JP2013165161A - キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】穀物の殻から得られたシリカ成分を含有するカーボン粉末を耐酸化性を有する三次元網状構造を有する金属多孔体に充填して得られる電極を有し、電解液として、リチウム塩又はナトリウム塩を含む非水電解液を有することを特徴とするキャパシタ。
【選択図】なし
Description
電解液として、リチウム塩又はナトリウム塩を含む非水電解液を有することを特徴とするキャパシタ。
(2)前記カーボン粉末中に10質量%〜60質量%のシリカ成分が含有されていることを特徴とする上記(1)に記載のキャパシタ。
(3)前記カーボン粉末は、空気を遮断して米の籾殻を加熱することにより製造されることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のキャパシタ。
(4)前記カーボン粉末には、導電助剤が混合されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のキャパシタ。
(5)前記導電助剤は、前記カーボン粉末100質量部に対して、0.5〜15質量部の質量比で含有されていることを特徴とする上記(4)に記載のキャパシタ。
(6)前記カーボン粉末には、結着剤が混合されていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のキャパシタ。
(7)前記金属多孔体は、少なくともクロムを20質量%含む、ニッケルを主体とした三次元構造を有する金属多孔体であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のキャパシタ。
(8)前記金属多孔体の多孔度は、80%〜97%であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のキャパシタ。
(9)前記ニッケル多孔体のニッケル目付量は、150g/m2〜500g/m2であることを特徴とする上記(7)又は(8)に記載のキャパシタ。
(10)前記金属多孔体におけるクロムの量がニッケルとクロムの総量に対して25〜50質量%であることを特徴とする上記(7)〜(9)のいずれかに記載のキャパシタ。
(11)前記電極を正極としたことを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載のキャパシタ。
(12)電解液としてリチウム塩を含む非水電解液を備えたリチウムイオンキャパシタであることを特徴とする上記(11)に記載のキャパシタ。
(13)負極が三次元構造を有する金属多孔体にリチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなることを特徴とする上記(12)に記載のキャパシタ。
(14)リチウムイオンキャパシタを構成する前の前記負極の活物質にリチウムが担持されていることを特徴とする上記(12)又は(13)に記載のキャパシタ。
(15)前記リチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、これらの元素の酸化物及びこれらの元素とリチウムとの合金よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(12)〜(14)のいずれかに記載のキャパシタ。
(16)前記リチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が酸化ケイ素(SiО)であることを特徴とする上記(12)〜(15)のいずれかに記載のキャパシタ。
(17)負極電位がリチウム基準で0.05V以下であることを特徴とする上記(12)〜(16)のいずれかに記載のキャパシタ。
(18)電解液としてナトリウム塩を含む非水電解液を備えたナトリウムイオンキャパシタであることを特徴とする上記(11)に記載のキャパシタ。
(19)負極が三次元構造を有する金属多孔体にナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなる電極であることを特徴とする上記(18)に記載のキャパシタ。
(20)ナトリウムイオンキャパシタを構成する前の前記負極の活物質にナトリウムが担持されていることを特徴とする上記(18)又は(19)に記載のキャパシタ。
(21)前記負極の金属多孔体が、ニッケルを主体とした三次元構造を有する金属多孔体である
ことを特徴とする上記(18)〜(20)のいずれかに記載のキャパシタ。
(22)前記金属多孔体に充填されているナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が、活性炭、黒鉛、ハードカーボン、スズ、スズ化合物、チタン酸リチウム、シリコン微粒子、及びシリコン酸化物からなる群より選択される1以上の材料である
ことを特徴とする上記(18)〜(21)のいずれかに記載のキャパシタ。
その構成比は限定されるものではないが、導電助剤に関しては穀物の籾殻炭100質量部に対して導電助剤が0.5質量部〜15質量部の比で含まれていることが好ましい。また、三次元構造の集電体であるから、例えばアルミニウム箔のような二次元構造の集電体と異なり、結着剤をそれほどの量を必要としないが、それでも耐有機電解液性、耐酸化性に優れたフッ素系樹脂を用いることは好ましい。ポリフッ化ビニリデン(PVdF)のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液がより適している。結着剤(樹脂分)の添加量としては、カーボン粉末100質量部に対して0.5質量部〜15質量部程度が好ましい。
[穀物殻炭]
穀物殻炭は公知の方法により製造されたものを粉砕して用いることができる。例えば、容器内に穀物殻を投入し、容器底部から加熱して穀物殻を着火し、その後加熱を止め、容器内の空気を対流させずに1週間程度放置して、穀物殻を炭化して得られた穀物殻炭を用いることができる。この方法では、穀物殻の量を容器内の空気中の酸素量に応じて投入することで、酸化が灰化段階へ達することを抑えている。得られた穀物殻炭を粉砕し、穀物殻炭の平均粒径が1μm〜20μmになるよう調整する。なお、本発明に係るキャパシタに用いる穀物殻炭は、賦活処理を施していないため、穀物殻炭の粉末中(カーボン粉末中)に10質量%〜60質量%の酸化珪素(シリカ成分)が含有されている。
発泡ウレタン樹脂やポリオレフィン不織布等の三次元網状構造を有する樹脂多孔体に導電処置、電解めっき処理及びクロム層の形成を順次施すことによって、本発明のキャパシタに用いる三次元構造を有する金属多孔体(集電体)を作製することができる。
以下、この方法について説明する。まず、多孔度が、例えば80%〜97%程度、多孔体の平均孔径が、例えば20μm〜200μm程度、厚さが、300μm〜1600μm程度の樹脂多孔体を準備する。
本発明のキャパシタに使用する電極は、上記三次元構造の集電体に穀物殻炭を主とする分極性電極材料を充填することにより得られる。穀物殻炭を主とする分極性電極材料は、その他に必要に応じて導電助剤及びやバインダを含む。この場合、穀物殻炭の含有量は60質量%以上が好ましい。用いる穀物殻炭の粒径は限定的でないが、20μm以下であることが好ましい。この範囲とすることにより、キャパシタの内部抵抗を小さくして、出力特性を大きくすることができる。
必要に応じて用いられる導電助剤は、種類に特に制限はなく、汎用の材料が使用できる。例えば、ケッチェンブラックが最適であり、他にアセチレンブラック等のカーボンブラック、炭素繊維、天然黒鉛(鱗片状黒鉛、土状黒鉛等)、人造黒鉛、酸化ルテニウム等が挙げられる。これらのうち炭素繊維も好ましい。これら導電助剤の含量は限定的でないが、カーボン粉末100質量部に対して0.5質量部〜15質量部程度が好ましい。あまり多くすると穀物殻炭の比率が下がり静電容量が低下する。
バインダの含有量についても特に制限はないが、カーボン粉末100質量部に対して好ましくは0.5質量部〜15質量部程度である。この範囲にすると電気抵抗の増加及び静電容量の低下を抑制しつつ、結着性の向上が可能になる。スラリーにするためには粘度の向上が必要であり、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)の場合は溶媒のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)がその役割を果たすが、フッ素樹脂(例えばPTFEディスバージョン)等では、公知のカルボキシメチルセルロース水溶液等を用いる。
上記の本発明に係るキャパシタは、リチウム塩を含む電解液を用いることによりリチウムイオンキャパシタとすることができる。すなわち、本発明に係るキャパシタは、少なくとも、正極と、負極と、リチウム塩を含む非水電解液と、を備えるキャパシタであって、正極が前述のカーボン粉末を含む電極であり、負極が三次元網状構造を有する金属多孔体にリチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなるリチウムイオンキャパシタであることを特徴とする。
つまり、これらの材料及びその化合物は、充放電を繰返すことによる材料の体積増加あるいは微粉化が避けられず、これが上記問題点の主な原因である。その改良のために炭素材料との混合や、耐電解液性、耐酸化性に優れた三次元構造の金属多孔体を集電体とする方法の提案があり、材料あるいはその化合物の使用が可能になった。しかし、さらに、高エネルギー密度や長寿命化、材料の資源性に関してのリチウムイオンキャパシタへの期待がある。
本発明のキャパシタは、負極と正極の容量比(N/P値)の値を従来よりも大幅に大きくすることができる。具体的にはN/P値の好ましい値として、50〜400を選ぶことができる。N/P値のより好ましい値は55〜200であり、更に好ましくは60〜160である。これにより、キャパシタでありながらリチウム系二次電池に近いエネルギー密度を持ちつつ、高出力、長寿命化が可能なキャパシタとすることができ、また、資源としてもコバルト、希土類など貴金属や稀金属を用いる必要がないという長所を有する。
三次元構造を有する金属多孔体としては前述の三次元網状構造を有するものを好ましく使用することができる。すなわち、活物質の充填性や多孔度の点で、発泡状ニッケル、不織布状ニッケルのように、発泡ウレタンや不織布を基材としたものを好ましく用いることができる。三次元構造体としては、その他にも、金属板に多数の小孔をあけたものや、金属板に凹凸を設けて擬似的に3次元構造としたもの、焼結体や連通気孔を有する構造体などもあるが、発泡ウレタンや不織布を基材として得られた三次元網状構造の金属多孔体が最適である。
なお、以下では、ナトリウムイオンキャパシタの場合も含めて、金属多孔体として三次元網状構造を有する多孔体を使用した例について説明するが、その他の三次元構造体のものも同様にして使用することができる。
負極についても、導電剤としては、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック等)の他に、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛なども使用可能である。しかし、導電性などの観点からケッチェンブラックが最も好ましい。導電助剤の添加量は、質量比で0.1〜10部程度が好ましい。
このような従来にない大きなN/P比を達成するためには、正極用集電体として金属箔や二次元構造の集電体ではなく三次元網状構造の金属多孔体を用いることが必要で、三次元網状構造の金属多孔体としては前述の通り、耐酸化性、耐電解液性の観点からニッケルクロム合金が最適である。また負極用集電体としては、その他に三次元網状構造のニッケル多孔体も使用可能である。
一方、負極に用いるリチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる容量800mAh/g以上の材料としては、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、これらの元素の酸化物、これらの元素とリチウムとの合金などが挙げられる。
なお、セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、ガラス繊維等の公知の多孔体を用いることができる。セパレータの平均孔径は特に限定されないが、孔径0.01μm〜5μm程度、多孔度30〜70%、厚さは10μm〜100μmが採用できる。
上記の本発明に係るキャパシタは、ナトリウム塩を含む電解液を用いることによりナトリウムイオンキャパシタとすることができる。すなわち、本発明に係るキャパシタは、少なくとも、正極と、負極と、ナトリウム塩を含む非水電解液と、を備えるキャパシタであって、正極が前述のカーボン粉末を含む電極であり、負極が三次元網状構造を有する金属多孔体にナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなることを特徴とする。
一般に、汎用のリチウムイオン電池には正極にリチウム金属酸化物、負極に黒鉛が使用され、負極には活性炭の他に、ケイ素、スズなどの材料あるいは酸化物がそれぞれ使われている。また、非水系キャパシタには、両極に活性炭が使われており、リチウムイオンキャパシタには正極に活性炭、負極に黒鉛などが用いられている。そして、これらはいずれも集電体としてアルミニウム箔、銅箔などが使われている。
かかる耐電解液性の金属多孔体を正極用集電体として用いることにより、イオン半径が大きいナトリウムイオンの電気化学的反応の促進が大きく改良される。そして、リチウムイオン系キャパシタとそれほど遜色のないナトリウムイオン系のキャパシタが得られる。
また、負極用集電体に充填する、ナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料としては、活性炭、黒鉛、ハードカーボン、スズ、スズ化合物、チタン酸リチウム、シリコン微粒子、及びシリコン酸化物からなる群より選択される1以上の材料であることが好ましい。これらの中でもハードカーボンを使用することが特に好ましい。
また、負極に用いる作用物質(活物質)としては、上記の他にも、ナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる、ケイ素(Si)、スズ(Sn)などとこれらの酸化物やナトリウムとの合金系材料があげられる。
導電助剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛などを使用可能である。しかし、導電性などの観点からケッチェンブラックが最も好ましい。導電助剤の添加量は、ハードカーボンを質量比で85に対して、0.1〜10程度が好ましい。
バインダの添加量は、材料にもよるが、ハードカーボンを質量比で85に対して、0.5〜15程度が好ましい。これ以下であると活物質の保持性に劣り、これ以上では、容量が小さくなるとともに電気抵抗も大きくなる。
ナトリウムイオン系キャパシタには、公知のようにリード端子を設け、板状、ボタン型、角型、円筒型などの形状することが好ましい。
その方法として、ナトリウム金属粉末と負極用の電極材料(作用物質)をあらかじめ混合しておく、又は電極を製造後にナトリウム金属箔と接触させるなどがある。後者は一種の短絡法ともいえる。
なお、セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンレテフタラート、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、ガラス繊維などの公知の多孔体を用いることができる。セパレータの平均孔径は特に限定されないが、孔径0.01μm〜4μm程度、多孔度35〜70%、厚さは10μm〜100μmが採用できる。
[負極の作製]
(集電体)
三次元網状構造の金属多孔体の集電体としては、発泡状ニッケルにクロムを含む浸透材を充填して還元雰囲気で加熱する粉末パック法を用いてクロマイジング処理をして作製された発泡状ニッケルクロム合金集電体を用いた。
発泡状ニッケルは、ウレタンシート(平均孔径90μm、厚さ1.4mm、多孔度96%の市販品)に導電処理後、350g/m2のニッケルめっきが施され、ウレタンを除去後に還元性で加熱して作製されたものである。
これを多孔度96%、孔径100〜400μmで、予め250、500、1000、1300μmに厚さを調節し、金型で直径11mm円状に打抜いた発泡状ニッケルクロムを集電体とした。
負極活物質として酸化物形材料である酸化ケイ素SiО(計算容量密度1500mAh/g)を用いた。市販の平均粒径約5μmのSiOを質量比で80に対して、導電剤としてケッチェンブラック(KB)5、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)15、溶媒N−メチル−2−ピロリドン(NMP)100を混合機で攪拌しながらバインダを溶媒に溶解してスラリーを得た。
前記で得た集電体に前記スラリーを圧入することによって充填し、乾燥、加圧して負極A1〜負極A4を得た。負極A1〜A4はそれぞれ20枚ずつ作製した。
上記で得た負極A1〜A4のそれぞれに、直径13mm、厚さ100μmのリチウム箔を接触させて50℃中で1夜放置した。この操作により、各負極に圧着したリチウムがイオン化して各負極の酸化ケイ素に吸蔵される。
リチウムドープ後の負極電位はリチウム基準で0.05V以下であった。
(集電体)
正極の集電体として、負極に用いたと同じ発泡状ニッケルクロム多孔体を用いた。
正極では、発泡状ニッケルクロム多孔体を厚さ500、780、1300μmに調節し、負極と同様に金型で直径11mm円状に打抜いて正極用の集電体とした。
シリカ成分を49質量%含有する米の籾殻炭粉末(比表面積770m2/g、平均粒径約8μm)100質量部に、導電助剤としてケッチェンブラック11質量部、バインダとしてポリフッ化ビニリデン粉末8質量部、溶媒としてN−メチルピロリドン55質量部を添加し、混合機で攪拌することにより、籾殻炭ペーストを調製した。
籾殻炭ペーストを上記正極用集電体に、籾殻炭の含量が8mg/cm2となるように充填した。実際の充填量は8mg/cm2であった。次に、乾燥機で100℃、1時間乾燥させて溶媒を除去した後、直径500ミリのローラープレス機(スリット:50μm)で加圧して正極A1〜A3を得た。加圧後の厚さは170μmであった。正極A1〜A3はそれぞれ20枚ずつ作製した。
上記で得た直径11mmの円状の各正極及び各負極を用い、両電極の間にポリプロピレン製のセパレータ(厚さ25μm)を挟んで対向させてセルを構成し、R2032サイズのコインセルケースに収納し、体積比1:1のエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)に1mol/lのLiPF6を溶解した電解液を用いて電極及びセパレータに含浸した。さらに、プロピレン製の絶縁ガスケットを介してケース蓋を締めて封口して、コイン形のリチウムイオンキャパシタを作製した。
また、表1には比較として銅箔を集電体とした負極A5、A6についても示した。表2には比較としてアルミニウム箔にカーボン粉末スラリーを用いて作製した正極A4についても示した。
上記各負極及び各正極を用いて作製したリチウムイオンキャパシタのN/P値を表3に示した。表3に示すN/P値は、それぞれ同一の構成のキャパシタ3つの平均値である。
負極活物質であるSiOの容量を1500mAh/g、正極活物質であるカーボン粉末の容量を15mAh/gとし、それぞれの電極に含有されているSiOおよびカーボン粉末の質量をかけたものをそれぞれの電極の容量とした。このようにして求めた負極の電極容量を正極の電極容量で割った値をN/P比とした。N/P比は集電体に充填する活物質の量を変化させることで調節した。
一方、正極A4と負極A5を組み合わせたリチウムイオンキャパシタD(N/P値:44)及び正極A4と負極A6を組み合わせたリチウムイオンキャパシタE(N/P値:18)の放電試験を行ったところ、4Vから2Vにかけて放電曲線が屈曲しており、リチウムイオンキャパシタDおよびEはキャパシタとして正常に機能していないことが分かった。
[金属多孔体(集電体)の作製]
本実施例では、三次元網状構造を有する金属集電体として、三次元網状構造のニッケル多孔体の表面にクロム層を形成したものを使用した。
具体的には、発泡状ニッケル多孔体の表面にクロムを添加し加熱してニッケルクロム合金層を形成した三次元網状構造の金属多孔体を製造した。すなわち発泡状ニッケルにクロマイジング処理をして、作製された発泡状ニッケルクロム合金多孔体を用いた。
そして、発泡状ニッケル(三次元網状構造を有するニッケル多孔体)をクロマイジング処理することにより、ニッケルをニッケル−クロム合金とした。つまり、クロム粉末とハロゲン化物、アルミナを混合した浸透材を基材に充填して還元雰囲気で過熱する粉末パック法を用いたもので、発泡状ニッケルに浸透材(クロム:90%、NH4Cl:1%、Al2O3:9%)を充填し、水素ガス雰囲気中で800℃に加熱して作製した。
このようにして作製した金属多孔体におけるクロムの含有量は30質量%であり、厚さは1.4mmであった。
作用物質(活物質)材料としてハードカーボン(計算容量密度200mAh/g)を用いた。
市販の平均粒径約10μmのハードカーボンを質量比で85に対して、導電剤としてケッチェンブラック(KB)を3、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を12、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を100、を混合機で攪拌しながらバインダを溶媒に溶解して負極用スラリーを得た。
続いて、上記で作製した、約1250μm、多孔度96%、孔径100〜400μmの金属多孔体を、あらかじめ表4に示す厚さに調節し、金型で直径11mm円状に打抜いた。
そしてこの発泡状ニッケルクロム多孔体を負極用集電体とし、上記負極用スラリーを下記表4に示す充填量で充填し、乾燥、加圧して負極B1、負極B2及び負極B3を得た。負極へのナトリウムのドープは電解により行った。
また、比較として銅箔を使用して、下記表4の条件により負極B4及び負極B5を作製した。
正極には、上記で作製した発泡状ニッケルクロム多孔体(負極B1及びB2に用いたと同じもの)を正極用集電体として用いた。正極では、発泡状ニッケルクロム多孔体を厚さ780μmに調節し、負極と同様に金型で直径11mm円状に打抜いて正極用集電体とした。そして、これにカーボン粉末(計算容量密度15mAh/g)を充填した。
カーボン粉末としては、シリカ成分を49質量%含有する米の籾殻炭粉末(比表面積770m2/g、平均粒径約8μm)を用いた。
また、活物質の質量比80に対して、導電剤としてKBを5、バインダとしてPVdFを15、溶媒としてNMPを300、を混合機で攪拌しながらバインダを溶媒に溶解して正極用スラリーを得た。
そして、正極用スラリーを前記正極用集電体に下記表5に示す充填量で充填し、乾燥、加圧して正極B1及び正極B2を得た。
また、比較としてアルミニウム箔を使用して、下記表5の条件により正極B3及び正極B4を作製した。
上記で得られた正極B1及び負極B1の間にガラス製のセパレータを挟んで対向させてセルを構成し、R2032サイズのコイン形のセルケースに収納し、1mol/lのNaPF6を溶解した、体積比1:1のエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)に溶解した電解液を用いて電極及びセパレータに含浸した。
さらに、プロピレン製の絶縁ガスケットを介してケース蓋を締めて封口して、コイン形のナトリウムイオンキャパシタAを作製した。同様に、前記負極B1〜負極B3、及び正極B1〜正極B2を用いて表6に示すナトリウムイオンキャパシタB〜Fを作製した。
また、比較として、前記負極B4及び正極B3を用いてナトリウムイオンキャパシタGを、負極B5及び正極B4を用いてナトリウムイオンキャパシタHを作製した。
それぞれのナトリウムイオンキャパシタのN/P値を表6に示す。
なお、N/Pは前記リチウムイオンキャパシタの場合と同様にして求めた。すなわち、負極活物質であるハードカーボンの容量を200mAh/g、正極活物質であるカーボン粉末の容量を15mAh/gとし、それぞれの電極に含有されているハードカーボンおよびカーボン粉末の質量をかけたものをそれぞれの電極の容量とした。このようにして求めた負極の電極容量を正極の電極容量で割った値をN/P比とした。N/P比は集電体に充填する活物質の量を変化させることで調節した。
Claims (22)
- 穀物の殻から得られたシリカ成分を含有するカーボン粉末を、耐酸化性を有する三次元構造を有する金属多孔体に充填して得られる電極を有し、
電解液として、リチウム塩又はナトリウム塩を含む非水電解液を有することを特徴とするキャパシタ。 - 前記カーボン粉末中に10質量%〜60質量%のシリカ成分が含有されていることを特徴とする請求項1に記載のキャパシタ。
- 前記カーボン粉末は、空気を遮断して米の籾殻を加熱することにより製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャパシタ。
- 前記カーボン粉末には、導電助剤が混合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキャパシタ。
- 前記導電助剤は、前記カーボン粉末100質量部に対して、0.5〜15質量部の質量比で含有されていることを特徴とする請求項4に記載のキャパシタ。
- 前記カーボン粉末には、結着剤が混合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のキャパシタ。
- 前記金属多孔体は、少なくともクロムを20質量%含む、ニッケルを主体とした三次元構造を有する金属多孔体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のキャパシタ。
- 前記金属多孔体の多孔度は、80%〜97%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のキャパシタ。
- 前記ニッケル多孔体のニッケル目付量は、150g/m2〜500g/m2であることを特徴とする請求項7又は8に記載のキャパシタ。
- 前記金属多孔体におけるクロムの量がニッケルとクロムの総量に対して25〜50質量%であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のキャパシタ。
- 前記電極を正極としたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のキャパシタ。
- 電解液としてリチウム塩を含む非水電解液を備えたリチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項11に記載のキャパシタ。
- 負極が三次元構造を有する金属多孔体にリチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなることを特徴とする請求項12に記載のキャパシタ。
- リチウムイオンキャパシタを構成する前の前記負極の活物質にリチウムが担持されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のキャパシタ。
- 前記リチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、これらの元素の酸化物及びこれらの元素とリチウムとの合金よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載のキャパシタ。
- 前記リチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が酸化ケイ素(SiO)であることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載のキャパシタ。
- 負極電位がリチウム基準で0.05V以下であることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載のキャパシタ。
- 電解液としてナトリウム塩を含む非水電解液を備えたナトリウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項11に記載のキャパシタ。
- 負極が三次元構造を有する金属多孔体にナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなる電極であることを特徴とする請求項18に記載のキャパシタ。
- ナトリウムイオンキャパシタを構成する前の前記負極の活物質にナトリウムが担持されていることを特徴とする請求項18又は19に記載のキャパシタ。
- 前記負極の金属多孔体が、ニッケルを主体とした三次元構造を有する金属多孔体である
ことを特徴とする請求項18〜20のいずれかに記載のキャパシタ。 - 前記金属多孔体に充填されているナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が、活性炭、黒鉛、ハードカーボン、スズ、スズ化合物、チタン酸ナトリウム、シリコン微粒子、及びシリコン酸化物からなる群より選択される1以上の材料である
ことを特徴とする請求項18〜21のいずれかに記載のキャパシタ。
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