JP2013168431A - はんだ接合構造、パワーモジュール、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びそれらの製造方法 - Google Patents

はんだ接合構造、パワーモジュール、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パワーサイクル及びヒートサイクル負荷時においても、アルミニウム部材の表面にうねりやシワが発生することを抑制でき、被接合部材との接合信頼性を向上させることが可能なはんだ接合構造、このはんだ接合構造を利用したパワーモジュール、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材13と、被接合部材21と、をはんだ材を用いて接合するはんだ接合構造40であって、アルミニウム部材13の表面に形成されたガラス層41と、このガラス層41に積層されたAg層42と、このAg層42に積層されたはんだ層43と、を備えており、前記Ag層42には、結晶性の酸化物粒子44が分散されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

この発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材と、被接合部材と、をはんだ材を用いて接合するはんだ接合構造、このはんだ接合構造を利用したパワーモジュール、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びそれらの製造方法に関するものである。
上述のはんだ接合構造としては、例えば、特許文献1、2に示すようなパワーモジュールが挙げられる。
パワーモジュールは、セラミックス基板の一方の面に回路層となるAl(アルミニウム)の金属板が接合されてなるパワーモジュール用基板と、回路層の一方の面に搭載されるパワー素子(半導体素子)と、を備えている。
また、パワーモジュール用基板の他方の面側には、パワー素子(半導体素子)からの熱を放散するために、ヒートシンクとして放熱板や冷却器などが配設されることがある。
上述のパワーモジュールにおいては、回路層とパワー素子(半導体素子)とは、はんだ材を介して接合される。すなわち、回路層がアルミニウム部材とされ、パワー素子(半導体素子)が被接合部材とされた、はんだ接合構造をなしているのである。
また、パワーモジュール用基板とヒートシンクについても、はんだ材を介して接合されることがある。
なお、回路層等のアルミニウム部材においては、その表面にアルミニウムの酸化皮膜が形成されるため、そのままでは、はんだ接合を良好に行うことができない。そこで、従来は、回路層(アルミニウム部材)の表面にNiめっき膜を形成し、このNiめっき膜を下地層としてはんだ接合を行っていた。
ここで、上述のパワーモジュールにおいては、その使用時にパワーサイクル及びヒートサイクルが負荷されることになる。パワーモジュールにパワーサイクル及びヒートサイクルが負荷された場合には、セラミックス基板とアルミニウムとの熱膨張係数の差による応力がセラミックス基板と回路層との接合界面に作用し、接合信頼性が低下するおそれがあった。そこで、従来は、純度が99.99%以上の4Nアルミニウム等の比較的変形抵抗の小さなアルミニウムで回路層を構成して、上述の熱応力を回路層の変形によって吸収することで、接合信頼性の向上を図っている。
また、特許文献3には、Niめっき膜を設けることなく、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層とはんだ層とを導通させる導電接合層を形成することができる導電性組成物が記載されており、上記回路層と被接合部材とをガラス層、Ag層及びはんだ層を介して接合している構造が開示されている。
特開2007−311526号公報 特開2008−227336号公報 特開2010−287554号公報
ところで、回路層を純度が99.99%以上(4Nアルミニウム)等の比較的変形抵抗の小さなアルミニウムで構成した場合、パワーサイクル及びヒートサイクルを負荷した際に、回路層の表面にうねりやシワが発生してしまうといった問題があった。回路層の表面にうねりやシワが発生すると、パワーモジュールの信頼性が低下することになる。
また、特許文献3では、焼成によって、前記回路層表面に自然発生したアルミニウム酸化皮膜と反応して前記回路層と導通する導電接合層を形成することはできるものの、回路層と半導体素子とのはんだ接合後に生じる回路層表面のうねりやシワに対する視点はなかった。
特に、最近では、パワーモジュールの小型化・薄肉化が進められるとともに、その使用環境も厳しくなってきており、半導体素子等の電子部品からの発熱量が大きくなっている。そのため、パワーサイクル及びヒートサイクルの条件が厳しくなっており、回路層の表面にうねりやシワが発生しやすい傾向にあり、パワーモジュールの信頼性低下の問題があった。
なお、このようなうねりやシワは、パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合部分においても問題となる。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、パワーサイクル及びヒートサイクル負荷時においても、アルミニウム部材の表面にうねりやシワが発生することを抑制でき、被接合部材との接合信頼性を向上させることが可能なはんだ接合構造、このはんだ接合構造を利用したパワーモジュール、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意研究した結果、アルミニウム部材の一方の面にAg層が形成されている場合、ヒートサイクル負荷時においても、はんだの変形が抑制され、アルミニウム部材の表面におけるうねりやシワの発生が抑制されることを見出した。これは、Agはアルミニウムよりも硬い金属であることから、Ag層によってアルミニウム部材の塑性変形が抑制されるためと推測される。
そして、さらに検討を進めた結果、Agがはんだ内に拡散してAg食われが生じた箇所において、はんだ内部にクラックが生じる場合があることが分かった。すなわち、Ag食われが生じた箇所では、アルミニウム部材の表面が局所的に塑性変形を生じて、うねりやシワが発生し、はんだ内部にクラックが生じるおそれがあることが判明した。
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明のはんだ接合構造は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材と、被接合部材と、をはんだ材を用いて接合するはんだ接合構造であって、前記アルミニウム部材の表面に形成されたガラス層と、このガラス層に積層されたAg層と、前記Ag層に積層されたはんだ層と、を備えており、前記Ag層には、結晶性の酸化物粒子が分散されていることを特徴としている。
この構成のはんだ接合構造によれば、Ag層には、結晶性の酸化物粒子が分散されているので、Agがはんだ内に拡散することが抑制される。そして、アルミニウム部材に生じるうねりやシワの発生を抑制して、はんだに生じるクラックの発生を防ぐことができるので、被接合部材とのはんだ接合構造の信頼性を向上させることが可能となる。
また、アルミニウム部材の表面にガラス層が形成されているので、アルミニウム部材の表面に存在する酸化皮膜をこのガラス層に反応させて除去することができ、アルミニウム部材と被接合部材とをはんだ材を介して確実に接合することが可能となる。よって、アルミニウム部材の表面にNiめっき膜等を設ける必要がない。
さらに、前記結晶性の酸化物粒子は、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛のうちいずれか1種または2種以上をからなることが好ましい。
酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛から選択される結晶性の酸化物粒子が、はんだと接合されたAg層中に分散されると、Agがはんだ内部へ拡散することが抑制される。Ag中に酸化物粒子が分散していることにより、焼成時においてAg層がネッキングする面積が少なくなる。このように焼結されたAg層に対してはんだ接合を行うと、完全にネッキングしたAg層と比較して、Agのはんだ内部への拡散が生じ難くなるため、はんだに対するAg喰われを抑制することができる。
本発明のパワーモジュールは、絶縁層の一方の面にアルミニウム部材からなる回路層が配設されたパワーモジュール用基板と、前記回路層の一方の面に接合された半導体素子と、を備えたパワーモジュールであって、前記回路層と前記半導体素子との接合部が上述のはんだ接合構造とされていることを特徴としている。
このような構成とされた本発明のパワーモジュールにおいては、アルミニウム部材となる回路層と、被接合部材となる半導体素子とが、ガラス層、結晶性の酸化物粒子が分散されたAg層、はんだ層を介して接合されている。そのため、Agがはんだへ拡散することが抑制されて、Ag層の形成を維持することができ、回路層の表面のうねりやシワの発生を抑制することが可能となる。
したがって、はんだ層におけるクラックの発生を抑制でき、半導体素子の接合信頼性に優れたパワーモジュールを提供することが可能となる。
本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板は、絶縁層の一方の面に回路層が配設されたパワーモジュール用基板と、このパワーモジュール用基板の他方の面側に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板であって、前記ヒートシンクの接合面及び前記パワーモジュール用基板の接合面のうち少なくとも一方は、アルミニウム部材で構成されており、前記ヒートシンクと前記パワーモジュール用基板との接合部が上述のはんだ接合構造とされていることを特徴としている。
このような構成とされた本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板においては、前記パワーモジュール用基板の接合面及び前記ヒートシンクの接合面のうち少なくとも一方は、アルミニウム部材で構成されていることから、前記パワーモジュール用基板の接合面を有する部材及び前記ヒートシンクの接合面を有する部材の一方が上述のはんだ接合構造のアルミニウム部材に該当し、他方が被接合部材に該当することになる。そして、このアルミニウム部材と、被接合部材とが、ガラス層、結晶性の酸化物粒子が分散されたAg層、はんだ層を介して接合されている。そのため、Agがはんだへ拡散することを抑制してAg層を維持することができ、アルミニウム部材の表面のうねりやシワの発生を抑制することが可能となる。
したがって、パワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合信頼性が向上し、ヒートシンクによって熱を効率的に放散させることが可能となる。
なお、ヒートシンクとしては、板状の放熱板、内部に冷媒が流通する冷却器、フィンが形成された液冷、空冷放熱器、ヒートパイプなど、熱の放散によって温度を下げることを目的とした金属部品が含まれる。
本発明のはんだ接合構造の製造方法では、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材と、被接合部材と、をはんだ材を用いて接合するはんだ接合構造の製造方法であって、前記アルミニウム部材の表面にガラス及び結晶性の酸化物粒子を含有するAgペーストを塗布する塗布工程と、前記Agペーストを塗布した状態で加熱処理して前記Agペーストを焼成する焼成工程と、前記Agペーストの焼成体からなるAg焼成層の表面にはんだ材を介して前記被接合部材をはんだ接合するはんだ接合工程と、を備え、前記Ag焼成層には、結晶性の酸化物粒子が分散されていることを特徴とする。
このような製造方法によれば、Ag焼結層に結晶性の酸化物粒子が分散させることができるので、はんだ接合工程においてAgがはんだ内に拡散することが抑制できるはんだ接合構造を製造することができる。そして、アルミニウム部材に生じるうねりやシワの発生を抑制して、はんだに生じるクラックの発生を防ぐことができるので、被接合部材とのはんだ接合構造の信頼性を向上させることが可能となる。
本発明のパワーモジュールの製造方法では、絶縁層の一方の面にアルミニウム部材からなる回路層が配設されたパワーモジュール用基板と、回路層の一方の面に接合された半導体素子と、を備え、回路層と半導体素子とをはんだ接合部とするパワーモジュールの製造方法であって、このはんだ接合部を上述のはんだ接合構造の製造方法によって形成することを特徴とする。
また、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法では、絶縁層の一方の面に回路層が配設されたパワーモジュール用基板と、このパワーモジュール用基板の他方の面側に接合されたヒートシンクと、を備え、ヒートシンクの接合面及び前記パワーモジュール用基板の接合面のうち少なくとも一方は、前記アルミニウム部材で構成されており、前記ヒートシンクと前記パワーモジュール用基板とがはんだ接合部とするヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、このはんだ接合部を上述のはんだ接合構造の製造方法によって形成することを特徴とする。
上述のようなはんだ接合構造、パワーモジュール及びヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法によれば、はんだ接合部において、結晶性の酸化物粒子が分散したAg焼成層を形成することができることから、はんだ接合時においてAgがはんだへ拡散することが抑制されて、Ag層の形成を維持することができ、アルミニウム部材の表面のうねりやシワの発生を抑制することが可能となる。
本発明によれば、パワーサイクル及びヒートサイクル負荷時においても、アルミニウム部材の表面にうねりやシワが発生することを抑制でき、被接合部材との接合信頼性を向上させることが可能なはんだ接合構造、このはんだ接合構造を利用したパワーモジュール、ヒートシンク付パワーモジュール用基板及びそれらの製造方法を提供することができる。
本発明の第一の実施形態である放熱板付パワーモジュール用基板及びパワーモジュールの概略説明図である。 図1における金属層と放熱板との接合部の拡大説明図である。 図1における回路層と半導体素子との接合部の拡大説明図である。 本発明の実施形態において用いられるAgペーストの製造方法を示すフロー図である。 図1のパワーモジュールの製造方法を示すフロー図である。 本発明の第二の実施形態である冷却器付パワーモジュール用基板及びパワーモジュールの概略説明図である。 図6における緩衝層と冷却器との接合部の拡大説明図である。
以下に、本発明の実施形態であるはんだ接合構造について、添付した図面を参照して説明する。
図1に、本発明の第1の実施形態であるパワーモジュール1及び放熱板付パワーモジュール用基板20を示す。この実施形態では、ヒートシンクとして、放熱板21を用いた。
このパワーモジュール1は、回路層12及び金属層13が配設されたパワーモジュール用基板10と、回路層12の一方の面(図1において上面)に搭載された半導体素子3と、金属層13の他方の面(図1において下面)に接合された放熱板21と、この放熱板21の他方の面側に積層された冷却器31と、を備えている。
パワーモジュール用基板10は、絶縁層を構成するセラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に配設された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に配設された金属層13とを備えている。
セラミックス基板11は、回路層12と金属層13との間の電気的接続を防止するものであって、絶縁性の高いAlN(窒化アルミ)で構成されている。また、セラミックス基板11の厚さは、0.2〜1.5mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
回路層12は、セラミックス基板11の一方の面に、導電性を有する金属板が接合されることにより形成されている。本実施形態においては、回路層12は、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなるアルミニウム板がセラミックス基板11に接合されることにより形成されている。
金属層13は、セラミックス基板11の他方の面に、金属板が接合されることにより形成されている。本実施形態においては、金属層13は、回路層12と同様に、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなるアルミニウム板がセラミックス基板11に接合されることで形成されている。
放熱板21は、前述のパワーモジュール用基板10からの熱を面方向に拡げるものであり、本実施形態では、熱伝導性に優れた銅板とされている。
冷却器31は、図1に示すように、冷却媒体(例えば冷却水)を流通するための流路32を備えている。冷却器31は、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、A6063(アルミニウム合金)で構成されている。
なお、放熱板21と冷却器31とは、図1に示すように、固定ネジ22によって締結されている。
そして、図2に示すように、4Nアルミニウムからなる金属層13と銅からなる放熱板21との間の第1接合部40においては、金属層13の他方の面(図2において下面)に形成された第1ガラス層41と、この第1ガラス層41の他方の面に積層された第1Ag層42と、この第1Ag層42の他方の面に積層された第1はんだ層43と、を備えている。
また、図3に示すように、4Nアルミニウムからなる回路層12と半導体素子3との間の第2接合部50においては、回路層12の一方の面(図3において上面)に形成された第2ガラス層51と、この第2ガラス層51の一方の面に積層された第2Ag層52と、この第2Ag層52の一方の面に積層された第2はんだ層53と、を備えている。
ここで、第1はんだ層43及び第2はんだ層53は、例えばSn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材(いわゆる鉛フリーはんだ材)で構成されている。また、第1はんだ層43及び第2はんだ層53の厚さthは、20μm≦th≦600μmの範囲内に設定されている。
第1ガラス層41及び第2ガラス層51は、その厚さtgが0.05μm≦tg≦10μmの範囲内に設定されている。
ここで、第1ガラス層41及び第2ガラス層51においては、その内部に粒径が数ナノメートル程度の微細な導電性粒子が分散されている。この導電性粒子は、Ag又はAlの少なくとも一方を含有する結晶性粒子とされている。なお、第1ガラス層41及び第2ガラス層51内の導電性粒子は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることで観察されるものである。
そして、第1Ag層42及び第2Ag層52には、それぞれ、結晶性の酸化物粒子44及び結晶性の酸化物粒子54が分散されている。結晶性の酸化物粒子44、54は、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛のうちいずれか1種又は2種以上からなるとされている。また、結晶性の酸化物粒子の結晶粒径は、0.1μm以上5μm以下とされており、本実施形態では、平均粒径0.5μmであった。
この結晶性の酸化物粒子は、第1Ag層42および第2Ag層52の断面の元素分析から同定することができる。元素分析手法として、例えば、EPMAやEDSなどの電子線による分析手法を用いればよい。
また、第1Ag層42及び第2Ag層52は、その厚さtaが1μm≦ta≦100μmの範囲内に設定されている。好ましくは、1.5μm≦ta≦50μmの範囲内とされている。
ここで、第1接合部40及び第2接合部50は、金属層13及び回路層12の表面に以下に説明するAgペーストを塗布・焼成してAg焼成層を形成し、このAg焼成層の表面にはんだ材を介して放熱板21及び半導体素子3を接合することによって形成されるものである。
次に、本実施形態において使用されるAgペーストについて説明する。
このAgペーストはAg粉末と、ガラス粉末と、結晶性の酸化物粉末と、樹脂と、分散剤とを含有しており、Ag粉末の含有量が、Agペースト全体の60質量%以上90質量%以下とされており、残部がガラス粉末、結晶性の酸化物粉末、樹脂、溶剤、分散剤とされている。なお、本実施形態では、導電性組成物の粘度が10Pa・s以上500Pa・s以下、より好ましくは50Pa・s以上300Pa・s以下に調整されている。
Ag粉末は、その粒径が0.05μm以上1.0μm以下とされており、本実施形態では、平均粒径0.8μmのものを使用した。
ガラス粉末は、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化リン及び酸化ビスマスのいずれか1種または2種以上を含有しており、その軟化温度が600℃以下とされている。
また、ガラス粉末は必要に応じて、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化銅、酸化セレン、酸化ジルコニウム、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物などを含有していても良い。
また、Ag粉末の重量Aとガラス粉末の重量Gとの重量比A/Gは、80/20から99/1の範囲内に調整されており、本実施形態では、A/Gが85/15とされている。
さらに、Ag粉末の重量Aと結晶性の酸化物粉末の重量Oとの重量比A/Oは、90/10から99/1の範囲内とされている。
結晶性の酸化物粉末は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素の粉末であり、いずれか1種または2種以上の結晶性の酸化物粉末を選択すれば良い。
結晶性の酸化物粉末は、その結晶粒径が0.05μm以上1.0μm以下とされており、本実施形態では、平均粒径0.5μmものを使用した。
なお、Ag粉末及び結晶性の酸化物粉末の結晶粒径は、レーザー回折散乱方式による粒度分布測定方法で測定すればよい。
溶剤は、沸点が200℃以上のものが適しており、例えば、αテルピオネール、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル等を適用することができる。なお、本実施形態では、αテルピネオールを用いている。
樹脂は、導電性組成物の粘度を調整するものであり、500℃以上で分解されるものが適しており、例えば、エチルセルロース、アクリル樹脂、アルキッド樹脂等を適用することができる。なお、本実施形態では、エチルセルロースを用いている。
また、本実施形態では、ジカルボン酸系の分散剤を添加している。なお、分散剤を添加することなく導電性組成物を構成してもよい。
次に、本実施形態で用いられるAgペーストの製造方法について、図4に示すフロー図を参照して説明する。
まず、前述したAg粉末と、ガラス粉末と、結晶性の酸化物粉末とを混合して混合粉末を生成する(混合粉末形成工程S1)。また、溶剤、樹脂及び分散剤を混合して有機混合物を生成する(有機物混合工程S2)。
そして、混合粉末形成工程S1で得られた混合粉末と、有機物混合工程S2で得られた有機混合物とをミキサーによって予備混合する(予備混合工程S3)。
次いで、予備混合物を、複数のロールを有するロールミル機を用いて練り込みながら混合する(混錬工程S4)。
混錬工程S4によって得られた混錬物を、ペーストろ過機によってろ過する(ろ過工程S5)。
このようにして、本実施形態であるAgペーストが製出されることになる。
次に、本実施形態であるパワーモジュールの製造方法について、図5のフロー図を用いて説明する。
まず、回路層12となるアルミニウム板及び金属層13となるアルミニウム板を準備し、これらのアルミニウム板を、セラミックス基板11の一方の面及び他方の面にそれぞれろう材を介して積層し、加圧・加熱後冷却することによって、前記アルミニウム板とセラミックス基板11とを接合する(回路層及び金属層接合工程S11)。なお、このろう付けの温度は、640℃〜650℃に設定されている。
次に、金属層13の他方の面に、前述のAgペーストを塗布する(第1Agペースト塗布工程S12)。なお、Agペーストを塗布する際には、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、感光性プロセス等の種々の手段を採用することができる。
金属層13の他方の面にAgペーストを塗布した状態で、加熱炉内に装入してAgペーストの焼成を行う(第1焼成工程S13)。これにより、第1Ag焼成層(図示なし)が形成される。なお、このときの焼成温度は、350℃〜645℃に設定されている。
そして、第1Ag焼成層の表面にはんだ材を介して放熱板21を積層し、還元炉内においてはんだ接合する(放熱板接合工程S14)。
これにより、金属層13と放熱板21との間に、第1ガラス層41、結晶性の酸化物粒子44が分散された第1Ag層42、第1はんだ層43を有する第1接合部40が形成され、本実施形態である放熱板付パワーモジュール用基板20が製出される。
次に、放熱板21の他方の面側に冷却器31を積層し、固定ネジ22によって固定する(冷却器積層工程S15)。
そして、回路層12の一方の面に、前述のAgペーストを塗布する(第2Agペースト塗布工程S16)。なお、Agペーストを塗布する際には、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、感光性プロセス等の種々の手段を採用することができる。本実施形態では、スクリーン印刷法によってAgペーストをパターン状に形成した。
回路層12の一方の面にAgペーストを塗布した状態で、加熱炉内に装入してAgペーストの焼成を行う(第2焼成工程S17)。これにより、第2Ag焼成層(図示なし)が形成される。なお、このときの焼成温度は、350℃〜645℃に設定されている。
そして、第2Ag焼成層の表面に、はんだ材を介して半導体素子3を載置し、還元炉内においてはんだ接合する(半導体素子接合工程S18)。
これにより、回路層12と半導体素子3との間に、第2ガラス層51、結晶性の酸化物粒子54が分散された第2Ag層52、第2はんだ層53を有する第2接合部50が形成され、本実施形態であるパワーモジュール1が製出される。
以上のような構成とされた本実施形態であるパワーモジュール1においては、金属層13と放熱板21との間に、第1ガラス層41、第1Ag層42、第1はんだ層43を有する第1接合部40が形成されており、回路層12と半導体素子3との間に、第2ガラス層51、第2Ag層52、第2はんだ層53を有する第2接合部50が形成されている。この第1Ag層42及び第2Ag層52には、結晶性の酸化物粒子44、54が含有されている。そのため、はんだ付け工程において、Agが液相のはんだ内に拡散することが抑制され、Ag層の形成を維持することができる。そして、パワーサイクル及びヒートサイクルが負荷された場合であっても、4Nアルミニウムからなる金属層13及び回路層12の表面にうねりやシワが発生することが抑制される。よって、放熱板21と金属層13との接合信頼性、及び半導体素子3と回路層12との接合信頼性が向上し、放熱板21によって熱を効率的に放散させることが可能となる。
また、本実施形態では、結晶性の酸化物粒子44、54は、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛のうちいずれか1種または2種以上からなる粒子で構成されているので、Agがはんだへ拡散することを抑制する効果が大きい。
また、金属層13の他方の面に第1ガラス層41が形成され、回路層12の一方の面に第2ガラス層51が形成されているので、これら第1ガラス層41及び第2ガラス層51によって、金属層13及び回路層12の表面に存在する酸化皮膜を除去することができ、金属層13と放熱板21、回路層12と半導体素子3とをはんだ材を介して確実に接合することが可能となる。よって、金属層13及び回路層12の表面にNiめっき膜を設ける必要がない。
さらに、本実施形態においては、半導体素子3が搭載される回路層12の一方の面に形成された第2ガラス層51には、その内部に粒径が数ナノメートル程度の微細な導電性粒子が分散されているので、第2ガラス層51において導電性が確保されることになり、回路層12と半導体素子3とを電気的に接続することができる。
次に、本発明の第2の実施形態であるパワーモジュール101及び冷却器付パワーモジュール用基板130について、図6、図7を参照して説明する。なお、この実施形態では、ヒートシンクとして冷却器131を用いた。
このパワーモジュール101は、回路層112及び金属層113が配設されたパワーモジュール用基板110と、回路層112の一方の面(図6において上面)に搭載された半導体素子103と、パワーモジュール用基板110の他方の面側に積層された冷却器131と、を備えている。
パワーモジュール用基板110は、絶縁層を構成するセラミックス基板111と、このセラミックス基板111の一方の面(図6において上面)に配設された回路層112と、セラミックス基板111の他方の面(図6において下面)に配設された金属層113と、金属層113の他方の面側に配設された緩衝層115と、を備えている。
セラミックス基板111は、回路層112と金属層113との間の電気的接続を防止するものであって、絶縁性の高いAlN(窒化アルミ)で構成されている。
回路層112及び金属層113は、セラミックス基板111に導電性を有する金属板が接合されることにより形成されている。
本実施形態においては、回路層112及び金属層113は、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなるアルミニウム板がセラミックス基板111に接合されることにより形成されている。
緩衝層115は、アルミニウム又はアルミニウム合金、銅又は銅合金若しくはアルミニウムを含む複合材(例えばAlSiC等)で構成されている。
冷却器131は、図6に示すように、冷却媒体(例えば冷却水)を流通するための流路132を備えている。冷却器131は、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、A6063(アルミニウム合金)で構成されている。
そして、図7に示すように、A6063(アルミニウム合金)で構成される冷却器131と緩衝層115との間の第1接合部140においては、冷却器131の一方の面に形成された第1ガラス層141と、この第1ガラス層141に積層された第1Ag層142と、この第1Ag層142に積層された第1はんだ層143と、を備えている。ここで、第1Ag層142には、結晶性の酸化物粒子144が分散されている。
以上のような構成とされた本実施形態であるパワーモジュール101及び冷却器付パワーモジュール用基板130においては、アルミニウム合金からなる冷却器131とパワーモジュール用基板110の緩衝層115との間に、第1ガラス層141、第1Ag層142、第1はんだ層143を有する第1接合部140が形成されている。さらに、第1Ag層142には、結晶性の酸化物粒子144が分散されているので、はんだ接合時において、Agがはんだ内に拡散することが抑制される。その結果、アルミニウム合金からなる冷却器131の表面にうねりやシワが発生することが抑制される。よって、冷却器131とパワーモジュール用基板110との接合信頼性が向上し、冷却器131によってパワーモジュール用基板110を効率的に冷却することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、パワーモジュールに用いられるはんだ接合構造を例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、アルミニウム部材(電極部材)と被接合部材とをはんだ接合するものであれば、用途に限定はない。特に、LED素子、ペルチェ素子などのパワーサイクル若しくはヒートサイクルが発生する素子との接合部材に適している。
また、ヒートシンクとして、放熱板及び冷却器を用いて説明したが、これに限られるものではなく、フィンが形成された空冷、液冷放熱器、ヒートパイプなどであってもよい。
また、本実施形態では、回路層及び金属層を構成する金属板を純度99.99%の純アルミニウムの圧延板として説明したが、これに限定されることはなく、純度99%のアルミニウム(2Nアルミニウム)であってもよい。
さらに、絶縁層としてAlNからなるセラミックス基板を用いたものとして説明したが、これに限定されることはなく、SiやAl等からなるセラミックス基板を用いても良いし、絶縁樹脂によって絶縁層を構成してもよい。
また、Agペーストの原料、配合量については、実施形態に記載されたものに限定されることはなく、他のガラス粉末、樹脂、溶剤、分散剤を用いてもよい。軟化温度がアルミ二ウムの融点以下、より好ましくは600℃以下とされていればよい。
また、樹脂としては、アクリル樹脂、アルキッド樹脂等を用いてもよい。さらに、溶剤としては、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル等を用いても良い。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
純度99.99%以上のアルミニウム板からなる回路層上に、表1に示す組成のAgペーストを焼成してなる焼成層を形成し、この焼成層の上にSn−Ag−Cu系無鉛はんだを用いて、還元炉内において半導体素子を接合した。表1のA/Gは、(Ag粉末の重量)/(ガラス粉末の重量)、A/Oは、(Ag粉末の重量)/(結晶性の酸化物粉末の重量))を意味している。なお、Agペーストの塗布厚さを10μmとした。また、焼成温度を575℃、焼成時間を10分とした。これにより、焼成層の厚さは約8μm、ガラス層の厚さが約1μmのAg焼成層を得た。
なお、セラミックス基板は、AlNで構成され、30mm×20mm、厚さ0.6mmのものを使用した。
また、回路層及び金属層は、4Nアルミニウムで構成され、13mm×10mm、厚さ0.6mmのものを使用した。
半導体素子は、IGBT素子とし、12.5mm×9.5mm、厚さ0.25mmのものを使用した。
(パワーサイクル試験)
上述のようにして得られた試験片のIGBT素子に、15V、150Aの通電条件で、通電オンを2秒、通電オフを8秒、の条件で通電を繰り返し実施し、ヒータチップの温度を30℃から130℃の範囲で変化させた。このパワーサイクルを10万回実施した。
(Ag層の残存部の割合評価)
パワーサイクル試験の後に、試験片をダイヤモンドソーで切断し、断面を樹脂埋めして研磨を行い、EPMAによる元素分析(マッピング)を実施した。はんだ接合部の断面をEPMAで分析することにより、はんだ層、Ag食われ層、Ag層残存部に分類し、Ag層残存部/Ag層全体の断面積割合を評価した。なお、Ag層全体とは、はんだ接合前のAgペーストを焼成したときのAg層の全断面積のことである。
(熱抵抗測定)
パワーサイクル試験時の初期熱抵抗と、試験後の熱抵抗とを測定した。熱抵抗測定は、次のように実施した。ヒータチップを100Wの電力で加熱し、熱電対を用いてヒータチップの温度を測定した。また、冷却器を流通する冷却媒体(エチレングリコール:水=9:1)の温度を実測した。そして、ヒータチップの温度と冷却媒体の温度差を電力で割った値を熱抵抗とし、初期熱抵抗に対するパワーサイクル試験後の熱抵抗の上昇率を算出した。
(Ag層中における結晶性の酸化物粒子の確認)
結晶性の酸化物粒子は、ガラスフリットのように熱処理時に流動せず、かつ他の物質とそれほど反応しないため、添加したままの状態でAg膜中に存在する。そのため酸化物粒子は、SEMのような断面観察手法により確認できる。また、EDSやEPMAといった分析手法を用いることによっても酸化物の種類を同定することができる。
Figure 2013168431
表1に示すように、発明例1から発明例6においては、Ag層の内部に結晶性の酸化物粒子が分散されている。そのため、はんだ接合工程後においてAg残存部が十分に存在し、パワーサイクル後の熱抵抗率の上昇率が小さく、回路層及び金属層とセラミックス基板との接合信頼性が高い。
一方、比較例1および比較例2においては、Ag層が結晶性の酸化物粒子を含有しないために、Ag残存部が減少してしまい、パワーサイクル後の熱抵抗の上昇率が大きくなったため、接合信頼性が発明例と比較して劣った。
1 パワーモジュール
3 半導体素子(被接合部材)
10 パワーモジュール用基板
11 セラミックス基板(絶縁層)
12 回路層(アルミニウム部材)
13 金属層(アルミニウム部材)
20 放熱板付パワーモジュール用基板(ヒートシンク付パワーモジュール用基板)
21 放熱板(被接合部材、ヒートシンク)
40 第1接合部(はんだ接合構造)
41 第1ガラス層(ガラス層)
42 第1Ag層(Ag層)
43 第1はんだ層(はんだ層)
44 結晶性の酸化物粒子
50 第2接合部(はんだ接合構造)
51 第2ガラス層(ガラス層)
52 第2Ag層(Ag層)
53 第2はんだ層(はんだ層)
54 結晶性の酸化物粒子
101 パワーモジュール
110 パワーモジュール用基板
115 緩衝層(被接合部材)
130 冷却器付パワーモジュール用基板(ヒートシンク付パワーモジュール用基板)
131 冷却器(アルミニウム部材、ヒートシンク)
140 第1接合部(はんだ接合構造)
141 第1ガラス層(ガラス層)
142 第1Ag層(Ag層)
143 第1はんだ層(はんだ層)
144 結晶性の酸化物粒子

Claims (8)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材と、被接合部材と、をはんだ材を用いて接合するはんだ接合構造であって、
    前記アルミニウム部材の表面に形成されたガラス層と、このガラス層に積層されたAg層と、前記Ag層に積層されたはんだ層と、を備えており、
    前記Ag層には、結晶性の酸化物粒子が分散されていることを特徴とするはんだ接合構造。
  2. 前記結晶性の酸化物粒子は、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛のうちいずれか1種または2種以上からなることを特徴とする請求項1に記載のはんだ接合構造。
  3. 絶縁層の一方の面に前記アルミニウム部材からなる回路層が配設されたパワーモジュール用基板と、前記回路層の一方の面に接合された半導体素子と、を備えたパワーモジュールであって、
    前記回路層と前記半導体素子との接合部が請求項1または請求項2に記載のはんだ接合構造とされていることを特徴とするパワーモジュール。
  4. 絶縁層の一方の面に回路層が配設されたパワーモジュール用基板と、このパワーモジュール用基板の他方の面側に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板であって、
    前記ヒートシンクの接合面及び前記パワーモジュール用基板の接合面のうち少なくとも一方は、前記アルミニウム部材で構成されており、
    前記ヒートシンクと前記パワーモジュール用基板との接合部が請求項1または請求項2に記載のはんだ接合構造とされていることを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板。
  5. アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材と、被接合部材と、をはんだ材を用いて接合するはんだ接合構造の製造方法であって、
    前記アルミニウム部材の表面にガラス及び結晶性の酸化物粒子を含有するAgペーストを塗布する塗布工程と、前記Agペーストを塗布した状態で加熱処理して前記Agペーストを焼成する焼成工程と、前記Agペーストの焼成体からなるAg焼成層の表面にはんだ材を介して前記被接合部材をはんだ接合するはんだ接合工程と、を備え、
    前記Ag焼成層には、結晶性の酸化物粒子が分散されていることを特徴とするはんだ接合構造の製造方法。
  6. 前記結晶性の酸化物粒子は、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛のうちいずれか1種または2種以上からなることを特徴とする請求項5に記載のはんだ接合構造の製造方法。
  7. 絶縁層の一方の面に前記アルミニウム部材からなる回路層が配設されたパワーモジュール用基板と、前記回路層の一方の面に接合された半導体素子と、を備え、前記回路層と前記半導体素子とをはんだ接合部とするパワーモジュールの製造方法であって、
    前記はんだ接合部を請求項5または請求項6に記載のはんだ接合構造の製造方法によって形成することを特徴とするパワーモジュールの製造方法。
  8. 絶縁層の一方の面に回路層が配設されたパワーモジュール用基板と、このパワーモジュール用基板の他方の面側に接合されたヒートシンクと、を備え、前記ヒートシンクの接合面及び前記パワーモジュール用基板の接合面のうち少なくとも一方は、前記アルミニウム部材で構成されており、前記ヒートシンクと前記パワーモジュール用基板とがはんだ接合部とするヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、
    前記はんだ接合部を請求項5または請求項6に記載のはんだ接合構造の製造方法によって形成することを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
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