JP2013165161A - キャパシタ - Google Patents

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健太郎 倉谷
Tetsuo Sakai
哲男 境
Tsutomu Iwaki
勉 岩城
Nobuhiko Takeichi
信彦 竹市
Kazuki Okuno
一樹 奥野
Masahiro Kato
真博 加藤
Masatoshi Mashima
正利 真嶋
Tomoyuki Awazu
知之 粟津
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Abstract

【課題】カーボンの材料として、一部が利用されているとはいえ、その大部分を廃棄、焼却を必要とする穀物殻を有効利用して、従来から資源が問題であり、活性化も複雑な工程で得られる各種活性炭を用いた場合と同等かそれ以上の静電容量値、高出力特性、耐久性等のキャパシタ特性を得ることができるキャパシタを提供する。
【解決手段】穀物の殻から得られたシリカ成分を含有するカーボン粉末を耐酸化性を有する三次元網状構造を有する金属多孔体に充填して得られる電極を有し、電解液として、リチウム塩又はナトリウム塩を含む非水電解液を有することを特徴とするキャパシタ。
【選択図】なし

Description

本発明は、キャパシタに関し、さらに詳しくは、穀物殻から得られたカーボンを用いた三次元構造を有する金属多孔体を電極に用いたキャパシタに関する。
キャパシタは良く知られているように各種の電気機器等に広く用いられている。多くの種類があるキャパシタの中でも電気二重層キャパシタは容量が大きく、近年とくに注目を集めている。古くから、キャパシタはメモリーバックアップ用として幅広く使用されているが、この分野においても電気二重層キャパシタの占める割合は飛躍的に増している。さらに燃料利用率の向上と環境へのやさしさの観点から、ハイブリッド車や電気自動車等に活用され、今後の需要拡大が期待されている。
この電気二重層キャパシタの特性に最も大きな影響を与える分極性電極の集電体として、アルミニウム箔が主である金属箔、他にパンチングメタル、スクリーン、エキスバンドメタル等種々のものが提案されている(例えば、特許文献1及び2)。これらにカーボン粉末を塗着することによって分極性電極が製造されている。なお、集電体の構成材料としてはアルミニウム、ステンレス等があげられている。
これらの集電体は二次元構造であり、容量密度を高めるために厚い電極を作製すると集電体とカーボンとの距離が長くなるため、集電体から離れたところは電気抵抗が高くなる。したがって、これを解決するために最近では、機械加工して凹凸を設けた箔や、発泡ウレタン樹脂にめっきした後、ウレタンを焼却除去した発泡状多孔体、或いは、不織布にめっきした多孔体等の三次元構造の集電体が提案されている(例えば、特許文献3)。
また、キャパシタの形状としては一般の電池と同様であり、ボタン型、円筒型、角型等が採用されている。ボタン型では、カーボン電極層を集電体上に設けた分極性電極を一対として、その電極間にセパレータを配置してキャパシタ素子を構成し、電解質とともに金属ケース内に収納し、封口板と両者を絶縁するガスケットで密封する構成が採用されている。円筒型は、一対の分極性電極とセパレータを重ね、捲回して電気二重層キャパシタ素子を構成し、この素子に電解液を含浸させて円筒構造のケース中に収納、封口材で密封した構造である。角型の基本構造はボタン型と同じように分極性電極を重ねる構造もあるが、円筒型のように分極性電極群を捲回して、押しつぶす形で角型にする方法も採られている。
集電体とともにキャパシタの特性を左右するのは用いるカーボンである。カーボンとしては、各種手段で賦活して用いられる。一般的なカーボンの材料としては、木材パルプ、のこぎり屑、ヤシ殻、綿実殻、もみ殻等のセルロース系、粟、稗、とうもろこし等の穀物澱粉質、リグニン、竹等の植物、それに石炭やタール、石油ピッチ等の鉱物、その他にフェノール樹脂、ポリアクリロニトリル等合成樹脂等があげられる。
これら材料を非酸化性雰囲気下で加熱して炭素化する。炭素化物の活性度を向上させるために、炭素化物を水蒸気、少量の酸素、化学薬品等により賦活する。薬品としては、塩化亜鉛、塩化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、燐酸、硫化カリウム等がある。薬品による賦活は、これらを炭素化物と混合し、非酸化性雰囲気ガス中で500〜700℃程度の温度で加熱することで行われる。通常、処理前に比べて比表面積が飛躍的に大きくなり、活性度の高いカーボンが得られることは古くから知られている(例えば、特許文献4)。
これらのカーボン材料のうち穀物殻、特に米の籾殻は、我が国内だけでも年間約200万トン以上廃棄されている精米の副産物である。籾殻の有効利用として、これを籾殻燻炭にして土壌改良材や保温部材等に一部用いられている。この籾殻燻炭を得る方法として、煙突を上部に備えたドラム缶内に籾殻を入れ、ドラム缶の下部から火や燃焼炭等により加熱を行って籾殻を着火させている。なお、特許文献5では、これを改良するため耐熱、保熱性部材製の籾殻供給用の開口部を備えた有底筒状容器に入れられた籾殻を電気的に着火させ、着火後加熱を停止し、容器内に空気の対流を生じさせないような方法が考案されている。
特開平11−274012号公報 特開平11−150042号公報 特開2009−200065号公報 特開2006−062954号公報 特開平05−017778号公報
米や小麦等の穀物は、我が国をはじめ世界各国で生産されており、それに伴い、海外を含めると前記よりもさらに莫大な量の穀物殻が発生する。その有効利用が確立されれば、国際的な資源の活用と環境への悪影響の排除が可能になる。すでに籾殻等の穀物殻を燻炭化して土壌改良材等に活用されているが、その他にも有効利用が出来れば、焼却の必要もなく、環境にもやさしい。
その一つとしてキャパシタへの分極材料としての試みがある。しかし、穀物殻には、炭化後に多量の酸化珪素(シリカ成分)が含まれていることも原因となり、汎用の賦活した活性炭に比べてキャパシタ特性に問題があった。
そこで、本発明は、カーボンの材料として、一部が利用されているとはいえ、その大部分を廃棄、焼却を必要とする穀物殻を有効利用して、従来から資源が問題であり、活性化も複雑な工程で得られる各種活性炭を用いた場合と同等かそれ以上の静電容量値、高出力特性、耐久性等の特性を備えたキャパシタを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、豆、麦、米等の穀物殻、とくに米穀の籾殻から得られたカーボンを耐酸化性に優れた三次元構造の金属多孔体に充填することにより得られるキャパシタの特性が、従来から用いられている活性炭と同等かそれ以上の特性とくに出力特性を発揮することを見出したものである。本発明は以下の構成を有する。
(1)穀物の殻から得られたシリカ成分を含有するカーボン粉末を、耐酸化性を有する三次元構造を有する金属多孔体に充填して得られる電極を有し、
電解液として、リチウム塩又はナトリウム塩を含む非水電解液を有することを特徴とするキャパシタ。
(2)前記カーボン粉末中に10質量%〜60質量%のシリカ成分が含有されていることを特徴とする上記(1)に記載のキャパシタ。
(3)前記カーボン粉末は、空気を遮断して米の籾殻を加熱することにより製造されることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のキャパシタ。
(4)前記カーボン粉末には、導電助剤が混合されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のキャパシタ。
(5)前記導電助剤は、前記カーボン粉末100質量部に対して、0.5〜15質量部の質量比で含有されていることを特徴とする上記(4)に記載のキャパシタ。
(6)前記カーボン粉末には、結着剤が混合されていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のキャパシタ。
(7)前記金属多孔体は、少なくともクロムを20質量%含む、ニッケルを主体とした三次元構造を有する金属多孔体であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のキャパシタ。
(8)前記金属多孔体の多孔度は、80%〜97%であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のキャパシタ。
(9)前記ニッケル多孔体のニッケル目付量は、150g/m2〜500g/m2であることを特徴とする上記(7)又は(8)に記載のキャパシタ。
(10)前記金属多孔体におけるクロムの量がニッケルとクロムの総量に対して25〜50質量%であることを特徴とする上記(7)〜(9)のいずれかに記載のキャパシタ。
(11)前記電極を正極としたことを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載のキャパシタ。
(12)電解液としてリチウム塩を含む非水電解液を備えたリチウムイオンキャパシタであることを特徴とする上記(11)に記載のキャパシタ。
(13)負極が三次元構造を有する金属多孔体にリチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなることを特徴とする上記(12)に記載のキャパシタ。
(14)リチウムイオンキャパシタを構成する前の前記負極の活物質にリチウムが担持されていることを特徴とする上記(12)又は(13)に記載のキャパシタ。
(15)前記リチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、これらの元素の酸化物及びこれらの元素とリチウムとの合金よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(12)〜(14)のいずれかに記載のキャパシタ。
(16)前記リチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が酸化ケイ素(SiО)であることを特徴とする上記(12)〜(15)のいずれかに記載のキャパシタ。
(17)負極電位がリチウム基準で0.05V以下であることを特徴とする上記(12)〜(16)のいずれかに記載のキャパシタ。
(18)電解液としてナトリウム塩を含む非水電解液を備えたナトリウムイオンキャパシタであることを特徴とする上記(11)に記載のキャパシタ。
(19)負極が三次元構造を有する金属多孔体にナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなる電極であることを特徴とする上記(18)に記載のキャパシタ。
(20)ナトリウムイオンキャパシタを構成する前の前記負極の活物質にナトリウムが担持されていることを特徴とする上記(18)又は(19)に記載のキャパシタ。
(21)前記負極の金属多孔体が、ニッケルを主体とした三次元構造を有する金属多孔体である
ことを特徴とする上記(18)〜(20)のいずれかに記載のキャパシタ。
(22)前記金属多孔体に充填されているナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が、活性炭、黒鉛、ハードカーボン、スズ、スズ化合物、チタン酸リチウム、シリコン微粒子、及びシリコン酸化物からなる群より選択される1以上の材料である
ことを特徴とする上記(18)〜(21)のいずれかに記載のキャパシタ。
本発明によれば、カーボンの材料として、一部が利用されているとはいえ、その大部分を廃棄、焼却を必要とする穀物殻を有効利用して、従来から資源が問題であり、活性化も複雑な工程で得られる各種活性炭を用いた場合と同等かそれ以上の静電容量値、高出力特性、耐久性等の特性を備えたキャパシタを提供することができる。
本発明において用いられるカーボン粉末は穀物の殻から得られ、シリカ成分を含有するものであるが、穀物殻からカーボンを得る製法としては、とくに限定はない。基本的には穀物殻を、空気を遮断した環境下で加熱する方法であれば採用可能である。このようにして得られた穀物殻炭には、多量の酸化珪素(シリカ成分)が含まれているため、例えばアルミニウム製箔等の二次元構造の集電体に塗着して分極用電極にしても、複雑な工程で賦活した汎用の活性炭を用いた電極の特性よりも劣っている。そこで三次元構造の金属多孔体に充填してキャパシタ特性を評価したところ、汎用の活性炭と異なり特性が飛躍的に向上し、同等かそれ以上の特性が得られていることが見出された。
すなわち、本発明に係るキャパシタは、穀物の殻から得られたシリカ成分を含有するカーボン粉末を、三次元構造を有する耐酸化性の金属多孔体に充填して得られる電極を有し、電解液として、リチウム塩又はナトリウム塩を含む非水電解液を有することを特徴とする。
本発明のキャパシタに用いる電極は次のようにして作製することができる。まず、分極性電極の材料となる穀物殻からカーボンを得る。一般的な穀物殻を、空気を遮断した環境下で加熱することによりカーボンを得る方法を採用する。得られたカーボンを粉砕して得たカーボン粉末を、三次元構造の金属多孔体(集電体)に充填する。
本発明において電解液としては、リチウム塩又はナトリウム塩を含む非水電解液を用いる。この場合には有機溶媒が用いられ、酸化電位も水溶液電解液系より遥かに高く、耐リチウム電位が4V以上になる。このため、本発明のキャパシタの電極に用いる集電体としては、少なくともクロムを20質量%含み、ニッケルを主体とした三次元構造を有する金属多孔体が好ましい。なお、ニッケルを主体とするとは、金属多孔体が50質量%より多いニッケルを含んでいることを意味する。ニッケルを主体とした金属多孔体に少なくとも20質量%のクロムを含有させることにより、良好な耐酸化性を備える金属多孔体が得られる。
三次元構造を有する金属多孔体は多孔度が大きい方が炭素材料(カーボン粉末)も充填されやすく、後述するように三次元網状構造を有する金属多孔体を用いることが好ましい。該金属多孔体の多孔度は80%〜97%程度が好ましく、90%〜96%程度であることがより好ましい。また、金属多孔体の平均孔径は、例えば、20μm〜200μm程度、好ましくは30μm〜100μm程度である。
また、キャパシタに高出力を発揮させつつ高容量を維持するためには金属の単位あたりの質量も重要であり、前記の、少なくともクロムを20質量%含み、ニッケルを主体とした金属多孔体のニッケルの目付量は150g/m2〜500g/m2程度、好ましくは200g/m2〜450g/m2程度とすればよい。これにより好適な強度を備え、かつ、クロムと合金化した場合に良好な耐電解液性を発揮させることができる。また、クロムは50g/m2〜100g/m2程度が好ましい。
このような三次元構造を有する金属多孔体の製法の一例として、公知の発泡ウレタン樹脂やポリオレフィン不織布等の三次元網状構造を有する樹脂多孔体に導電性を付与したのちニッケル、電解ニッケルめっき処理及びクロムめっき処理を順次行なうことが挙げられる。この場合には、クロムめっきを施した後の多孔体を加熱により処理することによりニッケル多孔体中にクロムを拡散させ合金化することができる。
また、発泡状樹脂の表面にニッケル被覆層を形成した後、基材である樹脂を除去し、次いで必要に応じて還元性雰囲気中で加熱処理してニッケルを還元して発泡状ニッケルを生成し、次いでこれをクロマイジング処理等することによっても得ることができる。クロマイジング処理は、ニッケル膜にクロムを拡散浸透させる処理であり、公知の手法を採用できる。例えば、前記ニッケル多孔体(発泡状ニッケル、不織布状ニッケル等)にクロム粉末、ハロゲン化物、アルミナ粉末を混合した浸透材を充填して還元性雰囲気で加熱する粉末パック法を採用することができる。また、浸透材とニッケル多孔体を離間して配置し、還元性雰囲気中で加熱し、浸透材のガスを形成してニッケル多孔体表面のニッケルに浸透材を浸透させることもできる。
金属多孔体におけるクロムの含有量は、前記クロムめっきのめっき量やクロマイジング処理の加熱時間によって調整することができる。前記の通り、本発明においてはクロムの含有率をニッケルクロム合金(ニッケルとクロムの総量)に対して20質量%以上とすることが好ましいが、25〜50質量%とすることがより好ましく、30〜40質量%とすることが更に好ましい。クロムの含有率が20質量%未満であると耐酸化性が不足するため充分な耐電解液性が発揮されない場合がある。また、50質量%を超えると電気抵抗が増加して集電性が下がる場合がある。
ニッケルクロムは製造方法が確立しているため、アルミニウムやステンレスの多孔体に比べて安価に製造することができる。
このようなニッケル多孔体の表面にクロムを形成した金属多孔体の他にも、アルミニウムやステンレス製の三次元網状構造体例えば繊維状多孔体や発泡体も利用可能であるが、孔構造の均一性、製法の量産性、製造の容易性等を考慮すると、上述の、少なくともクロムを20質量%含み、ニッケルを主体とした三次元構造を有する金属多孔体が最も好ましい。
つぎに、これら三次元構造の金属多孔体に、穀物殻炭を主とする分極性電極材料を充填する。充填方法としては、分極性電極材料をスラリー状にして三次元構造の金属多孔体に充填する方法を採用することが最適である。増粘剤と導電助剤とくにカーボンブラック(ケッチェンブラックやアセチレンブラック等)や結着剤とくにフッ素系樹脂を混合して製造されたスラリーが好ましい。
その構成比は限定されるものではないが、導電助剤に関しては穀物の籾殻炭100質量部に対して導電助剤が0.5質量部〜15質量部の比で含まれていることが好ましい。また、三次元構造の集電体であるから、例えばアルミニウム箔のような二次元構造の集電体と異なり、結着剤をそれほどの量を必要としないが、それでも耐有機電解液性、耐酸化性に優れたフッ素系樹脂を用いることは好ましい。ポリフッ化ビニリデン(PVdF)のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液がより適している。結着剤(樹脂分)の添加量としては、カーボン粉末100質量部に対して0.5質量部〜15質量部程度が好ましい。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
[穀物殻炭]
穀物殻炭は公知の方法により製造されたものを粉砕して用いることができる。例えば、容器内に穀物殻を投入し、容器底部から加熱して穀物殻を着火し、その後加熱を止め、容器内の空気を対流させずに1週間程度放置して、穀物殻を炭化して得られた穀物殻炭を用いることができる。この方法では、穀物殻の量を容器内の空気中の酸素量に応じて投入することで、酸化が灰化段階へ達することを抑えている。得られた穀物殻炭を粉砕し、穀物殻炭の平均粒径が1μm〜20μmになるよう調整する。なお、本発明に係るキャパシタに用いる穀物殻炭は、賦活処理を施していないため、穀物殻炭の粉末中(カーボン粉末中)に10質量%〜60質量%の酸化珪素(シリカ成分)が含有されている。
[集電体]
発泡ウレタン樹脂やポリオレフィン不織布等の三次元網状構造を有する樹脂多孔体に導電処置、電解めっき処理及びクロム層の形成を順次施すことによって、本発明のキャパシタに用いる三次元構造を有する金属多孔体(集電体)を作製することができる。
以下、この方法について説明する。まず、多孔度が、例えば80%〜97%程度、多孔体の平均孔径が、例えば20μm〜200μm程度、厚さが、300μm〜1600μm程度の樹脂多孔体を準備する。
ついで、これに導電性を付与する導電処理として、例えば、ニッケル等の導電性材料を用いたスパッタリング処理を施す。具体的には、基板ホルダーに発泡ウレタン樹脂を取り付けた後、不活性ガスを導入しながら、ホルダーとターゲット(ニッケル等の導電性材料)との間に直流電圧を印加することにより、イオン化した不活性ガスをニッケル等の導電性材料に衝突させて、吹き飛ばした導電性材料粒子を発泡状樹脂表面に堆積させる。導電性層の目付量は限定的でなく、例えば、5mg/m2〜15mg/m2程度、好ましくは、7mg/m2〜10mg/m2程度とすればよい。なお、スパッタリングの代わりに導電性材料の無電解めっき法を採用してもよい。
導電性を有する層を構成する材料として、ニッケルの他に、チタン、ステンレススチール、黒鉛粉末等を所要量塗着してもよい。これらの場合、最も簡単なのは、これら材料の微粉末に結着剤(以下、バインダとも記す)を加えて得られる混合物を、発泡状樹脂に塗着する方法である。
上記導電性層の形成のみでは、導電性や強度等の観点から好ましくないため、例えば、ニッケルの電解ニッケルめっき処理を行うことにより、導電性を高めると共に、強度の向上を図ることが好ましい。これは常法に従って行なう。この場合のめっき浴としては、公知のものを使用することができ、例えば、ワット浴、塩化浴、スルファミン酸浴等が挙げられる。
上記のスパッタリングや無電解メッキにより表面に導電性層が形成された発泡ウレタン樹脂をメッキ浴に浸し、これを陰極に、たとえば対極にニッケル板を用いて陽極とし直流或いはパルス断続電流を通電させることにより、導電性層上にニッケル被覆層を形成する。
この電解ニッケルめっき層の目付量は限定的でなく、150g/m2〜500g/m2程度、好ましくは200g/m2〜450g/m2程度とすればよい。この範囲以下では導電性と集電体の強度が問題になり、この範囲以上にすると、分極性材料の充填量の減少とコストが高くなる。
電解ニッケルめっき層を形成後、ウレタン樹脂の除去とニッケルの還元を行う。樹脂の除去は、焼却が好ましい。例えば600℃程度以上の大気等の酸化性雰囲気下で加熱する。また、水素等の還元性雰囲気中750℃程度以上で加熱してもよい。これで樹脂を除去後、還元性雰囲気下800〜900℃程度で加熱して発泡状ニッケルを得る。
その後、平均粒径が2〜15μmのクロム粉末を、カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液でペーストとし、目付け質量が例えば、50g/m2〜100g/m2になるよう付着させ、800℃還元性雰囲気中で加熱し、ニッケル層の上にクロム層を形成させる。ニッケル層とクロム層の間に両者の合金層も含まれる。この他に、クロムめっき、クロマイジング処理等によりニッケルクロム合金層、クロム層を形成してもよい。これらの方法で、少なくともクロムを20質量%含み、ニッケルを主体とした三次元構造を有する金属多孔体の集電体を得ることができる。
ニッケル上へのクロムの含有量は、ニッケルクロム合金中も含めて20質量%以上とすることが好ましく、25質量%〜50質量%がより適当である。クロムの含有量が少ないと耐酸化性に劣り、多すぎると電気抵抗が増加して集電性が低下する。
[分極性電極材料の組成と充填]
本発明のキャパシタに使用する電極は、上記三次元構造の集電体に穀物殻炭を主とする分極性電極材料を充填することにより得られる。穀物殻炭を主とする分極性電極材料は、その他に必要に応じて導電助剤及びやバインダを含む。この場合、穀物殻炭の含有量は60質量%以上が好ましい。用いる穀物殻炭の粒径は限定的でないが、20μm以下であることが好ましい。この範囲とすることにより、キャパシタの内部抵抗を小さくして、出力特性を大きくすることができる。
必要に応じて用いられる導電助剤は、種類に特に制限はなく、汎用の材料が使用できる。例えば、ケッチェンブラックが最適であり、他にアセチレンブラック等のカーボンブラック、炭素繊維、天然黒鉛(鱗片状黒鉛、土状黒鉛等)、人造黒鉛、酸化ルテニウム等が挙げられる。これらのうち炭素繊維も好ましい。これら導電助剤の含量は限定的でないが、カーボン粉末100質量部に対して0.5質量部〜15質量部程度が好ましい。あまり多くすると穀物殻炭の比率が下がり静電容量が低下する。
三次元網状構造の金属多孔体(集電体)と分極性電極との結着力、分極性電極粉末間の結着力向上のためにバインダを用いることが好ましい。その種類には特に制限はなく、汎用の材料が使用できる。耐酸化性の観点から、フッ素系樹脂が好ましい。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンが代表的である。ポリオレフィンも比較的優れている。その他のポリビニルピロリドン、ポリビニルクロリド、スチレンブタジエンゴム、ポリビニルアルコール等があるが、耐酸化性に問題がある。
バインダの含有量についても特に制限はないが、カーボン粉末100質量部に対して好ましくは0.5質量部〜15質量部程度である。この範囲にすると電気抵抗の増加及び静電容量の低下を抑制しつつ、結着性の向上が可能になる。スラリーにするためには粘度の向上が必要であり、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)の場合は溶媒のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)がその役割を果たすが、フッ素樹脂(例えばPTFEディスバージョン)等では、公知のカルボキシメチルセルロース水溶液等を用いる。
集電体に穀物殻炭スラリーを充填する場合の充填量(含有量)は特に制限されず、基本的には集電体を厚くすれば高容量、薄くすれば高出力になる。その他キャパシタの形状等に応じて決定すればよいが、例えば、充填量は、13〜40mg/cm2程度、好ましく16〜32mg/cm2程度がよい。
穀物殻炭を本発明の集電体に充填する方法としては、例えば、穀物殻炭ペーストを圧入法等の公知の方法等を使用すればよい。圧入法としては、例えば、穀物殻炭ペースト中に集電体を浸漬し、必要に応じて減圧する方法、穀物殻炭ペーストを集電体の一方面からポンプ等で加圧しながら充填する方法等があげられる。
穀物殻炭ペーストは、穀物殻炭及び溶媒を含有していればよく、その配合割合は限定的でない。溶媒としては限定的でなく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、水等が挙げられる。特に、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いる場合は溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いればよく、バインダとしてポリテトラフルオロエチレンディスバージョン等を用いる場合は溶蝶として水を用いればよい。また、必要に応じて、上記電導助剤、バインダ等の添加剤を含有していてもよい。
本発明の電極は、穀物殻炭ペーストを充填した後、必要に応じて乾燥処理を施すことにより、ペースト中の溶媒が除去されてもよい。さらに必要に応じて、穀物殻炭ペーストを充填した後、ローラプレス機等により加圧することにより、圧縮成形されていてもよい。圧縮前後の厚さは限定的でないが、圧縮前の厚さは通常300μm〜1500μm、好ましくは400μm〜1200μmとすればよく、圧縮成形後の厚みは通常100μm〜700μm程度、好ましくは150μm〜600μm程度とすればよい。また、電極には、リード端子が具備されていてもよい。リード端子は、溶接を行ったり、接着剤を塗布したりすることにより、取り付ければよい。
[リチウムイオンキャパシタ]
上記の本発明に係るキャパシタは、リチウム塩を含む電解液を用いることによりリチウムイオンキャパシタとすることができる。すなわち、本発明に係るキャパシタは、少なくとも、正極と、負極と、リチウム塩を含む非水電解液と、を備えるキャパシタであって、正極が前述のカーボン粉末を含む電極であり、負極が三次元網状構造を有する金属多孔体にリチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなるリチウムイオンキャパシタであることを特徴とする。
負極の材料として、キャパシタには活性炭が、リチウムイオン電池には黒鉛材料などの炭素系材料が広く使われている。一方、黒鉛の理論容量(372mAh/g)をはるかに超えるリチウム吸蔵能を持つ材料及びその化合物としてケイ素、スズ、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、インジウムなどとリチウムの合金系材料あるいはケイ素、スズ、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、インジウムなどの酸化物系材料がかなり以前から注目されてきており、一部実用化されている。
特にケイ素系酸化物は質量あたりのリチウム吸蔵能は高く、電池の高エネルギー密度化において有望な材料とされている。しかし、初期効率が低いこと、リチウム吸蔵時に体積変化が炭素系材料よりも大きいので、作製した電池のエネルギー密度は、活性炭や黒鉛系材料を負極に用いたリチウム系キャパシタやリチウム系二次電池と比べて、エネルギー密度向上の効果は少なく、充放電特性の点で劣るという問題点があった。
つまり、これらの材料及びその化合物は、充放電を繰返すことによる材料の体積増加あるいは微粉化が避けられず、これが上記問題点の主な原因である。その改良のために炭素材料との混合や、耐電解液性、耐酸化性に優れた三次元構造の金属多孔体を集電体とする方法の提案があり、材料あるいはその化合物の使用が可能になった。しかし、さらに、高エネルギー密度や長寿命化、材料の資源性に関してのリチウムイオンキャパシタへの期待がある。
特に、負極に800mAh/g以上の充放電容量(以下単に「容量」ともいう)を持つ材料あるいはその化合物を用いたリチウムイオンキャパシタがリチウムイオン電池に近いエネルギー密度、出力特性、充放電サイクル特性を得ることが出来れば、キャパシタとしてさらなる用途拡大が期待できる。
本発明者らはこれらの点について更なる研究を重ねた結果、上記の本発明に係るキャパシタについて、更に、負極用集電体としての三次元網状構造の金属多孔体に、リチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料であって容量が800mAh/g以上である材料を活物質として充填してなる負極と、前述のカーボン粉末を含む電極からなる正極と、リチウム塩を含む非水電解液とを備えたキャパシタであって、その負極の充放電容量と正極の充放電容量との比(N/P値)を50〜400とすることが好ましいことを見出した。N/P値は50〜400であれば充分に効果が発揮され、400超に増やしてもその効果は小さい。また、負極電圧の安定とリチウムイオンキャパシタとしてのエネルギー密度を両立する観点から、200以下程度に抑えることがより好ましく、160以下程度とすることが更に好ましい。
本発明に係るキャパシタは、リチウム塩を含む非水電解液を用いた、エネルギー密度、出力特性、充放電サイクル特性を向上させたリチウムイオンキャパシタとすることができる。
本発明のキャパシタは、負極と正極の容量比(N/P値)の値を従来よりも大幅に大きくすることができる。具体的にはN/P値の好ましい値として、50〜400を選ぶことができる。N/P値のより好ましい値は55〜200であり、更に好ましくは60〜160である。これにより、キャパシタでありながらリチウム系二次電池に近いエネルギー密度を持ちつつ、高出力、長寿命化が可能なキャパシタとすることができ、また、資源としてもコバルト、希土類など貴金属や稀金属を用いる必要がないという長所を有する。
この本発明の特長を発揮させるために、本発明においては、正極、負極ともにその集電体として三次元構造の金属多孔体を用いる。すなわち、正極の活物質である前記カーボン粉末、及び負極の活物質であるケイ素、スズなどの材料あるいはその酸化物等を充填する集電体として、従来用いられている正極の集電体としてのアルミニウム箔、負極の集電体としての銅箔の代わりに、正極、負極ともにその集電体として三次元構造の金属多孔体を用いる。
三次元構造を有する金属多孔体としては前述の三次元網状構造を有するものを好ましく使用することができる。すなわち、活物質の充填性や多孔度の点で、発泡状ニッケル、不織布状ニッケルのように、発泡ウレタンや不織布を基材としたものを好ましく用いることができる。三次元構造体としては、その他にも、金属板に多数の小孔をあけたものや、金属板に凹凸を設けて擬似的に3次元構造としたもの、焼結体や連通気孔を有する構造体などもあるが、発泡ウレタンや不織布を基材として得られた三次元網状構造の金属多孔体が最適である。
なお、以下では、ナトリウムイオンキャパシタの場合も含めて、金属多孔体として三次元網状構造を有する多孔体を使用した例について説明するが、その他の三次元構造体のものも同様にして使用することができる。
三次元網状構造の金属多孔体への活物質の充填は、前述のように活物質等をスラリー状にし、このスラリーを圧入法などの公知の方法によって充填すればよい。他には、例えばスラリー中に集電体を浸漬し、必要に応じて減圧工程を加え、スラリーを集電体の一方面からポンプ等で加圧しながら充填するなどの方法も採用できる。
まず、正極用の活物質であるカーボン粉末は前述のように、通常導電助剤としてカーボンブラック、増粘剤、バインダを添加してスラリーとして集電体に充填する方法が最も好ましい。一方の負極として金属を箔として活物質とする提案があるが、本発明においては三次元網状構造の集電体に正極と同様に金属粉あるいは金属酸化物などとカーボンブラック、増粘剤、バインダを添加してスラリーとして集電体に充填する方法が適している。
負極についても、導電剤としては、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック等)の他に、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛なども使用可能である。しかし、導電性などの観点からケッチェンブラックが最も好ましい。導電助剤の添加量は、質量比で0.1〜10部程度が好ましい。
また、バインダとしては負極にもPVdFのNMP溶液を用いることができるが、その他にポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなども用いることができる。これらはエマルジョンや水溶液として用いることが出来ることから注目されている。バインダの添加量は、材料にもよるが、質量比で0.5〜10%程度が好ましい。0.5%未満であると活物質の保持性に劣り、10%を超えると、容量が小さくなるとともに電気抵抗も大きくなる。
正極、負極ともに、活物質スラリーを充填した後、乾燥させて有機溶媒を除くことが好ましい。その後、スラリーを充填した後、ローラープレス機等により加圧して圧縮成形することが好ましい。加圧前後の厚さには限定はないが、圧縮前の厚さは、250〜1500μm程度、加圧後の厚さは、通常100〜800μm程度とすることが好ましい。キャパシタには、リード端子が具備されていることが好ましい。キャパシタの構造としては、板状、ボタン型、角型、円筒型など、用途に応じて汎用の構造を採用すればよい。
このようにして、正極には前記のカーボン粉末を用い、負極にはリチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離でき、容量が800mAh/g以上である材料あるいはその酸化物を主とした負極活物質を充填してリチウムイオンキャパシタを構成する。ここで、このリチウムイオンキャパシタにおいて、その負極の計算容量を正極の計算容量の50〜400倍とした、リチウム塩を含む非水電解液を用いたリチウムイオンキャパシタを構成することにより、高容量、高出力、長寿命などをより良好に達成することができる。
このような従来にない大きなN/P比を達成するためには、正極用集電体として金属箔や二次元構造の集電体ではなく三次元網状構造の金属多孔体を用いることが必要で、三次元網状構造の金属多孔体としては前述の通り、耐酸化性、耐電解液性の観点からニッケルクロム合金が最適である。また負極用集電体としては、その他に三次元網状構造のニッケル多孔体も使用可能である。
また、キャパシタにおける正極活物質は、リチウムイオン電池に用いるようなリチウム含有遷移金属酸化物である必要はなく前記カーボン粉末で十分な効果が発揮される。このようにリチウムイオンキャパシタの高容量化のためには、正極の容量も大きい方が好ましく、カーボン粉末を負極同様に金属多孔体、とくに発泡状ニッケルクロム多孔体(集電体)に充填して用いることが好ましい。
正極の活物質として用いるカーボン粉末としては、前述の通り穀物の籾殻由来ものを使用することができる。
一方、負極に用いるリチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる容量800mAh/g以上の材料としては、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、これらの元素の酸化物、これらの元素とリチウムとの合金などが挙げられる。
また、リチウムイオンキャパシタを構成する前の負極活物質にリチウムが担持(ドープ)されていることが重要である。一般に負極にリチウムイオンを吸着あるいは吸蔵させることは、放電でリチウムイオンを正極に充分供給するために好ましい手段であり、セル電圧を上げることも可能になる。負極にリチウムイオンを吸着あるいは吸蔵させることは正極に三次元網状構造の集電体を用いて高容量を可能にするためにも必要な工程である。その方法としてはリチウム金属粉末と電極材料をあらかじめ混合しておく方法、電極の製造後に電極をリチウム金属箔と接触させるなどがある。後者は一種の短絡法ともいえる。
上記のリチウムイオンキャパシタは以下の方法により製造することができる。そのキャパシタの基本的な構成は従来通りであり、一対の正極、負極と、この電極間に配置された電解液が含浸されたセパレータとから成っており電槽に収納されている。
なお、セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、ガラス繊維等の公知の多孔体を用いることができる。セパレータの平均孔径は特に限定されないが、孔径0.01μm〜5μm程度、多孔度30〜70%、厚さは10μm〜100μmが採用できる。
[ナトリウムイオンキャパシタ]
上記の本発明に係るキャパシタは、ナトリウム塩を含む電解液を用いることによりナトリウムイオンキャパシタとすることができる。すなわち、本発明に係るキャパシタは、少なくとも、正極と、負極と、ナトリウム塩を含む非水電解液と、を備えるキャパシタであって、正極が前述のカーボン粉末を含む電極であり、負極が三次元網状構造を有する金属多孔体にナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなることを特徴とする。
本発明に係るキャパシタは、ナトリウム塩を含む非水電解液を用いることによりリチウムイオンキャパシタよりも低廉で資源性に優れた長所を活かしつつ、更に、従来のナトリウムイオンキャパシタにはない高エネルギー密度、高出力特性、長寿命などを発揮することができる。
一般に、汎用のリチウムイオン電池には正極にリチウム金属酸化物、負極に黒鉛が使用され、負極には活性炭の他に、ケイ素、スズなどの材料あるいは酸化物がそれぞれ使われている。また、非水系キャパシタには、両極に活性炭が使われており、リチウムイオンキャパシタには正極に活性炭、負極に黒鉛などが用いられている。そして、これらはいずれも集電体としてアルミニウム箔、銅箔などが使われている。
これに対し、本発明は、ナトリウムイオンのイオン半径が大きいことに着目し、特に正極の集電体として前述の耐電解液性の三次元網状構造を有する金属多孔体を用いることが主たる解決手段である。上記の三次元網状構造を有する耐電解液性の金属多孔体の金属としては特に制限はないが、前述のように、少なくともクロムを20質量%含み、ニッケルを主体とした三次元網状構造を有する金属多孔体が好ましい。例えば、前記金属多孔体は、三次元網状構造を有するニッケル多孔体の表面にクロム層を形成して合金化した金属多孔体であることが好ましい。
かかる耐電解液性の金属多孔体を正極用集電体として用いることにより、イオン半径が大きいナトリウムイオンの電気化学的反応の促進が大きく改良される。そして、リチウムイオン系キャパシタとそれほど遜色のないナトリウムイオン系のキャパシタが得られる。
本発明のキャパシタにおいては、耐電解液性の三次元網状構造を有する金属多孔体を正極用集電体として使用するが、当該金属多孔体は正極に限らず、正極と負極の両極に用いることもできる。なお、リチウムイオン電池と同様に負極として構成される電極には、その集電体として三次元網状構造を有するニッケル多孔体を用いてもよい。
上記正極用集電体に充填する、ナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料としては、例えば、前述のカーボン粉末を用いる。
また、負極用集電体に充填する、ナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料としては、活性炭、黒鉛、ハードカーボン、スズ、スズ化合物、チタン酸リチウム、シリコン微粒子、及びシリコン酸化物からなる群より選択される1以上の材料であることが好ましい。これらの中でもハードカーボンを使用することが特に好ましい。
正極の活物質として用いるカーボン粉末としては、前述の通り穀物の籾殻由来ものを使用することができる。
また、負極に用いる作用物質(活物質)としては、上記の他にも、ナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる、ケイ素(Si)、スズ(Sn)などとこれらの酸化物やナトリウムとの合金系材料があげられる。
前記カーボン粉末を前記金属多孔体に充填する場合、前述のように、通常導電助剤としてカーボンブラック、増粘剤、バインダを添加してスラリーとして充填することが好ましい。スラリーの形成方法、及び金属多孔体へのスラリーの充填方法は前述の通りである。
また、本発明に係るキャパシタは、正極に前記のカーボン粉末が充填され、かつ、負極にハードカーボンが充填され、負極計算容量と正極計算容量の比、すなわちN/P比は10〜100の範囲にあることが好ましく、12〜80の範囲にあることが更に好ましい。かかるキャパシタにおいては、前述のように、負極用集電体としては、三次元網状構造を有するニッケル多孔体を使用することもできる。また、正極と同様に、ニッケル多孔体の表面にクロム層を形成して合金化したものも使用することができる。
上記の負極用集電体に充填するナトリウムを吸脱着、あるいは吸蔵脱離できる材料は、導電助剤、増粘剤、バインダ、溶媒等を混合してスラリー状にして集電体に充填することができる。
導電助剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛などを使用可能である。しかし、導電性などの観点からケッチェンブラックが最も好ましい。導電助剤の添加量は、ハードカーボンを質量比で85に対して、0.1〜10程度が好ましい。
また、バインダとしては例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。これらはエマルジョンや水溶液として用いることが出来ることから注目されている。
バインダの添加量は、材料にもよるが、ハードカーボンを質量比で85に対して、0.5〜15程度が好ましい。これ以下であると活物質の保持性に劣り、これ以上では、容量が小さくなるとともに電気抵抗も大きくなる。
三次元網状構造を有する負極用集電体(金属多孔体)への作用物質(活物質)充填法としては、作用物質などをスラリー状にし、このスラリーを圧入法などの公知の方法などを使用すればよい。他には、例えば、スラリー中に集電体(金属多孔体)を浸漬し、必要に応じて減圧工程を加え、スラリーを集電体の一方面からポンプなどで加圧しながら充填するなどの方法も採用することができる。
前記正極用集電体、負極用集電体に作用物質スラリーを充填した後、ローラープレス機などにより加圧することにより、圧縮成形することが好ましい。加圧前後の電極の厚さには限定はないが、圧縮前の厚さは、250μm〜1500μm程度、加圧後の厚さは、通常100μm〜800μm程度が好ましい。
ナトリウムイオン系キャパシタには、公知のようにリード端子を設け、板状、ボタン型、角型、円筒型などの形状することが好ましい。
また、ナトリウムイオンキャパシタを構成する前の負極作用物質にナトリウムが担持(ドープ)されていることが好ましい。一般に負極にナトリウムイオンを吸着あるいは吸蔵させることは、放電でナトリウムイオンを正極に充分供給するために好ましい手段であり、セル電圧を上げることも可能になる。正極に三次元網状構造を有する集電体を用いて高容量を可能にするためにも重要な工程である。
その方法として、ナトリウム金属粉末と負極用の電極材料(作用物質)をあらかじめ混合しておく、又は電極を製造後にナトリウム金属箔と接触させるなどがある。後者は一種の短絡法ともいえる。
本発明に係るキャパシタの基本的な構成は従来通りであり、正極、負極を一対とし、この電極間に電解液が含浸されたセパレータで成立ち、電槽に収納されている。
なお、セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンレテフタラート、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、ガラス繊維などの公知の多孔体を用いることができる。セパレータの平均孔径は特に限定されないが、孔径0.01μm〜4μm程度、多孔度35〜70%、厚さは10μm〜100μmが採用できる。
以下、本発明のキャパシタとして、リチウムイオンキャパシタ及びナトリウムイオンキャパシタの実施例を示す。しかし、これらの実施例は例示であって、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の範囲によって示され、特許請求の範囲の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
<実施例1>リチウムイオンキャパシタ
[負極の作製]
(集電体)
三次元網状構造の金属多孔体の集電体としては、発泡状ニッケルにクロムを含む浸透材を充填して還元雰囲気で加熱する粉末パック法を用いてクロマイジング処理をして作製された発泡状ニッケルクロム合金集電体を用いた。
発泡状ニッケルは、ウレタンシート(平均孔径90μm、厚さ1.4mm、多孔度96%の市販品)に導電処理後、350g/m2のニッケルめっきが施され、ウレタンを除去後に還元性で加熱して作製されたものである。
クロマイジング処理は、前記発泡状ニッケルの基材に、クロム粉末とハロゲン化物、アルミナを混合した浸透材(クロム:90%、NH4Cl:1%、Al23:9%)を充填して水素ガス雰囲気中で800℃に加熱することにより行った。得られた発泡状ニッケルクロム基材のクロムの含有量は30質量%で、厚さは1.4mmであった。
これを多孔度96%、孔径100〜400μmで、予め250、500、1000、1300μmに厚さを調節し、金型で直径11mm円状に打抜いた発泡状ニッケルクロムを集電体とした。
(負極活物質)
負極活物質として酸化物形材料である酸化ケイ素SiО(計算容量密度1500mAh/g)を用いた。市販の平均粒径約5μmのSiOを質量比で80に対して、導電剤としてケッチェンブラック(KB)5、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)15、溶媒N−メチル−2−ピロリドン(NMP)100を混合機で攪拌しながらバインダを溶媒に溶解してスラリーを得た。
(集電体への負極活物質の充填)
前記で得た集電体に前記スラリーを圧入することによって充填し、乾燥、加圧して負極A1〜負極A4を得た。負極A1〜A4はそれぞれ20枚ずつ作製した。
(負極へのリチウムドープ)
上記で得た負極A1〜A4のそれぞれに、直径13mm、厚さ100μmのリチウム箔を接触させて50℃中で1夜放置した。この操作により、各負極に圧着したリチウムがイオン化して各負極の酸化ケイ素に吸蔵される。
リチウムドープ後の負極電位はリチウム基準で0.05V以下であった。
[正極の作製]
(集電体)
正極の集電体として、負極に用いたと同じ発泡状ニッケルクロム多孔体を用いた。
正極では、発泡状ニッケルクロム多孔体を厚さ500、780、1300μmに調節し、負極と同様に金型で直径11mm円状に打抜いて正極用の集電体とした。
(正極活物質)
シリカ成分を49質量%含有する米の籾殻炭粉末(比表面積770m2/g、平均粒径約8μm)100質量部に、導電助剤としてケッチェンブラック11質量部、バインダとしてポリフッ化ビニリデン粉末8質量部、溶媒としてN−メチルピロリドン55質量部を添加し、混合機で攪拌することにより、籾殻炭ペーストを調製した。
(集電体への正極活物質の充填)
籾殻炭ペーストを上記正極用集電体に、籾殻炭の含量が8mg/cm2となるように充填した。実際の充填量は8mg/cm2であった。次に、乾燥機で100℃、1時間乾燥させて溶媒を除去した後、直径500ミリのローラープレス機(スリット:50μm)で加圧して正極A1〜A3を得た。加圧後の厚さは170μmであった。正極A1〜A3はそれぞれ20枚ずつ作製した。
[キャパシタの作製]
上記で得た直径11mmの円状の各正極及び各負極を用い、両電極の間にポリプロピレン製のセパレータ(厚さ25μm)を挟んで対向させてセルを構成し、R2032サイズのコインセルケースに収納し、体積比1:1のエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)に1mol/lのLiPF6を溶解した電解液を用いて電極及びセパレータに含浸した。さらに、プロピレン製の絶縁ガスケットを介してケース蓋を締めて封口して、コイン形のリチウムイオンキャパシタを作製した。
このように作製したそれぞれの負極A1〜負極A4及び正極A1〜正極A3の電極の調厚後厚さと加圧後厚さ及び活物質充填量を表1及び表2に示した(但し、負極A5、負極A6及び正極A4については金属箔を用いているため調厚後厚さは記載していない)。
また、表1には比較として銅箔を集電体とした負極A5、A6についても示した。表2には比較としてアルミニウム箔にカーボン粉末スラリーを用いて作製した正極A4についても示した。
上記各負極及び各正極を用いて作製したリチウムイオンキャパシタのN/P値を表3に示した。表3に示すN/P値は、それぞれ同一の構成のキャパシタ3つの平均値である。
N/Pは以下のようにして求めた。
負極活物質であるSiOの容量を1500mAh/g、正極活物質であるカーボン粉末の容量を15mAh/gとし、それぞれの電極に含有されているSiOおよびカーボン粉末の質量をかけたものをそれぞれの電極の容量とした。このようにして求めた負極の電極容量を正極の電極容量で割った値をN/P比とした。N/P比は集電体に充填する活物質の量を変化させることで調節した。
Figure 2013165161
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正極A1と負極A2を組み合わせたリチウムイオンキャパシタA(N/P値:158)の放電試験を行ったところ、4Vから2Vにかけて直線的な放電曲線を描いており、リチウムイオンキャパシタAはキャパシタとして正常に機能していた。容量は約0.3mAh/cm2であった。正極A2と負極A2を組み合わせたリチウムイオンキャパシタB(N/P値:220)、正極A3と負極A1を組み合わせたリチウムイオンキャパシタC(N/P値:387)についても同様に良好な放電曲線が得られた。
一方、正極A4と負極A5を組み合わせたリチウムイオンキャパシタD(N/P値:44)及び正極A4と負極A6を組み合わせたリチウムイオンキャパシタE(N/P値:18)の放電試験を行ったところ、4Vから2Vにかけて放電曲線が屈曲しており、リチウムイオンキャパシタDおよびEはキャパシタとして正常に機能していないことが分かった。
以上の実施例の結果から正極、負極ともに三次元網状構造の金属多孔体に、正極にはカーボン粉末を充填し、負極には容量800mAh/g以上の酸化ケイ素を充填し、負極計算容量と正極計算容量の比すなわちN/P値として50〜400、より好ましくは55〜200、とくに60〜160を採用することにより、リチウム系二次電池に近いエネルギー密度、高出力密度、長寿命が得られ、資源性にも優れたリチウムイオンキャパシタが得られた。
<実施例2>ナトリウムイオンキャパシタ
[金属多孔体(集電体)の作製]
本実施例では、三次元網状構造を有する金属集電体として、三次元網状構造のニッケル多孔体の表面にクロム層を形成したものを使用した。
具体的には、発泡状ニッケル多孔体の表面にクロムを添加し加熱してニッケルクロム合金層を形成した三次元網状構造の金属多孔体を製造した。すなわち発泡状ニッケルにクロマイジング処理をして、作製された発泡状ニッケルクロム合金多孔体を用いた。
発泡状ニッケルは、ウレタンシート(平均孔径90μm、厚さ1.4mm、多孔度96%の市販品)に導電処理後、350g/m2のニッケルめっきが施され、ウレタンを除去後に還元性雰囲気で加熱して作製されたものを使用した。
そして、発泡状ニッケル(三次元網状構造を有するニッケル多孔体)をクロマイジング処理することにより、ニッケルをニッケル−クロム合金とした。つまり、クロム粉末とハロゲン化物、アルミナを混合した浸透材を基材に充填して還元雰囲気で過熱する粉末パック法を用いたもので、発泡状ニッケルに浸透材(クロム:90%、NH4Cl:1%、Al23:9%)を充填し、水素ガス雰囲気中で800℃に加熱して作製した。
このようにして作製した金属多孔体におけるクロムの含有量は30質量%であり、厚さは1.4mmであった。
[負極の作製]
作用物質(活物質)材料としてハードカーボン(計算容量密度200mAh/g)を用いた。
市販の平均粒径約10μmのハードカーボンを質量比で85に対して、導電剤としてケッチェンブラック(KB)を3、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を12、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を100、を混合機で攪拌しながらバインダを溶媒に溶解して負極用スラリーを得た。
続いて、上記で作製した、約1250μm、多孔度96%、孔径100〜400μmの金属多孔体を、あらかじめ表4に示す厚さに調節し、金型で直径11mm円状に打抜いた。
そしてこの発泡状ニッケルクロム多孔体を負極用集電体とし、上記負極用スラリーを下記表4に示す充填量で充填し、乾燥、加圧して負極B1、負極B2及び負極B3を得た。負極へのナトリウムのドープは電解により行った。
また、比較として銅箔を使用して、下記表4の条件により負極B4及び負極B5を作製した。
Figure 2013165161
[正極の作製]
正極には、上記で作製した発泡状ニッケルクロム多孔体(負極B1及びB2に用いたと同じもの)を正極用集電体として用いた。正極では、発泡状ニッケルクロム多孔体を厚さ780μmに調節し、負極と同様に金型で直径11mm円状に打抜いて正極用集電体とした。そして、これにカーボン粉末(計算容量密度15mAh/g)を充填した。
カーボン粉末としては、シリカ成分を49質量%含有する米の籾殻炭粉末(比表面積770m2/g、平均粒径約8μm)を用いた。
また、活物質の質量比80に対して、導電剤としてKBを5、バインダとしてPVdFを15、溶媒としてNMPを300、を混合機で攪拌しながらバインダを溶媒に溶解して正極用スラリーを得た。
そして、正極用スラリーを前記正極用集電体に下記表5に示す充填量で充填し、乾燥、加圧して正極B1及び正極B2を得た。
また、比較としてアルミニウム箔を使用して、下記表5の条件により正極B3及び正極B4を作製した。
Figure 2013165161
[キャパシタの作製]
上記で得られた正極B1及び負極B1の間にガラス製のセパレータを挟んで対向させてセルを構成し、R2032サイズのコイン形のセルケースに収納し、1mol/lのNaPF6を溶解した、体積比1:1のエチレンカーボネイト(EC)とジエチルカーボネイト(DEC)に溶解した電解液を用いて電極及びセパレータに含浸した。
さらに、プロピレン製の絶縁ガスケットを介してケース蓋を締めて封口して、コイン形のナトリウムイオンキャパシタAを作製した。同様に、前記負極B1〜負極B3、及び正極B1〜正極B2を用いて表6に示すナトリウムイオンキャパシタB〜Fを作製した。
また、比較として、前記負極B4及び正極B3を用いてナトリウムイオンキャパシタGを、負極B5及び正極B4を用いてナトリウムイオンキャパシタHを作製した。
それぞれのナトリウムイオンキャパシタのN/P値を表6に示す。
Figure 2013165161
また、上記のようにして作製した正極及び負極を用いたコイン形セルのナトリウムイオンキャパシタの放電試験を実施したところ、本発明のナトリウムイオンキャパシタA〜Fは、比較例の銅箔(負極)、アルミニウム箔(正極)を使用したナトリウムイオンキャパシタG、Hにくらべて約4倍の容量密度を示した。
以上の実施例の結果から、正極、負極ともに三次元網状構造の金属多孔体、とくにニッケル多孔体表面にクロム層を形成して合金化した金属多孔体に、正極にはカーボン粉末を充填し、負極にはハードカーボンを充填し、負極計算容量と正極計算容量の比、すなわちN/P値として10〜100、とくに12〜80を採用することにより、ナトリウム系二次電池に近いエネルギー密度、高出力密度、長寿命が得られ、資源性にも優れたナトリウムイオンキャパシタが得られたことが分かる。
なお、N/Pは前記リチウムイオンキャパシタの場合と同様にして求めた。すなわち、負極活物質であるハードカーボンの容量を200mAh/g、正極活物質であるカーボン粉末の容量を15mAh/gとし、それぞれの電極に含有されているハードカーボンおよびカーボン粉末の質量をかけたものをそれぞれの電極の容量とした。このようにして求めた負極の電極容量を正極の電極容量で割った値をN/P比とした。N/P比は集電体に充填する活物質の量を変化させることで調節した。
本発明の新規技術を導入したリチウムイオンキャパシタ、ナトリウムイオンキャパシタは、携帯用、移動用、緊急用、その他の一般、産業用の電源として用途の拡大が可能になる。

Claims (22)

  1. 穀物の殻から得られたシリカ成分を含有するカーボン粉末を、耐酸化性を有する三次元構造を有する金属多孔体に充填して得られる電極を有し、
    電解液として、リチウム塩又はナトリウム塩を含む非水電解液を有することを特徴とするキャパシタ。
  2. 前記カーボン粉末中に10質量%〜60質量%のシリカ成分が含有されていることを特徴とする請求項1に記載のキャパシタ。
  3. 前記カーボン粉末は、空気を遮断して米の籾殻を加熱することにより製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャパシタ。
  4. 前記カーボン粉末には、導電助剤が混合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキャパシタ。
  5. 前記導電助剤は、前記カーボン粉末100質量部に対して、0.5〜15質量部の質量比で含有されていることを特徴とする請求項4に記載のキャパシタ。
  6. 前記カーボン粉末には、結着剤が混合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のキャパシタ。
  7. 前記金属多孔体は、少なくともクロムを20質量%含む、ニッケルを主体とした三次元構造を有する金属多孔体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のキャパシタ。
  8. 前記金属多孔体の多孔度は、80%〜97%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のキャパシタ。
  9. 前記ニッケル多孔体のニッケル目付量は、150g/m2〜500g/m2であることを特徴とする請求項7又は8に記載のキャパシタ。
  10. 前記金属多孔体におけるクロムの量がニッケルとクロムの総量に対して25〜50質量%であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のキャパシタ。
  11. 前記電極を正極としたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のキャパシタ。
  12. 電解液としてリチウム塩を含む非水電解液を備えたリチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項11に記載のキャパシタ。
  13. 負極が三次元構造を有する金属多孔体にリチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなることを特徴とする請求項12に記載のキャパシタ。
  14. リチウムイオンキャパシタを構成する前の前記負極の活物質にリチウムが担持されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のキャパシタ。
  15. 前記リチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、ゲルマニウム(Ge)、これらの元素の酸化物及びこれらの元素とリチウムとの合金よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載のキャパシタ。
  16. 前記リチウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が酸化ケイ素(SiO)であることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載のキャパシタ。
  17. 負極電位がリチウム基準で0.05V以下であることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載のキャパシタ。
  18. 電解液としてナトリウム塩を含む非水電解液を備えたナトリウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項11に記載のキャパシタ。
  19. 負極が三次元構造を有する金属多孔体にナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料を活物質として充填してなる電極であることを特徴とする請求項18に記載のキャパシタ。
  20. ナトリウムイオンキャパシタを構成する前の前記負極の活物質にナトリウムが担持されていることを特徴とする請求項18又は19に記載のキャパシタ。
  21. 前記負極の金属多孔体が、ニッケルを主体とした三次元構造を有する金属多孔体である
    ことを特徴とする請求項18〜20のいずれかに記載のキャパシタ。
  22. 前記金属多孔体に充填されているナトリウムを吸脱着あるいは吸蔵脱離できる材料が、活性炭、黒鉛、ハードカーボン、スズ、スズ化合物、チタン酸ナトリウム、シリコン微粒子、及びシリコン酸化物からなる群より選択される1以上の材料である
    ことを特徴とする請求項18〜21のいずれかに記載のキャパシタ。
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