JP2013166883A - 重合性コレステリック液晶組成物、及びそれを用いた薄膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1成分として特定の重合性官能基を2つ有する化合物を、第2成分として特定の重合性官能基を1つ有する重合性液晶化合物を、第3成分としてキラル化合物を、第4成分として光重合開始剤を、第5成分として特定の連鎖移動剤を、第6成分として空気界面での液晶化合物のチルト角を減じるための添加剤を含有する重合性コレステリック液晶組成物及び当該組成物を構成部材とした薄膜。
【選択図】 なし
Description
重合性コレステリック液晶材料を輝度向上フィルム等へ応用する場合は、高帯域の反射波長特性、及び高反射輝度とともに、輝度の均一性、低ヘイズ化、及び基材への良好な密着性が求められる。高反射輝度は、Δnの大きな材料で実現可能であり、高帯域の反射波長特性は特許文献1に見られるような、反応性の異なる化合物を組み合わせる手法を用いて実現が可能である。
すなわち、第1成分として一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種類以上含有し、
E1及びE2は、それぞれ独立して単結合、又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−CH=CH−で置換されていてもよく、A1、A2及びA3はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換であっても良く、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換されていても良く、これらのアルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基は1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、
Z1及びZ2はそれぞれ独立して、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−OCO−、−CH2CH2−COO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−OCO−、−CH2−COO−、−CH=CH−、−C≡C−、又は単結合を表す。)
第2成分として一般式(2)の化合物を少なくとも1種類以上含有し、
E3は、単結合、又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−CH=CH−で置換されていてもよく、
A4、A5及びA6はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換であっても良く、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換されていても良く、これらのアルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基は1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、
Z3及びZ4はそれぞれ独立して、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−OCO−、−CH2CH2−COO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−OCO−、−CH2−COO−、−CH=CH−、−C≡C−、又は単結合を表し、
R1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基又は炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個のメチレン基、又は隣接していない2個以上のメチレン基が各々独立して酸素原子、硫黄原子、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−又は−C≡C−によって置き換えられても良く、
nは0又は1を表す。)
第3成分として、キラル化合物を少なくとも1種類以上含有し、
第4成分として、重合開始剤を少なくとも1種類以上含有し、
第5成分として、一般式(5)で表される連鎖移動剤を少なくとも1種類以上含有し、その含有量が0.1〜5.0質量%であり、
A9は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2.6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2.5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はナフタレン−2,6−ジイル基を表し、該1,4−フェニレン基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はナフタレン−2,6−ジイル基は無置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基、CF3基、又はOCF3基を有することができ、
G1は単結合、又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1つ以上の水素原子はメチル基、メトキシ基、エチル基又はエトキシ基で置換されていても良く、該アルキレン基中の1つ以上のメチレン基は酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、
Z5は、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−OCO−、−CH2CH2−COO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−OCO−、−CH2−COO−、−CH=CH−、−C≡C−、又は単結合を表し、
mは0、1、又は2を表し、
R2は水素原子、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数2〜15のアルケニル基、ハロゲン原子、シアノ基又はNCS基を表し、該アルキル基又はアルケニル基は無置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基又はCF3基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、−CO−、又は−COO−で置換されていてもよい。)
第6成分として、界面活性剤、又は一般式(6)で表される繰り返し単位を有する重量平均分子量が100以上である化合物を含有する重合性コレステリック液晶組成物、及び当該組成物を構成部材とした薄膜を提供する。
第一成分である重合性官能基を2つ有する化合物は、重合後に架橋構造をとるため、薄膜の耐熱性、耐溶剤性等を得るために必要な材料である。この重合性官能基を2つ有する化合物は、一般式(1)で表される。
E1及びE2は、それぞれ独立して単結合、又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−CH=CH−で置換されていてもよく、A1、A2及びA3はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換であっても良く、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換されていても良く、これらのアルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基は1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、Z1及びZ2はそれぞれ独立して、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−OCO−、−CH2CH2−COO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−OCO−、−CH2−COO−、−CH=CH−、−C≡C−、又は単結合を表す。)
A1、A2及びA3としては、1,4−フェニレン基又はナフタレン−2,6−ジイル基(これらの基は無置換であっても良く、フッ素原子、塩素原子、炭素原子数1から3のアルキル基、炭素原子数1から3のアルコキシ基又は炭素原子数1から3のアルカノイル基によって置換されていても良い)であることが好ましく、A1、A2及びA3のうちいずれか1つ又は2つが1つの水素原子がフッ素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基で置換されている1,4−フェニレン基、又はナフタレン−2,6−ジイル基であることがより好ましい。
第2成分である重合性官能基を1つ有する化合物は、屈折率異方性、転移点、粘度等の各種物性値を調整するために使用される。この重合性官能基を1つ有する化合物は、一般式(2)で表される。
E3は、単結合、又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−CH=CH−で置換されていてもよく、A4、A5及びA6はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換であっても良く、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換されていても良く、これらのアルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基は1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、Z3及びZ4はそれぞれ独立して、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−OCO−、−CH2CH2−COO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−OCO−、−CH2−COO−、−CH=CH−、−C≡C−、又は単結合を表し、R1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1〜15のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個のメチレン基、又は隣接していない2個以上のメチレン基が各々独立して酸素原子、硫黄原子、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−又は−C≡C−によって置き換えられても良く、nは0又は1を表す。)
第3成分のキラル化合物を添加することで、液晶組成物はらせん構造をとり、円偏光分離素子としての機能を発揮する。
このキラル化合物は重合性官能基を有することが好ましく、該重合性官能基はアクリル基、又はメタクリル基であることがより好ましい。
HTP(ヘリカルツイストパワー)としては、添加する組成系に対して、20以上が好ましく、30以上がより好ましく、45以上が更により好ましい。
具体的には、一般式(3−1)〜(3−4)の化合物が好ましい。
キラルの含有量としては、3〜10質量%が好ましく、3〜7質量%がより好ましい。
第4成分の重合開始剤は、本発明の重合性液晶組成物を重合させるのに必要な化合物である。重合開始剤としては、熱重合開始剤や光重合開始剤が使用できるが、光重合開始剤が好ましく、具体的には以下のものが好ましい。
BASF社のイルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア127、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュアOXE01、イルガキュアOXE02、ルシリンTPO、ダロキュア1173。LAMBSON社のエサキュア1001M、エサキュアKIP150、スピードキュアBEM、スピードキュアBMS、スピードキュアPBZ、ベンゾフェノン。
第5成分の連鎖移動剤は、基材との密着性をより向上させるために必要な化合物である。この連鎖移動剤は一般式(5)で表される。
A8はフェニル基又は、ナフチル基(該フェニル基又は、ナフチル基は無置換であっても良く、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換されていても良く、これらのアルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基は1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良い)を表し、A9は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2.6−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2.5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はナフタレン−2,6−ジイル基を表し、該1,4−フェニレン基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はナフタレン−2,6−ジイル基は無置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、メチル基、メトキシ基、CF3基、又はOCF3基を有することができ、G1は単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1つ以上の水素原子はメチル基、メトキシ基、エチル基又はエトキシ基で置換されていても良く、該アルキレン基中の1つ以上のメチレン基は酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、Z5は、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−OCO−、−CH2CH2−COO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−OCO−、−CH2−COO−、−CH=CH−、−C≡C−、又は単結合を表し、mは0、1、又は2を表し、R2は水素原子、炭素原子数1〜15のアルキル基、炭素原子数2〜15のアルケニル基、ハロゲン原子、シアノ基又はNCS基を表し、該アルキル基又はアルケニル基は無置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基又はCF3基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、−CO−、又は−COO−で置換されていてもよい。)
A7としては、1,4−フェニレン基が好ましい。
mとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
第6成分は空気界面での液晶化合物のチルト角を減じるために必要な化合物であり、界面活性剤、又は一般式(6)で表される繰り返し単位を有する重量平均分子量が100以上である化合物が用いられる。
一般式(6)で表される化合物の重量平均分子量は200〜100000であることが好ましく、300〜10000であることがより好ましく、500〜5000であることがさらにより好ましい。
保存性を高めるため、重合禁止剤、酸化防止剤等を添加することも好ましい。そのような化合物として、ヒドロキノン誘導体、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられ、より具体的には、p−メトキシフェノール、BASF社のIRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076、IRGANOX1098、IRGANOX1135、IRGANOX1330、IRGANOX1425、IRGANOX1520、IRGANOX1726、IRGANOX245、IRGANOX259、IRGANOX3114、IRGANOX3790、IRGANOX5057、IRGANOX565等々があげられる。
次に、本発明の重合性液晶組成物を用いた薄膜の作製方法について説明する。通常、本発明の重合性液晶組成物は溶剤に溶解された溶液状態で使用され、基板等に該溶液を塗布した後、乾燥し、紫外線等により重合することによって、本発明の薄膜が得られる。
本発明の重合性液晶組成物を含有する溶液を塗布する基材は、液晶デバイス、ディスプレイ、光学部品や光学フィルムに通常使用する基材であって、本発明の重合性液晶組成物の塗布後の乾燥時、あるいは、液晶デバイス製造時における加熱に耐えうる耐熱性を有する材料であれば、特に制限はない。そのような基材としては、ガラス基材、金属基材、セラミックス基材やプラスチック基材等の有機材料が挙げられる。特に基材が有機材料の場合、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ナイロン、又はポリスチレン等が挙げられる。また、光学的な付加価値をつけるために、基材がピックアップレンズ、ロッドレンズ、光ディスク、位相差フィルム、光拡散フィルム、カラーフィルター等であっても良い。さらに、上記基材には、本発明の重合性液晶組成物を塗布乾燥した際に重合性液晶組成物が配向しやすいように、配向処理を施しておいても良い。
本発明の薄膜を得るための塗布法としては、アプリケーター法、バーコーティング法、スピンコーティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法、ダイコーティング法、キャップコーティング法、ディッピング等、公知慣用の方法を行うことができる。また、通常塗布後には溶剤を除去するため乾燥処理を行う。乾燥処理温度は重合性液晶組成物の転移点以下の温度で、且つ基材が有機材料の場合は基材のガラス転移温度以下であることが好ましい。
用いた化合物は以下の略号で表す。
連鎖移動剤としては、式(5−1)で表される東京化成工業社製の1,1−ジフェニルエチレン、式(5−2)で表される五井化成社製のアルファメチルスチレンダイマー(AMSD)、SC有機化学社製3−メルカプトプロピオネート(TMMP)、式(5−3)で表される化合物を用いた。光重合開始剤としては、BASF社製イルガキュア907(Irg.907)を用いた。重合禁止剤としては、和光純薬社製p−メトキシフェノール(MEHQ)を用いた。空気界面での液晶化合物のチルト角を減じるための化合物としては、重量平均分子量が2000のポリプロピレン(PP)を用いた。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を9.0%、(B)を4.0%、第2成分である重合性液晶化合物(C)を62.0%、(D)を14.0%、第3成分であるキラル化合物(J)を4.8%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤AMSDを1.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは1.8%と低く、ムラも無く、碁盤目試験でも全100マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を9.0%、(B)を4.0%、第2成分である重合性液晶化合物(C)を62.5%、(D)を14.0%、第3成分であるキラル化合物(K)を4.3%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤AMSDを1.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは1.8%と低く、ムラも無く、碁盤目試験でも全100マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を9.0%、(B)を4.0%、第2成分である重合性液晶化合物(C)を62.8%、(D)を14.0%、第3成分であるキラル化合物(L)を4.0%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤AMSDを1.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは2.1%と低く、ムラも無く、碁盤目試験でも全100マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を8.0%、(B)を3.5%、第2成分である重合性液晶化合物(D)を24.0%、(E)を26.0%、(F)を27.0%、第3成分であるキラル化合物(J)を5.3%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤AMSDを1.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは1.9%と低く、ムラも無く、碁盤目試験でも全100マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を8.0%、(B)を3.5%、第2成分である重合性液晶化合物(E)を26.0%、(F)を27.0%、(G)を24.0%、第3成分であるキラル化合物(J)を5.3%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤AMSDを1.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは1.8%と低く、ムラも無く、碁盤目試験でも全100マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を8.0%、(B)を3.5%、第2成分である重合性液晶化合物(D)を24.0%、(E)を26.0%、(H)を27.0%、第3成分であるキラル化合物(J)を5.3%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤AMSDを1.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは2.1%と低く、ムラも無く、碁盤目試験でも全100マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を8.0%、(B)を3.5%、第2成分である重合性液晶化合物(D)を33.0%、(E)を26.0%、(I)を18.0%、第3成分であるキラル化合物(J)を5.3%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤AMSDを1.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは2.0%と低く、ムラも無く、碁盤目試験でも全100マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を8.0%、(B)を3.5%、第2成分である重合性液晶化合物(E)を26.0%、(F)を27.0%、(G)を24.0%、第3成分であるキラル化合物(J)を5.3%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤1,1−ジフェニルエチレンを1.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは1.8%と低く、ムラも無く、碁盤目試験でも70マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を8.0%、(B)を3.5%、第2成分である重合性液晶化合物(E)を26.0%、(F)を27.0%、(G)を24.0%、第3成分であるキラル化合物(J)を5.3%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である化合物(5−3)を1.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは1.8%と低く、ムラも無く、碁盤目試験でも50マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を9.0%、(B)を4.0%、第2成分である重合性液晶化合物(C)を61.0%、(D)を13.0%、第3成分であるキラル化合物(J)を4.8%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤AMSDを3.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは1.9%と低く、ムラもなく、碁盤目試験でも90マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を8.5%、(B)を3.5%、第2成分である重合性液晶化合物(C)を60.5%、(D)を12.5%、第3成分であるキラル化合物(J)を4.8%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤AMSDを5.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは2.0%と低く、ムラもなく、碁盤目試験でも80マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を9.0%、(B)を4.0%、第2成分である重合性液晶化合物(C)を63.0%、(D)を14.0%、第3成分であるキラル化合物(J)を4.8%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分を添加せず、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは1.8%と低く、ムラは無かったが、碁盤目試験では0マスと1マスも残らなかった。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を9.0%、(B)を4.0%、第2成分である重合性液晶化合物(C)を62.0%、(D)を14.0%、第3成分であるキラル化合物(J)を4.8%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤TMMPを1.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは2.5%と低く、ムラは無かったが、碁盤目試験では0マスと1マスも残らなかった。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を9.0%、(B)を4.0%、第2成分である重合性液晶化合物(C)を61.0%、(D)を13.0%、第3成分であるキラル化合物(J)を4.8%、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤TMMPを3.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは42.0%と高く、激しいムラが生じた。碁盤目試験では全100マスが残った。
この組成の乾燥温度を90℃に下げて行ったところ、ヘイズは4.5%と低かったが、激しいムラは消えなかった。碁盤目試験では全100マスが残った。
第1成分である重合性液晶化合物(A)を9.5%、(B)を4.5%、第2成分である重合性液晶化合物(C)を65.8%、(D)を14.0%、第3成分であるキラル化合物は添加せず、第4成分である重合開始剤イルガキュア907を5.0%、第5成分である連鎖移動剤AMSDを1.0%、第6成分であるPPを0.1%、その他の成分としてMEHQを0.1%混合し、上記に示した方法で薄膜を得た。この薄膜のヘイズは1.7%と低く、ムラは無かったが、碁盤目試験では0マスと1マスも残らなかった。
Claims (7)
- 第1成分として一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種類以上含有し、
E1及びE2は、それぞれ独立して単結合、又は炭素原子数1〜15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子、−CO−、−OCO−、−COO−、又は−CH=CH−で置換されていてもよく、A1、A2及びA3はそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換であっても良く、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換されていても良く、これらのアルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基は1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、Z1及びZ2はそれぞれ独立して、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CH2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−OCO−、−CH2CH2−COO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−OCO−、−CH2−COO−、−CH=CH−、−C≡C−、又は単結合を表す。)
第2成分として一般式(2)の化合物を少なくとも1種類以上含有し、
第3成分として、キラル化合物を少なくとも1種類以上含有し、
第4成分として、重合開始剤を少なくとも1種類以上含有し、
第5成分として、一般式(5)で表される連鎖移動剤を0.1〜5.0質量%含有し、
第6成分として、界面活性剤、又は一般式(6)で表される繰り返し単位を有する重量平均分子量が100以上である化合物を含有する重合性コレステリック液晶組成物。
- 第1成分の一般式(1)で表される化合物の含有量が5〜30質量%である請求項1記載の重合性コレステリック液晶組成物。
- 第2成分の一般式(2)で表される化合物の含有量が50〜90質量%である請求項1又は2に記載の重合性コレステリック液晶組成物。
- 第3成分のキラル化合物が重合性官能基を有するキラル化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合性コレステリック液晶組成物。
- 第3成分のキラル化合物がアクリル基又はメタクリル基を有するキラル化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合性コレステリック液晶組成物。
- 第5成分の一般式(5)で表される連鎖移動剤のA7が1,4−フェニレン基、A8がフェニル基、G1が単結合又は1,1ジメチルエチレン基、R2は水素原子、mが0を表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合性コレステリック液晶組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合性コレステリック液晶組成物を重合してなる薄膜。
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