JP5887550B2 - 繊維堆積方法、繊維堆積装置 - Google Patents

繊維堆積方法、繊維堆積装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5887550B2
JP5887550B2 JP2011284217A JP2011284217A JP5887550B2 JP 5887550 B2 JP5887550 B2 JP 5887550B2 JP 2011284217 A JP2011284217 A JP 2011284217A JP 2011284217 A JP2011284217 A JP 2011284217A JP 5887550 B2 JP5887550 B2 JP 5887550B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
fiber
raw material
material liquid
united
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011284217A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013133554A (ja
Inventor
和宜 石川
和宜 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2011284217A priority Critical patent/JP5887550B2/ja
Publication of JP2013133554A publication Critical patent/JP2013133554A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5887550B2 publication Critical patent/JP5887550B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

本願発明は、静電延伸現象によりサブミクロンオーダーやナノオーダーの細さである繊維(ナノファイバ−)を製造する繊維堆積装置、繊維堆積方法に関する。
樹脂などから成り、サブミクロンスケールやナノスケールの直径を有する糸状(繊維状)物質を製造する方法として、静電延伸現象(エレクトロスピニング)を用いた方法が知られている。
この静電延伸現象とは、溶媒中に樹脂などの溶質を分散または溶解させた原料液を空間中にノズルなどにより流出(噴射)させるとともに、原料液に電荷を付与して帯電させ、空間を飛行中の原料液を電気的に延伸させることにより、細径の繊維を得る方法である。
より具体的に静電延伸現象を説明すると次のようになる。すなわち、帯電され空間中に流出された原料液は、空間を飛行中に徐々に溶媒が蒸発していく。これにより、飛行中の原料液の体積は、徐々に減少していくが、原料液に付与された電荷は、原料液に留まる。この結果として、空間を飛行中の原料液は、電荷密度が徐々に上昇することとなる。そして、溶媒は、継続して蒸発し続けるため、原料液の電荷密度がさらに高まり、原料液の中に発生する反発方向のクーロン力が原料液の表面張力より勝った時点で原料液が爆発的に線状に延伸される現象が生じる。これが静電延伸現象である。この静電延伸現象が、空間において次々と幾何級数的に発生することで、直径がサブミクロンオーダーやナノオーダーの樹脂から成る繊維が製造される。
以上のような静電延伸現象を用いて製造される繊維を長尺のシート状の基材に堆積させる場合、一列に並べられたノズルから原料液を流出させて繊維を製造し基材に繊維を堆積させる繊維堆積装置が用いられることがある。この繊維堆積装置によれば、基材上に堆積した繊維を前記ノズルの並び方向と直交する方向に徐々に搬送することで、長尺の基材に繊維を堆積させることができる。
この場合、製造され製品の品質の一つとして、基材上に堆積した繊維の均一性が挙げられる。例えば特許文献1には、繊維が堆積する領域に抵抗値のばらつきを抑える絶縁層を設けることにより、均一に繊維を堆積させる繊維堆積装置が記載されている。
特開2011−140740号公報
一方、非常に薄い基材や脆弱な基材に繊維を堆積させたい場合がある。この場合、構造的に強度が高く、破れたりしわが寄ったりしにくい長尺帯状の補強材に基材を貼り合わせ、貼り合わせた状態のシート(以下「合体シート」と記す場合がある)の基材側の面に繊維を堆積させることにより、脆弱なシート上にも連続的に繊維を堆積させることが可能となる。
ところが、本願発明者が実験と研究とを重ねた結果、合体シート上に繊維を堆積させた場合、繊維の堆積状体に予期せぬムラが発生することを見出した。そしてさらに、実験と研究を進めることにより、補強材と基材との貼り付け状体のムラ、例えば、補強材と基材との密着度の部分的な相違により合体シートの表面に電位が異なる部分が発生し、繊維の堆積状体のムラが発生することを見出した。
本願発明は上記知見に基づきなされたものであり、合体シート上にムラ無く繊維を堆積させることのできる繊維堆積方法、繊維堆積装置の提供を目的としている。
上記目的を達成するために、本願発明にかかる繊維堆積方法は、原料液を空間中で電気的に延伸させて繊維を製造し、長尺帯状の第一シートに当該繊維を堆積させる繊維堆積方法であって、前記原料液から前記繊維が製造される繊維製造空間中に流出体から前記原料液を流出させる流出工程と、前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と前記流出体との間に電圧を印加して前記原料液を帯電させる帯電工程と、前記第一シートと、前記第一シートに重ね合わされて前記第一シートと共に移動する長尺帯状の第二シートとを重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わされた前記第一シートと前記第二シートとからなる合体シートの一方側に配置される発生体と他方側に配置される発生電極との間に電圧を印加し、前記合体シートにイオン風を吹き付ける吹き付け工程と、前記合体シートを前記繊維製造空間に供給するシート供給工程とを含むことを特徴としている。
イオン風を合体シートに吹き付けることにより、第一シートと第二シートとが密着し、繊維製造空間に供給される際の合体シート表面の電位に部分的なムラが発生することを抑止できる。従って、静電延伸現象により発生し、帯電状体の繊維を合体シートの第一シート側に均一に堆積させることが可能となる。
また、上記目的を達成するために、本願発明にかかる繊維堆積装置は、原料液を空間中で電気的に延伸させて繊維を製造し、長尺帯状の第一シートに当該繊維を堆積させる繊維堆積装置であって、前記原料液から前記繊維が製造される繊維製造空間中に前記原料液を流出させる流出体と、前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と、前記流出体と前記帯電電極との間に電圧を印加して前記原料液を帯電させる帯電電源と、前記第一シートと、前記第一シートに重ね合わされて前記第一シートと共に移動する長尺帯状の第二シートとからなる合体シートを前記繊維製造空間に供給するシート供給手段と、前記合体シートの一方側に配置され、前記合体シートに吹き付けるイオン風を発生させる発生体と、前記合体シートの他方側に配置され、前記発生体に電荷を集中させる発生電極と、前記発生体と前記発生電極との間に電圧を印加する発生電源とを備えることを特徴とする。
これにより、イオン風を合体シートに吹き付けることができ、第一シートと第二シートとを密着させることができる。従って、繊維製造空間に供給される際の合体シート表面の電位に部分的なムラが発生することを抑止でき、静電延伸現象により発生し、帯電状体の繊維を合体シートの第一シート側に均一に堆積させることが可能となる。
また、前記発生体は、電荷が集中する第一特異部と電荷が集中する第二特異部とを備え、前記第一特異部は、前記合体シートの供給方向において前記第二特異部よりも上流側、かつ、前記供給方向と垂直な前記合体シートの幅方向において前記第二特異部と離れた位置に配置されるものでもよい。
これによれば、合体シートの幅方向においてイオン風を吹き付ける時間を異ならせることができ、第一シートと第二シートとの間に存在する空気(空間)を合体シートの幅方向に順に押し出すことができる。従って、第一シートと第二シートとの間に空気溜まり(空間)が発生しにくくなり、第一シートと第二シートとの密着ムラを抑制することが可能となる。
また、前記帯電電極と前記発生電極とは異なる電位としてもよい。
これによれば、イオン風が吹き付けられた合体シートの帯電状態を帯電電極の電位により抑制、または、キャンセルすることができ、繊維の堆積状体の均一性を確保することが可能となる。
本願発明によれば、第一シートと第二シートとをムラ無く密着させた状態で静電延伸現象により発生した繊維を均一に堆積させることが可能となる。
図1は、繊維堆積装置を示す斜視図である。 図2は、流出体をXZ平面で切断して示す斜視図である。 図3は、発生体の特異部の配列状体の別例を示す平面図である。 図4は、繊維堆積装置の側方から示す側面図である。
次に、本願発明に係る繊維堆積方法、および、繊維堆積装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本願発明に係る繊維堆積方法、および、繊維堆積装置の一例を示したものに過ぎない。従って本願発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。
図1は、繊維堆積装置を示す斜視図である。
同図に示すように、繊維堆積装置100は、原料液300を空間中で電気的に延伸させて繊維301を製造し、長尺帯状の第一シート200に繊維301を堆積させる装置であって、流出体115と、帯電電極121と、帯電電源122と、第一シート200と第二シート201とが重ね合わされた合体シート202を供給するシート供給手段140と、発生体104と、発生電極141と、発生電源142とを備えている。
図2は、流出体をXZ平面で切断して示す斜視図である。
流出体115は、原料液300を流出させる流出孔118を複数個一列に並んで有する部材である。流出孔118は、上下方向(図中Z軸方向)に延びて配置され、所定の間隔でY軸方向に並ぶように配置され、相互に平行となるように配置されている。
本実施の形態の場合、流出体115は、原料液300を一時的に貯留し各流出孔118に均等に原料液を供給する貯留槽113を備えている。
また、流出体115は、流出する原料液300に電荷を供給する電極としても機能しており、原料液300と接触する部分の少なくとも一部は導電性を備えた部材で形成される。本実施の形態の場合、流出体115全体が金属で形成されており、流出体115の先端部116の全体が均等に帯電することができるものとなっている。なお、流出体115を構成する金属の種類は、導電性を備えていれば特に限定されるものではなく、例えば黄銅やステンレス鋼、アルミニウムやその合金など任意の材料を選定しうる。
なお、流出孔118が並べられる間隔は、全てを等間隔としてもよく、また、流出体115の端部における間隔が、流出体115の中央部における間隔よりも広く(狭く)なるように流出孔118を配置してもかまわない。流出孔118は、同一直線上に配置されるばかりでなく、ジグザグ(千鳥)に配置されてもよく、サインカーブなどの波を描くように配置されてもよい。
先端部116は、流出孔118の開口部が配置される流出体115の部分であり、所定の間隔で配置される開口部の間を滑らかな面で接続する部分である。本実施の形態の場合、先端部116は、細長い矩形の平面を表面に備えている。
貯留槽113は、図2に示すように、流出体115の内部に形成され、原料液供給手段107(図1参照)から供給される原料液300を流出体115の内方で一時的に貯留するタンクである。また、貯留槽113は、複数の流出孔118に接続され、複数の流出孔118に同時に原料液300を供給するものとなっている。本実施の形態の場合、流出体115に一つ設けられており、流出体115のY軸方向の一端部から他端部にわたって延びて設けられ、全ての流出孔118と連通状態で接続されている。
なお、流出体115の形状、態様は特に限定されるものでは無く、円管や矩形の管の周壁に流出孔118を設けたものでもかまわない。また、複数のノズルを列状やマトリクス状に並べたものを流出体としてもかまわない。
原料液供給手段107は、図1に示すように、流出体115に原料液300を供給する装置であり、原料液300を大量に貯留する容器171と、原料液300を所定の圧力で搬送するポンプ(図示せず)と、原料液300を案内する案内管114とを備えている。
帯電電極121は、流出体115と所定の間隔を隔てて配置され、自身が流出体115に対し高い電圧もしくは低い電圧となることで、流出体115に電荷を誘導するための部材である。本実施の形態の場合、図1に示すように、帯電電極121は、繊維製造空間中で製造された繊維301を電気的に誘引する誘引手段としても機能している。本実施の形態の場合、帯電電極121は、合体シート202の移動に伴い移動する導電性を備えた無端ベルト125と、無端ベルト125の軌道を維持する複数個のローラー126とで構成されている。
なお、帯電電極121は、ローラーコンベアのように複数の導電性のローラーを並べたものでも良く、また、板状の部材など任意のものを採用しうる。
帯電電源122は、流出体115に高電圧(帯電電極121に対し)を印加することのできる電源である。本実施の形態の場合、帯電電源122は、直流電源であり、接地電位、または、帯電電極121に対し、5KV以上、100KV以下の範囲の値から選定される電位を印加することができるものとなっている。
本実施の形態の場合、繊維堆積装置100は、補助電源123を備えている。補助電源123は、帯電電源122と直列に接続され、帯電電極121に接地電位とは異なる電位を付与し、かつ、帯電電源122と協働して流出体115と帯電電極121との間に高電圧を印加する電源である。例えば、接地電位に対して+75kVの電位を帯電電源122により流出体115に与え、接地電位に対して−15kVの電位を補助電源123により帯電電極121に与えることで、流出体115に正の電荷が誘導され、原料液300に正の電荷を付与することができる。
このように、設置電位を流出体115と帯電電極121との間になるように電位を印加することで、繊維堆積装置100を覆う筐体(図示せず)を接地電位にした際に、帯電電極121が筐体よりも低い(または高い)電位となって、繊維製造空間中で発生する繊維301を効率よく誘引することが可能となる。また、発生電極141と異なる電位を帯電電極121に印加することも可能となる。
なお、補助電源123を備えることなく、帯電電極121を接地電位にしてもかまわない。
発生体104は、合体シート202の一方側に配置され、合体シート202に吹き付けるイオン風Aを発生させる部材である。
ここで、イオン風とは、次のような現象で発生するものであると考えられている。すなわち、高電圧が印加された導電体の一部分に電荷が集中すると、該部分の周辺に存在する空気が帯電(イオン化)する。そして、帯電(イオン化)した空気が導電体の電荷に反発して空間中に飛び出すことで、イオンを含んだ(帯電した)空気の流れであるイオン風が発生する。特にイオン風は、例えば突起部の先端や角の先端部分など形状の特異な部分で発生し易いという知見を得ている。
本実施の形態の場合、発生体104は、電荷が集中する形状的に特異な部分を複数箇所合体シート202の幅方向に並べて備えている。より具体的には、発生体104は、発生電極141に向かって先が尖った特異部109(第一特異部191〜第七特異部197)を合体シート202の幅方向に並べて備えている。また、第一特異部191は、合体シート202の供給方向(X軸方向)において第二特異部192よりも上流側、かつ、供給方向と垂直な合体シート202の幅方向(Y軸方向)において第二特異部192と離れた位置に配置されている。さらに、第二特異部192と第三特異部193との関係、第三特異部193と第四特異部194との位置関係も同様である。また、第一特異部191、第五特異部195、第六特異部196、第七特異部197の位置関係も同様であり、全体として第一特異部191と、が最も上流で、特異部109がV字を描くように配置されている。
このように、特異部109を配置することで、第一特異部191に対応する合体シート202の部分にイオン風Aが吹き付けられ、当該部分の第一シート200と第二シート201とが密着する。次に、第二特異部192、および、第五特異部195に対応する部分の第一シート200と第二シート201とが密着する。これにより、合体シート202の中央部の第一シート200と第二シート201との間に含まれる空気(空間)は、合体シート202の幅方向の外側に向かって押し出される。当該部分的な密着を幅方向の外側に向かって順に進めることにより、第一シート200と第二シート201との間に空気(空間)が無く、また、しわになることなく第一シート200と第二シート201とを合体シート202の幅方向全体にわたって均一に密着させることができる。
なお、特異部109は、図3に示すように、合体シート202の幅方向の一方から他方に向けて斜めに並ぶように配置しても良い。
発生電極141は、合体シート202の他方側に配置され、発生体104に電荷を集中させるものである。発生電極141は、発生体104と所定の間隔を隔てて合体シート202に対し発生体104の反対側に配置され、自身が発生体104に対し高い電圧もしくは低い電圧となることで、発生体104(特に形状的に特異な特異部109)に電荷を誘導するため部材である。本実施の形態の場合、発生電極141は、帯電電極121と同様の構造が採用されており、合体シート202の移動に伴い移動する導電性を備えた無端ベルト145と、無端ベルト145の軌道を維持する複数個のローラー146とで構成されている。また、発生電極141は、接地され接地電位となっている。
なお、発生電極141は、ローラーコンベアのように複数の導電性のローラーを並べたものでも良く、また、板状の部材など任意のものを採用しうる。
発生電源142は、発生体104と発生電極141との間に電圧を印加し、イオン風を発生させるための電源である。本実施の形態の場合、帯電電源122が発生電源142の機能も担っている。つまり、流出体115と発生体104とは、ブスバーなどの導電部材149(図1参照)で接続されており、帯電電源122(発生電源142)によって流出体115と発生体104とは同電位が印加されるものとなっている。
なお、本実施の形態の場合、流出体115と帯電電極121との間隔よりも発生体104と発生電極141との間隔の方が短いものとなっている。このような態様を採用することにより、イオン風Aが繊維301の発生や堆積に与える影響を抑制している。また、個別に電位を制御することができない発生体104に対し、発生電極141との距離を調整することでイオン風Aの発生を制御している。
図4は、繊維堆積装置の側方から示す側面図である。
第一シート200は、静電延伸現象により製造される繊維301を堆積させて付着させる部材である。本実施の形態の場合、第一シート200は、第一ロール127に巻き付けられた状態で供給されている。
第一シート200の材種は特に限定されるものでは無いが、樹脂製の不織布や織布、フィルムを例示することができる。例えば、紙(セルロースの不織布)や、ポリアミド系の樹脂やポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデンからなる第一シート200などを例示できる。また、第一シート200の形状も特に限定されるわけではないが、イオン風Aにより第二シート201と密着させる関係上、厚みは100μm未満、好ましくは数十μm以下が適していると考えられる。
なお、図中では第一シート200と第二シート201を厚く、かつ、同じ厚みに記載しているが、実際には第一シート200の厚みは、第二シート201の十分の一程度である。
第二シート201は、第一シート200に重ね合わされて第一シート200と共に移動する長尺帯状の部材である。本実施の形態の場合、第二シート201は、第一シート200に重ね合わされて第一シートを構造的に補強する補強材として機能している。本実施の形態の場合、第二シート201は、第二ロール128に巻き付けられた状態で供給されている。
第二シート201の材種は特に限定されるものでは無いが、樹脂製の不織布や織布、フィルムを例示することができる。例えば、紙(セルロースの不織布)や、ポリアミド系の樹脂やポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、PET樹脂、ABS樹脂からなる第二シート201を例示できる。
また、第二シート201の形状も特に限定されるわけではないが、第一シート200を構造的に補強する目的の場合、厚みは、第一シート200の十倍程度、具体的には100μm以上が適していると考えられる。
シート供給手段140は、第一シート200と第二シート201とが重なった合体シート202を回収ロール103で巻き取りながら第一ロール127から第一シート200を連続的に引き出すと共に第二ロール128から第二シート201を連続的に引き出し、繊維製造空間中に合体シート202を連続的に供給するものとなっている。
次に、原料液300を空間中で電気的に延伸させて繊維301を製造し、長尺帯状の第一シート200に繊維301を堆積させる繊維堆積方法を説明する。
まず、原料液300を流出体115の貯留槽113に供給する(原料液供給工程)。以上により、流出体115の貯留槽113に原料液300が満たされる。
ここで、原料液300は、溶質と、溶質を溶解、または、分散させる溶媒とを含む溶液であ。
溶質は、繊維301を構成する樹脂(高分子樹脂)材料であり、具体的に例示すると、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等およびこれらの共重合体等の樹脂を例示できる。
溶質は、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明は上記溶質に限定されるものではない。
溶媒は、揮発性のある揮発性のある液体であり、具体的に例示すると、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、ピリジン、水等を挙示することができる。
溶媒は、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明は上記溶媒に限定されるものではない。
さらに、原料液300に無機質固体材料などを添加してもよい。当該無機質固体材料としては、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、珪化物、弗化物、硫化物等を挙げることができるが、製造される繊維301の耐熱性、加工性などの観点から酸化物を用いることが好ましい。当該酸化物としては、Al23、SiO2、TiO2、Li2O、Na2O、MgO、CaO、SrO、BaO、B23、P25、SnO2、ZrO2、K2O、Cs2O、ZnO、Sb23、As23、CeO2、V25、Cr23、MnO、Fe23、CoO、NiO、Y23、Lu23、Yb23、HfO2、Nb25等を例示することができる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明は、上記添加剤が原料液300に含まれるか否かについて影響は受けない。
原料液300における溶媒と溶質との混合比率は、選定される溶媒の種類と溶質の種類とにより異なるが、溶媒量は、約60重量%から98重量%の間が望ましい。好適には溶質が5重量%〜30重量%の範囲である。
次に、原料液300から繊維301が製造される繊維製造空間中に流出体115から原料液300を流出させる(流出工程)。
次に、帯電電源122(本実施の形態の場合補助電源123を含む)により流出体115と帯電電極121との間に高電圧を印加する。帯電電極121と対向する流出体115の先端部116に電荷が集中し、当該電荷が流出孔118を通過して繊維製造空間中に流出する原料液300に転移し、原料液300が帯電する(帯電工程)。
次に、繊維製造空間中をある程度飛行した原料液300に静電延伸現象が作用することにより繊維301が製造される(繊維製造工程)。
一方、第一シート200の裏面、すなわち、第一シート200の繊維301が堆積しない側の面に第二シート201とを重ね合わせる(重ね合わせ工程)。本実施の形態の場合、第一シートの通過経路と第二シート201の通過経路とをほぼ一致させることにより、第一シート200と第二シート201とを重ね合わせている。
なお、重ね合わせ工程としては、例えば第一シート200と第二シート201とを二つのローラーで挟み込み、圧力を加えて重ね合わせても良い。
次に、第一シート200と第二シート201とからなる合体シート202の一方側に配置される発生体104と他方側に配置される発生電極141との間に発生電源142(本実施の形態の場合は帯電電源122)により電圧を印加し、合体シート202にイオン風Aを吹き付ける(吹き付け工程)。
これにより、第一シート200が帯電し、静電気力により第一シート200と第二シート201とが密着する。
また、本実施の形態においては、合体シート202の幅方向の中央部分に対し最初にイオン風Aを吹き付け、合体シート202の幅方向の端部に向かうに従って順番にイオン風Aを吹き付けている。
これにより、第一シート200と第二シート201との間に含まれる空気(空間)を合体シート202の幅方向の端部に押し出しながら第一シート200と第二シートとを密着させることが可能となる。
なお、吹き付け工程は重ね合わせ工程前の第一シート200や第二シート201に行ってもかまわない。
また、合体シート202の幅方向の一端部に対し最初にイオン風Aを吹き付け、合体シート202の幅方向の他端部に向かうに従って順番にイオン風Aを吹き付けるものでもよい。
一方、合体シート202を繊維製造空間に供給する(シート供給工程)。本実施の形態の場合、発生体104と発生電極141との間であって、発生電極141の無端ベルト145に接触するように合体シート202を供給する。さらに、流出体115と帯電電極121との間の繊維製造空間であって、帯電電極121の無端ベルト125の表面に接触するように合体シート202を供給する。
次に、繊維301が帯電電極121に誘引され、合体シート202の第一シート200側の表面に繊維301が堆積する(堆積工程)。繊維301が堆積した第一シート200は、シート供給手段140により第二シート201とともに巻き取られる。
なお、巻き取られた状態の合体シート202において、第二シート201は、堆積した繊維301や第一シート200が他と接着することを抑止するセパレーターとしても機能している。
以上により、繊維301が堆積した第一シート200を得ることができる。
以上のような構成の繊維堆積装置100を用い、以上の繊維堆積方法を実施することによって、第一シート200は、第二シート201と均一に密着した状態で繊維製造空間に供給されるため、第一シート200の帯電状体(導電度)が均一となり繊維301を第一シート200に均一に堆積させることが可能となる。
特に、第一シート200がシート供給手段140によって引っ張られる際に破れたりしわが寄ったりし易い脆弱なものであった場合、第二シート201を第一シート200の機械的強度を補強するための補強材として機能させることで、繊維301を均一に第一シート200に堆積させることが可能となる。
また、第二シート201に対し第一シート200が密着しているため、堆積した繊維301とのが乾燥により収縮(または膨張)する場合に、第一シート200の幅方向の両端部が反り返ったり、第一シート200がしわになったりすることを抑止することが可能となる。
さらに、第一シート200と第二シート201とを接着剤などで貼り付けないため、接着剤の残留を気にする必要が無く、また、繊維301を堆積させた第一シート200と第二シートとを分離することも可能となる。
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。
例えば、繊維製造空間とイオン風Aが吹き付けられる空間とを隔絶する隔壁を発生体104と流出体115との間に設けてもかまわない。これにより、繊維301の飛翔に与えるイオン風Aの影響を抑制することができる。また、流出体115と発生体104との距離を75cm程度とすることでもイオン風Aの影響を抑制できる。
本願発明は、サブミクロンオーダーやナノオーダーの線径からなる繊維を均一に堆積したシート状の基材の製造に適用でき、コンデンサやキャパシタ、二次電池などが備える電極板間の絶縁層の製造や、高機能フィルタなどの製造に適用することができる。
100 繊維堆積装置
103 回収ロール
104 発生体
107 原料液供給手段
109 異部
113 貯留槽
114 案内管
115 流出体
116 先端部
118 流出孔
121 帯電電極
122 帯電電源
123 補助電源
125 無端ベルト
126 ローラー
127 第一ロール
128 第二ロール
140 シート供給手段
141 発生電極
142 発生電源
145 無端ベルト
146 ローラー
149 導電部材
171 容器
191 第一特異部
192 第二特異部
193 第三特異部
194 第四特異部
195 第五特異部
196 第六特異部
197 第七特異部
200 第一シート
201 第二シート
202 合体シート
300 原料液
301 繊維

Claims (5)

  1. 原料液を空間中で電気的に延伸させて繊維を製造し、長尺帯状の第一シートに当該繊維を堆積させる繊維堆積方法であって、
    前記原料液から前記繊維が製造される繊維製造空間中に流出体から前記原料液を流出させる流出工程と、
    前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と前記流出体との間に電圧を印加して前記原料液を帯電させる帯電工程と、
    前記第一シートと、前記第一シートに重ね合わされて前記第一シートと共に移動する長尺帯状の第二シートとを重ね合わせる重ね合わせ工程と、
    重ね合わされた前記第一シートと前記第二シートとからなる合体シートの一方側に配置される発生体と他方側に配置される発生電極との間に電圧を印加し、前記合体シートにイオン風を吹き付ける吹き付け工程と、
    前記合体シートを前記繊維製造空間に供給するシート供給工程と
    を含む繊維堆積方法。
  2. 原料液を空間中で電気的に延伸させて繊維を製造し、長尺帯状の第一シートに当該繊維を堆積させる繊維堆積装置であって、
    前記原料液から前記繊維が製造される繊維製造空間中に前記原料液を流出させる流出体と、
    前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と、
    前記流出体と前記帯電電極との間に電圧を印加して前記原料液を帯電させる帯電電源と、
    前記第一シートと、前記第一シートに重ね合わされて前記第一シートと共に移動する長尺帯状の第二シートとからなる合体シートを前記繊維製造空間に供給するシート供給手段と、
    前記合体シートの一方側に配置され、前記合体シートに吹き付けるイオン風を発生させる発生体と、
    前記合体シートの他方側に配置され、前記発生体に電荷を集中させる発生電極と、
    前記発生体と前記発生電極との間に電圧を印加する発生電源と
    を備える繊維堆積装置。
  3. 前記発生体は、電荷が集中する第一特異部と電荷が集中する第二特異部とを備え、
    前記第一特異部は、前記合体シートの供給方向において前記第二特異部よりも上流側、かつ、前記供給方向と垂直な前記合体シートの幅方向において前記第二特異部と離れた位置に配置される
    請求項2に記載の繊維堆積装置。
  4. 前記帯電電極と前記発生電極とは異なる電位である
    請求項2に記載の繊維堆積装置。
  5. 前記流出体と前記発生体とは同電位である
    請求項4に記載の繊維堆積装置。
JP2011284217A 2011-12-26 2011-12-26 繊維堆積方法、繊維堆積装置 Active JP5887550B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011284217A JP5887550B2 (ja) 2011-12-26 2011-12-26 繊維堆積方法、繊維堆積装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011284217A JP5887550B2 (ja) 2011-12-26 2011-12-26 繊維堆積方法、繊維堆積装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013133554A JP2013133554A (ja) 2013-07-08
JP5887550B2 true JP5887550B2 (ja) 2016-03-16

Family

ID=48910447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011284217A Active JP5887550B2 (ja) 2011-12-26 2011-12-26 繊維堆積方法、繊維堆積装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5887550B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106868712B (zh) * 2015-12-14 2019-03-15 中国科学院过程工程研究所 一种膜蒸馏用纳米纤维膜及其制备方法
JP6551290B2 (ja) * 2016-04-19 2019-07-31 王子ホールディングス株式会社 通気性部材並びに該部材を用いた吸収体の製造装置および製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013133554A (ja) 2013-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5226151B2 (ja) ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法
JP5437983B2 (ja) ナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法
JP4669363B2 (ja) 静電紡糸法により繊維構造体を製造する装置および方法
JP5857231B2 (ja) 一体型積層シート製造システムおよび一体型積層シート製造方法
JP4835549B2 (ja) 高分子ウエブの製造方法と装置
JP4981747B2 (ja) ナノファイバ製造装置、および製造方法
JP5838348B2 (ja) ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法
JP5887550B2 (ja) 繊維堆積方法、繊維堆積装置
JP5789773B2 (ja) 繊維堆積装置、繊維堆積方法
JP5417276B2 (ja) ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法
JP5222270B2 (ja) ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法
JP5417244B2 (ja) ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法
JP5368504B2 (ja) ナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法
JP2010189778A (ja) ナノファイバ製造装置、および製造方法
JP2009263819A (ja) 不織布製造装置
JP5285667B2 (ja) ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法
JP5355608B2 (ja) ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法
JP5395830B2 (ja) ナノファイバ製造装置、流出体の製造方法、ナノファイバ製造方法
JP5395831B2 (ja) ナノファイバ製造装置、ナノファイバ製造方法
JP2011174202A (ja) ナノファイバ製造装置および製造方法
JP2014148763A (ja) ナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法
JP5903603B2 (ja) ナノファイバ製造装置および製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140711

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20141008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151029

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5887550

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151