JP2013164007A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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卓士 佐々
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Abstract

【課題】密閉型圧縮機に於いて、吸入冷媒が圧縮機構部の圧縮室に到達するまでに密閉容器内部を満たす吐出ガス冷媒により加熱されて発生する圧縮損失を防止すること。
【解決手段】吸入接続管9を吸入口7挿入側先端が接続された2重管構造として、外管9aの開放端を密閉容器1に設けた接続口2外周でロー付け又は溶接等により密封固定し、内管9bを冷凍サイクルに繋がる吸入接続管9と外部と連通した断熱空間21とすることにより、圧縮室6近傍まで吸入ガス冷媒の過熱を防止し、圧縮損失を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機、冷蔵庫、給湯機等に用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
従来、この種の密閉型圧縮機の冷媒吸入部の構造は、圧縮機構部の吸入口全体が密閉容器内部で高温吐出ガス冷媒雰囲気中に密封された構造(例えば、特許文献1参照)となっている。
図4は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の断面図で、また図5は図4における冷媒吸入部の断面構造の拡大図を示すものである。図4、図5に示すように、鉄材から成る密閉容器1に接続口2が設けられ、銅管から成るガイド管3が銀ロー4によりロー付け固定されている。一方、圧縮機構部5内部の圧縮室6に繋がる吸入口7はその円筒状内径面と、鉄材から成り、全面、或いは部分的に銅メッキが施されたライナー8の円筒状外径面とが面接触により密着シールされた状態で固定されており、これにより密閉容器1内部の吐出ガス冷媒と吸入冷媒とが隔離される。
また、ガイド管3とライナー8の銅メッキ部と銅材から成る吸入接続管9とは銅ロー10によりロー付け一体固定されており、これにより、吸入廻りと密閉型圧縮機外部とを遮断することにより冷媒吸入部11の密閉構造を成している。
特開昭63−36075号公報
しかしながら、前記従来の構成では、高温吐出ガス冷媒で満たされた密閉容器1内部と外気との遮断がガイド管3とライナー8と吸入接続管9とを銅ロー10により一体ロー付け固定した端面部分であるため、このロー付けによる密封部から内部の密閉空間は全て高温吐出ガス冷媒中にさらされることになる。
その結果、低温吸入冷媒が吸入接続管9から吸い込まれて圧縮室6に到達するまで(L1間)に、密閉容器1内部の高温吐出ガス冷媒からの熱が伝達されて過熱による圧縮損失が発生し易くなる。
特に、ライナー8を介して成る冷媒吸入構造の場合等は、吸入口7から前述の銅ロー10によるロー付け密封部までの間(L2間)がライナー8のみで高温吐出ガス冷媒と低温吸入冷媒を遮断することとなるため、更に高温吐出ガス冷媒からの熱が伝達され、過熱による圧縮損失が発生し易くなると言う課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、吸入冷媒が圧縮機構部の圧縮室に吸い込まれる近傍まで密閉容器内部の高温吐出ガス冷媒による熱影響を抑制するものであり、圧縮損失を低減した高効率な密閉型圧縮機の冷媒吸入部構造を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機の冷媒吸入部の構造は、圧縮機構部の圧縮室近傍まで密閉容器外部と繋がる断熱空間を儲けるものである。
これにより、吸入冷媒が圧縮開始の直前まで高温ガス冷媒から受ける過熱の抑制を可能としたものである。
本発明の密閉型圧縮機は、圧縮室近傍まで吸入ガス冷媒の過熱を防止し、圧縮損失を低減することができる。
本発明の実施の形態1における冷媒吸入口部の断面図 本発明の実施の形態2における冷媒吸入口部の断面図 本発明の実施の形態3における冷媒吸入口部の断面図 従来の特許文献1記載の密閉型圧縮機の断面図 従来の特許文献1記載の冷媒吸入部の断面図
第1の発明は、密閉容器内に圧縮機構部とクランク軸を介してこれを駆動する電動機とを備えた密閉型圧縮機において、吸入接続管は、内管と外管とから構成される2重管構造であり、前記外管開放端が前記密閉容器と密封固定され、前記内管が冷凍サイクルと接続され、前記内管と前記外管との間が、前記密閉容器の外部空間と圧縮室近傍までつながっていることにより、吸入冷媒が圧縮開始される直前まで高温の吐出ガス冷媒からの過熱伝達を抑制し、圧縮損失を低減することを可能とすることができる。
第2の発明は、特に第1の発明の断熱空間に断熱材を設けるもので、これにより吸入接続管の結露による水滴等の付着による部材の劣化を防止して、吸入冷媒が圧縮開始される直前まで高温の吐出ガス冷媒からの過熱伝達を抑制し、圧縮損失を低減することを可能とすることができる。
第3の発明は、特に第1の発明の断熱空間を密閉容器の接続口と外管近傍で溶接又はロー付け等により密封した真空空間としたもので、吸入接続管の結露による水滴等の付着による部材の劣化を防止して、吸入冷媒が圧縮開始される直前まで高温の吐出ガス冷媒からの過熱伝達を抑制し、圧縮損失を低減することを可能とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における冷媒吸入部の断面図を示すものである。図1において、吸入接続管9は圧縮室6側の先端部で外管9aとロー付け又は溶接により密封固定され、密封固定部23が構成され、外管9aの内径側となる吸入接続管9の部位を内管9bとすると、この間は吸入接続管9の外部と連通して開放された断熱空間21となった、密閉容器1内部に対して2重管構造となっている。
以上のように構成された吸入接続管9を用いた密閉型圧縮機の冷媒吸入部について、以下その作用、効果を説明する。
密閉容器1には接続口2が設けられ、この接続口2より小さな径で接続口2の内部に収まるようにシリンダー16に設けられた吸入口7を位置決めして圧縮機構部5が溶接等に
より密閉容器1内部で固定されている。本実施の形態1における冷媒吸入部の組立方法としては、前述の2重管構造の吸入接続管9を前述のように密閉容器1に組み付けられた圧縮機構部5の吸入口7内に密閉容器1外部から挿入し、吸入口7の内径φd3に対して外管9aの外径φD4を5〜60μm程度大きくすることで密着シール固定し、外管9a端面を密閉容器1の接続口2近傍で密閉容器1と圧縮機構部5に熱影響が出ないようにロー付け又は溶接(例えばレーザ溶接)等により密封固定されている。
以上のように、本実施の形態においては密閉容器1内部で吸入接続管9が圧縮機構部5の圧縮室6に通じる近傍まで密閉容器1外部と連通する断熱空間21とすることにより、前述の従来例における密閉容器1内部の高温吐出ガス冷媒による吸入冷媒の過熱部長さL1をL3のように縮小することができ、吸入冷媒が圧縮開始される直前まで高温の吐出ガス冷媒からの過熱伝達を抑制して圧縮損失を低減し、高効率な密閉型圧縮機を構成することが可能となる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における冷媒吸入部の断面図を示すものである。図2において、吸入接続管9は圧縮室6側の先端部で外管9aとロー付け又は溶接により密封固定されており、外管9aの内径側となる吸入接続管9の部位を内管9bとすると、この間には外管9aからの熱伝達を抑制する断熱材22が外管9a端部まで満たされた、密閉容器1内部に対して2重管構造となっている。
以上のように構成された吸入接続管9を用いた密閉型圧縮機の冷媒吸入部について、以下その作用、効果を説明する。
密閉容器1には接続口2が設けられ、この接続口2より小さな径で接続口2の内部に収まるようにシリンダー16に設けられた吸入口7を位置決めして圧縮機構部5が溶接等により密閉容器1内部で固定されている。本実施の形態2における冷媒吸入部の組立方法としては、前述の内部に断熱材22で満たされた2重管構造の吸入接続管9を前述のように密閉容器1に組み付けられた圧縮機構部5の吸入口7内に密閉容器1外部から挿入し、吸入口7の内径φd5に対して外管9aの外径φD6を5〜60μm程度大きくすることで密着シール固定し、外管9a端面を密閉容器1の接続口2近傍で密閉容器1と圧縮機構部5に熱影響が出ないようにロー付け又は溶接(例えばレーザ溶接)等により密封固定される。
以上のように、本実施の形態においては、前述の従来例における密閉容器1内部の高温吐出ガス冷媒による吸入冷媒の過熱部長さL1を密閉容器1内部で吸入接続管9が圧縮機構部5の圧縮室6に通じる近傍L4まで縮小することができ、密閉容器1内部の高温ガス冷媒から吸入冷媒への伝熱を抑制した断熱構造が可能となる。また、密閉容器1の接続口2近傍まで断熱材22で満たされているため、例えば運転時に吸入接続管9が結露して水が溜まることにより発生する配管材の劣化等を防止することも可能となり、圧縮損失を低減した高効率で信頼性に優れた密閉型圧縮機を構成することが可能となる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態における冷媒吸入部の断面図を示すものである。図3において、吸入接続管9は圧縮室6側の先端部と密閉容器1に設けた接続口2近傍で外管9aとロー付け又は溶接により密封固定されており、外管9aの内径側となる吸入接続管9の部位を内管9bとすると、この間を真空空間24として構成した、密閉容器1内部に対して2重管構造となっている。
以上のように構成された吸入接続管9を用いた密閉型圧縮機の冷媒吸入部について、以
下その作用、効果を説明する。
密閉容器1には接続口2が設けられ、この接続口2より小さな径で接続口2の内部に収まるようにシリンダー16に設けられた吸入口7を位置決めして圧縮機構部5が溶接等により密閉容器1内部で固定されている。本実施の形態3における冷媒吸入部の組立方法としては、前述の内部を真空空間24とした2重管構造の吸入接続管9を前述のように密閉容器1に組み付けられた圧縮機構部5の吸入口7内に密閉容器1外部から挿入し、吸入口7の内径φd7に対して外管9aの外径φD8を5〜60μm程度大きくすることで密着シール固定し、外管9a端面を密閉容器1の接続口2近傍で密閉容器1と圧縮機構部5に熱影響が出ないようにロー付け又は溶接(例えばレーザ溶接)等により密封固定される。
以上のように、本実施の形態においては、前述の従来例における密閉容器1内部の高温吐出ガス冷媒による吸入冷媒の過熱部長さL1を密閉容器1内部で吸入接続管9が圧縮機構部5の圧縮室6に通じる近傍L5まで縮小することができ、密閉容器1内部の高温ガス冷媒から吸入冷媒への伝熱を抑制した断熱構造が可能となる。また、密閉容器1の接続口2近傍でロー付け又は溶接により密封されているため、例えば運転時に吸入接続管9が結露して水が溜まることにより発生する配管材の劣化等を防止することも可能となり、圧縮損失を低減した高効率で信頼性に優れた密閉型圧縮機を構成することが可能となる。
本発明は、空気調和機用の密閉型圧縮機のみならず、冷蔵庫、給湯機用の密閉型圧縮機等の用途にも適用できる。
1 密閉容器
2 接続口
3 ガイド管
4 銀ロー
5 圧縮機構部
6 圧縮室
7 吸入口
8 ライナー
9 吸入接続管
9a 外管
9b 内管
10 銅ロー
11 冷媒吸入部
16 シリンダー
21 断熱空間
22 断熱材
23 密封固定部
24 真空空間

Claims (3)

  1. 密閉容器内に圧縮機構部とクランク軸を介してこれを駆動する電動機とを備えた密閉型圧縮機において、
    吸入接続管は、内管と外管とから構成される2重管構造であり、
    前記外管開放端が前記密閉容器と密封固定され、前記内管が冷凍サイクルと接続され、
    前記内管と前記外管との間が、前記密閉容器の外部空間と圧縮室近傍までつながっている密閉型圧縮機。
  2. 前記2重管構造の内部に、断熱材が取り付けられている請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記2重管構造内部が、前記圧縮室側近傍と前記密閉容器の接続口と前記外管で密封された真空空間である請求項1に記載の密閉型圧縮機。
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