昇させて重合を開始させた。24時間撹拌させた後、マグネチックスターラーで撹拌している多量のジエチルエーテル内に反応溶液をピペットでゆっくり滴下し、析出した固体を吸引ろ過することで生成物を微褐色固体として得た。
〔比較例1〕
<メタクリル酸メチルの重合による樹脂組成物の合成>
ナス型フラスコにトルエン(7mL)を加え、溶液に窒素を30分通気させて酸素を除き、温度を80℃まで上昇させた。溶媒の温度が一定になったところでAIBN(0.009mg)をメタクリル酸メチル(0.3mL)に溶かして滴下した。温度が上昇し始めたら、さらにメタクリル酸メチル(3mL)を2時間かけて滴下し、10時間撹拌を続けた。反応後、マグネチックスターラーで撹拌している多量のジエチルエーテル内に反応溶液をピペットでゆっくり滴下し、析出した固体を吸引ろ過することで生成物を白色固体として得た。
〔比較例2〕
<フラーレンC60とメタクリル酸メチルの樹脂組成物の合成>
ナス型フラスコにトルエン(10mL)を加え、C60(0.021mg)とメタクリル酸メチル(3mL)を加え、さらにトルエンに溶解させたAIBN(0.01mg)を加えた。この溶液に窒素を30分通気させて酸素を除き、温度を80℃まで上昇させて重合を開始させた。24時間撹拌させた後、マグネチックスターラーで撹拌している多量のジエチルエーテル内に反応溶液をピペットでゆっくり滴下し、析出した固体を吸引ろ過することで生成物を微黒色固体として得た。
〔比較例3〕
<水酸化フラーレンC60(OH)10とメタクリル酸メチルの樹脂組成物の合成>
ナス型フラスコにトルエン(6mL)とジメチルホルムアミド(4mL)を加え、C60(OH)10(0.026mg)とメタクリル酸メチル(3mL)を加え、さらにトルエンに溶解させたAIBN(0.01mg)を加えた。この溶液に窒素を30分通気させて酸素を除き、温度を80℃まで上昇させて重合を開始させた。24時間撹拌させた後、マグネチックスターラーで撹拌している多量のジエチルエーテル内に反応溶液をピペットでゆっくり滴下し、析出した固体を吸引ろ過することで生成物を微黄色固体として得た。
〔樹脂組成物の分子量測定〕
実施例3および比較例1〜3で得た樹脂組成物の分子量を、ゲル浸透クロマ
トグラフィーを用いてそれぞれ測定を行った。その結果を図6に示した。比較例1では重量平均分子量(Mw)34,000、多分散度Mw/Mn=1.7を示すブロードな一つのピークが観察された。一方、実施例3でもほぼ同じ保持時間に同様なブロードのピークが現れたが、それより前の保持時間にも小さな分子量869,000を示すピークが観察された。このことから、実施例3では、部分メタクリル酸エステル化水酸化フラーレンがメタクリル酸メチルと共重合し、さらにフラーレン骨格を介して架橋することで分子量が増大した成分を含む樹脂組成物が得られたことが確認された。
また、比較例2および3では比較例1とほぼ同じ保持時間に同様なブロードのピークが一つ現れただけで、それより前の保持時間には実施例3で見られたようなピークは観察されなかった。このことから、メタクリル酸メチルとの共重合を起こすためには、部分メタクリル酸エステル化水酸化フラーレンのように端部に二重結合のある基を有するフラーレン誘導体を用いることが有効であることが分かった。
〔樹脂組成物の熱安定性測定〕
実施例3および比較例1で得た樹脂組成物を、熱重量分析装置(TGA)を用い、室温から500℃まで昇温させた時の重量減少変化について、窒素フロー下、昇温速度5℃/minにて測定を行った。その結果、実施例3で得られた水酸化フラーレン部位を含有する樹脂組成物は、比較例1で得られたポリメタクリル酸メチル(PMMA)と比べ、熱安定性が大きく向上することがわかった。

Claims (9)

  1. フラーレン核に直接結合した水酸基を有する水酸化フラーレンにおいて、一部の水酸基に直接エステル結合したアクリロイル基またはメタクリロイル基を有することを特徴とするフラーレン誘導体。
  2. 一般式Cp(OR)n(OH)m(pは60以上の偶数、Rはアクリロイル基またはメタクリロイル基、nは1より大きな10以下の数、mは2より大きな44以下の数)で表わされることを特徴とする請求項1記載のフラーレン誘導体。
  3. フラーレン核がC60であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフラーレン誘導体。
  4. フラーレン核がC70であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフラーレン誘導体。
  5. フラーレン核がC60を含む、C70以上の高次フラーレンとの混合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフラーレン誘導体。
  6. 水酸化フラーレンにアクリル酸クロリドもしくはメタクリル酸クロリドを反応させて、一部の水酸基を残したまま、フラーレン誘導体を生成することを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載のフラーレン誘導体と不飽和結合を有する単量体との共重合により得られる樹脂組成物。
  8. 不飽和結合を有する単量体がアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであることを特徴とする請求項7記載の樹脂組成物。
  9. フラーレン誘導体のモル比が不飽和結合を有する単量体に対して0.0001モル%以上50モル%以下であることを特徴とする請求項7または請求項8記載の樹脂組成物。
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