JP2013172600A - 電力変換装置および直流システム - Google Patents
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Abstract
【課題】直流バスに電力変換器を介さず蓄電装置を直結した直流システムにおいて、蓄電装置を保護する。
【解決手段】直流バス1に蓄電装置3が直結される直流システムにおいて、双方向DC/AC変換器40は、直流バス1および系統電力42の間で双方向に電力変換する電力変換部と、上記電力変換部を流れる自経路電流を検出する自経路電流検出部と、蓄電装置3の充放電電流を検出する充放電電流検出部と、電力変換部を制御する制御部とを備える。制御部は、自経路電流が制御目標値になるように電力変換部における電力変換を制御するための電力変換制御手段と、電力変換制御手段の実行中に、充放電電流の検出値が所定の電流範囲に収まるように、制御目標値を調整するための調整手段とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】直流バス1に蓄電装置3が直結される直流システムにおいて、双方向DC/AC変換器40は、直流バス1および系統電力42の間で双方向に電力変換する電力変換部と、上記電力変換部を流れる自経路電流を検出する自経路電流検出部と、蓄電装置3の充放電電流を検出する充放電電流検出部と、電力変換部を制御する制御部とを備える。制御部は、自経路電流が制御目標値になるように電力変換部における電力変換を制御するための電力変換制御手段と、電力変換制御手段の実行中に、充放電電流の検出値が所定の電流範囲に収まるように、制御目標値を調整するための調整手段とを含む。
【選択図】図1
Description
この発明は、電力変換装置に関し、より特定的には、直流電力を給電する直流システムに適用される電力変換装置の電力変換制御に関する。
近年、太陽電池、風力発電装置および燃料電池のような分散電源装置が普及し始めている。現状では、分散電源装置が発電した直流電力を交流電力に変換し、さらに、その交流電力を、電力を消費する機器において直流電力に変換して使用する。このように、直流−交流変換および交流−直流変換が行なわれるため、その電力変換のたびに電力損失が生じる。そこで、分散電源装置が発電する直流電力を交流電力に変換することなく、直流電力のまま送電して機器で使用することにより、変換損失を低減させる直流システムが提案されている。
このような直流システムとして、たとえば特開2005−224009号公報(特許文献1)には、直流バスに接続された複数の電源ユニットの各々が電流制御部を有しており、該電流制御部が、対応する電源ユニットに入出力する電流に従って自律的に直流電圧指令値または直流電圧の制御性を変更する機能を備える構成が開示されている。この特許文献1に記載の直流システムは、複数の分散電源が自律的に協調運転するとともに、装置容量に依存せずに、簡単に電源ユニットを追加することを可能としている。
しかしながら、上記の特許文献1に記載の直流システムにおいては、複数の分散電源を自律的に協調運転することが可能になる一方で、各電源ユニットにおける入出力電流が変化すると、この変化に応じて直流バスの電圧の制御目標値が変更されるため、システム全体の制御が複雑化するという問題があった。
また、電源ユニットごとに電力変換器を設ける必要あるため、該電力変換器における変換損失が増大するとともに、システムのコストアップが発生するという問題があった。
このような課題を解決するためには、蓄電池のような電圧安定化能力の高い電圧源を電力変換器を介さず直流バスに直結することによって、直流バスの電圧を無制御で安定化させることが可能である。
しかしながら、上述した蓄電池を直流バスに直結させる構成においては、直流バスと蓄電池との間で直接的に電力のやり取りが行なわれるため、分散電源および/または系統電力と直流バスとの間で授受される電力の変動の影響を直接受けて、蓄電池に対して入出力される充放電電流に変動を生じさせやすい。そのため、蓄電池の充放電電流が予め定められた電流範囲を逸脱してしまう可能性がある。
蓄電池には、通常、その仕様に応じて、蓄電池に流すことのできる「許容充電電流」および「許容放電電流」が定められている。この許容充電電流および許容放電電流を超える充放電電流が蓄電池に流れると、蓄電池の劣化が進行しやすい。よって、蓄電池の充放電電流を許容充電電流および許容放電電流を超えないように制御する必要がある。なお、この許容充電電流および許容放電電流は、定格電流とも記載される場合がある。
さらに、直流バスに対して授受される電力の変動の影響は、直流バスと系統電力との間で電力変換を行なう電力変換装置にも及ぶ。直流バスに対して授受される電力が変動した場合には、直流バスと電力変換装置との間の電力収支のバランスが崩れることにより、電力変換装置の定格出力を超える電力が出力される可能性がある。
それゆえ、この発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、直流バスに電力変換器を介さず蓄電装置を直結した直流システムにおいて、蓄電装置を保護することである。
この発明の別の目的は、直流バスに電力変換器を介さず蓄電装置を直結した直流システムにおいて、直流バスおよび系統電力の間で電力変換する電力変換装置を保護することである。
この発明のある局面では、電力変換装置は、蓄電装置および系統電力の間に配設された直流バスに接続される。電力換装置は、直流バスおよび系統電力の間で電力変換する電力変換部と、電力変換部を流れる自経路電流を検出する自経路電流検出部と、蓄電装置の充放電電流を取得する充放電電流取得部と、電力変換部を制御する制御部とを備える。制御部は、自経路電流が制御目標値になるように電力変換部における電力変換を制御するための電力変換制御手段と、電力変換制御手段の実行中に、取得された充放電電流が所定の電流範囲に収まるように、制御目標値を調整するための調整手段とを含む。
好ましくは、調整手段は、予め定められた制御目標値を初期値に設定して電力変換制御手段を実行したときの充放電電流が所定の電流範囲を超えているときに、充放電電流に応じて制御目標値を変更するための変更手段と、変更後の制御目標値を用いた電力変換制御手段の実行中に、充放電電流を所定の電流範囲に制御しつつ、制御目標値を初期値に戻すための復帰手段とを含む。
好ましくは、調整手段は、予め定められた制御目標値を初期値に設定して電力変換制御手段を実行したときの充放電電流が所定の電流範囲を超えているときに、充放電電流に応じて制御目標値を変更するための変更手段と、変更後の制御目標値を用いた電力変換制御手段の実行中に、充放電電流が所定の電流範囲に収まっている状態で、充放電電流が変化したときには、制御目標値を初期値に戻すための復帰手段とを含む。
この発明の別の局面では、電力変換装置は、蓄電装置および系統電力の間に配設された直流バスに接続される。電力変換装置は、直流バスおよび系統電力の間で電力変換する電力変換部と、電力変換部を流れる自経路電流を検出する自経路電流検出部と、蓄電装置の充放電電流を取得する充放電電流取得部と、電力変換部を制御する制御部とを備える。制御部は、充放電電流が制御目標値になるように電力変換部における電力変換を制御するための電力変換制御手段と、電力変換制御手段の実行中に、自経路電流の検出値が所定の電流範囲に収まるように、制御目標値を調整するための調整手段とを含む。
好ましくは、調整手段は、予め定められた制御目標値を初期値に設定して電力変換制御手段を実行したときの自経路電流の検出値が所定の電流範囲を超えているときには、自経路電流の検出値に応じて制御目標値を変更するための変更手段と、変更後の制御目標値を用いた電力変換制御手段の実行中に、自経路電電流の検出値を所定の電流範囲に制御しつつ、制御目標値を初期値に戻すための復帰手段とを含む。
好ましくは、調整手段は、予め定められた制御目標値を初期値に設定して電力変換制御手段を実行したときの自経路電流の検出値が所定の電流範囲を超えているときには、自経路電流の検出値に応じて制御目標値を変更するための変更手段と、変更後の制御目標値を用いた電力変換制御手段の実行中に、自経路電流の検出値が所定の電流範囲に収まっている状態で、自経路電流の検出値が変化したときには、制御目標値を初期値に戻すための復帰手段とを含む。
この発明の別の局面によれば、直流システムは、直流バスと、電源電圧を直流バスに出力する蓄電装置と、直流バスおよび系統電力の間に接続される電力変換装置と、電力変換装置を流れる自経路電流を検出する自経路電流検出部と、蓄電装置の充放電電流を検出する充放電電流検出部とを備える。電力変換装置は、直流バスおよび系統電力の間で電力変換する電力変換部と、電力変換部を制御する制御部とを含む。制御部は、自経路電流が制御目標値になるように電力変換部における電力変換を制御するための電力変換制御手段と、電力変換制御手段の実行中に、充放電電流の検出値が所定の電流範囲に収まるように、制御目標値を調整するための調整手段とを含む。
この発明の別の局面によれば、直流システムは、直流バスと、電源電圧を直流バスに出力する蓄電装置と、直流バスおよび系統電力の間に接続される電力変換装置と、電力変換装置を流れる自経路電流を検出する自経路電流検出部と、蓄電装置の充放電電流を検出する充放電電流検出部とを備える。電力変換装置は、直流バスおよび系統電力の間で電力変換する電力変換部と、電力変換部を制御する制御部とを含む。制御部は、充放電電流が制御目標値となるように電力変換部における電力変換を制御するための電力変換制御手段と、電力変換制御手段の実行中に、自経路電流の検出値が所定の電流範囲に収まるように、制御目標値を調整するための調整手段とを含む。
この発明によれば、直流バスに電力変換器を介さず蓄電部を直結した直流システムにおいて、蓄電装置および電力変換装置を保護することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
(直流システムの構成)
図1は、この発明の実施の形態に従う電力変換装置が適用される直流システムの全体の構成を概略的に示す図である。
図1は、この発明の実施の形態に従う電力変換装置が適用される直流システムの全体の構成を概略的に示す図である。
図1を参照して、本実施の形態に従う直流システムは、直流バス1と、太陽光発電システム2と、蓄電装置3と、系統電力システム4と、直流負荷5と、電池監視ユニット6とを備える。
直流バス1は、直流負荷5に直流電力を供給する。直流負荷5は、一例として、家庭で使用される空調機、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、照明装置またはパーソナルコンピュータのような電気機器である。あるいは、オフィスで使用されるコンピュータ、複写機またはファクシミリのような電気機器や、または、店舗で使用されるショーケースまたは照明装置のような電気機器であってもよい。直流バス1には、太陽光発電システム2、蓄電装置3および系統電力システム4が接続されている。
なお、本実施の形態に従う直流システムにおいては、直流バス1、太陽光発電システム2、蓄電装置3、系統電力システム4および直流負荷5をそれぞれ1個ずつ備える場合について説明するが、これらの個数には制限がなく、1個でも複数個であってもよい。
(蓄電装置の構成)
蓄電装置3は、一例として、リチウムイオン二次電池などの充放電可能に構成された二次電などからなる。蓄電装置3は、複数の電池セルを直列接続して構成されており、一例として、定格電圧400Vおよび定格容量4kWhを有している。
蓄電装置3は、一例として、リチウムイオン二次電池などの充放電可能に構成された二次電などからなる。蓄電装置3は、複数の電池セルを直列接続して構成されており、一例として、定格電圧400Vおよび定格容量4kWhを有している。
蓄電装置3は、直流バス1に「直結」されており、直流バス1との間で直流電力の授受を行なう。ここで、「直結」とは、直流バス1と蓄電装置3との間に、DC/DC変換器のような電力変換器が介在していないことを意味する。したがって、直流バス1の電圧は、蓄電装置3の電源電圧とほぼ等しくなる。このように蓄電装置3を直流バス1に直結する構成としたことにより、蓄電装置3が有する高い電圧安定化能力を活かして、急激な負荷変動による直流バス1の電圧変動を抑制することが可能となる。
電池監視ユニット6は、蓄電装置3に設けられた電流センサ60、電圧センサ62および温度センサ64の出力に基づいて、蓄電装置3の状態値を検出する。具体的には、電流センサ60は、直流バス1に介挿され、蓄電装置3に対して入出力される充放電電流Ibを検出し、その検出値を電池監視ユニット6へ出力する。電圧センサ62は、蓄電装置3の充放電電圧Vbを検出し、その検出値を電池監視ユニット6へ出力する。温度センサ64は、蓄電装置3の温度Tbを検出し、その検出値を電池監視ユニット6へ出力する。上述のように、蓄電装置3として代表的には二次電池が用いられるため、蓄電装置3の電流Ib、電圧Vbおよび温度Tbについて、以下では、電池電流Ib、電池電圧Vbおよび電池温度Tbとも称する。
電流センサ60は、蓄電装置3への充電電流Ichを、正値の電池電流Ibとして検出し、蓄電装置3からの放電電流Idcを、負値の電池電流Ibとして検出する。電流センサ60は「充放電電流検出部」に対応する。
なお、本実施の形態による直流システムでは、直流バス1に蓄電装置3を直結するとともに、後述するように、双方向DC/AC変換器40をフルブリッジインバータにより構成したことにより、双方向DC/AC変換器40の電力変換動作によって電池電流Ibには系統電力42の周波数に応じた周波数の交流成分が重畳される。電流センサ60は、この電池電流Ibの平均値を検出する。あるいは、電池電流Ibのピーク値を検出してもよい。
電池監視ユニット6は、電流センサ60からの電池電流Ibの検出値、電圧センサ62からの電池電圧Vbの検出値および温度センサ64からの電池温度Tbの検出値に基づいて、蓄電装置3の電池残量(SOC:State of Charge)を推定する。SOCは、満充電容量に対する現在の残容量を百分率で示したものである。たとえば、電池監視ユニット6は、蓄電装置3の開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)とSOCとの関係に基づいてSOC推定値を算出する。あるいは、蓄電装置3の充放電量の積算値に基づいてSOC推定値を順次演算してもよい。充放電量の積算値は、電池電流Ibおよび電池電圧Vbの積(電力)を時間的に積分することで得られる。以下では、電池電流Ib、電池電圧Vb、電池温度Tb、およびSOC推定値を包括的に「電池データ」とも総称する。
(太陽光発電システムの構成)
太陽光発電システム2は、太陽電池20と、DC/DC変換器22とを含む。太陽電池20は、結晶型太陽電池、多結晶型太陽電池または薄膜型太陽電池などで構成される。DC/DC変換器22は、太陽電池20と直流バス1と間に配置されており、太陽電池20から受ける直流電力を電圧変換して直流バス1へ供給する。
太陽光発電システム2は、太陽電池20と、DC/DC変換器22とを含む。太陽電池20は、結晶型太陽電池、多結晶型太陽電池または薄膜型太陽電池などで構成される。DC/DC変換器22は、太陽電池20と直流バス1と間に配置されており、太陽電池20から受ける直流電力を電圧変換して直流バス1へ供給する。
DC/DC変換器22における電圧変換動作は、太陽電池20の出力電圧と、直流バス1の電圧(正母線PLおよび負母線NLの間の線間電圧)とに応じて、図示しない制御部からのスイッチング指令に従って制御される。具体的には、直流バス1の電圧が420V(満充電状態のときの蓄電装置3の電源電圧に相当)よりも低いときには、DC/DC変換器22は、太陽電池20を最大電力点追従(MPPT)制御する。そして、直流バス1の電圧が420Vに到達すると、DC/DC変換器22は、最大電力点制御から直流バス1の電圧を420Vに維持するための制御に切替えて太陽電池20を制御する。
(系統電力システムの構成)
図1に示す構成において、系統電力システム4は、直流バス1との間で直流電力の授受を行なう。系統電力システム4は、双方向DC/AC変換器40と、系統電力42とを含む。
図1に示す構成において、系統電力システム4は、直流バス1との間で直流電力の授受を行なう。系統電力システム4は、双方向DC/AC変換器40と、系統電力42とを含む。
系統電力42は、電力会社等から受電する電力(たとえば、AC200Vとする)である。系統電力42は、例えば、単相3相式の商用交流電力系統から供給される。単相3線式商用交流電力系統は、中性線が抵抗を介して接地されており、中性線以外の2線(R相線RLおよびT相線TL)を使用してAC200Vを供給する。
双方向DC/AC変換器40は、直流バス1および系統電力42の間に接続される。双方向DC/AC変換器40は、直流バス1から受ける直流電力を交流電力に変換して系統電力42へ供給する。また、双方向DC/AC変換器40は、系統電力42から受ける交流電力を直流電力に変換して直流バス1へ供給する。本実施の形態に従う直流システムにおいては、双方向DC/AC変換器40を介して電力会社等から系統電力を買う(買電)とともに、双方向DC/AC変換器40を介して余剰電力を電力会社等に売る(売電)することを可能に構成されている。
なお、図1では、双方向DC/AC変換器40に流れる電流(以下、「自経路電流」とも称する)Iinvについて、買電時の自経路電流をIbuy、売電時の自経路電流をIsellと表記する。また、直流負荷5に供給される電流をIloadと表記し、太陽光発電システム2から直流バス1に供給される電流をIpvと表記する。買電時においては、電流Ipvおよび電流Ibuyの和から電流Iloadを差し引いた電流が、蓄電装置3の充電電流Ichとなる。また、売電時においては、電流Ipvおよび蓄電装置3の放電電流Idcの和から電流Iloadを差し引いた電流が、電流Isellとなる。電流IsellおよびIbuyをどのような値にするかについては、直流システムの使用者または管理者が自在に設定することができる。
(双方向DC/AC変換器の構成)
次に、図面を参照して、この発明の実施の形態に従う電力変換装置の一形態である双方向DC/AC変換器40の構成について説明する。
次に、図面を参照して、この発明の実施の形態に従う電力変換装置の一形態である双方向DC/AC変換器40の構成について説明する。
図2は、図1における双方向DC/AC変換器40の詳細な構成を示す回路図である。
図2を参照して、双方向DC/AC変換器40は、双方向インバータ400と、連系リアクトル410,412と、電流センサ430と、電圧センサ440と、制御部420とを含む。
図2を参照して、双方向DC/AC変換器40は、双方向インバータ400と、連系リアクトル410,412と、電流センサ430と、電圧センサ440と、制御部420とを含む。
双方向インバータ400は、売電時には、制御部420からのスイッチング制御信号S1〜S4に応じて、直流バス1から受けた直流電力を交流電力に変換して系統電力42に出力する。また、双方向インバータ400は、買電時には、制御部420からのスイッチング制御信号S1〜S4に応じて、系統電力42から受けた交流電力を直流電力に変換して直流バス1に出力する。
具体的には、双方向インバータ400は、スイッチング素子であるトランジスタQ1〜Q4と、ダイオードD1〜D4とを含む。トランジスタQ1,Q2は、直流バス1を構成する正母線PLおよび負母線NLの間に直列に接続される。トランジスタQ1とトランジスタQ2との中間点はR相線RLに接続される。連系リアクトル410は、R相線RLに介挿接続される。
トランジスタQ3,Q4は、正母線PLおよび負母線NLの間に直列に接続される。トランジスタQ3とトランジスタQ4との中間点はT相線TLに接続される。連系リアクトル412は、T相線TLに介挿接続される。各トランジスタQ1〜Q4のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1〜D4がそれぞれ接続されている。トランジスタQ1〜Q4およびダイオードD1〜D4は、フルブリッジ回路を構成する。
なお、トランジスタQ1〜Q4として、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。または、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の電力スイッチング素子を用いてもよい。
電流センサ430は、負母線SLに介挿され、直流バス1および双方向インバータ400の間で授受される電力の電流値(自経路電流)Iinvを検出し、その検出結果を制御部420へ出力する。電流センサ430は「自経路電流検出部」に対応する。
電圧センサ440は、正母線PLと負母線SLとの間に接続され、双方向インバータ400および系統電力42の間で授受される電力の電圧値Vdcを検出し、その検出結果を制御部420へ出力する。なお、上記のように、蓄電装置3は直流バス1に「直結」されていることから、直流バス1の電圧Vdcは電池電圧Vbに等しい。現実には、電圧値Vd1および電池電圧Vbとの間には、配線インピーダンスによって若干の電圧差が生じるが、本実施の形態では無視できるほど小さいものとする。
制御部420は、電流センサ430から受けた自経路電流Iinvと、電圧センサ44から受けた電圧Vdcと、電流センサ60から受けた電池電流Ibと、電池監視ユニット6からの電池データ(電池電圧Vb、電池温度Tbおよび電池残量SOC)とに基づいて、後述する制御構造に従って、トランジスタQ1〜Q4のオン・オフを制御するためのスイッチング制御信号S1〜S4を生成し、双方向インバータ400を制御する。
具体的には、制御部420は、双方向インバータ400における制御目標値を設定する。この制御目標値には、自経路電流Iinvの電流目標値Inv*と、電池電流Ibの電流目標値Ib*とが含まれる。以下の説明では、自経路電流Iinvの電流目標値Iinv*を「自経路電流目標値」とも記し、電池電流Ibの電流目標値Ib*を「電池電流目標値」とも表記する。
制御目標値(自経路電流目標値Iinv*および電池電流目標値Ib*)は、たとえば日時や蓄電装置3の電池残量(SOC)に応じて異なる値となるように事前に決定し、図示しないメモリに格納しておくことができる。図3は、双方向DC/AC変換器40が用いる目標値設定表の一例を示す図である。同図では、電池電流は、上記のように、蓄電装置3の充電方向を正方向とし、蓄電装置3の放電方向を負方向として表記されている。また、自経路電流Iinvは、売電方向を正方向とし、買電方向を負方向として表記されている。電池電流目標値Ib*は、充電電流Ichの電流目標値Ich*と、放電電流Idcの電流目標値Idc*とを含む。自経路電流目標値Iinv*は、売電時の自経路電流Isellの電流目標値Isell*と、買電時の自経路電流Ibuyの電流目標値Ibuy*とを含む。
制御部420は、図3に示す目標値設定表に従って、日時および蓄電装置3の電池残量に応じて、自経路電流目標値Iinv*または電池電流目標値Ib*を設定する。あるいは、制御部420と直流システムの外部との間で通信を行なうことによって、図3の目標値設定表に従って設定された制御目標値を取得するようにしてもよい。
図3を参照して、たとえば7時〜17時の時間帯であって、蓄電装置3の電池残量(SOC)が20%以上80%未満の場合には、太陽光発電システム2が発電した電力を積極的に売電するように、自経路電流目標値Iinv*を10Aに設定する。すなわち、売電時の自経路電流目標値Isell*を10Aに設定する。この場合、制御部420は、自経路電流Iinvが自経路電流目標値Iinv*となるようにスイッチング制御信号S1〜S4を生成して双方向インバータ400を制御する。
一方、7時〜17時の時間帯であって、蓄電装置3の電池残量が20%未満の場合には、太陽光発電システム2で発電した電力で蓄電装置3が充電されるように、電池電流目標値Ib*を8Aに設定する。すなわち、蓄電装置3の充電電流Ichの電流目標値Ich*を8Aに設定する。この場合、制御部420は、電池電流Ibが電池電流目標値Ib*となるようにスイッチング制御信号S1〜S4を生成して双方向インバータ400を制御する。
以下の説明では、それぞれの電流制御を区別するために、自経路電流目標値Iinv*に基づいた電流制御を「自経路電流制御」とも記し、電池電流目標値Ib*に基づいた電流制御を「電池電流制御」とも表記する。
(1)自経路電流制御
図4および図5は、本発明の実施の形態による双方向DC/AC変換器40における自経路電流制御を説明するための図である。
図4および図5は、本発明の実施の形態による双方向DC/AC変換器40における自経路電流制御を説明するための図である。
図4を参照して、図3に示す目標値設定表に従って自経路電流目標値Iinv*が−10Aに設定された場合(電流目標値Ibuy*=10Aに設定された場合)を想定する。
この場合、双方向DC/AC変換器40は、自経路電流Iinv=−10A(Ibuy=10A)で買電するように電力変換動作を行なう。具体的には、双方向DC/AC変換器40は、自経路電流目標値Iinv*に対する自経路電流Iinvの電流偏差に応じて生成されたスイッチング制御信号S1〜S4に応答したスイッチング動作により、系統電力42から受ける交流電力を直流電力に変換して直流バス1へ供給する。
ここで、太陽光発電システム2の出力電流Ipv=5Aであり、直流負荷5に供給される電流Iload=3Aであるとすると、自経路電流Iinv=−10Aで買電することによって、電流Ipvおよび電流Iinvの和から電流Iloadを差し引いた電流=12Aで蓄電装置3が充電されることとなる(電池電流Ib=12A)。
その一方で、蓄電装置3においては、その仕様上、蓄電装置3に流すことのできる電流の範囲が定められている。この電流範囲は、たとえば蓄電装置3の定格容量に基づいて定められる。本実施の形態では、一例として、1C=10Aを電流範囲の上下限値とする。すなわち、電池電流Ibを、−10A〜10Aの範囲内に収める必要がある。
しかしながら図4においては、蓄電装置3は電池電流Ib=12Aで充電されることとなり、電流範囲の上限値10Aを上回る電流が蓄電装置3に流れてしまう。これにより、蓄電装置3の性能劣化が進行する虞がある。
そこで、本実施の形態では、自経路電流目標値Iinv*に従った電流制御を実行中に電池電流Ibが所定の電流範囲から外れた場合には、電池電流Ibが当該電流範囲に収まるように、自経路電流目標値Iinv*を調整する。
具体的には、図4で示したように、電池電流Ibが電流範囲の上限値を超える場合には、その超過分を減らすように自経路電流目標値Iinv*を変更する。図5を参照して、双方向DC/AC変換器40における自経路電流目標値Iinv*を−10Aから−8Aに変更する。すなわち、電流目標値Ibuy*を10Aから8Aに変更する。これにより、双方向DC/AC変換器40は、変更後の自経路電流目標値Iinv*に従って、自経路電流Iinv=−8A(Ibuy=8A)で買電するように電力変換動作を行なう。その結果、蓄電装置3は、電流Ipvおよび電流Iinvの和から電流Iloadを差し引いた電流=10Aで蓄電装置3が充電されることとなり(電池電流Ib=10A)、電池電流Ibが電流範囲内に収められる。
図4に示したように、直流バス1に太陽光発電システム2および直流負荷5が接続されて構成された直流システムにおいては、双方向DC/AC変換器40において自経路電流目標値Iinv*に従った電流制御を実行しているときに、太陽光発電システム2における発電電力量や直流負荷5における消費電力量が変動する可能性がある。このような事態となると、蓄電装置3で充放電される電力が変動するため、電池電流Ibが蓄電装置3の電流範囲から外れてしまう虞がある。本実施の形態による電力変換装置では、図3の目標値設定表に基づいて設定された自経路電流目標値Iinv*を初期値として、電池電流Ibが電流範囲内に収まるように自経路電流目標値Iinv*を調整する。これにより、電力変換装置における自経路電流制御によって電池電流の超過を解消することができる。その結果、蓄電装置3の性能劣化を回避することができる。
以下、図6〜図9を参照して、本実施の形態による電力変換装置における自経路電流目標値Iinv*の調整動作を説明する。
図6は、図2における制御部420の制御構造を示す図である。
図6を参照して、制御部420は、制御目標値生成部500と、スイッチング素子制御信号生成部510と、メモリ520とを含む。
図6を参照して、制御部420は、制御目標値生成部500と、スイッチング素子制御信号生成部510と、メモリ520とを含む。
制御目標値生成部500は、双方向DC/AC変換器40の制御目標値として自経路電流目標値Iinv**を生成する。この自経路電流目標値Iinv**は、後述するように、図3の目標値設定表に従って定められた自経路電流目標値Iinv*を初期値とし、自経路電流制御の実行中における電池電流Ibに応じて調整された後の自経路電流目標値に相当する。
スイッチング素子制御信号生成部510は、制御目標値生成部500から自経路電流目標値Iinv**を受けると、自経路電流Iinvが自経路電流目標値Iinv**となるようにスイッチング制御信号S1〜S4を生成して、双方向DC/AC変換器40を制御する。
具体的には、スイッチング素子制御信号生成部510は、少なくとも比例要素(P:proportional element)および積分要素(I:integral element)を含んで構成され、自経路電流目標値Iinv**に対する自経路電流Iinvの偏差に応じて操作信号を生成する。そして、スイッチング素子制御信号生成部510は、この操作信号に基づいて双方向インバータ400(図2)のトランジスタQ1〜Q4のオンデューティーを規定するデューティー指令を生成すると、この生成したデューティー指令と搬送波とを比較することにより、スイッチング制御信号S1〜S4を生成する。
メモリ520は、情報の読出しおよび書込みが可能であり、たとえばRAM(Random Access Memory)で構成される。メモリ520は、目標値設定表(図3)、蓄電装置3における所定の電流範囲、および蓄電装置3の仕様に応じて逐次更新される電池データを記憶するための記憶領域を有する。この記憶領域には、電流センサ60から送信される電池電流Ibの検出情報(電池電流検出情報)および電流センサ430から送信される自経路電流Iinvの検出情報(自経路電流検出情報)がさらに記憶される。
制御目標値生成部500は、電流センサ430から自経路電流Iinvを受け、電流センサ60から電池電流Ibを受け、電池監視ユニット6から蓄電装置3の電池残量(SOC)を受ける。制御目標値生成部500は、これらの入力情報と、メモリ520に格納された情報とに基づいて、自経路電流目標値Iinv**を生成する。
なお、図6では、制御目標値生成部500が電池監視ユニット6から蓄電装置3の電池残量を受ける例を示したが、制御目標値生成部500自らが、電池電流Ibの検出情報および/または電池電圧Vbの検出情報に基づいて、蓄電装置3の電池残量を推定する構成としてもよい。たとえば、電圧センサ62から送信される電池電圧Vbの検出値に基づいて、蓄電装置3のOCVとSOCとの関係を参照することにより、SOC推定値を算出する態様としてもよい。
図7は、本実施の形態による電力変換装置の自経路電流制御を実現するための制御処理手順を示したフローチャートである。図7に示すフローチャートによる制御処理は、一定の制御周期毎に制御部420によって実行される。また、図7に示した各ステップは、制御部420によるソフトウェア処理および/またはハードウェア処理によって実現されるものとする。
図7を参照して、制御部420は、ステップS100により、自経路電流Iinvの電流目標値Iinv**を設定する。具体的には、制御部420は、メモリ520に格納された目標値設定表(図3)を参照することにより、日時および蓄電装置3の電池残量に基づいて自経路電流目標値Iinv*を設定する。すなわち、ステップS100の処理は、制御目標値生成部500の機能に対応する。制御部420は、この目標値設定表(図3)に従って定められた自経路電流目標値Iinv*を、自経路電流目標値Iinv**の初期値とする。すなわち、初期値Iinv*は、日時および蓄電装置3の電池残量に応じて変化する可変値となる。
次に、制御部420は、ステップS200により、自経路電流Iinvが自経路電流目標値Iinv**となるようにスイッチング制御信号S1〜S4を生成して、双方向インバータ400を制御する(電流制御)。
さらに、制御部420は、ステップS300により、双方向インバータ400における電力変換動作の実行中に、電流センサ60により検出される電池電流Ib(電池電流検出情報)を取得すると、この取得された電池電流Ibに基づいて、自経路電流目標値Iinv**を調整する。具体的には、制御部420は、メモリ520に格納された蓄電装置3の電流範囲と、電池電流Ibとを比較する。そして、制御部420は、この比較結果に基づいて自経路電流目標値Iinv**を調整する。このステップS300の機能は、図6に示した制御目標値生成部500の機能に相当する。
図8は、図7のステップS200およびS300の処理をさらに詳細に説明するフローチャートである。
図8を参照して、制御部420は、ステップS01では、電流センサ430により検出される自経路電流Iinvと、自経路電流目標値Iinv**とを比較する。自経路電流Iinvが自経路電流目標値Iinv**よりも小さい場合(ステップS01のYES判定時)には、制御部420は、ステップS02により、自経路電流Iinvと自経路電流目標値Iinv**との電流偏差に基づいたスイッチング制御信号S1〜S4を生成する。このような制御を行なうことにより、自経路電流Iinvは正方向(売電方向)に変化する(すなわち、自経路電流Iinvが増加)。
一方、自経路電流Iinvが自経路電流目標値Iinv**以上となる場合(ステップS01のNO判定時)には、制御部420は、ステップS03により、自経路電流Iinvと自経路電流目標値Iinv**との電流偏差に基づいたスイッチング制御信号S1〜S4を生成する。このような制御を行なうことにより、自経路電流Iinvが負方向(買電方向)に変化する(すなわち、自経路電流Iinvが減少)。ステップS01〜S03の処理は、図7に示したステップS200の処理に相当する。
制御部420は、上記S01〜S03に示した電流制御の実行中に、電流センサ60から電池電流Ib(電池電流検出情報)を取得する。そして、制御部420は、電池電流Ibが蓄電装置3の電流範囲内に収まっているか否かを判定する。具体的には、ステップS04では、制御部420は、電池電流Ibが電流範囲の下限値(たとえば−10A)以上であるか否かを判定する。電池電流Ibが当該下限値よりも小さい場合には(ステップS04のNO判定時)、制御部420は、ステップS05により、自経路電流目標値Iinv**を所定量ΔI1だけ減少させる。
すなわち、放電電流Idcが蓄電装置3の電流範囲から外れる場合(ステップS04のNO判定時)には、制御部420は、自経路電流目標値Iinv**を減少させるように自経路電流目標値Iinv**を調整する。双方向DC/AC変換器40においては、調整後の自経路電流目標値Iinv**に従って電力変換動作が実行されることにより、売電時における自経路電流Isellが減少する一方で、買電時における自経路電流Ibuyが増加する。このように売電時および買電時の各々において蓄電装置3から直流バス1に供給される電力が減少するように、自経路電流目標値Iinv**を調整することにより、蓄電装置3の放電電流Idcが電流範囲内に収まる。
これに対して、電池電流Ibが電流範囲の下限値以上である場合(ステップS04のYES判定時)には、制御部420は、さらにステップS06により、電池電流Ibが電流範囲の上限値(10A)以下であるか否かを判定する。電池電流Ibが当該上限値よりも大きい場合(ステップS06のNO判定時)には、制御部420は、ステップS07により、自経路電流目標値Iinv**を所定量ΔI1だけ増加させる。
すなわち、充電電流Ichが蓄電装置3の電流範囲から外れる場合(ステップS06のNO判定時)には、制御部420は、自経路電流目標値Iinv**を増加させるように自経路電流目標値Iinv**を調整する。双方向DC/AC変換器40においては、調整後の自経路電流目標値Iinv**に従って電力変換動作が実行されることにより、売電時における自経路電流Isellが増加する一方で、買電時における自経路電流Ibuyが減少する。このように売電時および買電時の各々において直流バス1から蓄電装置3に供給される電力が減少するように、自経路電流目標値Iinv**を調整することにより、蓄電装置3の充電電流Ichが電流範囲内に収まる。
このように、電池電流Ibが蓄電装置3の電流範囲から外れる場合には、電池電流Ibが当該電流範囲内に収まるように、自経路電流目標値Iinv**を所定量ΔI1だけ増加または減少させる。この所定量ΔI1は、双方向DC/AC変換器40における電流制御の制御速度などを考慮して定められる。
一方、ステップS06において電池電流Ibが電流範囲の上限値以下である場合(ステップS06のYES判定時)、すなわち、電池電流Ibが蓄電装置3の電流範囲内に収まっている場合には、制御部420は、ステップS08〜S11により、自経路電流目標値Iinv**を初期値Iinv*に戻すための復帰処理を実行する。
具体的には、制御部420は、ステップS08により、自経路電流目標値Iinv**が初期値Iinv*より大きいか否かを判定する。自経路電流目標値Iinv**が初期値Iinv*より大きい場合(ステップS08のYES判定時)には、制御部420は、ステップS09により、自経路電流目標値Iinv**を所定量ΔI2だけ減少させる。
一方、自経路電流目標値Iinv**が初期値Iinv*以下となる場合(ステップS08のNO判定時)には、制御部420はさらにステップS10により、自経路電流目標値Iinv**が初期値Iinv*より小さいか否かを判定する。自経路電流目標値Iinv**が初期値Iinv*より小さい場合(ステップS10のYES判定時)には、制御部420は、ステップS11により、自経路電流目標値Iinv**を所定量ΔI2だけ増加させる。この所定量ΔI2は、双方向DC/AC変換器40における電流制御の制御速度などを考慮して定められる。一方、自経路電流目標値Iinv**が初期値Iinv*と等しい場合(ステップS10のNO判定時)には、上述した自経路電流目標値Iinv**の復帰処理を行なわない。
上記のステップS08〜S11に示した処理は、電池電流Ibを電流範囲内に制御しつつ、自経路電流目標値Iinv**を初期値Iinv*に戻すための処理である。また、ステップS04〜S11の処理は、図7に示したステップS300による処理に対応する。
以上説明したように、制御部420は、自経路電流制御の実行中は、電池電流Ibが蓄電装置3の電流範囲内に収まるように自経路電流目標値Iinv**を調整する。これにより、太陽光発電システム2の発電電力量および/または直流負荷5の消費電力量の変動を受けて蓄電装置3で充放電される電力が変動した場合においても、蓄電装置3における電流制限を遵守しつつ、直流バス1に対して電力を授受することができる。
(変更例)
図9は、図7のステップS200およびS300の処理の変更例を説明するフローチャートである。
図9は、図7のステップS200およびS300の処理の変更例を説明するフローチャートである。
図9を参照して、制御部420は、ステップS21により、電流センサ60から電池電流Ib(電池電流検出情報)を取得する。そして、制御部420は、ステップS22により、取得した電池電流Ibとメモリ520に格納されている電池電流Ib♯とを比較する。この電池電流Ib♯は、後述するステップS24において自経路電流目標値Inv**の調整後に取得される電池電流Ibに相当する。
電池電流Ibが電池電流Ib♯に等しい場合(ステップS22のYES判定時)には、制御部420は、図8と同様のステップS01〜S07により、電流センサ60から取得した電池電流Ibに応じて自経路電流目標値Iinv**を調整する。そして、制御部420は、ステップS24により、調整後の自経路電流目標値Iinv**に従って電流制御を行なったときの電池電流Ibを取得してメモリ520に保存する。
これに対して、電池電流Ibが電池電流Ib♯と異なる場合(ステップS22のNO判定時)には、制御部420は、ステップS23により、自経路電流目標値Iinv**を初期値Iinv*に戻す。そして、制御部420は、図8と同様のステップS01〜S07により、電流センサ60から取得した電池電流Ibに応じて自経路電流目標値Iinv**を調整する。さらに、制御部420は、ステップS24により、調整後の自経路電流目標値Iinv**に従って電流制御を行なったときの電池電流Ibを取得してメモリ520に保存する。
本変更例では、太陽光発電システム2における発電電力量および/または直流負荷5における消費電力量の変動に起因して蓄電装置3に充放電される電流Ibが変化したときには、調整後の自経路電流目標値Iinv**を初期値Iinv*に戻して自経路電流目標値Iinv**の調整をやり直す。すなわち、自経路電流制御とは異なる外的要因によって電池電流Ibが変化したことをトリガとして、自経路電流目標値Iinv**を初期値Iinv*に戻す。
なお、本実施の形態による蓄電装置3の電流範囲は、上述の例に限定されるものではない。すなわち、蓄電装置3の定格電流(許容充放電電流)を電流範囲(−10A〜10A)とする構成に代えて、より電池寿命を長くする観点から、例えば定格電流の80%を電流範囲の上下限値に設定してもよい。なお、上下限値を定格電流の何%に設定するかについては、電池寿命を考慮した設計思想によって、任意に選択することができる。
また、蓄電装置によっては、許容充電電流と許容放電電流とが異なるものも存在するため、使用する蓄電装置の仕様に応じて、上限値(たとえば3A)と下限値(たとえば−6A)とを異ならせても同様の効果を得ることができる。
(2)電池電流制御
次に、本実施の形態による電力変換装置における電池電流制御について説明する。図10を用いて、制御部420による電池電流目標値Ib**の調整動作を詳細に説明する。
次に、本実施の形態による電力変換装置における電池電流制御について説明する。図10を用いて、制御部420による電池電流目標値Ib**の調整動作を詳細に説明する。
図10を参照して、電池電流制御においては、制御目標値生成部500は、双方向DC/AC変換器40の制御目標値として電池電流目標値Ib**を生成する。この電池電流目標値Ib**は、後述するように、図3の目標値設定表に従って定められた電池電流目標値Ib*を初期値とし、電池電流制御の実行中における自経路電流Iinvに応じて調整された後の電池電流目標値に相当する。
スイッチング素子制御信号生成部510は、制御目標値生成部500から電池電流目標値Ib**を受けると、電池電流Ibが電池電流目標値Ib**となるようにスイッチング制御信号S1〜S4を生成して、双方向DC/AC変換器40を制御する。
具体的には、スイッチング素子制御信号生成部510は、上述した自経路電流制御と同様に、電池電流目標値Ib**に対する電池電流Ibの偏差に応じて操作信号を生成する。そして、スイッチング素子制御信号生成部510は、この操作信号に基づいて双方向インバータ400(図2)のトランジスタQ1〜Q4のオンデューティーを規定するデューティー指令を生成すると、この生成したデューティー指令と搬送波とを比較することにより、スイッチング制御信号S1〜S4を生成する。
メモリ520の記憶領域には、蓄電装置3における所定の電流範囲に代えて、双方向DC/AC変換器40における所定の電流範囲が記憶されている。この所定の電流範囲は、その仕様上、双方向DC/AC変換器40に流すことのできる電流の範囲に相当する。この電流範囲は、たとえば双方向DC/AC変換器40の定格出力に基づいて定められる。本実施の形態では、一例として、15Aを電流範囲の上下限値とする。すなわち、自経路電流Iinvを、−15A〜15Aの範囲内に収める必要がある。
制御目標値生成部500は、電流センサ430から自経路電流Iinvを受け、電流センサ60から電池電流Ibを受け、電池監視ユニット6から蓄電装置3の電池残量(SOC)を受ける。制御目標値生成部500は、これらの入力情報と、メモリ520に格納された情報とに基づいて、電池電流目標値Ib**を生成する。
図11は、本実施の形態による電力変換装置の電池電流制御を実現するための制御処理手順を示したフローチャートである。図11に示すフローチャートによる制御処理は、一定の制御周期毎に制御部420によって実行される。また、図11に示した各ステップは、制御部420によるソフトウェア処理および/またはハードウェア処理によって実現されるものとする。
図11を参照して、制御部420は、ステップS400により、電池電流Ibの電流目標値(電池電流目標値)Ib**を設定する。具体的には、制御部420は、メモリ520に格納された目標値設定表(図3)を参照することにより、日時および蓄電装置3の電池残量に基づいて電池電流目標値Ib*を設定する。すなわち、ステップS400の処理は、制御目標値生成部500の機能に対応する。制御部420は、この目標値設定表(図3)に従って定められた電池電流目標値Ib*を電池電流目標値Ib**の初期値とする。すなわち、初期値Ib*は、日時および蓄電装置3の電池残量に応じて変化する可変値となる。
次に、制御部420は、ステップS500により、電池電流Ibが電池電流目標値Ib**となるようにスイッチング制御信号S1〜S4を生成して、双方向インバータ400を制御する(電流制御)。
さらに、制御部420は、ステップS600により、双方向インバータ400における電力変換動作の実行中に、電流センサ430により検出される自経路電流Iinv(自経路電流検出情報)を取得すると、この取得された自経路電流Iinvに基づいて、電池電流目標値Ib**を調整する。具体的には、制御部420は、メモリ520に格納された双方向DC/AC変換器40の電流範囲と、自経路電流Iinvとを比較する。そして、この比較結果に基づいて電池電流目標値Ib**を調整する。このステップS600の機能は、図10に示した制御目標値生成部500の機能に相当する。
図12は、図11のステップS500およびS600の処理をさらに詳細に説明するフローチャートである。
図12を参照して、制御部420は、ステップS31では、電流センサ60により検出される電池電流Ibと、電池電流目標値Ib**とを比較する。電池電流Ibが電池電流目標値Ib**よりも小さい場合(ステップS31のYES判定時)には、制御部420は、ステップS32により、電池電流Ibと電池電流目標値Ib**との電流偏差に基づいたスイッチング制御信号S1〜S4を生成する。このような制御を行なうことにより、電池電流Ibは正方向(充電方向)に変化する(すなわち、電池電流Ibが増加)。
一方、電池電流Ibが電池電流目標値Ib**以上となる場合(ステップS31のNO判定時)には、制御部420は、ステップS33により、電池電流Ibと電池電流目標値Ib**との電流偏差に基づいたスイッチング制御信号S1〜S4を生成する。このような制御を行なうことにより、電池電流Ibが負方向(放電方向)に変化する(すなわち、電池電流Ibが減少)。ステップS31〜S33の処理は、図11に示したステップS500の処理に相当する。
制御部420は、上記S31〜S33に示した電流制御の実行中に、電流センサ430から自経路電流Iinv(自経路電流検出情報)を取得する。そして、制御部420は、自経路電流Iinvが双方向DC/AC変換器40の電流範囲内に収まっているか否かを判定する。具体的には、ステップS34では、制御部420は、自経路電流Iinvが電流範囲の下限値(たとえば−15A)以上であるか否かを判定する。自経路電流Iinvが当該下限値よりも小さい場合には(ステップS34のNO判定時)、制御部420は、ステップS35により、電池電流目標値Ib**を所定量ΔI3だけ減少させる。
すなわち、買電時の自経路電流Ibuyが双方向DC/AC変換器40の電流範囲から外れる場合(ステップS34のNO判定時)には、制御部420は、電池電流目標値Ib**を減少させるように電池電流目標値Ib**を調整する。そして、調整後の電池電流目標値Ib**に従って双方向DC/AC変換器40における電力変換動作が実行されることにより、蓄電装置3においては、充電時における電池電流(充電電流)Ichが減少する一方で、放電時における電池電流(放電電流)Idcが増加する。このように充電時には直流バス1から蓄電装置3に供給される電力が減少する一方で、放電時には蓄電装置3から直流バス1に供給される電力が増加するように、電池電流目標値Ib**を調整することにより、買電時における自経路電流Iinvが電流範囲内に収まる。
これに対して、自経路電流Iinvが電流範囲の下限値以上である場合(ステップS34のYES判定時)には、制御部420は、さらにステップS36により、自経路電流Iinvが電流範囲の上限値(15A)以下であるか否かを判定する。自経路電流Iinvが当該上限値よりも大きい場合(ステップS36のNO判定時)には、制御部420は、ステップS37により、電池電流目標値Ib**を所定量ΔI3だけ増加させる。
すなわち、売電時の自経路電流Isellが双方向DC/AC変換器40の電流範囲から外れる場合(ステップS36のNO判定時)には、制御部420は、電池電流目標値Ib**を増加させるように電池電流目標値Ib**を調整する。そして、調整後の電池電流目標値Ib**に従って双方向DC/AC変換器40における電力変換動作が実行されることにより、蓄電装置3においては、充電時における電池電流(充電電流)Ichが増加する一方で、放電時における電池電流(放電電流)Idcが減少する。このように充電時には直流バス1から蓄電装置3に供給される電力が増加する一方で、放電時には蓄電装置3から直流バス1に供給される電力が減少するように、電池電流目標値Ib**を調整することにより、売電時における自経路電流Iinvが電流範囲内に収まる。
このように、自経路電流Iinvが双方向DC/AC変換器40の電流範囲から外れる場合には、自経路電流Iinvが当該電流範囲内に収まるように、電池電流目標値Ib**を所定量ΔI3だけ増加または減少させる。この所定量ΔI3は、双方向DC/AC変換器40における電流制御の制御速度などを考慮して定められる。
一方、ステップS36において自経路電流Iinvが電流範囲の上限値以下である場合(ステップS36のYES判定時)、すなわち、自経路電流Iinvが双方向DC/AC変換器30の電流範囲内に収まっている場合には、制御部420は、電池電流目標値Ib**を初期値Ib*に戻すための復帰処理を実行する。
具体的には、制御部420は、ステップS38により、電池電流目標値Ib**が初期値Ib*より大きいか否かを判定する。電池電流目標値Ib**が初期値Ib*より大きい場合(ステップS38のYES判定時)には、制御部420は、ステップS39により、電池電流目標値Ib**を所定量ΔI4だけ減少させる。
一方、電池電流目標値Ib**が初期値Ib*以下となる場合(ステップS38のNO判定時)には、制御部420はさらにステップS40により、電池電流目標値Ib**が初期値Ib*より小さいか否かを判定する。電池電流目標値Ib**が初期値Ib*より小さい場合(ステップS40のYES判定時)には、制御部420は、ステップS41により、電池電流目標値Ib**を所定量ΔI4だけ増加させる。所定量ΔI4は、双方向DC/AC変換器40における電流制御の制御速度などを考慮して定められる。一方、電池電流目標値Ib**が初期値Ib*と等しい場合(ステップS40のNO判定時)には、上述した電池電流目標値Ib**の復帰処理を行なわない。
上記のステップS38〜S41に示した処理は、自経路電流Iinvが電流範囲内に収まっている状態を保ちつつ、電池電流目標値Ib**を初期値Ib*に戻すための処理である。また、ステップS34〜S41の処理は、図10に示したステップS600による処理に対応する。
以上説明したように、制御部420は、電池電流制御の実行中は、自経路電流Iinvが双方向DC/AC変換器40の電流範囲内に収まるように電池電流目標値Ib**を調整する。これにより、太陽光発電システム2の発電電力量および/または直流負荷5の消費電力量の変動を受けて直流バス1と双方向DC/AC変換器40との間で授受される電力が変動した場合においても、双方向DC/AC変換器40の電流制限を遵守しつつ、直流バス1に対して電力を授受することができる。
(変更例)
図13は、図11のステップS500およびS600の処理の変更例を説明するフローチャートである。
図13は、図11のステップS500およびS600の処理の変更例を説明するフローチャートである。
図13を参照して、制御部420は、ステップS51により、電流センサ430から自経路電流Iinv(自経路電流検出情報)を取得する。そして、制御部420は、ステップS52により、取得した自経路電流Iinvとメモリ520に格納されている自経路電流Iinv♯とを比較する。この自経路電流Iinv♯は、後述するステップS54において電池電流目標値Ib**の調整後に取得される自経路電流Iinvに相当する。
自経路電流Iinvが自経路電流Iinv♯に等しい場合(ステップS52のYES判定時)には、制御部420は、図12と同様のステップS31〜S37により、電流センサ430から取得した自経路電流Iinvに応じて電池電流目標値Ib**を調整する。そして、制御部420は、ステップS54により、調整後の電池電流目標値Ib**に従って電流制御を行なったときの自経路電流Iinvを取得してメモリ520に保存する。
本変更例では、太陽光発電システム2における発電電力量および/または直流負荷5における消費電力量の変動に起因して双方向DC/AC変換器40に入出力される電流Iinvが変化したときには、調整後の電池電流目標値Ib**を初期値Ib*に戻して電池電流目標値Ib**の調整をやり直す。すなわち、電池電流制御とは異なる外的要因によって自経路電流Iinvが変化したことをトリガとして、電池電流目標値Ib**を初期値Ib*に戻す。
なお、本実施の形態による双方向DC/AC変換器40の電流範囲は、上述の例に限定されるものではない。すなわち、双方向DC/AC変換器40の定格出力を電流範囲とする構成に代えて、例えば定格出力の80%を電流範囲の上下限値に設定してもよい。なお、上下限値を定格出力の何%に設定するかについては、部品寿命を考慮した設計思想によって、任意に選択することができる。また、使用する双方向DC/AC変換器の仕様に応じて、上限値と下限値とを異ならせても同様の効果を得ることができる。
(直流システムの構成例)
上記の説明では、直流システムの一例として、直流バス1に太陽光発電システム2、蓄電装置3、系統電力システム4、および直流負荷5が接続される構成について説明した。しかしながら、本発明の適用はこのような直流システムに限定されるものではない。具体的には、少なくとも直流バス1に蓄電装置3および系統電力システム4が接続されていれば、本発明を適用することが可能である。したがって、例えば図14に示すように、直流バス1に太陽光発電システム2、蓄電装置3および系統電力システム4が接続されて構成された直流システムや、図15に示すように、直流バス1に蓄電装置3および系統電力システム4が接続されて構成された直流システムについても本発明は適用可能である。
上記の説明では、直流システムの一例として、直流バス1に太陽光発電システム2、蓄電装置3、系統電力システム4、および直流負荷5が接続される構成について説明した。しかしながら、本発明の適用はこのような直流システムに限定されるものではない。具体的には、少なくとも直流バス1に蓄電装置3および系統電力システム4が接続されていれば、本発明を適用することが可能である。したがって、例えば図14に示すように、直流バス1に太陽光発電システム2、蓄電装置3および系統電力システム4が接続されて構成された直流システムや、図15に示すように、直流バス1に蓄電装置3および系統電力システム4が接続されて構成された直流システムについても本発明は適用可能である。
また、分散電源装置の一例として、太陽光発電システムを説明したが、風力発電装置および燃料電池などを用いてもよい。
さらに、本発明の実施の形態では、電力変換装置の一例として、直流バスおよび系統電力の間で双方向に電力変換を行なう双方向DC/AC変換器について説明したが、直流バスから受ける直流電力を交流電力に変換して系統電力へ供給するためのDC/AC変換器と、系統電力から受ける交流電力を直流バスに変換して直流バスへ供給するためのAC/DC変換器とを備える電力変換装置についても本発明を適用することが可能である。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 直流バス、2 太陽光発電システム、3 蓄電装置、4 系統電力システム、5 直流負荷、6 電池監視ユニット、20 太陽電池、22 DC/DC変換器、40 双方向DC/AC変換器、42 系統電力、60,430 電流センサ、62,440 電圧センサ、64 温度センサ、400 双方向インバータ、410,412 連系リアクトル、420 制御部、500 制御目標値生成部、510 スイッチング素子制御信号生成部、520 メモリ。
Claims (8)
- 蓄電装置および系統電力の間に配設された直流バスに接続される電力変換装置であって、
前記直流バスおよび前記系統電力の間で電力変換する電力変換部と、
前記電力変換部を流れる自経路電流を検出する自経路電流検出部と、
前記蓄電装置の充放電電流を取得する充放電電流取得部と、
前記電力変換部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記自経路電流が制御目標値になるように前記電力変換部における電力変換を制御するための電力変換制御手段と、
前記電力変換制御手段の実行中に、取得された前記充放電電流が所定の電流範囲に収まるように、前記制御目標値を調整するための調整手段とを含む、電力変換装置。 - 前記調整手段は、
予め定められた制御目標値を初期値に設定して前記電力変換制御手段を実行したときの前記充放電電流が前記所定の電流範囲を超えているときに、前記充放電電流に応じて前記制御目標値を変更するための変更手段と、
変更後の前記制御目標値を用いた前記電力変換制御手段の実行中に、前記充放電電流を前記所定の電流範囲に制御しつつ、前記制御目標値を前記初期値に戻すための復帰手段とを含む、請求項1に記載の電力変換装置。 - 前記調整手段は、
予め定められた制御目標値を初期値に設定して前記電力変換制御手段を実行したときの前記充放電電流が前記所定の電流範囲を超えているときに、前記充放電電流に応じて前記制御目標値を変更するための変更手段と、
変更後の前記制御目標値を用いた前記電力変換制御手段の実行中に、前記充放電電流が前記所定の電流範囲に収まっている状態で、前記充放電電流が変化したときには、前記制御目標値を前記初期値に戻すための復帰手段とを含む、請求項1に記載の電力変換装置。 - 蓄電装置および系統電力の間に配設された直流バスに接続される電力変換装置であって、
前記直流バスおよび前記系統電力の間で電力変換する電力変換部と、
前記電力変換部を流れる自経路電流を検出する自経路電流検出部と、
前記蓄電装置の充放電電流を取得する充放電電流取得部と、
前記電力変換部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記充放電電流が制御目標値になるように前記電力変換部における電力変換を制御するための電力変換制御手段と、
前記電力変換制御手段の実行中に、前記自経路電流の検出値が所定の電流範囲に収まるように、前記制御目標値を調整するための調整手段とを含む、電力変換装置。 - 前記調整手段は、
予め定められた制御目標値を初期値に設定して前記電力変換制御手段を実行したときの前記自経路電流の検出値が前記所定の電流範囲を超えているときには、前記自経路電流の検出値に応じて前記制御目標値を変更するための変更手段と、
変更後の前記制御目標値を用いた前記電力変換制御手段の実行中に、前記自経路電電流の検出値を前記所定の電流範囲に制御しつつ、前記制御目標値を前記初期値に戻すための復帰手段とを含む、請求項4に記載の電力変換装置。 - 前記調整手段は、
予め定められた制御目標値を初期値に設定して前記電力変換制御手段を実行したときの前記自経路電流の検出値が前記所定の電流範囲を超えているときには、前記自経路電流の検出値に応じて前記制御目標値を変更するための変更手段と、
変更後の前記制御目標値を用いた前記電力変換制御手段の実行中に、前記自経路電流の検出値が前記所定の電流範囲に収まっている状態で、前記自経路電流の検出値が変化したときには、前記制御目標値を前記初期値に戻すための復帰手段とを含む、請求項4に記載の電力変換装置。 - 直流バスと、
電源電圧を前記直流バスに出力する蓄電装置と、
前記直流バスおよび系統電力の間に接続される電力変換装置と、
前記電力変換装置を流れる自経路電流を検出する自経路電流検出部と、
前記蓄電装置の充放電電流を検出する充放電電流検出部とを備え、
前記電力変換装置は、
前記直流バスおよび前記系統電力の間で電力変換する電力変換部と、
前記電力変換部を制御する制御部とを含み、
前記制御部は、
前記自経路電流が制御目標値になるように前記電力変換部における電力変換を制御するための電力変換制御手段と、
前記電力変換制御手段の実行中に、前記充放電電流の検出値が所定の電流範囲に収まるように、前記制御目標値を調整するための調整手段とを含む、直流システム。 - 直流バスと、
電源電圧を前記直流バスに出力する蓄電装置と、
前記直流バスおよび系統電力の間に接続される電力変換装置と、
前記電力変換装置を流れる自経路電流を検出する自経路電流検出部と、
前記蓄電装置の充放電電流を検出する充放電電流検出部とを備え、
前記電力変換装置は、
前記直流バスおよび前記系統電力の間で電力変換する電力変換部と、
前記電力変換部を制御する制御部とを含み、
前記制御部は、
前記充放電電流が制御目標値となるように前記電力変換部における電力変換を制御するための電力変換制御手段と、
前記電力変換制御手段の実行中に、前記自経路電流の検出値が所定の電流範囲に収まるように、前記制御目標値を調整するための調整手段とを含む、直流システム。
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