JP2013170982A - 核種変換装置及び核種変換方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】核種変換が施される物質が添加された構造体に、電気分解を利用して重水素を透過させ、核種変換を行う核種変換装置において、核種変換反応に寄与しなかった重水素を再利用できる核種変換装置及び核種変換方法を提供することを目的とする。
【解決手段】核種変換装置は、核種変換を施される物質28が添加された構造体1と、重水素高圧部2及び重水素低圧部3と、重水素高圧部2に重水19を供給する重水供給部16を備え、供給した重水19を電気分解して、重水素高圧部2を相対的に重水素の圧力が高い状態とする高圧化手段4と、重水素低圧部3を相対的に重水素の圧力が低い状態とする低圧化手段5と、電気分解した際に生じた気体から、酸化触媒を用いて重水を製造する水製部6と、水製部6で製造された重水を酸素ガスと分離する酸素分離部7と、酸素分離部7にて酸素ガスが分離された重水を重水供給部16に導く重水導入路8と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射性廃棄物処理技術、自然界に豊富に存在する元素から稀少な元素を生成する技術、凝集系核反応によるエネルギー発生技術などに係る核種変換装置及び核種変換方法に関するものである。
加速器や原子炉等の大規模な装置に比べて、相対的に小規模な装置で核種変換を行うことが可能な核種変換装置及び核種変換方法が、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示される核種変換装置は、パラジウム(Pd)やパラジウム合金などの水素吸蔵金属または水素吸蔵合金、及び、これらに対して相対的に仕事関数が低い物質(酸化カルシウム:CaO)を積層させた構造体と、内部が気密保持可能とされた吸蔵室と、構造体を介して気密保持可能に設けられた放出室と、吸蔵室に重水素ガスを供給する重水素供給手段と、放出室を真空状態にする排気手段とを備える。
特許文献1に開示される核種変換装置では、変換したい核種(核種変換を施される物質)を蒸着等の手法を用いて構造体の一方の表面に添加し、核種変換を施される物質を添加した面から重水素(D)ガスを透過させて核反応を誘発し、核種変換を施される物質を別の核種に変換する。
上記構成の核種変換装置では、CaOなどのナノスケールの薄膜をPdなどと組み合わせ、単層または複数層蒸着した構造体の表面に核種変換を施される物質を添加することで、安定的な核反応の進行、変換量の増大を促進することができる。
特許第4346838号公報(段落[0009]〜[0014])
特許文献1に記載の方法において、核種変換する際の核種変換量は数〜数十ng/cmレベルであり、実用化を進めていくためには、核種変換量の更なる増大が必要である。
核種変換量を増大させる手法として、図8のような核種変換装置が開発されている。核種変換装置500は、構造体1、重水素高圧部2、重水素低圧部3、高圧化手段4、及び低圧化手段5を備えている。高圧化手段4は、電圧発生装置12、正極13、電解溶液供給装置14、及びガス排出経路15から構成されている。高圧化手段4は、電解溶液供給装置14から電解溶液を重水素高圧部2に供給し、該供給した電解溶液を電気分解することで、重水素高圧部2の重水素圧力を増大させることができる。低圧化手段5は、真空ポンプなどとされ、重水素低圧部3の重水素圧力を重水素高圧部2よりも低くすることができる。核種変換装置500によれば、電解溶液を電気分解することにより、重水素の透過圧力が大幅に増大し、構造体1中への重水素の充填量を増大させることができるため、核種変換量を大幅に増大させることが可能となる。
しかしながら、核種変換装置500では、重水素高圧部2にて電解溶液を電気分解した際に発生する重水素のうち、核種変換反応に寄与する重水素は一部であり、大部分の重水素は外部に排気される。重水素は高価であるため、核種変換装置500は、ランニングコストが大きくなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、核種変換が施される物質が添加された構造体に、電気分解を利用して重水素を透過させ、核種変換を行う核種変換装置において、核種変換反応に寄与しなかった重水素を再利用できる核種変換装置及び核種変換方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金を含み、核種変換を施される物質が添加された構造体と、前記構造体を両側から挟み込むようにして配置され、前記構造体により密封可能な閉空間をなす重水素高圧部及び重水素低圧部と、前記重水素高圧部に重水を供給する重水供給部を備え、前記重水供給部から前記構造体に供給した重水を電気分解して、前記重水素高圧部を相対的に重水素の圧力が高い状態とする高圧化手段と、前記重水素低圧部を、相対的に重水素の圧力が低い状態とする低圧化手段と、前記重水素高圧部に供給した重水を電気分解した際に生じた気体から、酸化触媒を用いて重水を製造する水製部と、前記水製部で製造された重水を酸素ガスと分離する酸素分離部と、前記酸素分離部にて酸素ガスが分離された前記重水を前記重水供給部に導く重水導入路と、を備えた核種変換装置を提供する。
上記構成の核種変換装置によれば、核種変換を施される物質が添加された状態で、構造体の重水素高圧部側と重水素低圧部側との間に重水素の圧力差を設けることで、構造体の内部で重水素高圧部側から重水素低圧部側へと向かう重水素の流束を形成できる。それにより、重水素と核種変換が施される物質とに対して核種変換反応を発生させることができる。
高圧化手段は、重水を電気分解することにより、重水素高圧部を、重水素低圧部よりも相対的に重水素の圧力が高い状態とする。これによりガス圧を用いた場合と比較して、構造体への重水素の充填密度を高くし、核種変換反応量を増大させることができる。
水製部は、酸化触媒を用いて、重水を電気分解した際に生じる気体から重水を合成することができる。酸素分離部では、重水の合成に寄与しなかった酸素ガスを重水から分離することができる。酸素分離部から排出された重水は、重水供給部へと戻され、高圧化手段として再利用することができる。
これにより、従来排気していた重水素の大部分をリサイクルできるようになるため、核種変換試験に要するコストを低減できる。
上記発明の一態様において、核種変換装置は、前記構造体を透過して重水素低圧部から排出された重水素を回収し、該回収した重水素を前記水製部に送る重水素回収部と、前記水製部に送る重水素の濃度を検出する検出部と、前記水製部に送る重水素に酸素を添加する酸素添加部と、前記検出部にて検出した重水素の濃度に基づき、前記酸素添加部から添加する酸素量を制御する制御部と、を備えることが好ましい。
上記発明の一態様によれば、重水素回収部を設けることにより、構造体を透過した重水素を回収できるため、重水素高圧部に供給した重水に含まれる重水素のほとんどすべてをリサイクルできる。これにより、さらに核種変換試験に要するコストを低減できる。
水製部に送る重水素は、事前に重水素濃度が測定され、該重水素濃度に基づき適量の重水素が添加される。これにより、水製部に送られた後に酸化触媒を用いた重水の合成が可能となる。酸素添加部により添加する酸素量は、制御部により制御されるため、酸素を過剰に添加することなく、重水を合成するために必要な量の酸素を添加することが可能である。
上記発明の一態様において、前記低圧化手段は、前記重水素低圧部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置を備えていても良い。
上記発明の一態様によれば、低圧化手段として不活性ガス供給装置を用いることで、重水素低圧部の重水素分圧を実質的に0とすることができる。これにより、重水素低圧部を重水素高圧部に対して相対的に重水素圧力の低い状態とし、構造体に重水素の圧力差を形成することができる。
また、低圧化手段が不活性ガス供給装置を備える場合には、真空ポンプなどの高性能な排気装置が不要となるため、核種変換装置の大型化や初期コストの低減が容易となる。
上記発明の一態様において、前記重水素回収部は、前記構造体を透過した気体から重水素を分離する重水素分離部を備えることが好ましい。
低圧化手段に不活性ガス供給装置を用いた場合、重水素低圧部から排出される気体は不活性ガスと重水素との混合気体となる。上記発明の一態様によれば、重水素分離部を設けることで、混合気体から重水素を分離し、水製部へと送ることができる。
上記発明の一態様において、前記低圧化手段は、前記重水素低圧部を真空状態にする排気装置を備えていても良い。
上記発明の一態様によれば、低圧化手段として排気装置を用いることで、重水素低圧部を真空とすることができる。それにより、重水素低圧部を重水素高圧部に対して相対的に重水素圧力の低い状態とし、構造体に重水素の圧力差を形成することができる。
上記発明の一態様において、前記重水素回収部は、重水素を溜めるバッファ部と、重水素低圧部から排出された重水素を圧縮し、前記バッファ部に導く圧縮部と、を備えることが好ましい。
低圧化手段に排気装置を用いた場合、重水素低圧部は真空状態であり、且つ、重水素低圧部から排出される気体は実質的に重水素のみである。上記発明の一態様によれば、圧縮部及びバッファ部を設けることで、重水素を所定圧力に戻した後に水製部へと送ることができる。
また、本発明は、パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金を含み、核種変換を施される物質が添加された構造体と、前記構造体を両側から挟み込むようにして配置され、前記構造体により密封可能な閉空間をなす重水素高圧部及び重水素低圧部と、を備えた核種変換装置における核種変換方法であって、重水供給部から前記重水素高圧部に重水を供給する重水供給し、該供給した重水を電気分解して、前記重水素高圧部を相対的に重水素の圧力が高い状態とする高圧化工程と、前記重水素低圧部を、相対的に重水素の圧力が低い状態とする低圧化工程と、水製部にて、前記重水素高圧部に供給した重水を電気分解した際に生じた気体から、酸化触媒を用いて重水を製造する水製工程と、前記水製工程で製造された重水を酸素ガスと分離する酸素分離工程と、前記酸素分離工程にて酸素ガスが分離された前記重水を前記重水供給部に導く重水導入工程と、を備えた核種変換方法を提供する。
上記発明によれば、核種変換を施される物質が添加された構造体の重水素高圧部側と重水素低圧部側との間に重水素の圧力差を設けることで、構造体の内部で重水素高圧部側から重水素低圧部側へと向かう重水素の流束を形成できる。それにより、重水素と核種変換が施される物質とに対して核種変換反応を発生させることができる。
高圧化工程にて、重水を電気分解して重水素を発生させることで、従来の重水素ガスを用いた場合と比較して、構造体への重水素の充填密度を高くし、核種変換反応量を増大させることができる。
水製工程で重水を電気分解した際に生じる気体から重水を合成し、酸素分離工程では、重水の合成に寄与しなかった酸素ガスを重水から分離する。これにより、酸素分離工程で酸素ガスが分離された重水を重水供給部へ戻し、再び高圧化工程で使用することが可能となる。
上記発明によれば、従来排気していた重水素の大部分をリサイクルできるようになるため、核種変換試験に要するコストを低減できる。
上記発明の一態様において、核種変換方法は、前記構造体を透過して重水素低圧部から排出された重水素を回収し、該回収した重水素を前記水製部に送る重水素回収工程と、前記水製部に送る重水素の濃度を検出する検出工程と、前記水製部に送る重水素に酸素を添加する酸素添加工程と、を備え、前記酸素添加工程にて添加する酸素量を、前記検出工程にて検出した重水素の濃度に基づき制御部で制御することが好ましい。
上記発明の一態様によれば、重水素回収工程を備えることで、重水素高圧部に供給した重水に含まれる重水素のほとんどすべてをリサイクルできるようになる。これにより、さらに核種変換試験に要するコストを低減できる。
水製部に送る重水素は、事前に重水素濃度が測定され、該重水素濃度に基づき適量の重水素が添加される。これにより、水製部に送られた後に酸化触媒を用いた重水の合成が可能となる。酸素添加工程により添加する酸素量は、制御部により制御されるため、酸素を過剰に添加することなく、重水を合成するために必要な量の酸素を添加することが可能となる。
上記発明の一態様において、前記低圧化工程は、前記重水素低圧部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ステップを備えていても良い。
上記発明の一態様によれば、不活性ガス供給ステップを備えることで、重水素低圧部を不活性ガスで満たし、重水素分圧を実質的に0とすることができる。これにより、重水素低圧部を重水素高圧部に対して相対的に重水素圧力の低い状態とし、構造体に重水素の圧力差を形成することができる。
また、真空ポンプなどの高性能な排気装置が不要となるため、核種変換装置の大型化や初期コストの低減が容易となる。
上記発明の一態様において、前記重水素回収工程は、前記構造体を透過した気体から重水素を分離する重水素分離工程を備えることが好ましい。
不活性ガス供給ステップを実施すると、重水素低圧部から排出される気体は不活性ガスと重水素との混合気体となる。上記発明の一態様によれば、重水素分離工程を設けることで、混合気体から重水素を分離し、水製部へと送ることができるようになる。
上記発明の一態様において、前記低圧化工程は、前記重水素低圧部を真空状態にする排気ステップを備えていても良い。
上記発明の一態様によれば、排気ステップにより、重水素低圧部を真空とすることができる。それによって、重水素低圧部を重水素高圧部に対して相対的に重水素圧力の低い状態とし、構造体に重水素の圧力差を形成することができる。
上記発明の一態様において、前記重水素回収工程は、重水素を溜めるバッファステップと、重水素低圧部から排出された重水素を圧縮し、前記バッファ部に導く圧縮ステップと、を備えることが好ましい。
排気ステップを実施した場合、重水素低圧部は真空状態であり、且つ、重水素低圧部から排出される気体は実質的に重水素のみとなる。上記発明の一態様によれば、圧縮ステップ及びバッファステップを設けることで、重水素を所定圧力に戻した後に水製部へと送ることができる。
本発明によれば、重水を電気分解して重水素高圧部の重水素圧力を高めることで、核種変換量を大幅に増大でき、且つ、核廃棄物等の無害化処理、あるいは、現在は不可能とされている廃棄物処理が可能となる。また、本発明によれば、水製部及び酸素分離部を設けることで従来排気していた重水素の大部分をリサイクルできるようになるため、核種変換試験に要するコストを低減できる。
第1実施形態に係る核種変換装置の概略図である。 構造体の断面図である。 水製部及び酸素分離部の上面図である。 水製部及び酸素分離部の側断面図である。 第2実施形態に係る核種変換装置の概略図である。 第3実施形態に係る核種変換装置の概略図である。 第4実施形態に係る核種変換装置の概略図である。 従来の核種変換装置の概略図である。
以下に、本発明に係る核種変換方法及び核種変換装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態に係る核種変換装置の概略図である。核種変換装置100は、構造体1、重水素高圧部2、重水素低圧部3、高圧化手段4、低圧化手段5、水製部6、酸素分離部7、及び重水導入路8を備えている。
構造体1は、パラジウム(Pd)またはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金と、これらに対して相対的に仕事関数が低い物質とを有する。相対的に仕事関数が低い物質とは、例えば、仕事関数が3eV未満の物質であり、具体的には、CaOなどとされる。核種変換装置100において、構造体1は負極の役割も果たす。
図2に、構造体1の一例を示す。図2に示す構造体1は、バルクのPd基板9(例えば、25mm×25mm×0.1mm)上に、CaO層10(厚さ:2nm)とPd層11(厚さ:20nm)とが交互に10層積層された構成とされる。CaO層10及びPd層11は、アルゴンイオンビームスパッタ法によって、エッチング処理後のPd基板9上に、交互に製膜される。
構造体1を挟んで、構造体1の一方の面側には重水素高圧部2、他方の面側(Pd基板9側)には重水素低圧部3が内部を気密保持可能に形成されている。
重水素高圧部2は、高圧化手段4を備え、重水素低圧部3よりも重水素の圧力が高い状態に維持される。
高圧化手段4は、電圧発生装置12、正極13、重水供給装置14、及びガス排出経路15から構成されている。正極13は、白金などとされる。正極13は、重水素高圧部2内に、構造体1の重水素高圧部2側の面と間隔をあけて対向配置されている。電圧発生装置12は、重水素高圧部2の外に位置し、正極13と負極1との間に電圧差を与え得る。
重水供給装置14は、重水タンク(重水供給部)16、重水供給経路17、除湿部18、及びガス源(図示せず)を備えている。重水タンク16は、電解溶液としての重水19が収容される容器である。重水タンク16は、重水供給経路17を介して重水素高圧部2に接続されている。重水供給経路17の一端は、重水タンク16内に収容された重水19に浸漬するよう配置される。重水供給経路17の他端は、重水素高圧部2に重水19を供給可能に接続されている。重水供給経路17にはバルブ20が設けられている。
また、重水タンク16にはガス供給経路21を介して除湿部18及びガス源が順に接続されている。ガス供給経路21には、バルブ22が設けられている。ガス供給経路21の一端は重水タンク16内で、重水19に接触しない位置に配置されている。
除湿部18は、シリカゲル等による除湿機能付フィルターなどとされる。ガス源は、不活性ガスが充填されたボンベ、例えば、窒素(N)ボンベ、アルゴン(Ar)ボンベ、及びCE(Cold Evaporator)などとされる。
重水供給装置14において、ガス源からのCE(Cold Evaporator)_Nは除湿部18で除湿された後、重水タンク16に流れ込むことができる。重水タンク16内にガスを供給することで、重水19が押し出され、重水供給経路17を介して重水素高圧部2へと供給され得る。
ガス排出経路15は、重水素高圧部2内のガスを外部に排出できるよう逆止弁23(<1気圧)を介して重水素高圧部2に接続されている。
重水素低圧部3は、低圧化手段5を備えている。低圧化手段5は、ターボ分子ポンプ及びドライポンプなどの排気装置とされ、真空引きすることで重水素低圧部3内を重水素高圧部2よりも重水素圧力が低い状態に維持する。
図3に、水製部6及び酸素分離部7の上面図を例示する。図4に、水製部6及び酸素分離部7の側断面図を例示する。
水製部6は、逆止弁24を介してガス排出経路15と接続されており、重水素高圧部2内で重水19の電気分解により生じた重水素ガス及び酸素ガス、および、微量の無反応物質としての窒素ガスが導入されうる。水製部6は、酸化触媒25を備えており、重水素ガスを酸素ガスと反応させて重水を製造することができる。酸化触媒としては、セオライト等のセラミック基材に担持された白金(Pt)、ルテニュウム(Ru)又はパラジウム(Pd)などを使用することができる。また、水製部6の出口にはフィルター26が設けられており、酸化触媒(特に基材)からのコンタミを防止することができる。フィルター26は、例えば、テフロン製フィルター、ポリエステル系ウレタンフォームフィルターなどとされる。
酸素分離部7は、水製部6で製造された重水を、酸素ガスと微量の窒素ガスと分離することができる。酸素や微量の窒素を分離する手段として、酸素分離部7の上部を開放して気体を外部へと放出させる、または、ポリスチレンフィルムやゴアテックスなどによる気液分離膜を設けるなどが挙げられる。本実施形態では、上部を開放して気体を外部へと放出させるものとする。図3及び図4において酸素分離部7は、上部にフィルター27が設けられている。フィルター27は、例えば、テフロン製フィルター、ポリエステル系ウレタンフォームフィルターなどとされる。それにより、大気からの埃等の侵入を防止することができる。
重水導入路8は、酸素分離部7と重水タンク16とを接続しており、酸素分離部7で酸素ガスと分離された重水を重水タンク16内へと導くことができる。
次に、本実施形態に係る核種変換方法について説明する。
本実施形態に係る核種変換方法は、重水供給工程、高圧化工程、低圧化工程、重水リサイクル工程、を備えている。
まず、核種変換を施される物質28が添加された構造体1を、重水素高圧部2及び重水素低圧部3内をそれぞれ液密及び気密状態に封止するよう核種変換装置に設置する。この際、構造体1のPd基板9は重水素低圧部3側に向ける。核種変換を施される物質28としては、セシウム(Cs)、炭素(C)、ストロンチウム(Sr)、ナトリウム(Na)などが挙げられる。核種変換を施される物質28は、例えば真空蒸着やスパッタ法などの製膜処理によって構造体1の一方の表面(Pd基板9と反対側の面)に添加されている。
(重水供給工程)
次に、重水供給装置14から重水素高圧部2内に重水19を供給する。重水19としては、0.1Mol/lの重水ベースの硝酸セシウム溶液であることが好ましい。重水は、常に正極13が浸漬される量を維持する。
また、重水19は、高圧化工程中でも適宜重水素高圧部2へと供給され得る。重水の供給量や供給タイミングは、重水の液高(正極13が常に液中に保持される液量)に応じて適宜設定される。
(低圧化工程)
次に、低圧化手段5により重水素低圧部3内を重水素圧力の低い状態とする。詳細には、真空ポンプを用いて、重水素低圧部3内を真空状態とし、これを維持する。重水素低圧部3内の圧力は<0.1Pa以下とされると良い。
(高圧化工程)
次に、電圧発生装置12にて正極13に電力を印加し、正極13と負極(構造体)1との間に電圧差を発生させる。電圧差は、少なくとも2V以上とされる。これにより、構造体1の表面(Pd基板9と反対側の面)上で重水(DO)が電気分解されて、重水素(D)を発生させることができる。電圧差が2Vより小さいと、電気分解反応が十分に進まない。
低圧化工程及び高圧化工程によって、構造体1の一方の面側(重水素高圧部2側)と他方の面側(重水素低圧部3側)との間に重水素の濃度勾配が生じる。これにより、重水素高圧部2側の重水素が、重水素低圧部3側へと移動し、構造体1を透過する。核種変換を施される物質28が添加された構造体1に重水素を透過させると、核種変換反応が生じ、核種変換を施される物質28が別の物質へと核種変換される。例えば、133Cs→141Pr、12C→24Mg→28Si→32S、88Sr→96Mo、23Na→27Na→27Mg→27Alなどの核種変換反応が生じる。
(重水リサイクル工程)
重水リサイクル工程は、水製工程、酸素分離工程、及び重水導入工程を含む。
重水素高圧部2内で電気分解が進むと、それに伴い重水素ガス及び酸素ガスが発生する。また、重水19を供給する際には重水素高圧部2内に不活性ガス(例えばNガス)が流入する。本実施形態では、重水素高圧部2内の圧力が1気圧(1×10Pa)以上となると逆止弁23が開放され、重水素高圧部2内からガスが排出される。排出されたガスを、ガス排出経路15を介して水製部6へと導き、重水を製造する。次に、水製部6で製造した重水、及び、重水の合成に寄与しなかった酸素ガスなどを、フィルター26を介して酸素分離部7へと導き、重水から酸素ガスを分離する。重水は重水導入路8を介して重水供給タンク16内へと導かれ、高圧化手段4でリサイクルする。また、分離した酸素ガスは、フィルター27を介して系外へと排出する。
(実施例1)
バルクのPd基板(25mm×25mm×0.1mm)上に、CaO層(厚さ:2nm)とPd層(厚さ:20nm)とが交互に10層積層された構成の構造体を用い核種変換反応を実施した。
構造体のPd基板と反対側の表面はPd層とした。Pd基板の反対側の表面に、イオン注入法にて133Csを添加した。XPS(X線光電子分光法)にて、構造体における133Csの初期表面濃度が15×1016/cmであることを確認した後、構造体を第1実施形態に従って核種変換装置に設置した。なお、構造体の表面に141Prは検出限界以下で1012/cm以下である。
重水素低圧部は、真空ポンプを用いて10−3Paの真空状態とし、これを維持した。
電解溶液としては、0.1Mol/lの重水ベースの硝酸セシウム溶液用いた。電圧発生装置によって正極と負極との間に、3Vから5Vの電圧差を与え、重水を電気分解した。電気分解を120時間(5日間)持続した後、電気分解を停止した。
核種変換装置から構造体を取り出し、表面の重水分を蒸発させた後、構造体の表面組成をXPSとICP−MSにて分析した。
(比較例1)
図3に示す従来の核種変換装置を用いて、核種変換試験を実施した。核種変換装置は、高圧化手段24として、重水素高圧部22に重水素ボンベが接続されている。重水素ボンベから1.01325×10Paの圧力で重水素高圧部22に重水素(D)ガスを導入した。それ以外は、実施例1と同様に核種変換試験を行い、試験後にXPS及びICP−MSにて構造体の表面組成を分析した。
XPS分析の結果、実施例1の構造体の表面組成は、133Cs濃度が9×1015/cm141Prが7×1014/cm程度であった。上記結果から、実施例1では構造体の表面における133Cs濃度が試験後に低下した一方で、試験前には存在しなかった141Prが存在することが確認された。
ICP−MS分析の結果を図4に示す。同図において、縦軸は核種変換後の141Pr生成量を示す。核種変換後の141Pr生成量は、比較例1が0.1ng/cmから10ng/cm、実施例が0.16μg/cmであった。
上記結果から、第1実施形態に係る核種変換装置及び核種変換方法によれば、核種変換後の物質の生成量が従来法と比較して1桁近く向上することが確認された。これは、構造体上で電気分解により重水素を発生させた方が、重水素高圧部における重水素の圧力を容易に高めることができるため、構造体へ充填される重水素密度を増加して、核種変換量も増加したためである。
電気分解を用いた場合、重水素高圧部の重水素圧力を100気圧〜1000気圧程度とすることができる。重水素ガスを用いてこれと同じ環境を作ろうとすると、1000気圧程度の圧力で重水素ガスを導入しなくてはならない。10気圧を超える圧力で導入する場合には、実験の安全基準が変わるため、実験条件がより厳しくなる上、実験装置も大きくなる。一方、電気分解は常圧で行うことができるため、実験装置を大きくせずに重水素圧力を高めることができ、且つ、実験操作が容易である。
〔第2実施形態〕
図5は、本実施形態に係る核種変換装置200の概略図である。核種変換装置200は、重水素回収部30、検出部31、酸素添加部33、及び制御部34を備える。特に説明がない構成については、第1実施形態の核種変換装置と同様とされる。
重水素回収部30は、重水素低圧部3に接続されており、構造体1を透過して重水素低圧部3から排出される重水素を回収し、水製部6へと送ることができる。本実施形態において、重水素回収部30は、圧縮機35及びバッファ部36から構成されている。圧縮機35は、真空状態の重水素低圧部3から排出された重水素を圧縮し、バッファ部36へと導く(押し込む)ことができる。バッファ部36は、重水素を大気圧に戻すための重水素を溜めるタンクなどとされる。バッファ部36は、逆止弁37を介して水製部6に接続されており、バッファ部36内の圧力が一定値を超え得るとバッファ部36に溜められた気体は水製部6へと送られ得る。
バッファ部36には、真空ポンプなどの排気装置38が設けられている。
検出部31は、バッファ部36と水製部6とを繋ぐ経路に設けられており、水製部6へ送る重水素の濃度を検出することができる。検出部31は、パラジウム(PD)利用水素検出器(抵抗式,FET方式他)などとされる。
また、バッファ部36と水製部6とを繋ぐ経路の、検出部よりも下流側には、酸素添加部が接続されている。酸素添加部は、流量計32を介して接続される酸素ボンベ33などとされる。
制御部34は、検出部31及び酸素添加部33に接続されている。制御部34は、検出部31にて検出した重水素濃度に基づき、水製部6に送られる重水素が重水となるのに必要な酸素量となるよう、酸素添加部33からの酸素添加量を制御することができる。
本実施形態に係る核種変換方法は、重水素回収工程、検出工程、及び酸素添加工程を備えている。それ以外の工程は、第1実施形態と同様とする。
(重水素回収工程)
核種変換反応の初期段階において、重水素低圧部3,バッファ部36は、真空ポンプ5,38により真空引きした状態とする。次に、バルブ40を閉め、真空ポンプ38を停止し、核種変換反応を開始する。構造体1を透過した重水素を重水素低圧部3から真空ポンプ5を用いて排出し、圧縮機35で圧縮し、バッファ部36へと押し込む。バッファ部36内の圧力が1気圧を超えると、逆止弁37が開放され、バッファ部36内に溜められた気体(重水素)が水製部6へと送られる。
(検出工程及び酸素添加工程)
検出部31により、バッファ部36から水製部6へと送られる気体の重水素濃度を検出する。検出した重水素濃度の情報は、制御部34に送信される。制御部34では、送られてきた重水素濃度の情報に基づき、これを重水へと変換するのに必要な酸素量を決定し、該酸素量を添加するよう酸素添加部33の添加量を制御する。酸素添加部33は、適量の酸素を水製部6へと送られる気体へと添加する。
本実施形態では、重水素高圧部2に供給した略すべての重水素をリサイクルできるとともに、反応に寄与しないNの混入を防ぐことができる。
〔第3実施形態〕
図6は、本実施形態に係る核種変換装置300の概略図である。核種変換装置300は、低圧化手段が異なる以外は、第1実施形態の核種変換装置と同様の構成とされる。
低圧化手段は、不活性ガス供給装置41及び排気経路42を備えている。本実施形態において、不活性ガス供給装置41は、不活性ガスを供給可能なガスボンベなどとされる。不活性ガス供給装置は、高圧化手段4の重水供給装置14に供えられたガス源及び除湿部18と共用としても良い。排気経路42はバルブ43を介して一端が重水素低圧部3に接続されている。
本実施形態は、低圧化工程で、重水素低圧部3に不活性ガスを供給して不活性環境を形成する以外は、第1実施形態と同様の工程で核種変換反応を行う。重水素低圧部3内は1気圧とする。重水素低部3内を不活性ガスで満たすことにより、重水素低圧部3内の重水素圧力を実質的に0にして、重水素低圧部3内を重水素高圧部よりも重水素圧力が低い状態に維持する。
高圧化手段4により電気分解を行うと、重水素が構造体1を透過して重水素低圧部3に導入される。
本実施形態によれば、真空ポンプを用いずに、重水素低圧部3内を重水素が実質的に存在しない領域とすることができる。重水素高圧部2に比べて相対的に重水素圧力が低い環境を形成することができるため、核種変換反応に十分な重水素勾配を構造体1に形成することができる。本実施形態では、該重水素勾配をドライビングフォースとして、構造体ないに重水素を透過させ、核種変換反応を行わせることができる。また、不活性ガス供給装置41は、真空ポンプなどを用いる必要がないため、装置の簡便化や初期コストの低減が可能となる。
〔第4実施形態〕
図7は、本実施形態に係る核種変換装置400の概略図である。核種変換装置400は、重水素回収部50、検出部51、酸素添加部52、及び制御部53を備えることを特徴とする。特に説明がない構成については、第3実施形態の核種変換装置と同様とされる。
重水素回収部50は、重水素低圧部3に接続されており、構造体1を透過して重水素低圧部3から排出される重水素を回収し、水製部6へと送ることができる。本実施形態において、重水素回収部50は、重水素分離装置とされる。重水素分離装置は、重水素低圧部3から排出された気体から重水素ガスを分離し、該重水素ガスを水製部6へと送ることができる。重水素と窒素の混合ガスから重水素を分離する手段としては、Pd薄膜(膜厚:50μm程度)などを用いた分離装置が挙げられる。
検出部51は、重水素分離装置と水製部6とを繋ぐ経路途中に設けられており、水製部6へ送る重水素の濃度を検出することができる。検出部51は、パラジウム(PD)利用水素検出器(抵抗式、FET方式他)などとされる。
また、重水素分離装置と水製部6とを繋ぐ経路の、検出部51よりも下流側には、酸素添加部52が接続されている。酸素添加部52は、流量計54を介して接続される酸素ボンベなどとされる。
制御部53は、検出部51及び酸素添加部52に接続されている。制御部53は、検出部51にて検出した重水素濃度に基づき、水製部6に送られる重水素が重水となるのに必要な酸素量となるよう、酸素添加部52からの酸素添加量を制御することができる。
本実施形態に係る核種変換方法は、重水素回収工程、検出工程、及び酸素添加工程を備えている。それ以外の工程は、第3実施形態と同様とする。
(重水素回収工程)
重水素低圧部3から排出される気体は、構造体1を透過した重水素、及び、低圧化手段により添加された窒素ガスを含む。重水素回収工程では、重水素低圧部3から排出された気体を重水素分離装置へと導き、窒素ガスを分離した重水素ガスを水製部6へと送る。ここで重水素ガスと分離された窒素ガスは系外へと排出する。
(検出工程、及び酸素添加工程)
検出部51により、重水素分離装置から水製部6へと送られる気体の重水素濃度を検出する。検出した重水素濃度は、制御部53に送信される。制御部で53は、送られてきた重水素濃度に基づき、これを重水へと変換するのに必要な酸素量を決定し、該酸素量を添加するよう酸素添加部52からの酸素添加量を制御する。酸素添加部52は、適量の酸素を水製部6へと送られる重水素に添加する。
本実施形態では、重水素高圧部に供給した略すべての重水素をリサイクルできる。
1 構造体(負極)
2 重水素高圧部
3 重水素低圧部
4 高圧化手段
5 低圧化手段
6 水製部
7 酸素分離部
8 重水導入路
9 Pd基板
10 CaO層
11 Pd層
12 電圧発生装置
13 正極
14 重水供給装置(電解溶液供給装置)
15 ガス排出経路
16 重水タンク(重水供給部)
17 重水供給経路
18 除湿部
19 重水
20,22,24,40,43 バルブ
21 ガス供給経路
23,37 逆止弁
25 酸化触媒
26 (水製部の)フィルター
27 (酸素分離部の)フィルター
28 核種変換を施される物質
30,50 重水素回収部
31,51 検出部
32,54 流量計
33,52 酸素添加部(酸素ボンベ)
34,53 制御部
35 圧縮部
36 バッファ部
38 排気装置
41 不活性ガス供給装置
42 排気経路

Claims (12)

  1. パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金を含み、核種変換を施される物質が添加された構造体と、
    前記構造体を両側から挟み込むようにして配置され、前記構造体により密封可能な閉空間をなす重水素高圧部及び重水素低圧部と、
    前記重水素高圧部に重水を供給する重水供給部を備え、前記重水供給部から前記構造体に供給した重水を電気分解して、前記重水素高圧部を相対的に重水素の圧力が高い状態とする高圧化手段と、
    前記重水素低圧部を、相対的に重水素の圧力が低い状態とする低圧化手段と、
    前記重水素高圧部に供給した重水を電気分解した際に生じた気体から、酸化触媒を用いて重水を製造する水製部と、
    前記水製部で製造された重水を酸素ガスと分離する酸素分離部と、
    前記酸素分離部にて酸素ガスが分離された前記重水を前記重水供給部に導く重水導入路と、
    を備えた核種変換装置。
  2. 前記構造体を透過して重水素低圧部から排出された重水素を回収し、該回収した重水素を前記水製部に送る重水素回収部と、
    前記水製部に送る重水素の濃度を検出する検出部と、
    前記水製部に送る重水素に酸素を添加する酸素添加部と、
    前記検出部にて検出した重水素の濃度に基づき、前記酸素添加部から添加する酸素量を制御する制御部と、
    を備える請求項1に記載の核種変換装置。
  3. 前記低圧化手段が、前記重水素低圧部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置を備える請求項1または請求項2に記載の核種変換装置。
  4. 前記重水素回収部が、前記構造体を透過した気体から重水素を分離する重水素分離部を備える請求項3に記載の核種変換装置。
  5. 前記低圧化手段が、前記重水素低圧部を真空状態にする排気装置を備える請求項1または請求項2に記載の核種変換装置。
  6. 前記重水素回収部が、
    重水素を溜めるバッファ部と、
    重水素低圧部から排出された重水素を圧縮し、前記バッファ部に導く圧縮部と、
    を備える請求項5に記載の核種変換装置。
  7. パラジウムまたはパラジウム合金、あるいは、パラジウム以外の水素吸蔵金属またはパラジウム合金以外の水素吸蔵合金を含み、核種変換を施される物質が添加された構造体と、前記構造体を両側から挟み込むようにして配置され、前記構造体により密封可能な閉空間をなす重水素高圧部及び重水素低圧部と、を備えた核種変換装置における核種変換方法であって、
    重水供給部から前記重水素高圧部に重水を供給する重水供給し、該供給した重水を電気分解して、前記重水素高圧部を相対的に重水素の圧力が高い状態とする高圧化工程と、
    前記重水素低圧部を、相対的に重水素の圧力が低い状態とする低圧化工程と、
    水製部にて、前記重水素高圧部に供給した重水を電気分解した際に生じた気体から、酸化触媒を用いて重水を製造する水製工程と、
    前記水製工程で製造された重水を酸素ガスと分離する酸素分離工程と、
    前記酸素分離工程にて酸素ガスが分離された前記重水を前記重水供給部に導く重水導入工程と、
    を備えた核種変換方法。
  8. 前記構造体を透過して重水素低圧部から排出された重水素を回収し、該回収した重水素を前記水製部に送る重水素回収工程と、
    前記水製部に送る重水素の濃度を検出する検出工程と、
    前記水製部に送る重水素に酸素を添加する酸素添加工程と、
    を備え、
    前記酸素添加工程にて添加する酸素量を、前記検出工程にて検出した重水素の濃度に基づき制御部で制御する請求項7に記載の核種変換方法。
  9. 前記低圧化工程が、前記重水素低圧部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ステップを備える請求項7または請求項8に記載の核種変換方法。
  10. 前記重水素回収工程が、前記構造体を透過した気体から重水素を分離する重水素分離工程を備える請求項9に記載の核種変換方法。
  11. 前記低圧化工程が、前記重水素低圧部を真空状態にする排気ステップを備える請求項7または請求項8に記載の核種変換方法。
  12. 前記重水素回収工程が、
    重水素を溜めるバッファステップと、
    重水素低圧部から排出された重水素を圧縮し、前記バッファ部に導く圧縮ステップと、
    を備える請求項11に記載の核種変換方法。
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