JP2013160217A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Takushi Sasa
卓士 佐々
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Abstract

【課題】密閉型圧縮機の冷媒吸入部構造で吸入口へのライナー挿入による応力歪の低減やロー付けによる熱伝達の削減を図ること。
【解決手段】ライナー8の外径に凸部8aを設け、吸入口7内径面との密着シール部とすることにより圧縮機構部への応力歪低減とロー付けによる熱伝達を削減する。また、外径凸部表面形状を軸心上に中心点を持つ球面状凸部8bとすることにより、吸入口7と密閉容器1の接続口2に取り付けられたガイド管3との軸心ずれを吸収して密着シールが可能となるため、組付け余裕度を向上させることが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機、冷蔵庫、給湯機等に用いられる密閉型圧縮機に関するものである。
従来、この種の密閉型圧縮機の冷媒吸入部の構造は、圧縮機構部に設けた吸入口と密閉容器に設けた接続口の間にライナーを介在(例えば、特許文献1参照)させた構造となっている。
図5は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の断面図で、また図6は図5における冷媒吸入部の断面構造の拡大図を示すものである。図5、図6に示すように、鉄材から成る密閉容器1に接続口2が設けられ、銅管から成るガイド管3が銀ロー4によりロー付け固定されている。一方、圧縮機構部5内部の圧縮室6に繋がる吸入口7はその円筒状内径面と、鉄材から成り、全面、或いは部分的に銅メッキが施されたライナー8の円筒状外径面とが面接触により密着シールされた状態で固定されており、これにより密閉容器1内部の吐出ガス冷媒と吸入冷媒とが隔離される。また、ガイド管3とライナー8の銅メッキ部と銅材から成る吸入接続管9とは銅ロー10によりロー付け一体固定されており、これにより、吸入廻りと密閉型圧縮機外部とを遮断することにより冷媒吸入部11の密閉構造を成している。
一方、密閉容器1と圧縮機構部5、及び固定子12と回転子13から成る電動機部14の組立工程は、密閉容器1内部に予め固定子12が焼嵌め固定された状態で、回転子13がクランク軸15に焼嵌固定された圧縮機構部5が外部より挿入され、密閉容器1の外部からこれを貫通して圧縮機構部5を密封溶接固定する。このとき、圧縮機構部5に設けた吸入口7の円筒状穴中心とガイド管3の軸中心位置をほぼ一致させた状態で圧縮機構部5を位置決めして溶接固定する必要がある。この後、吸入口7の内径(φd1)より若干外径(φD2)の大きなライナー8をガイド管3の内部を通過させて吸入口7に圧入固定し、前述のように吸入口7と密着シール構造を成す。更に、このライナー8の他端銅メッキ内径部に吸入接続管9を挿入し、これらを銅ロー10によりロー付け一体固定することにより前述のように冷媒吸入部11における密閉容器外部との遮断する構造を組立構成する。
特開昭63−36075号公報
しかしながら、前記従来の構成では、密着シール性を確保するために吸入口内径より若干外径の大きなライナーを挿入することにより、円筒状の密着シール面全体にシメシロにより発生する応力が応力歪として圧縮機構部に悪影響を及ぼし、密閉容器外部との密閉のための組立工程において、ライナーとガイド管と吸入接続管を一体ロー付け固定する際の加熱影響がライナーを介して吸入口に伝わり、圧縮機構部の性能や信頼性を悪化させると言う課題を有していた。
また、前期従来の構成では、円筒状の吸入口の内径面軸心位置と接続口に組み付けられたガイド管内径面の軸心位置とをほぼ一致させて圧縮機構部を密閉容器内部で精度良く溶
接固定しなければならなく、これがずれた場合はライナー挿入時に吸入口内部のかじりが発生、また挿入そのものが出来ないと言った組付け性における課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、機能上必要な吸入口とライナーの密着シール部を必要最小限に抑え、また吸入口とガイド管の軸心位置がずれて圧縮機構部が溶接固定された場合の組付け余裕度を向上させることにより、性能、信頼性、組立性に優れた密閉型圧縮機の冷媒吸入部構造を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機の冷媒吸入部の構造は、吸入口へのライナー挿入部における密着シール部を、外径円筒形状面ではなく、凸形状の接触部に限定して行うものである。
これによって、ライナー挿入による圧縮機構部への応力歪を減らしつつ、必要な密着シール性を確保することを可能とし、ライナーとガイド管と吸入接続管を一体ロー付け固定する際の加熱による吸入口への熱伝達を削減することを可能としたものである。
本発明の密閉型圧縮機の冷媒吸入部の構造は、吸入口へのライナー挿入による圧縮機構部への応力歪を減らしつつ、必要な密着シール性を確保することを可能とし、ライナーとガイド管と吸入接続管を一体ロー付け固定する際の加熱による吸入口への熱伝達を削減することを可能とするものである。
本発明の実施の形態1における冷媒吸入口部の断面図 本発明の実施の形態2における冷媒吸入口部の断面図 本発明の実施の形態2における吸入口とガイド管の縦方向軸中心ずれ時を説明する断面図 本発明の実施の形態2における吸入口とガイド管の円周方向軸中心ずれ時を説明する断面図 従来の特許文献1記載の密閉型圧縮機の断面図 従来の特許文献1記載の冷媒吸入部の断面図
第1の発明は、密閉容器内に圧縮機構部とこれを駆動する電動機とを備えた密閉型圧縮機で、吸入部の接続構造が圧縮機構部の圧縮室に通じる吸入口と密閉容器に設けた接続穴とをライナーを介して成り、一方がこのライナーの外周に設けた凸部と圧縮機構部の吸入穴と密着接続され、他方がライナーと密閉容器と吸入接続管とをロー付け、或いは溶接等で密封固定とすることにより、ライナー挿入による圧縮機構部への応力歪を減らしつつ、必要な密着シール性を確保することを可能とし、ライナーとガイド管と吸入接続管を一体ロー付け固定する際の加熱による吸入口への熱伝達を削減することを可能とすることができる。
第2の発明は、特に第1の発明のライナー挿入部における外径凸部をライナーの軸心上に中心点を置く球面形状とするものである。すなわち、ライナー挿入部における密着シール部を軸心上に中心点を置く球面形状とするものである。これにより、吸入口の中心軸位置と密閉容器に設けられた接続穴に取り付けられたガイド管の中心軸位置のずれによるライナーの組付け余裕度を向上させることができ、組付け不良の削減を可能とするものである。すなわち、吸入口の中心軸位置と密閉容器に設けられた接続穴に取り付けられたガイド管の中心軸位置のずれの余裕度を向上させることによる組付け不良を削減することがで
きる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における冷媒吸入部の断面図を示すものである。
図1において、ライナー8の外径面に凸部8aを設けたものであり、その先端部分の外径寸法φD3を吸入口7より若干大きくする(例えば、吸入口7内径寸法φd1mmに対して10〜60μm程度)ことにより、圧縮機構部5の圧縮室6に繋がる吸入口7の内径面と密着してシール効果を発揮するように構成している。
以上のように構成された密閉型圧縮機の冷媒吸入部について、以下その作用、効果を説明する。
鉄材から成る密閉容器1に接続口2が設けられ、銅管から成るガイド管3が銀ロー4によりロー付け固定されている。一方、吸入口7はその円筒状内径面と、鉄材から成り、全面、或いは部分的に銅メッキが施されたライナー8の外径面に凸部8aの先端とがほぼ線接触することにより密着シールされた状態で固定されている。
以上のように、本実施の形態においてはライナー8と吸入口7との密着シール部をライナー8に設けた外径面に凸部8aとすることにより、吸入口7に加わるライナー8からの応力歪を必要最小限に抑えることが可能となり、加えて、ライナー8とガイド管3と吸入接続管9とを銅ロー10で一体ロー付け固定する際の加熱によるライナー8を介して伝わる吸入口7への熱伝達を削減することが可能となり、圧縮機構部の性能、信頼性向上が可能となる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態の冷媒吸入部の断面図を示すものであり、図3は吸入口7と密閉容器1の接続口2に銀ロー4で予めロー付け固定されたガイド管3の軸心が圧縮機の縦方向にずれて圧縮機構部5が溶接固定された場合の図であり、図4は吸入口7と密閉容器1の接続口2に銀ロー4で予めロー付け固定されたガイド管3の軸心が圧縮機の円周方向にずれて圧縮機構部5が溶接固定された場合の図である。
以上のように構成された密閉型圧縮機の冷媒吸入部について、以下その作用、効果を説明する。
鉄材から成る密閉容器1に接続口2が設けられ、銅管から成るガイド管3が銀ロー4によりロー付け固定されている。一方、吸入口7はその円筒状内径面と、鉄材から成り、全面、或いは部分的に銅メッキが施されたライナー8の軸心上に中心点を持つ外径φD4が球面状凸部8bの外径面とがほぼ線接触することにより密着シールされた状態で固定されている。
これらの部品の組立手順は、図2のように密閉容器1に予め銀ロー4によりロー付け固定されたガイド管3の内径中心軸位置とほぼ一致するように吸入口7の内径中心軸位置を合せて密閉容器1外部から圧縮機構部を溶接等により固定するのが最良であるが、例えば圧縮機構部の固定時に圧縮機の軸方向に軸心がδだけずれた場合(図3)でも、ライナー8の外径に設けた球面状凸部8bが吸入口7とガイド管3との間でα°傾きながら吸入口7との密着シール性を維持することが可能となり、また圧縮機構部の固定時に圧縮機の円
周方向に軸心がβ°回転してずれた場合(図4)でも、前記同様にライナー8の外径に設けた球面状凸部8bが吸入口7とガイド管3との間でγ°傾きながら吸入口7との密着シール性を維持して組立を行うことが可能となる。
以上のように、本実施の形態においては、ライナー8と吸入口7との密着シール部をライナー8の軸心上に中心点を持つ外径の球面状凸部8bとすることにより、前述の実施の形態1での効果に加えて、冷媒吸入部の組立余裕度の向上やこれによる品質向上を可能とする。
本発明は、空気調和機用の密閉型圧縮機のみならず、冷蔵庫、給湯機用の密閉型圧縮機等の用途にも適用できる。
1 密閉容器
2 接続口
3 ガイド管
4 銀ロー
5 圧縮機構部
6 圧縮室
7 吸入口
8 ライナー
8a 凸部
8b 球面状凸部
9 吸入接続管
10 銅ロー
11 冷媒吸入部
12 固定子
13 回転子
14 電動機部
15 クランク軸

Claims (2)

  1. 密閉容器内に圧縮機構部とクランク軸を介してこれを駆動する電動機とを備えた密閉型圧縮機において、
    冷媒吸入部は、前記圧縮機構部の圧縮室に通じる吸入口と、前記密閉容器に設けた接続穴に固定されたガイド管とがライナーを介して成り、
    前記ライナーの外周には、凸部が配設されており、
    前記凸部は、前記圧縮機構部の吸入穴と密着シール接続されている密閉型圧縮機。
  2. 前期ライナーの前記凸部の外周面が、挿入方向の中心軸上を中心点とする球状曲面である請求項1に記載の密閉型圧縮機。
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