JP2013160397A - チラー制御システム - Google Patents

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Yasuhiro Kondo
康弘 近藤
Toshihiro Nagashima
利啓 永嶋
Takeshi Ueda
剛 上田
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Abstract

【課題】システム全体として、起動時の負荷追従性を確保しつつ、長寿命化を図ること。
【解決手段】チラー制御システム(10)は、一の負荷に対応する第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)のうち、他のグループよりも稼動時間が少ない一のグループを優先して稼動させるファミリー制御部(12)を備える一方、ファミリー制御部(12)によって運転される第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)に対応する第1〜第3グループ制御部(13〜15)は、対応するヒートポンプチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を同時に運転させるよう構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、チラー制御システムに関し、特に、複数のチラーの運転制御に係るものである。
従来より、特許文献1に示すように、ビルなどの建物の屋上に配設される大型のチラー装置が知られている。このチラー装置は、複数台のヒートポンプチラーの室外機で構成されている。そして、図24に示すチラー装置(a)では、複数台のヒートポンプチラーの室外機(b)が多数のグループ(c,d,e)に分けられている。そして、チラー装置(a)は、建物内に供給するための空調用水を冷却又は加熱するように各グループ(c,d,e)ごとに制御される。
特開2008−202857号公報
しかしながら、上記チラー装置(a)では、その起動時に特定のグループ(例えば、グループ(c))の室外機(b)が常に動作することになる。このため、特定のグループの室外機(b)のみが早めに故障などをする危険性が高くなる。すなわち、チラー装置(a)全体として、長寿命化を図ることができないという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、システム全体として、長寿命化を図ることを目的とする。
第1の発明は、それぞれが少なくとも一つのチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有する複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)と、各制御ユニット(Gr1〜Gr3)ごとに対応する上記チラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を制御するユニット制御部(13〜15)とを備えたチラー制御システムであって、一の負荷に対応する複数の上記制御ユニット(Gr1〜Gr3)のうち、他の制御ユニットよりも稼動時間が少ない一の制御ユニットを優先して稼動させる統括制御部(12)を備える一方、上記ユニット制御部(13〜15)は、上記統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr1〜Gr3)のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を制御するよう構成されている。
上記第1の発明では、統括制御部(12)は、一の負荷(例えば、共通する空調用水の水配管の水温)に対応する複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)を制御する。具体的には、統括制御部(12)は、複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)のうち、他の制御ユニットよりも稼動時間が少ない一の制御ユニットを優先して稼動させる。こうすることで、複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)の稼動時間が平準化する。
各制御ユニット(Gr1〜Gr3)は、それぞれが少なくとも一のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有して構成されている。統括制御部(12)によって稼動された制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応するユニット制御部(13〜15)は、その対応するチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を運転させる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記各制御ユニット(Gr1〜Gr3)は、それぞれが複数の上記チラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有している。
上記第2の発明では、各制御ユニット(Gr1〜Gr3)が、複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有して構成されている。ユニット制御部(13〜15)は、統括制御部(12)によって稼動された制御ユニット(Gr1〜Gr3)の複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を制御する。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応する上記ユニット制御部(13〜15)は、対応する複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を同時に運転させるよう構成されている。
上記第3の発明では、各制御ユニット(Gr1〜Gr3)は、それぞれが複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有して構成されている。統括制御部(12)によって稼動された制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応するユニット制御部(13〜15)は、その対応する複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を同時に運転させる。ユニット制御部(13〜15)が各制御ユニット(Gr1〜Gr3)の複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を同時に運転させることで急激な負荷変動に対する追従性が高くなる。
第4の発明は、上記第2の発明において、上記統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応するユニット制御部(13〜15)は、対応する複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)のうち、他のチラーよりも稼動時間が少ない一のチラーを優先して稼動させるよう構成されている。
上記第4の発明では、各制御ユニット(Gr1〜Gr3)は、複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有し、ユニット制御部(13〜15)は、対応する制御ユニット(Gr1〜Gr3)のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を制御する。統括制御部(12)は、一の負荷(例えば、共通する空調用水の水配管の水温)に対応する複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)を制御する。具体的には、統括制御部(12)は、複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)のうち、他の制御ユニットよりも稼動時間が少ない一の制御ユニットを優先して稼動させる。こうすることで、複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)間の稼動時間が平準化し、且つ細かい負荷変動に対応することができる。
統括制御部(12)によって稼動された制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応するユニット制御部(13〜15)は、その制御ユニット(Gr1〜Gr3)の複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)のうち、他のチラーよりも稼動時間が少ない一のチラーを優先して稼動させる。こうすることで、複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)の稼動時間が平準化し、且つ細かい負荷変動に対応することができる。
第5の発明は、上記第1又は2の発明において、上記統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応するユニット制御部(13〜15)は、対応する上記チラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を所定の負荷以下となる運転に制限するよう構成されている。
上記第5の発明では、各制御ユニット(Gr1〜Gr3)は、少なくとも一つのチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有し、ユニット制御部(13〜15)は、対応する制御ユニット(Gr1〜Gr3)のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を制御する。統括制御部(12)は、一の負荷(例えば、共通する空調用水の水配管の水温)に対応する複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)を制御する。具体的には、統括制御部(12)は、複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)のうち、他の制御ユニットよりも稼動時間が少ない一の制御ユニットを優先して稼動させる。こうすることで、複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)間の稼動時間が平準化する。
上記統括制御部(12)によって稼動された制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応するユニット制御部(13〜15)は、対応するチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を所定の負荷に制限して運転させる。このため、各制御ユニット(Gr1〜Gr3)の対応するチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を効率のよい負荷において運転させることができる。
第6の発明は、上記第2の発明において、上記ユニット制御部(13〜15)は、統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr1)の複数のチラー(D1〜D4)を同時に運転させる第1ユニット制御部(13)と、統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr2,Gr3)の複数のチラー(D5,D6,D7,D8)のうち、他のチラーよりも稼動時間が少ない一のチラーを優先して稼動させる第2ユニット制御部(14,15)とを備えている。
上記第6の発明では、各制御ユニット(Gr1〜Gr3)は、複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有し、ユニット制御部(13〜15)は、対応する制御ユニット(Gr1〜Gr3)のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を制御する。統括制御部(12)は、一の負荷(例えば、共通する空調用水の水配管の水温)に対応する複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)を制御する。具体的には、統括制御部(12)は、複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)のうち、他の制御ユニットよりも稼動時間が少ない一の制御ユニットを優先して稼動させる。こうすることで、複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)間の稼動時間が平準化する。
ユニット制御部(13〜15)は、第1ユニット制御部(13)と第2ユニット制御部(14,15)とを備えている。第1ユニット制御部(13)は、対応する制御ユニット(Gr1)の各チラー(D1〜D4)を同時に運転させる。制御ユニット(Gr1)の複数のチラー(D1〜D4)を同時に運転させることで急激な負荷に対する追従性が高くなる。
また、第2ユニット制御部(14,15)は、複数のチラー(D5,D6,D7,D8)のうち、他のチラーよりも稼動時間が少ない一のチラーを優先して稼動させるようにしている。こうすることで、細かい負荷変動に対する追従性が高くなる。
上記第1の発明によれば、稼動時間の少ない制御ユニット(Gr1〜Gr3)を優先して稼動させるようにしたため、すべての制御ユニット(Gr1〜Gr3)の稼動時間を平準化することができる。このため、特定の制御ユニット(Gr1〜Gr3)が常に稼動するのを防止できるため、チラー制御システムの全体の長寿命化を図ることができる。
上記第2の発明によれば、各制御ユニット(Gr1〜Gr3)が複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有しているため、複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)有する各制御ユニット(Gr1〜Gr3)ごとに制御を行うことができる。このため、簡単な構成でもって、多数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を制御することができる。
上記第3の発明によれば、統括制御部(12)によって稼動された制御ユニット(Gr1〜Gr3)の対応する複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を同時に運転させるようにしたため、急激な負荷変動に対する追従性を高くすることができる。この結果、チラー制御システム全体として、起動時などの負荷変動への追従性を確保しつつ、長寿命化を図ることができる。
上記第4の発明によれば、統括制御部(12)が稼動時間の少ない制御ユニット(Gr1〜Gr3)を優先して稼動させるようにしたため、すべての制御ユニット(Gr1〜Gr3)の稼動時間を平準化することができる。このため、特定の制御ユニット(Gr1〜Gr3)が常に稼動するのを防止できるため、チラー制御システムの全体の長寿命化を図ることができる。
また、統括制御部(12)によって稼動された制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応するユニット制御部(13〜15)が、稼動時間の少ないチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を優先して稼動させるようにしたため、各制御ユニット(Gr1〜Gr3)の複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)の稼動時間を平準化することができる。また、各制御ユニット(Gr1〜Gr3)を順番に稼動しつつ、複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を順番に稼動させるため、細かい負荷変動に対する追従性を高めることができる。
これらの結果、チラー制御システムの全体として、細かい負荷変動への追従性を保ちつつ、長寿命化を図ることができる。
上記第5の発明によれば、統括制御部(12)が稼動時間の少ない制御ユニット(Gr1〜Gr3)を優先して稼動させるようにしたため、すべての制御ユニット(Gr1〜Gr3)の稼動時間を平準化することができる。このため、特定の制御ユニット(Gr1〜Gr3)が常に稼動するのを防止できるため、チラー制御システムの全体の長寿命化を図ることができる。
また、統括制御部(12)によって稼動された制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応するユニット制御部(13〜15)が、対応するチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を所定の負荷以下となる運転に制限したため、該チラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を効率のよい負荷において運転させることができる。これにより、省エネルギーによってチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を運転することができる。
これらの結果、チラー制御システム全体として、細かい負荷変動への追従性を確保しつつ、省エネルギーによる運転を実現することができる。
上記第6の発明によれば、統括制御部(12)が稼動時間の少ない制御ユニット(Gr1〜Gr3)を優先して稼動させるようにしたため、すべての制御ユニット(Gr1〜Gr3)の稼動時間を平準化することができる。このため、特定の制御ユニット(Gr1〜Gr3)が常に稼動するのを防止できるため、チラー制御システムの全体の長寿命化を図ることができる。
また、第2ユニット制御部(14,15)が、稼動時間の少ないチラー(D5,D6,D7,D8)を優先して稼動させるようにしたため、各制御ユニット(Gr2,Gr3)の複数のチラー(D5,D6,D7,D8)の稼動時間を平準化することができる。また、各制御ユニット(Gr2,Gr3)の複数のチラー(D5,D6,D7,D8)を順番に稼動させるため、細かい負荷変動に対する追従性を高めることができる。
さらに、制御ユニット(Gr1)に対応する各チラー(D1〜D4)を同時に運転させるようにしたため、急激な負荷変動に対する追従性を高くすることができる。
これらの結果、チラー制御システムの全体として、起動時の急激な負荷変動への追従性を保ちつつ、起動後の細かい負荷変動への追従性を保ち、且つ長寿命化を図ることができる。
本実施形態1〜4に係るチラー制御システムの構成を示す概略図である。 本実施形態1に係る制御内容を示す図である。 本実施形態1に係る制御動作を示す図である。 本実施形態1に係る制御動作を示す図である。 本実施形態1に係る制御動作を示す図である。 本実施形態1に係る制御動作を示す図である。 本実施形態1に係るチラー制御システムの運転時間と負荷との関係を示すグラフである。 本実施形態2に係る制御内容を示す図である。 本実施形態2に係る制御動作を示す図である。 本実施形態2に係る制御動作を示す図である。 本実施形態2に係る制御動作を示す図である。 本実施形態2に係るチラー制御システムの運転時間と負荷との関係を示すグラフである。 本実施形態3に係る制御内容を示す図である。 本実施形態3に係る制御動作を示す図である。 本実施形態3に係る制御動作を示す図である。 本実施形態3に係る制御動作を示す図である。 本実施形態3に係る制御動作を示す図である。 本実施形態3に係るチラー制御システムの運転時間と負荷との関係を示すグラフである。 本実施形態4に係る制御内容を示す図である。 本実施形態4に係る制御動作を示す図である。 本実施形態4に係る制御動作を示す図である。 本実施形態4に係る制御動作を示す図である。 本実施形態4に係るチラー制御システムの運転時間と負荷との関係を示すグラフである。 従来例に係るチラー装置の構成を示す図である。 従来例に係るチラー装置の運転時間と負荷との関係を示すグラフである。
〈発明の実施形態1〉
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係るチラー制御システム(10)を示している。このチラー制御システム(10)は、それぞれが複数のヒートポンプチラー(D1〜D8)を有する第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)と、ヒートポンプチラー(D1〜D8)の運転を制御するコントローラ(11)とを備えて構成されている。
上記ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、ビル等の建物の屋上に設置されて該建物内に供給される空調用水を冷却又は加熱するためのものであって、本発明に係るチラーを構成している。ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、熱交換器と送風ファンを有するケーシングを備えており、熱交換器を通過させてケーシングに取り込んだ空気を送風ファンによってケーシングの外部に吹き出すように構成されている。ケーシング内に取り込まれた空気は、熱交換器を通過する際に熱交換される。
上記第1グループ(Gr1)は、4台のヒートポンプチラー(D1〜D4)で構成され、第2グループ(Gr2)は、2台のヒートポンプチラー(D5,D6)で構成され、第3グループ(Gr3)は、2台のヒートポンプチラー(D7,D8)で構成されている。各ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、互いに同一の水配管(16)に接続されている。この水配管(16)を流れる空調用水の温度負荷は、本実施形態および本発明に係る負荷をいうものとする。尚、上記各グループ(Gr1〜Gr3)は、本発明に係る制御ユニットを構成している。
上記コントローラ(11)は、第1グループ(Gr1)を制御する第1グループ制御部(13)と、第2グループ(Gr2)を制御する第2グループ制御部(14)と、第3グループ(Gr3)を制御する第3グループ制御部(15)と、第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)を統括制御するファミリー制御部(12)とを備えている。
各グループ制御部(13〜15)は、図2に示すように、それぞれの対応するグループ(Gr1〜Gr3)のヒートポンプチラー(D1〜D8)に対してグループ制御を行うものであって、本発明に係るユニット制御部を構成している。具体的には、第1グループ制御部(13)は、第1グループ(Gr1)に接続され、第2グループ制御部(14)は、第2グループ(Gr2)に接続され、第3グループ制御部(15)は第3グループ(Gr3)に接続されている。このグループ制御は、ユーザーの要望に応じて、例えばヒートポンプチラー(D1〜D8)の設置時などに予め設定されるものである。
本実施形態1では、各グループ制御部(13〜15)は、それぞれが対応する各グループ(Gr1〜Gr3)に対してグループ制御として同時制御を行う。具体的に、第1グループ(Gr1)における同時制御では、第1グループ制御部(13)が運転信号を受け取ると、第1グループ(Gr1)を構成する4台のヒートポンプチラー(D1〜D4)のすべてに100%ロードでの運転指令を出す。一方、第1グループ制御部(13)が、運転停止信号を受け取ると、すべてのヒートポンプチラー(D1〜D4)を停止させる。第2グループ(Gr2)の同時制御では、上記第1グループ(Gr1)と同様に、第2グループ(Gr2)を構成する2台のヒートポンプチラー(D5,D6)が同時に100%ロードでの起動・停止を繰り返す。また、第3グループ(Gr3)の同時制御では、上記第1グループ(Gr1)と同様に、第3グループ(Gr3)を構成する2台のヒートポンプチラー(D7,D8)が同時に100%ロードでの起動・停止を繰り返す。
上記ファミリー制御部(12)は、第1〜第3の各グループ制御部(13〜15)に対してファミリー制御を行うものであって、本発明に係る統括制御部を構成している。このファミリー制御は、ユーザーの要望に応じて、例えば各ヒートポンプチラー(D1〜D8)の設置時に予め設定されるものである。
このファミリー制御部(12)は、第1〜第3の各グループ制御部(13〜15)に対してファミリー制御としてローテーション制御を行う。すなわち、第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)が1つのファミリーを構成している。ファミリー制御部(12)のローテーション制御では、各グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間を平準化するようにファミリー内の各グループ(Gr1〜Gr3)の運転が制御される。尚、この通算運転時間は、本発明に係る稼動時間を構成している。具体的には、ファミリー制御部(12)では、運転信号を受け取ると、制御対象とするファミリー内で通算運転時間が少ないグループの順に高い優先順位が決定される。そして、ファミリー制御部(12)は、優先順位の最も高いグループ(すなわち、通算運転時間が最も少ないグループ)から順番に運転を開始させる。そして、運転を開始して水温制御を行うグループが100%ロードに達したら、次に優先順位の高いグループの運転を開始させる。このため、ローテーション制御では、各グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間にばらつきが少なくなる。
また、このローテーション制御では、運転中のグループのうち、最も優先順位の低いグループ(すなわち、通算運転時間が多いグループ)が水温の微調整を行うように制御が行われる。尚、本実施形態1では、第1グループ(Gr1)、第2グループ(Gr2)、第3グループ(Gr3)の順に優先順位が高くなっているものとする。
また、ファミリー制御部(12)では、連続運転が24時間経過すると、優先順位が1位の第1グループ(Gr1)の優先順位を最後の順位に変更し、2位以下のグループ(Gr2,Gr3)が一位ずつ繰り上がる。つまり、24時間ごとにその優先順位を変更することで、運転時間の平準化が図られる。
尚、ファミリー制御部(12)では、各グループ(Gr1〜Gr3)の通算運転時間ではなく、各グループ(Gr1〜Gr3)の発停回数の平均値が少ない順に優先順位を決定するようにしてもよい。
−運転動作−
次に、本実施形態1に係るチラー制御システム(10)の運転制御について説明する。チラー制御システム(10)では、図3に示すように、まず、ファミリー制御部(12)が、第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)のうち、通算運転時間が最も少ない第1グループ(Gr1)の運転を開始させる。第1グループ(Gr1)では、グループ内の4台のヒートポンプチラー(D1〜D4)が、同時に100%ロードで起動される。すべてのヒートポンプチラー(D1〜D4)が同時に100%ロードで起動することで、図7の(a)に示すように、チラー制御システム(10)の起動時の急激な負荷の増加(400%)に対して追従することができる。
次に、ファミリー制御部(12)は、図4に示すように、急激な負荷の増加(200%)に対して、通算運転時間が2番目に少ない第2グループ(Gr2)の運転を開始させる。第2グループ(Gr2)では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D5,D6)が、同時に100%ロードで起動される。すべてのヒートポンプチラー(D5,D6)が同時に100%ロードで起動することで、図7の(b)に示すように、急激な負荷の増加(200%)に対して追従することができる。
その後、ファミリー制御部(12)は、図5に示すように、急激な負荷の増加(200%)に対して、残った第3グループ(Gr3)の運転を開始させる。第3グループ(Gr3)では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D7,D8)が、同時に100%ロードで起動される。すべてのヒートポンプチラー(D7,D8)が同時に100%ロードで起動することで、図7の(c)に示すように、急激な負荷の増加(200%)に対して追従することができる。
次に、ファミリー制御部(12)は、図6に示すように、急激な負荷の低下(200%)に対して、第3グループ(Gr3)の運転を停止させる。第3グループ(Gr3)では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D7,D8)が同時に停止する。すべてのヒートポンプチラー(D7,D8)が同時に停止することで、図7の(d)に示すように、急激な負荷の低下(200%)に対して追従することができる。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1によれば、ファミリー制御ではローテーション制御を行う一方、各グループ制御では同時制御を行うようにしたため、グループ(Gr1〜Gr3)ごとに起動・停止を行うことができる。このため、負荷変動に対する追従性を高くすることができる。これにより、チラー制御システム(10)の起動時の高負荷においても水温を速やかに目標温度に近づけることができる。また、チラー制御システム(10)の運転中における急激な負荷変動においても水温を速やかに目標温度に近づけることができる。
また、ファミリー制御では、ローテーション制御を行うようにしたため、グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間に基づいて、運転させるグループ(Gr1〜Gr3)を決めることができる。これにより、各グループ(Gr1〜Gr3)の通算運転時間を平準化することができる。
これらの結果、チラー制御システム(10)の全体として、起動時などの負荷変動への追従性を確保しつつ、長寿命化を図ることができる。
ここで、従来のチラー装置(a)は、コンサートホールや体育館のような広い空間を有する物件に設置されることがある。このような物件の場合、チラー装置(a)の起動時の冷却又は加熱負荷が大きくなるという特徴がある。このため、チラー装置(a)では、グループ(c,d,e)内の室外機(b)をすべて同時に発停させる同時制御を行うことで、起動時の負荷変動に対応している。
しかしながら、上記チラー装置(a)では、その起動時に特定のグループ(例えば、グループ(c))の室外機(b)が常に動作することになる。このため、特定のグループの室外機(b)のみが早めに故障などをする危険性が高くなる。すなわち、チラー装置(a)全体として、起動時などの負荷変動への追従性を確保しつつ、長寿命化を図ることができないという問題があった。
一方、本実施形態1に係るチラー制御システム(10)は、起動時などの負荷変動に対する追従性を高めることができ、且つ長寿命化を図ることができるため、このような物件に適している。
〈発明の実施形態2〉
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態2に係るチラー制御システム(10)は、上記実施形態1に係るものとは、コントローラ(11)のグループ制御部(13〜15)の構成が異なっている。
図1は、本発明の実施形態2に係るチラー制御システム(10)を示している。このチラー制御システム(10)は、それぞれが複数のヒートポンプチラー(D1〜D8)を有する第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)と、ヒートポンプチラー(D1〜D8)の運転を制御するコントローラ(11)とを備えて構成されている。
上記ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、ビル等の建物の屋上に設置されて該建物内に供給される空調用水を冷却又は加熱するためのものであって、本発明に係るチラーを構成している。ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、熱交換器と送風ファンを有するケーシングを備えており、熱交換器を通過させてケーシングに取り込んだ空気を送風ファンによってケーシングの外部に吹き出すように構成されている。ケーシング内に取り込まれた空気は、熱交換器を通過する際に熱交換される。
上記第1グループ(Gr1)は、4台のヒートポンプチラー(D1〜D4)で構成され、第2グループ(Gr2)は、2台のヒートポンプチラー(D5,D6)で構成され、第3グループ(Gr3)は、2台のヒートポンプチラー(D7,D8)で構成されている。各ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、互いに同一の水配管(16)に接続されている。この水配管(16)を流れる空調用水の温度負荷は、本実施形態2および本発明に係る負荷をいうものとする。尚、上記各グループ(Gr1〜Gr3)は、本発明に係る制御ユニットを構成している。
上記コントローラ(11)は、第1グループ(Gr1)を制御する第1グループ制御部(13)と、第2グループ(Gr2)を制御する第2グループ制御部(14)と、第3グループ(Gr3)を制御する第3グループ制御部(15)と、第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)を統括制御するファミリー制御部(12)とを備えている。
各グループ制御部(13〜15)は、図8に示すように、それぞれの対応するグループ(Gr1〜Gr3)のヒートポンプチラー(D1〜D8)に対してグループ制御を行うものであって、本発明に係るユニット制御部を構成している。具体的には、第1グループ制御部(13)は、第1グループ(Gr1)に接続され、第2グループ制御部(14)は、第2グループ(Gr2)に接続され、第3グループ制御部(15)は第3グループ(Gr3)に接続されている。このグループ制御は、ユーザーの要望に応じて、例えばヒートポンプチラー(D1〜D8)の設置時などに予め設定されるものである。
具体的に、本実施形態2に係る各グループ制御部(13〜15)は、それぞれの対応するグループ(Gr1〜Gr3)に対してグループ制御としてローテーション制御を行うものである。
第1グループ(Gr1)におけるローテーション制御では、グループ内の4台のヒートポンプチラー(D1〜D4)ごとの通算運転時間が平準化するように各ヒートポンプチラー(D1〜D4)の運転が制御される。具体的には、第1グループ制御部(13)では、運転信号を受け取ると、グループ内で通算運転時間が少ないヒートポンプチラーの順に高い優先順位が決定される。そして、第1グループ制御部(13)は、優先順位の最も高いヒートポンプチラー(すなわち、通算運転時間が最も少ないヒートポンプチラー)から順番に運転を開始させる。運転が開始して水温制御を行うヒートポンプチラーが所定のロードに達したら、次に優先順位の高いヒートポンプチラーの運転を開始させる。このため、ローテーション制御では、グループ内の各ヒートポンプチラー(D1〜D4)ごとの通算運転時間にばらつきが少なくなる。
また、このローテーション制御では、運転中のヒートポンプチラー(D1〜D4)のうち、最も優先順位の低いヒートポンプチラー(すなわち、通算運転時間が多いヒートポンプチラー)が水温の微調整を行う。そして、負荷が下がった場合、優先順位の低い順に運転を停止させる。また、停止信号を受け取ると、第1グループ制御部(13)は、グループ内のすべてのヒートポンプチラー(D1〜D4)を同時に停止する。尚、第1グループ(Gr1)では、図10に示すように、ヒートポンプチラー(D4)(280時間)、ヒートポンプチラー(D3)(300時間)、ヒートポンプチラー(D1)(350時間)、ヒートポンプチラー(D2)(370時間)の順に優先順位が高くなっているものとする。
また、第1グループ制御部(13)では、連続運転が24時間経過すると、優先順位が1位のヒートポンプチラーの優先順位を最後の順位に変更し、2位以下のヒートポンプチラーが一位ずつ繰り上がる。つまり、24時間ごとにその優先順位を変更することで、運転時間の平準化が図られる。
尚、第1グループ制御部(13)では、各ヒートポンプチラー(D1〜D4)の通算運転時間ではなく、各ヒートポンプチラー(D1〜D4)の発停回数が少ない順に優先順位を決定するようにしてもよい。この場合、起動が特定のヒートポンプチラー(D1〜D4)に集中しなくなるため、各ヒートポンプチラー(D1〜D4)の発停回数を平準化することができる。
第2グループ(Gr2)におけるローテーション制御では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D5,D6)ごとの通算運転時間を平準化するように各ヒートポンプチラー(D5,D6)の運転が制御される。具体的な制御内容は、上記第1グループ(Gr1)と同様であるため、説明は省略する。尚、第2グループ(Gr2)では、図9に示すように、ヒートポンプチラー(D6)(310時間)、ヒートポンプチラー(D5)(340時間)の順に優先順位が高くなっているものとする。
第3グループ(Gr3)におけるローテーション制御では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D7,D8)ごとの通算運転時間を平準化するように各ヒートポンプチラー(D7,D8)の運転が制御される。具体的な制御内容は、上記第1グループ(Gr1)と同様であるため、説明は省略する。
上記ファミリー制御部(12)は、第1〜第3の各グループ制御部(13〜15)に対してファミリー制御を行うものであって、本発明に係る統括制御部を構成している。このファミリー制御は、ユーザーの要望に応じて、例えば各ヒートポンプチラー(D1〜D8)の設置時に予め設定されるものである。
このファミリー制御部(12)は、第1〜第3の各グループ制御部(13〜15)に対してファミリー制御としてローテーション制御を行う。すなわち、第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)が1つのファミリーを形成している。ファミリー制御部(12)のローテーション制御では、各グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間を平準化するようにファミリー内の各グループ(Gr1〜Gr3)の運転が制御される。尚、この通算運転時間は、本発明に係る稼動時間を構成している。具体的には、ファミリー制御部(12)では、運転信号を受け取ると、制御対象とするファミリー内で通算運転時間が少ないグループの順に高い優先順位が決定される。そして、ファミリー制御部(12)は、優先順位の最も高いグループ(すなわち、通算運転時間が最も少ないグループ)から順番に運転を開始させる。そして、運転が開始して水温制御を行うグループが100%ロードに達したら、次に優先順位の高いグループの運転を開始させる。このため、ローテーション制御では、各グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間にばらつきが少なくなる。
また、このローテーション制御では、運転中のグループのうち、最も優先順位の低いグループ(すなわち、通算運転時間が多いグループ)が水温の微調整を行うように制御が行われる。尚、本実施形態2では、第2グループ(Gr2)、第1グループ(Gr1)、第3グループ(Gr3)の順に優先順位が高くなっているものとする。
また、ファミリー制御部(12)では、連続運転が24時間経過すると、優先順位が1位のグループの優先順位を最後の順位に変更し、2位以下のグループが一位ずつ繰り上がる。つまり、24時間ごとにその優先順位を変更することで、運転時間の平準化が図られる。
尚、ファミリー制御部(12)では、各グループ(Gr1〜Gr3)の通算運転時間ではなく、各グループ(Gr1〜Gr3)の発停回数の平均値が少ない順に優先順位を決定するようにしてもよい。
−運転動作−
次に、本実施形態2に係るチラー制御システム(10)の運転制御について説明する。チラー制御システム(10)では、図9に示すように、ファミリー制御部(12)が、第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)のうち、通算運転時間が最も少ない第2グループ(Gr2)の運転を開始させる。第2グループ(Gr2)では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D5,D6)のうち、通算運転時間が少ないヒートポンプチラー(D6)の運転を開始させ、100%ロードに達したら、続いてヒートポンプチラー(D5)の運転を開始させる。こうすることで、図12に示すように、細かい負荷変動に対して追従することができる。
次に、ファミリー制御部(12)は、通算運転時間が2番目に少ない第1グループ(Gr1)の運転を開始させる。第1グループ(Gr1)では、図10に示すように、グループ内の4台のヒートポンプチラー(D1〜D4)のうち、通算運転時間が最も少ないヒートポンプチラー(D4)の運転を開始させ、100%ロードに達したら、続いてヒートポンプチラー(D3)、ヒートポンプチラー(D1)、ヒートポンプチラー(D2)の順に運転を開始させる。こうすることで、図12に示すように、細かい負荷変動に対して追従することができる。
その後、ファミリー制御部(12)は、通算運転時間が少ない第3グループ(Gr3)の運転を開始させる。第3グループ(Gr3)では、図11に示すように、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D7,D8)のうち、通算運転時間が少ないヒートポンプチラーから順に運転を開始させる。こうすることで、図12に示すように、細かい負荷変動に対して追従することができる。
尚、ヒートポンプチラー(D1〜D8)の水温が目標温度となった場合、ファミリー制御部(12)は、その水温を維持するように各グループ(Gr1〜Gr3)のローテーション制御を行う。
−実施形態2の効果−
上記実施形態2によれば、ファミリー制御部(12)がローテーション制御を行うようにしたため、グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間に基づいて運転させるグループを決めることができる。これにより、各グループ(Gr1〜Gr3)の通算運転時間を平準化することができる。このため、特定のグループ(Gr1〜Gr3)が常に稼動するのを防止できるため、チラー制御システム(10)の全体の長寿命化を図ることができる。また、各グループ(Gr1〜Gr3)をローテーションさせて起動させるため、細かい負荷変動に対する追従性を高めることができる。
また、グループ制御部(13〜15)がローテーション制御を行うようにしたため、各グループ(Gr1〜Gr3)内のヒートポンプチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)ごとの通算運転時間に基づいて運転させるヒートポンプチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を決めることができる。これにより、各グループ(Gr1〜Gr3)のヒートポンプチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)の通算運転時間を平準化することができる。また、各グループ(Gr1〜Gr3)および各ヒートポンプチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)をローテーションさせて起動させるため、細かい負荷変動に対する追従性を高めることができる。
これらの結果、チラー制御システム(10)の全体として、細かい負荷変動への追従性を保ちつつ、長寿命化を図ることができる。
ここで、従来のチラー装置(a)は、病院や寮などの個室空調を主体とする物件に設置されることがある。このような物件の場合、チラー装置(a)の起動時の冷却又は加熱負荷は段階的に増加し、且つ起動後は、その変動が小さい一方、長時間の運転が必要になるという特徴がある。このため、チラー装置(a)では、各グループ(c,d,e)内の室外機(b)を稼動時間の少ないものを優先させて起動させることで、グループ(c,d,e)内の各室外機(b)の稼動時間の平準化を図り、且つ変動の少ない負荷に細かく対応している。
しかしながら、上記チラー装置(a)では、各グループ(c,d,e)内では、各室外機(b)の稼動時間が平準化されるものの、起動時は、常に、特定のグループが動作することになる。このため、特定のグループの室外機(b)のみが早く故障などをする危険性が高くなる。すなわち、チラー装置(a)全体として、細かい負荷変動への追従性を保ちつつ、長寿命化を図ることができないという問題があった。
本実施形態2に係るチラー制御システム(10)では、全体として、細かい負荷変動への追従性を保ちつつ、長寿命化を図ることができる。その他の形態、作用・効果は実施形態1と同様である。
〈発明の実施形態3〉
次に、本発明の実施形態3について説明する。実施形態3に係るチラー制御システム(10)は、上記実施形態1および2に係るものとは、コントローラ(11)のグループ制御部(13〜15)の構成が異なっている。
図1は、本発明の実施形態3に係るチラー制御システム(10)を示している。このチラー制御システム(10)は、それぞれが複数のヒートポンプチラー(D1〜D8)を有する第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)と、ヒートポンプチラー(D1〜D8)の運転を制御するコントローラ(11)とを備えて構成されている。
上記ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、ビル等の建物の屋上に設置されて該建物内に供給される空調用水を冷却又は加熱するためのものであって、本発明に係るチラーを構成している。ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、熱交換器と送風ファンを有するケーシングを備えており、熱交換器を通過させてケーシングに取り込んだ空気を送風ファンによってケーシングの外部に吹き出すように構成されている。ケーシング内に取り込まれた空気は、熱交換器を通過する際に熱交換される。
上記第1グループ(Gr1)は、4台のヒートポンプチラー(D1〜D4)で構成され、第2グループ(Gr2)は、2台のヒートポンプチラー(D5,D6)で構成され、第3グループ(Gr3)は、2台のヒートポンプチラー(D7,D8)で構成されている。各ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、互いに同一の水配管(16)に接続されている。この水配管(16)を流れる空調用水の温度負荷は、本実施形態3および本発明に係る負荷をいうものとする。尚、上記各グループ(Gr1〜Gr3)は、本発明に係る制御ユニットを構成している。
上記コントローラ(11)は、第1グループ(Gr1)を制御する第1グループ制御部(13)と、第2グループ(Gr2)を制御する第2グループ制御部(14)と、第3グループ(Gr3)を制御する第3グループ制御部(15)と、第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)を統括制御するファミリー制御部(12)とを備えている。
各グループ制御部(13〜15)は、図13に示すように、それぞれの対応するグループ(Gr1〜Gr3)のヒートポンプチラー(D1〜D8)に対してグループ制御を行うものであって、本発明に係るユニット制御部を構成している。具体的には、第1グループ制御部(13)は、第1グループ(Gr1)に接続され、第2グループ制御部(14)は、第2グループ(Gr2)に接続され、第3グループ制御部(15)は第3グループ(Gr3)に接続されている。このグループ制御は、ユーザーの要望に応じて、例えばヒートポンプチラー(D1〜D8)の設置時などに予め設定されるものである。
具体的に、本実施形態3に係る各グループ制御部(13〜15)は、それぞれの対応するグループ(Gr1〜Gr3)に対してグループ制御として運転効率優先制御(以下、効率制御という。)を行うものである。
第1グループ(Gr1)における効率制御では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D1〜D4)の運転効率を考慮して運転が制御される。具体的には、運転信号を受け取ると、第1グループ制御部(13)では、グループ内で通算運転時間が少ないヒートポンプチラーの順に高い優先順位が決定される。そして、第1グループ制御部(13)は、優先順位の最も高いヒートポンプチラー(すなわち、通算運転時間が最も少ないヒートポンプチラー)から順番に運転を開始させる。運転が開始し、水温制御を行うヒートポンプチラーが所定のロードに達したら、次に優先順位の高いヒートポンプチラーの運転を開始させる。このため、効率制御では、グループ内の各ヒートポンプチラー(D1〜D4)ごとの通算運転時間にばらつきが少なくなる。
ここで、第1グループ(Gr1)では、各ヒートポンプチラー(D1〜D4)が最高運転効率となるロード(以下、効率%ロード)で運転を行う。この効率%ロードは、例えば、図25に示されるように、40%ロードをいうものとする。このため、効率制御では、第1グループ(Gr1)全体で運転効率のよい運転を行うことができる。
また、この効率制御では、運転中のヒートポンプチラー(D1〜D4)のうち、最も優先順位の低いヒートポンプチラー(すなわち、通算運転時間が多いヒートポンプチラー)が水温の微調整を行う。そして、負荷が下がった場合、優先順位の低いヒートポンプチラーの順に運転を停止させる。また、停止信号を受け取ると、第1グループ制御部(13)は、グループ内のすべてのヒートポンプチラー(D1〜D4)を同時に停止する。
また、第1グループ制御部(13)では、連続運転が24時間経過すると、優先順位が1位のヒートポンプチラーの優先順位を最後の順位に変更し、2位以下のヒートポンプチラーが一位ずつ繰り上がる。つまり、24時間ごとにその優先順位を変更することで、運転時間の平準化が図られる。
尚、第1グループ制御部(13)では、各ヒートポンプチラー(D1〜D4)の通算運転時間ではなく、各ヒートポンプチラー(D1〜D4)の発停回数が少ない順に優先順位を決定するようにしてもよい。この場合、起動が特定のヒートポンプチラーに集中しなくなるため、各ヒートポンプチラー(D1〜D4)の発停回数を平準化することができる。
第2グループ(Gr2)における効率制御では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D5,D6)の運転効率を考慮して運転が制御される。具体的な制御内容は、上記第1グループ(Gr1)と同様であるため、説明は省略する。尚、第2グループ(Gr2)では、図14に示すように、ヒートポンプチラー(D6)(310時間)、ヒートポンプチラー(D5)(340時間)の順に優先順位が高くなっているものとする。
第3グループ(Gr3)における効率制御では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D7,D8)の運転効率を考慮して運転が制御される。具体的な制御内容は、上記第1グループ(Gr1)と同様であるため、説明は省略する。
上記ファミリー制御部(12)は、第1〜第3の各グループ制御部(13〜15)に対してファミリー制御を行うものであって、本発明に係る統括制御部を構成している。このファミリー制御は、ユーザーの要望に応じて、例えば各ヒートポンプチラー(D1〜D8)の設置時に予め設定されるものである。
このファミリー制御部(12)は、第1〜第3の各グループ制御部(13〜15)に対してファミリー制御としてローテーション制御を行う。すなわち、第1グループ(Gr1〜Gr3)が1つのファミリーを構成している。ファミリー制御部(12)のローテーション制御では、各グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間を平準化するようにファミリー内の各グループ(Gr1〜Gr3)の運転が制御される。尚、この通算運転時間は、本発明に係る稼動時間を構成している。具体的には、ファミリー制御部(12)では、運転信号を受け取ると、制御対象とするファミリー内で通算運転時間が少ないグループの順に高い優先順位が決定される。そして、ファミリー制御部(12)は、優先順位の最も高いグループ(すなわち、通算運転時間が最も少ないグループ)から順番に運転を開始させる。そして、運転を開始させて水温制御を行うグループが100%ロードに達したら、次に優先順位の高いグループの運転を開始させる。このため、ローテーション制御では、各グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間にばらつきが少なくなる。
また、このローテーション制御では、運転中のグループのうち、最も優先順位の低いグループ(すなわち、通算運転時間が多いグループ)が水温の微調整を行う制御が行われる。尚、本実施形態3では、図14に示すように、第2グループ(Gr2)、第1グループ(Gr1)、第3グループ(Gr3)の順に優先順位が高くなっているものとする。
また、ファミリー制御部(12)では、連続運転が24時間経過すると、優先順位が1位のグループの優先順位を最後の順位に変更し、2位以下のグループが一位ずつ繰り上がる。つまり、24時間ごとにその優先順位を変更することで、運転時間の平準化が図られる。
尚、ファミリー制御部(12)では、各グループ(Gr1〜Gr3)の通算運転時間ではなく、各グループ(Gr1〜Gr3)の発停回数の平均値が少ない順に優先順位を決定するようにしてもよい。
−運転動作−
次に、本実施形態3に係るチラー制御システム(10)の運転制御について説明する。チラー制御システム(10)では、図14に示すように、ファミリー制御部(12)が、第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)のうち、通算運転時間が最も少ない第2グループ(Gr2)の運転を開始させる。第2グループ(Gr2)では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D5,D6)のうち、通算運転時間が少ないヒートポンプチラー(D6)の運転を開始させ、効率%ロードに達したら、続いて、図15に示すように、ヒートポンプチラー(D5)の運転を開始させる。こうすることで、図18に示すように、細かい負荷変動に対して追従することができる。
次に、ファミリー制御部(12)は、通算運転時間が2番目に少ない第1グループ(Gr1)、第3グループ(Gr3)の順に運転を開始させる。このとき、各グループ(Gr1,Gr3)では、そのグループ内で優先順位の高いヒートポンプチラーの運転が開始され、このヒートポンプチラーが効率%ロードに達したら、次に優先順位の高いヒートポンプチラーから順に運転を開始させていく。こうすることで、図18に示すように、細かい負荷変動に対して追従することができる。
その後、図16に示すように、すべてのヒートポンプチラー(D1〜D8)が効率%ロードで運転した場合、ファミリー制御部(12)は、優先順位の高い第2グループ(Gr2)を高いロードで運転するように制御する。第2グループ制御部(14)は、優先順位の高いヒートポンプチラー(D6)を100%ロードでの運転に切り換え、ヒートポンプチラー(D6)が100%ロードに達したら、続いて、ヒートポンプチラー(D5)を100%ロードでの運転に切り換える。
続いて、ファミリー制御部(12)は、優先順位の高い第1グループ(Gr1)、第3グループ(Gr3)の順に運転を開始させる。このとき、各グループ(Gr1,Gr3)では、そのグループ内で優先順位の高いヒートポンプチラーを100%ロードでの運転に切り換え、このヒートポンプチラーが100%ロードに達したら、次に優先順位の高いヒートポンプチラーから順に100%ロードでの運転に切り換えていく(図17参照)。こうすることで、図18に示すように、細かい負荷変動に対して追従することができる。
−実施形態3の効果−
上記実施形態3によれば、ファミリー制御部(12)が、ローテーション制御を行うようにしたため、グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間に基づいて運転させるグループを決めることができる。このため、各グループ(Gr1〜Gr3)の通算運転時間を平準化することができる。したがって、特定のグループ(Gr1〜Gr3)が常に稼動するのを防止できるため、チラー制御システム(10)の全体の長寿命化を図ることができる。
また、各グループ(Gr1〜Gr3)では、グループ内のヒートポンプチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)の効率%ロードでの運転を優先させたため、省電力による運転を行うことができる。
この結果、チラー制御システム(10)の全体として、長寿命化を図りつつ、省エネルギーによる運転を実現することができる。
また、各グループ(Gr1〜Gr3)では、効率制御を行うようにしたため、各グループ(Gr1〜Gr3)内のヒートポンプチラー(D1〜D8)ごとの通算運転時間に基づいて運転させるヒートポンプチラー(D1〜D8)を決めることができる。これにより、各グループ(Gr1〜Gr3)のヒートポンプチラー(D1〜D8)の通算運転時間を平準化することができる。また、各グループ(Gr1〜Gr3)内のヒートポンプチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を順番に起動させるため、細かい負荷の変動に対する追従性を高めることができる。
また、各グループ(Gr1〜Gr3)が複数のヒートポンプチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有しているため、複数のヒートポンプチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有する各グループ(Gr1〜Gr3)ごとに制御を行うことができる。このため、簡単な構成でもって、多数のヒートポンプチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を制御することができる。
ここで、従来のチラー装置(a)は、病院や寮などの個室空調を主体とする物件に設置されることがある。このような物件の場合、チラー装置(a)の起動時の冷却又は加熱負荷は段階的に増加し、且つ起動後は、その変動が小さい一方、長時間の運転が必要となるという特徴がある。このため、チラー装置(a)では、各グループ(c,d,e)内の室外機(b)を稼動時間の少ないものを優先させて起動させることで、細かい負荷変動に追従させるように制御されていた。しかしながら、上記チラー装置(a)では、各グループ(c,d,e)内で稼動する室外機(b)が100%ロードで運転するため、効率の悪い運転となり、電力使用量が多くなってしまう(図25)。すなわち、チラー装置(a)全体として、細かい負荷変動への追従性を確保しつつ、省エネルギーによる運転を実現することができないという問題があった。
本実施形態3に係るチラー制御システム(10)は、細かい負荷変動に対する追従性を高めることができ、且つ省エネルギーによって運転することができるため、このような物件に適している。その他の形態、作用・効果は実施形態1と同様である。
〈発明の実施形態4〉
次に、本発明の実施形態4について説明する。実施形態4に係るチラー制御システム(10)は、上記実施形態1〜3に係るものとは、コントローラ(11)のグループ制御部(13〜15)の構成が異なっている。
図1は、本発明の実施形態1に係るチラー制御システム(10)を示している。このチラー制御システム(10)は、それぞれが複数のヒートポンプチラー(D1〜D8)を有する第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)と、ヒートポンプチラー(D1〜D8)の運転を制御するコントローラ(11)とを備えて構成されている。
上記ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、ビル等の建物の屋上に設置されて該建物内に供給される空調用水を冷却又は加熱するためのものであって、本発明に係るチラーを構成している。ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、熱交換器と送風ファンを有するケーシングを備えており、熱交換器を通過させてケーシングに取り込んだ空気を送風ファンによってケーシングの外部に吹き出すように構成されている。ケーシング内に取り込まれた空気は、熱交換器を通過する際に熱交換される。
上記第1グループ(Gr1)は、4台のヒートポンプチラー(D1〜D4)で構成され、第2グループ(Gr2)は、2台のヒートポンプチラー(D5,D6)で構成され、第3グループ(Gr3)は、2台のヒートポンプチラー(D7,D8)で構成されている。各ヒートポンプチラー(D1〜D8)は、互いに同一の水配管(16)に接続されている。この水配管(16)を流れる空調用水の温度負荷は、本実施形態および本発明に係る負荷をいうものとする。尚、上記各グループ(Gr1〜Gr3)は、本発明に係る制御ユニットを構成している。
上記コントローラ(11)は、第1グループ(Gr1)を制御する第1グループ制御部(13)と、第2グループ(Gr2)を制御する第2グループ制御部(14)と、第3グループ(Gr3)を制御する第3グループ制御部(15)と、第1〜第3グループ(Gr1〜Gr3)を統括制御するファミリー制御部(12)とを備えている。
各グループ制御部(13〜15)は、図19に示すように、それぞれの対応するグループ(Gr1〜Gr3)のヒートポンプチラー(D1〜D8)に対してグループ制御を行うものであって、本発明に係るユニット制御部を構成している。具体的には、第1グループ制御部(13)は、第1グループ(Gr1)に接続され、第2グループ制御部(14)は、第2グループ(Gr2)に接続され、第3グループ制御部(15)は第3グループ(Gr3)に接続されている。このグループ制御は、ユーザーの要望に応じて、例えばヒートポンプチラー(D1〜D8)の設置時などに予め設定されるものである。
第1グループ制御部(13)は、第1グループ(Gr1)に対してグループ制御として同時制御を行うものであって、本発明に係る第1ユニット制御部を構成している。具体的に、第1グループ(Gr1)における同時制御では、第1グループ制御部(13)が、運転信号を受け取ると、第1グループ(Gr1)を構成する4台のヒートポンプチラー(D1〜D4)のすべてに100%ロードでの運転指令を出す。一方、第1グループ制御部(13)が、運転停止信号を受け取ると、すべてのヒートポンプチラー(D1〜D4)を停止させる。
第2グループ制御部(14)は、第2グループ(Gr2)内の2台のヒートポンプチラー(D5,D6)ごとの通算運転時間が平準化するように各ヒートポンプチラー(D5,D6)の運転を制御するものであって、本発明に係る第2ユニット制御部を構成している。具体的には、第2グループ制御部(14)では、運転信号を受け取ると、グループ内で通算運転時間が少ないヒートポンプチラーの順に高い優先順位が決定される。そして、第2グループ制御部(14)は、優先順位の最も高いヒートポンプチラー(すなわち、通算運転時間が最も少ないヒートポンプチラー)から順番に運転を開始させる。運転が開始して水温制御を行うヒートポンプチラーが所定のロードに達したら、次に優先順位の高いヒートポンプチラーの運転を開始させる。このため、ローテーション制御では、グループ内の各ヒートポンプチラー(D5,D6)ごとの通算運転時間にばらつきが少なくなる。
また、このローテーション制御では、運転中のヒートポンプチラー(D5,D6)のうち、最も優先順位の低いヒートポンプチラー(すなわち、通算運転時間が多いヒートポンプチラー)が水温の微調整を行う。そして、負荷が下がった場合、優先順位の低い順に運転を停止させる。また、停止信号を受け取ると、第2グループ制御部(14)は、グループ内のすべてのヒートポンプチラー(D5,D6)を同時に停止する。
尚、第2グループ(Gr2)では、図21に示すように、ヒートポンプチラー(D6)(310時間)、ヒートポンプチラー(D5)(340時間)の順に優先順位が高くなっているものとする。
また、第2グループ制御部(14)では、連続運転が24時間経過すると、優先順位が1位のヒートポンプチラーの優先順位を最後の順位に変更し、2位以下のヒートポンプチラーが一位ずつ繰り上がる。つまり、24時間ごとにその優先順位を変更することで、運転時間の平準化が図られる。
尚、第2グループ制御部(14)では、各ヒートポンプチラー(D5,D6)の通算運転時間ではなく、各ヒートポンプチラー(D5,D6)の発停回数が少ない順に優先順位を決定するようにしてもよい。この場合、また、起動が特定のヒートポンプチラーに集中しなくなるため、各ヒートポンプチラー(D5,D6)の発停回数を平準化することができる。
第3グループ制御部(15)は、第3グループ(Gr3)内の2台のヒートポンプチラー(D7,D8)ごとの通算運転時間を平準化するように各ヒートポンプチラー(D7,D8)の運転を制御するものであって、本発明に係る第2ユニット制御部を構成している。具体的な制御内容は、上記第2グループ(Gr2)と同様であるため、説明は省略する。
上記ファミリー制御部(12)は、第1〜第3の各グループ制御部(13〜15)に対してファミリー制御を行うものであって、本発明に係る統括制御部を構成している。このファミリー制御は、ユーザーの要望に応じて、例えば各ヒートポンプチラー(D1〜D8)の設置時に予め設定されるものである。
このファミリー制御部(12)は、第1〜第3の各グループ制御部(13〜15)に対してファミリー制御としてローテーション制御を行う。すなわち、第1グループ(Gr1〜Gr3)が1つのファミリーを構成している。ファミリー制御部(12)のローテーション制御では、各グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間を平準化するようにファミリー内の各グループ(Gr1〜Gr3)の運転が制御される。尚、この通算運転時間は、本発明に係る稼動時間を構成している。具体的には、ファミリー制御部(12)では、運転信号を受け取ると、制御対象とするファミリー内で通算運転時間が少ないグループの順に高い優先順位が決定される。そして、ファミリー制御部(12)は、優先順位の最も高いグループ(すなわち、通算運転時間が最も少ないグループ)から順番に運転を開始させる。そして、運転を開始させて水温制御を行うグループが100%ロードに達したら、次に優先順位の高いグループの運転を開始させる。このため、ローテーション制御では、各グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間にばらつきが少なくなる。
また、このローテーション制御では、運転中のグループのうち、最も優先順位の低いグループ(すなわち、通算運転時間が多いグループ)が水温の微調整を行う制御が行われる。尚、本実施形態4では、図21に示すように、第2グループ(Gr2)、第3グループ(Gr3)の順に優先順位が高くなっているものとする。
また、ファミリー制御部(12)では、連続運転が24時間経過すると、優先順位が1位のグループの優先順位を最後の順位に変更し、2位以下のグループが一位ずつ繰り上がる。つまり、24時間ごとにその優先順位を変更することで、運転時間の平準化が図られる。
尚、ファミリー制御部(12)では、各グループ(Gr1〜Gr3)の通算運転時間ではなく、各グループ(Gr1〜Gr3)の発停回数の平均値が少ない順に優先順位を決定するようにしてもよい。
−運転動作−
次に、本実施形態4に係るチラー制御システム(10)の運転制御について説明する。チラー制御システム(10)では、図20に示すように、まず、ファミリー制御部(12)が、グループ内で同時制御が行われる第1グループ(Gr1)の運転を優先的に開始させる。第1グループ(Gr1)では、グループ内の4台のヒートポンプチラー(D1〜D4)が、同時に100%ロードで起動される。すべてのヒートポンプチラー(D1〜D4)が同時に100%ロードで起動することで、図23に示すように、チラー制御システム(10)の起動時の急激な負荷の増加(400%)に対して追従することができる。
次に、ファミリー制御部(12)は、図21に示すように、通算運転時間が少ない第2グループ(Gr2)の運転を開始させる。第2グループ(Gr2)では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D5,D6)のうち、通算運転時間が少ないヒートポンプチラー(D6)の運転を開始させ、100%ロードに達したら、続いてヒートポンプチラー(D5)の運転を開始させる。こうすることで、図23に示すように、細かい負荷変動に対して追従することができる。
その後、ファミリー制御部(12)は、通算運転時間が多い第3グループ(Gr3)の運転を開始させる。第3グループ(Gr3)では、グループ内の2台のヒートポンプチラー(D7,D8)のうち、通算運転時間が少ない時間のヒートポンプチラーから順に運転を開始させる。こうすることで、図23に示すように、細かい負荷変動に対して追従することができる。最後は、図22に示すように、すべてのヒートポンプチラー(D1〜D8)が100%ロードで運転される。
−実施形態4の効果−
上記実施形態4によれば、ファミリー制御部(12)がローテーション制御を行うようにしたため、グループ(Gr1〜Gr3)ごとの通算運転時間に基づいて運転させるグループを決めることができる。これにより、各グループ(Gr1〜Gr3)の通算運転時間を平準化することができる。このため、特定のグループ(Gr1〜Gr3)が常に稼動するのを防止できるため、チラー制御システム(10)の全体の長寿命化を図ることができる。
また、第2および第3グループ制御部(14,15)が、ローテーション制御を行うようにしたため、第2および第3グループ(Gr2,Gr3)内のヒートポンプチラー(D5,D6,D7,D8)ごとの通算運転時間に基づいて運転させるヒートポンプチラー(D5,D6,D7,D8)を決めることができる。これにより、第2および第3グループ(Gr2,Gr3)のヒートポンプチラー(D5,D6,D7,D8)の通算運転時間を平準化することができる。また、第2および第3グループ(Gr2,Gr3)のヒートポンプチラー(D5,D6,D7,D8)を順番に運転させるため、細かい負荷変動に対する追従性を高めることができる。
さらに、第1グループ(Gr1)に対応する各ヒートポンプチラー(D1〜D4)を同時に運転させるようにしたため、急激な負荷変動に対する追従性を高くすることができる。
これらの結果、チラー制御システム(10)の全体として、起動時の急激な負荷変動への追従性を保ちつつ、起動後の細かい負荷変動への追従性を保ち、且つ長寿命化を図ることができる。
ここで、従来のチラー装置(a)は、オフィスなどの個室空調を主体とする物件に設置されることがある。このような物件の場合、チラー装置(a)の起動時刻がほぼ一定であり、且つ起動後の負荷変動が小さいという特徴がある。このため、従来のチラー装置(a)では、グループ(c,d,e)内の室外機(b)を稼動時間の少ないものを優先させて起動させることで、グループ(c,d,e)内の各室外機(b)の稼動時間の平準化を図り、且つ細かい負荷変動に対応している。
ところが、上記チラー装置(a)では、起動時の急激な負荷変動に追従することができない。
一方、本実施形態4に係るチラー制御システム(10)は、細かい負荷変動および急激な負荷変動の両方に対する追従性を高めることができ、且つ長寿命化を図ることができるため、このような物件に適している。その他の形態、作用・効果は実施形態1と同様である。
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態1〜4について、以下のような構成としてもよい。上記実施形態1〜4に係るチラー制御システム(10)におけるヒートポンプチラーの台数や、グループ分けは例示であり、これに限られるものではない。
また、上記実施形態1〜4では、本発明に係るチラーとしてヒートポンプチラー(D1〜D8)を用いたが、本発明はこれ限られず、多様な種類のチラーに適用することができる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、複数のヒートポンプチラーの制御手段について有用である。
10 チラー制御システム
11 コントローラ
12 ファミリー制御部
13 第1グループ制御部
14 第2グループ制御部
15 第3グループ制御部
D1〜D8 ヒートポンプチラー
Gr1 第1グループ
Gr2 第2グループ
Gr3 第3グループ

Claims (6)

  1. それぞれが少なくとも一つのチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有する複数の制御ユニット(Gr1〜Gr3)と、各制御ユニット(Gr1〜Gr3)ごとに対応する上記チラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を制御するユニット制御部(13〜15)とを備えたチラー制御システムであって、
    一の負荷に対応する複数の上記制御ユニット(Gr1〜Gr3)のうち、他の制御ユニットよりも稼動時間が少ない一の制御ユニットを優先して稼動させる統括制御部(12)を備える一方、
    上記ユニット制御部(13〜15)は、上記統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr1〜Gr3)のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を制御するよう構成されている
    ことを特徴とするチラー制御システム。
  2. 請求項1において、
    上記各制御ユニット(Gr1〜Gr3)は、それぞれが複数の上記チラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を有している
    ことを特徴とするチラー制御システム。
  3. 請求項2において、
    上記統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応する上記ユニット制御部(13〜15)は、対応する複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を同時に運転させるよう構成されている
    ことを特徴とするチラー制御システム。
  4. 請求項2において、
    上記統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応するユニット制御部(13〜15)は、対応する複数のチラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)のうち、他のチラーよりも稼動時間が少ない一のチラーを優先して稼動させるよう構成されている
    ことを特徴とするチラー制御システム。
  5. 請求項1又は2において、
    上記統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr1〜Gr3)に対応するユニット制御部(13〜15)は、対応する上記チラー(D1〜D4,D5,D6,D7,D8)を所定の負荷以下となる運転に制限するよう構成されている
    ことを特徴とするチラー制御システム。
  6. 請求項2において、
    上記ユニット制御部(13〜15)は、統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr1)の複数のチラー(D1〜D4)を同時に運転させる第1ユニット制御部(13)と、
    統括制御部(12)によって稼動される上記制御ユニット(Gr2,Gr3)の複数のチラー(D5,D6,D7,D8)のうち、他のチラーよりも稼動時間が少ない一のチラーを優先して稼動させる第2ユニット制御部(14,15)とを備えている
    ことを特徴とするチラー制御システム。
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