JP2013170339A - ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法 - Google Patents

ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ナノファイバを均一に堆積させる。
【解決手段】原料液300を空間中で電気的に延伸させてナノファイバ301を製造し、基材200にナノファイバ301を堆積させるナノファイバ製造装置100であって、原料液300からナノファイバ301が製造されるナノファイバ製造空間A中に原料液300を流出させる流出体115と、流出体115と所定の間隔で配置される帯電電極121と、流出体115と帯電電極121との間に所定の電圧である帯電電圧を印加する帯電電源122と、基材200に対し流出体115が配置される側と反対側に配置され、ナノファイバ301を基材200に電気的に誘引する誘引部102と、誘引部102の含水率を調整する含水率調整手段104とを備える。
【選択図】図1

Description

本願発明は、静電延伸現象によりサブミクロンオーダーやナノオーダーの細さであるナノファイバ(繊維)を製造するナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法に関する。
樹脂などから成り、サブミクロンスケールやナノスケールの直径を有する糸状(繊維状)物質を製造する方法として、静電延伸現象(エレクトロスピニング)を用いた方法が知られている。
この静電延伸現象とは、溶媒中に樹脂などの溶質を分散または溶解させた原料液を空間中にノズルなどにより流出(噴射)させるとともに、原料液に電荷を付与して帯電させ、空間を飛行中の原料液を電気的に延伸させることにより、細径のナノファイバ(繊維)を得る方法である。
より具体的に静電延伸現象を説明すると次のようになる。すなわち、帯電され空間中に流出された原料液は、空間を飛行中に徐々に溶媒が蒸発していく。これにより、飛行中の原料液の体積は、徐々に減少していくが、原料液に付与された電荷は、原料液に留まる。この結果として、空間を飛行中の原料液は、電荷密度が徐々に上昇することとなる。そして、溶媒は、継続して蒸発し続けるため、原料液の電荷密度がさらに高まり、原料液の中に発生する反発方向のクーロン力が原料液の表面張力より勝った時点で原料液が爆発的に線状に延伸される現象が生じる。これが静電延伸現象である。この静電延伸現象が、空間において次々と幾何級数的に発生することで、直径がサブミクロンオーダーやナノオーダーの樹脂から成るナノファイバが製造される。
以上のような静電延伸現象を用いて製造されるナノファイバを長尺のシート状の基材に堆積させる場合、一列に並べられたノズルから原料液を流出させてナノファイバを製造し基材にナノファイバを堆積させるナノファイバ製造装置が用いられることがある。このナノファイバ製造装置によれば、基材上に堆積したナノファイバを前記ノズルの並び方向と直交する方向に徐々に搬送することで、長尺の基材にナノファイバを堆積させることができる。
この場合、製造され製品の品質の一つとして、基材上に堆積したナノファイバの均一性が挙げられる。例えば特許文献1には、ナノファイバが堆積する領域に抵抗値のばらつきを抑える絶縁層を設けることにより、均一にナノファイバを堆積させるナノファイバ製造装置が記載されている。
特開2011−140740号公報
本願発明者は、研究と実験の結果、絶縁層などを設けるなどして堆積するナノファイバの均一化を図ったとしても、同一材種、同一形態の基材でも有効に均一化が図れるものと、図れないものとが発生し、安定した操業が困難になることを見出している。
そして、前記安定した操業を妨げる要因が基材に含まれる水分、すなわち基材の含水率であることを見出すに至った。つまり、基材の含水率が高いと、基材に付着している水分が帯電し、飛来するナノファイバに向かって飛び出すことでナノファイバの帯電状態が基材に堆積する前に中和されてしまいナノファイバが基材に堆積することができない場合がある。一方、基材の含水率が低いと、基材の電気抵抗が高くなりすぎて静電延伸現象を発生させ促進させる電界を弱めることとなり、所望の性能のナノファイバが堆積しない場合があることを見出すに至った。
そこで、ナノファイバを堆積させる直前の基材の含水率を安定させる発明を本願出願人は、先に出願している。
ところが、本願発明者がさらに研究と実験とを重ねた結果、基材の含水率を調整した場合でも堆積するナノファイバの均一化が図れない場合があることを見出すに至った。
本願発明は、発明者が初めて見出した知見に基づきなされたものであり、基材にナノファイバを安定して堆積させることができるナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明にかかるナノファイバ製造装置は、原料液を空間中で電気的に延伸させてナノファイバを製造し、基材に当該ナノファイバを堆積させるナノファイバ製造装置であって、前記原料液から前記ナノファイバが製造されるナノファイバ製造空間中に前記原料液を流出させる流出体と、前記流出体と所定の間隔で配置される帯電電極と、前記流出体と前記帯電電極との間に所定の電圧である帯電電圧を印加する帯電電源と、前記基材に対し前記流出体が配置される側と反対側に配置され、前記ナノファイバを前記基材に電気的に誘引する誘引部と、前記誘引部の含水率を調整する含水率調整手段とを備えることを特徴とする。
また、前記誘引部は、所定の電圧である誘引電圧が印加される誘引電極を備えてもよい。
これによれば、ナノファイバ製造空間に供給される基材の含水率を良好な状態に維持、または、調整(改善)することが可能となる。従って、基材にナノファイバを有効かつ均一に堆積させることが可能となる。
また、前記誘引電極は、前記基材と離間して配置され、前記誘引部は、前記誘引電極と前記基材との間を往復動することにより電荷を運搬する帯電可能な複数の粒状部材を備えるものでもよい。
これによれば、基材と電極との間の空間の含水率(湿度)を調整することで、基材の含水率を有効に維持、または、調整(改善)することが可能となる。特に、粒状部材が水分の担持体として機能し、基材の含水率を維持、または、調整(改善)することが期待でき、さらに、帯電した水分が基材に移ることで基材の帯電状体の中和効果も期待できる。
また、上記目的を達成するために、本願発明に係るナノファイバ製造方法は、原料液を空間中で電気的に延伸させてナノファイバを製造し、基材に当該ナノファイバを堆積させるナノファイバを製造するナノファイバ製造方法であって、前記原料液から前記ナノファイバが製造されるナノファイバ製造空間中に前記原料液を流出体から流出させる流出工程と、前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と前記流出体との間に所定の電圧を帯電電源により印加する電圧印加工程と、前記基材に対し前記流出体が配置される側と反対側に配置される誘引部によって、前記ナノファイバを前記基材に電気的に誘引する誘引工程と、前記誘引部の含水率を調整する含水率調整工程とを含むことを特徴とする。
これによれば、ナノファイバ製造空間に供給される基材の含水率を良好な状態に維持、または、調整(改善)することが可能となる。従って、基材にナノファイバを有効かつ均一に堆積させることが可能となる。
本願発明によれば、ナノファイバ製造装置の設置環境や季節、基材のロットなどに影響されることなく、基材にナノファイバを安定した状態で均一に堆積することが可能となる。
図1は、ナノファイバ製造装置を示す斜視図である。 図2は、流出体をXZ平面で切断して示す斜視図である。 図3は、誘引部の端部を一部切り欠いて示す斜視図である。 図4は、ナノファイバ製造装置の一部を切り欠いて示す側面図である。 図5は、ナノファイバ製造装置の一部を切り欠いて示す側面図である。 図6は、ナノファイバ製造装置の一部を切り欠いて示す側面図である。 図7は、誘引部を上方から示す斜視図である。
次に、本願発明に係るナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本願発明に係るナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法の一例を示したものに過ぎない。従って本願発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。
図1は、ナノファイバ製造装置を示す斜視図である。
同図に示すように、ナノファイバ製造装置100は、ナノファイバ製造空間A内において原料液300を電気的に延伸させてナノファイバ301を製造し、基材200に当該ナノファイバ301を堆積させる装置であって、流出体115と、帯電電極121と、帯電電源122と、誘引部102と、含水率調整手段104とを備えている。本実施の形態の場合、ナノファイバ製造装置100はさらに、基材供給手段140と、基材調整手段105とを備えている。
図2は、流出体をXZ平面で切断して示す斜視図である。
流出体115は、原料液300を流出させる流出孔118を複数個一列に並んで有する部材である。流出孔118は、上下方向(図中Z軸方向)に延びて配置され、所定の間隔でY軸方向に並ぶように配置され、相互に平行となるように配置されている。
本実施の形態の場合、流出体115は、原料液300を一時的に貯留し各流出孔118に均等に原料液を供給する貯留槽113を備えている。
また、流出体115は、流出する原料液300に電荷を供給する電極としても機能しており、原料液300と接触する部分の少なくとも一部は導電性を備えた部材で形成される。本実施の形態の場合、流出体115全体が金属で形成されており、流出体115の先端部116の全体が均等に帯電することができるものとなっている。なお、流出体115を構成する金属の種類は、導電性を備えていれば特に限定されるものではなく、例えば黄銅やステンレス鋼、アルミニウムやその合金など任意の材料を選定しうる。
なお、流出孔118が並べられる間隔は、全てを等間隔としてもよく、また、流出体115の端部における間隔が、流出体115の中央部における間隔よりも広く(狭く)なるように流出孔118を配置してもかまわない。流出孔118は、同一直線上に配置されるばかりでなく、ジグザグ(千鳥)に配置されてもよく、サインカーブなどの波を描くように配置されてもよい。
先端部116は、流出孔118の開口部が配置される流出体115の部分であり、所定の間隔で配置される開口部の間を滑らかな面で接続する部分である。本実施の形態の場合、先端部116は、細長い矩形の平面を表面に備えている。
貯留槽113は、図2に示すように、流出体115の内部に形成され、原料液供給手段107(図1参照)から供給される原料液300を流出体115の内方で一時的に貯留するタンクである。また、貯留槽113は、複数の流出孔118に接続され、複数の流出孔118に同時に原料液300を供給するものとなっている。本実施の形態の場合、流出体115に一つ設けられており、流出体115のY軸方向の一端部から他端部にわたって延びて設けられ、全ての流出孔118と連通状態で接続されている。
帯電電極121は、流出体115と所定の間隔を隔てて配置され、自身が流出体115に対し高い電圧もしくは低い電圧となることで、流出体115に電荷を誘導するための導電性を備える部材である。本実施の形態の場合、図1に示すように、帯電電極121は、ナノファイバ製造空間A中で製造されたナノファイバ301を誘引する誘引部102の誘引電極としても機能しており、流出体115の先端部と対向する位置に配置される板状の導電性部材である。帯電電極121は接地されており、流出体115に正の電圧が印加されると帯電電極121には、負の電荷が誘導され、流出体115に負の電圧が印加されると帯電電極121には、正の電荷が誘導される。
図3は、誘引部の端部を一部切り欠いて示す斜視図である。
誘引部102は、ナノファイバ製造空間A中で製造されたナノファイバ301を基材200に誘引するための装置である。本実施の形態の場合、誘引部102は、帯電電極121としても機能する金属板状の誘引電極を備えており、帯電電極121は、誘引部102の内外を連通する貫通孔129が設けられている。なお図3中において、貫通孔129を大きく記載しているが、実際にはこの限りではない。
貫通孔129は、帯電電極121の全体にわたって多数設けられている。また、誘引部102は、帯電電極121の背部を覆うカバー128を備えている。従って、誘引部102のカバー128の内方に気体Cを送風口126から導入することで、帯電電極121全体にわたって気体Cを供給することができるものとなっている。
含水率調整手段104は、誘引部102の含水率を調整する装置である。
ここで本実施の形態の場合、含水率とは、カバー128内の空間の湿度、すなわち貫通孔129から湧き出る気体の湿度を意味している。つまり、水分が帯電電極121の表面に付着した状態で維持される場合があるが、本願発明においては、このような状態も含めて含水率と表現している。
含水率調整手段104は、誘引部102の含水率を調整する装置である。本実施の形態の場合、含水率調整手段104は、カバー128内の湿度を調整することで誘引部102の含水率を調整するものであり、カバー128内方に湿度、および、温度が調整された気体Cを供給する装置である。
帯電電源122は、流出体115に高電圧を印加することのできる電源である。帯電電源122は、一般には、直流電源が好ましい。特に、発生させるナノファイバ301の帯電極性に影響を受けないような場合、生成したナノファイバ301の帯電を利用して、逆極性の電位を印加した電極でナノファイバ301を誘引するような場合には、直流電源を採用することが好ましい。また、帯電電源122が直流電源である場合、帯電電源122が帯電電極121に印加する電圧は、5KV以上、100KV以下の範囲の値から設定されるのが好適である。
本実施の形態のように、帯電電源122の一方の電極を接地電位とし、帯電電極121を接地するものとすれば、比較的大型の帯電電極121を接地状態とすることができ、安全性の向上に寄与することが可能となる。
なお、帯電電極121に電源を接続して帯電電極121を高電圧に維持し、流出体115を接地することで原料液300に電荷を付与してもよい。また、帯電電極121と流出体115とのいずれも接地しないような接続状態であってもかまわない。
原料液供給手段107は、図1に示すように、流出体115に原料液300を供給する装置であり、原料液300を大量に貯留する容器171と、原料液300を所定の圧力で搬送するポンプ(図示せず)と、原料液300を案内する案内管114とを備えている。
図4は、ナノファイバ製造装置の一部を切り欠いて示す側面図である。
基材200は、静電延伸現象により製造されるナノファイバ301を堆積させて付着させる部材である。本実施の形態の場合、基材200は、供給ロール127に巻き付けられた状態で供給されている。
基材200の材種は特に特に限定されるものでは無いが、樹脂製の不織布やシートを例示することができる。具体的には、ポリアミド系の樹脂やポリエチレン樹脂からなる基材200が使用される場合がある。
基材供給手段140は、長尺の基材200をロールの状態で供給する供給ロール127と回収ロール103とを有し、長尺の基材200を回収ロール103で巻き取りながら供給ロール127から連続的に引き出し、ナノファイバ製造空間A中に基材200を連続的に供給するものとなっている。基材供給手段140は、ナノファイバ製造空間Aにおいて基材200と帯電電極121とを接触させながら基材200搬送する。
基材調整手段105は、ナノファイバ製造空間Aに供給される前の基材200をナノファイバ製造空間Aから隔離し、隔離された部分の基材200の含水率を調整する装置である。本実施の形態の場合、基材調整手段105は、内方にナノファイバ301を付着する前の基材200を保持し、保持した基材200をナノファイバ製造空間Aに供給する供給口152を備える筐体151と、筐体151内方の湿度、および、温度の少なくとも一方を調整する湿温調整手段153とを備えている。
本実施の形態の場合、基材調整手段105の筐体151は、湿温調整空間Bを内方に形成している。そして湿温調整手段153により、筐体151の内方の湿温調整空間Bは所定の湿度、および、温度に保たれている。
湿温調整手段153は、筐体151の内方を湿度、および、温度の少なくとも一方を一定に維持することができる装置である。例えば、筐体151内方を加湿する場合は、水のミストを噴霧するものでよい。また、除湿する場合は、部材を冷却し、水分を前記部材表面で結露させて湿温調整空間内の空気中の水分を除去するものでもよい。温度の調整に関しては既存のヒーターやクーラーを用いれば良い。
なお、基材調整手段105は、別の工程などで事前に含水率が調整されている基材200を筐体151の内方に収容し、ナノファイバ製造空間Aから基材200の一部を隔離して、基材200の含水率を維持するものでもよく、また、筐体151内方の基材200の含水率を所望の値になるまで積極的に調整するものでもかまわない。
次に、ナノファイバの堆積方法を説明する。
まず、原料液300を流出体115の貯留槽113に供給する(原料液供給工程)。以上により、流出体115の貯留槽113に原料液300が満たされる。
ここで、原料液300は、溶質としてナノファイバ301を構成する樹脂(高分子樹脂)、溶質を溶解、または、分散させる溶媒とを含んでいる。
溶質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等およびこれらの共重合体等の高分子樹脂を例示できる。また、溶質としては、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明は上記溶質に限定されるものではない。
溶媒としては、揮発性のある有機溶剤などを例示することができる。具体的に例示すると、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、ピリジン、水等を挙示することができる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明は上記溶媒に限定されるものではない。
さらに、原料液300に無機質固体材料などを添加してもよい。当該無機質固体材料としては、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、珪化物、弗化物、硫化物等を挙げることができるが、製造されるナノファイバ301の耐熱性、加工性などの観点から酸化物を用いることが好ましい。当該酸化物としては、Al23、SiO2、TiO2、Li2O、Na2O、MgO、CaO、SrO、BaO、B23、P25、SnO2、ZrO2、K2O、Cs2O、ZnO、Sb23、As23、CeO2、V25、Cr23、MnO、Fe23、CoO、NiO、Y23、Lu23、Yb23、HfO2、Nb25等を例示することができる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明は、上記添加剤が原料液300に含まれるか否かについて影響は受けない。
原料液300における溶媒と溶質との混合比率は、選定される溶媒の種類と溶質の種類とにより異なるが、溶媒量は、約60重量%から98重量%の間が望ましい。好適には溶質が5重量%〜30重量%の範囲である。
一方、ナノファイバ製造空間Aに供給する基材200の部分の含水率を基材調整手段105により調整しておく(基材調整工程)。
次に、帯電電源122により流出体115と帯電電極121との間に高電圧を印加する。帯電電極121と対向する流出体115の先端部116に電荷が集中し、当該電荷が流出孔118を通過してナノファイバ製造空間A中に流出する原料液300に転移し、原料液300が帯電する(帯電工程)。
前記帯電工程と供給工程とは同時期に実施され、流出体115の流出孔118から均等に帯電した原料液300が流出する(流出工程)。
また、誘引部102の含水率を含水率調整手段104により調整する。具体的には、所定の湿度の気体Cを帯電電極121に設けられる貫通孔129からわき出させる。
次に、ナノファイバ製造空間A中をある程度飛行した原料液300に静電延伸現象が作用することによりナノファイバ301が製造される(ナノファイバ製造工程)。
一方、基材調整手段105により含水率が調整された基材200を基材供給手段140によりナノファイバ製造空間Aに供給する(基材供給工程)。本実施の形態の場合、流出体115と帯電電極121との間のナノファイバ製造空間Aであって、帯電電極121の表面に当接状態で沿うように基材200は供給される。
基材200の背方に配置される誘引部102(帯電電極121)と流出体115との間に発生する電界により、ナノファイバ301が基材200に誘引され、基材200の表面にナノファイバ301が堆積する(堆積工程)。
以上により、ナノファイバ301が堆積した基材200を得ることができる。
以上のような構成のナノファイバ製造装置100を用い、以上のナノファイバ製造方法を実施することによって、ナノファイバ製造空間Aに供給される基材200は、所望の含水率に調整され、かつ、誘引部102(帯電電極121)も所望の含水率に調整されているため、帯電した多くの水分が流出体115に向かって基材200や誘引部102から飛翔し、ナノファイバ301が基材200に堆積することを妨げたり、基材200の抵抗値が高すぎて、流出体115と帯電電極121との間に有効な電界が発生せず、静電延伸現象が促進しにくいなどの不具合の発生を抑制できる。従って、ロットの違いなど基材200の状態が異なっていた場合であっても、また、ナノファイバ製造空間Aに供給するまでの間に基材の状態が変化する場合であっても、表面にナノファイバ301が均一に付着した基材200を安定して生産することが可能となる。
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。
例えば図5に示すように、誘引部102が、柔軟性と導電性とを併せ持つ無端ベルト状の帯電電極121を備え、誘引部102全体がベルトコンベア状であって、基材200の動作と同期して動作するものである場合、含水率調整手段104は、帯電電極121に霧状の水を直接吹き付けるものや、熱風、または、冷風を吹き付けるものなどでもよい。
また、図6、図7に示すように、帯電電極121(誘引電極)は、基材200と離間して配置され、誘引部102は、帯電電極121(誘引電極)と基材200との間を往復動することにより電荷を運搬する帯電可能な複数の粒状部材123を多数備えるものでもかまわない。
ここで、粒状部材123は、流出体115と帯電電極121との間に発生する電界に晒された場合、自身の帯電で重力に逆らって飛翔する程度の質量からなる部材である。具体的には、アルミニウム製の中空の球体やアルミニウム箔を緩く丸めたもの、中実の樹脂の球、発泡樹脂製の粒状物などを例示することができる。
また、本実施の形態の場合、粒状部材123が他の部分に飛散しないように、カバー128が設けられている。
この場合、含水率調整手段104は、カバー128と基材200との間で囲われる空間に、湿度が調整された気体を導入する。
これによれば、基材200と帯電電極121との間の空間の含水率(湿度)を調整することで、基材200の含水率を有効に維持、または、調整(改善)することが可能となる。特に、粒状部材123が水分の担持体として機能し、基材の含水率を維持、または、調整(改善)することが期待でき、さらに、帯電した水分が基材に移ることで基材の帯電状体の中和効果も期待できる。
また、含水率調整手段104は、帯電電極121(誘引電極)の温度を直接調整することで、誘引部102として機能する帯電電極121の含水率を調整するものでもよい。具体的には、含水率調整手段104は、帯電電極121に取り付けられるヒーターや、クーラーでもよく、また、加温された流体や冷却された流体を帯電電極121の内部に流す装置であっても良い。
本願発明は、サブミクロンオーダーやナノオーダーの線径からなるナノファイバを均一に堆積したシート状の基材の製造に適用でき、コンデンサやキャパシタ、二次電池などが備える電極板間の絶縁層の製造や、高機能フィルタなどの製造に適用することができる。
100 ナノファイバ製造装置
102 誘引部
103 回収ロール
104 含水率調整手段
105 基材調整手段
107 原料液供給手段
113 貯留槽
114 案内管
115 流出体
116 先端部
118 流出孔
121 帯電電極
122 帯電電源
123 粒状部材
126 送風口
127 供給ロール
128 カバー
129 貫通孔
140 基材供給手段
151 筐体
152 供給口
153 湿温調整手段
171 容器
200 基材
300 原料液
301 ナノファイバ

Claims (8)

  1. 原料液を空間中で電気的に延伸させてナノファイバを製造し、基材に当該ナノファイバを堆積させるナノファイバ製造装置であって、
    前記原料液から前記ナノファイバが製造されるナノファイバ製造空間中に前記原料液を流出させる流出体と、
    前記流出体と所定の間隔で配置される帯電電極と、
    前記流出体と前記帯電電極との間に所定の電圧である帯電電圧を印加する帯電電源と、
    前記基材に対し前記流出体が配置される側と反対側に配置され、前記ナノファイバを前記基材に電気的に誘引する誘引部と、
    前記誘引部の含水率を調整する含水率調整手段と
    を備えるナノファイバ製造装置。
  2. 前記誘引部は、所定の電圧である誘引電圧が印加される誘引電極を備える請求項1に記載のナノファイバ製造装置。
  3. 前記誘引電極は、前記基材と離間して配置され、
    前記誘引部は、
    前記誘引電極と前記基材との間を往復動することにより電荷を運搬する帯電可能な複数の粒状部材を備える
    請求項1または請求項2に記載のナノファイバ製造装置。
  4. 前記含水率調整手段は、前記誘引部に対し湿度が調整された気体を供給する請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノファイバ製造装置。
  5. 前記含水率調整手段は、前記誘引部に対し温度が調整された気体を供給する請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノファイバ製造装置。
  6. 前記含水率調整手段は、前記誘引電極の温度を調整する請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノファイバ製造装置。
  7. 前記誘引電極は、前記含水率調整手段から供給される気体を吐出する吐出孔を備える請求項4または請求項5に記載のナノファイバ製造装置。
  8. 原料液を空間中で電気的に延伸させてナノファイバを製造し、基材に当該ナノファイバを堆積させるナノファイバを製造するナノファイバ製造方法であって、
    前記原料液から前記ナノファイバが製造されるナノファイバ製造空間中に前記原料液を流出体から流出させる流出工程と、
    前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と前記流出体との間に所定の電圧を帯電電源により印加する電圧印加工程と、
    前記基材に対し前記流出体が配置される側と反対側に配置される誘引部によって、前記ナノファイバを前記基材に電気的に誘引する誘引工程と、
    前記誘引部の含水率を調整する含水率調整工程と
    を含むナノファイバ製造方法。
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