JP2013146854A - 回転工具およびこのような回転工具用の切削ヘッド - Google Patents

Abstract

【課題】回転工具およびこのような回転工具用の切削ヘッドを提供する。
【解決手段】回転工具（２）、特にドリル工具の場合に、キャリヤ（６）と切削ヘッド（１２）との間に工具結合部を形成するために、各々の場合に、１対の対向するクランプセグメント（２２Ａ、２２Ｂ）とトルクセグメント（２４Ａ、２４Ｂ）とを有するほぼ直方体の断面を有する結合受口（８）および対応する結合ピン（１０）が設けられ、これらの対のセグメントの少なくとも一方は、ダブテール接続を形成するために回転軸線（４）に対して斜めに傾斜するように形成される。軸方向の引き抜き防止のみでなく、トルク伝達およびセンタリング機能も、この単純なほぼ直方体の形状によって実現される。
【選択図】図１

Description

本発明は、請求項１の前段の特徴を有する回転工具、および請求項１３の前段の特徴を有する切削ヘッドに関する。

このような回転工具およびこのような切削ヘッドは、例えば特許文献１によって開示されている。

回転工具は、特にドリル工具として設計され、また回転軸線の方向に延在するキャリヤから構成されており、このキャリヤに切削ヘッドがキャリヤの前部端面に交換可能に締結されている。切削ヘッドとキャリヤとの間の接続は、結合受口および結合ピンが互いに係合する工具結合を介して行われる。一般に、結合ピンは切削ヘッドに配置され、結合受口はキャリヤに配置され、またそれらは互いに補完するように設計され、すなわち、それらは整合形状を有する。

交換可能な切削ヘッドを有するこのような組み合わせ工具用の工具結合部は、いくつかの機能を実行しなければならない。第一に、工具結合部には、切削ヘッドが動作中にキャリヤから引き抜かれないように、十分な軸方向の引き抜き防止部がなければならない。ドリルがドリル孔から引き抜かれるとき、特にドリルの後退中に、この点に関して問題が生じる可能性がある。さらに、工具結合部は、回転軸線に対する著しく正確な切削ヘッドのセンタリングを保証しなければならない。最後に、工具結合部はまた、キャリヤから切削ヘッドへの高いトルクの伝達のために設計されなければならない。

特許文献１による工具結合部の場合、結合ピンは、骨状の非対称の構造を有し、結合受口のウェブによって完全に囲まれる細長い結合ピンとして設計される。骨状に設計された非対称の断面領域および周辺ウェブによる囲いは、高いトルク伝達を可能にし、同時に両端における拡大によってセルフセンタリングを達成する効果を有する。軸方向の引き抜き防止に関して、補助ねじが設けられる。

特許文献２は、トルク伝達領域が半径方向外側に延在する別の種類の工具結合部を開示している。開示された工具結合部の場合、トルク領域からオフセットされるように形成される中央の別の結合ピンがさらに設けられる。結合ピンは、組立中に対応するピン受口にねじ込まれ、これによって、軸方向の形状嵌合ダブテール接続を形成する。

公知の結合システムは、言及した３つの主な機能、軸方向固定、トルク伝達およびセンタリングを保証するために複雑な形状および／または補助手段が要求されるという不都合を有する。

国際公開第２００７／１０７２９４Ａ１号パンフレット 国際公開第１９９８／５３９４３号パンフレット

この背景に対して、本発明は、これらの３つの主な機能が単純化された形態で保証される改良された工具結合部の獲得を可能にする目的に基づいている。

この目的は、本発明に従って請求項１に記載の特徴を有する回転工具、および請求項１３に記載の特徴を有する切削ヘッドによって解決される。

回転工具は、キャリヤと、キャリヤに交換可能に締結された切削ヘッドとを備え、このため、キャリヤは、端面に切削ヘッドの結合ピン用の結合受口を有し、結合受口および結合ピンは、工具結合部を形成するために互いに補完するように設計される。したがって、結合受口および結合ピンは、整合形状、特に同一の断面形状を有する。キャリヤアは、材料が存在する断面領域を決定するキャリヤ断面を有する。

したがって、切屑溝による隙間は、円形形状から逸脱するキャリヤ断面をもたらす。好ましくはキャリヤ断面の領域全体において、結合受口は、円形線に沿って延びるキャリヤの外周で半径方向外側のウェブによって境界付けられる。半径方向外側のウェブは、キャリヤの境界設定を結合受口の領域に円周方向に形成する。ウェブは前部端面を有し、前部端面は切削ヘッドに向かって配向され、前部端面の領域全体は切削ヘッド用の平坦な軸受領域を形成する。したがって、ウェブそれ自体は段付き目盛（ｓｔｅｐｐｅｄ ｇｒａｄｕａｔｉｏｎｓ）等を有しない。ウェブを境界付ける前部端面は、完全に１つの平面内に位置する。結合受口は、軸受領域から結合受口の底部領域または基部に段部なしに延在する側壁によってそれぞれ横方向に境界付けられる。したがって、側壁は、オフセット等を設けることなく直線的に延びる。したがって、回転軸線の方向に観測したときに、結合受口および結合ピンのいずれも、例えばオフセットの形成による段付きの形状を有しない。

側壁は、この場合、１対の対向するクランプセグメントと、１対の対向するトルクセグメントとをそれぞれ有する。特に、側壁は、２対のセグメントによって形成される。この場合のクランプセグメントは、少なくともほぼ円周方向に延在し、切削ヘッドを半径方向にセンタリングするために使用される。このことは、クランプセグメントが、切削ヘッドの付設された領域に回転軸線に方向付けられた半径方向力を及ぼし、この結果、クランプセグメントの対向配置が、センタリングが行われる効果を有することを意味する。さらに、トルクセグメントは、クランプセグメントに対してある角度で、特に約９０°の角度で配置され、トルク伝達のために使用される。トルクセグメントはまた、それらの対向配置のためにさらにセンタリング効果を有することが好ましい。したがって、トルクセグメントはまた、切削ヘッドの付設された領域に半径方向のセンタリング力を及ぼす。

さらに、少なくとも１対のセグメントのセグメント、好ましくはトルクセグメントは、軸方向に、すなわち回転軸線の方向に作用するアンダーカットを形成するために、回転軸線に対して斜めに傾斜するように配向される。したがって、少なくともクランプセグメントの領域におよび／または好ましくはトルクセグメントの領域にも、ある種類のダブテール接続が軸方向固定のために形成され、結合ピンは滑り嵌めの形態で結合受口に保持される。組立のため、結合受口に対する結合ピンの相対運動が行われ、この結果、結合受口および結合ピンの相互に付設されたセグメントが互いに係合される。このことは、回転軸線を中心とする切削ヘッドの回転によって行われる。したがって、トルクセグメントは、トルク伝達の機能および結合受口内の切削ヘッドの軸方向固定の機能の両方の機能を規定するように設計される。クランプ機能の他に、クランプセグメントは同様に軸方向固定の機能を有する。好ましくは、両方の対のセグメントはまた、それらの傾斜構造によって半径方向にセンタリングするために同時に使用される。したがって、工具結合部の３つのすべての機能、具体的には、軸方向固定、トルク伝達およびセンタリングは、結合ピンおよび結合受口の単純な形状と共に工具結合の全体的に段部なしの構造によって実現される。

通常、切屑溝はキャリヤで機械加工される。好ましい構造では、ウェブは、１対の対向するウェブセグメントに分割され、トルクセグメントは、切屑溝内に延びるように配向される。この変形例の特定の利点は、ウェブのウェブ幅が切屑溝に向かってトルクセグメントに沿って増大するので、ウェブがトルクセグメントの領域で非常に堅固に、したがって堅牢に形成される事実から分かる。

ウェブセグメントは、各々の場合に、クランプセグメントの領域に、切屑溝に向かって延びるローブセグメントを有することが好ましく、したがって、螺旋状の切屑溝があるとき、部分的に切屑溝の上方に延在し、すなわち切屑溝内に突出する。したがって、回転軸線の方向に観測したときに、ローブセグメントは材料によって完全に支持されない。この設計は、クランプセグメントが比較的高い弾性を有し、結果として、はさみ（ｐｉｎｃｅｒ）の形態で半径方向力を及ぼす１対の突出するクランプローブを形成する効果を有する。結合ピンが挿入されるとき、弾性の半径方向の僅かな拡大が外側方向に行われる。

調査によれば、このような構造により、またトルクセグメントと共に作用することにより、極めて高い軸方向の引き抜き防止が達成され、同時に、軸受領域における切削ヘッドの確実な嵌合が保証されることが示されている。半径方向の「広がり」は、ウェブセグメントの内側に、力が導入されかつ偏向され、半径方向内側に作用する追加の力成分がトルクセグメントの領域に発生される効果を有する。ダブテール構造のため、これらの追加の力成分は、追加の軸方向の締付けトルクを発生し、結果として軸受領域に対する押圧力を発生する。

適切な設計では、クランプセグメントはまた、各々の場合に、それぞれの切屑溝内に延在する。隅部領域が丸め成形部によって形成されるクランプセグメントのほぼ直角の配置は、トルクセグメントおよびクランプセグメントが長方形の形状を画定する効果を有する。切屑溝のため、対角線上に対向するセグメント、特に円のセグメントはこの形状から切り取られている。

したがって、結合受口のウェブは切屑溝に向かって開口しており、この結果、切削ヘッドの結合ピンを最初僅かに捻って結合受口に挿入することができ、次に捻れによって結合受口に締結することができる。

切屑溝によるウェブのこの遮断の代わりとして、好ましい第２の構造的な変形例によれば、押し込み開口が２つのクランプセグメントの一方の領域にのみ形成されることが好ましく、当該押し込み開口を通して、結合ピンを押し込み方向に沿って半径方向に結合受口に挿入することができることが意図される。領域の残部において、ウェブが周辺の周り全体に形成され、すなわち特に切屑溝によってさえも遮断されない。この構造的変形例の場合、したがって、むしろ、押し込み開口を形成するために、ウェブがキャリヤ断面の領域で円周方向に遮断されることが当てはまる。

この場合、組立は、回転軸線に対して直角に、押し込み開口を通して半径方向に導かれ、次にダブテール接続を形成するために結合受口内で捻られる結合ピンによって行われる。

この場合、側壁は、押し込み方向に延在しかつ特に鈍角である凸角でそれぞれトルクセグメントに隣接する追加の案内セグメントを有することが適切に意図される。この場合、角度は１４０°よりも大きく、１８０°未満であることが好ましい。ウェブセグメントがそれぞれクランプセグメントおよびトルクセグメントによって形成される第１の構造的変形例との違いとして、この構造的変形例は、したがって、結合ピンを押し込むための案内機能を形成するが、結合ピンが挿入された最後の組み立て位置でもはや結合ピンと接触しない追加の案内セグメントを有する。

両方の構造的変形例において、トルクセグメントは、回転軸線に対して直角の断面内で見たときに直線的に延在し、すなわち、トルクセグメントは、回転軸線に対して直角に延在する中心軸線に対して平行に延び、それと交差する。この場合、中心軸線はまた、それが受口の底部の領域で切屑溝に対して接線方向に好ましくは配向されるように配向される。

同様に、両方の構造的変形例の場合、トルク伝達のために利用可能な十分な材料を有するために、クランプセグメントからウェブのウェブ幅がトルクセグメントの領域で増大することが有利に意図される。第１の構造的変形例の場合、ウェブ幅は連続的に増大するので、最大のウェブ幅がトルクセグメントの端部に存在する。

好ましい構造では、側壁は、軸方向に作用するアンダーカットを形成するために、領域全体で、すなわちクランプセグメントの領域およびトルクセグメントの領域の両方で回転軸線に対して傾斜されるように配向される。

原理的に、形状の結果としてのこれらのセグメントの領域のノッチ効果を可能な限り回避するために、回転軸線に対して反対方向に平行にまたは斜めに傾斜されるように、２対のセグメントの一方の領域に、特にトルクセグメントの領域に側壁を形成する方法がある。反対方向の傾斜とは、この場合、切削ヘッドからキャリヤに向かって先細りする構造を意味すると解釈される。

全体的に、トルクセグメントおよびクランプセグメントは、ほぼ長方形の基本形状を画定することが好ましく、したがって、互いにほぼ直角に配置される。

ここに説明した構造の特定の利点は、トルクセグメントの他に、トルク伝達用の別の手段または領域が設けられないことから分かる。この結果、全体的に簡単な構造が可能になる。したがって、トルクセグメントのすべては、結合受口の内側位置し、すなわち、キャリヤの外周まで半径方向に延在しない。この点で、トルクセグメントはウェブによって囲まれる。

この構造によって、半径方向に方向付けられた力を結合ピンに及ぼす別のセンタリング手段が設けられない利点も達成される。せいぜい、挿入補助を設けてもよい。したがって、センタリングのために、ねじ要素または軸方向に隣接する追加のセンタリングピンの必要はなく、このピンは、半径方向のセンタリング力が作用するように、通常センタリングに対して円錐状に形成される。

適切な発展形態では、結合ピンは、回転軸線に対して傾斜しているそれぞれの対のセグメントの結合受口セグメントを補完し、回転軸線の傾斜角は、結合受口のクランプセグメントおよびトルクセグメントの傾斜角とは異なる。この結果、互いに付設されたセグメントの規定された相互の当接が保証される。

付設された切削ヘッドは、結合受口を補完するように設計され、一般にヘッド断面を有する。次に、断面領域は、材料が存在する領域を画定する。結合ピンは、ウェブの軸受領域を平坦に支承するためのヘッド軸受領域を画定する平面から突出する。したがって、結合ピンは、その脚部においてヘッド軸受領域によって囲まれる。さらに、結合ピンは、ヘッド軸受領域から平坦な底部領域まで段部なしに延在する周辺の側壁によって境界付けられる。この場合、側壁は、１対の対向するクランプセグメントおよび１対の対向するトルクセグメントを有し、特にこれらの対によって形成される。これによって、クランプセグメントは、少なくともほぼ円周方向に延在し、切削ヘッドを半径方向にセンタリングするために使用され、トルクセグメントは、クランプセグメントに対してある角度で、特にほぼ直角に配置され、トルク伝達のために使用される。対のセグメント、好ましくは両方の対のセグメントの少なくとも一方の側壁はまた、ダブテールアンダーカットを形成するために、回転軸線に対して斜めに傾斜するように配向される。

トルクセグメント、好ましくはさらにクランプセグメントも適切に切屑溝内に開口し、トルクセグメント、好ましくはクランプセグメントも直線的に延在する。

本発明の例示的な実施形態について、図面に基づきより詳細に説明する。

キャリヤを有する回転工具および第１の構造的変形例による切削ヘッドの詳細の分解斜視図である。 第１の構造的変形例による切削ヘッドの下側の平面図である。 図２Ａによる切削ヘッドの側面図である。 図２Ｂによる切削ヘッドの９０°にわたって回転した側面図である。 第１の構造的変形例によるキャリヤの詳細の側面図である。 図３Ａによるキャリヤの前部端面の平面図である。 図３Ｂの断面線３Ｃ−３Ｃによる断面図である。 回転工具の終端図（ｅｎｄ−ｏｎ ｖｉｅｗ）を示す図４Ｂの断面線４Ａ−４Ａに沿った第１の構造的変形例による切削ヘッドの領域の詳細の断面図である。 回転工具の終端図を示す図である。 図２Ａ〜図２Ｃの図面に関して、特に図２Ａに関して、第２の構造的変形例による切削ヘッドの対応する図面である。 図２Ａ〜図２Ｃの図面に関して、特に図２Ｂに関して、第２の構造的変形例による切削ヘッドの対応する図面である。 図２Ａ〜図２Ｃの図面に関して、特に図２Ｃに関して、第２の構造的変形例による切削ヘッドの対応する図面である。 図３Ａ〜図３Ｃに関して、特に図３Ａに関して、第２の構造的変形例によるキャリヤの対応する図面である。 図３Ａ〜図３Ｃに関して、特に図３Ｂに関して、第２の構造的変形例によるキャリヤの対応する図面である。 図３Ａ〜図３Ｃに関して、特に図３Ｃに関して、第２の構造的変形例によるキャリヤの対応する図面である。 追加の軸方向ねじ固定部を有する第３の構造的変形例の切削ヘッドの領域の詳細の斜視図である。 追加の軸方向ねじ固定部を有する第３の構造的変形例の切削ヘッドの領域の詳細の斜視図である。 図２Ａ〜図２Ｃの図面に関して、特に図２Ａに関して、第４の構造的変形例による切削ヘッドの対応する図面である。 図２Ａ〜図２Ｃの図面に関して、特に図２Ｂに関して、第４の構造的変形例による切削ヘッドの対応する図面である。 図２Ａ〜図２Ｃの図面に関して、特に図２Ｃに関して、第４の構造的変形例による切削ヘッドの対応する図面である。 第４の構造的変形例のキャリヤの平面図および斜視図である。 第４の構造的変形例のキャリヤの平面図および斜視図である。 図９Ａの線９Ｃ−９Ｃに沿った断面図である。 図９Ａの線９Ｄ−９Ｄに沿った断面図である。 図９Ａの線９Ｅ−９Ｅに沿った断面図である。

例示的な実施形態において、同じように作用する部分には同一の参照記号が付与される。

詳細が図１に示された回転工具２は、例示的な実施形態でモジュール式のドリル工具として設計される。回転工具は、回転軸線４の方向に延在するキャリヤ６を備え、キャリヤの前部端面には結合受口８が形成され、この受口に、切削ヘッド１２の結合ピン１０を端部において挿入することができ、かつ締結することができる。例示的な実施形態において、回転工具２は、２つの螺旋状の切屑溝１４を有し、切屑溝は、特に切屑溝壁がキャリヤ６から縁部なしに切削ヘッド１２まで一直線であるように、キャリヤ６の本体で機械加工され、切削ヘッド１２に継続される。

キャリヤ６は、一般に、切屑溝１４を有する前部切削領域と、前部切削領域に隣接する後方クランプシャンクとを有し、後方クランプシャンクについてはここでは具体的にそれ以上示さないが、対応する工作機械の工具受口にクランプすることができる。

キャリヤ６の端面および切削ヘッドの後方端面は、工具結合部を形成するために互いに補完するように設計される。以下に、キャリヤ側面の工具結合部の要素には、それぞれ参照符号「Ａ」が付与され、ヘッド側面の工具結合部の要素には、参照符号「Ｂ」が付与される。

次に、第１の構造的変形例による切削ヘッド１２の構造について、図２Ａ〜２Ｃに基づきより詳細に説明する。

結合ピン１０は、平坦なヘッド軸受領域１６Ｂによってその周辺が囲まれて、その脚部において境界付けられ、当該領域１６Ｂから回転軸線４の方向に延在する。結合ピンは、ヘッド断面領域１８Ｂを有し、このヘッド断面領域は、材料が存在する回転軸線４に対して直角の当該断面領域によって画定される。例示的な実施形態において、ヘッド断面領域１８Ｂは、したがって、切屑溝１４のため隙間を差し引いた円断面によって形成される。

ヘッド軸受領域１６Ｂの領域全体において、切削ヘッド１２はさらに前方に置かれ、したがって、実際のドリル尖端が形成される前に、例えば円錐形状の研削表面を有するあるヘッド高さを有する。

結合ピン１０の周辺は、各々の場合に、２つの対向する対のクランプセグメント２２Ｂおよびトルクセグメント２４Ｂによって形成される側壁２０Ｂによって境界付けられる。２つのセグメント２２Ｂ、２４Ｂは、それぞれ丸め成形部を形成するために互いの中に入る。対向するクランプセグメント２２Ｂおよびトルクセグメント２４Ｂは、それぞれ互いに平行に延びる。セグメント２２Ｂ、２４Ｂは、各々の場合にそれぞれの切屑溝１４内に延びる。セグメント２２Ｂ、２４Ｂは互いに対してほぼ直角に配向されるので、それらは長方形の基本形状を概ね画定する。結合ピン１０の最下端において、結合ピンは、平坦な底部領域２６Ｂによって画定され、そこからまさに円筒状の挿入ピン２８Ｂが中央に突出する。この挿入ピン２８Ｂは、切削ヘッド１２が結合受口８内に組み立てられるときに挿入補助部としてのみ使用される。挿入ピンの直径は、呼びドリル径の約１０％〜１５％に過ぎない。

図２Ａ〜図２Ｃに示した好ましい第１の構造的変形例の場合、対向するクランプセグメント２２Ｂおよびトルクセグメント２４Ｂは、例えば１０°〜２０°の範囲の傾斜角α１で回転軸線４に対して斜めに傾斜するように配向される。結合ピン１０は、したがって、全体的にほぼ円錐状に形成され、ドリル先端の方向に先細りする。

結合ピン１０からヘッド軸受領域１６Ｂまたは底部領域２６Ｂの移行領域には、特にヘッド軸受領域１６Ｂへの移行部におけるノッチ力を低減して、結合受口８への容易な挿入を可能するために、丸め成形部または斜面がそれぞれ形成される。

特に図２Ａによる平面図から理解できるように、それぞれのクランプセグメント２２Ｂは、ほぼ円周方向３０に延びる。円周方向３０は、この場合、回転工具の回転方向、すなわち、意図するように使用されるときの回転工具２の回転方向と反対である。切削ヘッド１２を前部から見ると、回転方向は通常反時計回りである。

トルクセグメント２４Ｂの領域において、ヘッド軸受領域１６Ｂの幅３２Ｂは、それぞれのクランプセグメント２２Ｂから連続的に増大する。幅３２Ｂは、この場合、切削ヘッド１２の円周領域と側壁２０Ｂとの間の半径方向距離によって画定される。

図３Ａ〜３Ｃに示されるキャリヤ６の前部端部領域は、切削ヘッド１２を補完するように設計される。図３Ａと３Ｃによる側面図は、それぞれキャリヤ６の部片のみを示している。切削ヘッド１２の個々の要素に対応して、キャリヤ６は、平坦な軸受領域１６Ａ、キャリヤ断面１８Ａ、側壁２０Ａ、クランプセグメント２２Ａ、トルクセグメント２４Ａ、底部領域２６Ａ、挿入孔２８Ａ、およびウェブ幅３２Ａも有する。図３Ｂによる平面図には、切屑溝１４にクーラント出口３４もさらに見ることができる。キャリヤ６が切断されている選択した図示のため、これらの出口は、開口円形領域として示されている。

特に図３Ｂから理解できるように、クランプセグメント２２Ａは、回転軸線４を直角に横切る中心軸線３６に対して平行に延在し、また底部領域２６Ａのレベルにおいて、切屑溝１４の壁部領域に対して接線を形成する。

対向するクランプセグメント２２Ａおよびトルクセグメント２４Ａは、回転軸線に対して傾斜角α２で傾斜しており、この場合、特に図４Ａから理解できるように、α２はα１よりも幾分大きい。これらの２つの角度の差は、例えば０．１°〜２．５°の範囲にある。

共に接合された状態の状況は、図４Ａから分かる。切削ヘッドのヘッド軸受領域１６Ｂは、軸受領域１６Ａに平坦に位置し、完全に円周方向に位置している。斜めに傾斜したセグメント２２Ａ、Ｂと２４Ａ、Ｂは、切削ヘッド１２がダブテール接続の形態でキャリヤ６に保持される効果を有する。

切削ヘッド１２の組立のため、切削ヘッドの結合ピン１０が先行して結合受口８に挿入され、２つの軸受領域１６Ａ、Ｂが互いに上下に位置するまで、結合ピン１０が最初に結合受口８に対して僅かに捻られる。次に、切削ヘッド１２が円周方向３０に捻られ、この結果、斜めに傾斜したセグメント２２Ａ、Ｂと２４Ａ、Ｂはダブテールアンダーカットを形成する。したがって、円周方向３０はねじ込み方向に対応し、このねじ込み方向に、切削ヘッド１２が組立中にキャリヤ６内にねじ込まれる。

特に図３Ｂによる平面図から理解できるように、受口８はキャリヤ断面１８Ａ（切屑溝１４のため隙間を差し引いた円断面）の領域全体で、ウェブ３１によって正確には軸受領域１６Ａと同一の高さで囲まれ、この結果、セグメント２２Ａ、２４Ａのすべては中央内側に位置し、半径方向に外側に導かれない。このことは、特にトルクセグメント２４Ａに当てはまる。同様に、ウェブ幅３２Ａが円周方向３０に連続的に拡がることを理解することができる。

クランプセグメント２２Ａの領域では、ウェブ３１は、それぞれ切屑溝１４内に入り、この程度に突出し、またこの領域で、回転軸線の方向に材料によってもはや完全に支持されない。この突出領域は、ローブセグメント３３と称される。

結合ピン１０のねじ込み中、対向するローブセグメント３３は、幾分弾性的に拡げられるので、ローブセグメントは結合ピン１０に半径方向の力成分を及ぼす。

選択した構造により、トルクセグメント２４Ａの特別な配向、特にダブテールアンダーカットを形成するためのトルクセグメントの構造は、特定の利点と理解することができる。クランプセグメント２２Ｂの領域において、結合ピン１０は、半径方向外側に作用する力を発生し、この力は、ウェブ３１内の反りによってトルクセグメント２４Ａで半径方向内側に作用する力を逆に発生する。これによって、ダブテール状の構造は、補助の締付けトルクがさらに軸方向に及ぼされる効果を有し、この結果、ヘッド軸受領域１６Ｂは軸受領域１６Ａに押圧される。さらに、このことは、センタリング作用もトルクセグメント２４Ｂの領域で高められる効果を有する。

トルクセグメント２４Ｂの領域で伝達されたトルク力の強度にもかかわらず、斜めに傾斜した構造は、したがって、トルクセグメントの領域においてもダブテールアンダーカットを形成するために利点である。このことにより、結合ピン１０の側壁２０Ｂからヘッド軸受領域１６Ｂ内への移行領域のこの斜めの位置によっておそらくは誘発されるノッチ効果がより大きく補償される。この点で、図１〜図４に示した第１の構造的変形例は好ましい変形例である。

図５と図６に示されているような第２の構造的変形例の場合、第１の構造的変形例との違いとして、トルクセグメント２４Ｂの領域にはダブテールアンダーカットがない。むしろ、変形例２の実施形態において、トルクセグメントは、傾斜角β１、β２で反対方向に傾斜しているので、トルクセグメント２４Ａ、２４８は、キャリヤ６に向かって回転軸線４の方向に円錐状に先細りする。他の点では、図５と図６による構造的変形例は、図１〜図４による構造的変形例と同一である。

両方の構造的変形例の場合、確実な軸方向の引き抜き防止、十分なトルク伝達およびセンタリング機能が、比較的簡単に形成された結合ピン１０と、１つのみの要素を備える結合受口８とによって全体的に実現される。ここで、結合ピン１０および結合受口８の両方が、これらの３つの機能のために、単純なほぼ長方形の基本的な断面領域を有すること、回転軸線の方向にオフセットまたは段付き目盛がないことを強調したい。オフセットまたは段付き目盛は、円周方向にも設けられない。隣接する挿入ピン２８Ｂが中心領域にのみにあるが、このピンは言及した３つの機能に関して効果を有せず、特に、著しく正確なセンタリングの意味のセンタリング機能も引き受けず、この機能は、結合ピン１０に対する半径方向力の作用によってのみ可能である。相応して、挿入ピン２８Ｂには、したがって、回転軸線４に対して平行に延びる円筒状の側面領域も設けられる。

したがって、工具結合部の基本形状は、一般に、斜めに傾斜するように側壁が形成される例えばほぼ直方体の本体要素によって述べることができる。したがって、本体は、全体的に切頭錐体の形態で形成され、長方形基部領域および断面領域は、好ましくは対称の台形によって形成される基部領域に対して直角である。この本体（結合受口８の側面および結合ピン１０の側面の両方の本体）は、それぞれ平坦な領域１６Ｂ、Ａから延在し、次に平坦な領域２６Ａ、Ｂで終端する。この直方体の基本形状は、切屑溝１４が形成される領域の他は、ウェブ３１によって囲まれ、切削溝は、この点で、直方体の形状から切断された円筒状または楕円形のセグメントである。

原理的に、この工具結合部はまた、さらに追加の軸方向締結手段なしに軸方向の引き抜き防止が十分であるという利点を有する。このことは、特に、キャリヤ６の比較的小さな呼び径、例えば２５ｍｍの場合に当てはまる。このことにより、特にキャリヤコアのさらなる弱化が回避される。この問題は、より大きな直径の場合それほど重要でない。この点で、２０または２５ｍｍよりも大きな呼び径により、図７Ａ、７Ｂの第３の例示的な実施形態に示されるように、軸方向の引き抜き防止のためにねじ３８を設けることが可能である。

別の第４の構造的変形例が、図８Ａ〜８Ｃおよび図９Ａ〜９Ｅに示されている。前の例示的な実施形態との違いとして、結合ピン１０および結合受口８の（回転軸線に対して横断方向に延びる）長手方向は、切屑溝１４から切屑溝１４にもはや延在せず、ほぼこれらの切屑溝の間に延び、したがって、結合ピン１０および結合受口８のいずれも切屑溝内に開口しない。

むしろ、結合受口８は、ウェブ３１によってほぼ完全に囲まれ、２つのクランプセグメント２２Ｂの一方の領域のみに、押し込み開口４０が形成され、したがってウェブ３１が遮断される。

この押し込み開口４０の幅は、この場合、結合ピン１０の幅に対応するので、これにより、結合受口８の長手方向にほぼ対応する押し込み方向４２に回転軸線４に対して直角に結合ピン１０を結合受口８に押し込むことが可能になる。このために、１対の案内セグメント４４が設けられ、これらのセグメントに沿って、結合ピン１０が摺動し、押し込み中に案内される。引き続く捻れは、次に、ダブテールアンダーカットがクランプセグメント２２Ａ、２２Ｂの間におよび／またはトルクセグメント２４Ａ、２４Ｂの間に形成される効果を有する。例示的な実施形態に示されるように、ダブテールアンダーカットは、すべてのセグメント２２Ａ、Ｂ、２４Ａ、Ｂの場合に形成される。

この構造的変形例の場合も、３つのすべての機能、具体的には、引き抜き防止、センタリング効果およびトルク伝達は、ほぼ角錐台形の結合ピン１０および相応して形成された結合受口８によってまさに引き受けられる。軸方向の引き抜き防止のための別の締結手段またはセンタリングのためのセンタリング手段は不要である。前の例示的な実施形態による結合ピン１０と比較して、切屑溝１４が領域を切断しないので、結合ピン１０は同様に単純化した設計である。したがって、結合ピン１０は、丸め成形された隅部を有する簡単な切頭錐体として形成される。この例示的な実施形態の場合、結合受口８は、回転軸線４の方向の結合ピン１０の挿入が不可能であるように寸法決めされることが好ましい。

もはや具体的に示さない代わりの構造的変形例によれば、結合受口８の幅は、回転軸線４の方向の結合ピン１０の挿入が可能にされるように寸法決めされる。この変形例の場合、押し込み開口がないことが好ましい。

２ 回転工具
４ 回転軸線
６ キャリヤ
８ 結合受口
１０ 結合ピン
１２ 切削ヘッド
１４ 切屑溝
１６Ａ 平坦な軸受領域
１６Ｂ 平坦なヘッド軸受領域
１８Ａ キャリヤ断面
１８Ｂ ヘッド断面領域
２０Ａ 側壁
２０Ｂ 側壁
２２Ａ クランプセグメント
２２Ｂ クランプセグメント
２４Ａ トルクセグメント
２４Ｂ トルクセグメント
２６Ａ 底部領域
２６Ｂ 平坦な底部領域
２８Ａ 挿入孔
２８Ｂ 円筒状の挿入ピン
３０ 円周方向
３１ 外側ウェブ
３２Ａ ウェブ幅
３２Ｂ 幅
３３ ローブセグメント
３４ クーラント出口
３６ 中心軸線
３８ ねじ
４０ 押し込み開口
４２ 押し込み方向
４４ 案内セグメント
α１ 傾斜角
α２ 傾斜角
β１ 傾斜角
β２ 傾斜角

Claims (15)

1. 回転軸線（４）の方向に延在し、かつキャリヤ（６）と、端面において前記キャリヤ（６）に交換可能に締結される切削ヘッド（１２）とを有する回転工具（２）、特にドリルであって、
   前記キャリヤ（６）が、前記端面において前記切削ヘッド（１２）の結合ピン（１０）用の結合受口（８）を有し、
   前記キャリヤ（６）がキャリヤ断面（１８Ａ）を有し、
   前記結合受口（８）が外側ウェブ（３１）によって特に前記キャリヤ断面（１８Ａ）の領域全体で境界付けられ、
   前記ウェブ（３１）の前記端面全体が前記切削ヘッド（１２）用の平坦な軸受領域（１６Ａ）を形成し、
   前記結合受口（８）が前記側壁（２０Ａ）によって境界付けられ、
   前記側壁（２０Ａ）が前記軸受領域（１６Ａ）から前記底部領域（２６Ａ）まで段部なしに延在する、回転工具（２）において、
   前記側壁（２０Ａ）が、１対の対向するクランプセグメント（２２Ａ）と、１対の対向するトルクセグメント（２４Ａ）とを有し、
   前記クランプセグメント（２２Ａ）が円周方向（３０）に延在し、前記切削ヘッド（１２）を半径方向にセンタリングするために使用され、
   前記トルクセグメント（２４Ａ）が前記クランプセグメントに対してある角度で配置され、前記トルク伝達のために使用され、
   前記対のセグメント（２２Ａ、２４Ａ）の少なくとも一方が、軸方向の引き抜き防止のためのアンダーカットを形成するために前記回転軸線（４）に対して傾斜されるように配向されることを特徴とする回転工具（２）。
2. 前記キャリヤ（６）が、ウェブ（３１）を分割する切屑溝（１４）を有することと、前記トルクセグメント（２４Ａ）が前記切屑溝（１４）内に開口することを特徴とする、請求項１に記載の回転工具（２）。
3. 前記ウェブ（３１）が、各々の場合に、前記クランプセグメント（２２Ａ）の領域に、前記切屑溝（１４）に終端するローブセグメント（３３）を有し、前記回転軸線（４）の方向に観測したときに、前記切屑溝（１４）の上方に延在することを特徴とする、請求項２に記載の回転工具（２）。
4. 前記ウェブ（３１）が、前記２つのクランプセグメント（２２Ａ）の周辺の周りに形成され、前記２つのクランプセグメントの一方の領域のみに押し込み開口（４０）を有し、前記開口を介して、前記結合ピン（１０）を押し込み方向（４２）に沿って半径方向に前記結合受口（８）に挿入することができることを特徴とする、請求項１に記載の回転工具（２）。
5. 前記側壁（２０Ａ）がさらに案内セグメント（４４）を有し、前記案内セグメントが前記押し込み方向（４２）に延在しかつそれぞれ前記トルクセグメント（２４Ａ）に隣接することを特徴とする、請求項４に記載の回転工具（２）。
6. 前記トルクセグメント（２４Ａ）が、前記回転軸線（４）に対して直角の断面で直線的に延在することを特徴とする、請求項１〜５のいずれか一項に記載の回転工具（２）。
7. 前記クランプセグメント（２２Ａ）から、前記ウェブ（３１）のウェブ幅（３２Ａ）が前記トルクセグメント（２４Ａ）の領域で増大することを特徴とする、請求項１〜６のいずれか一項に記載の回転工具（２）。
8. 前記側壁（２０Ａ）が、アンダーカットを形成するために前記領域全体で前記回転軸線（４）に対して傾斜されるように配向されることを特徴とする、請求項１〜７のいずれか一項に記載の回転工具（２）。
9. 前記トルクセグメント（２４Ａ）が前記クランプセグメント（２２Ａ）に対して直角に配向されることを特徴とする、請求項１〜８のいずれか一項に記載の回転工具（２）。
10. 前記１対のトルクセグメント（２４Ａ）の他に、トルク伝達用の別の手段または領域が設けられないことを特徴とする、請求項１〜９のいずれか一項に記載の回転工具（２）。
11. 前記クランプセグメント（２２Ａ）および前記トルクセグメント（２４Ａ）の他に、前記結合ピン（１０）に半径方向に作用する力を及ぼす別のセンタリング手段が設けられないことを特徴とする、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の回転工具（２）。
12. 前記結合ピン（１０）が、前記回転軸線（４）に対して傾斜している前記結合受口（８）の一対のセグメント（２２８、２４Ｂ）を補完し、前記回転軸線の傾斜角（α１）が、前記結合受口（８）の前記対のセグメント（２２Ａ、２４Ａ）の傾斜角とは異なることを特徴とする、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の回転工具（２）。
13. 請求項１〜１２のいずれか一項に記載の回転工具（２）用の切削ヘッド（１２）であって、
    ヘッド断面（１８Ｂ）を有し、
    端面に結合ピン（１０）を有し、
    前記結合ピン（１０）が、前記キャリヤ（６）の軸受領域（１６Ａ）を平坦に支承するための前記ヘッド軸受領域（１６Ｂ）によって囲まれ、
    前記結合ピン（１０）が側壁（２０Ｂ）によって境界付けられ、
    前記側壁（２０Ｂ）が前記ヘッド軸受領域（１６Ｂ）から底部領域（２６Ｂ）まで段部なしに延在する、切削ヘッド（１２）において、
    前記側壁（２０Ｂ）が、１対の対向するクランプセグメント（２２Ｂ）と、１対の対向するトルクセグメント（２４Ｂ）とを有し、
    前記クランプセグメント（２２Ｂ）が円周方向（３０）に延在し、前記半径方向のセンタリングのために使用され、
    前記トルクセグメント（２４Ｂ）が前記クランプセグメントに対してある角度で配置され、前記トルク伝達のために使用され、
    前記対のセグメント（２２Ｂ、２４Ｂ）の少なくとも一方が、軸方向の引き抜き防止のためのアンダーカットを形成するために前記回転軸線（４）に対して傾斜されるように配向されることを特徴とする切削ヘッド（１２）。
14. 前記トルクセグメント（２４Ｂ）がそれぞれ開口する切屑溝（１４）を特徴とする、請求項１３に記載の切削ヘッド（１２）。
15. 前記トルクセグメント（２４Ｂ）が直線的に延在することを特徴とする、請求項１３又は１４に記載の切削ヘッド（１２）。

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