JP2013156687A - 運転支援装置及び運転支援方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転支援の要否を適切に判断し、効果的な運転支援を実施できる運転支援装置及び運転支援方法を提供する。
【解決手段】運転支援装置1は、TTC及びTTVを予測する衝突時間予測部30と、TTC及びTTVを予め設定されたマップMに適用して、自車両において運転支援を実施するか否かの判断を行う運転支援判断部34と、自車両における運転支援を制御する運転支援制御部38と、運転支援判断部34によってTTC及びTTVをマップMに適用してTTC及びTTVの交点がマップM上に最初に存在しときに、その交点が所定の領域に存在している場合、運転支援判断部34によって運転支援を実施すると判断され易くなるように前記マップを変更するマップ変更部36とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】運転支援装置1は、TTC及びTTVを予測する衝突時間予測部30と、TTC及びTTVを予め設定されたマップMに適用して、自車両において運転支援を実施するか否かの判断を行う運転支援判断部34と、自車両における運転支援を制御する運転支援制御部38と、運転支援判断部34によってTTC及びTTVをマップMに適用してTTC及びTTVの交点がマップM上に最初に存在しときに、その交点が所定の領域に存在している場合、運転支援判断部34によって運転支援を実施すると判断され易くなるように前記マップを変更するマップ変更部36とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、自車両と移動体との衝突を回避するための運転支援を実施する運転支援装置及び運転支援方法に関する。
従来の運転支援装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の運転支援装置では、自車両の進行方向に存在する物体の位置を検出し、検出された物体の進行方向に対する横移動速度が所定速度以下であるか否かを判断している。そして、この運転支援装置では、横移動速度が所定速度以下であると判断した場合に、移動体の検出方向と自車両の進行方向とからなる検出角度に基づいて自車両と移動体との接触の可能性を判定している。
ところで、自車両の進行方向の前方にいる歩行者が道路を横断しようとしている状況において、歩行者との衝突を回避するための運転支援を実施しなくても、自車両が歩行者の位置する地点に到達したときには歩行者が既に道路を横断し終えていることがある。従来の運転支援装置では、そのような状況であっても、横移動速度が所定速度以下である場合に自車両となす検出角度に基づいて接触の可能性を判定し、運転支援を実施する可能性がある。したがって、不要な運転支援が実施されるおそれがあり、実際の状況との違いに運転者が違和感を覚えるといった問題が生じ得る。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、運転支援の要否を適切に判断し、効果的な運転支援を実施できる運転支援装置及び運転支援方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る運転支援装置は、自車両と移動体との衝突を回避する運転支援を実施する運転支援装置であって、自車両の進行方向と当該進行方向に交差する方向とにおいて自車両と移動体とが交差する交差地点に自車両が到達するまでの第1時間を予測する第1時間予測手段と、移動体が進行方向に交差する方向において交差地点に到達するまでの第2時間を予測する第2時間予測手段と、第1及び第2時間予測手段によって予測された第1及び第2時間を予め設定されたマップに適用して、自車両において運転支援を実施するか否かの判断を行う運転支援判断手段と、運転支援判断手段により自車両において運転支援を実施すると判断された場合に、自車両における運転支援を制御する運転支援制御手段と、運転支援判断手段によって第1及び第2時間をマップに適用して当該第1及び第2時間の関係を表す点がマップ上に最初に存在しときに、当該点が所定の領域に存在している場合、運転支援判断手段によって運転支援を実施すると判断され易くなるようにマップを変更するマップ変更手段と、を備えることを特徴とする。
この運転支援装置では、移動体が交差地点に到達するまでの第2時間を予測するため、運転支援の要否を適切に判断して運転支援を実施できる。これにより、効果的な運転支援の実施が可能となる。また、第1及び第2時間をマップに適用したときに最初にマップ上に存在する点が所定の領域に存在する場合、運転支援判断手段によって運転支援を実施すると判断され易くなるようにマップを変更する。例えば自車両の進行方向に沿って移動体が移動している状態から、移動体が自車両の進行方向に交差する方向に向きを変えたときには、自車両が交差地点に近づいている状態であり、移動体よりも先に自車両が交差地点を通過する可能性があるため、運転支援が実施されない場合がある。しかし、自車両の運転者は、運転支援の必要性を感じることがある。そこで、第1時間及び第2時間の関係を表す点が最初にマップ上に存在した位置に基づいてマップを変更して、運転支援を実施し易くすることにより、上記のような状況においても運転支援を実施できる。したがって、運転者の違和感を軽減できる。
マップ変更手段は、マップ上において、自車両の方が移動体よりも先に交差地点を通過する領域に点が存在し、且つ第2時間が予め設定された閾値よりも小さい場合に、マップを変更することが好ましい。
マップは、運転支援が不要であると判断される第1領域と、運転支援が必要であると判断される第2領域とが設定されており、マップ変更手段は、第2領域を拡大するようにマップを変更することが好ましい。このように、運転支援が必要であると判断される第2領域を拡大することにより、運転支援判断手段によって運転支援を実施すると判断され易くできる。
本発明に係る運転支援方法は、自車両と移動体との衝突を回避する運転支援を実施する運転支援方法であって、自車両の進行方向と当該進行方向に交差する方向とにおいて自車両と移動体とが交差する交差地点に自車両が到達するまでの第1時間を予測する第1時間予測ステップと、移動体が進行方向に交差する方向において交差地点に到達するまでの第2時間を予測する第2時間予測ステップと、第1及び第2時間予測ステップにおいて予測された第1及び第2時間を予め設定されたマップに適用して、自車両において運転支援を実施するか否かの判断を行う運転支援判断ステップと、運転支援判断ステップにおいて自車両において運転支援を実施すると判断された場合に、自車両における運転支援を制御する運転支援制御ステップと、運転支援判断ステップにおいて第1及び第2時間をマップに適用して当該第1及び第2時間の関係を表す点がマップ上に最初に存在しときに、当該点が所定の領域に存在している場合、運転支援判断ステップにおいて運転支援を実施すると判断され易くなるようにマップを変更するマップ変更ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、運転支援の要否を適切に判断し、効果的な運転支援を実施できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示すように、運転支援装置1は、ECU(Electronic ControlUnit)3を備えている。ECU3には、移動体検出センサ5と、車両センサ7と、HMI(HumanMachine Interface)9と、介入制御ECU11とが接続されている。ECU3及び介入制御ECU11は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read OnlyMemory]、RAM[Random Access Memory]などからなる電子制御ユニットであり、プログラムによって動作する。
移動体検出センサ5は、移動体を検出する外界センサである。移動体検出センサ5は、例えば、レーザーレーダーやミリ波レーダー、カメラなどの撮像手段である。移動体検出センサ5は、ミリ波レーダーである場合、周波数変調されたミリ波帯のレーダー波を送受信することにより、自車両の前方に位置する移動体を検出し、検出結果に基づいて、移動体の位置や速度などの移動体情報を生成する。移動体検出センサ5は、移動体情報をECU3に出力する。なお、移動体検出センサ5がカメラである場合には、撮像した画像に画像処理を施して移動体情報を生成する。また、移動体検出センサ5は、ミリ波レーダー及びカメラの両方から構成されていてもよい。
車両センサ7は、自車両の走行状態を検出する内界センサである。車両センサ7は、例えば、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ、ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサ、車両の車速(走行速度)を検出する車速センサなどである。車両センサ7は、検出した自車両の走行状態を示す車両情報をECU3に出力する。
ECU3は、衝突時間予測部(第1時間予測手段、第2時間予測手段)30と、マップ記憶部32と、運転支援判断部(運転支援判断手段)34と、マップ変更部(マップ変更手段)36と、運転支援制御部(運転支援制御手段)38とを備えている。
衝突時間予測部30は、自車両及び移動体が交差地点に到達するまでの時間を予測する部分である。衝突時間予測部30は、移動体検出センサ5から出力された移動体情報、及び、車両センサ7から出力された車両情報を受け取ると、移動体情報及び車両情報に基づいて自車両と移動体との衝突時間、すなわち自車両と移動体とが交差する交差地点に自車両及び移動体がそれぞれ到達するまでの時間を算出する。
衝突時間予測部30は、車両情報に基づいて自車両の予測軌跡などを求め、自車両が交差地点に到達するまでの時間、すなわち自車両が現在の状態で進行方向に走行した場合に何秒後に移動体に衝突するかを示す値であるTTC(Time To Collision、第1時間)を算出する。また、衝突時間予測部30は、移動体情報に基づいて移動体の速度ベクトルなどを求め、移動体が交差地点に到達するまでの時間、すなわち移動体が現在の状態で自車両の進行方向に交差する方向(自車両の横方向)に移動した場合に何秒後に自車両に衝突するかを示す値であるTTV(Time To Vehicle、第2時間)を算出する。
衝突時間予測部30は、以下の式(1)及び(2)によりTTC及びTTVを算出する。
TTC=x/(V−vx) …(1)
TTV=y/vy …(2)
上記式(1),(2)において、V:自車両の速度、x,y:移動体の相対位置、vx,vy:移動体の速度である。衝突時間予測部30は、算出したTTC及びTTVを示すTTC情報及びTTV情報を運転支援判断部34に出力する。
TTC=x/(V−vx) …(1)
TTV=y/vy …(2)
上記式(1),(2)において、V:自車両の速度、x,y:移動体の相対位置、vx,vy:移動体の速度である。衝突時間予測部30は、算出したTTC及びTTVを示すTTC情報及びTTV情報を運転支援判断部34に出力する。
マップ記憶部32は、マップMを記憶している。図2は、マップを示す図である。図2に示すように、マップMは、縦軸がTTC[s]、横軸がTTV[s]であり、TTCとTTVとの相対関係を示している。マップMにおいて、原点が自車両と移動体との交差地点に設定されている。マップMでは、原点から離れるにつれて(TTC、TTVが大きくなるにつれて)交差地点から離れた場所に位置していることとなる。マップMには、運転支援不要エリア(第1領域)A1と、運転支援エリア(第2領域)A2とが設定されている。マップMについて、以下具体的に説明する。
運転支援エリアA2は、y=fx(TTC,TTV)の関数に囲まれた領域である。運転支援エリアA2を規定する2本の直線は、TTCとTTVとの差分(TTC−TTV)で設定されている。マップMにおいて、T1及びT2は、例えば1〜3秒に設定されている。
運転支援エリアA2には、予め運転支援の制御内容が緊急度に応じて複数設定されており、HMIエリアA21と、介入制御エリアA22と、緊急介入制御エリアA23とが設定されている。HMIエリアA21は、運転者に対して警告を行うといった運転支援を実施するエリアである。介入制御エリアA22は、HMIエリアA21の内側に設定されている。介入制御エリアA22は、制動などの介入制御を実施するエリアである。緊急介入制御エリアA23は、急制動などを実施し、衝突を回避するための緊急介入制御を実施するエリアである。緊急介入制御エリアA23は、マップMの原点寄り、つまり自車両と移動体との交差地点に近い部分に設定されている。
運転支援不要エリアA1は、運転支援エリアA2以外の部分であり、自車両と移動体との衝突を回避するための運転支援を必要としないエリアである。つまり、運転支援不要エリアA1に該当する場合には、自車両が交差地点に到達するときには移動体が交差地点を既に通過している、或いは、移動体が交差地点から離れた場所に位置していることになる。
マップMは、実験データなどに基づいて運転支援エリアA2及び運転支援不要エリアA1が設定されていてもよいし、運転者の運転特性(アクセル特性、ブレーキ特性)を学習させることにより運転支援エリアA2及び運転支援不要エリアA1が設定されてもよい。また、マップMにおいては、介入制御エリアA22及び緊急介入制御エリアA23において、運転支援の制御量がそれぞれ設定されていてもよい。マップ記憶部32に記憶(格納)されるマップMは、書き換え(マップMの更新)可能とされている。
運転支援判断部34は、自車両において運転支援を実施するか否かを判断する部分である。運転支援判断部34は、TTC及びTTVをマップMに適用して、自車両において運転支援を実施するか否かを判断する。具体的には、運転支援判断部34は、衝突時間予測部30から出力されたTTC情報及びTTV情報をマップMに適用し、マップMの範囲内にTTCとTTVとが交差する交点(TTCとTTVとの関係を表す点)が位置するか否かを判断する。
そして、運転支援判断部34は、TTCとTTVとの交点がマップMの範囲内に位置していると判断した場合に、その交点がマップMのどのエリアに位置するのかを判断する。例えば、図3に示すように、運転支援判断部34は、TTCとTTVとが点P1で交わる場合には、運転支援不要エリアA1であるため、自車両において運転支援を実施しないと判断する。つまり、点P1で交わる場合には、移動体が交差地点に到達するときには自車両が交差地点を通過していることになる。
一方、運転支援判断部34は、TTCとTTVとが点P2で交わる場合には、運転支援エリアA2(介入制御エリアA22)であるため、自車両において運転支援を実施すると判断する。運転支援判断部34は、運転支援を実施すると判断した場合には、HMIエリアA21、介入制御エリアA22及び緊急介入制御エリアA23のいずれかを示す情報を含む支援実施情報を運転支援制御部38に出力する。
マップ変更部36は、マップMを変更する部分である。マップ変更部36は、運転支援判断部34によってTTC及びTTVをマップMに適用してTTC及びTTVの交点がマップM上に最初に存在したときに、その交点が所定の領域に存在している場合、運転支援判断部34によって運転支援を実施すると判断され易くなるようにマップMを変更する。
マップ変更部36は、運転支援判断部34によりマップMにTTC及びTTVが適用されたときに、TTCとTTVとが交差する交点がマップM上に最初に存在した領域に基づいて、マップMの運転支援エリアA2(HMIエリアA21)を変更する。TTC及びTTVの交点がマップM上に最初に存在した位置について、図4及び図5を参照して説明する。
図4(a)に示すように、例えば移動体Wが自車両Cの進行方向に交差する方向に移動している場合には、図5に示すように、TTCとTTVとの交点FP1は、一点鎖線で囲む位置に最初に存在する。一方、図4(b)に示すように、例えば移動体Wが最初は自車両Cの進行方向に沿って移動しており、その後に自車両Cの進行方向に交差する方向に移動方向を変更した場合には、図5に示すように、TTCとTTVとの交点FP2は、一点鎖線で囲む位置に最初に位置する。このとき、この交点FP2が存在する領域は、運転支援不要エリアA1に設定されており、自車両Cの方が移動体Wよりも交差地点を先に通過する領域である。図4(b)に示すような移動体Wの動きの場合、TTC及びTTVの交点FP2は運転支援エリアA2に存在しないため、自車両において運転支援を実施すると判断されない。
そこで、マップ変更部36では、マップM上に最初に存在するTTCとTTVとの交点が所定の領域、すなわち自車両Cの方が移動体Wよりも交差地点を先に通過する領域に存在し、且つ、TTVが予め設定された閾値よりも小さい場合(TTV<閾値)には、HMIエリアA21を拡大する。具体的には、マップ変更部36は、図6に示すように、点Pを中心としてHMIエリアA21を規定する直線の傾きを変更し、MHIエリアA21を拡大する。これにより、図7に示すように、TTC及びTTVの交点FP2は、HMIエリアA21内に存在することになる。なお、上記の閾値及び直線の傾き量(HMIエリアA21を拡大する範囲)は、実験結果や学習結果などに基づいて設定されている。
運転支援判断部34は、マップ変更部36によってマップMが変更された場合、変更後のマップMを用いて自車両において運転支援を実施するか否かを判断する。したがって、運転支援判断部34は、図4(b)に示す状況の場合、図2に示すマップMでは運転支援を実施しないと判断するが、図7に示すマップ変更部36によって変更されたマップMでは運転支援を実施すると判断する。
図1に戻って、運転支援制御部38は、自車両における運転支援を制御する部分である。運転支援制御部38は、運転支援判断部34から出力された支援実施情報を受け取ると、この支援実施情報に基づいて運転支援(介入制御)を制御する。介入制御は、例えば制動制御や操舵制御である。運転支援制御部38は、支援実施情報においてHMIエリアA21を示す情報が含まれている場合には、HMI9に警告指示信号を出力する。
運転支援制御部38は、支援実施情報において介入制御エリアA22及び緊急介入制御エリアA23を示す情報が含まれている場合には、介入制御の制御量を算出する。運転支援制御部38は、マップMの介入制御エリアA22及び緊急介入制御エリアA23において制御量が設定されている場合には、マップMに基づいて制動の制御量(目標の加速度(減速加速度)、速度)を算出する。また、運転支援制御部38は、マップMにおいて制御量が設定されていないときには、以下の式(3)に基づいて制動の制御量を算出する。
α×TTC+β×TTV+γ …(3)
ここで、α,βは係数であり、γは定数である。α,β,γは、実験値などに基づいて設定されている。また、操舵の制御量は、実験値や所定の式などに基づいて算出する。運転支援制御部38は、制御量を含む介入制御信号を介入制御ECU11に出力する。
α×TTC+β×TTV+γ …(3)
ここで、α,βは係数であり、γは定数である。α,β,γは、実験値などに基づいて設定されている。また、操舵の制御量は、実験値や所定の式などに基づいて算出する。運転支援制御部38は、制御量を含む介入制御信号を介入制御ECU11に出力する。
HMI9は、例えばブザー、HUD(Head Up Display)、ナビゲーションシステムのモニタ、メータパネルなどである。HMI9は、ECU3から出力された警告指示信号を受け取ると、移動体が前方に存在することを運転者に警告する音声を流したり、警告文などを表示したりする。例えば、HMI9がHUDである場合には、フロントガラスに移動体が存在することを示すポップアップを表示する。
介入制御ECU11は、自車両において介入制御を実行させるECUである。介入制御ECU11は、ブレーキECUやエンジンECU(いずれも図示しない)などから構成されており、ECU3から出力された介入制御信号を受け取ると、介入制御信号に含まれる制御量に応じて例えばブレーキアクチュエータやステアリングアクチュエータ(いずれも図示しない)を制御して自動介入制御を実施する。
続いて、運転支援装置1の動作について説明する。図8は、運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
図8に示すように、まず、移動体の状態が移動体検出センサ5により検出される(ステップS01)。また、自車両の走行状態が車両センサ7により検出される(ステップS02)。次に、移動体検出センサ5及び車両センサ7により検出された移動体情報及び車両情報に基づいて、TTC及びTTVが衝突時間予測部30によって算出される(ステップS03、第1時間予測ステップ、第2時間予測ステップ)。
続いて、衝突時間予測部30によって算出されたTTC及びTTVをマップ記憶部32に格納されているマップMに適用し(ステップS04)、TTC及びTTVの交点がマップMの範囲内であるか否かが判断される(ステップS05、運転支援判断ステップ)。TTC及びTTVの交点がマップMの範囲内であると判断された場合には、ステップS06に進む。一方、TTC及びTTVの交点がマップMの範囲内であると判断されなかった場合には、ステップS01の処理に戻る。
ステップS06では、マップM上に最初に存在するTTC及びTTVの交点が所定の領域に存在しているか否かが判断される。交点が所定の領域に存在していると判断された場合には、ステップS07に進む。一方、交点が所定の領域に存在していると判断されなかった場合には、ステップS09に進む。
ステップS07では、TTVが閾値よりも小さいか否かが判断される。TTVが閾値よりも小さいと判断された場合には、マップ変更部36によってマップMが変更される(ステップS08、マップ変更ステップ)。一方、TTVが閾値よりも小さいと判断されなかった場合には、ステップS08に進む。
ステップS08では、運転支援の対象であるか否か、すなわち、TTC及びTTVの交点が運転支援エリアA2に存在しているか否かが運転支援判断部34によって判断される(運転支援判断ステップ)。運転支援の対象であると判断された場合、TTC及びTTVの交点が介入制御エリアA22及び緊急介入制御エリアA23に存在する場合には、運転支援制御部38において介入制御の制御量がマップMに基づいて算出される(ステップS10)。一方、運転支援の対象であると判断されなかった場合には、ステップS01の処理に戻る。
そして、ステップS10において算出された制御量に応じて運転支援が実施される(ステップS11、運転支援制御ステップ)。具体的には、HMI9によって運転者に対して警告が行われる。また、HMI9による警告と共に、介入制御が介入制御ECU11により実施される。
以上説明したように、本実施形態では、衝突時間予測部30においてTTC及びTTVを算出して予測し、このTTC及びTTVをマップMに適用して、自車両において運転支援を実施するか否かを運転支援判断部34が判断している。このように、移動体が交差地点に到達するTTV、すなわち移動体が自車両に近づく方向における衝突時間を予測することにより、運転支援の要否を適切に判断できる。その結果、例えば移動体が車道を横断したにもかかわらず運転支援が実施されるといった事態を回避でき、運転者に違和感を与えることのない効果的な運転支援を実施できる。
そして、本実施形態では、TTC及びTTCをマップMに適用したときに最初にマップM上に存在する交点が所定の領域に存在する場合、運転支援判断部34によって運転支援を実施すると判断され易くなるようにマップMを変更する。例えば自車両の進行方向に沿って移動体が移動している状態から、移動体が自車両の進行方向に交差する方向に向きを変えたときには、自車両が交差地点に近づいている状態であり、移動体よりも先に自車両が交差地点を通過する可能性があるため、運転支援が実施されない場合がある。しかし、自車両の運転者は、運転支援の必要性を感じることがある。
そこで、本実施形態では、TTC及びTTVの交点が最初にマップM上に存在した位置に基づいてマップMを変更して、運転支援を実施し易くすることにより、上記のような状況においても運転支援を実施できる。したがって、運転者の違和感を軽減できる。また、移動体が交差地点に到達するまでのTTCを予測することにより、運転支援の要否を適切に判断して運転支援を実施できる。その結果、効果的な運転支援の実施が可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、介入制御ECU11による介入制御を実施する場合、HIM9による警告も同時に実施しているが、介入制御を実施する際にはHIM9による警告を実施しなくてもよい。
また、上記実施形態に加えて、自車両の周辺の状況(例えば、対向車の有無など)に応じて運転支援を実施する構成であってもよい。
1…運転支援装置、3…ECU、30…衝突時間予測部(第1時間予測部、第2時間予測部)、34…運転支援判断部(運転支援判断手段)、36…マップ変更部(マップ変更手段)、38…運転支援制御部(運転支援制御手段)、M…マップ。
Claims (4)
- 自車両と移動体との衝突を回避する運転支援を実施する運転支援装置であって、
前記自車両の進行方向と当該進行方向に交差する方向とにおいて前記自車両と前記移動体とが交差する交差地点に前記自車両が到達するまでの第1時間を予測する第1時間予測手段と、
前記移動体が前記進行方向に交差する方向において前記交差地点に到達するまでの第2時間を予測する第2時間予測手段と、
前記第1及び第2時間予測手段によって予測された前記第1及び第2時間を予め設定されたマップに適用して、前記自車両において運転支援を実施するか否かの判断を行う運転支援判断手段と、
前記運転支援判断手段により前記自車両において運転支援を実施すると判断された場合に、前記自車両における運転支援を制御する運転支援制御手段と、
前記運転支援判断手段によって前記第1及び第2時間を前記マップに適用して当該第1及び第2時間の関係を表す点が前記マップ上に最初に存在しときに、当該点が所定の領域に存在している場合、前記運転支援判断手段によって運転支援を実施すると判断され易くなるように前記マップを変更するマップ変更手段と、
を備えることを特徴とする運転支援装置。 - 前記マップ変更手段は、前記マップ上において、前記自車両の方が前記移動体よりも先に前記交差地点を通過する領域に前記点が存在し、且つ前記第2時間が予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記マップを変更する請求項1記載の運転支援装置。
- 前記マップは、運転支援が不要であると判断される第1領域と、運転支援が必要であると判断される第2領域とが設定されており、
前記マップ変更手段は、前記第2領域を拡大するように前記マップを変更する請求項1又は2記載の運転支援装置。 - 自車両と移動体との衝突を回避する運転支援を実施する運転支援方法であって、
前記自車両の進行方向と当該進行方向に交差する方向とにおいて前記自車両と前記移動体とが交差する交差地点に前記自車両が到達するまでの第1時間を予測する第1時間予測ステップと、
前記移動体が前記進行方向に交差する方向において前記交差地点に到達するまでの第2時間を予測する第2時間予測ステップと、
前記第1及び第2時間予測ステップにおいて予測された前記第1及び第2時間を予め設定されたマップに適用して、前記自車両において運転支援を実施するか否かの判断を行う運転支援判断ステップと、
前記運転支援判断ステップにおいて前記自車両において運転支援を実施すると判断された場合に、前記自車両における運転支援を制御する運転支援制御ステップと、
前記運転支援判断ステップにおいて前記第1及び第2時間を前記マップに適用して当該第1及び第2時間の関係を表す点が前記マップ上に最初に存在しときに、当該点が所定の領域に存在している場合、前記運転支援判断ステップにおいて運転支援を実施すると判断され易くなるように前記マップを変更するマップ変更ステップと、
を含むことを特徴とする運転支援方法。
Priority Applications (1)
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